JPH0822096A - ハロゲン化銀写真感光材料及び現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び現像処理方法

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JPH0822096A
JPH0822096A JP15489794A JP15489794A JPH0822096A JP H0822096 A JPH0822096 A JP H0822096A JP 15489794 A JP15489794 A JP 15489794A JP 15489794 A JP15489794 A JP 15489794A JP H0822096 A JPH0822096 A JP H0822096A
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JP
Japan
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silver halide
group
halide photographic
gelatin
emulsion
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Application number
JP15489794A
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English (en)
Inventor
Iku Meji
郁 目時
Makoto Fukui
誠 福井
Takehiro Kobayashi
剛弘 小林
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 迅速処理性と低補充化でも写真性能に優れた
ハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【構成】 支持体上の一方の側に感光性ハロゲン化銀乳
剤層と、他層側にバッキング層を有するハロゲン化銀写
真感光材料において、該乳剤層に塩化銀含有率が60mol
%以上の感光性ハロゲン化銀乳剤と、実質的に有機溶媒
及び/又は界面活性剤が存在しない状態で分散させた実
質的に水に不溶な増感色素分散物を含有する。さらに感
光性乳剤層を有する側の親水性コロイド層にゼラチンで
安定化されたポリマーラテックスを含有する。ならびに
上記ハロゲン化銀写真感光材料を全処理時間(Dry to Dr
y)35秒以下で処理すること及び現像液の補充量が150〜3
50ml/m2、定着液の補充量が180〜450ml/m2で処理する
現像処理方法。さらに上記感光性乳剤が無機硫黄又はセ
レン化合物により化学増感されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノクロハロゲン化銀
写真感光材料及び現像処理方法に関し、詳しくは印刷製
版用感光材料における迅速処理性の改良及び補充量の低
減したハロゲン化銀写真感光材料及び現像処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の発明】近年、印刷製版分野ではスキャナー方式
が広く用いられている。このスキャナー方式による画像
形成方法を実用した記録装置の記録用光源としては、グ
ローランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、L
ED、He−Neレーザー、アルゴンレーザー、半導体
レーザーなどがある。特に、近年は記録装置の面ではL
ED光源を、記録装置の大きさの面ではHe−Neレー
ザー及び半導体レーザーが主流になりつつある。この分
野のハロゲン化銀写真感光材料では、上記光源の発光波
長に分光感度を合わせるために分光増感色素をハロゲン
化銀粒子に吸着させる事が必要となって来る。しかし、
一部の分光増感色素がハロゲン化銀粒子に吸着せず、ゼ
ラチン等に染着するものがある。さらに、一般的に増感
色素は水溶性が低い事もあり、現像処理中に抜け切ら
ず、増感色素の色が残る(いわゆる残色)ケースが多
い。又、印刷業界では短納期化や、現像での待ち時間の
短縮による仕事の効率アップの点から現像処理の迅速化
のニーズが大変高い。更に、昨今の環境問題から、処理
液の廃液量を低減させる手段の一つとして、使用する処
理液の低減(低補充化)が望まれている。
【0003】迅速処理と処理液の低減における技術課題
は乾燥性と現像性であるが、上記残色も短時間処理で更
に目立って来る。又、乾燥性はゼラチン量の低減により
達成できるが、対傷性(スリキズ)やマット剤が沈み込
むために生じる白ピンが劣化するという問題がある。こ
の耐傷性はラテックスを乳剤層に添加する事で改善する
ことが判明しているが、増感色素自身もラテックス表面
に吸着するため、残色を劣化させる。
【0004】現像性に関しては小粒径化及びハロゲン化
銀粒子を高塩化銀の組成にすることで達成できるが、感
度低下を招くという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、迅速処理性と低補充化でも写真
性能に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供する事に
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上の一方の側に少なくとも1層の感光性ハロゲン化
銀乳剤層と、他層側に少なくとも1層のバッキング層を
有するハロゲン化銀写真感光材料において、該乳剤層に
塩化銀含有率が60mol%以上の感光性ハロゲン化銀乳剤
と、実質的に有機溶媒及び/又は界面活性剤が存在しな
い状態で分散させた実質的に水に不溶な増感色素分散物
を含有する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料、
さらに好ましくは感光性乳剤層を有する側の親水性コロ
イド層の少なくとも1層にゼラチンで安定化されたポリ
マーラテックスを含有することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料、ならびに上記ハロゲン化銀写真感光材
料を全処理時間(Dry to Dry)35秒以下で処理すること及
び現像液の補充量が150〜350ml/m2、定着液の補充量が
180〜450ml/m2で処理する現像処理方法より達成され
る。
【0007】さらに好ましくは上記感光性乳剤が無機硫
黄又はセレン化合物により化学増感されている事ならび
にこのハロゲン化銀写真感光材料を上記現像処理方法で
処理することである。以下、本発明について具体的に説
明する。
【0008】本発明において実質的に有機溶剤及び/又
は界面活性剤が存在しない系とは、ハロゲン化銀写真乳
剤に悪影響を及ぼさない程度以下の不純物を含有する水
であり、好ましくはイオン交換水をいう。ここでいう有
機溶媒とは、炭素原子を含む室温で液体の溶媒をいう。
従来、特に増感色素の溶剤としては、水混和性有機溶剤
が用いられて来た。例えばアルコール類、ケトン類、ニ
トリル類、アルコキシアルコール類などが用いられて来
た。具体例としてメタノール、エタノール、n-プロピル
アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3-プロパンジオール、アセトン、アセトニトリ
