JPH08225964A - 光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法 - Google Patents
光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH08225964A JPH08225964A JP5320595A JP5320595A JPH08225964A JP H08225964 A JPH08225964 A JP H08225964A JP 5320595 A JP5320595 A JP 5320595A JP 5320595 A JP5320595 A JP 5320595A JP H08225964 A JPH08225964 A JP H08225964A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- etching
- dimples
- reflectance
- phase particles
- aluminum material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルカリエッチング処理により、光輝性の高
いアルミニウム材を安定した条件下で得る。 【構成】 このアルミニウム材料は、粒径5μm以下の
第2相粒子を0.3%以下の体積率で含み、アルカリエ
ッチングによって直径が0.1〜100μmの範囲にあ
るディンプルを形成した表面をもち、ディンプルの平均
深さをd(μm),ディンプルの平均半径をr(μ
m),平坦部の残存面積率をα,入射角60度での反射
率をR(%)とするとき、次式の関係が成立している。
アルカリエッチングの際、上式の関係が成立する条件下
でエッチングを終了させることにより、目標値より高い
反射率Rをもつ光輝材となる。 1−(d/r)/tan 30≧0 {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}
×92>R 【効果】 アルカリエッチングによって、高い光輝性を
付与できる。
いアルミニウム材を安定した条件下で得る。 【構成】 このアルミニウム材料は、粒径5μm以下の
第2相粒子を0.3%以下の体積率で含み、アルカリエ
ッチングによって直径が0.1〜100μmの範囲にあ
るディンプルを形成した表面をもち、ディンプルの平均
深さをd(μm),ディンプルの平均半径をr(μ
m),平坦部の残存面積率をα,入射角60度での反射
率をR(%)とするとき、次式の関係が成立している。
アルカリエッチングの際、上式の関係が成立する条件下
でエッチングを終了させることにより、目標値より高い
反射率Rをもつ光輝材となる。 1−(d/r)/tan 30≧0 {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}
×92>R 【効果】 アルカリエッチングによって、高い光輝性を
付与できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材パネル,化粧品容
器,装飾品,光学系部品等に使用される光輝性に優れた
アルミニウム材料及びその製造方法に関する。
器,装飾品,光学系部品等に使用される光輝性に優れた
アルミニウム材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材料は、優れた光沢性を呈
する材料であるが、バフ研磨等の機械的研磨では得られ
る光沢に限度がある。そのため、たとえば反射率が70
%以上の高い光輝性が要求される建材パネル,化粧品容
器,装飾品,光学系部品等の用途に使用される材料は、
通常、電解研磨によって表面平滑性を向上させている。
光輝性が付与されたアルミ表面は、その後に陽極酸化皮
膜を形成しても光輝性の低下が少なく、長期間にわたっ
て優れた光輝性を持続する。
する材料であるが、バフ研磨等の機械的研磨では得られ
る光沢に限度がある。そのため、たとえば反射率が70
%以上の高い光輝性が要求される建材パネル,化粧品容
器,装飾品,光学系部品等の用途に使用される材料は、
通常、電解研磨によって表面平滑性を向上させている。
光輝性が付与されたアルミ表面は、その後に陽極酸化皮
膜を形成しても光輝性の低下が少なく、長期間にわたっ
て優れた光輝性を持続する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電解研磨で光輝性を付
与する方法では、高品質の製品が得られるものの、初期
設備投資及びランニングコストが高額なため、簡便に適
用できる方法ではない。他方、光輝性を高める化学研磨
も一部で行われているが、処理工程が簡略化されること
から酸エッチング法が主流であった。すなわち、アルカ
リエッチングはで、アルミ表面が白色化する傾向が強
く、光輝材が得られる適正範囲が狭い。そのため、厳し
い操業管理が必要とされ、汎用性に欠けるため、光輝処
理にはほとんど適用されていなかった。処理されるアル
ミニウム材としても、均一なエッチング状態を発現させ
るために、高価な純アルミ系材料が多用されてきた。本
発明は、このような問題を解消すべく案出されたもので
あり、エッチングによってアルミ表面に形成されるディ
ンプルを定量的にコントロールすることにより、慣用さ
れているアルカリエッチングによっても光輝性の高いア
ルミニウム材料を得ることを目的とする。
与する方法では、高品質の製品が得られるものの、初期
設備投資及びランニングコストが高額なため、簡便に適
用できる方法ではない。他方、光輝性を高める化学研磨
も一部で行われているが、処理工程が簡略化されること
から酸エッチング法が主流であった。すなわち、アルカ
リエッチングはで、アルミ表面が白色化する傾向が強
く、光輝材が得られる適正範囲が狭い。そのため、厳し
