JP2009235888A - コンクリート床構造体およびその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然石やタイルなどの仕上げ材の施工性を改善し、熟練した技術を持たないような左官職人やタイル職人でも、天然石やタイルなどの板状仕上げ材を用いて良好な水平レベル性を有する美観に優れたコンクリート床構造体を容易にかつ効率良く得られる施工方法と、その施工方法により得られるコンクリート床構造体を提供する。
【解決手段】コンクリート床上面に、セルフレベリング材モルタル用プライマー12を塗布して乾燥する工程と、セルフレベリング材と水とを混練して調製したセルフレベリング材スラリー13を打設して硬化させる工程と、板状仕上げ材15を敷設する工程とを含むコンクリート床構造体11の施工方法であって、セルフレベリング材は、アルミナセメントを含む水硬性成分と、細骨材とを含むコンクリート床構造体の施工方法である。
【選択図】図1
【解決手段】コンクリート床上面に、セルフレベリング材モルタル用プライマー12を塗布して乾燥する工程と、セルフレベリング材と水とを混練して調製したセルフレベリング材スラリー13を打設して硬化させる工程と、板状仕上げ材15を敷設する工程とを含むコンクリート床構造体11の施工方法であって、セルフレベリング材は、アルミナセメントを含む水硬性成分と、細骨材とを含むコンクリート床構造体の施工方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、マンションやオフィスなどの建築物のコンクリート床表面に板状仕上げ材を敷設するコンクリート床構造体の施工方法およびその施工方法により得られるコンクリート床構造体に関する。
近年、建築物の仕上げには各種仕上げ材をコンクリート躯体表面に張り付け施工し、質感や美観の向上をはかることが多くなっている。特に、御影石や大理石などの天然石や、大型の陶板などのタイルを仕上げ材として用いて、壁面、柱、天井あるいは床面に美観や質感を付与する多様な仕上げ工法が採用されるつつある。
特許文献1には、磁器タイル、せっ器タイル、半磁器タイル、陶磁器タイル等の構築物仕上げ用のタイル(仕上げ材)を、ポルトランドセメント、アルミナセメント、石膏、ポリマーディスパージョン、骨材および水を主成分とするモルタル組成物を接着用に使用してタイル仕上げするタイル張り工法が開示されている。
また、特許文献2には、床下地上に、Al2O3+Fe2O3が15%以上の組成からなるセラミック質のセルフレベリング材を流延硬化せしめた後、ゴムまたは合成樹脂系の接着剤を用いて石材を接着する石材施工方法が開示されている。
また、引用文献3には、セルフレベリング材として用いることのできる水硬性組成物として、水硬性成分、細骨材、減水剤および増粘剤とを含む自己流動性水硬性組成物であり、水硬性成分100質量部に対して、細骨材を60〜200質量部含み、細骨材100質量%中に平均粒径1〜100μmの微粉細骨材を1〜20質量%含む自己流動性水硬性組成物が開示されている。
特開昭61−261566号公報
特開平1−174766号公報
特開平2006−45025号公報
天然石や陶板などの板状仕上げ材を用いて仕上げられたコンクリート床構造体の表面は、美観や質感に優れるという特徴を有する。しかし、その施工過程では、コンクリート床の上面にモルタルや接着剤を用いて仕上げ材を1枚ずつ敷設し、さらに1枚ずつ仕上げ材の水平レベルを調整する必要があり、その施工には熟練したタイル職人の技術が必要とされる。しかしながら、昨今の建設業界では高齢化や後継者不足などを背景として、熟練した技術を持った左官職人やタイル職人が不足しているのが現状である。
本発明は、上記のような熟練した技術を持った左官職人やタイル職人が不足している現状を鑑み、各種建築物、特にマンションやオフィスなどのコンクリート床の表面に、天然石やタイルなどの板状仕上げ材を用いるコンクリート床構造体の施工方法に関し、天然石やタイルなどの仕上げ材の施工性を改善し、熟練した技術を持たないような左官職人やタイル職人でも、天然石やタイルなどの板状仕上げ材を用いて良好な水平レベル性を有する美観に優れたコンクリート床構造体を容易にかつ効率良く得られる施工方法と、その施工方法により得られるコンクリート床構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意試行錯誤を繰り返した結果、コンクリート床構造体の表面を天然石仕上げやタイル仕上げなどの板状仕上げ材を用いて仕上げる場合に、特定のセルフレベリング材を用いて、水平レベル性に優れる下地層を速やかに形成した後、モルタルを用いて天然石やタイルなどの板状仕上げ材を敷設施工することによって、熟練した技術を持たないような左官職人やタイル職人でも、水平レベル性に優れた仕上げ面を有するコンクリート床構造体を容易にかつ効率的に得られることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、コンクリート床上面に、セルフレベリング材モルタル用プライマーを塗布して乾燥する工程と、前記プライマー層の上面にセルフレベリング材と水とを混練して調製したセルフレベリング材スラリーを打設して硬化させる工程と、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に張付けモルタルを施工して、板状仕上げ材を敷設する工程とを含むコンクリート床構造体の施工方法であって、セルフレベリング材は、アルミナセメントを含む水硬性成分と、細骨材とを含み、セルフレベリング材スラリーの硬化体表面のショア硬度は、スラリーを打設(施工)したのち2時間後に10以上であることを特徴とするコンクリート床構造体の施工方法である。
