JP2551316B2 - パネル - Google Patents

パネル

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JP2551316B2
JP2551316B2 JP5082841A JP8284193A JP2551316B2 JP 2551316 B2 JP2551316 B2 JP 2551316B2 JP 5082841 A JP5082841 A JP 5082841A JP 8284193 A JP8284193 A JP 8284193A JP 2551316 B2 JP2551316 B2 JP 2551316B2
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守 大原
守成 服部
仁 鶴田
通文 武市
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両を含む船等の
輸送手段、建築等に用いられるパネルに係り、特にパネ
ル自体が強度部材として用いられるものに好適なパネル
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られているハニカムパネルの
製造方法としては、例えば実公平2−33980号、特
公平2−42585号等が知られている。これらの製造
方法においては、アルミニウム箔、クラフト紙、プラス
チック等のシート状のコア素材を積層し、ろう材または
接着剤等の固着剤によって一定間隔をおいた位置で該コ
ア素材を千鳥状に固着して、これを積層方向に展張して
ハニカムコアを形成し、このハニカムコアの表裏面に
を固着することによって平板状のハニカムパネルを製
造している。
【0003】一方、軽合金製のろう付ハニカムを用いた
パネル構造としては、特開平3−90468号が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、鉄道車両の高速
化の要求が高まっている。鉄道車両の高速化に伴い、軌
道破壊や走行時における騒音の増大や動力費の増加等の
問題が生じる。これらの問題を解決するためには、鉄道
車両の走行速度に応じた軽量化が必要である。従来、鉄
製構体および軽合金製構体においては、外板部材および
骨部材の薄肉化による軽量化が図られているが、部材の
強度および剛性の面から軽量化の限界がある。また、外
板部材に軽合金製のハニカムパネルを用い、骨部材との
溶接構造を採用したものがあるが、車体断面の曲率の変
化する箇所やパネルの接合部において局部的に応力が集
中し、補強部材を必要とするため軽量化の妨げになるこ
とがあった。
【0005】鉄道車両が高速でトンネル内を走行する
際、車内外圧力差が急激に変化することが知られてい
る。特に、車両同士がトンネル内ですれ違う場合には、
大きな圧力変動が短時間に発生する。200km/h以
上の高速で走行する車両は、このような圧力変動に対し
て、十分な構体の剛性を確保する必要があると共に、軽
量化を図る必要があり、この相反する課題を解決するの
は困難であった。
【0006】また、ハニカムパネルを各種構造部材とし
て用いる場合には、構成される構造物のデザイン或いは
強度確保の観点から該ハニカムパネル自体を曲面状に形
成しなければならないが、力の流れを考えた形状になっ
ていないのが現状であった。
【0007】また、パネル同士を接合した場合、隣接し
たパネルに力を伝達する結合部材がパネル自体をなす他
の部材に対して適確、かつ、十分に接合されてないと、
前記 結合部材は表材2枚にのみしか力を伝達しないこと
となる。さらに、ハニカムコアの接合部分の剥離或いは
ハニカムコア自体の座屈などが発生することが予想され
る。このことも、剛性および強度確保の点から好ましく
ない。
【0008】本発明の目的は、パネルを構成する各部材
同士の接合を確実に行うことによって、パネル自体の強
度向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、軽合金製の2
つの表材、前記2つの表材の間に配置した芯材、前記表
材の各辺に沿って前記2つの表材の間に配置した複数の
結合部材とから成り、前記各表材に前記芯材および前記
結合部材を軽合金製ろう材によって接合したパネルにお
いて、 前記複数の結合部材は隣接して配置されており、
前記第1の結合部材の端部と隣接して配置された第2の
結合部材の芯材側の面との間に、軽合金製ろう材を両面
にクッラドした両面クラッド材を配置しており、第1の
結合部材の端部と第2の結合部材の芯材側の面を前記両
面クラッド材を介して接合しており、 前記結合部材に対
して前記芯材の端部を対向させて配置しており、前記芯
材の端部と前記結合部材との間に前記両面クラッド材を
配置しており、前記芯材の端部と結合部材を前記両面ク
ラッド材を介して接合していること、 を特徴としたもの