い操業管理が必要とされ、汎用性に欠けるため、光輝処
理にはほとんど適用されていなかった。処理されるアル
ミニウム材としても、均一なエッチング状態を発現させ
るために、高価な純アルミ系材料が多用されてきた。本
発明は、このような問題を解消すべく案出されたもので
あり、エッチングによってアルミ表面に形成されるディ
ンプルを定量的にコントロールすることにより、慣用さ
れているアルカリエッチングによっても光輝性の高いア
ルミニウム材料を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム材
料は、その目的を達成するため、金属間化合物の第2相
粒子が粒径5μm以下で、その体積率が0.3%以下に
調製されており、アルカリエッチングによって直径が
0.1〜100μmの範囲にあるディンプルが形成され
た表面をもち、ディンプルの平均深さをd(μm),デ
ィンプルの平均半径をr(μm),平坦部の残存面積率
をα,入射角60度での反射率をR(%)とするとき、
Rが70%以上で次式の関係が成立していることを特徴
とする。 1−(d/r)/tan 30≧0 {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}
×92>R エッチングされるアルミニウム材料としては、材質的に
は、たとえばJISH4000規格における純アルミニ
ウムA1000系合金,A2011等のAl−Cu系や
A5052,A5154,A5N01等のAl−Mg系
アルミニウム合金等が使用される。或いは、これらのア
ルミニウム材を表面層とする合せ材にも、同様に適用さ
れる。なお、アルカリエッチング前の平均的な表面粗さ
Ra が0.08を超えるものでは、予め脱脂処理時にR
a ≒0.08に調整することがより好ましい。高い光輝
性は、上記の特定されたアルミニウム材料をアルカリエ
ッチングする際、上式の関係が成立する条件下でエッチ
ングを終了させることにより付与される。
料は、その目的を達成するため、金属間化合物の第2相
粒子が粒径5μm以下で、その体積率が0.3%以下に
調製されており、アルカリエッチングによって直径が
0.1〜100μmの範囲にあるディンプルが形成され
た表面をもち、ディンプルの平均深さをd(μm),デ
ィンプルの平均半径をr(μm),平坦部の残存面積率
をα,入射角60度での反射率をR(%)とするとき、
Rが70%以上で次式の関係が成立していることを特徴
とする。 1−(d/r)/tan 30≧0 {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}
×92>R エッチングされるアルミニウム材料としては、材質的に
は、たとえばJISH4000規格における純アルミニ
ウムA1000系合金,A2011等のAl−Cu系や
A5052,A5154,A5N01等のAl−Mg系
アルミニウム合金等が使用される。或いは、これらのア
ルミニウム材を表面層とする合せ材にも、同様に適用さ
れる。なお、アルカリエッチング前の平均的な表面粗さ
Ra が0.08を超えるものでは、予め脱脂処理時にR
a ≒0.08に調整することがより好ましい。高い光輝
性は、上記の特定されたアルミニウム材料をアルカリエ
ッチングする際、上式の関係が成立する条件下でエッチ
ングを終了させることにより付与される。
【0005】
【作用】本発明者等は、アルカリエッチング量と反射率
との関係を、種々の材料を使用して研究した。その結
果、所定範囲のエッチング量でアルカリエッチングして
も、被処理材の反射率が変化しないことを見い出した。
反射率が変化しない原因は、エッチングされたアルミニ
ウム材料の表面状態にあるものと推察される。すなわ
ち、ディンプルが形成されたアルミニウム材料表面に入
射した光は、残存平坦部及びディンプル底面で反射され
る。アルミニウム材料の表面から一定の角度で反射され
る光量の入射光量に対する比率が反射率であることか
ら、反射光の光量を多くするためには、残存平坦部及び
ディンプル底面での相関的反射が問題となる。また、ア
ルカリエッチングのディンプル形成点が金属間化合物の
第2相粒子が存在する位置と相関していることを見い出
した。すなわち、金属間化合物の第2相粒子が粒径5μ
m以下で且つその体積率が0.3%以下に調製されたア
ルミニウム材をアルカリエッチングするとき、表面に形
成されるディンプル密度が光輝面を安易に得られるレベ
ルのものになることが判った。
との関係を、種々の材料を使用して研究した。その結
果、所定範囲のエッチング量でアルカリエッチングして
も、被処理材の反射率が変化しないことを見い出した。
反射率が変化しない原因は、エッチングされたアルミニ
ウム材料の表面状態にあるものと推察される。すなわ
ち、ディンプルが形成されたアルミニウム材料表面に入
射した光は、残存平坦部及びディンプル底面で反射され
る。アルミニウム材料の表面から一定の角度で反射され
る光量の入射光量に対する比率が反射率であることか
ら、反射光の光量を多くするためには、残存平坦部及び
ディンプル底面での相関的反射が問題となる。また、ア
ルカリエッチングのディンプル形成点が金属間化合物の
第2相粒子が存在する位置と相関していることを見い出
した。すなわち、金属間化合物の第2相粒子が粒径5μ
m以下で且つその体積率が0.3%以下に調製されたア
ルミニウム材をアルカリエッチングするとき、表面に形
成されるディンプル密度が光輝面を安易に得られるレベ
ルのものになることが判った。
【0006】このような前提の下で、特定性状のもので
アルカリエッチングされたアルミニウム材料を表面解析
すると共に、表面状態と反射率との関係を調査したとこ
ろ、ディンプルが0.1〜100μmの範囲にあり、デ
ィンプルの平均深さd(μm),ディンプルの平均半径
