JPH08218588A - 超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法 - Google Patents

超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法

Info

Publication number
JPH08218588A
JPH08218588A JP5181095A JP5181095A JPH08218588A JP H08218588 A JPH08218588 A JP H08218588A JP 5181095 A JP5181095 A JP 5181095A JP 5181095 A JP5181095 A JP 5181095A JP H08218588 A JPH08218588 A JP H08218588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
mortar
primer
cement
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5181095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2945297B2 (ja
Inventor
Nobuhiko Wakano
伸彦 若野
Koji Fukui
浩司 福井
Masaki Yomo
正樹 四方
Kazuo Hayakawa
和夫 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHIYUUGAI SHOKO KK
Chugai Shoko Co Ltd
Original Assignee
CHIYUUGAI SHOKO KK
Chugai Shoko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=12897277&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH08218588(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by CHIYUUGAI SHOKO KK, Chugai Shoko Co Ltd filed Critical CHIYUUGAI SHOKO KK
Priority to JP5181095A priority Critical patent/JP2945297B2/ja
Publication of JPH08218588A publication Critical patent/JPH08218588A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2945297B2 publication Critical patent/JP2945297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床面や壁面を構成するために、モルタル、コ
ンクリート等のセメント質下地に対して、通気性のポリ
マーセメントモルタル層を形成し、その表面に塗り床材
などの非通気性仕上げ材を施工して、仕上げる工法があ
る。コンクリート下地が打設後の早期で余剰水が存在す
るような若齢期に、仕上げ施工すると非通気性仕上げ材
がふくれ等の障害を起こし易い。本発明は、超若材齢の
下地に仕上げ施工してもふくれ等の障害を起こすこのな
い、従って、仕上げ施工の時期を短縮できる仕上げ施工
方法を提供する。 【構成】 含水量の高い超若材齢期のセメント質下地
に、水溶性エポキシ樹脂系プライマーを塗布し、直ちに
非消泡性のポリマーセメントモルタルを塗着して通気性
モルタル層を形成し、その硬化後に消泡性のポリマーセ
メントモルタルを塗着して遮断モルタル層を形成し、次
いで、非通気性仕上げ材を施工する施工方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設産業の分野で、打
設後の極く短時間内のセメント質下地面に非通気性の仕
上げ材を施工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術と解決課題】構造物などの歩行面や壁面
に、非通気性の塗り床、貼り床、あるいは、塗り壁や貼
り壁などを仕上げ施工する場合には、コンクリート、モ
ルタルなどのセメント硬化物の下地に、塗り床材等の非
通気性の仕上げ材を施工していた。打設後のセメント質
下地は、一般に内蔵する自由水が揮散し難いことから乾
燥速度が極めて遅い。そこで、非通気性の仕上げ材の施