本発明の施工方法の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)セルフレベリング材は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分と、樹脂粉末とを含むこと。
(2)セルフレベリング材は、水硬性成分と、無機粉末、凝結調整剤、流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分を少なくとも1種以上含むこと。
(3)セルフレベリング材スラリーの硬化体表面のショア硬度は、スラリーを打設(施工)したのち6時間後に50以上であること。
(4)板状仕上げ材は、天然石、人工石、陶板または陶磁器タイルから選ばれるいずれか1種または2種以上であり、
板状仕上げ材の大きさは、たての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、厚さが3〜20mmであること。
(1)セルフレベリング材は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分と、樹脂粉末とを含むこと。
(2)セルフレベリング材は、水硬性成分と、無機粉末、凝結調整剤、流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分を少なくとも1種以上含むこと。
(3)セルフレベリング材スラリーの硬化体表面のショア硬度は、スラリーを打設(施工)したのち6時間後に50以上であること。
(4)板状仕上げ材は、天然石、人工石、陶板または陶磁器タイルから選ばれるいずれか1種または2種以上であり、
板状仕上げ材の大きさは、たての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、厚さが3〜20mmであること。
また、本発明は、上記の施工方法により得られるコンクリート床構造体である。
マンションやオフィスなどの各種建築物のコンクリート床構造体の表面に、天然石やタイルなどの板状仕上げ材を用いるコンクリート床構造体の施工時に本発明の施工方法を用いることにより、熟練した技術を持たないような左官職人やタイル職人でも、天然石やタイルなどの板状仕上げ材を容易にかつ効率的に施工でき、さらに、天然石やタイルなどの板状仕上げ材を敷設して優れた水平レベル性を有する床表面を形成することができる。
本発明のコンクリート床構造体は、速硬性および水平レベル性に優れたセルフレベリング材を用いてコンクリート床の上面に下地層(セルフレベリング材スラリー硬化体層)を形成した後に、石材やタイルなどの板状仕上げ材を張り付けモルタルを用いて敷設し、コンクリート床構造体の表面を仕上げることを特徴とする。以下に、本発明のコンクリート床構造体およびその施工方法について、図1(X−1)〜(X−5)に基づき実施形態の一例を説明する。
本発明の施工方法では、まず図1(X−2)に示すように、凹凸(小さな凹凸)や微妙な傾斜を有するコンクリート床11の上面に、セルフレベリング材用プライマーを用いてセルフレベリング材用プライマー層12を形成する。次に、セルフレベリング材用プライマー層12の上面にセルフレベリング材スラリーを流し込み施工し、図1(X−3)に示すようにセルフレベリング材スラリー硬化体層13を形成する。そして、図1(X−4)に示すように、セルフレベリング材スラリー硬化体層13の表面と、板状仕上げ材15の裏面とに張付けモルタル14を塗り付け、図1(X−5)に示すように、セルフレベリング材スラリー硬化体層13の上面に板状仕上げ材15を敷設し、水平レベル性を微調整することによって、本発明のコンクリート床構造体を得ることができる。また、板状仕上げ材15と板状仕上げ材15との間の目地部には目地モルタルなどのモルタルを用いて仕上げることができる。
図1(Y−1)〜図1(Y−5)には、石材やタイルなどの板状仕上げ材を張り付けモルタルを用いて敷設する従来のコンクリート床構造体の施工方法の一例を示している。
従来工法では、図1(Y−2)に示すように、補修用モルタルを用いてコンクリート床の凹凸や微妙な傾斜を補修したのち、図1(Y−3)張り付けモルタルを用いて板状仕上げ材を敷設する。
この場合、補修用モルタルを用いて補修したコンクリート下地自体が、良好な水平レベル性を有しないため、張り付けモルタルを用いて板状仕上げ材を敷設する際に、図1(Y−4)に示すように、張り付けモルタルを厚く塗り付けて、板状仕上げ材表面の水平レベルを調整せざるを得ず、また図1(Y−5)に示すように、個々の板状仕上げ材の水平レベルの調整幅が大きいことから、その作業は非常に煩雑なものとなる。さらに、床面全体の板状仕上げ材表面を一定の水平レベルに調整することは極めて難しい作業となっている。
従来工法では、図1(Y−2)に示すように、補修用モルタルを用いてコンクリート床の凹凸や微妙な傾斜を補修したのち、図1(Y−3)張り付けモルタルを用いて板状仕上げ材を敷設する。
