JPH08224809A - 繊維強化樹脂積層管 - Google Patents

繊維強化樹脂積層管

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Publication number
JPH08224809A
JPH08224809A JP7033850A JP3385095A JPH08224809A JP H08224809 A JPH08224809 A JP H08224809A JP 7033850 A JP7033850 A JP 7033850A JP 3385095 A JP3385095 A JP 3385095A JP H08224809 A JPH08224809 A JP H08224809A
Authority
JP
Japan
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bias layer
reinforcing
fiber
fibers
laminated tube
Prior art date
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Pending
Application number
JP7033850A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Fujita
崇 藤田
Masataka Mitoma
正孝 三苫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Publication of JPH08224809A publication Critical patent/JPH08224809A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじり強度が十分あり、軽量で、効率的に低
ねじれ化された繊維強化樹脂積層管を提供する。 【構成】 強化繊維が積層管の長手方向に対して傾斜し
て配列されたバイアス層、および該バイアス層の外側に
さらに強化繊維が積層管の長手方向に対して傾斜して配
列された補強バイアス層を備えた繊維強化積層管であっ
て、補強バイアス層の強化繊維の引張弾性率がバイアス
層の強化繊維の引張弾性率よりも大きい繊維強化樹脂積
層管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の繊維強化樹脂層
からなるゴルフクラブシャフト、釣竿、スキーストッ
ク、自転車フレーム、その他種々の用途に使用し得る、
軽量で、かつ高いねじり剛性、ねじり破壊強度を有する
積層管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばゴルフクラブシャフトの使
用素材として、軽量でかつ機械的特性に優れているとい
う理由から、従来のスチールから炭素繊維を強化繊維と
した炭素繊維強化樹脂に置換が進んでいる。そして、炭
素繊維強化樹脂を素材とするカーボンシャフトはスチー
ルシャフトでは実現できなかった軽量化やねじれにくさ
(低ねじれ化)を実現し、ゴルファーのスコアアップに
多大な貢献をしている。このゴルフシャフトの軽量化、
低ねじれ化は炭素繊維の高強度化・高弾性率化とともに
進展してきた。
【0003】ここで低ねじれ化について考えてみると、
低ねじれ化のためには、強化繊維がシャフトの長手方向
に対して傾斜して配列されたバイアス層において、その
強化繊維に高弾性率繊維を用いることが一般的に行われ
ている。しかし、現在までのところ、炭素繊維は一般的
に高強度特性と高弾性率特性を両立させることが困難で
あり、バイアス層に高弾性率炭素繊維を用いたゴルフシ
ャフトはねじり強度が低くなるという欠点がある。従っ
て、高弾性率炭素繊維をバイアス層に使用したゴルフシ
ャフトでは、バイアス層の量を多くすることにより、ね
じり強度を大きくすることが必要となるが、それを実行
するとゴルフシャフトの重量はかなり増大する。そこ
で、高強度繊維にも同時にバイアス層に使用してねじり
強度を大きくすることで、比較的軽量のままでしかも低
ねじれ化されたゴルフシャフトが開発されている。ま
た、ゴルフシャフトのねじり破壊は径の小さいヘッドに
近い部分で起こりやすいため、ヘッドに近い部分のみバ
イアス層に高強度繊維を加え、ねじり強度を補強したゴ
ルフシャフトも開発されている。しかし、上記のシャフ
トは、強度の低い高弾性率繊維を高強度繊維で強度補強
するという考え方であり、高強度繊維で強度補強するた
めには高強度繊維をバイアス層の外側に配置した方が有
利なため、高弾性率繊維はバイアス層内層に配置され
る。そのため、高弾性率繊維の低ねじれ化への寄与率は
小さくなり、低ねじれ化のためには高弾性率繊維の使用
量を増やすことが必要になり、軽量化の点で不利にな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、ねじり強度が十分あり、かつ軽
量で、しかも効率的に低ねじれ化された繊維強化樹脂積
層管の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、バイアス層に使用す
る強化繊維として、2種類以上の強化繊維を使用し、バ
イアス層内層に高強度繊維を配置し、バイアス層外層に
高弾性率繊維を少量配置すれば、ねじり強度が十分あ
り、かつ軽量で、しかも効率的に低ねじれ化された繊維
強化樹脂積層管が得られることを見出し、本発明に到達