工には、充分に乾燥期間を取って、且つ、厳密な含水率
チェックをして後、その結果、含水率が基準以下でなけ
れば実施されないのが普通である。なぜならば、下地の
含水率が基準以上であれば、非通気性の仕上げ材の施工
をすると、その後の日数経過に伴って、下地からの水分
により非通気性の仕上げ層にふくれ・剥離現象が発生し
て、床面等の機能と美観の双方を損なうことになるから
である。
【0003】まして、打設後1日経過未満程度の超若材
齢の下地面では、非通気性床材などを施工するに充分な
強度がなく、仮に強度が充分であっても、下地の高い含
水率とともに高アルカリ性という条件によってその実施
が不可能となり、従って、非通気性仕上げ材の施工時期
の遅れを余儀なくされていた。
【0004】非通気性の仕上げ層のふくれ現象を防止す
る工法としては、下地と非通気性の仕上げ層との間に、
水硬性セメントと骨材と非消泡性ポリマーディスパージ
ョンとからなる通気性のポリマーセメントモルタル層を
介在させる技術が、既に特公平6−21512号公報明
細書に開示されている。この先行工法が適用されるコン
クリート下地は、打設後長時間を経過した長期材齢のも
のであって、その含水率もアルカリ性も低下した後のも
のであった。従って、従来から多用されているポリマー
ディスパージョンを水希釈した水系プライマー上に、ポ
リマーセメントモルタル層を形成したものでも、充分な
効果が得られていた。
【0005】然しながら、従来のポリマーディスパージ
ョンの水系プライマーを、上述の超若材齢の下地に塗布
して後に、上記通気性のポリマーセメントモルタル層を
打継ぐ場合には、下地の高含水率と高アルカリ性のため
に、プライマー層の接着不良によって下地とポリマーセ
メントモルタル層の間に浮き・剥離などの障害を起こし
易くなり、このため、このような超若材齢の下地には実
用化できなかった。
【0006】本発明は、上記問題に鑑み、打設後の高含
水率・高アルカリ性を維持している超若材齢のセメント
質下地面に対して、非通気性の仕上げ材をふくれ・剥離
発生の生じないように施工して、仕上げ施工時期の短縮
とふくれ補修工程の省略とを図る非通気性の仕上げ材の
施工方法を提供しようとするものである。
【0007】
【解決手段とその作用】本発明の超若材齢下地への仕上
げ施工方法は、打設後の表面硬度が表面への仕上げ材を
施すのに可能な程度に発現した超若材齢のセメント質下
地の当該表面に、水溶性エポキシ樹脂を主要成分とする
プライマーを塗布してプライマー層を形成することを特
徴としており、このプライマー層の表面に、水硬性セメ
ントと骨材と消泡剤を添加しないポリマーディスパージ
ョンとを含むポリマーセメントモルタルを塗着して通気
性モルタル層を形成し、次いで、上記通気性モルタル層
の表面に水硬性セメントと骨材と消泡性のポリマーディ
スパージョンとを含むポリマーセメントモルタルを塗着
して遮断モルタル層を形成し、さらに、非通気性仕上げ
材を、上記遮断モルタル層の表面に施工するものであ
る。
【0008】本発明は、プライマー層を形成するプライ
マーが、水溶性エポキシ樹脂を主要成分としていること
を特徴とするものである。水溶性エポキシ樹脂は、その
硬化物が、接着性とともに耐水性と耐アルカリ性に優れ
ている。超若材齢で含水率の高いセメント質下地に塗布
すると、プライマーの水溶性エポキシ樹脂は、水による
希釈が可能で、その高い湿潤効果と、下地の遊離水に対
する相溶性によって、下地組織内に深く浸透し、硬化後
には強固に投錨するので、プライマー硬化物と下地組織
とは相互に強力な接合力・接着力が生まれる。そして、
エポキシ樹脂の耐水性と耐アルカリ性により、プライマ
ー施工後長期に亘って、プライマー層は劣化することが
なく、プライマー層に剥離やふくれを生じることがな
い。このプライマー層にポリマーセメントモルタルを塗
着して通気性モルタル層を形成すると、通気性モルタル
層は安定して定着される。
【0009】プライマーの水溶性エポキシ樹脂は、主剤
と硬化剤とから成る二液型のもので、主剤のエポキシ樹
脂には、従来の、たとえば、ビスフェノールA型ベース
のエポキシ化合物が使用される。硬化剤は、高極性化合
物で変性した組成物であって、この組成物としては、例
えば、変性脂肪族ポリアミン類が特に有用である。この
ような主剤と硬化剤とは、プライマー施工直前に混合さ
れて塗着されるが、その混合物、即ちプライマーは、任
意割合で水と混合して適用するので、セメント質下地の
遊離水に対しても溶解して、これが下地の表層組織によ
く浸透するので、その接着性は、乾燥下地面よりもむし
ろ湿潤下地面に対する方が良い。
【0010】プライマーの施工は、打設後の超若材齢の
セメント質下地であって、表面への仕上げ材を施すのに