ル、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノ−ルなど
がある。又、界面活性剤にはアニオン型界面活性剤、カ
チオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、ベタイン界面
活性剤がある。従来増感色素の分散剤としてこれらの界
面活性剤が用いられて来たが、本発明では上記有機溶
媒、界面活性剤を実質的に含まないものである。
【0009】本発明でいう水に不溶な増感色素とは、27
℃の純水に対する溶解度が4×10-2モル/リットル以下
の増感色素をいう。この溶解度がこの領域よりも高い場
合には、分散物の粘度が必要以上に増大し、気泡を巻き
込んで分散に支障をきたし、更に高い溶解度では分散が
不可能になってしまう。
【0010】ここでいう増感色素の水に対する溶解度は
以下に示す方法によって測定された。50ml三角フラスコ
にイオン交換水を30ml入れ、これに目視で完溶しない量
の色素を加え、恒温槽で27℃に保ってマグネティックス
ターラーで10分間撹拌を行った。懸濁液をToYo(株)社製
濾紙No.2で濾過し、濾液を東ソ−(株)ディスポーザブル
フィルターで濾過、濾液を適当に希釈して、分光光度計
日立(株)社製U-3410で吸光度を測定した。これによりラ
ンバード・ベアの法則 D=εlc(D:吸光度、ε:分光吸光係数、l:吸光
度測定用セル長さ、c:濃度(モル/リットル) から溶解度(モル/リットル)を求めた。
【0011】本発明における分光増感色素とは、ハロゲ
ン化銀に吸着した時に光励起された際、ハロゲン化銀に
対し電子移動を起こすものをいい、有機染料は含まれな
い。本発明に用いられる分光増感色素はシアニン色素、
メロシアニン色素、スチリル色素等が挙げられるが、特
に好ましくはシアニン色素が好ましい。
【0012】好ましいシアニン色素は下記一般式〔D〕
で表される。
【0013】
【化1】
【0014】式中、Z1及びZ2は各々5〜6員の含窒素
複素環を形成するに必要な原子群を表し、L1、L2、L
3、L4及びL5は各々置換又は未置換のメチン基を表
し、R1及びR2は各々独立に置換又は非置換のアルキル
基を表す。
【0015】Xは電荷均衡対イオンを表し、rは0以上
の電荷を中和する値を表す。m1及びm2は各々0又は1
の整数であり、n及びpは各々0〜2の整数である。
【0016】上記増感色素は特開平3-219232号に一般式
(I)として記載される増感色素であり、置換基の詳細は
(3)頁右下欄〜(7)頁右上欄に述べられている。
又、化合物は同(7)頁左下欄にI-1〜I-155として記載
されている。
【0017】その代表的具体例を以下に示す。
【0018】
【化2】
【0019】増感色素を実質的に有機溶媒及び界面活性
剤を含まない状態で水中に分散させるためには、種々の
分散法が有効に用いられる。具体的には、高速撹拌機、
ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライタ
ー、超音波分散機などが用いられる。本発明においては
高速分散機が好ましい。
【0020】高速撹拌型分散機は、垂直軸に複数個のイ
ンペラーを装着したディソルバー、あるいは複数の垂直
軸を設けた多軸ディソルバーを有したものであってもよ
い。又、ディソルバー単独のものの他、アンカー翼を有
した高速撹拌型分散機はより好ましいものである。具体
的な作業例としては、温度調節が可能なタンクに水を入
れた後、分光増感色素の粉体を一定量入れ、高速撹拌機
にて、温度制御のもとで一定時間撹拌し、粉砕、分散す
る。又、分光増感色素を機械的に分散する時のpHや温
度は特に問わないが、低温下では長時間分散を行っても
所望の粒径に達せず、高温下では再凝集あるいは分解な
どが生じて、所望の写真性能を得る事ができないという
問題点や、温度を上げると溶液系の粘度が低下するた
め、固体の粉砕及び分散効率を大きく低下させる等の問
題がある。よって、分散温度は15〜50℃であることが好
ましい。更に分散時の撹拌回転数は、低回転数では所望
の粒径を得るのに長時間を要し、又、余りに高速回転数
では気泡を巻き込み分散効率を低下させてしまうので、
1000〜6000rpmで分散するのが好ましい。
【0021】本発明でいう分散物とは、分光増感色素の
懸濁液の事をいい、好ましくは懸濁液中の増感色素の重
量比率が0.2〜5.0%のものが用いられる。
【0022】本発明によって調製された増感色素の分散
物は、ハロゲン化銀乳剤に直接添加してもよいし、適当
に希釈して添加してもよいが、この時の希釈液には水を
用いる。
【0023】次に、本発明に用いることのできるゼラチ
ンで安定化されたポリマーラテックスは、ポリマーラテ
ックスの表面及び/又は内部がゼラチンによって分散安
定化されていることを特徴とする。ラテックスを構成す
るポリマーとゼラチンが何等かの結合をもっていること
が特に望ましい。この場合、ポリマーとゼラチンは直接
結合していてもよいし、架橋剤を介して結合していても
よい。
【0024】すなわちゼラチンの存在下でポリマーの重
合を行った場合にはポリマーの内部及び表面にゼラチン
が存在し、又ポリマーの重合反応終了後に架橋剤と共に
ゼラチンを添加した場合は表面にゼラチンが存在し、安
定化している。
【0025】本発明のゼラチンで安定化されたポリマー
ラテックスはポリマーラテックスの重合反応が終了後、
反応系にゼラチン溶液を添加して反応させることによっ
て得ることができる。この場合はゼラチン同士あるいは
ゼラチンとポリマーを架橋する架橋剤を添加することが
必要である。界面活性剤中で合成したポリマーラテック
スとゼラチンを架橋剤を用いて反応させることが好まし
い。さらに、ポリマーの重合反応中にゼラチンを存在さ
せる方法によって得られるが、この場合は架橋剤はあっ
てもなくても良く、このほうが前記方法よりも好ましい
結果を与える。また、この場合ポリマーの重合反応中に
界面活性剤を使用しなくてもよいが、界面活性剤を使用
する場合その添加量はポリマー成分に対し0.1〜3.0%、
特に好ましくは0.1〜1.5%である。本発明の特に好まし
い態様はポリマーに対し0.1〜3.0wt%の界面活性剤及び
2.0〜20wt%のゼラチンの存在下でポリマーの重合反応
が行われることである。本発明者は、感光材料の物性改
良の検討を続ける過程において、ゼラチンとラテックス
の添加量の比率に特異的な境界があることをみいだし
た。
【0026】合成時のゼラチンとポリマーの重量比率は
1:100〜2:1が好ましく、特に好ましくは1:50〜
1:2であり、1:20〜1:5である。
【0027】本発明に用いられるゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスの平均粒径の好ましい範囲は0.00
5〜1μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。
【0028】本発明のゼラチンで安定化させたポリマー
ラテックスとしては、例えば米国特許2,772,166号、同
3,325,286号、同3,411,911号、同3,311,912号、同3,52
5,620号、リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)誌No.195 19551(1980年7月)等に記載され