この場合、補修用モルタルを用いて補修したコンクリート下地自体が、良好な水平レベル性を有しないため、張り付けモルタルを用いて板状仕上げ材を敷設する際に、図1(Y−4)に示すように、張り付けモルタルを厚く塗り付けて、板状仕上げ材表面の水平レベルを調整せざるを得ず、また図1(Y−5)に示すように、個々の板状仕上げ材の水平レベルの調整幅が大きいことから、その作業は非常に煩雑なものとなる。さらに、床面全体の板状仕上げ材表面を一定の水平レベルに調整することは極めて難しい作業となっている。
本発明のコンクリート床構造体の施工方法について、さらに詳しく説明する。
本発明の施工方法では、まず図1(X−2)に示すように、凹凸(小さな凹凸)や微妙な傾斜を有するコンクリート床11の上面に、セルフレベリング材用プライマーを用いてセルフレベリング材用プライマー層12を形成する。セルフレベリング材用プライマー層12を設けることによって、セルフレベリング材スラリーを打設する際に、スラリー中の水分がコンクリート床11に浸透する作用を防止することができ、さらにコンクリート床11とセルフレベリング材スラリー硬化体層13とを強固に接着することができ、またセルフレベリング材スラリー硬化体層13表面の気泡痕を抑制することができる。
本発明の施工方法では、まず図1(X−2)に示すように、凹凸(小さな凹凸)や微妙な傾斜を有するコンクリート床11の上面に、セルフレベリング材用プライマーを用いてセルフレベリング材用プライマー層12を形成する。セルフレベリング材用プライマー層12を設けることによって、セルフレベリング材スラリーを打設する際に、スラリー中の水分がコンクリート床11に浸透する作用を防止することができ、さらにコンクリート床11とセルフレベリング材スラリー硬化体層13とを強固に接着することができ、またセルフレベリング材スラリー硬化体層13表面の気泡痕を抑制することができる。
セルフレベリング材用プライマーとしては、アクリル−スチレン共重合樹脂やエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とする市販のプライマーが使用でき、特にアクリル−スチレン共重合樹脂を主成分とするものを好適に使用できる。
また、セルフレベリング材用プライマーとして好ましいものは、アクリル樹脂系エマルションであり、そのアクリル樹脂系エマルションは、(1)メチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートから選ばれる成分9〜35質量%、(2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート50〜80質量%、および、(3)OH基を有する(メタ)アクリレート5〜10質量%とを含む単量体組成物から得られるものである。アクリル樹脂系エマルションは、上記(1)〜(3)に加えて、さらに(4)COOH基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる成分0.6質量%未満を含む単量体組成物から得られるものであることが好ましい。
プライマーの塗布量は、プライマーに含まれる樹脂固形分として、良好な接着強度を安定して得るために、30〜120g/m2を塗布することが好ましく、45〜90g/m2を塗布することがさらに好ましい。プライマーの塗布作業は、前記の塗布量を1回の処理で塗布することができ、また、プライマーを2回〜3回の作業で前記の塗布量を塗布することもできる。
プライマー塗布後、温度条件や通風条件に応じて適宜選ばれる乾燥時間によって乾燥することができる。乾燥時間は、通常、夏季には3時間〜8時間、冬季には5時間〜12時間とすることが好ましい。
次に、セルフレベリング材用プライマーが乾燥することによってセルフレベリング材用プライマー層12が形成された後、その上面にセルフレベリング材スラリーを打設して硬化させることにより、セルフレベリング材スラリー硬化体層13を形成する。
セルフレベリング材スラリーの調製は、セルフレベリング材を袋物の形態で施工現場に搬入し、施工場所の近傍で現場設置型の混合・混練装置やハンドミキサー等の混合機を用いて、所定量の水とセルフレベリング材とを混合することにより行うことができる。また、施工面積が200m2を超えるような大規模な現場では、例えば特開2007−326352号公報の図1に示されるような連続的に所定量の水とセルフレベリング材とを混合して、連続的にセルフレベリング材スラリーを調製できるローリー車を使用することができる。調製されたセルフレベリング材スラリーは、セルフレベリング材用プライマー層12の上面に打設される。
本発明では、速硬性及び水平レベル性に優れるセルフレベリング材を選択して使用する。
本発明で使用するセルフレベリング材は、優れた施工効率を実現するためにアルミナセメントを含む水硬性成分と細骨材とを含むセルフレベリング材を使用する。
さらにセルフレベリング材としては、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分と、樹脂粉末とを含むセルフレベリング材を好適に使用することができる。
本発明で使用するセルフレベリング材は、優れた施工効率を実現するためにアルミナセメントを含む水硬性成分と細骨材とを含むセルフレベリング材を使用する。
さらにセルフレベリング材としては、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分と、樹脂粉末とを含むセルフレベリング材を好適に使用することができる。