人の歩行可能な程度に表面が硬化した時点以降であれば
何時にても行うことができる。プライマーの施工のでき
る時期は、常温ではセメント打設後20時間程度も経過
すれば充分である。これにより、下地打設後からプライ
マー施工までの時間を著しく短縮することができる。プ
ライマー塗着方法は、上記のプライマーを、湿潤状態の
セメント質下地に対して、ローラブラシ塗り、手刷毛塗
り、スプレーコーティングなどにより直接塗着する。
【0011】通気性モルタル層を形成するためのポリマ
ーセメントモルタルは、水硬性セメントと骨材と消泡剤
を添加しないポリマーディスパージョンとを含むもの
で、水硬性セメントと骨材とポリマーディスパージョン
との混練に際して、攪拌により積極的に起泡させて、塗
着して硬化後には、通気性多孔体とするものである。
【0012】このポリマーディスパージョンは、セメン
ト混和可能なものであればよく、一般にはJIS A6
203−3に規定するセメント混和用のゴムラテックス
及びセメント混和用の樹脂エマルジョンが広く利用でき
るが、ゴムラテックスには、例えば、SBRラテック
ス、ゴムアスファルト系ラテックスなどがある。また、
樹脂エマルジョンの例には、エチレン−酢酸ビニル系、
アクリル酸エステル系や塩化ビニリデンなどの樹脂エマ
ルジョンがある。水硬性セメントは、普通ポルトランド
セメント、早強セメント、アルミナセメント等の通常の
土木建築用のセメントであればよい。骨材については、
川砂や硅砂など通常の土木建築用骨材が利用される。
【0013】これらの水硬性セメントと骨材と消泡剤を
添加しないポリマーディスパージョンと水とは、泡立ち
状態に充分混練して、ポリマーセメントモルタルとし、
下地のプライマー層上に直接塗着して3〜6mmの厚
み、好ましくは4mmの厚みの硬化物層を形成する。ポ
リマーセメントモルタルの塗着は、プライマーを塗着し
た後直ちに実施してよく、これにより、施工時間の短縮
が可能となる。塗着後ポリマーセメントモルタルは、泡
立ち状態のまま硬化して、その硬化物層は通気性を有す
る多孔体となり、コンクリート下地からプライマー層を
透過侵出した水分を外部に透散する通路となり、非通気
性仕上げ材のふくれ・剥離を防止する。
【0014】遮断モルタル層を形成するためのポリマー
セメントモルタルは、水硬性セメントと骨材と消泡剤を
添加したポリマーディスパージョンとを含むもので、水
硬性セメントと骨材とポリマーディスパージョンとの混
練に際して、ポリマーディスパージョン中に予め添加さ
れた消泡剤により、ポリマーセメントモルタルの攪拌混
練時の発泡を防止して、ポリマーセメントモルタルの塗
着硬化後には、非通気性の密実な硬化物層とするもので
ある。
【0015】この遮断モルタル層用のポリマーディスパ
ージョンは、上記の通気性モルタル層用のポリマーディ
スパージョンと同様の種類のものが利用できるが、これ
らはすべて製造時に消泡剤が添加されたものが入手され
る点で異なっている。水硬性セメント及び骨材は、上記
の通気性モルタル層用のポリマーセメントモルタルに使
用するものが使用できる。この遮断モルタル層用のポリ
マーセメントモルタルは混練時に適宜水を添加して流動
性を調節して、通気性モルタル層に直接塗着して1〜2
mmの厚み、好ましくは1.5mmの厚みの硬化物層を
形成する。遮断モルタル層は、通気性がないので、通気
性モルタル層に含まれる水分が非通気性仕上げ材裏面に
移行するのを防止して、遮断モルタル層に対する非通気
性仕上げ材の接着性を確保して、非通気性仕上げ材のふ
くれ・剥離を防止する。
【0016】遮断モルタル層用のポリマーセメントモル
タルの塗着は、通気性モルタル層の硬化を待って行う
が、その時期は、通気性モルタル層に使用するポリマー
セメントモルタルの水硬性セメントの種類とそのモルタ
ル養生環境によって相違し、普通ポルトランドセメント
を使用した場合で、概ね1日後であり、早強セメントを
使用した場合で概ね6時間後で可能となる。
【0017】非通気性仕上げ材は、床面又は壁面に対し
て非通気性仕上げ面を形成する材料を広く含み、具体的
には、床面又は壁面に対して直接塗着形成して仕上げ面
にする液状の塗材や、予め定形又は不定形に成形して、
床面又は壁面に貼り付けるシート・板材などがある。多
くの非通気性仕上げ材は遮断モルタル層に塗着または貼
り付けられて、非通気性・非透水性の高分子層を利用す
る点で共通するものである。
【0018】例示すれば、塗材としては、塗り床材にエ
ポキシ系、ウレタン系、(メタ)アクリレート系などの
ペーストないしはモルタル状組成物が利用される。塗り
壁材には、エポキシ系、又はビニルエステル系のペース
