JPH0135910B2 - - Google Patents

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JPH0135910B2
JPH0135910B2 JP57178635A JP17863582A JPH0135910B2 JP H0135910 B2 JPH0135910 B2 JP H0135910B2 JP 57178635 A JP57178635 A JP 57178635A JP 17863582 A JP17863582 A JP 17863582A JP H0135910 B2 JPH0135910 B2 JP H0135910B2
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Japan
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aluminum
aluminum plate
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less
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Yoshuki Shirosaka
Masayuki Onose
Hideyoshi Usui
Masahiro Kawaguchi
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Kobe Steel Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JPS5967349A publication Critical patent/JPS5967349A/ja
Publication of JPH0135910B2 publication Critical patent/JPH0135910B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/04Printing plates or foils; Materials therefor metallic
    • B41N1/08Printing plates or foils; Materials therefor metallic for lithographic printing
    • B41N1/083Printing plates or foils; Materials therefor metallic for lithographic printing made of aluminium or aluminium alloys or having such surface layers

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は感光性平版印刷版用アルミニウム板条
の製造方法、即ち、電解粗面化性および耐バーニ
ング軟化性に優れた感光性平版印刷版用アルミニ
ウム板条の製造方法に関し、さらに詳しくは、親
水性、保水性に優れた粗面を有し、感光層との接
着性が良好で耐刷力に優れ、しかも画線部の耐刷
力向上を目的として行なうバーニング処理を行な
つても軟化が非常に少なく取扱い性に優れた感光
性平版印刷版用アルミニウム板条の製造方法に関
するものである。 従来、感光性平版印刷版用支持体として使用さ
れているアルミニウム板は、印刷時における湿し
水に対する親水性、保水性や、その上に設けられ
る感光層との接着性を改良するため、多くの場合
機械的研磨法、化学的エツチング法、電解粗面化
法等により粗面化(砂目立て)されて使用されて
いる。 砂目立てされたアルミニウム板の表面形状(砂
目形状)は、印刷版としての製版性能、印刷性能
への寄与が大きく、その形状をコントロールする
ことは極めて重要である。 例えば、良好な画像再現性、解像力が要求され