アルミナセメントとしては、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されているが、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であり、市販品はその種類によらず使用することができる。
ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの混合セメントなどを用いるができる。
石膏は、無水石膏、半水石膏、二水石膏等の各石膏がその種類を問わず、1種又は2種以上の混合物として使用できる。
石膏は、自己流動性水硬性組成物と水とを混練して得られるスラリーが硬化した後の寸法安定性を保持する成分として機能するものである。
石膏は、自己流動性水硬性組成物と水とを混練して得られるスラリーが硬化した後の寸法安定性を保持する成分として機能するものである。
本発明では、水硬性成分として、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を用いることが好ましい。
水硬性成分(アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計は100質量%である。)は、好ましくはアルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%からなる組成、さらに好ましくはアルミナセメント25〜70質量%、ポルトランドセメント10〜60質量%及び石膏10〜40質量%からなる組成、より好ましくはアルミナセメント30〜60質量%、ポルトランドセメント20〜50質量%及び石膏15〜35質量%、特に好ましくはアルミナセメント40〜50質量%、ポルトランドセメント30〜40質量%及び石膏20〜30質量%からなる組成を用いることにより、急硬性を有し、低収縮性又は低膨張性で硬化中の体積変化が少ない硬化体を得られやすいために好ましい。
水硬性成分(アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏の合計は100質量%である。)は、好ましくはアルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%からなる組成、さらに好ましくはアルミナセメント25〜70質量%、ポルトランドセメント10〜60質量%及び石膏10〜40質量%からなる組成、より好ましくはアルミナセメント30〜60質量%、ポルトランドセメント20〜50質量%及び石膏15〜35質量%、特に好ましくはアルミナセメント40〜50質量%、ポルトランドセメント30〜40質量%及び石膏20〜30質量%からなる組成を用いることにより、急硬性を有し、低収縮性又は低膨張性で硬化中の体積変化が少ない硬化体を得られやすいために好ましい。
細骨材としては、粒径2mm以下の骨材、好ましくは粒径0.075〜1.5mmの骨材、さらに好ましくは粒径0.88〜1mmの骨材、特に好ましくは0.1〜0.6mmの骨材を主成分としていることが好ましい。
細骨材の種類は、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂類、アルミナクリンカー、シリカ粉、粘土鉱物、廃FCC触媒、石灰石などの無機材料、ウレタン砕、EVAフォーム、発砲樹脂などの樹脂粉砕物などを用いることができる。
特に細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂類、廃FCC触媒、石英粉末、アルミナクリンカーなどが好ましく用いることが出来る。
細骨材の粒径は、JIS Z 8801に規定される呼び寸法の異なる数個のふるいを用いて測定する。
特に細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂類、廃FCC触媒、石英粉末、アルミナクリンカーなどが好ましく用いることが出来る。
細骨材の粒径は、JIS Z 8801に規定される呼び寸法の異なる数個のふるいを用いて測定する。
細骨材は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは30〜500質量部、より好ましくは40〜400質量部、さらに好ましくは60〜300質量部、特に好ましくは80〜150質量部の範囲が好ましい。
本発明のコンクリート床構造体の施工方法に用いるセルフレベリング材は、硬化体層の乾燥クラックを防止して、硬化体の通気性を大幅に低下させる効果を有し、硬化体の引張り強度がより高まり、さらに、板状仕上げ材の張り付けに用いる張り付けモルタルおよびコンクリート下地との間に高い接着強度が得られることから樹脂粉末を使用することが好ましい。
本発明で用いるセルフレベリング材では、構成成分の配合比率を厳格に品質管理できることから構成成分をプレミックス化して供給することが好ましい。このため使用する樹脂粉末についても粉末状の再乳化樹脂粉末であることが好ましい。
樹脂粉末は、乾燥によって発生する収縮応力がひび割れ発生に繋がる過程で、ひび割れの発生に対する抵抗性を向上させる効果と、特に硬化体組織や硬化体表面を緻密化して接着強度を高める効果がある。
