JPH08219249A - ボールねじの予圧装置 - Google Patents

ボールねじの予圧装置

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JPH08219249A
JPH08219249A JP13391795A JP13391795A JPH08219249A JP H08219249 A JPH08219249 A JP H08219249A JP 13391795 A JP13391795 A JP 13391795A JP 13391795 A JP13391795 A JP 13391795A JP H08219249 A JPH08219249 A JP H08219249A
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JP
Japan
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ball
screw
ball nut
retaining ring
spigot
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Withdrawn
Application number
JP13391795A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nobutomo
雅弘 信朝
Yasushi Shibata
靖史 柴田
Takayuki Kowada
貴之 小和田
Kimito Ushida
公人 牛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
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Publication of JPH08219249A publication Critical patent/JPH08219249A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/22Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members
    • F16H25/2204Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members with balls
    • F16H25/2209Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members with balls with arrangements for taking up backlash

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要量の予圧を精度良くしかも簡易に設定す
る。 【構成】 保持リング6の外径は、回転軸心X上に中心
O1をもつ半径R1の円弧面6aと、外径部分を軸方向
に切り欠いて形成した平坦状の固定面6bとからなる。
ボールナット4・5の相対向する端面同士を当接させる
と、保持リング6はインロー部4b・5bの内径に完全
に収容される。ボールナット4・5を所定量だけ相対回
転させ、必要量の予圧を付与したのち、ボールナット5
のインロー部5bのねじ穴5b1にボルト8を螺合さ
せ、その先端が保持リング6の固定面6bに圧接するま
で締付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールねじの予圧装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじは、ねじ軸とボールナットと
の間に形成される螺旋状のボール循環路に多数のボール
を配し、ボールの無限転動循環を介してねじ軸とボール
ナットとの間で動力の伝達を行なうものであるが、ねじ
軸とボールナットのバックラッシュをなくし、また、ボ
ールねじ全体の剛性を高めるため、予圧をかけて使用す
る場合がある。
【0003】ボールねじの予圧方式には、大別して、定
位置予圧、定圧予圧方式があり、定位置予圧装置とし
て、例えば、図8に示すような構成(ダブルナット定位
置予圧)が知られている。この種の予圧装置は、ねじ軸
21に多数のボールを介して嵌合した一対のボールナッ
ト22・23の相対向する端面間に所定幅の間座24を
介装して予圧を付与するものである。必要量の予圧を与
える分だけ幅の厚い間座24を用いる引張予圧タイプ
と、必要量の予圧を与える分だけ幅の薄い間座24を用
いる圧縮予圧タイプとがある。
【0004】両ボールナット22・23の端部外径には
それぞれキー溝22a・23aが設けられており、両ボ
ールナット22・23を、これらの相対向する端面がそ
れぞれ間座24の端面に当接するまで相対回転させて、
必要量の予圧を付与したのち、位相が相互に合致したキ
ー溝22a・23aにキー25を嵌め、ボルト等で固定
する。これにより、両ボールナット22・23の相対回
転が防止され、設定予圧量が保持される。尚、間座24
の幅は、キー溝22a・23aの位相が相互に合致した
位置で、必要量の予圧が付与される寸法に加工される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の予圧装
置には、以下の問題点がある。
【0006】(1)両ボールナット22・23のキー溝
22a・23aの寸法、位相合せの精度が設定予圧量に
影響を及ぼすので、キー溝加工に労力を要する。
【0007】(2)設定予圧量は間座24の幅寸法によ
って決まるが、間座24の幅寸法には加工誤差による寸
法公差のバラツキが不可避である。そのため、次のよう
な複雑な予圧調整が必要であった。すなわち、間座の幅
を必要予圧量に対応した寸法よりやや厚めに加工してお
き、この間座をボールナット間に介装して、ボールねじ
の動トルクを測定する。この測定動トルクが必要予圧量
に見合った値よりも大きい場合は、間座を外し、その端
面加工を行なって幅寸法を小さくする。そして、再加工
した間座を再びボールナット間に介装して動トルクを測
定する。この作業を、所定の動トルクが得られるまで繰
り返し行なう。
【0008】(3)以上のように、従来の予圧装置にお
いては、予圧設定に多大な労力を必要としていた。
【0009】そこで、本発明は、従来構成における上記
のような問題点を解消し、必要量の予圧を精度良くしか
も簡易に設定し得る予圧装置を提供しようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の予圧装置は、ね
じ軸に複数のボールを介して嵌合された一対のボールナ
ットと、これらボールナットの相対向する端面にそれぞ
れ設けられたインロー部と、これらインロー部の内径に
介装され、その外径に、回転軸心上に中心をもつ円に対
して偏した形状の固定面を有する保持リングと、インロ
ー部に形成されたねじ穴に螺合するねじ体とを備え、一
方のボールナットのインロー部のねじ穴に螺合させたね
じ体の先端を保持リングの固定面に当接させて、保持リ
ングを一方のボールナットに固定しておき、両ボールナ
ットを相対回転させて必要量の予圧を付与したのち、他
方のボールナットのインロー部のねじ穴に螺合させたね
じ体の先端を保持リングの固定面に当接させて、他方の
ボールナットを保持リングを介して一方のボールナット
に固定するものである。
【0011】また、本発明の予圧装置は、ねじ軸に複数
のボールを介して嵌合された一対のボールナットと、一
方のボールナットの相対向する端面に設けられ、回転軸
心上に中心をもつ円に対して偏した形状の固定面を有す
る保持部と、他方のボールナットの相対向する端面に設
けられたインロー部と、インロー部に形成されたねじ穴
に螺合するねじ体とを備え、保持部をインロー部の内径
に介装し、両ボールナットを相対回転させて必要量の予
圧を付与したのち、インロー部のねじ穴に螺合させたね
じ体の先端を保持部の固定面に当接させて、他方のボー
ルナットを保持部を介して一方のボールナットに固定す
るものである。
【0012】保持リングまたは保持部の固定面は、平坦
面、回転軸心から所定量だけオフセットされた点を中心
とする円弧面又は円筒面とすると良い。
【0013】さらに、ねじ軸に複数のボールを介して嵌
合された一対のボールナットと、一方のボールナット
の、相手側のボールナットと対向する端面に設けられた
インロー部と、インロー部に形成されたねじ穴にそれぞ
れ螺合する一対のねじ体と、両ボールナット間に介装さ
れ、互いに離隔させた一対の当接部を有し、両当接部の
接近時に弾性的に縮径する保持リングと、保持リングの
内径部に挿入可能であり、他方のボールナットの、相手
側のボールナットと対向する端面に設けられた固定部と
を備え、一方のボールナットのインロー部に保持リング
を収納すると共に、保持リングの内径部に他方のボール
ナットの固定部を挿入し、両ボールナットを相対回転さ
せて必要量の予圧を付与したのち、一方のボールナット
のねじ穴に螺合したねじ体の先端を保持リングの両当接
部に当接させてこれらを接近させ、縮径した保持リング
の内径で他方のボールナットの固定部を周方向から締め
付けるものである。
【0014】
【作用】一対のボールナット間に介装した保持リングの
一方の端部側を、一方のボールナットのインロー部の内
径に収容し、その固定面をインロー部のねじ穴に合わせ
る。そして、インロー部のねじ穴にねじ体を螺合させ、
その先端が保持リングの固定面に圧接するまで締付け
る。保持リングの固定面は回転軸心上に中心をもつ円に
対して偏した形状を有するので、ねじ体の先端が固定面
に圧接することにより、保持リングは、一方のボールナ
ットに回転方向に固定される。
【0015】以上のようにして、保持リングを予め一方
のボールナットのインロー部に固定しておき、つぎに、
両ボールナットを相対回転させながら両者の相対向する
端面同士を接近させ、保持リングの他方の端部側を他方
のボールナットのインロー部の内径に収容する。そし
て、両ボールナットの相対向する端面同士を接触させ、
この状態から、ボールナットを所定量だけ相対回転させ
ると、必要量の予圧が付与される。
【0016】必要量の予圧を設定したのち、両ボールナ
ットの相対位置を保持しながら、他方のボールナットの
インロー部にねじを螺合させ、その先端が保持リングの
固定面に圧接するまで締付ける。ねじ体の先端が固定面
に圧接することにより、他方のボールナットは保持リン
グを介して、一方のボールナットに回転方向に固定さ
れ、これにより設定予圧量が保持される。
【0017】回転軸心上に中心をもつ円に対して偏した
形状の固定面を有する保持部を、一方のボールナットの
相対向する端面に設けた構成では、以下の手順で予圧の
設定を行なう。
【0018】一対のボールナットを相対回転させながら
両者の相対向する端面同士を接近させ、保持部を他方の
ボールナットのインロー部の内径に収容する。そして、
両ボールナットの相対向する端面同士を接触させ、この
状態から、両ボールナットを所定量だけ相対回転させる
と、必要量の予圧が付与される。
【0019】必要量の予圧を設定したのち、両ボールナ
ットの相対位置を保持しながら、他方のボールナットの
インロー部にねじ体を螺合させ、その先端が保持部の固
定面に圧接するまで締付ける。ねじ体の先端が保持部の
固定面に圧接することにより、他方のボールナットは保
持部を介して、一方のボールナットに回転方向に固定さ
れ、これにより設定予圧量が保持される。
【0020】予圧付与は、弾性的に縮径可能の保持リン
グを使用することによって行なうこともできる。すなわ
ち、この保持リングを、一方のボールナットのインロー
部に収容すると共に、両ボールナットを相対回転させな
がら両者の相対向する端面同士を接近させ、保持リング
の内径に他方のボールナットの固定部を挿入する。そし
て、両ボールナットの相対向する端面同士を接触させ、
この状態から両ボールナットをさらに所定量だけ相対回
転させて必要量の予圧を付与する。ついで、両ボールナ
ットの相対位置を保持しながら、一方のボールナットの
インロー部のねじ穴にねじ体を螺合させ、その先端を保
持リングの両当接部に当接させて両当接部を接近させ
る。これにより、保持リングが弾性的に縮径して固定部
を締め付けるので、他方のボールナットが保持リングを
介して一方のボールナットに回転方向に固定され、その
結果、設定予圧量が保持される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
る。
【0022】図1に示すボールねじはダブルナットタイ
プのもので、ねじ軸1に多数のボール2・3{図1
(b)参照}を介して嵌合された一対のボールナット4
・5と、ボールナット4・5間に介装される保持リング
6とを備えている。ねじ軸1の外周面には螺旋溝1aが
形成され、ボールナット4・5の内周面には螺旋溝1a
に対応した螺旋溝4a・5aが形成されている。ボール
2・3は、ねじ軸1の螺旋溝1aとボールナット4・5
の螺旋溝4a・5aとの間に形成される螺旋状のボール
循環路を無限転動循環する。ボールナット4・5の相対
向する端面にはそれぞれインロー部4b・5bが設けら
れ、また、インロー部4b・5bにはぞれぞれ2つのね
じ穴4b1・5b1が貫通形成されている。
【0023】図2(b)に示すように、保持リング6の
外径は、回転軸心X上に中心O1をもつ半径R1の円弧
面6aと、回転軸心X上に中心をもつ円に対して偏した
形状の固定面6bとからなる。円弧面6aはインロー部
4b・5bの内径円と同心であり、その半径R1は、イ
ンロー部4b・5bの内径に適合する寸法に設定されて
いる。この実施例において、固定面6bは平坦面であ
り、保持リング6の外径部分を軸方向に切り欠いて形成
したものである。また、図2(a)に示すように、保持
リング6の幅Wは、インロー部4bの幅とインロー部5
bの幅の合計寸法よりも僅かに小さく、そのため、ボー
ルナット4・5の相対向する端面同士を当接させると、
保持リング6はインロー部4b・5bの内径に完全に収
容される。予圧の設定は以下の手順で行なう。
【0024】(1)ボールナット4・5、保持リング6
を図1に示す状態でねじ軸1に嵌め合わせる。
【0025】(2)保持リング6の一方の端部側をボー
ルナット4・5のいずれか一方、例えばボールナット4
のインロー部4bの内径に収容し、固定面6bをインロ
ー部4bのねじ穴4b1に合わせる。
【0026】(3)図2に示すように、インロー部4b
の2つのねじ穴4b1に、それぞれ、ねじ体例えばボル
ト7を螺合させ、その先端が保持リング6の固定面6b
に圧接するまで締付ける。2本のボルト7の先端が平坦
な固定面6bに圧接することにより、保持リング6は、
ボールナット4に軸方向および回転方向に固定される。
尚、インロー部4bのねじ穴4b1と保持リング6の固
定面6bの位相は必ずしも合致している必要はなく、図
2(c)に示すように、左回転方向又は右回転方向にα
度だけずれていても固定可能である。
【0027】(4)つぎに、ボールナット4・5を相対
回転させながら両者の相対向する端面同士を接近させ、
保持リング6の他方の端部側をボールナット5のインロ
ー部5bの内径に収容する。そして、ボールナット4・
5の相対向する端面同士を接触させ、この状態から、ボ
ールナット4・5を所定量だけ相対回転させると、必要
量の予圧が付与される。
【0028】(5)必要量の予圧を設定したのち、ボー
ルナット4・5の相対位置を保持しながら、ボールナッ
ト5のインロー部5bの2つのねじ穴5b1に、それぞ
れ、ねじ体例えばボルト8を螺合させ、その先端が保持
リング6の固定面6bに圧接するまで締付ける。2本の
ボルト8の先端が平坦な固定面6bに圧接することによ
り、ボールナット5は保持リング6を介して、ボールナ
ット4に軸方向および回転方向に固定される。これによ
り、設定予圧量が保持される。インロー部5bのねじ穴
5b1と保持リング6の固定面6bの位相は必ずしも合
致している必要はなく、左回転方向又は右回転方向にα
度だけずれていても固定可能である。したがって、従来
の予圧装置のように、両ボールナット4・5の面倒な位
相合せは不要である。また、高精度なキー溝加工も不要
である。さらに、保持リング6の幅寸法Wは設定予圧量
に影響しないので、従来の間座のような高精度な加工お
よび繰り返し調整は不要である。
【0029】図3に示す実施例では、保持リング6の外
径が、回転軸心X上に中心O1をもつ半径R1の円弧面
6aと、回転軸心Xから所定量Δtだけオフセットされ
た点O2を中心とする半径R2の円弧面で描かれた固定
面6bとで構成されている。円弧面6aはインロー部4
b・5bの内径円と同心であり、固定面6bはこの内径
円に対して偏心している。この実施例では、半径R2〉
半径R1であり、半径R1はインロー部4b・5bの内
径に適合する寸法に設定されている。
【0030】予圧設定の手順は上述した実施例のものと
同じであり、また、図3(b)に示すように、インロー
部4b(5b)のねじ穴4b1(5b1)と保持リング
6の固定面6bの位相が左回転方向又は右回転方向にβ
度だけずれていても固定可能であるが、固定面6bが円
弧面であるため、角度βが図2(c)に示す角度αより
も大きい。そのため、ボールナット4・5相互間の固定
時における位相差の自由度が増大し、予圧設定作業が一
層容易化される。
【0031】図4に示す実施例は、保持リング6の外径
の180度対向位置に、2つの平坦な固定面6bを設け
たものである。ボールナット4・5と保持リング6の固
定は、図2(a)(b)に示す態様に準じ、インロー部
4b・5bのねじ穴に螺合させたボルトの先端を各固定
面6bに圧接することにより行なう。このように、ボー
ルナット4・5と保持リング6の固定を複数の固定面6
bで行なうことにより、固定状態がより一層安定し、設
定予圧量の保持機能が向上する。固定面6bは3つ以
上、円周等配位置に設けても良い。
【0032】図示は省略するが、図3に示す態様に準
じ、保持リング6の外径の円周等配位置に、2つ以上の
円弧状の固定面6bを設けても良い。
【0033】図5に示す実施例は、保持リング6に相当
する保持部16をボールナット4・5のいずれか一方、
例えばボールナット4の相対向する端面に一体に設けた
ものである。保持部16は、図1〜図2に示す保持リン
グ6と同形状で、その外径に平坦状の固定面16bを有
する。他方のボールナット5の端面にはインロー部5b
が設けられ、インロー部5bにねじ穴5b1が貫通形成
されている。保持部16の幅はインロー部5bの幅より
も僅かに小さく、そのため、ボールナット4・5の相対
向する端面同士を当接させると、保持部16はインロー
部5bの内径に完全に収容される。
【0034】予圧の設定は以下の手順で行なう。
【0035】(1)ボールナット4・5を図5に示す状
態でねじ軸1に嵌め合わせる。
【0036】(2)ボールナット4・5を相対回転させ
ながら両者の相対向する端面同士を接近させ、保持部1
6をボールナット5のインロー部5bの内径に収容す
る。そして、ボールナット4・5の相対向する端面同士
を接触させ、この状態から、ボールナット4・5を所定
量だけ相対回転させると、必要量の予圧が付与される。
【0037】(3)必要量の予圧を設定したのち、ボー
ルナット4・5の相対位置を保持しながら、ボールナッ
ト5のインロー部5bの2つのねじ穴5b1に、それぞ
れ、ねじ体例えばボルト(図示省略)を螺合させ、その
先端が保持部16の固定面16bに圧接するまで締付け
る。2本のボルトの先端が平坦な固定面16bに圧接す
ることにより、ボールナット5は保持部16を介して、
ボールナット4に軸方向および回転方向に固定される。
これにより、設定予圧量が保持される。インロー部5b
のねじ穴5b1と保持部16の固定面16bの位相は必
ずしも合致している必要はなく、左回転方向又は右回転
方向にα度だけずれていても固定可能である。したがっ
て、従来の予圧装置のように、両ボールナット4・5の
面倒な位相合せは不要である。また、高精度なキー溝加
工も不要である。さらに、保持部16の幅寸法は設定予
圧量に影響しないので、従来の間座のような高精度な加
工および繰り返し調整は不要である。
【0038】図6に示す実施例は、図5に示す実施例と
同様に、保持部16をボールナット4・5のいずれか一
方、例えばボールナット4の相対向する端面に一体に設
けたものであるが、この実施例の保持部16は、回転軸
心Xから所定量ΔSだけオフセットされた点O3を中心
とする半径R3の円筒面で描かれた固定面16bを有す
る。
【0039】予圧設定の手順も図5に示す実施例と同様
であるが、図7に示すように、この実施例では、必要量
の予圧を設定したのち、ボールナット4・5の相対位置
を保持しながら、円周等配位置の4箇所(少なくとも3
箇所以上であれば良い。)において、ボールナット5の
インロー部5bのねじ穴5b1にねじ体例えばボルト8
を螺合させ、その先端が保持部16の固定面16bに圧
接するまで締付けることにより、ボールナット5を保持
部16を介して、ボールナット4に軸方向および回転方
向に固定する構成にしてある。
【0040】尚、ボールナット4・5のいずれか一方の
相対向する端面に形成する保持部16は、上記に例示し
た形状に限らず、例えば、図3に示す保持リング6と同
形状(すなわち、固定面16bを円弧面にする)、また
は、図4に示す保持リング6と同形状(すなわち、固定
面16bを複数形成する)にしても良い。逆に、ボール
ナット4・5間に介装する保持リング6を、図6および
図7に示す保持部16と同形状(すなわち、固定面6b
を、回転軸心Xから所定量だけオフセットされた点を中
心とする円筒面にする)にしても良い。
【0041】以上の予圧装置は、何れもねじの先端を保
持リング6又は保持部16に圧接してラジアル方向の力
を付与することにより、ボールナット4・5を軸方向及
び回転方向に固定するものであるが、その他、保持リン
グを縮径させることにより、その全周で締め付け力を発
生させてボールナット4・5を固定することも可能であ
る。
【0042】その具体的構造を図9及び図10に示す。
図示のように、両ボールナット4・5間に介装された保
持リング26は、その一箇所を軸方向に分断すると共
に、その分断部10の両側を切り欠いて半径方向に起立
する一対の当接部11a・11bを設けることにより構
成される。分断部10には、軸方向と直交する方向に一
定の幅の隙間があり、そのため、当接部11a・11b
同士を互いに接近させると、保持リング26が弾性的に
縮径する。
【0043】一方のボールナット4の相手側ボールナッ
ト5と対向する端面には、自然状態の保持リング26を
収容可能のインロー部4bが陥没形成される。インロー
部4bには、一対のねじ穴12a、12bが互いに平行
に且つ対向させて形成される。両ねじ穴12a・12b
は、保持リング26をインロー部4bに収容した際に、
それぞれ保持リング26の当接部11a・11bと対向
する位置に設けられており、両ねじ穴にねじ体13a・
13bをねじ込めば当該ねじ体13a・13bの先端は
当接部11a・11bと圧接する。
【0044】他方のボールナット5の相手側のボールナ
ット4と対向する端面には、円筒状の固定部5cが一体
に設けられる。この固定部5cは、自然状態の保持リン
グ26の内径よりも小さい外径を有しており、保持リン
グ26の内径部に挿入可能である。
【0045】この装置における予圧設定は、以下の手順
で行なう。
【0046】(1) ボールナット4・5及び保持リン
グ26を図9に示す状態でねじ軸1に嵌め合わせる。
【0047】(2) 保持リング26をボールナット4
のインロー部4aに収容する。次いで、ボールナット4
の外周面より、ねじ穴12a・12bにねじ体13a・
13bをねじ込み、これを締め付けて先端を保持リング
26の当接部11a・11bに軽く当接させる。次に、
両ボールナット4・5を相対回転させて両者の相対向す
る端面同士を接近させ、他方のボールナット5の固定部
5cを保持リング26の内径に挿入させる。そして、ボ
ールナット4・5の相対向する端面同士を接触させ、こ
の状態からボールナット4・5を所定量だけ相対回転さ
せて必要量の予圧を付与する。
【0048】(3) ボールナット4・5の相対位置を
保持しながらねじ体13a・13bをさらに締め付け、
図10(b)に示すように、当接部11a・11bを互
いに接近させる。これにより、保持リング26が弾性的
に縮径して固定部5cをその周方向の全周から締め付け
るので、ボールナット5は保持リング26を介して、ボ
ールナット4に軸方向及び回転方向に固定され、その結
果、設定予圧量が保持される。
【0049】この構成では、ねじ体13a・13bの締
め付け力を保持リング26で周方向からの締め付け力に
変換しており、当該締め付け力はボールナット5の固定
部5cにその全周から均等に付与される。従って、強く
締め付けても偏荷重によってボールナット4・5に芯ず
れが生じることはなく、両ボールナット間での同軸度の
調整を不要とすることができる。
【0050】また、双方のボールナット4・5にねじ体
をねじ込む構成(図1乃至図4参照)では、保持リング
6の固定面6bとねじ体とが圧接できる範囲(例えば、
図2の構造ではα°、図3の構造ではβ°)内にボール
ナット4・5の位相を合わせる必要があるが、上述の構
成(図9)であれば、一方のボールナット4にのみねじ
体13a・13bをねじ込む構造であるから、ボールナ
ット4・5間での位相のずれは問題とはならず、位相合
わせも不要である。
【0051】なお、本発明は、リターンチューブ式、ガ
イドプレート式、循環コマ式の如何を問わず適用可能で
ある。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、一対の
ボールナットを所定量だけ相対回転させて、必要量の予
圧を付与したのち、一対のボールナット間に介装した保
持リングを介して、又は、一方のボールナットの相対向
する端面に設けた保持部を介して、両ボールナットを相
互に固定して設定予圧量を保持する構成を有するので、
以下に示す特有の効果を奏する。
【0053】(1)保持リング又は保持部の幅寸法は設
定予圧量に影響しないので、従来の間座を用いた予圧装
置のように、間座の幅寸法の高精度な管理、繰り返し調
整が不要であり、予圧設定を精度良くしかも簡易に行な
うことができる。
【0054】(2)両ボールナット相互の固定は、保持
リング又は保持部の、回転軸心上に中心をもつ円に対し
て偏した形状の固定面に、ねじ体を圧接することにより
行なうので、従来の間座を用いた予圧装置におけるキー
溝、キー加工が不要であり、また、ボールナット相互間
に位相差があっても固定可能である。したがって、従来
構成において多大の労力を必要としていた高精度なキー
溝およびキー加工、ボールナット相互の面倒な位相合せ
の必要がなくなり、予圧設定作業の簡略化、合理化、コ
スト低減に寄与する。
【0055】(3)保持リング又は保持部の固定面は、
平坦面、回転軸心から所定量だけオフセットされた点を
中心とする円弧面又は円筒面とするのが製造上有利であ
るが、特に、上記円弧面又は円筒面とすることにより、
両ボールナットの固定時における位相差の自由度が向上
するので、予圧設定作業がより一層容易化される。
【0056】さらに、一方のボールナットのインロー部
に保持リングを収納すると共に、保持リングの内径部に
他方のボールナットの固定部を挿入し、両ボールナット
を相対回転させて必要量の予圧を付与したのち、一方の
ボールナットのねじ穴に螺合したねじ体の先端を保持リ
ングの両当接部に当接させてこれらを接近させ、縮径し
た保持リングの内径で他方のボールナットの固定部を周
方向から締め付ける構成であれば、ねじ体の締め付け力
を他方のボールナットの固定部にその周方向から均等に
付与することができる。従って、上述の(1)(2)の
効果に加えて、ボールナットの芯ずれを防止して両者の
同軸度調整を不要にすることができるという特有の効果
を奏する。また、一方のボールナットにのみねじ体をね
じ込む構造であるから、両ボールナット間での位相のず
れは問題とならず、面倒な位相合わせが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(予圧付与前の状態)を示す斜
視図(図a)、軸線Xに沿った縦断面図(図b)であ
る。
【図2】本発明の実施例(予圧付与後の状態)を示す一
部断面図(図a)、保持リングの平面図(図b)、図a
におけるc−c横断面図(図c)である。
【図3】本発明の他の実施例に係わる保持リングの平面
図(図a)、保持リングの固定状態を示す横断面図(図
b)である。
【図4】本発明の他の実施例に係わる保持リングの平面
図である。
【図5】本発明の他の実施例(予圧付与前の状態)を示
す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例(予圧付与前の状態)を示
す斜視図(図a)、図aにおけるb方向矢視図(図b)
である。
【図7】図6の実施例における保持部の固定状態(予圧
付与後の状態)を示す一部横断面図(ボールナット5の
インロー部5bの横断面)である。
【図8】従来構成(予圧付与前の状態)を示す斜視図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例(予圧付与前の状態)を示
す斜視図である。
【図10】図9の実施例における予圧付与前の状態を示
す断面図(図a)、及び、予圧付与後の状態を示す断面
図(図b)である。
【符号の説明】
1 ねじ軸 2 ボール 3 ボール 4 ボールナット 4b インロー部 4b1 ねじ穴 5 ボールナット 5b インロー部 5b1 ねじ穴 6 保持リング 6b 固定面 7 ボルト 8 ボルト 11a 当接部 11b 当接部 12a ねじ穴 12b ねじ穴 13a ねじ体 13b ねじ体 16 保持部 16b 固定面 26 保持リング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸に複数のボールを介して嵌合され
    た一対のボールナットと、これらボールナットの相対向
    する端面にそれぞれ設けられたインロー部と、これらイ
    ンロー部の内径に介装され、その外径に、回転軸心上に
    中心をもつ円に対して偏した形状の固定面を有する保持
    リングと、インロー部に形成されたねじ穴に螺合するね
    じ体とを備え、 一方のボールナットのインロー部のねじ穴に螺合させた
    ねじ体の先端を保持リングの固定面に当接させて、保持
    リングを一方のボールナットに固定しておき、両ボール
    ナットを相対回転させて必要量の予圧を付与したのち、
    他方のボールナットのインロー部のねじ穴に螺合させた
    ねじ体の先端を保持リングの固定面に当接させて、他方
    のボールナットを保持リングを介して一方のボールナッ
    トに固定することを特徴とするボールねじの予圧装置。
  2. 【請求項2】 保持リングの固定面が平坦面である請求
    項1のボールねじの予圧装置。
  3. 【請求項3】 保持リングの固定面が、回転軸心から所
    定量だけオフセットされた点を中心とする円弧面又は円
    筒面である請求項1のボールねじの予圧装置。
  4. 【請求項4】 ねじ軸に複数のボールを介して嵌合され
    た一対のボールナットと、一方のボールナットの相対向
    する端面に設けられ、回転軸心上に中心をもつ円に対し
    て偏した形状の固定面を有する保持部と、他方のボール
    ナットの相対向する端面に設けられたインロー部と、イ
    ンロー部に形成されたねじ穴に螺合するねじ体とを備
    え、 保持部をインロー部の内径に介装し、両ボールナットを
    相対回転させて必要量の予圧を付与したのち、インロー
    部のねじ穴に螺合させたねじ体の先端を保持部の固定面
    に当接させて、他方のボールナットを保持部を介して一
    方のボールナットに固定することを特徴とするボールね
    じの予圧装置。
  5. 【請求項5】 保持部の固定面が平坦面である請求項4
    のボールねじの予圧装置。
  6. 【請求項6】 保持部の固定面が、回転軸心から所定量
    だけオフセットされた点を中心とする円弧面又は円筒面
    である請求項4のボールねじの予圧装置。
  7. 【請求項7】 ねじ軸に複数のボールを介して嵌合され
    た一対のボールナットと、一方のボールナットの、相手
    側のボールナットと対向する端面に設けられたインロー
    部と、インロー部に形成されたねじ穴にそれぞれ螺合す
    る一対のねじ体と、両ボールナット間に介装され、互い
    に離隔させた一対の当接部を有し、両当接部の接近時に
    弾性的に縮径する保持リングと、保持リングの内径部に
    挿入可能であり、他方のボールナットの、相手側のボー
    ルナットと対向する端面に設けられた固定部とを備え、 一方のボールナットのインロー部に保持リングを収納す
    ると共に、保持リングの内径部に他方のボールナットの
    固定部を挿入し、両ボールナットを相対回転させて必要
    量の予圧を付与したのち、一方のボールナットのねじ穴
    に螺合したねじ体の先端を保持リングの両当接部に当接
    させてこれらを接近させ、縮径した保持リングの内径で
    他方のボールナットの固定部を周方向から締め付けるこ
    とを特徴とするボールねじの予圧装置。
JP13391795A 1994-12-16 1995-05-31 ボールねじの予圧装置 Withdrawn JPH08219249A (ja)

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JP31286594 1994-12-16
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000193064A (ja) * 1998-12-29 2000-07-14 Rexroth Star Gmbh 転動体型ねじ駆動装置及びその組み立て方法
CN103174811A (zh) * 2013-01-22 2013-06-26 北京工业大学 一种预紧力微调式滚珠丝杠螺母
JP2016223493A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 日本精工株式会社 ボールねじ
CN113685522A (zh) * 2021-09-01 2021-11-23 西安超精刀具设备有限公司 一种在双螺母结构丝杠中应用的厚度可调的柔性垫片

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