る校正機用の印刷版支持体としては、比較的細か
く、浅い凹み(ピツト)が緻密に存在する砂目形
状が適している。一方、優れた保水性や、高耐刷
力が要求される本機用印刷版支持体としては、ピ
ツトの径が均一に揃つていて(ミクロ的に均一
で)、しかも深い砂目形状が適している。 砂目立て法のうち、電解粗面化法は、機械的研
磨法(ボール研磨、ブラシ研磨等)や化学的エツ
チング法に比べて、比較的細かく浅い砂目形状か
ら深くて均一な砂目形状まで作ることが可能であ
る。 一般に、電解粗面化法では、適当な電解質溶液
にアルミニウム板を浸漬して、交流または直流で
電解することにより砂目立てを行なうのである。 電解質としては、塩酸、硝酸が最もよく知られ
ているものであり、塩酸を含む電解質中で電解粗
面化した場合は、ピツト径が比較的大きく深い
「すりばち」状のピツト構造をもつた粗面が得ら
れ、また、硝酸を含む電解液中で電解粗面化した
場合は、ピツト径が比較的小さく深い「蜂巣」状
のピツト構造をもつた粗面が得られる。 しかしながら、従来使用されているJIS
A1100、A1050等のアルミニウム板を上述のよう
な電解粗面化処理に用いた場合、得られる粗面
は、ピツト形状が不均一であり、部分的にエツチ
ングの過不足のある箇所が存在する等、印刷版と
して好ましくない粗面状態を生じ、耐刷力を低下
させる欠点がある。 一方、印刷版の耐刷力を向上させるため、印刷
版は現像後、通常200〜300℃で3〜10分間バーニ
ング処理に付され、アルミニウム板上の画線部の
樹脂を熱硬化させる場合があるが、一般に従来の
アルミニウム板を用いた感光性平版印刷版では、
バーニング処理による軟化が大きく取扱い時に版
が曲がり不都合を来たすことがある。 本発明者等は、上記のような問題に留意し、ア
ルミニウム素材に着目して鋭意検討を行なつたと
ころ、比較的Fe、Si含有量の少ない、即ち、
Fe0.2〜0.4重量%、Si0.05〜0.25重量%を含み残
部アルミニウムおよび不純物からなるアルミニウ
ム鋳塊から適正な製造法により得られるAl−Fe
−Si系等金属間化合物の析出を抑制し再結晶して
冷間圧延した導電率55〜60.5%IACSの所要の強
度を有するアルミニウム板を電解粗面化すれば、
均一な粗面が得られ、しかも感光層を設け、露
光、現像後にバーニング処理してもアルミニウム
板は容易に軟化せず感光性平版印刷版用として所
期の目的が構成されることを知見し、本発明のに
係る感光性平版印刷版用アルミニウム板条の製造
方法を完成するにいたつた。 本発明に係る感光性平版印刷版用アルミニウム
板条の製造方法は、 Fe0.2〜0.40重量%、Si0.05〜0.25重量%を含有
し、残部Alおよび不純物よりなるアルミニウム
合金を使用し、30℃/min以上の昇温速度、降温
速度で350〜600℃の温度域に30分以内の時間保持
し、直ちに150℃以下の温度に冷却する中間焼鈍
処理を行ない、次いで、30〜95%の圧延率で最終
冷間圧延を行ない、導電率が、 [Fe重量%+1.5×Si重量%]が0.275〜0.6%の
範囲において、56〜60.5%IACS、 [Fe重量%+1.5×Si重量%]が0.6を越え〜
0.775%の範囲において、55〜60.0%IACS で、耐力が13Kg/mm2以上であることを特徴とする
塩酸系または硝酸系電解液中で電解粗面化処理を
施し、さらに加熱温度250℃、8分間保持で熱処
理した場合の耐力低下率が20%以下である電解粗
面化性および耐バーニング軟化性に優れた感光性
平版印刷版用アルミニウム板条の製造方法であ
る。 以下本発明に係る感光性平版印刷版用アルミニ
ウム板条の製造方法(以下単に本発明アルミニウ
ム板条の製造方法ということもある。)について
詳細に説明する。 本発明アルミニウム板条の製造方法において使
用するアルミニウム板条の含有成分、成分割合に
つき説明する。 Fe0.2〜0.40重量%、Si0.05%〜0.25重量%含有
させるのは、感光性平版印刷版としての適正な強
度と電解粗面化において適正な粗面を得るためで
あり、Fe0.2重量%未満、Si0.05重量%未満では、
強度が低く、感光性平版印刷版として製版作業等
においての取扱いに問題が生じる場合があり、バ
ーニング処理した場合、さらに耐力が劣化して使
用に耐えられなくなり、また、Fe、SiはAl中に
おいて造塊時にAl−Fe−Si系の金属間化合物と
して晶出し、さらに板の製造工程中で加熱される
ことにより同様の系の析出物として出てくるもの
で、これらAl中の分散相のサイズ、量、分布状
態は電解粗面化に大きな影響を与え、かつ、エツ
チング不足の傾向となるので好ましくなく、ま
た、Fe0.40重量%、Si0.25重量%を越えて含有さ
れると、強度は高くなるものの上記したように
Al中の分散相が大きく、かつ、多くなり、オー
バーエツチング或いはエツチングむらを生じ易く
なり好ましくない。よつて、Fe、Si含有量は、
Fe0.2〜0.40重量%、Si0.05〜0.25重量%とする。 その外、不純物として、Cu、Mu、Mg、Zn、
Ti、Cr等が含まれる場合もあるが、Cu、Mn、
Mg、Znは工業用純アルミニウムに含まれる範囲
において許容されるが、Cu0.2重量%以下、
Mn0.05重量%以下、Mg0.05重量%以下、Zn0.1
重量%以下であれば差支えはなく、また、鋳塊組
織微細化剤としてTiを含有させることがあるが
Al−Ti粒子等の凝集を生じ易いのでTi含有量は
0.05重量%以下とするのが望ましいが、電解粗面
化条件によつてはさらに規制を要する場合があ
り、その場合はTiは0.01重量%以下に抑制するの
が望ましく、CrについてはTiの説明と同様な理
由から0.2重量%以下に抑制するのが望ましいの
である。 次いで、本発明アルミニウム板条の製造方法に
おいては、Al−Fe−Si系等の金属間化合物の析
出を抑制し再結晶させることが最も重要なことで
あり、上記した含有成分、成分割合において析出
物を抑制し再結晶させた冷間圧延アルミニウム板
条は、導電率が60.5%IACS以下となるが、Fe、
Si含有量と加工歪を調整することによつて導電率
を次に示す範囲とするのである。 [Fe重量%+1.5×Si重量%]=0.275〜0.6%の
範囲で56〜60.5IACSで、望ましくは、56〜60.0
%IACSであり、 [Fe重量%+1.5×Si重量%]=0.6〜0.775の範
囲で55〜60.0IACSで、望ましくは、55〜
59.7IACSである。 しかして、導電率はFe、Si等の含有量と固溶
状態により決定され、Fe、Si等の金属間化合物
の析出量が多いと導電率が高くなり、析出量が少
ないと導電率が低くなる。一般的に上記の含有成
分、成分割合のアルミニウム板を製造工程を限定
せずに、かつ、冷間圧延途中に通常の中間バツチ
焼鈍(例えば、360℃、約2時間)を施すと析出
が進行し、導電率は最終冷間圧延したもので、
60.5〜62%IACSとなる。その結果、バーニング
処理時の軟化が大であり、かつ、電解粗面化処理
において得られるピツト形状が粗れて不均一とな
り易く、感光性平版印刷版用アルミニウム板条と
しては好ましくない。 しかるに、導電率を、 0.275%≦[Fe重量%]+1.5[Si重量%]≦0.6%に
おいて、56〜60.5%IACS、 0.6%<[Fe重量%]+1.5[Si重量%]≦0.775%に
おいて、55〜60.0%IACS として、析出を抑制した工程のアルミニウム板条
では、バーニング処理時の軟化が小さく、かつ、
電解粗面化処理において得られるピツト形状は均
一となる。 なお、導電率の測定は、JISH0505「非鉄金属材
料の体積抵抗率及び導電率測定方法」に準じて行
なつた。 さらに本発明アルミニウム板条の製造方法にお
いては、アルミニウム板条の耐力13Kg/mm2以上と
する必要があり、このことは、感光性平版印刷版
の支持体として曲げに対する加工性や印刷時の繰
返し応力に対する耐久性を保証しなければなら