トないしはモルタル状組成物が利用される。これら塗材
は、従来の方法の鏝塗り法や流展べ法によって塗着され
る。また、貼り床材や貼り壁材には、塩化ビニル系のシ
ートがあり、通常の接着剤により直接貼着される。
【0019】非通気性仕上げ材の施工は、上記遮断モル
タル層の硬化乾燥後にその表面に塗着又は張り付けの通
常の施工方法により行う。
【0020】本発明の施工方法は、以上の施工工程によ
り、先ず、打設後の下地に対して早期にプライマーと通
気性モルタル層の施工が可能であり、通気性モルタル層
と遮断モルタル層の乾燥硬化も早いから、下地打設から
非通気性仕上げ材の施工までの所要期間を短縮できるの
である。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕 (1)コンクリートの打設 幅1m×長さ10mの地盤面(建物外周の犬走り領域に
相当)に直接、生コンクリート(普通ポルトランドセメ
ント315kg/m3 、水189kg/m3 、細骨材80kg/
m3 、細骨材率46.8%、粗骨材939kg/m3 、混和
剤0.788kg/m3、水セメント比60%、スランプ1
8cm、設計強度210kgf/cm2 )を厚さ150mm
で打設した。
【0022】(2)プライマー、通気性モルタルの施工 打設して木鏝で均した後、そのまま20時間経過後、上
記コンクリート表面を1m間隔で10区画に区分して、
5区画分には水溶性2液反応型エポキシ樹脂系プライマ
ー(中外商工(株)製、品名SEプライマー)を0.2
kg/m2 の割合でローラコーティングした。
【0023】比較例として、残部5区画のコンクリート
表面には、スチレン−ブタジエンゴム系デイスパージョ
ンプライマー(中外商工(株)製、品名ワンコートミツ
クス、固形分11%)を0.2kg/m2 の割合でローラコ
ーティングした。
【0024】コンクリート下地面へのプライマー施工直
前に、下地10区画地点の水分測定とpH測定を行った
が、全地点がコンクリート水分計((株)ケット科学研
究所製「ココHI−500」)により計測限界値の1
0.5%以上の高含水率を示し、pH13〜14の高ア
ルカリ性を示した。
【0025】プライマー施工後直ちに、上記10区画全
面に、普通ポルトランドセメントと、細骨材と、消泡剤
非添加スチレン−ブタジエンゴム系ラテックスとを混練
して形成された通気性ポリマーセメントモルタル(中外
商工(株)製、品名フローベース)を、4mmの厚み
で、金鏝施工し、そのまま養生硬化させて、通気性モル
タル層とした。
【0026】(3)非通気性モルタル施工 通気性モルタル層の硬化した後に、以後当該層へ集中す
る水分を系外へ排出するため、脱気装置(中外商工
(株)製「脱気器」)を全区間共通として建物外周の壁
際へ1個セットして後、上記10区画全面に、早強ポル
トランドセメントと骨材と消泡剤添加スチレン−ブタジ
エンゴム系ラテックスを配合して成る非通気性ポリマー
セメントモルタル(中外商工(株)製、品名フローベー
スバリヤー材)を1.5mmの厚みで、金鏝施工し、完
全硬化させて、遮断モルタル層とした。
【0027】(4)非通気性仕上げ材の施工 実施例のプライマーを施工した5区画と従来例のプライ
マーを施工した5区画について、遮断モルタル層の表面
に以下に示した5種類の非通気性仕上げ材により仕上げ
施工した。 メチルメタクリレート系ペースト状の塗り床材(中
外商工(株)「アートフロアーPF」) エポキシ系ペースト状の塗り床材(中外商工(株)
製「アートフロアーEP」) ウレタン系ペースト状の塗り床材(中外商工(株)
製「アートフロアーNS」) メチルメタクリレート系モルタルタイプ塗り床材
(日本油脂(株)「ブレンマーRC」) 天然石模様シート状の貼り床材 (KC協議会製品
「ロードラック」)
【0028】上記の非通気性仕上げ材により仕上げ施工
した後、コンクリートの縦方向及び横方向の地盤面から
の立面部へ、生エポキシ樹脂を刷毛塗りして硬化させて
立面部をシールし、地盤から上昇する水分の外部への散
逸を防止した。
【0029】(5)接着性試験 コンクリート下地の打設から仕上げ施工まで経過日数は
3日であった。非通気性仕上げ材により仕上げ施工した
後28日間経過における下地面に対する接着性状を、建
研式引張試験法に準じて、経日的に追跡した。試験後の
欠損部は生エポキシ樹脂により密封修復して、水分の外
部への散逸を防止した。その試験結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から、コンクリート打設して20時間
の超若材齢の下地に対して、従来のプライマーの使用で
は、下地コンクリートと通気性モルタル層との間で剥離
を生じており、その接着強度も極めて低い。この剥離面