r(μm),平坦部の残存面積率α及び入射角60度で
の反射率R(%)の間に式(1)及び(2)の関係をも
たせるとき、所定の反射率をもち光輝性に優れたアルミ
ニウム材料が得られることが判明した(図2参照)。 1−(d/r)/tan 30≧0 ・・・・(1) {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}×92>R ・・・・(2) 式(1)及び(2)は、本発明者等による実験結果から
導き出された関係式である。式(1)は、ディンプルの
底面から反射光が出射されるように、過度にエッチング
することなく、ディンプルを形成する条件式である。式
(2)は、所定の反射率Rを得るために必要な残存平坦
面を確保しながら、必要なエッチングを施す条件式であ
る。そこで、目標反射率Rを先ず設定し、それに応じて
式(1)及び(2)を満足させるディンプルの平均深さ
d,ディンプルの平均半径r及び平坦部の残存面積率α
を定めることにより、エッチング終了時点が決定され
る。この条件を満足する範囲内でエッチングを行うとき
には、目標値R以上の反射率が得られる。そのため、エ
ッチング条件の管理が容易になると共に、光輝性に優れ
たアルミニウム材料が生産性良く製造される。
アルカリエッチングされたアルミニウム材料を表面解析
すると共に、表面状態と反射率との関係を調査したとこ
ろ、ディンプルが0.1〜100μmの範囲にあり、デ
ィンプルの平均深さd(μm),ディンプルの平均半径
r(μm),平坦部の残存面積率α及び入射角60度で
の反射率R(%)の間に式(1)及び(2)の関係をも
たせるとき、所定の反射率をもち光輝性に優れたアルミ
ニウム材料が得られることが判明した(図2参照)。 1−(d/r)/tan 30≧0 ・・・・(1) {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}×92>R ・・・・(2) 式(1)及び(2)は、本発明者等による実験結果から
導き出された関係式である。式(1)は、ディンプルの
底面から反射光が出射されるように、過度にエッチング
することなく、ディンプルを形成する条件式である。式
(2)は、所定の反射率Rを得るために必要な残存平坦
面を確保しながら、必要なエッチングを施す条件式であ
る。そこで、目標反射率Rを先ず設定し、それに応じて
式(1)及び(2)を満足させるディンプルの平均深さ
d,ディンプルの平均半径r及び平坦部の残存面積率α
を定めることにより、エッチング終了時点が決定され
る。この条件を満足する範囲内でエッチングを行うとき
には、目標値R以上の反射率が得られる。そのため、エ
ッチング条件の管理が容易になると共に、光輝性に優れ
たアルミニウム材料が生産性良く製造される。
【0007】使用可能なアルカリエッチング水溶液は、
特にその種類が拘束されるものではないが、NaOH,
Na3 PO4 ,KOH等があり、必要に応じてグルコン
酸ナトリウム,硝酸ナトリウム等の助剤が添加される。
たとえば、NaOH系のエッチング液を使用する場合、
濃度を1〜100g/l(好ましくは3〜10g/l)
に調整し、室温〜90℃(好ましくは40〜60℃)の
浴温で20分以下の時間浸漬する。また、スケールの発
生を防止するために0.5〜5g/lのグルコン酸ナト
リウム,エッチング速度を上げるために5〜50g/l
の硝酸ナトリウム等を必要に応じて添加する。エッチン
グにより形成されるディンプルは、種々の大きさのもの
が混在するにしても、直径が0.1〜100μmの範囲
にあり、好ましくは平均値で1〜50μmの範囲にあ
る。直径が0.1μmに満たないディンプルは、光輝性
に与える影響が小さく、無視される。一方、100μm
を超える大きな直径のディンプルでは、肉眼で判別さ
れ、表面欠陥のあるものとして扱われる。
特にその種類が拘束されるものではないが、NaOH,
Na3 PO4 ,KOH等があり、必要に応じてグルコン
酸ナトリウム,硝酸ナトリウム等の助剤が添加される。
たとえば、NaOH系のエッチング液を使用する場合、
濃度を1〜100g/l(好ましくは3〜10g/l)
に調整し、室温〜90℃(好ましくは40〜60℃)の
浴温で20分以下の時間浸漬する。また、スケールの発
生を防止するために0.5〜5g/lのグルコン酸ナト
リウム,エッチング速度を上げるために5〜50g/l
の硝酸ナトリウム等を必要に応じて添加する。エッチン
グにより形成されるディンプルは、種々の大きさのもの
が混在するにしても、直径が0.1〜100μmの範囲
にあり、好ましくは平均値で1〜50μmの範囲にあ
る。直径が0.1μmに満たないディンプルは、光輝性
に与える影響が小さく、無視される。一方、100μm
を超える大きな直径のディンプルでは、肉眼で判別さ
れ、表面欠陥のあるものとして扱われる。
【0008】ディンプルの深さdは、1.5μm以下が
好ましい。深さが1.5μmを超えるディンプルでは、
エッチングの進行に伴うd/r値の減少度が小さく、反
射率Rが低下する。ディンプルのアスペクト比d/r
は、平坦部の残存面積率αに影響され、αに応じて小さ
くなる。高い反射率Rを得るためには、0.2以下のア
スペクト比d/rが好ましい。第2相粒子の体積率,デ
ィンプル,残存平坦部の平均値等は、光学顕微鏡,SE
M,レーザ顕微鏡等によって観察され、観察結果を画像
処理することによりディンプルの深さd,半径r,残存
平坦部の面積率α等が求められる。特に、三次元方向の
情報を得る手段としては、レーザ顕微鏡が好ましい。ま
た、エッチング時に、ディンプルは、金属間化合物の第
2相粒子を起点として形成される。この点、第2相粒子
の分散状態は、エッチングにより形成されるディンプル
の分布に重要な影響を及ぼす。本発明者等の研究による
とき、粒径5μm以下の第2相粒子が体積率0.3%以
下で分散しているとき、光輝性の改善に有効であること