した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、強化繊維が積
層管の長手方向に対して傾斜して配列されたバイアス
層、および該バイアス層の外側にさらに強化繊維が積層
管の長手方向に対して傾斜して配列された補強バイアス
層を備えた繊維強化樹脂積層管であって、補強バイアス
層の強化繊維の引張弾性率がバイアス層の強化繊維の引
張弾性率よりも大きい繊維強化樹脂積層管に存する。
【0007】
【作用】厚みが同じである円筒形状の場合、極断面2次
モーメントは内径の3乗に比例する。したがって、バイ
アス層外層に高弾性率繊維を配置したほうが効率的に低
ねじれ化が図れる。しかし、高弾性率繊維は強度特性が
悪いため、斜交層外層に配置した高弾性率繊維は積層管
のねじり強度の向上にはほとんど寄与しない。つまり、
バイアス層内層に高強度繊維を配置し、バイアス層外層
に高弾性率繊維を少量配置させた本発明の繊維強化樹脂
積層管では、ねじり強度は斜交層内層の高強度繊維で発
現させ、斜交層外層に少量配置した高弾性率繊維にはね
じり剛性向上による低ねじれ化への寄与のみを求めてい
る。本発明では、このように、主にねじり強度向上に寄
与する層と主にねじり剛性向上に寄与する層の役割分担
を明確にし、ねじり剛性向上に寄与する層を斜交層外層
に配置することにより、ねじり強度が十分あり、かつ軽
量で、しかも効率的に低ねじれ化された繊維強化樹脂積
層管の実現を可能とした。補強バイアス層に用いる高弾
性率繊維としては通常、引張弾性率50ton/mm2
以上の繊維であれば十分な効果を発揮するが、引張弾性
率65ton/mm2 以上の繊維のほうがより十分なね
じり剛性補強効果を発揮し好ましい。さらには引張弾性
率80ton/mm2 以上の繊維はねじり剛性補強効果
が特に大きく、特に好ましい。なお、炭素繊維の引張弾
性率の理論的上限は100ton/mm2 程度である。
【0008】また、テーパーつきの積層管の場合は、径
の小さい側は、径の大きい側と比べて極断面2次モーメ
ントが小さくなる。そのため、積層管全体にねじりトル
クが加わった場合、径の小さい部分でのねじれ量が大き
くなる。したがって、重量増を最小限に抑えたまま、低
ねじれ化された積層管を実現するためには、径の小さい
側のみに高弾性率繊維でねじり剛性補強を行い、ねじり
剛性を大きくすることが効果的である。特に、高弾性率
繊維によるねじり剛性補強を径の小さい側の先端から積
層管全長の2/3以下の長さにしたものが好ましく、さ
らには、高弾性率繊維によるねじり剛性補強を径の小さ
い側の先端から積層管全長の1/3以下の長さにしたも
のが特に好ましい。
【0009】補強バイアス層の厚さについては、厚さが
厚くなると重量的に不利になり、またあまり薄くなると
低ねじれ化への効果が小さくなる。そのため、補強バイ
アス層の厚さについては、バイアス層の0.05〜1.
0倍の厚さが好ましく、軽量化と低ねじれ化への効果の
兼ね合いをさらによくする意味合いから、補強バイアス
層の厚さはバイアス層の厚さの0.1〜0.8倍が特に
好ましい。
【0010】
【実施例】次に、本発明に係わる積層管の実施例、比較
例を図面に即して詳しく説明する。本実施例にて、積層
管は、強化繊維が炭素繊維である繊維強化樹脂からなる
ゴルフクラブシャフトに具現化されるものとして説明す
る。図1に示すように、マンドレルに所定の寸法に裁断
したプリプレグシートを巻付けるシートワインディング
法によりゴルフクラブシャフトの成形を行った。まず、
先端部径4.2mm、テーパー7.6/1000、長さ
1250mmのステンレス製マンドレル(1)表面に離
型処理を施し、接着剤を塗布した。そして、バイアス層
(2)として、所定の寸法に裁断したPAN系30to
n/mm2 炭素繊維一方向プリプレグを炭素繊維の整列
方向がシャフト軸方向に対して互いに40°になるよう
に重ね合せた後±2PLY巻き付けた。それから、補強
バイアス層(3)として、所定の寸法に裁断した高弾性
率ピッチ系炭素繊維一方向プリプレグを炭素繊維の整列
方向がシャフト軸方向に対して互いに40°になるよう
に重ね合せた後±1PLY巻き付けた。次に、ストレー
ト層(4)として、所定の寸法に裁断したPAN系24
ton/mm2 炭素繊維一方向プリプレグを炭素繊維の
整列方向がシャフト軸方向に対して平行になるように3
PLY巻き付けた。その後、通常の方法にしたがって、
この外周に耐熱テープを巻き付け、各プリプレグを増し
締めた後、加熱硬化した。
【0011】図2はゴルフクラブシャフトのねじれ度測
定用試験片(5)の形状であるが、先端からa45mm
と後端側b45mmにガラスクロスプリプレグ(6),
(6′)を3PLY巻き付け、補強を行った。先端タブ
部において先端から35mmの部分をドリルチャックで
つかみ固定し、後端側のタブに先端からの距離c106
0mmの位置に径5mmの穴(7)を開け、ピンを差し
込み、トルクモーターによりトルクを負荷した。そし
て、1ft・lbのトルクを加えたときのねじれ角をね
じれ度とし、さらにトルクを加えて試験片に破壊(亀
裂)を生じたときの力をねじり強度とした。
【0012】使用プリプレグシートの仕様(炭素繊維の
種類、FAW(プリプレグシート1m2 中の繊維の重
量)、RC(プリプレグシート中のレジンの重量百分
率))を表1に示し、そのプリプレグを用いたゴルフシ
ャフトの実施例、比較例の積層構成とその結果を表2に