は完全に水により湿潤状態にあった。これに対して、本
実施例の水溶性エポキシ樹脂を含むプライマーを使用し
たものは、通気性モルタル層と下地コンクリートとの接
着強度が格段に高くなり、プライマー層が強靱化され
て、その結果通気性モルタル層のみでの引張凝集破壊が
生じていることが判る。経日に伴う破壊応力の漸増は、
通気性モルタル層自体の強度発現の経過を示すものであ
る。
【0032】(6)非通気性仕上げ材の経日に伴う外観
の変化 非通気性仕上げ材の施工後6月間にわたって仕上げ材の
表面性状を観察したが、実施例、比較例ともに、外観上
はふくれ現象は認められなかった。これは、下地コンク
リートと非通気性の仕上げ材との間に通気性モルタル層
を介在させた事の効果である。しかしながら、比較例の
場合は、その仕上げ材表面を軽く叩くと、通気性モルタ
ル層の浮き音が感知され、床下地としては不適切であっ
た。
【0033】〔実施例2〕 次に、水溶性エポキシ樹脂を含むプライマーの接着性改
善効果を調べた。 (1)舗装用コンクリート平板(JIS A5304に
準拠した公称N300規格品)を2枚を準備し、#60
サンドペーパーで表面研磨したあと、1枚は、常温水中
に1週間浸漬して、水飽和状態とした。他の1枚の平板
は、40℃の恒温乾燥器中で1週間乾燥保持した。水中
浸漬した湿潤平板は、流水中で布拭きしながら洗浄して
から表面自由水を拭き取った。他方の乾燥平板は、手刷
毛で清掃した。
【0034】(2)プライマーと通気性モルタルの塗着 これら湿潤平板と乾燥平板の片面に、実施例1で使用し
た水溶性2液反応型エポキシ系のプライマーを0.2kg
/m2 の割合でローラコーティングし、続いてその上に、
セメント1部に対して7号硅砂2.5部及び水0.55
部(いずれも重量部)を配合したセメントモルタルを
1.5mmの厚みで金鏝により塗布し、そのまま乾燥養
生した。セメントモルタル層の硬化後に、湿潤平板のも
のは、半断面を常温の水中へ浸漬し、他方の乾燥平板の
ものは、そのまま常温の空気中で養生継続した。
【0035】(3)接着強さ測定試験 セメントモルタル接着後の経過日数が1週間及び4週間
の時点で、常法の建研式引張試験方法により、接着強さ
の測定を行った。接着強さ測定試験結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2の結果から、本発明実施例の水溶性2
液反応型エポキシ系のプライマーは、下地表面へセメン
トモルタルを打継ぐに当たって、下地コンクリートが水
により飽和状態にされていた方が、乾燥状態よりも、遙
かに高い接着強度を示していることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明の超若材齢コンクリート下地への
仕上げ施工方法は、セメント質下地に、通気性ポリマー
セメントモルタルの施工前に、水溶性のエポキシ系樹脂
を含むプライマーを塗布するので、セメント質下地が超
若材齢であって遊離水に富む状態であつても、プライマ
ー層が強固に且つ安定に形成されるので、通気性モルタ
ル層や仕上げ材にふくれや剥離など表面欠陥の発生を有
効に防止することができる。
【0039】これにより、セメント質下地の打設後の極
く短時間内にプライマー施工と通気性ポリマーセメント
モルタルの施工が可能になり、床面や壁面の仕上げ施工
の時期を著しく短縮することができ、仕上げ作業の効率
化に有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 打設後の表面硬度が表面への仕上げ材を
    施すのに可能な程度に発現した超若材齢のセメント質下
    地の当該表面に、水溶性エポキシ樹脂を主要成分とする
    プライマーを塗布してプライマー層を形成し、 上記プライマー層の表面に、水硬性セメントと骨材と消
    泡剤を添加しないポリマーディスパージョンとを含むポ
    リマーセメントモルタルを塗着して通気性モルタル層を
    形成し、 上記通気性モルタル層の表面に、水硬性セメントと骨材
    と消泡剤を添加したポリマーディスパージョンとを含む
    ポリマーセメントモルタルを塗着して遮断モルタル層を
    形成し、 次いで、上記遮断モルタル層の表面に、非通気性仕上げ
    材を施工する超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方
    法。