である。
【0010】
【作用】本発明のパネルにおいては、表材と芯材或いは
表材と結合部材だけでなく、隣接した結合部材同士およ
び芯材と結合部材をろう材によって接合することによ
り、パネル自体の強度向上が図れる。すなわち、結合部
材を介して他のパネル或いは他の部材と接合した場合
に、結合部材から表材だけでなく芯材および隣接した結
合部材に力が伝わる構造となっていることから、表材に
生じ易い応力集中を防止して、パネルの剛性を向上させ
ることができる。前記結合部材同士および芯材と結合部
材とは、両面クラッド材を介して接合されていることか
ら、該両面クラ ッド材が各部材に対して追従し易く、十
分な接合強度が得られる。したがって、パネルの強度向
上が図れる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図1〜5により説明する。
各実施例は、ろう付アルミハニカムの例である。図2は
本発明によって得られた鉄道車両へのパネル構造採用の
一実施例を示し、図1は図2に示した車両のパネル構造
図であり、図3は図2におけるパネル構造の平面図であ
る。同図において、1は鉄道車両の構体であり、側構体
2、台枠3、屋根構体4および妻構体5から構成されて
いる。
【0012】パネル11は直交する二方向のうち一方向
すなわち車体長手方向が直線状であって、他方向すなわ
ち車体周方向が曲線状に形成されている。パネル11は
二次曲面に形成された二枚の表材12および表材13
と、その間に配置される芯材であるハニカムコア14お
よびパネル同志を接合する為の接合部材15a,接合部
材15bとから構成される。前記ハニカムコア14は、
薄い板状のコア素材をハニカムを二分割した台形状に予
め成形し、該コア素材を複数組合せることによって構成
される。前記複数のコア素材は、連続した台形部の頂部
を背中合わせにするように互いに配置される。この状態
で、前記コア素材は前記表材13の曲面内側に載せら
れ、上に表材12を載せてろう付される。
【0013】前記パネル11をアルミニウム合金で構成
する場合、前記表材12,13としてはその板厚が1.
0前後〜数mm程度、ハニカムコア14としては0.2
〜数mm程度のものを用いる。なお、前記実施例の場
合、表材13よりも表材12の板厚を厚くしている。
【0014】このような構成において、その製作方法を
前記表材12,13およびハニカムコア14がアルミ合
金製であって、接合剤としてアルミニウム合金製ろう材
を用いた例について説明する。まず、表材12および1
3は、それぞれ所定の曲率半径R0、R1の二次曲面にロ
ール等により成形される。但し、表材自体の板厚が薄く
曲線半径が比較的大きい場合等の条件によっては、該表
材がそれ自身で撓むので事前の前記成形を行なわなくて
も良い。しかし、予め成形しておくほうが製作精度およ
び作業性の点では有利である。前記表材12および表材
13のパネル内面側すなわちハニカムコア14と接する
片面には、ろう材がロール圧延にて圧着されている。ハ
ニカムコア14をなすコア素材は薄板を切断し、かつ、
ハニカムをなす台形状に順次折り曲げ加工される。
た、結合部材15aおよび結合部材15bは初めから正
規のパネル完成時の寸法にて溶接部16を形成すること
により接合されており、表材12および表材13と接す
る前記溶接部16の表面は平滑に仕上られている。この
ようにして各構成材料は製作され、これらをパネル製作
用の型に入れて、ろう付接合しパネルを製作する。
【0015】結合部材15a,15bでパネルの外縁に
相当する部分を枠のようにパネル完成時の正規寸法に製
作しておくことにより、前記表材12,13およびハニ
カムコア14は、それぞれ独立した状態で位置決めされ
るため、それぞれに無用な外力が作用することがなく、
個々の変形がない状態あるいは最小限の状態で位置決め
が行われ相互に接合される。したがって、ハニカムパネ
ル11として完成した状態で、外力を受けた際に各構成
部材がそれぞれ力を負担することになり、局部的に応力
が集中することがなく強度を均一化することができる。
このことは、パネル全体の強度向上につながる。また、
結合部材15a、15bでパネルの外縁に相当する枠が
作成されるため、ハニカムコア14に変形を生じさせる
ことなく容易に接合させることができる。パネル完成時
の最終寸法にて前記結合部材15a,15bが接合され
ているため、ハニカムコア14を含めたパネル構成部材
が完成時の最終的な位置に位置決めされるため、相互の
位置関係に無理がなく、パネルとして精度のよいものを
製作することができる。また、表材12,13のそれぞ
れの表面に生じる歪みを最小限に抑えることができる。
【0016】さらに、表材12,複数のコア素材からな
るハニカムコア14および表材13は、それぞれ独立し
た状態で相互に位置決めされるので、各ハニカムコア1
の厚さが曲面を成した状態で一定になることから、パ