ているとき、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン等のビニル重合体の水和物等がある。
【0029】本発明に好ましく用いられるゼラチンで安
定化されたポリマーラテックスのポリマーラテックス部
分としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト等のメタアルキルアクリレートの単独重合体、スチレ
ンの単独重合体、又は、メタアルキルアクリレートやス
チレンとアクリル酸、N-メチロールアクリルアミド、グ
リシドールメタクリレート等との共重合体、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等
のアルキルアクリレートの単独重合体もしくはアルキル
アクリレートとアクリル酸、N-メチロールアクリルアミ
ド等との共重合体(好ましくはアクリル酸等の共重合成
分は30重量%まで)、ブタジエンの単独重合体もしくは
ブタジエンとスチレン、ブトキシメチルアクリルアミ
ド、アクリル酸の1つ以上との共重合体、塩化ビニリデ
ン-メチルアクリレート-アクリル酸3元共重合体等が挙
げられる。この場合ガラス転移点(Tg)は70℃以下、
さらに好ましくは40℃以下である。
【0030】また架橋剤を介してゼラチンと結合させる
場合は、ポリマーラテックスを構成するモノマーには、
カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、水
酸基、アルデヒド基、オキサゾリン基、エーテル基、活
性エステル基、メチロール基、シアノ基、アセチル基、
不飽和炭素結合等の反応性基をもつものが含まれている
ことが望ましい。さらに架橋剤を使用する場合には、通
常のゼラチンの架橋剤として用いられているものを用い
ることができる。例えばアルデヒド系、グリコール系、
トリアジン系、エポキシ系、ビニルスルホン系、オキサ
ゾリン系、メタクリル系、アクリル系等の架橋剤を用い
ることができる。さらに本発明のゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスの分散安定性をさらに高めるため
にポリマーラテックスを構成するモノマーとして2-アク
リルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸もしくはその
塩を用いることができる。上記モノマーの添加量は、構
成成分中の全重量に対して0.5〜20重量%が好ましい結
果をあたえる。
【0031】本発明のラテックスの安定化に用いるゼラ
チンとしてはゼラチンおよびゼラチン誘導体、さらにセ
ルロース誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マー、それ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導
体、単一或いは共重合体の如き合成親水性高分子物質等
の親水性コロイドも併用して用いることができる。
【0032】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか
酸処理ゼラチン、ビュレチン・オブ・ソサエティー・オ
ブ・ジャパン(Bull.Soc.Sci.Phot.Japan)No16,30頁(196
6)に記載されたような酸処理ゼラチンを用いてもよく、
又ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることがで
きる。ゼラチン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハ
ライド、酸無水物、イソシアナート類、プロモ酢酸、ア
ルカンサルトン類、ビニスルホンアミド類、マレインイ
ミド化合物類、ポリアルキレオンキシド類、エポキシ化
合物類等種々の化合物を反応させて得られるものが用い
られる。その具体例は米国特許2,614,928号、同3,132,9
45号、同3,186,846号、同3,312,553号、英国特許861,41
4号、同1,033,189号、同1,005,784号、特公昭42-26845
号などに記載されている。
【0033】蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、
セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エ
ステル、又は糖誘導体としてはアルギン酸ソーダ、でん
粉誘導体をゼラチンと併用してもよい。
【0034】本発明に用いられるゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスは、少なくとも1層の親水性コロ
イド層に添加されていればよいが、感光性親水性コロイ
ド層および感光性親水性コロイド層側の非感光性親水性
コロイド層両層中に添加されたほうが好ましい結果が得
られる。支持体に対し片面のみに含有されていてもよい
し、また両面に含有されていてもよい。本発明において
は、乳剤層側のいずれか1層に本発明のラテックスが含
有されていれば他のいかなる層に前記ラテックスが含有
されていてもよい。本発明ラテックスを添加したおよび
/またはしない層には従来公知のラテックスを添加して
もよい。支持体に対し両面に含有せしめられる場合、各
々の面の含有せしめられるポリマーラテックスの種類及
び/又は量は同じであってもまた異なっていてもよい。
【0035】次に、本発明に用いることができるラテッ
クスの具体例を幾つか示す。本明細書中に示すラテック
スの具体例はその構成成分よりなるラテックスの任意の
組成比のラテックスをも表すものである。勿論、ここに
示すラテックスの具体例は使用できるラテックスの代表
的な例であり、本発明に使用されるラテックスの(組成
比のみならず)構成成分が、これらの具体例に限定され
ないことは言うまでもない。
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】本発明で用いられるセレン増感剤として
は、従来公知の特許に開示されているセレン化合物を用
いることができる。即ち、通常、不安定型セレン化合物
及び/又は非不安定型セレン化合物を添加して、高温、
好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌することによ
り用いられる。不安定型セレン化合物としては特公昭44
-15748号、特公昭43-13489号などに記載の化合物を用い
ることが好ましい。具体的な不安定セレン増感剤として
は、イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセレノ
シアネートの如き脂肪族イソセレノシアネート類)、セ
レノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノ
カルボン酸類(例えば、2-セレノプロピオン酸、2-セレ
ノ酪酸)、セレノエステル類、ジアシルセレニド類、
(例えばビス(3-クロロ-2,6-ジメトキシベンゾイル)セ
レニド)、セレノホスフェート類、ホスフィンセレニド
類、コロイド状金属セレンなどが挙げられる。更に、非
不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレ
ノシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類
の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニ
ド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2-セ
レナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンチオンお
よびこれらの誘導体等が挙げられる。これらのセレン化
合物のうち、好ましくは以下の一般式(I)および(I
I)が挙げられる。
【0045】
【化11】
【0046】式中、Z1およびZ2はそれぞれ同じでも異
なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、t-ブチル基、アダマンチル基、t-オクチル
基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル
基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、ペンタフルオ
ロフェニル基、4-クロロフェニル基、3-ニトロフェニル
基、4-オクチルスルファモイルフェニル基、α-ナフチ
ル基)、複素環基(例えば、ピリジル基、チエニル基、
フリル基、イミダゾリル基)、−NR1(R2)、−OR3または
−SR4を表す。R1、R2、R3およびR4はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、
アリール基または複素環基を表す。アルキル基、アラル
キル基、アリール基または複素環基としてはZ1と同様
な例が挙げられる。ただし、R1およびR2は水素原子ま
たはアシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、
ベンゾイル基、ヘプタフルオロブタノイル基、ジフルオ
ロアセチル基、4-ニトロベンゾイル基、α-ナフトイル
基、4-トリフルオロメチルベンゾイル基)であってもよ
い。一般式(I)中、好ましくはZ1はアルキル基、ア
リール基または−NR1(R2)を表し、Z2は−NR5(R6)を表
す。R1、R2、R5およびR6はそれぞれ同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、ま
たはアシル基を表す。一般式(I)中、より好ましくは
N,N-ジアルキルセレノ尿素、N,N,N′-トリアルキル-N′
-アシルセレノ尿素、テトラアルキルセレノ尿素、N,N-
ジアルキル-アリールセレノアミド、N-アルキル-N-アリ
ール-アリールセレノアミドを表す。
【0047】
【化12】
【0048】式中、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、複素環
基、−OR7、−NR8(R9)、−SR10、−SeR11、X、水素原
子を表す。R7、R10およびR11は脂肪族基、芳香族
基、複素環基、水素原子またはカチオンを表し、R8
よびR9は脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原
子を表し、Xはハロゲン原子を表す。一般式(II)にお
いて、Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R10およびR11
で表される脂肪族基は直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、t-ブチル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル
基、n-ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、アリール基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基、
プロパルギル基、3-ペンチニル基、ベンジル基、フェネ
チル基)を表す。一般式(II)において、Z3、Z4、Z
5、R7、R8、R9、R10およびR11で表される芳香族基
は単環または縮環のアリール基(例えば、フェニル基、
ペンタフルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、3-ス
ルホフェニル基、α-ナフチル基、4-メチルフェニル
基)を表す。一般式(II)においてZ3、Z4、Z5
7、R8、R9、R10およびR11で表される複素環基は
窒素原子、酸素原子または硫黄原子のうち少なくとも一
つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環基
(例えば、ピリジル基、チエニル基、フリル基、チアゾ
リル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基)を表
す。一般式(II)において、R7、R10およびR11で表
されるカチオンはアルカリ金属原子またはアンモニウム
を表し、Xで表されるハロゲン原子は、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。一般式
(II)中、好ましくはZ3、Z4またはZ5は脂肪族基、
芳香族基または−OR7を表し、R7は脂肪族基または芳香
族基を表す。一般式(II)中、より好ましくはトリアル
キルホスフィンセレニド、トリアリールホスフィンセレ
ニド、トリアルキルセレノホスフェートまたはトリアリ
ールセレノホスフェートを表す。以下に一般式(I)お
よび(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】これらのセレン増感剤は水またはメタノー
ル、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解し、化学増感時に添加される。好ましくは化学増感
開始前に添加される。使用されるセレン増感剤は1種に
限られず上記セレン増感剤の2種以上を併用して用いる
ことができる。不安定セレン化合物と非不安定セレン化
合物を併用してもよい。本発明に使用されるセレン増感
剤の添加量は、用いるセレン増感剤の活性度、ハロゲン
化銀の種類や大きさ、熟成の温度および時間などにより
異なるが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8モル以上である。より好ましくは1×10-7モル以上
1×10-5モル以下である。セレン増感剤を用いた場合の
化学熟成の温度は好ましくは45℃以上である。より好ま
しくは50℃以上、80℃以下である。pAgおよびpHは任
意である。例えばpHは4から9までの広い範囲で本発
明の効果は得られる。セレン増感は、ハロゲン化銀溶剤
の存在下で行うことにより、より効果的である。
【0055】本発明で用いられる無機硫黄はS8の化合
物である。
【0056】本発明でのゼラチンとしてはアルカリ法ゼ
ラチン、酸性法ゼラチン、変性ゼラチン(例えば特公昭
38-4854号、同40-12237号、英国特許2,525,753号等に記
載の変性ゼラチンなど)を単独または二種以上組合せて
用いることができ、必要に応じて天然又は合成バインダ