JP5181095A 1995-02-15 1995-02-15 超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法 Expired - Fee Related JP2945297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5181095A JP2945297B2 (ja) 1995-02-15 1995-02-15 超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5181095A JP2945297B2 (ja) 1995-02-15 1995-02-15 超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08218588A true JPH08218588A (ja) 1996-08-27
JP2945297B2 JP2945297B2 (ja) 1999-09-06

Family

ID=12897277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5181095A Expired - Fee Related JP2945297B2 (ja) 1995-02-15 1995-02-15 超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2945297B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009257063A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Ube Ind Ltd コンクリート床構造体及びその施工方法
JP2010013830A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Kumagai Gumi Co Ltd 免震基礎下部の作製方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009257063A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Ube Ind Ltd コンクリート床構造体及びその施工方法
JP2010013830A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Kumagai Gumi Co Ltd 免震基礎下部の作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2945297B2 (ja) 1999-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5120122B2 (ja) 防水床構造体の施工方法
CA2617387C (en) Compositions and methods for adhesion
JPH08283059A (ja) 下地調整用組成物
US5026576A (en) Method and composition for finishing structural building surfaces
JP2945297B2 (ja) 超若材齢セメント質下地への仕上げ施工方法
JP2008214178A (ja) 自己流動性水硬性組成物
JP2003119063A (ja) 低収縮軽量モルタル、及び低収縮軽量モルタルを用いた下地調整工法
JPH0384086A (ja) 隙間仕上げ構造
JPH10219195A (ja) 水性接着剤
JPH0579389B2 (ja)
JPH068553B2 (ja) 家屋における壁面の施工方法
JPH0146543B2 (ja)
JP2556806B2 (ja) 建築用板材
JP2005009291A (ja) 建物の断熱材施工方法及び断熱構造
JP3193739B2 (ja) タイル貼りボードの製造方法
JP2009235888A (ja) コンクリート床構造体およびその施工方法
JP3831808B2 (ja) セルフレベリング形床下地形成材組成物
JP2009215812A (ja) コンクリート床構造体及びその施工方法
JP3943189B2 (ja) 非通気性床仕上げ材用の通気性下地層並びにその施工法
JPH0717428B2 (ja) 左官用セメント組成物
JP2811555B2 (ja) コンクリート階段用蹴込み板
JPS6036196B2 (ja) 建築内、外装材の直貼り用マスチック状接着剤
JP2022148465A (ja) コンクリート床構造体及びその製造方法
JP2540211Y2 (ja) 建築用下地板
JPS622093B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees