JPH08225077A - 鉄道車両構体 - Google Patents

鉄道車両構体

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JPH08225077A
JPH08225077A JP7340317A JP34031795A JPH08225077A JP H08225077 A JPH08225077 A JP H08225077A JP 7340317 A JP7340317 A JP 7340317A JP 34031795 A JP34031795 A JP 34031795A JP H08225077 A JPH08225077 A JP H08225077A
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JP
Japan
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joined
flange
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Application number
JP7340317A
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English (en)
Inventor
Michifumi Takechi
通文 武市
Sumio Okuno
澄生 奥野
Morishige Hattori
守成 服部
Masato Okazaki
正人 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速走行に好適な耐圧性の優れた鉄道車両構体
を提供する 【構成】軽合金製の表材13,14,芯材15および結
合用部材17からなり、前記芯材15の周囲に結合用部
材17を配置しその両面に前記表材を配置してろう付け
した外板部材12を互いに前記結合部材17を介して結
合し、該結合用部材12を側柱11および車体長手方向
に配置される腰帯9,幕帯10等の骨部材で支える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両構体に係り、
特に高速で走行する鉄道車両に好適な鉄道車両構体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄系材料で構成された鉄道車両構
体としては、車体長手方向に配置される骨部材と、該骨
部材に直行して配置される骨部材とを接合し、前記各骨
部材の外側に外板を接合して製作された構造が知られて
いる。例えば、ステンレス鋼を用いて製作された構体に
あっては、各骨部材間および外板接合部の強度向上を図
るために三次元立体継手を用いている。
【0003】なお、この種の鉄道車両構体としては、例
えば、特公昭62−35937号が知られている。
【0004】また、構体を軽合金製材料例えばアルミニ
ウム合金製材料によって構成したものが知られている。
前記軽合金製構体にあっては、外板と骨部材を一体に成
形した押出形材を用いることによって製作工数の低減お
よび構体の剛性向上を図っている。
【0005】なお、この種の鉄道車両構体としては、例
えば、軽金属車両委員会報告書 No.3 昭和49年
−昭和52年 昭和53年 9月15日 社団法人日本鉄道車
輛工業会発行 第70頁乃至第72頁に記載された構体
構造が挙げられる。
【0006】これらのほかに、客室の床面を構成する床
板の軽量化を図るために、床板自体をアルミハニカムサ
ンドイッチパネルとした構造、或いは、外板の室内側に
ハニカム材を設置した構体構造が知られている。
【0007】なお、前記ハニカム材を用いた構造として
関連するものには、例えば実開昭54−183007号
或いは実開昭60−179569号等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、鉄道車両におい
ては、走行速度を向上させる要求が強まっている。鉄道
車両の走行速度向上に伴って、軌道への衝撃の増大、走
行に伴う騒音の増大、さらに、運転動力費の増大などの
問題が生じる。そこで、前記種々の問題点を解決するた
めには、鉄道車両構体を軽量化することが必要となって
きている。
【0009】鉄系材料製構体においては、骨部材および
外板自体の薄肉化によって軽量化を図っているが、該構
体自体の剛性を確保するためには、骨部材および外板自
体の薄肉化するとしても限界があった。
【0010】また、軽合金製構体においては、外板部分
も含めて押出形材によって構成している。ところが、前
記押出形材自体の板厚を薄くするには、技術的に限界が
あった。また、前記押出形材の板厚を極端に薄くする
と、それ自体の面外曲げ剛性および剪断剛性が低下し、
補強材を多数設置する必要が生じる。押出形材に前記補
強材を設置する構造の場合、製作工数が増大すると言う
問題があった。 一方、従来床板として用いられている
アルミハニカムサンドイッチパネルは、表材と芯材を樹
脂製接着剤によって接合していた。したがって、骨部材
との接合をボルト,ナット或いはリベット等によって行
うことになり、溶接接合に比べて工数が増大するという
問題があった。さらに、従来のアルミハニカムサンドイ
ッチパネルの曲げ剛性は、前記樹脂製接着剤の強度によ
って決まるため、大きな荷重が作用する部位に用いた場
合、その信頼性の確保の点で問題があった。
【0011】ところで、鉄道車両が高速でトンネル内を
走行する場合、車外圧力が急激に変化することが知られ
ている。特に、車両同士がトンネル内で擦れ違う場合に
大きな圧力変動が短時間に発生する。このような圧力変
動が、車内に伝播して乗客に不快感を与えないようにす
るために、構体全体を気密構造としている。したがっ
て、構体には、乗客および各種機器の荷重、該構体自体
の重量および前記車外圧力変動による圧力が作用する。