ー(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ンなど)も使用し得る。
【0057】本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳
剤は、ハロゲン化銀として、臭化銀、塩化銀、沃臭化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤
に使用される任意のものを用いることができるが、本発
明においては塩化銀含有率は60mol%以上である。ハロ
ゲン化銀粒子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のい
ずれで得られたものでもよい。
【0058】ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一
なハロゲン化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部
と表面層とでハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒
子であってもよく、潜像が主として表面に形成されるよ
うな粒子であっても、また主として粒子内部に形成され
るような粒子でもよい。
【0059】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任
意のものを用いることができる。好ましい1つの例は、
{100}面を結晶表面として有する立方体である。又、
米国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55-26589
号、特公昭55-42737号等の明細書や、J.Photgr.Sci.2
1.39(1973)等の文献に記載された方法により、8面
体、14面体、12面体等の形状を有する粒子をつくり、こ
れを用いることもできる。更に、双晶面を有する粒子を
用いてもよい。
【0060】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の
形状からなる粒子を用いてもよいし種々の形状の粒子が
混合されたものでもよい。又、いかなる粒子サイズ分布
を持つものを用いてもよく、多分散乳剤や単分散乳剤を
単独又は数種類混合してもよい。又、多分散乳剤と単分
散乳剤を混合して用いてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、
別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合して
用いてもよい。
【0061】本発明において、単分散乳剤が好ましい。
単分散乳剤中の単分散のハロゲン化銀乳剤としては、平
均粒径rを中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲ
ン化銀重量が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であ
るものが好ましく、特に好ましくは70%以上、更に好ま
しくは80%以上である。
【0062】ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀
粒子の場合は、その直径、又球状以外の形状の粒子の場
合は、その投影像を周面積の円像に換算した時の直径で
ある。
【0063】粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍
から5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直
径又は投影時の面積を実測することによって得られるこ
とができる。(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある
事とする。)本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は 粒径標準偏差/平均粒径×100=単分散度 によって定義した単分散度が20以下のものであり、更に
好ましくは15以下のものである。単分散乳剤は特開昭54
-48521号、同58-49938号及び同60-122935号を参考にし
て得ることができる。
【0064】感光性ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行
わないで、いわゆる未後熟(Primitive)乳剤のまま用
いることもできるが通常は化学増感される。
【0065】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(RD)No.17643、(RD)No.18716及び(RD)N
o.308119(1989年12月)に記載されている各種の化合物を
用いることができる。
【0066】これら3つのリサーチ・ディスクロージャ
ー(RD)に記載されている化合物種類と記載箇所を下記に
掲載した。
【0067】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII また、バッキング層にも上記と同様のマット剤を含有さ
せる事ができる。特に、形状、粒径にはこだわらない
が、平均粒径が10μm以上50μm以下の球形マット剤を使
用することもできる。
【0068】また、バッキング層にも滑り剤を含有する
事ができ、代表的なものとして、例えば米国特許第3042
522号、英国特許第955061号、米国特許第3080317号、同
4004927号、同4047958号、同3489576号、英国特許第114
3118号、特開昭60-140341号等に記載のシリコーン系滑
り剤、米国特許第2454043号、同2732305号、同2976148
号、同3206311号、独国特許第1284295号、同1284294号
等に記載の高級脂肪酸系、アルコール系、酸アミド系滑
り剤、英国特許第1263722号、米国特許第3933516号等に
記載の金属石鹸、米国特許第2588765号、同3121060号、
英国特許第1198387号等に記載のエステル系、エーテル
系滑り剤、米国特許第3502437号、同3042222号に記載の
タウリン系滑り剤を使用できる。
【0069】本発明の感光材料に用いられる不透明支持
体には、α-オレフィンポリマー(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等を
ラミネートした紙、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸
セルロース、硝酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の半合成又は合成高分子からなるフィ
ルムや、これらのフィルムに反射層を設けた可撓性支持
体、金属などが含まれる。
【0070】本発明に用いられる支持体は下引き層を有
してもよい。下引き層は通常、表面を化学的ないし物理
的に処理することができる。該処理としては薬品処理、
機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、
高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レー
ザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表面活性化
処理が挙げられる。
【0071】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、写真乳剤層その他の親水性コロイド層は種々の
塗布法により支持体上又は他の層の上に塗布できる。塗
布には、ディップ塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗
布法、押出し塗布法等を用いることができる。
【0072】次に本発明における現像・定着・水洗・乾
燥工程について述べる。
【0073】本発明に用いられる乾燥装置は通常の熱風
方式の他、赤外乾燥方法でも良い。この赤外乾燥方法は
一般的に知られている方法で良いが、好ましくは特開昭
5-173279号記載の方法が良い。
【0074】本発明では、現像、定着、水洗及び乾燥さ
れるまでの処理時間がDry to Dry 35秒以下処理の超迅
速処理で行われる。ここで“dry to dry”とは処理され
る感材の先端が自現機のフィルム挿入部分に入った瞬間
から、処理されて、同先端が自現機のから出てくる瞬間
までの時間をいう。本発明の迅速な処理では自現機を用
いるが、安定な処理を迅速に行うには望ましくは自現機
のラインスピードが2000mm/min以上、より好ましくは2
500mm/min以上である。
【0075】本発明に用いる現像主薬は良好な性能を得
やすい点で、ジヒドロキシベンゼン鎖と1-フェニル-3-
ピラゾリドン類の組合せが最も好ましい。勿論この他に
p-アミノフェノール系現像主薬を含んでもよい。現像
主薬は通常0.01モル/リットル〜1.2モル/リットルの
量で用いられるのが好ましい。
【0076】本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤としては
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、
亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫
酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなど
がある。亜硫酸は0.2モル/リットル以上、特に0.4モル
/リットル以上が好ましい。また、上限は2.5モル/リ
ットルまでとするのが好ましい。
【0077】本発明に用いる現像液のpHは、9から13
までの範囲のものが好ましい。更に好ましくはpH10か
ら12までの範囲である。pHの設定のために用いるアル
カリ剤には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三
リン酸カリウムの如きpH調節剤を含む。特開昭61-2870
8号(ホウ酸塩)、特開昭60-93439号(例えば、サッカ
ロース、アセトオキシム、5-スルホサルチル酸)、リン
酸塩、炭酸塩などの緩衡剤を用いてもよい。上記成分以
外に用いられる添加剤としては、公知のいづれのものを
使用してもよい。
【0078】現像温度及び時間は、25℃〜50℃で行い、
12秒以下が好ましい。
【0079】本発明において現像液の補充量は150〜350
ml/m2であり、好ましくは200〜300ml/m2である。
【0080】定着液はチオ硫酸塩を含む水溶液であり、
pH3.8以上、好ましくは4.2〜5.5を有する。
【0081】定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸アンモニウムがあるが、チオ硫酸イオンとアンモニ
ウムイオンとを必須成分とするものであり、定着速度が
速いチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の使
用量は適宜変えることができ一般には約0.1〜約6モル
/リットルである。
【0082】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アンモニウム、カリ明ばんなどがあ
る。
【0083】定着液には、酒石酸、クエン酸あるいはそ
れらの導体を単独で、あるいは2種以上、併用すること
ができる。これらの化合物に定着液1リットルにつき0.
005モル以上含むものが有効で、特に0.01モル/リット
ル〜0.03モル/リットルが有効である。
【0084】具体的には、酒石酸、酒石酸カリウム、酒
石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸
リチウム、クエン酸アンモニウムなどがある。
【0085】定着液には所望により保恒剤(例えば、亜
硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硝
酸)、pH調整剤(例えば硫酸)、硬水軟化能のあるキ
レート剤や特願昭60-213562号記載の化合物を含むこと
ができる。
【0086】定着温度及び時間は約30℃〜40℃で10秒以
下が好ましい。
【0087】本発明において定着液の補充量としては18
0〜450ml/m2てあり、好ましくは250〜400ml/m2であ
る。
【0088】本発明における感光材料は現像、定着した
後、水洗又は安定化処理がなされる。
【0089】水洗又は安定化処理は、本分野で公知のあ
らゆる方法を適用することができ、本分野で公知の種々
の添加剤を含有する水を、水洗水又は安定化液として用
いることもできる。
【0090】本発明の感光材料は、該感光材料を構成す
る乳剤層が感度を有しているスペクトル領域の電磁波を
用いて露光できる。露光時間は通常カメラで用いられる
1ミリ秒から1秒の露光時間は勿論、1マイクロ秒より
短い露光、例えば陰極線管やキセノン閃光管を用いた10
0ナノ秒〜1マイクロ秒の露光を用いることもでき、又
1秒より長い露光を与えることも可能である。これらの
露光は連続して行われても、間欠的に行われてもよい。
【0091】本発明は、印刷用、X-レイ用、ネガ用、
リバーサル用、直接ポジ用等の各種感光材料に適用する
ことができる。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0093】実施例1 (乳剤1) A液 水 1000ml プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドの共重合体 0.15g NaCl 20g ゼラチン 2g 硝酸(3.7N) 8ml B液 水 440ml プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドの共重合体 0.10g NaCl 42.0g ゼラチン 10.8g KBr 51.8g K3IrCl6 0.2mg K3RhBr6 0.01mg 490ccに仕上げる C液 水 443ml 硝酸(3.7N) 8.2ml AgNO3 170ml 490mlに仕上げる。 38℃に保温された上記A液中にpH3.5,pAg8.0に保ちな
がら、上記B液及びC液のそれぞれ1/10量を同時に11.0
ml/minの一定速度で添加し、その2分後に残りのB液
及びC液を関数的に90分間にわたって添加し、更に10分
間撹拌し続けた後、CaCO3水溶液でpHを5.8に調製し、Mg
SO4及びポリナフタレンスルホン酸を用い、通常の脱塩
を行い、臭化銀35モル%、塩化銀65モル%、平均粒径0.
36μmの塩臭化銀粒子を得た。
【0094】(乳剤2)乳剤1と同様にし、B液のNaCl
とKBrの比率を変え、臭化銀45モル%、塩化銀55モル%
の塩臭化銀粒子を得た。
【0095】(塗布試料の作成)得られた乳剤に銀1モ
ル当たりクエン酸0.12g、KBr 0.25gを加え、pH5.5、
pAg7に調製した後た後、塩化金酸8.5mgと表1に示した
硫黄増感剤を加え60℃で最高感度になるように化学熟成
を行った。その後、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾ
ール 35mg、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザ
インデンを2g添加し、温度を50℃に下げた後、増感色
素D−4を230mg、D−5を140mg添加し分光増感を行っ
た。ここで、増感色素D−4及びD−5を次の2種の添
加方法で添加した。
【0096】添加方法1:D−4、D−5を混合しメタ
ノールで0.75%に溶解して添加した。
【0097】添加方法2:D−4、D−5を濃度2%と
なるように水に添加し、高速撹拌機で2000rpmで40分撹
拌し、分散液を調製し添加した。
【0098】更にハロゲン化銀1モル当たり以下の量を
添加剤を添加した。
【0099】 化合物 1.4g NaOH(1/2N) 2.8ml フェニドン 0.14g ハイドロキノン 5.94g ポリスチレンスルフォン酸 2.4g スチレン-マレイン酸の共重合体 2.4g また、表1に示したポリマーラテックスを500mg/m2
なるよう添加した。
【0100】さらに、乳剤層の上層とする非感光性コロ
イド層を以下の様に準備した。
【0101】 ゼラチン 60g 不定型シリカ(平均粒径2.8μm) 42.5g ビス-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 2.4g また、上記乳剤層を塗布する前に、バッキング層、及び
その保護層を塗布した。その調製は以下のようにして用
意した。
【0102】 バッキング層 ゼラチン 72g 化合物 0.72g 化合物 2.90g ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 5.3g クエン酸 0.50g ポリスチレンスルフォン酸 0.67g バッキング保護層 ゼラチン 42g ビス-(2エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 0.58g NaCl 0.2g ポリメチルメタクリレ-ト(平均粒径18μm) 0.72g ポリシロキサン 2.5g
【0103】
【化18】
【0104】これらの液を両面下引きしたPETベース
にバッキング層のゼラチン量1.6g/m2、バッキング保
護層のゼラチン量0.7g/m2、硬膜剤としてグリオキザ
ールを加え、同時塗布した。
【0105】その後、上記バッキング層の反対側に銀量
3.6g/m2、乳剤層1.2g/m2、非感光性層0.8g/m2にな
るように塗布した。また硬膜剤として、ゼラチン1g当
たりトリアジン、ホルマリンをそれぞれ14mg添加した。
このようにして得られた試料について以下の評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0106】(感度)得られた試料を光学ウェッジを通
して680nmの干渉フィルターを透過した光を10-6秒間で
露光し、これをCDM-671(コニカ(株)製)で38℃10秒で
現像処理した。このときの定着液はCFL-871(コニカ(株)
製)を36℃で使用し、自動現像機はコニカ(株)製GR-26SR
のラインスピードとラック長を調整し、Dry to Dry 35
秒で処理を行った。又、現像液及び定着液の補充量は30
0cc/ml及び400cc/mlとした。処理後、試料をPDA-65濃
度計(コニカ(株)製)で測定した。感度は濃度3.5を得
るのに必要な露光量の逆数で、試料No1-1を100とした相
対感度で表した。
【0107】(白ピン故障)感度の評価で用いた現像処
理済試料の最高濃度部分を目視で評価した。
【0108】(スリキズ)得られた試料を30℃80%Rhの条
件で2時間調湿した後、試料を2枚重ね、その上に1kg
の重りを乗せ、上の試料をゆっくり引っ張る。その後、
上記の現像処理を行い、その黒化の程度を目視で評価し
た。
【0109】(残色)得られた未露光の試料を感度の評
価で行ったのと同じ現像処理を実施し、その残色を目視
で評価した。
【0110】
【表1】
【0111】
【化19】
【0112】実施例2 (乳剤3)実施例1の乳剤1の調製において、B液のK3
IrCl6 280mg、K3RhBr6 78mgにした以外、同様にA、
B、C液を調整した。これらの液を実施例1と同様に混
合脱塩した。但し、初期の添加速度を15.7ml/minとす
ることで、臭化銀35モル%、塩化銀65モル%、平均粒径
0.25μmの塩臭化銀粒子を得た。
【0113】(乳剤4)乳剤3と同様にし、B液のNaClと
KBrの比率を変え、臭化銀45モル%、塩化銀55モル%の
塩臭化銀粒子を得た。
【0114】(塗布試料の作成)得られた乳剤にクエン酸
0.12g、NaCl 0.6gを加え、pH5.5、pAg7に調製した
後、塩化金酸14.2mg、表1に示した硫黄増感剤を加え60
℃で最高感度になるように化学熟成を行い、1-フェニル
-5-メルカプトテトラゾール 14mg、4-ヒドロキシ-6-メ
チル-1,3,3a,7-テトラザインデンを1.5g添加した。
【0115】次に、増感色素D−6、D−7をそれぞれ