本発明で用いるセルフレベリング材では、構成成分の配合比率を厳格に品質管理できることから構成成分をプレミックス化して供給することが好ましい。このため使用する樹脂粉末についても粉末状の再乳化樹脂粉末であることが好ましい。
樹脂粉末は、乾燥によって発生する収縮応力がひび割れ発生に繋がる過程で、ひび割れの発生に対する抵抗性を向上させる効果と、特に硬化体組織や硬化体表面を緻密化して接着強度を高める効果がある。
樹脂粉末としては、樹脂の粉末化方法などの製法については特にその種類は限定されず、公知の製造方法で製造されたものを用いることができ、また樹脂粉末としては、ブロッキング防止剤を主に樹脂粉末の表面に付着しているものを用いることができる。
樹脂粉末は、水性ポリマーディスパージョンを噴霧やフリーズドライなどの方法で、溶媒を除去し乾燥した再乳化型の樹脂粉末を用いることが好ましい。
樹脂粉末は、水性ポリマーディスパージョンを噴霧やフリーズドライなどの方法で、溶媒を除去し乾燥した再乳化型の樹脂粉末を用いることが好ましい。
粉末樹脂としては、ポリアクリル酸エステル樹脂系、スチレンブタジエン合成ゴム系、又は酢酸ビニルベオバアクリル共重合系のものを使用することができ、特に、酢酸ビニルベオバアクリル共重合系の再乳化型樹脂粉末やアクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合系の再乳化型樹脂粉末を好適に用いることができる。
樹脂粉末の粒子径は、315μmふるい上残分が3%以下、さらに300μmふるい上残分が3%以下、特にさらに300μmふるい上残分が2%以下のものを好ましく用いることが出来る。
樹脂粉末は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは2〜10質量部、特に好ましくは3〜8質量部を配合したものを用いることができる。
粉末樹脂の割合が、上記範囲より大きい場合、水を加えて得られるスラリーの粘度が高くなり施工性が低下するとともに、硬化体の圧縮強度が低下する傾向がある。また、上記範囲より小さい場合には、硬化体の引張り強度の向上効果、通気性の低減効果が小さくなる傾向がある。
粉末樹脂の割合が、上記範囲より大きい場合、水を加えて得られるスラリーの粘度が高くなり施工性が低下するとともに、硬化体の圧縮強度が低下する傾向がある。また、上記範囲より小さい場合には、硬化体の引張り強度の向上効果、通気性の低減効果が小さくなる傾向がある。
本発明のコンクリート床構造体の施工方法に用いるセルフレベリング材は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分、細骨材および樹脂粉末を含み、さらに無機粉末、凝結調整剤、流動化剤、増粘剤及び消泡剤を含むことが好ましい。
本発明で用いるセルフレベリング材は、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、炭酸カルシウム微粉末及びドロマイト微粉末から選ばれる少なくとも1種以上の無機成分を含むことが好ましく、特に高炉スラグ微粉末を含むことにより、乾燥収縮による硬化体の耐クラック性を高めることができる。
セルフレベリング材において、無機成分の添加量は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは10〜200質量部、より好ましくは20〜150質量部、さらに好ましくは30〜130質量部、特に好ましくは40〜100質量部とするのが好ましい。
セルフレベリング材において、高炉スラグ微粉末の添加量は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは10〜200質量部、より好ましくは20〜150質量部、さらに好ましくは30〜130質量部、特に好ましくは40〜100質量部とすることが好ましい。高炉スラグ微粉末の添加量が、少なすぎると硬化体の乾燥収縮が大きくなり、多すぎると初期強度の低下を招くことがある。
高炉スラグ微粉末は、JIS A 6206に規定されるブレーン比表面積3000cm2/g以上のものを用いることができる。
高炉スラグ微粉末は、JIS A 6206に規定されるブレーン比表面積3000cm2/g以上のものを用いることができる。
セルフレベリング材は、材料分離を抑制しつつ好適な流動性を確保する流動化剤(高性能減水剤などの減水剤)を用いる。
水硬性成分であるアルミナセメントの発現強度は、水/セメント比の影響を大きく受けることから、減水効果を有する流動化剤を使用して水/水硬性成分比を小さくすることが特に好ましい。
水硬性成分であるアルミナセメントの発現強度は、水/セメント比の影響を大きく受けることから、減水効果を有する流動化剤を使用して水/水硬性成分比を小さくすることが特に好ましい。
流動化剤としては、減水効果を合わせ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリエーテル系等、ポリエーテルポリカルボン酸などの市販の流動化剤が、その種類を問わず使用でき、特にポリエーテル系等、ポリエーテルポリカルボン酸などの市販の流動化剤が好ましい。
流動化剤は、使用する水硬性成分に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、水硬性成分100質量部に対して好ましくは0.01〜2.0質量部、さらに好ましくは0.02〜1.0質量部、特に好ましくは0.05〜0.5質量部を配合することができる。添加量が余り少ないと好適な効果(優れた流動性と高い硬化体強度)を発現せず、また添加量が多すぎても添加量に見合った効果は期待できず単に不経済であるだけでなく、場合によっては粘稠性も大きくなり所要の流動性を得るための混練水量が増大して強度性状が悪化する場合が考えられる。
凝結調整剤は、使用する水硬性成分やセルフレベリング材の構成成分に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、凝結遅延剤及び凝結促進剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、セルフレベリング材の可使時間と速硬性・速乾性とを調整することができ、セルフレベリング材としての使用が非常に容易になるため好ましい。
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることが出来る。凝結遅延剤の一例として、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム類(酒石酸一ナトリウム、酒石酸二ナトリウム)、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム類、グルコン酸ナトリウムなどの有機酸など、無機ナトリウム塩や有機ナトリウム塩などのナトリウム塩、オキシカルボン酸類などを、それぞれの成分を単独で又は2種以上の成分を併用して用いることが出来る。
オキシカルボン酸類は、オキシカルボン酸及びこれらの塩を含む。
オキシカルボン酸としては、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸などの脂肪族オキシ酸、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等の芳香族オキシ酸等を挙げることができる。
オキシカルボン酸の塩としては、例えばオキシカルボン酸のアルカリ金属塩(具体的にはナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(具体的にはカルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩など)などを挙げることができる。
特に重炭酸ナトリウムや酒石酸二ナトリウムは、凝結遅延効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
オキシカルボン酸としては、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸などの脂肪族オキシ酸、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等の芳香族オキシ酸等を挙げることができる。
オキシカルボン酸の塩としては、例えばオキシカルボン酸のアルカリ金属塩(具体的にはナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(具体的にはカルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩など)などを挙げることができる。
特に重炭酸ナトリウムや酒石酸二ナトリウムは、凝結遅延効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
凝結遅延剤は、1種または2種類以上を用いる場合、それぞれの凝結遅延剤の添加量が水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.5質量部であり、より好ましくは0.1〜1.2質量部、さらに好ましくは0.2〜1.1質量部、特に好ましくは0.25〜1.0質量部の範囲で用いることにより好適な流動性が得られる可使時間(ハンドリングタイム)を確保できることから好ましい。
凝結促進剤としては、公知の凝結を促進する成分を用いることが出来、例えば、凝結促進効果を有するリチウム塩を好適に用いることが出来る。
リチウム塩の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウムなどの無機リチウム塩や、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウムなどの有機酸リチウム塩などのリチウム塩を用いることが出来る。特に炭酸リチウムは、凝結促進効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
リチウム塩の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウムなどの無機リチウム塩や、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウムなどの有機酸リチウム塩などのリチウム塩を用いることが出来る。特に炭酸リチウムは、凝結促進効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
凝結促進剤は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.01〜0.5質量部、さらに好ましくは0.02〜0.3質量部、特に好ましくは0.02〜0.2質量部の範囲で用いることによって、セルフレベリング材の可使時間を確保したのち好適な速硬性・速乾性が得られることから好ましい。
増粘剤は、ヒドロキシエチルメチルセルロースを含み、ヒドロキシエチルメチルセルロースを除く他のセルロース系、蛋白質系、ラテックス系、及び水溶性ポリマー系などの増粘剤を併用して用いることが出来る。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部、特に0.05〜0.8質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、スラリー粘度が増加して流動性の低下を招く恐れがあるために上記の好ましい範囲で用いることが好ましい。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部、特に0.05〜0.8質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、スラリー粘度が増加して流動性の低下を招く恐れがあるために上記の好ましい範囲で用いることが好ましい。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、水硬性成分や細骨材などの骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、セルフレベリング材の硬化物の特性を向上させる上で好ましい。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテル系などの合成物質又は植物由来の天然物質など、公知のものを1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、1種類の消泡剤を用いる場合、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜3.0質量部、さらに好ましくは0.005〜2.5質量部、より好ましくは0.01〜2.0質量部、特に0.02〜1.8質量部含むことが好ましい。消泡剤の添加量は、上記範囲内が、好適な消泡効果が認められるために好ましい。
また、2種類以上の消泡剤を併用する場合の消泡剤の添加量は、それぞれの消泡剤の添加量が水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、より好ましくは0.01〜1.3質量部、特に0.02〜1.2質量部含むことが好ましい。消泡剤の添加量は、上記範囲内が、好適な消泡効果が認められるために好ましい。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、1種類の消泡剤を用いる場合、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜3.0質量部、さらに好ましくは0.005〜2.5質量部、より好ましくは0.01〜2.0質量部、特に0.02〜1.8質量部含むことが好ましい。消泡剤の添加量は、上記範囲内が、好適な消泡効果が認められるために好ましい。
また、2種類以上の消泡剤を併用する場合の消泡剤の添加量は、それぞれの消泡剤の添加量が水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、より好ましくは0.01〜1.3質量部、特に0.02〜1.2質量部含むことが好ましい。消泡剤の添加量は、上記範囲内が、好適な消泡効果が認められるために好ましい。
セルフレベリング材を構成する場合に、特に好適な成分構成は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分、珪砂などの細骨材、粉末樹脂、無機成分、流動化剤、増粘剤、消泡剤及び凝結調整剤を含むものである。
水硬性成分及び細骨材、樹脂粉末、無機成分、流動化剤、増粘剤、消泡剤及び凝結調整剤などを混合機で混合し、セルフレベリング材のプレミックス粉体を得ることができる。
セルフレベリング材のプレミックス粉体は、所定量の水と混合・攪拌して、スラリー状のセルフレベリング性を有するスラリー(モルタル)を製造することができ、そのスラリーを硬化させてセルフレベリング材の硬化体を得ることができる。
施工面積が大きい現場では、例えば特開2007−326352号(図1)に示されるようなセルフレベリング材を貯蔵するタンクを備えたセルフレベリング材スラリー調製・施工用トラックを使用することが好ましく、セルフレベリング材のスラリーを連続的に調製して、施工箇所へ連続的に供給して施工できることから、施工効率および施工品質の観点からさらに優れたセルフレベリング材硬化体を得ることが出来る。
セルフレベリング材スラリー調製・施工用トラックを好適に適用できる施工面積としては、好ましくは200m2以上の施工面積を有する現場、さらに好ましくは400m2以上の施工面積を有する現場、特に好ましくは500m2以上の施工面積を有する現場である。このような大面積の現場にセルフレベリング材スラリーを施工する場合に、前記トラックを用いることで施工効率の高さが顕著となり、次工程である板状仕上げ材の施工への移行期間を大幅に短縮することができる。
セルフレベリング材は、水と混合・攪拌してスラリー(モルタル)を製造することができ、水の添加量を調整することにより、スラリー(モルタル)の流動性、可使時間、材料分離性、スラリー(モルタル)硬化体の強度などを調整することができる。