このため、構体の剛性向上および圧力荷重に対する強度
向上を図らなければならない。ところが、構体の剛性お
よび強度の向上を図ることと、軽量化を図ることとは相
反する関係にあり、実現するのが困難な状況にある。
【0012】本発明の目的は、耐圧性の優れた鉄道車両
構体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、二枚の
表材と、該二枚の表材の間に配置したハニカム材と、該
二枚の表材の間において該表材の縁部に配置した結合用
部材と、からなり、前記二枚の表材に、前記ハニカム材
および前記結合用部材を接合して積層材を構成してお
り、複数の前記積層材を接合して構成した鉄道車両構体
において、前記積層材を構成する前記二枚の表材、前記
ハニカム材および前記表材よりも厚肉の前記結合用部材
はろう付けによって接合しており、前記結合用部材は、
前記二枚の表材にそれぞれ接合した二つの部分と、該二
つの部分を連結するウエブと、からなり、前記鉄道車両
構体の外面側に位置する前記表材の側の前記ウエブの端
部には前記積層材の端部側に突出したフランジを備え、
該フランジは隣接する前記積層材の前記結合用部材の前
記フランジに突合せ溶接しており、この溶接部の表面は
前記積層材の前記鉄道車両構体の外面側を接続する線上
に設けており、隣接する一対の前記積層材の前記結合部
材の車内側の前記部分の範囲内同士を骨部材で溶接して
連結しており、該骨部材は、少なくとも3つの辺を有す
ること、によって達成できる。
【0014】
【作用】かかる構成によれば、ろう付けによって構成し
た積層材を溶接して構体を構成しているので、軽量にで
き、高耐圧にできるものである。また、鉄道車両構体の
外面側の結合用部材のフランジを隣接する結合用部材の
フランジに突合せ溶接しているので、溶接部の表面を外
面側の表材と同一線上にでき、構成を簡単にできるもの
である。また、積層材の端部の厚肉の結合用部材を利用
して側柱や垂木の骨部材を溶接しているので、骨部材を
容易に溶接できるものである。
【0015】また、窓開口部と窓開口部との間の強度的
に問題となる部分を高強度部材の押出し形材で構成すれ
ば、幕部および腰部は軽量化を図り、全体としては軽量
で高い剛性を有しする構体を提供できると共に、部品点
数の削減による製作作業の簡略化を図ることができるも
のである。
【0016】また、側構体の積層材の長さを3本以上の
側柱の間に亘る長さとすれば、積層材を少なくでき安価
にできるものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図16に
よって説明する。まず、図1ないし図4に示す本発明の
一実施例について説明する。同図において、1は鉄道車
両構体であり、側構体2、台枠3、屋根構体4および妻
構体5から構成されている。6は前記台枠3を構成する
側梁で、台枠3の車体幅方向両端部に車体長手方向に引
通して設置されている。7は平行に配置された前記側梁
6の間に、車体幅方向に引通して設置された横梁で、そ
の両端を側梁6の側面6aに接合している。該横梁7は
平行に配置された前記側梁6の間に、車体長手方向に所
定のピッチで平行して配置されている。8は前記複数の
横梁7の上に設置される床板である。該床板8は車体長
手方向に引通して配置される複数の軽合金製押出形材に
よって構成されており、室内側には一体成形のリブが設
けられている。また、前記床板8の平板部分について
は、車体幅方向断面が車外側へ凸すなわち下方に凸の曲
面に形成されている。
【0018】9は腰帯、10は幕帯、11は側柱であ
り、これらの骨部材の外表面に後述する積層材から成る
側外板部材12が接合される。前記腰帯9および幕帯1
0は、側外板部材12の窓開口部の上辺および下辺位置
に対応して配置される。また、該腰帯9および幕帯10
は、側柱11の側面11aに該側柱11に直交するよう
に接合される。
【0019】前記側外板部材12は、図3に示すように
表材13および14と該表材13および14の間に設置
される芯材15とから成る積層構造となっている。前記
表材13および14の内、一方が構体1の外表面を成し
ている。なお、図3においては、表材13が構体1の外
表面を成している。また、前記芯材15としては、例え
ば軽合金製ハニカム材が用いられる。前記軽合金製ハニ
カム材に代えて格子状に形成した軽合金製薄板或いは軽
合金製発泡材を用いてもよい。なお、前記表材13,1
4、芯材15および結合用部材17は、ろう付けによっ
て接合される。前記構体1の車外の圧力が変動した場
合、側外板部材12が車内の圧力を一定に保つ気密壁と
なる。
【0020】ところで、前記側外板部材12は、前記台
枠3の側梁6の上面から後述する長桁16の側面すなわ
ち屋根構体4の車体周方向端部までが一体として構成さ
れている。該側外板部材12の車体長手方向の幅寸法
は、側構体2を車体長手方向について複数に分割した長
さとなっている。そして、側構体2の外表面は、複数の
側外板部材12を溶接によって接合することによって構
成される。すなわち、側構体2においては、各側柱11
の間を一枚の側外板部材12によって構成した例を示し
ている。なお、側外板部材12の幅寸法については、三
本以上の側柱11間に亘る長さとしても良い。
【0021】次に、前記側外板部材12と側柱11およ
び腰帯9との接合部について図3および図4によって説
明する。まず、図3において、17は前記側外板部材1
2の外周端面に成形時に一体にろう付けされた結合用部
材で、一般的には軽合金製押出形材を用いる。該結合用
部材17は、略Z字形断面に形成され、芯材15が挿入
されるウエブ18と表材13の板厚に対応した段差を設
けたフランジ19aを有している。また、各結合用部材
17の前記フランジ19aの反対側には、隣接する側外
板部材12の結合用部材17と溶接によって接合するた