14mg添加し分光増感を行った。
【0116】ここで、増感色素D−6及びD−7を次の
2種の添加方法で添加した。
【0117】添加方法3.D−6、D−7を混合しメタ
ノールで0.1%に溶解して添加した。
【0118】添加方法4.D−6、D−7を濃度2%と
なるように水に添加し、高速撹拌機で2000rpmで40分撹
拌し、分散液を調製し添加した。更にハロゲン化銀1モ
ル当たり以下の量を添加剤を添加した。
【0119】 化合物 1.4g フェニドン 0.28g ハイドロキノン 4.00g 化合物 60mg KBr 1.8g クエン酸 0.10g ポリスチレンスルフォン酸 2.4g スチレン−マレイン酸共重合体 2.4g また、ポリマーラテックスを表2に示したように500mg
/m2添加した。
【0120】さらに、乳剤層の上層とする非感光性コロ
イド層を以下の様に準備した。
【0121】 ゼラチン 170g 不定型シリカ(平均粒径2.8μm) 34.0g ビス-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 5.0g また、上記乳剤層を塗布する前に、バッキング層、及び
その保護層を塗布した。その調製は以下のようにして用
意した。
【0122】 バッキング層 ゼラチン 48.8g 化合物 0.35g 化合物 1.26g ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 1.53g クエン酸 0.40g ポリスチレンスルフォン酸 0.67g バッキング保護層 ゼラチン 60g ビス-(2エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 0.72g NaCl 1.0g ポリメチルメタクリレ-ト(平均粒径18μm) 2.40g ポリシロキサン 2.5g
【0123】
【化20】
【0124】これらの液を両面下引きしたPETベース
にバッキング層のゼラチン量1.6g/m2、バッキング保
護層のゼラチン量0.7g/m2、硬膜剤としてグリオキザ
ールを加え、同時塗布した。その後、銀量3.6g/m2
乳剤層のゼラチン量が1.2g/m2、保護層のゼラチン量
0.8g/m2となるように塗布した。また硬膜剤として、
ゼラチン1g当たりトリアジン、ホルマリンをそれぞれ
14mg添加した。
【0125】このようにして得られた試料について実施
例1と同様な評価を行い、結果を表2に示した。ただ
し、感度の測定は、以下の様にした。
【0126】(感度)得られた試料を光学ウェッジを通
して780nmの干渉フィルターを透過した光を10-6秒間で
露光し、これをCDM-671(コニカ(株)製)で38℃10秒で
現像処理した。このときの定着液はCFL-871(コニカ(株)
製)を36℃で使用し、自動現像機はコニカ(株)製GR-26SR
のラインスピードとラック長を調整し、Dry to Dry 30
秒で処理を行った。処理後、試料をPDA-65濃度計(コニ
カ(株)製)で測定した。感度は濃度4.0を得るのに必要
な露光量の逆数で、試料No2-1を100とした相対感度で表
した。
【0127】
【表2】
【0128】以上のように、本発明の試料はDry to Dry
30秒処理でも感度が高く、残色が優れていることがわ
かる。また、白ピン故障、スリキズも改善されている事
がわかる。
【0129】
【発明の効果】本発明により、迅速処理性と低補充化で
も写真性能に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供す
る事ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/29 5/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側に少なくとも1層の
    感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも1層
    のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該乳剤層に塩化銀含有率が60mol%以上の感光性
    ハロゲン化銀乳剤と、実質的に有機溶媒及び/又は界面
    活性剤が存在しない状態で分散させた実質的に水に不溶
    な増感色素分散物を含有する事を特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 感光性乳剤層を有する側の親水性コロイ
    ド層の少なくとも1層にゼラチンで安定化されたポリマ
    ーラテックスを含有することを特徴とする請求項1記載
    のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 感光性乳剤が無機硫黄又はセレン化合物
    により化学増感されている事を特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のハロゲン化銀写真感
    光材料を全処理時間(Dry to Dry)35秒以下で処理するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載のハロゲン化銀写真感
    光材料を現像液の補充量が150〜350ml/m2、定着液の補
    充量が180〜450ml/m2で処理する事を特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料の現像処理方法。
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