ず、特に画線部の樹脂をバーニング処理して熱硬
化して使用する場合、支持体は逆に軟化するか
ら、バーニング処理した時の支持体の加工性、取
扱い性(剛性)および耐久性を保証しなければな
らない。そして、本発明者等の実験の結果によれ
ば、バーニング処理した支持体で耐力が略11Kg/
mm2以上で要求される特性を満足することを知見し
た。Fe、Si等の金属間化合物の析出を抑制して、
再結晶した各種板厚のアルミニウム板を冷間圧延
(加工率30〜95%、圧延後板厚0.1〜0.5mm)して
耐力を測定し、さらに、各冷間圧延アルミニウム
板を加熱温度250℃、保持時間8分間で熱処理し
て耐力を測定した結果、熱処理後の耐力低下率は
20%以内に収まることが判明した。以上の結果か
ら、バーニング処理前の耐力は少くとも13Kg/mm2
以上とするのである。また、アルミニウム板条の
所要の強度と板厚は最終冷間圧延の加工率の調整
により得ることができる。 以上説明した本発明に係る感光性平版印刷版用
アルミニウム板条の製造方法を詳述する。 本発明アルミニウム板条の製造方法により得ら
れたアルミニウム板条の導電率の制御、即ち、ア
ルミニウムマトリツクスのFe、Si等の固溶析出
状態の制御は、本発明アルミニウム板条の製造方
法に使用する含有成分、成分割合のアルミニウム
鋳塊を均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼
鈍等の工程を経て、最終板厚0.1〜0.5mm厚のアル
ミニウム板条に加工する全工程においてなされる
べきものである。特に均質化処理条件、中間焼鈍
条件が重要であり、感光性平版印刷版用アルミニ
ウム板条の耐バーニング軟化性、電解粗面化性に
与える影響は大きい。 均質化処理は、上記した含有成分、成分割合の
アルミニウムにおける板面組成中のFe、Si含有
量を好ましい状態で存在せしめるには、500℃以
上、好ましくは、540℃以上の温度で行なうこと
が望ましい。 中間焼鈍は、300℃以上の温度で再結晶させる
ことが必要であり、さらに、Fe、Siの析出を制
御するためには、急速に加熱し再結晶後、ただち
に急冷する短時間焼鈍方法が好ましい。より具体
的に説明すると、30℃/min以上の昇温、、降温
速度で350〜600℃の温度域に短時間(約30分以
内)保持する中間焼鈍法が望ましく、350℃未満
では短時間保持で充分な再結晶は望めず、また、
600℃を越えるともはやそれ以上の効果は期待で
きず、経済的に無駄で、望ましくは、400〜550℃
の温度範囲がよく、保持時間はFe、Si等の析出
を進行させないため、できる限り短かい方がよ
く、30分以下でよいが、高温側保持で望ましくは
10分以内とすることが好ましい。また、昇温、降
温速度については、途中のFe、Siの析出をでき
る限り抑制すべく、30℃/min以上で行なうこと
が望ましく、さらに同様の理由により上記冷却速
度により少くとも150℃以下、望ましくは100℃以
下まで冷却する必要がある。 なお、バーニング処理後の強度だけを問題にす
る場合には、冷間圧延途中で中間焼鈍を行なわず
に直通で製造することも考えられ、バーニング処
理後の強度は従来の長時間中間焼鈍を行なつたの
より、若干高い耐力が得られ、導電率も低いもの
が得られるが、再結晶していないため、電解粗面
化性は劣り、圧延方向に沿つた筋模様の発生やエ
ツチングの過不足による不均一なピツト形態、ピ
ツト径分布となり、さらには曲げ特性が低下する
傾向となり、感光性平版印刷版の支持体としては
不適当である。 中間焼鈍後の最終冷間加工率については、感光
性平版印刷版として適正な強度を得るためには、
30〜95%とする必要があり、好ましくは、50〜90
%である。そして、30%未満では印刷版として必
要な強度が得られず、95%を越えると折曲げ性が
低下し、かつ、バーニング処理後の耐力の低下が
大きくなり好ましくない。 以上の工程により、本発明アルミニウム板条り
製造方法はFe、Si等の析出を抑制し、再結晶し
て冷間圧延することによつて、上記した導電率と
所要の強度を得られる。 また、本発明アルミニウム板条の製造方法にお
ける鋳造方法では、通常の半連続鋳造法でも充分
な効果はあるが、鋳造時の肉厚を薄くし、冷却速
度を速くすることは析出の抑制という観点から
は、より効果的である。 このようにして得られた本発明に係る感光性平
版印刷版用アルミニウム板条により得られたアル
ミニウム板条は、次に電解粗面化するが、この電
解粗面化に先立ち、アルミニウム板条を常法に従
つて、脱脂、洗浄を行なうのがよく、例えば、ト
リクレン、シンナー等による溶剤脱脂、、ケロシ
ンとトリエタノールアミン等によるエマルジヨン
脱脂、濃度1〜10%の苛性ソーダ水溶液に20〜70
℃で5秒〜10分浸漬し、脱脂のみでは除去できな
い汚れ、自然酸化皮膜を除去し、次いで、濃度10
〜20%の硝酸または硫酸水溶液に10〜50℃で5秒
〜5分浸漬し、アルカリエツチング後の中和およ
びスマツトの除去を行なう方法が挙げられる。 これらの清浄処理した後に行なうアルミニウム
板条の電解粗面化は、塩酸または硝酸を含む電解
液中で行なわれ、塩酸濃度は3.5〜35g/、好
ましくは5〜30g/で、硝酸濃度は5〜35g/
、好ましくは7〜30g/とするのである。こ
の電解液の温度は、通常10〜40℃程度であり、電
流密度は所望の砂目深さにより適宜選択される
が、通常20〜200A/dm2、好ましくは50〜
150A/dm2である。 このような条件において、電解粗面化を行なえ
ば、ピツト径が均一に揃い印刷版として良好な砂
目が得られる。 この電解粗面化法は、回分法、連続法何れでも
実施することができるが、連続法は例えば、アル
ミニウム板条を電解槽中に連続的に通過させるこ
とにより行なわれ、電解粗面化されたアルミニウ
ム板条は必要に応じ、常法に従つて、室温〜80℃
のアルカリまたは酸の水溶液に1〜5分浸漬する
ことによつて、デスマツトし次いで中和した後、
印刷版用支持体に供される。得られたアルミニウ
ム電解粗面板条は従来のアルミニウム板を用いた
電解粗面板に見られるエツチングの過不足による
不均一なピツト形態、ピツト径分布が認められず
感光性平版印刷版に適したピツト構造を有する粗
面が均一に、かつ、短時間で形成される。また、
印刷版用支持体に供するに当り、常法に従つてア
ルミニウム板条に陽極酸化を施こしてもよいこと
はいうまでもない。具体的には、硫酸またはりん
酸等の濃度10〜50%の水溶液で電流密度1〜
10A/dm2で電解することにより行なわれる。こ
の陽極酸化後には更に必要に応じて熱水、珪酸
塩、重クロム酸塩、酢酸塩、親水性高分子化合物
等で封孔または親水化処理を施こしてもよい。 本発明アルミニウム板条の製造方法により得ら
れたアルミニウム板条に、上記したような処理を
行なつて製造された支持体に適用される感光物質
は、特に限定されるものではなく、良くしられて
いる種々のものを使用することができる。例え
ば、親水性ポリマーとジアゾニウム塩からなる組
成物、ジアゾフエニルアミン等のジアゾ化合物、
キノシンジアゾ化合物とアルカリ可溶性樹脂との
組成物、活性光線の照射により二量化を起す不飽
和カルボン酸、例えば、桂皮酸フエニレンジアク
リル酸をその構成成分とするポリマー、活性光線
の照射により重合を起す化合物とバインダーポリ
マーとの組成物、アジド化合物が挙げられる。特
に好ましいのはキノンジアジド化合物とアルカリ
可溶性樹脂との組成物である。 これらの感光性物質を種々の良く知られている
添加剤と共に適当な溶媒に溶解し、本発明アルミ
ニウム板条の製造方法により得られたアルミニウ
ム板条に塗布し乾燥すれば、感光性平版印刷版を
製造することができる。 この感光性平版印刷版に画像を重ねて常法に従
つて露光、現像すれば親水性および保水性に優
れ、しかも、感光性物質からなる画像部とアルミ
ニウム板条との接着性が極めて強固で耐刷力に優
れた印刷版を得ることができる。 印刷版として、印刷の通し枚数が多く、さらに
高い耐刷力が要求される場合や、紫外線硬化型の
UVインク等の特殊な薬品を使用して印刷する場
合には、特に版の耐刷力を大幅に上げる必要があ
り、このような場合、一般に広く用いられている
方法として、バーニング処理(高温加熱)があ
る。このバーニング処理は通常200〜300℃、好ま
しくは250〜260℃で3〜10分、好ましくは6〜8
分程度行なわれる。これにより、版の画線部を形
成している樹脂を硬化させ、その結果、画線部の
耐摩耗性および耐薬品性が高くなり耐刷力を大幅
に上げることができる。 通常、感光性平版印刷版としての強度は取扱い
易さ等を考慮すると、上記したように、バーニン
グ処理後において耐力が11Kg/mm2以上あることが
望ましい。従来のアルミニウム板条を用いた感光
性平版印刷版は、バーニング処理前の耐力は13〜
18Kg/mm2と感光性平版印刷版として充分な強度で
あるが、上記のバーニング処理により軟化が大き
く取扱い時に支障をきたすようになる。 本発明アルミニウム板条の製造方法により得ら
れたアルミニウム板条を用いた感光性平版印刷版
は、バーニング処理を行なつても軟化の程度は極
めて小さく取扱い性も良好である。具体的には、
250℃、8分間のバーニング処理前後の耐力を比
べると、従来の印刷版ではバーニング処理前の耐
力13〜15Kg/mm2、処理後では11Kg/mm2以下となり
低下率で20〜30%以上も低下するが、本発明アル
ミニウム板条を使用した印刷版ではバーニング処
理前の耐力13〜15Kg/mm2の場合、上記したように
バーニング処理後でも11Kg/mm2以上であり低下率
も15〜18%以下であるに過ぎない。 従つて、本発明に係る感光性平版印刷版用アル
ミニウム板条の製造方法により得られたアルミニ
ウム板条は、従来の感光性平版印刷版用アルミニ
ウム板条に比べて、電解粗面化が優れているだけ
でなく、耐バーニング軟化性に優れ、非常に取扱
い易く作業性にも優れている。 次に本発明に係る感光性平版印刷版用アルミニ
ウム板条の製造方法の実施例を説明する。 実施例 第1表(本発明アルミニウム板条の製造方法に
使用するアルミニウム板条)および第2表(比較
例)に使用したアルミニウム板条の含有成分と成
分割合、板条製造条件、強度特性および導電率を
示し、また、このアルミニウム板条を用いて電解
粗面化処理とバーニング処理を行なつた結果を同
時に示してある。 導電率は、JISH0505「非鉄金属材料の体積抵抗
率及び導電率測定方法」に準じて測定して求め
た。 バーニング処理は、各アルミニウム板条を表中
に示す電解粗面化条件で(何れも交流電流によ
る)エツチングした後、陽極酸化を行ない、約25
mg/dm2の酸化皮膜を形成した後、0−キノンジ
アジド系感光液を塗布し、感光性平版印刷版を作
成し、これらの版にポジ型フイルムを用いて露
光、現像した後、整面処理を行ない、加熱温度
250℃、保持時間8分間で熱処理したもので、こ
の時の0.2%耐力(Kg/mm2)(B)とバーニング処理
前の0.2%耐力(Kg/mm2)(A)に対する低下率(%)
(A−B/A×100)を表に示した 冷間圧延率(%)は、最終冷間圧延における加
工率(%)を示す。第1表の実施例1、2、3お
よび4、第2表の比較例1、2では中間焼鈍後の
最終冷間圧延の加工率(%)、第2表の比較例3
では熱間圧延後の最終冷間圧延率(%)を示し、
同加工率(%)は最終冷間圧延直前の板厚(C)と圧
延終了後の板厚(D)から、(C−D/C×100)で求
めたものである。
【表】
【表】
【表】
【表】 この第1表および第2表から明らかなように、
[Fe重量%]+1.5×[Si重量%]≦0.6%において析
出物が抑制され再結晶して冷間圧延された第1表
の実施例1、2、3の本発明アルミニウム板条の
製造方法により得られたアルミニウム板条は導電
率が60.5%IACS以下となり、耐力も13Kg/mm2
上となつている。そのため、感光性平版印刷版の
支持体として電解粗面化処理した場合、表面は均
一なケツチング面が得られ、これら印刷版をバー
ニング処理した場合でも耐力は11Kg/mm2以上あつ
て、耐力低下率も18%以下になり、印刷版用とし
て優れた電解粗面化性と耐パーニング軟化性が得
られる。同様に、[Fe重量%]+1.5×[Si重量%]
>0.60%において充分析出物が抑制され再結晶し
て冷間圧延された第1表の実施例4の本発明アル
ミニウム板条の製造方法により得られたアルミニ
ウム板条は導電率が60.0%IACS以下になり、耐
力も13Kg/mm2以上あり、電解エツチング性も良好
でバーニング処理しても耐力が11Kg/mm2以上で低
下率18%以下であつて、印刷版として充分に使用
に耐えられる。これに対して第2表の比較例1、
2のアルミニウム板条は第1表の実施例1、2と
同じ含有成分と成分割合であるが、析出物の量が
多いため導電率が高く、そのため電解エツチング
した時均一なエツチング面が得られ難く、バーニ
ング処理した場合かなり軟化してしまい耐力は10
Kg/mm2以下となり、耐力低下率も30%以上にもお
よび印刷版として非常に取扱い難いものになる。
また、第2表の比較例3のアルミニウム板条は第
1表の実施例3と含有成分と成分割合は同じであ
り、導電率60.0%IACS、バーニング処理後の耐
力は11Kg/mm2以上となつているが、電解エツチン
グ面は不均一となり、バーニング処理した時の耐
力低下率は20%以上にもおよび印刷版として問題
が生じ易い。このことは、アルミニウム板条の金
属間化合物の析出を抑制する、即ち、導電率を下
げるだけでなく、再結晶させることが必要なこと
を意味している。そして、第1表の実施例3に示
す中間焼鈍処理条件によつて再結晶をすると同時
に析出物を抑制することにより、感光性平版印刷
版として電解エツチング性と耐バーニング軟化性
を満足することができるものである。 以上詳細に説明したように、本発明に係る感光
性平版印刷版用のアルミニウム板条の製造方法は
上記の構成を有しているものであるから、製造さ
れた感光性平版印刷版用アルミニウム板条は、従
来の感光性平版印刷用アルミニウムに比較して、 (1) バーニング処理による軟化が著しく改善され
る。 (2) 電解粗面化処理を行なう場合にも、圧延方向
に沿つて生じる筋模様の発生がない。 (3) 塩酸系または硝酸系電解液中で交流電流によ
る電解粗面化処理を施こした場合に、部分的に
未エツチング部や過剰エツチング部の発生がな
い均一な粗面が得られる。 (4) 感光性平版印刷版に要求される曲げに対する
加工性や印刷時の繰返し応力に対する耐久性を
充分に満足することができる。 という優れた効果を奏するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Fe0.2〜0.40重量%、Si0.05〜0.25重量%を含
    有し、残部Alおよび不純物よりなるアルミニウ
    ム合金を使用し、30℃/min以上の昇温速度、降
    温速度で350〜600℃の温度域に30分以内の時間保
    持し、直ちに150℃以下の温度に冷却する中間焼
    鈍処理を行ない、次いで、30〜95%の圧延率で最
    終冷間圧延を行ない、導電率が、 [Fe重量%+1.5×Si重量%]が0.275〜0.6%の
    範囲において、56〜60.5%IACS、 [Fe重量%+1.5×Si重量%]が0.6を越え〜
    0.775%の範囲において、55〜60.0%IACS で、耐力が13Kg/mm2以上であることを特徴とする
    塩酸系または硝酸系電解液中で電解粗面化処理を
    施し、さらに加熱温度250℃、8分間保持で熱処
    理した場合の耐力低下率が20%以下である電解粗
    面化性および耐バーニング軟化性に優れた感光性
    平版印刷版用アルミニウム板条の製造方法。
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