ネル厚さを高い精度で均一化でき、標準化が図れるとと
もに各種作業の機械化も容易となる。
【0017】次に、本発明の他の実施例を図5により説
明する。同図において、前記一実施例と同一符号は同一
部材を示すものである。17は結合部材15a,15b
間に設置された継材である。該継材17は結合部材15
a,15bおよびハニカムコア14に対してろう付によ
り接合される。すなわち、継材17は基材の両表面にろ
う材をクラッドした両面クラッド材で、結合部材15a
と結合部材15bとの間に配置することにより、実質的
に両者を接合するものである。また、継材17は結合部
材15a,15bとハニカムコア14との間に配置さ
れ、両者を接合するものである。
【0018】このような構成によれば、表材12、13
とハニカムコア14或いは表材12、13と結合部材1
5a、15bだけでなく、隣接した結合部材15a、1
5b同士およびハニカムコア14と結合部材15a、1
5bを継材17のろう材によって接合することにより、
パネル自体の強度向上が図れる。すなわち、結合部材1
5aを介して他の隣接したパネル或いは他の部材と接合
した場合に、結合部材15aから表材12、13だけで
なくハニカムコア14および隣接した結合部材15bに
力が伝わる構造となっていることから、表材12、13
に生じ易い応力集中を防止して、パネルの剛性を向上さ
せることができる。前記結合部材15a、15b同士お
よびハニカムコア14と結合部材15a、15bとは、
両面クラッド材である継材17を介して接合されている
ことから、該継材17が各部材に対して追従し易く、十
分な接合強度が得られる。したがって、パネルの強度向
上が図れる。パネルは構成する各部材がろう付されるこ
とにより、全体の剛性向上にもなり、各部材の板厚を薄
くすることも出来て軽量化にもつながる。
【0019】前記各実施例においては、芯材をハニカム
すなわち六角形に形成した例について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、コア素材を四角形
等の他の連続形状に形成しても同様な効果を達成するこ
とができる。また、前記実施例においては、パネルに一
つの二次曲面を形成した例について説明したが、前記
次曲面をその曲面を順次逆方向に連続形成して波形断面
をなすパネルを形成することもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、パネルを構成する各部
材同士の接合を両面クラッド材を用いて確実に行うこと
によって、パネル自体の強度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパネル構造の一実施例を示す部分
断面斜視図である。
【図2】図1に示したパネルを用いて構成される鉄道車
両の車体を示す斜視図である。
【図3】図1に示したパネルの全体構造を示す正面図で
ある。
【図4】図3にしめしたパネルの側面図である。
【図5】本発明によるパネル構造の他の実施例を示す部
分断面斜視図である。
【符号の説明】
1…構体、2…側構体、3…台枠、4…屋根構体、5…
妻構体、11…パネル、12,13…表材、14…ハニ
カムコア、15a,15b…結合部材、16…溶接部、
17…継材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武市 通文 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平5−16801(JP,A) 特開 平5−38539(JP,A) 特開 昭55−142855(JP,A) 実開 昭62−30096(JP,U) 実開 昭54−67514(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽合金製の2つの表材、前記2つの表材の
    間に配置した芯材、前記表材の各辺に沿って前記2つの
    表材の間に配置した複数の結合部材とから成り、前記各
    表材に前記芯材および前記結合部材を軽合金製ろう材に
    よって接合したパネルにおいて、 前記複数の結合部材は隣接して配置されており、前記第
    1の結合部材の端部と隣接して配置された第2の結合部
    材の芯材側の面との間に、軽合金製ろう材を両面にクッ
    ラドした両面クラッド材を配置しており、第1の結合部
    材の端部と第2の結合部材の芯材側の面を前記両面クラ
    ッド材を介して接合しており、 前記結合部材に対して前記芯材の端部を対向させて配置
    しており、前記芯材の端部と前記結合部材との間に前記
    両面クラッド材を配置しており、前記芯材の端部と結合
    部材を前記両面クラッド材を介して接合していること、 を特徴としたパネル。
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