が判った。第2相粒子としては、Al3 Fe,Al6 F
e,α−AlFeSi,β−AlFeSi,α−AlF
eMSi(M=Cu,Mn,Cr),Al2 Cu,Mg
2 Si,Aln Mn,TiAl等があり、マトリックス
よりも貴又は卑の何れであっても良く、マトリックス中
に均一に分散していることが好ましい。通常のものであ
れば、マトリックス全体が均一な組織として製造される
ので問題はないが、製法によって第2相粒子に肉厚方向
に関する分布がみられるような場合には、アルカリエッ
チング前の材料の表面から100μm程度の深さにおけ
る金属組織がこの条件を満足するものであることが好適
である。
好ましい。深さが1.5μmを超えるディンプルでは、
エッチングの進行に伴うd/r値の減少度が小さく、反
射率Rが低下する。ディンプルのアスペクト比d/r
は、平坦部の残存面積率αに影響され、αに応じて小さ
くなる。高い反射率Rを得るためには、0.2以下のア
スペクト比d/rが好ましい。第2相粒子の体積率,デ
ィンプル,残存平坦部の平均値等は、光学顕微鏡,SE
M,レーザ顕微鏡等によって観察され、観察結果を画像
処理することによりディンプルの深さd,半径r,残存
平坦部の面積率α等が求められる。特に、三次元方向の
情報を得る手段としては、レーザ顕微鏡が好ましい。ま
た、エッチング時に、ディンプルは、金属間化合物の第
2相粒子を起点として形成される。この点、第2相粒子
の分散状態は、エッチングにより形成されるディンプル
の分布に重要な影響を及ぼす。本発明者等の研究による
とき、粒径5μm以下の第2相粒子が体積率0.3%以
下で分散しているとき、光輝性の改善に有効であること
が判った。第2相粒子としては、Al3 Fe,Al6 F
e,α−AlFeSi,β−AlFeSi,α−AlF
eMSi(M=Cu,Mn,Cr),Al2 Cu,Mg
2 Si,Aln Mn,TiAl等があり、マトリックス
よりも貴又は卑の何れであっても良く、マトリックス中
に均一に分散していることが好ましい。通常のものであ
れば、マトリックス全体が均一な組織として製造される
ので問題はないが、製法によって第2相粒子に肉厚方向
に関する分布がみられるような場合には、アルカリエッ
チング前の材料の表面から100μm程度の深さにおけ
る金属組織がこの条件を満足するものであることが好適
である。
【0009】金属間化合物の第2相粒子の粒径が5μm
を超えると、第2相粒子又は第2相粒子近傍が優先的に
エッチングされる結果、大きなディンプルが発生する。
そのため、平坦部の残存面積率αが著しく減少し、また
ディンプルの深さdに対する半径rの比d/rがエッチ
ングの進行によっても小さくならず、第2相粒子の影響
が後まで残る。その結果、条件式(1)及び(2)を満
足させることが困難になり、目標反射率Rを得るエッチ
ング条件の設定が難しくなる。第2相粒子は、0.5〜
3μmが実用的である。第2相粒子は、体積率0.3%
以下でマトリックスに均一分散していることが好まし
く、エッチングを好適に進行させる上では0.05%以
上であることが好適である。しかし、0.3%を超える
体積率で第2相粒子が分散していると、エッチングによ
り平坦部の残存面積率αの低下が著しく、光輝性のある
面が得られなくなる。このような条件を満足するアルミ
ニウム材は、常法に従って材料組成,圧延加工条件,そ
の後の熱処理条件等を調整することにより、容易に調製
されるものである。光輝性が改善されたアルミニウム材
料は、エッチング後、中和及び脱スマット処理される。
中和及び脱スマット処理には、10〜40%硝酸液,1
00〜200g/l硫酸液等を使用した通常の方法が採
用される。その後、必要に応じ硫酸,蓚酸,硼酸等の陽
極酸化電解浴を使用する陽極酸化皮膜処理,クリヤー塗
装処理等の後加工が行われる。本発明のアルミニウム材
は、この皮膜処理によっても光輝性を損なわない。ま
た、このような後加工で不良品となった場合であって
も、上述の条件を満足する範囲内で再エッチング処理を
して後加工による皮膜の脱膜処理を施すことにより、再
度の後加工に供しても所望の光輝面が得られるので、プ
ロセス全体での歩留りが向上する。
を超えると、第2相粒子又は第2相粒子近傍が優先的に
エッチングされる結果、大きなディンプルが発生する。
そのため、平坦部の残存面積率αが著しく減少し、また
ディンプルの深さdに対する半径rの比d/rがエッチ
ングの進行によっても小さくならず、第2相粒子の影響
が後まで残る。その結果、条件式(1)及び(2)を満
足させることが困難になり、目標反射率Rを得るエッチ
ング条件の設定が難しくなる。第2相粒子は、0.5〜
3μmが実用的である。第2相粒子は、体積率0.3%
以下でマトリックスに均一分散していることが好まし
く、エッチングを好適に進行させる上では0.05%以
上であることが好適である。しかし、0.3%を超える
体積率で第2相粒子が分散していると、エッチングによ
り平坦部の残存面積率αの低下が著しく、光輝性のある
面が得られなくなる。このような条件を満足するアルミ
ニウム材は、常法に従って材料組成,圧延加工条件,そ
の後の熱処理条件等を調整することにより、容易に調製
されるものである。光輝性が改善されたアルミニウム材
料は、エッチング後、中和及び脱スマット処理される。
中和及び脱スマット処理には、10〜40%硝酸液,1
00〜200g/l硫酸液等を使用した通常の方法が採
用される。その後、必要に応じ硫酸,蓚酸,硼酸等の陽
極酸化電解浴を使用する陽極酸化皮膜処理,クリヤー塗
装処理等の後加工が行われる。本発明のアルミニウム材
は、この皮膜処理によっても光輝性を損なわない。ま
た、このような後加工で不良品となった場合であって
も、上述の条件を満足する範囲内で再エッチング処理を
して後加工による皮膜の脱膜処理を施すことにより、再
度の後加工に供しても所望の光輝面が得られるので、プ
ロセス全体での歩留りが向上する。
【0010】
実施例1:表1に示した組成を持つアルミニウム合金を
160mm×150mm×30mmの鋳塊に鋳造し、片
面当り5mmの面削を両面に施して20mmの厚みにし
た。面削後の鋳塊に、600℃×1時間の均質化処理を
施し、厚さ1mmに冷間圧延した。得られた冷延板(表
面粗さRa=0.08μm)を640℃で80時間焼鈍
し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散している金属間化合物
の第2相粒子を測定したところ、平均粒子径が1μm,
体積率が0.07%であった。
160mm×150mm×30mmの鋳塊に鋳造し、片
面当り5mmの面削を両面に施して20mmの厚みにし
た。面削後の鋳塊に、600℃×1時間の均質化処理を
施し、厚さ1mmに冷間圧延した。得られた冷延板(表
面粗さRa=0.08μm)を640℃で80時間焼鈍
し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散している金属間化合物
の第2相粒子を測定したところ、平均粒子径が1μm,
体積率が0.07%であった。
【0011】
【表1】
【0012】浴温50℃の5重量%NaOH水溶液に焼
鈍材を浸漬し、ディンプル形状が平均半径5μm,深さ
1μmでアスペクト比d/r=0.2、平坦部の残存面
積率αが0.7になるまでエッチングした。このときの
エッチング減量は、30μmであった。エッチング後の
処理材は、74%の反射率を持ち、本発明で規定した関
係式(1)及び(2)を満足するものであった。また、
これ以上エッチングを継続しても、図1に示すように反
射率はほぼ同じレベルに止まっていた。
鈍材を浸漬し、ディンプル形状が平均半径5μm,深さ
1μmでアスペクト比d/r=0.2、平坦部の残存面
積率αが0.7になるまでエッチングした。このときの
エッチング減量は、30μmであった。エッチング後の
処理材は、74%の反射率を持ち、本発明で規定した関
係式(1)及び(2)を満足するものであった。また、
これ以上エッチングを継続しても、図1に示すように反
射率はほぼ同じレベルに止まっていた。
【0013】実施例2:実施例1と同じ冷延板を640
℃で25時間焼鈍し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散して
いる金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平均
粒子径が1.5μm,体積率が0.1%であった。浴温
50℃の5重量%NaOH水溶液に焼鈍材を浸漬し、デ
ィンプル形状が平均半径6.5μm,深さ1μmでアス
ペクト比d/r=0.23、平坦部の残存面積率αが
0.65になるまでエッチングした。このときのエッチ
ング減量は、30μmであった。エッチング後の処理材
は、71%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式
(1)及び(2)を満足するものであった。また、これ
以上エッチングを継続しても、反射率はほぼ同じレベル
に止まっていた。
℃で25時間焼鈍し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散して
いる金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平均
粒子径が1.5μm,体積率が0.1%であった。浴温
50℃の5重量%NaOH水溶液に焼鈍材を浸漬し、デ
ィンプル形状が平均半径6.5μm,深さ1μmでアス
ペクト比d/r=0.23、平坦部の残存面積率αが
0.65になるまでエッチングした。このときのエッチ
ング減量は、30μmであった。エッチング後の処理材
は、71%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式
(1)及び(2)を満足するものであった。また、これ
以上エッチングを継続しても、反射率はほぼ同じレベル
に止まっていた。
【0014】実施例3:実施例1と同じ冷延板を650
℃で100時間焼鈍し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散し
ている金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平
均粒子径が1μm,体積率が0.05%であった。浴温
50℃の5重量%NaOH水溶液に焼鈍材を浸漬し、デ
ィンプル形状が平均半径5μm,深さ1μmでアスペク
ト比d/r=0.2、平坦部の残存面積率αが0.6に
なるまでエッチングした。このときのエッチング減量
は、30μmであった。エッチング後の処理材は、79
%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式(1)及び
(2)を満足するものであった。また、これ以上エッチ
ングを継続しても、反射率はほぼ同じレベルに止まって
いた。
℃で100時間焼鈍し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散し
ている金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平
均粒子径が1μm,体積率が0.05%であった。浴温
50℃の5重量%NaOH水溶液に焼鈍材を浸漬し、デ
ィンプル形状が平均半径5μm,深さ1μmでアスペク
ト比d/r=0.2、平坦部の残存面積率αが0.6に
なるまでエッチングした。このときのエッチング減量
は、30μmであった。エッチング後の処理材は、79
%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式(1)及び
(2)を満足するものであった。また、これ以上エッチ
ングを継続しても、反射率はほぼ同じレベルに止まって
いた。
【0015】実施例4:表2に示した組成を持つアルミ
ニウム合金を160mm×150mm×30mmの鋳塊
に鋳造し、片面当り5mmの面削を両面に施して20m
mの厚みにした。面削後の鋳塊に、600℃×1時間の
均質化処理を施し、厚さ1mmに冷間圧延した。得られ
た冷延板を640℃で80時間焼鈍し、焼鈍材を得た。
焼鈍材に分散している金属間化合物の第2相粒子を測定
したところ、平均粒子径が1μm,体積率が0.07%
であった。
ニウム合金を160mm×150mm×30mmの鋳塊
に鋳造し、片面当り5mmの面削を両面に施して20m
mの厚みにした。面削後の鋳塊に、600℃×1時間の
均質化処理を施し、厚さ1mmに冷間圧延した。得られ
た冷延板を640℃で80時間焼鈍し、焼鈍材を得た。
焼鈍材に分散している金属間化合物の第2相粒子を測定
したところ、平均粒子径が1μm,体積率が0.07%
であった。
【0016】
【表2】
【0017】浴温50℃の5重量%NaOH水溶液に焼
鈍材を浸漬し、ディンプル形状が平均半径5μm,深さ
1μmでアスペクト比d/r=0.2、平坦部の残存面
積率αが0.7になるまでエッチングした。このときの
エッチング減量は、30μmであった。エッチング後の
処理材は、74%の反射率を持ち、本発明で規定した関
係式(1)及び(2)を満足するものであった。また、
これ以上エッチングを継続しても、反射率はほぼ同じレ
ベルに止まっていた。
鈍材を浸漬し、ディンプル形状が平均半径5μm,深さ
1μmでアスペクト比d/r=0.2、平坦部の残存面
積率αが0.7になるまでエッチングした。このときの
エッチング減量は、30μmであった。エッチング後の
処理材は、74%の反射率を持ち、本発明で規定した関
係式(1)及び(2)を満足するものであった。また、
これ以上エッチングを継続しても、反射率はほぼ同じレ
ベルに止まっていた。
【0018】比較例1:実施例1と同じ冷延板に分散し
ている金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平
均粒子径が1μm,体積率が0.41%であった。この
冷延板を、そのまま実施例1と同じエッチング液に浸漬
し、ディンプル形状が平均半径2.5μm,深さ1μm
でアスペクト比d/r=0.4、平坦部の残存面積率α
が0.7になるまでエッチングした。このときのエッチ
ング減量は、10μmであった。エッチング後の処理材
は、67%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式
(1)及び(2)を満足せず、光輝材としての要件を充
足するものではなかった。また、エッチング減量の増加
に伴って、図1に示すように反射率が大きく低下した。
ている金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平
均粒子径が1μm,体積率が0.41%であった。この
冷延板を、そのまま実施例1と同じエッチング液に浸漬
し、ディンプル形状が平均半径2.5μm,深さ1μm
でアスペクト比d/r=0.4、平坦部の残存面積率α
が0.7になるまでエッチングした。このときのエッチ
ング減量は、10μmであった。エッチング後の処理材
は、67%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式
(1)及び(2)を満足せず、光輝材としての要件を充
足するものではなかった。また、エッチング減量の増加
に伴って、図1に示すように反射率が大きく低下した。
【0019】比較例2:実施例1と同じ冷延板を640
℃で10時間焼鈍し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散して
いる金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平均
粒子径が1μm,体積率が0.12%であった。この焼
鈍材を、実施例1と同じエッチング液に浸漬し、ディン
プル形状が平均半径5μm,深さ1μmでアスペクト比
d/r=0.2、平坦部の残存面積率αが0.3になる
までエッチングした。このときのエッチング減量は、3
0μmであった。エッチング後の処理材は、55%の反
射率を持ち、本発明で規定した関係式(1)及び(2)
を満足せず、光輝材としての要件を充足するものではな
かった。また、エッチング減量の増加に伴って、図1に
示すように反射率が大きく低下した。
℃で10時間焼鈍し、焼鈍材を得た。焼鈍材に分散して
いる金属間化合物の第2相粒子を測定したところ、平均
粒子径が1μm,体積率が0.12%であった。この焼
鈍材を、実施例1と同じエッチング液に浸漬し、ディン
プル形状が平均半径5μm,深さ1μmでアスペクト比
d/r=0.2、平坦部の残存面積率αが0.3になる
までエッチングした。このときのエッチング減量は、3
0μmであった。エッチング後の処理材は、55%の反
射率を持ち、本発明で規定した関係式(1)及び(2)
を満足せず、光輝材としての要件を充足するものではな
かった。また、エッチング減量の増加に伴って、図1に
示すように反射率が大きく低下した。
【0020】比較例3:表3に示した組成を持つアルミ
ニウム合金を160mm×150mm×30mmの鋳塊
に鋳造し、片面当り5mmの面削を両面に施して20m
mの厚みにした。面削後の鋳塊に、600℃×22時間
の均質化処理を施し、厚さ1mmに冷間圧延した。得ら
れた冷延板に分散している金属間化合物の第2相粒子を
測定したところ、平均粒子径が5μm,体積率が0.6
%であった。
ニウム合金を160mm×150mm×30mmの鋳塊