めの結合部フランジ19bが形成されている。前記結合
部フランジ19bの外表面は、前記表材13の外表面と
面一となるように構成されている。20は隣合う結合用
部材17の結合部フランジ19bを結合する溶接部を示
している。図に示すごとく、溶接部20は突合せ溶接で
あり、溶接部20の車外側表面は表材13の車外側の線
上にある。
【0022】さらに、結合用部材17の車内側のフラン
ジ21は、表材14を接合するための段差を有するとと
もに板厚が厚くなっている。そして、該内側フランジ2
1に溶接部20aを形成して側柱11を接合する構造と
なっている。すなわち、前記側柱11は隣接した側外板
部材12の各結合用部材17間に跨って接合されてい
る。換言すれば、各側外板部材12は側柱11の設置位
置で接合される構造となっている。
【0023】隣接した前記側外板部材12は、それぞれ
の結合部フランジ19bで溶接によって結合される。こ
のように側外板部材12同士の結合作業が終了した時点
で、側柱11を前述のように各結合用部材17に接合す
る。なお、溶接部20の車外側表面20bは、前記接合
作業終了後にグラインダ仕上等を行うことにより平滑化
される。
【0024】次に、図4において、腰帯9はその断面形
状が略L字形に形成されている。一方、側外板部材12
の図1に示した窓開口部44の周りすなわち縁44aに
は、結合用部材としての縁材22が設置されろう付けさ
れている。該縁材22によって窓開口部の縁44aの補
強を行うとともに窓ガラスを受ける。この縁材22に
は、表材13,14の裏当金および位置決めの役目を果
たすフランジ22aおよび窓ガラスの受けとしてのフラ
ンジ22bが形成されている。前記腰帯9は前記縁材2
2の室内側端面22cに溶接によって接合される。ま
た、該腰帯9はその車体長手方向端部を側柱11の側面
11aに接合するように、側柱11の設置位置で分割さ
れている。なお、前記縁材22への腰帯9の接合は、側
外板部材12同士を接合する前、或いは、接合した後の
いずれであってもよい。
【0025】ところで、幕帯10についても、前記腰帯
9とほぼ同様に構成され、縁材22の室内側端面22c
に接合される。また、幕帯10は側柱11の設置位置で
分割され、その車体長手方向端部は側柱11の側面11
aに接合される。
【0026】次に、図1により屋根構体4について説明
する。16は車体長手方向に引通して配置される長桁、
23は該長桁16に直交して接合される垂木である。該
長桁16,垂木23および屋根板24によって、屋根構
体4が構成されている。前記長桁16を車体周方向両側
位置に、車体長手方向に引通して配置し、該長桁16の
間に垂木23を車体長手方向に所定のピッチで車体周方
向に伸ばして平行に配置し、該垂木23の両端を長桁1
6に接合している。この長桁16および垂木23の上面
側に屋根板24が接合される。該屋根板24は、軽合金
製押出形材を車体長手方向に引通し、車体幅方向に隣接
して並べこれらを接合して構成されている。また、該屋
根板24は、構体の室内側に車体長手方向に一体形成さ
れたリブ24aを有しいる。
【0027】次に、構体1の車体長手方向端部に設置さ
れる妻構体5は、垂直方向に配置される骨部材と水平方
向に配置される骨部材とを接合し、該垂直方向および水
平方向の骨部材の外表面に外板を設置して構成される。
なお、妻構体15においては、作用する荷重の内の大部
分を車外圧力変動による圧力荷重が占める。そのため、
垂直荷重および車外圧力変動に伴う圧力荷重が同時に作
用する側構体2に比べて強度向上を図る必要がない。
【0028】このような構成において、構体1の組立状
況を説明する。構体1は、側構体2,台枠3,屋根構体
4および妻構体5をそれぞれ個別に製作し、これらを互
いに接合して完成させる。まず、該構体1の基本的な構
成部材である積層材の製作状況から順に説明する。側外
板部材12は、表材13,14、芯材15、結合用部材
17、および縁材22から構成される。まず、前記表材
13,14は、素材となる軽合金製板材に側窓開口部4
4を形成するとともに、該軽合金製板材を側柱11の間
隔に対応した幅寸法および側梁6から長桁16までの寸
法に対応した縦寸法に切断される。一方、芯材15も予
め軽合金製板材を組合せて構成したハニカム材を前記表
材13,14と同様に所定の形状に切断する。また、結
合用部材17および縁材22も素材を所定の長さに切断
し、必要によって成形する。これらの表材13,14、
芯材15、結合用部材17、および縁材22を組合せ
て、各接合部分に金属製接合剤すなわちろうを介在させ
て接合する。このようにして製作された側外板部材12
は、所定の厚さを有するほぼ平面板であり、構体1の側
構体2において、窓開口部44の上部側の軒部および窓
開口部44の下側の腰部の部分に曲面を持った構造の場
合には、該曲面を前記側外板部材12が完成後に成形す
る。
【0029】なお、前記側外板部材12全体の曲面成形
については、軽合金製板材および軽合金製ハニカム材を
切断して前記表材13,14および芯材15を所定の形
状に成形した後に行なってもよい。但し、この場合に
は、成形する部品の数が増大するとともに各部材間の寸
法精度の確保の問題がある。ところが、表材13,1
4,芯材15,結合用部材17および縁材22を接合し
た時点で、必要な形状の側外板部材12が完成している
ことになり、すぐに組立作業が行なえる。このように、
縁材22は結合用部材の一つである。
【0030】次に、前述ようにして製作した側外板部材
12によって、側構体2を製作する状況について説明す
る。
【0031】まず、側外板部材12は、事前に表材1
3,14、芯材15、結合用部材17、および縁材22
をろう付けによって一体に接合して構成されている。治
具は、前記側外板部材12を受ける支持面を側構体2の
外表面に対応させて形成している。この治具の側外板部
材支持面上に前記側外板部材12を車体長手方向に順次
並べて配置する。そして、隣合った側外板部材12の各
結合用部材17の接合部フランジ19bを溶接接合可能
な間隔で位置決めする。この状態で、各側外板部材12
を拘束し、前記隣合う側外板部材12の対向した接合部
フランジ19bを溶接によって接合する。なお、前記溶
接作業は、側外板部材12の車内側から行なわれる。こ
のようにして、前記各側外板部材12の接合作業が完了
した時点で、該側外板部材12上に骨部材すなわち側柱
11,幕帯10および腰帯9を載せる。そして、これら
の各部材の位置決めを行なった後、側外板部材12,側
柱11,幕帯10および腰帯9を拘束する。この状態
で、側外板部材12の結合用部材17と側柱11,縁材
22と幕帯10および腰帯9、さらに、側柱11と幕帯
10および腰帯9の各接合部分を溶接によって接合す
る。このように各部材の接合作業が終わった時点で、前
記治具から側構体2を取り出し、各結合用部材17の溶
接部20の車外側表面20bをグラインダ等によって平
滑に仕上る。このようにして側構体2は完成する。
【0032】このようして側構体2を製作すれば、治具
上に側外板部材12,側柱11,幕帯10および腰帯9
を順次載せながら接合作業が行なえる。すなわち、治具
上で構成部材を移動あるいは反転させる必要がないた
め、作業効率が高く、大幅な工数低減が図れる。また、
前記側外板部材12,側柱11,幕帯10および腰帯9
の接合作業は、全て治具上の下向き溶接、すなわち、側
構体2の室内側からのみの作業となる。したがって、各
部材の溶接接合部の信頼性も高く、作業効率も向上でき
る。前記接合作業を自動化することも可能となる。
【0033】ところで、前記側外板部材12への前記幕
帯10および腰帯9の接合は、側外板部材12が単体の
時点で前記幕帯10および腰帯9をその縁材22に接合
してもよい。この場合、前記作業工程が多少異なる。す
なわち、各側外板部材12の接合作業が完了した時点
で、側柱11を隣合った側外板部材12の結合用部材1
7間に跨らせて載せ、該結合用部材17と側柱11,側
柱11と幕帯10および腰帯9の端面を接合するのみで
よい。このような作業工程によれば、治具上での各部材
の接合作業を極力削減でき、この点からも作業効率の向
上が図れる。
【0034】なお、本実施例の場合、側外板部材12は
各側柱11のスパン分に相当する幅寸法に構成されてい
る。また、この幅寸法は必要に応じて変更できる。一
方、台枠3は側梁6および横梁7を組合せて接合し、軽
合金製押出形材をその幅方向に並べて接合した床板8を
接合して製作される。さらに、屋根構体4は長桁16お
よび垂木23を組合せて接合し、軽合金製押出形材をそ
の幅方向に並べて接合した屋根板24を接合して製作さ
れる。妻構体5についても、骨部材を組合せて接合した
後、外板を接合して製作される。
【0035】このようにして製作された側構体2,台枠
3,屋根構体4および妻構体5を組合せて、構体1を製
作する状況について説明する。まず、台枠3の車体幅方
向両側の上面すなわち側梁6の上部にそれぞれ側構体2
を垂直に配置し、かつ、該台枠3の車体長手方向両端部
の上面に妻構体5をそれぞれ配置する。そして、前記台
枠3と側構体2および台枠3と妻構体5を接合する。ま
た、同時に前記側構体2と妻構体5を接合する。この二
つの側構体2および二つの妻構体5の上に屋根構体4を
載せ、該屋根構体4と前記二つの側構体2および二つの
妻構体5をそれぞれ接合する。こうのようにして、構体
1は組立られる。
【0036】このような構成において、前記側構体2に
は、構体1自体の自重,台枠3から伝わる該台枠3の下
面に設置される各種機器ならびに乗客等による垂直荷重
と、車外圧力変動による圧力荷重が作用する。これらの
荷重に対して前記側構体2は、前述の側外板部材12を
主体に構成しているため、十分な強度を有する。すなわ
ち、前記側外板部材12は、表材13,14および芯材
15を積層し、かつ、各部材を接合して一定以上の厚さ
を有しているため、単なる平板よりも曲げ剛性および剪
断剛性が高い。したがって、前記側外板部材12は面外
変形を生じにくく、前記荷重に対して十分に耐え得る。
特に、車外圧力変動によって車体に作用する圧力荷重に
対して有効であり、側外板部材12に補強材を設けて強
度向上を図る必要がない。また、表材13,14および
芯材15を金属製接合剤を用いて接合することも、剛性
を向上させる上で有効である。
【0037】ところで、前記側外板部材12を構成する
表材13,14および芯材15等の各部材の重量と同程
度の重量を有した従来の車両構体用として用いられてい
る軽合金製押出形材とを比較した場合、側外板部材12
の方が前記曲げ剛性が高い。このことは、構体全体の重
量が同じ場合、前記側外板部材12を用いた構体1の方
が剛性が高いことになる。また、構体全体の剛性が同程
度の場合には、前記側外板部材12を用いた構体1の方
が軽量となる。
【0038】また、前記側外板部材12は曲げ剛性およ
び剪断剛性が高いため、前述のように側構体2に用いた
場合、垂直荷重および溶接に伴う残留応力によって車体
表面に歪が生じることがなく見栄えを向上できる。車体
表面の歪を抑制できることによって、歪除去作業をなく
すことができる。
【0039】さらに、前記側外板部材12は、周囲に結
合用部材17を設け、該結合用部材17を介して他の側
外板部材12或いは他の部材例えば側柱11と接合する
構造となっているため、軽合金製ハニカム材自体を接合
する場合に比べて接合部分の強度低下を防止できる。ま
た、前記結合用部材17として軽合金製押出形材を用い
ることによって、複雑な形状であっても精度良く簡単に
製作でき安価にできる。また、側外板部材12への腰帯
9および膜帯10の接合は、縁材22を介して行なわれ
るため、各接合部分の強度低下を防止できる。さらに、
前記結合用部材17は結合用フランジ19bの車外表面
が表材13の車外表面と面一となっているため、溶接部
20の車外表面を削るだけで側構体2の表面を平滑にす
ることができる。したがって、従来、構体完成後に行な
っていた側構体表面のパテを用いた平滑化作業を簡略化
できる。
【0040】ところで、前記結合用部材17に強度部材
である前記側柱11を一体に形成すれば、部品点数の削
減が図れ、かつ、結合用部材と側柱の接合作業をなくす
ことができる。このことは、側構体製作時における作業
工数の低減となる。
【0041】以下に、前記側外板部材等の積層材と骨部
材例えば側柱11との接合部構造の他の実施例を図5お
よび図6によって説明する。まず、図5において、積層
材25の内側の表材26には、側柱11と接合するため
のフランジ27が一体に形成されている。この表材2
6,表材13及び芯材15をろう付けにより接合して積
層材25を構成する。このような構成であれば、表材2
6の平面部分に直接側柱11を溶接接合するのに比較し
て、前記フランジ27に溶接部20を介して側柱11を
接合するため、接合部分の強度が向上する。また、積層
材25に側柱11を接合する場合に、前記フランジ27
を該側柱11の位置決め手段として利用できる。さら
に、積層材25のろう付け部分への溶接熱の悪影響,溶
接熱によって生じる表材26,13の歪を防止できる。
【0042】次に、図6において、積層材28の内側の
表材29には、側柱11と接合するためのフランジ30
が一体に形成されている。また、前記表材29の該フラ
ンジ30が設けられている結合部31は、板厚が該表材
29の他の部分よりも厚くなっている。側柱11は前記
表材29のフランジ30に溶接によって接合される。こ
のような構成によれば、側柱11から積層材28へ伝わ
る荷重が、フランジ30,結合部31を介して伝えられ
る。前記結合部31の断面積は、フランジ30の断面積
よりも大きいため、該結合部31の単位面積当たりの伝
達する荷重を小さくすることができる。このことによっ
て、積層材28と側柱11の接合部分の強度向上が図れ
る。積層材28の前記以外の効果は、前記積層材25と
同様である。
【0043】なお、前記図6の実施例においては、フラ
ンジ30および結合部31を表材29に一体に形成した
例について説明したが、これらを別部材としてもよい。
すなわち、前記フランジ30および結合部31のみを一
体に形成した押出形材とし、この押出形材を表材29に
ろう付けによって接合すれば前記積層材28と同様の効
果を発揮できる。また、このようにフランジ30および
結合部31を一体に押出形材で構成することにより、側
柱11の接合部を任意に形成することができる。
【0044】次に、積層材同士の接合部分の他の実施例
を図7および図8によって説明する。まず、図7におい
て、前記一実施例と同一符号は同一部材を示している。
32は断面が略I型に形成された結合用部材である。表
材13,14と接合される段差を有したフランジ32a
および他の結合用部材との接合部を構成する接合部フラ
ンジ32bを有している。20は隣合う前記接合用部材
32を接合する溶接部である。
【0045】このような構成によれば、結合用部材32
の断面形状がI型であり、該結合用部材32同士を結合
することによって、箱型断面の構造部材と同様な断面形
状となる。したがって、積層材33同士の結合部の強度
を向上させることができる。また、前記積層材33を用
いて構成する構造物の強度向上にもつながる。また、後
述する図8の実施例に比べて当て板35を扶養にできる
ので、安価にできるものである。また、結合用部材32
は二つのフランジ32b,32bとこれを接続するウエ
ブとからなるので、いわば二つの溶接部(フランジ32
b,32b)の間を空間にできるもので、軽量にできる
ものである。また、2つの溶接部は突合せ溶接であるの
で、力の伝達をスムースにでき、この点からも強く軽量
にできるものである。
【0046】図8において、前記一実施例と同一符号は
同一部材を示している。34は前記図3に示した一実施
例の結合用部材17とほぼ同様の形状を有した結合用部
材である。35は前記結合用部材34の結合部フランジ
34aの反対側のフランジ34bを接合するための当て
板である。
【0047】このような構成によれば、前記結合用部材
34を有した積層材36同士を接合する場合、まず、結
合用部材34の結合部フランジ34aを接合する。その
後、該結合用部材34を当て板35を介して接合する。
このようにして結合することにより、積層材36同士の
接合に伴う溶接作業を積層材36の一方側から行なえ
る。このことは、前記溶接作業を全て下向きで行なう場
合、積層材36を反転させる必要がなく、作業工数を低
減できる。なお、積層材36の接合部において、あたか
も箱型断面部材を設置したと同様の構造を成す点等につ
いては、前記図7の実施例と同様である。
【0048】次に、前記積層材を用いた各種の鉄道車両
構体の他の実施例を図9ないし図16により説明する。
まず、図9に示した実施例について説明する。同図にお
いて、前記一実施例と同一符号は同一部材を示すもので
ある。37は前記側外板部材12の窓開口部44より上
部に相当する幕板、38は前記側外板部材12の窓開口
部44より下部に相当する腰板である。幕板37および
腰板38の車体長手方向の幅寸法は、各側柱11のスパ
ン分の長さに相当する。なお、この幅寸法は必要に応じ
て変更できる。また、前記幕板37および腰板38は、
前記側外板部材12と同様に、二枚の表材および芯材を
ろう付けによって接合し、かつ、周囲に結合用部材,開
口部の周りに縁材を設けた構成となっている。39は前
記幕板37および腰板38の間に設置される窓枠部材で
ある。該窓枠部材39は軽合金製押出形材より構成さ
れ、一本あるいは複数本の形材を車体長手方向に配置し
ている。窓開口部44については、前記形材の窓開口部
に該当する部分を切り欠くことにより形成される。この
窓枠部材39の上辺に幕板37を接合し、窓枠部材39
の下辺に腰板38を接合する。なお、これらの接合は、
幕板37および腰板38の図4に示した縁材22と窓枠
部材39を溶接によって接合することにより行なわれ
る。このようにして側構体が構成される。本実施例の構
体1aは、前記側構体2の構造が前記一実施例と異なる
のみで、側構体2a以外の部分は前記一実施例と同様で
ある。
【0049】このような構成によれば、側構体2aにお
いて最も強度上厳しい条件となる窓柱部45を窓枠部材
39として単体で構成することができるため、該側構体
2aの軽量化および強度向上が図れる。すなわち、窓枠
部材39を十分な強度を有する仕様にて構成し、かつ、
幕板37および腰板38についても強度上十分で軽量化
した仕様で構成することができる。したがって、十分な
強度を有し、かつ、軽量化した側構体2aを提供するこ
とができる。また、前記窓枠部材39は、軽合金製押出
形材で構成されており、該窓枠部材39に腰帯9および
幕帯10を一体に形成することも可能である。腰帯9お
よび幕帯10を窓枠部材39に一体に形成することによ
って、部品点数の削減と該窓枠部材39自体の組立時の
工数低減が図れる。
【0050】ところで、前記窓枠部材39を構造用鋼あ
るいはステンレス鋼によって構成しても、側構体2aの
軽量化および強度向上が図れる。なお、窓枠部材39を
幕板37および腰板38と異なる材質の材料で構成した
場合には、これらの接合はリベット等の機械的接合手段
あるいはクラッド材を介在させて溶接により接合する必
要がある。
【0051】次に、図10に示した実施例について説明
する。同図において、前記一実施例と同一符号は同一部
材を示すものである。40は二枚の表材,芯材および外
周に設置される結合用部材をろう付けによって接合した
積層材から構成された屋根板部材である。該屋根板部材
40を車体幅方向両側に平行に配置した長桁16の間に
車体長手方向に複数並べ、かつ、隣合う該屋根板部材4
0を溶接接合するとともに、該接合部に垂木41を接合
して屋根構体4aを構成する。
【0052】なお、該屋根構体4aの製作は、次のよう
にして行なわれる。屋根構体4aを構成するための治具
は、前記屋根板部材40を受ける支持面が屋根構体4a
の外表面に一致した形状となっている。まず、最初に、
前記治具の屋根板部材支持面に複数の屋根板部材40を
載せ、該各屋根板部材40間の位置決めを行なう。そし
て、前記各屋根板部材40を拘束した状態で接合する。
このようにして複数の屋根板部材40同士を接合した
後、長桁16と垂木41を該複数の屋根板部材40上に
載せ、拘束した状態で接合する。このようにして組立ら
れた屋根構体4aを、治具から取り出し、各屋根板部材
40の接合部分の外表面を平滑に仕上て完成する。
【0053】ところで、前記屋根板部材40に予め長桁
16と垂木41を接合しておき、これに屋根板部材40
を車体長手方向に並べて接合しても良い。なお、前記屋
根板部材40の車体長手方向の幅寸法は、前記側外板部
材12とほぼ同様な長さとする。本実施例は、前記屋根
構体4aの構造が前記一実施例と異なるのみで、屋根構
体4a以外の部分は前記一実施例と同様である。
【0054】このような構成によれば、屋根構体4aを
二枚の表材および芯材を接合した積層材よりなる屋根板
部材40によって構成しているため、強度向上が図れ、
十分な耐圧強度を確保できる。すなわち、前記屋根板部
材40は、単なる平板よりも曲げ剛性が高いため、車外
圧力変動による圧力荷重が作用しても十分に耐え得る。
したがって、前記屋根構体4aとほぼ同様な重量を有す
る軽合金製押出形材より成る従来の屋根構体よりも、屋
根構体4aはその耐圧強度を向上させることができる。
【0055】また、前記屋根板部材40は、それ自体の
曲げ剛性が高いため、該屋根構体4aを構成する垂木4
1の数を減らすことができる。このことによって、屋根
構体4aを構成する部品点数を削減できる。また、垂木
41の数を減らすことは、屋根構体4aの軽量化にもつ
ながる。
【0056】なお、本実施例においては、側構体2およ
び屋根構体4aを、積層材によって構成した構造とした
が、屋根構体4aのみを積層材で構成することで構体の
耐圧性の向上が図れる。すなわち、屋根構体は面積が広
く、車外圧力変動に伴って作用する圧力荷重が大きくな
る。一方、屋根構体は客室空間を広く確保するため、あ
るいは、全体の軽量化の観点から多くの骨部材を設置し
にくい。したがって、前述のように屋根構体に積層材を
用いることは、積層材の強度が高いため、前記圧力荷重
を少ない骨部材によって支持し得る。このことは、屋根
構体自体および構体全体としての耐圧性を向上できる。
また、屋根構体および構体全体としての軽量化につなが
る。
【0057】次に、前記屋根構体における屋根板部材と
垂木との接合部分の構造について図11,図12および
図13によって説明する。
【0058】図11は、前記図10に示した屋根構体4
aの二つの屋根板部材40および垂木41の接合部分の
断面構造を示している。同図において、17aは屋根板
部材40の周囲に設置された結合用部材である。該結合
用部材17aは前記側外板部材12の結合用部材17と
同様に略Z型に形成され、複数の段差を有したフランジ
および結合部フランジを有している。そして、隣合う結
合用部材17aの結合部フランジを溶接部20形成する
ことによって接合する。また、結合用部材17aの車内
側のフランジには、接合した屋根板部材40の結合用部
材17aに跨って設置される垂木41が接合されてい
る。20aは前記結合用部材17aと垂木41とを接合
するための溶接部である。
【0059】屋根構体4aは、隣合う屋根板部材40の
接合作業をその一方側すなわち内側から行なえる。ま
た、垂木41の接合作業も同様に屋根板部材40の内側
から行なえる。このため、同一治具上で複数の屋根板部
材40および垂木41の接合作業が行なえる。したがっ
て、屋根構体4aは、前記側構体2と同様に製作時の工
数低減が図れる。また、屋根構体4aは、結合用部材1
7a同士および結合用部材17aと垂木41とを下向き
溶接で接合することができるため、該各接合部の強度信
頼性を向上できる。
【0060】次に、図12は屋根板部材の表材に垂木を
接合した構造を示している。同図において、27aは屋
根板部材40aの車内側の表材に一体に形成されたフラ
ンジである。41aは前記複数のフランジ27aの間に
嵌合可能に構成された垂木である。該垂木41aは略Z
形の断面形状となっている。フランジ27aと垂木41
aは、溶接部20bにより接合される。
【0061】このような構造によれば、屋根板部材40
aに対して垂木41aの位置決めが容易に行なえる。し
たがって、屋根板部材40aに対する垂木41aの接合
作業が容易に行なえる。また、前記フランジ27aが所
定の高さを有し、かつ、その先端部で垂木41aと接合
されるため、表材と芯材との接合部に溶接による熱影響
を与えることがない。さらに、屋根部材40aの車外側
の表材に対する溶接の熱影響も防止できため、該表材の
歪の発生を防止できる。
【0062】ところで、前記フランジ27aは表材に一
体に形成されているが、前記フランジを表材とは別部材
として形成し、ろう付けによって表材に接合する構成と
してもよい。また、前記フランジを表材と別部材の平板
に一体に形成し、該平板をろう付けによって表材に接合
する構成としても良い。
【0063】次に、図13は屋根板部材を構成する結合
用部材に垂木を一体に構成した断面構造を示している。
同図において、一方の屋根板部材40bの結合用部材1
7aは、前記図11に示したものと同様に略Z形に形成
されている。41bは屋根板部材40cの結合用部材を
一体に構成した垂木である。該垂木41bは、前記結合
用部材17aと同様に軽合金製押出形材製であって、屋
根板部材40cを製作する際に複数の表材および芯材と
接合される。
【0064】このような構成によれば、垂木41bが結
合用部材を兼ねているため、部品点数を削減できるとと
もに結合用部材と垂木との接合作業を行なう必要がな
い。
【0065】次に、図14および図15に示した実施例
について説明する。同図において、前記図10に示した
実施例と同一符号は同一部材を示すものである。5aは
妻柱46,隅柱47,妻桁48,横さん49および妻板
部材50から構成される妻構体である。前記妻板部材5
0は二枚の表材,芯材および結合用部材をろう付けによ
って接合して構成されている。
【0066】前記妻構体5aの製作は、該妻構体5aの
形状に合せて形成された複数の妻板部材50を治具上で
位置決めし、拘束した状態で接合する。次に、前記接合
した複数の妻板部材上に妻柱46,隅柱47,妻桁48
および横さん49を載せ、これらを拘束した状態で接合
する。前記各接合は、全て溶接によって行なわれる。
【0067】このようにして構成された妻構体5aを、
台枠3,二つの側構体2および屋根構体4aの車体長手
方向端部に接合して構体が完成する。
【0068】このような構成によれば、妻構体5aを二
枚の表材,芯材および結合用部材をろう付けによって接
合した積層材である妻板部材50によって構成している
ことから、前記実施例の側構体2あるいは屋根構体4a
と同様に耐圧性を向上させることができる。また、前記
妻構体5aを含めて構成された構体1bは、二つの側構
体2,屋根構体4a,二つの妻構体2が二枚の表材およ
び芯材をろう付けによって接合した積層材で構成してい
ることから、耐圧性を向上させることができる。すなわ
ち、十分な強度を有し圧力荷重を十分に支持可能な台枠
部分を除いた構体の耐圧性を向上させることができる。
【0069】次に、図16に示した実施例について説明
する。同図において、前記一実施例と同一符号は同一部
材を示すものである。42は二枚の表材,芯材および外
周に設置される結合用部材をろう付けけによって接合し
た積層材から構成された床板部材である。該床板部材4
2を車体長手方向に複数並べて接合し、横梁43の上面
および側梁6の車体周方向中央側の側面6aに接合する
ことにより台枠3aが構成される。また、隣接した床板
部材42の結合用部材に跨って横梁43が設置される構
成となっている。
【0070】なお、前記床板部材42は車外圧力変動を
面内の引っ張りあるいは圧縮応力として負担させ、表材
あるいは芯材の板厚を薄くして軽量化を図るために、車
体周方向断面について下方へ凸の円弧状に形成されてい
る。該床板部材42の円弧状断面の曲率は、車体周方向
両側に近付くに従って大きくしてもよい。本実施例は、
前記図14に示した構体と台枠部分の床板部材42のみ
が異なっており、他の部分については図14の構体1b
と同様である。
【0071】このような構成によれば、床板部材42が
十分な曲げ強度を有しているため、横梁43の設置間隔
を広くして該横梁43の設置数量を削減することができ
る。あるいは、床板部材42が十分な曲げ強度を有して
いるため、横梁自体を軽量なものにできる。これらのこ
とがらは、台枠の軽量化ひいては構体全体の軽量化につ
ながる。
【0072】また、本実施例の構体1cにあっては、客
室を取り囲む気密壁すなわち側外板部材12,屋根板部
材40,床板部材42および妻板部材50が積層材によ
って構成されているため、十分な耐圧強度を確保でき、
かつ、軽量化が図れる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、ろう付けによって構成
した積層材を溶接して構体を構成しているので、軽量に
でき、高耐圧にできるものである。また、鉄道車両構体
の外面側の結合用部材のフランジを隣接する結合用部材
のフランジに突合せ溶接しているので、溶接部の表面を
外面側の表材と同一線上にでき、構成を簡単にできるも
のである。また、積層材の端部の厚肉の結合用部材を利
用して側柱や垂木の骨部材を溶接しているので、骨部材
を容易に溶接できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄道車両構体の一実施例を示した
断面斜視図である。
【図2】図1に示した鉄道車両構体の外観を示す斜視図
である。
【図3】図2のA−A部断面図である。
【図4】図2のB−B部断面図である。
【図5】積層材と骨部材の接合部の他の実施例を示した
断面図である。
【図6】積層材と骨部材の接合部の他の実施例を示した
断面図である。
【図7】積層材同士の接合部の他の実施例を示した断面
図である。
【図8】積層材同士の接合部の他の実施例を示した断面
図である。
【図9】本発明による鉄道車両構体の他の実施例を示し
た断面斜視図である。
【図10】本発明による鉄道車両構体のさらに他の実施
例を示した断面斜視図である。
【図11】屋根板部材と垂木の接合部の一実施例を示す
断面図である。
【図12】屋根板部材と垂木の接合部の他の実施例を示
す断面図である。
【図13】屋根板部材と垂木の接合部の他の実施例を示
す断面図である。
【図14】本発明による鉄道車両構体のさらに他の実施
例を示した断面斜視図である。
【図15】図14の鉄道車両構体の妻構体を車内側から
みた正面図である。
【図16】本発明による鉄道車両構体のさらに他の実施
例を示した断面斜視図である。
【符号の説明】
1…構体、2…側構体、3…台枠、4…屋根構体、5…
妻構体、11…側柱、12…側外板部材、13,14…
表材、15…芯材。
フロントページの続き (72)発明者 岡崎 正人 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二枚の表材と、該二枚の表材の間に配置し
    たハニカム材と、該二枚の表材の間において該表材の縁
    部に配置した結合用部材と、からなり、前記二枚の表材
    に、前記ハニカム材および前記結合用部材を接合して積
    層材を構成しており、 複数の前記積層材を接合して構成した鉄道車両構体にお
    いて、 前記積層材を構成する前記二枚の表材、前記ハニカム材
    および前記表材よりも厚肉の前記結合用部材はろう付け
    によって接合しており、 前記結合用部材は、前記二枚の表材にそれぞれ接合した
    二つの部分と、該二つの部分を連結するウエブと、から
    なり、前記鉄道車両構体の外面側に位置する前記表材の
    側の前記ウエブの端部には前記積層材の端部側に突出し
    たフランジを備え、 該フランジは隣接する前記積層材の前記結合用部材の前
    記フランジに突合せ溶接しており、この溶接部の表面は
    前記積層材の前記鉄道車両構体の外面側を接続する線上
    に設けており、 隣接する一対の前記積層材の前記結合部材の車内側の前
    記部分の範囲内同士を骨部材で溶接して連結しており、 該骨部材は、少なくとも3つの辺を有すること、 を特徴とする鉄道車両構体。
  2. 【請求項2】請求項1の鉄道車両構体において、前記積
    層材は前記鉄道車両構体の側構体を構成しており、前記
    骨部材は該側構体の側柱であること、を特徴とする鉄道
    車両構体。
  3. 【請求項3】請求項1の鉄道車両構体において、前記積
    層材は前記鉄道車両構体の屋根構体を構成しており、前
    記骨部材は該屋根構体の垂木であること、を特徴とする
    鉄道車両構体。
  4. 【請求項4】請求項2の鉄道車両構体において、前記側
    構体の前記積層材の長さは3本以上の前記側柱の間に亘
    る長さであること、を特徴とする鉄道車両構体。
  5. 【請求項5】請求項1の鉄道車両構体において、前記フ
    ランジは前記表材の端部よりも隣接した前記積層材側に
    突出しており、該隣接する積層材側に突出した前記フラ
    ンジの外面は前記表材の外面と同一面に有ること、を特
    徴とする鉄道車両構体。
  6. 【請求項6】請求項1の鉄道車両構体において、前記結
    合用部材の前記二つの部分は前記ウエブの両端から前記
    積層材の内側へも向けて突出していること、を特徴とす
    る鉄道車両構体。
  7. 【請求項7】請求項2の鉄道車両構体において、 前記側構体は、窓開口部よりも上方の幕部と、該窓開口
    部よりも下方の腰部と、および前記幕部と前記腰部との
    間の窓部材と、からなり、 前記幕部および前記腰部は前記複数の積層材を溶接して
    構成されており、 前記窓部材は少なくとも窓開口部と窓開口部との間の部
    材を構成するものであり、押出し形材で構成しており、 前記側柱は前記積層材および前記押出し形材に溶接して
    いること、 を特徴とする鉄道車両構体。
  8. 【請求項8】請求項7の鉄道車両構体において、前記窓
    部材は前記押出し形材から窓開口部を開口したものであ
    ること、を特徴とする鉄道車両構体。
  9. 【請求項9】請求項7の鉄道車両構体において、前記窓
    部材の押出し方向は車両の長手方向であること、を特徴
    とする鉄道車両構体。
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JP7340317A Pending JPH08225077A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 鉄道車両構体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021138315A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 株式会社日立製作所 軌条車両構体およびその製造方法

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