示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】実施例1〜3は補強バイアス層に用いてい
る強化繊維が引張弾性率50ton/mm2 のピッチ系
炭素繊維、実施例4〜6は補強バイアス層に用いている
強化繊維が引張弾性率65ton/mm2 のピッチ系炭
素繊維、実施例7〜9は補強バイアス層に用いている強
化繊維が引張弾性率80ton/mm2 のピッチ系炭素
繊維である。また、実施例1,4,7は補強バイアス層
がシャフト先端から325mmにまでわたり(シャフト
先端から225mmまで±1PLYで、先端から225
mmから325mmの範囲で±1PLYから0PLYに
変化している)、実施例2,5,8は補強バイアス層が
シャフト先端から600mmにまでわたり(シャフト先
端から500mmまで±1PLYで、先端から500m
mから600mmの範囲で±1PLYから0PLYに変
化している)、実施例3,6,9は補強バイアス層がシ
ャフト全長1100mmにわたっている。比較例1,2
は補強バイアス層がなく、比較例1はバイアス層が±3
PLYで、比較例2はバイアス層が±2PLYである。
【0016】実施例1,4,7はシャフト先端から32
5mmまで補強バイアス層があるシャフトであるが、比
較例1と比べてみると、実施例の場合は比較例の場合と
比べて、補強バイアス層によるわずか2gの重量増加で
極めて効果的にねじれ度が小さくなっていることがわか
る。
【0017】実施例2,5,8はシャフト先端から60
0mmまで補強バイアス層があるシャフトであるが、比
較例1と比べてみると、実施例の場合は比較例の場合と
比べて6g重量が重くなっているが、ねじれ度は実施例
1,4,7と比べてさらに小さくなっており、実施例
2,5は比較例2と同等、実施例8は比較例2よりも小
さいねじれ度を実現し、重量的には比較例2よりも重量
は8g軽くなっている。
【0018】実施例3,6,9はシャフト全長にわたっ
て補強バイアス層があるシャフトであり、重量的には比
較例2と同等であるが、ねじれ度は比較例2よりもかな
り小さくなっている。ねじり強度については実施例1〜
9全て200kg・cm程度あり、ゴルフクラブシャフ
トとして実際の使用に耐え得る、十分なねじり強度が発
現している。
【0019】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂積層管は、ねじり
強度が十分あり、かつ軽量で、しかも効率的に低ねじれ
化された繊維強化樹脂積層管を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるゴルフクラブシャフ
トの成形方法の一例を示す説明図。
【図2】ねじれ度及びねじり強度測定用試験片の形状の
説明図。
【符号の説明】
1 マンドレル 2 バイアス層 3 補強バイアス層 4 ストレート層 5 ねじれ度及びねじり強度測定用試験片 6,6′ ガラスクロスプリプレグ 7 固定ピン差し込み穴 a,b ガラスクロスプリプレグを設けた距離 c 穴7の先端からの距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維が積層管の長手方向に対して傾
    斜して配列されたバイアス層、および該バイアス層の外
    側にさらに強化繊維が積層管の長手方向に対して傾斜し
    て配列された補強バイアス層を備えた繊維強化樹脂積層
    管であって、補強バイアス層の強化繊維の引張弾性率が
    バイアス層の強化繊維の引張弾性率よりも大きい繊維強
    化樹脂積層管。
  2. 【請求項2】 補強バイアス層の強化繊維の引張弾性率
    が50ton/mm 2 以上である請求項1記載の繊維強
    化樹脂積層管。
  3. 【請求項3】 テーパーつきの積層管であって、補強バ
    イアス層が細径側先端から積層管全長の2/3以下の長
    さまで位置する請求項1記載の繊維強化樹脂積層管。
  4. 【請求項4】 補強バイアス層の厚さが、バイアス層の
    厚さの0.05〜1.0倍である請求項1〜3のいずれ
    か1に記載の繊維強化樹脂積層管。
  5. 【請求項5】 補強バイアス層の強化繊維がピッチ系炭
    素繊維である請求項1〜4のいずれか1に記載の繊維強
    化樹脂積層管。
JP7033850A 1995-02-22 1995-02-22 繊維強化樹脂積層管 Pending JPH08224809A (ja)

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JP (1) JPH08224809A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6863623B2 (en) 2001-12-25 2005-03-08 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Golf club shaft

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6863623B2 (en) 2001-12-25 2005-03-08 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Golf club shaft

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