に鋳造し、片面当り5mmの面削を両面に施して20m
mの厚みにした。面削後の鋳塊に、600℃×22時間
の均質化処理を施し、厚さ1mmに冷間圧延した。得ら
れた冷延板に分散している金属間化合物の第2相粒子を
測定したところ、平均粒子径が5μm,体積率が0.6
%であった。
【0021】
【表3】
【0022】冷延板を、実施例1と同じエッチング液に
浸漬し、ディンプル形状が平均半径5μm,深さ1μm
でアスペクト比d/r=0.2、平坦部の残存面積率α
が0.3になるまでエッチングした。このときのエッチ
ング減量は、30μmであった。エッチング後の処理材
は、50%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式
(1)及び(2)を満足せず、光輝材としての要件を充
足するものではなかった。また、エッチング減量の増加
に伴って、図1に示すように反射率が大きく低下した。
各例におけるディンプルの平均深さ,半径,平坦部の残
存面積率,第2相粒子の分散状態等を、表4にまとめて
示す。この表の実施例と比較例とを対比するとき、本発
明で規定した式(1)及び(2)の関係が光輝性を確保
する上で有効なファクターであることが確認される。ま
た、計算値と実測値との対応性が高く、関係式(2)か
らエッチング後の反射率を予測することも可能になっ
た。
浸漬し、ディンプル形状が平均半径5μm,深さ1μm
でアスペクト比d/r=0.2、平坦部の残存面積率α
が0.3になるまでエッチングした。このときのエッチ
ング減量は、30μmであった。エッチング後の処理材
は、50%の反射率を持ち、本発明で規定した関係式
(1)及び(2)を満足せず、光輝材としての要件を充
足するものではなかった。また、エッチング減量の増加
に伴って、図1に示すように反射率が大きく低下した。
各例におけるディンプルの平均深さ,半径,平坦部の残
存面積率,第2相粒子の分散状態等を、表4にまとめて
示す。この表の実施例と比較例とを対比するとき、本発
明で規定した式(1)及び(2)の関係が光輝性を確保
する上で有効なファクターであることが確認される。ま
た、計算値と実測値との対応性が高く、関係式(2)か
らエッチング後の反射率を予測することも可能になっ
た。
【0023】
【表4】
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、金属間化合物である第2相粒子が特定条件下にある
アルミニウム材のアルカリエッチングによって材料表面
に形成されるディンプルの深さや半径を平坦部の残存面
積率との関係で規定することにより、目標値70%以上
の反射率もった光輝性に優れたアルミニウム材料を得て
いる。また、ディンプルの深さや半径,平坦部の残存面
積率等が本発明で規定した条件を満足する範囲内にある
エッチング量であれば、被処理材の履歴を考慮すること
なく、所望の光輝面をもつ材料を得ることができる。す
なわち、脱脂処理が不十分な被処理材や表面疵が部分的
にある被処理材であっても、たとえば30〜50μm程
度のエッチング量となるようなエッチング条件を選択す
れば、残留油類や表面疵が混在したものであっても、所
望の光輝面が得られる。また、陽極酸化処理やクリヤー
塗装処理等の後加工による不良品が発生した場合であっ
ても、再エッチングによりそれらの除去加工を施しても
光輝度に変化が発生しないので、プロセス全体としての
歩留りが向上する。このように本発明に従った方法によ
るとき、生産性及び再現性良く光輝材が得られる。この
ようにして、光輝性が高められたアルミニウム材は、建
材パネル,化粧品容器,装飾品,光学系部品等の用途に
使用される。
は、金属間化合物である第2相粒子が特定条件下にある
アルミニウム材のアルカリエッチングによって材料表面
に形成されるディンプルの深さや半径を平坦部の残存面
積率との関係で規定することにより、目標値70%以上
の反射率もった光輝性に優れたアルミニウム材料を得て
いる。また、ディンプルの深さや半径,平坦部の残存面
積率等が本発明で規定した条件を満足する範囲内にある
エッチング量であれば、被処理材の履歴を考慮すること
なく、所望の光輝面をもつ材料を得ることができる。す
なわち、脱脂処理が不十分な被処理材や表面疵が部分的
にある被処理材であっても、たとえば30〜50μm程
度のエッチング量となるようなエッチング条件を選択す
れば、残留油類や表面疵が混在したものであっても、所
望の光輝面が得られる。また、陽極酸化処理やクリヤー
塗装処理等の後加工による不良品が発生した場合であっ
ても、再エッチングによりそれらの除去加工を施しても
光輝度に変化が発生しないので、プロセス全体としての
歩留りが向上する。このように本発明に従った方法によ
るとき、生産性及び再現性良く光輝材が得られる。この
ようにして、光輝性が高められたアルミニウム材は、建
材パネル,化粧品容器,装飾品,光学系部品等の用途に
使用される。
【図1】 各試験片のエッチング減量に応じた反射率の
変化を示すグラフ
変化を示すグラフ
【図2】 アルミニウム材の表面に形成されたディンプ
ルの模式図
ルの模式図
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 泰久 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内
Claims (2)
- 【請求項1】 金属間化合物の第2相粒子が粒径5μm
以下で、その体積率が0.3%以下に調製されており、
アルカリエッチングによって直径が0.1〜100μm
の範囲にあるディンプルが形成された表面をもち、ディ
ンプルの平均深さをd(μm),ディンプルの平均半径
をr(μm),平坦部の残存面積率をα,入射角60度
での反射率をR(%)とするとき、Rが70%以上で次
式の関係が成立している光輝性に優れたアルミニウム材
料。 1−(d/r)/tan 30≧0 {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}
×92>R - 【請求項2】 金属間化合物の第2相粒子が粒径5μm
以下で、その体積率が0.3%以下に調製されたアルミ
ニウム材料をアルカリエッチングする際、エッチングに
よって形成されるディンプルを直径0.1〜100μm
とし、ディンプルの平均深さをd(μm),ディンプル
の平均半径をr(μm),平坦部の残存面積率をα,入
射角60度での反射率をR(%)とするとき、次式の関
係が成立する条件下でエッチングを終了させることを特
徴とする反射率Rが70%以上の光輝性に優れたアルミ
ニウム材料の製造方法。 1−(d/r)/tan 30≧0 {[1−(d/r)/tan 30]2 ×(1−α)+α}
×92>R
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5320595A JPH08225964A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5320595A JPH08225964A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08225964A true JPH08225964A (ja) | 1996-09-03 |
Family
ID=12936373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5320595A Pending JPH08225964A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08225964A (ja) |
-
1995
- 1995-02-17 JP JP5320595A patent/JPH08225964A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009079286A (ja) | 磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法 | |
US4715903A (en) | Aluminum offset coil, and method for its production | |
US5350010A (en) | Method of producing planographic printing plate support | |
JPS61146598A (ja) | 平版印刷版用支持体及びその製造方法 | |
EP0978573A2 (en) | Aluminium alloy support for lithographic printing plate and process for producing substrate for support | |
JPH0135910B2 (ja) | ||
EP0638435B1 (en) | Support for planographic printing plate | |
JP2000017412A (ja) | アルミニウム合金板の製造方法 | |
JP2700838B2 (ja) | 自動車ホイールリム用のロール成形加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法 | |
JP3177079B2 (ja) | 平版印刷版用支持体の製造方法 | |
US5525168A (en) | Method of producing support for planographic printing plate | |
JPH08225964A (ja) | 光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法 | |
JP4040787B2 (ja) | 陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板およびその製造方法 | |
JPH1036985A (ja) | 光輝性に優れたアルミニウム材料及びその製造方法 | |
JPS6274693A (ja) | オフセツト印刷用アルミニウム合金支持体 | |
JP2668760B2 (ja) | アルカリ化学粗面化用アルミニウム合金展伸材およびその製造方法 | |
JPH02111839A (ja) | 優れたメッキ性を有するディスク用アルミニウム合金板とその製造方法 | |
JP3261905B2 (ja) | 感光性平版印刷版及びその製造方法並びに印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
US20020012605A1 (en) | Aluminum alloy plate for automobile and manufacturing method thereof | |
JPH06330212A (ja) | 陽極酸化処理後の色調が安定な淡色の建材用厚肉アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 | |
CN114561573B (zh) | 一种高耐久性的汽车车身用铝合金板带材及其制备方法 | |
JPH08225965A (ja) | 艶消しアルミニウム材料及びその製造方法 | |
CN114807688B (zh) | 一种具有高耐久性的汽车车身用6系铝合金板带材及其制备方法 | |
JP2001049409A (ja) | 平版印刷版用アルミニウム合金支持体および該支持体用素板の製造方法 | |
JP2010012779A (ja) | 平版印刷シートへの加工に適した合金 |