本発明で用いるセルフレベリング材スラリーは、セルフレベリング材(C)と水(W)とを質量比(W/C)が好ましくは0.16〜0.28の範囲、さらに好ましくは0.18〜0.26の範囲、より好ましくは、0.19〜0.25の範囲、特に好ましくは0.20〜0.24の範囲になるように配合して混練することが好ましい。
本発明で用いるセルフレベリング材スラリーは、セルフレベリング材(C)と水(W)とを質量比(W/C)が好ましくは0.16〜0.28の範囲、さらに好ましくは0.18〜0.26の範囲、より好ましくは、0.19〜0.25の範囲、特に好ましくは0.20〜0.24の範囲になるように配合して混練することが好ましい。
本発明で使用するセルフレベリング材は、水と混合して調製したセルフレベリング性(自己流動性)を有するスラリー(モルタル)のフロー値が、好ましくは190〜270mm、さらに好ましくは200〜260mm、特に好ましくは210〜255mmに調整されていることが、施工の容易さ及び平滑性の高い硬化体表面を得られやすいという理由により好ましい。
セルフレベリング材スラリーの施工厚さは、コンクリート床表面の凹凸状態やコンクリート床面の傾斜状態によって異なり、個々の施工現場毎に適宜厚さを設定することができ、床スラブ面の最も凸部分上面を基準にして、好ましくは施工厚さ2mm〜70mmの範囲、さらに好ましくは施工厚さ2.5mm〜50mmの範囲、より好ましくは施工厚さ3mm〜40mmの範囲、特に好ましくは施工厚さ3.5mm〜30mmの範囲で流し込み施工することが好ましい。
セルフレベリング材スラリーを床スラブ面の最も凸部分上面を基準にして2mm〜5mmの高さまで薄く施工する場合は、前記スラリーを流し込み施工しながら、スパイクローラー、とんぼ、コテなどを用いてスラリーを均等に広げる操作を行い、床スラブ全体に薄層で高い水平レベルの前記スラリーを形成することが好ましい。
セルフレベリング材スラリーを床スラブ面の最も凸部分上面を基準にして5mm〜70mmの高さまで厚く施工する場合には、前記スラリーを流し込み施工しながら、とんぼなどを用いてスラリーが均等に広がるように補助的な操作を行い、床スラブ全体に厚層で高い水平レベルの前記スラリーを形成することが好ましい。
本発明で用いるセルフレベリング材スラリーは、良好な施工性を確保するために充分な可使時間(ハンドリングタイム)を有している。
セルフレベリング材スラリーの可使時間は、スラリー調製から好ましくは60分間であり、さらに好ましくは50分間であり、特に好ましくは40分間である。
セルフレベリング材スラリーの可使時間は、スラリー調製から好ましくは60分間であり、さらに好ましくは50分間であり、特に好ましくは40分間である。
セルフレベリング材スラリーは、施工場所の温度や湿度の条件にもよるが、施工終了後1.5時間を超えると硬化を開始し、硬化の進行に伴って硬化体の表面硬度が上昇し、硬化体表面の含水量が低下する。
セルフレベリング材スラリー硬化体表面のショア硬度は、スラリーの打設(施工)から好ましくは2時間後に10以上、さらに好ましくは2時間後に15以上、より好ましくは2時間後に20以上、特に好ましくは2時間後に25以上のショア硬度を発現する。
また、セルフレベリング材スラリー硬化体表面のショア硬度は、スラリーの打設(施工)から好ましくは6時間後に50以上、さらに好ましくは4時間後に50以上、より好ましくは3.5時間後に50以上、特に好ましくは3時間後に50以上のショア硬度を発現する。
セルフレベリング材スラリー硬化体が、前記のような優れたショア硬度を短時間に発現することにより、次工程である張り付けモルタルを用いた板状仕上げ材の敷設工程に速やかに移行することが可能となる。
セルフレベリング材スラリー硬化体が、前記のような優れたショア硬度を短時間に発現することにより、次工程である張り付けモルタルを用いた板状仕上げ材の敷設工程に速やかに移行することが可能となる。
セルフレベリング材スラリー硬化体表面は、コンクリート床上面15m2の面積に打設施工した場合の水平レベル性(スラリー硬化体表面の最も高い部分と最も低い部分との差)が、好ましくは5.0mm以下、さらに好ましくは4.5mm以下、より好ましくは4.0mm以下、特に好ましくは3.5mm以下であることが好ましい。スラリー硬化体表面が前記のような高い水平レベル性を有することにより、セルフレベリング材スラリー硬化体の上面に板状仕上げ材を敷設する作業が、容易でかつ効率的なものとなりさらに、板状仕上げ材を敷設仕上げした床面全体の板状仕上げ材表面の水平レベルを一定に保つことができる。
本発明では、セルフレベリング材スラリー硬化体の上面に、図1(X−4)に示すように張り付けモルタル14を用いて、石材或いはタイルなどの板状仕上げ材15を敷設し、板状仕上げ材15の水平レベル性を微調整して図1(X−5)に示すようなコンクリート床構造体を形成する。
セルフレベリング材スラリー硬化体の上面および/または板状仕上げ材の裏面に塗りつける張付けモルタルは、特に限定されるものではなく、一般に市販されている石材張付け施工用モルタルやタイル張付け施工用モルタル、或いは石材やタイル張付け用ポリマーセメントモルタルなどから適宜選択して用いることができる。
セルフレベリング材スラリー硬化体の上面および/または板状仕上げ材の裏面に塗りつける張付けモルタルは、特に限定されるものではなく、一般に市販されている石材張付け施工用モルタルやタイル張付け施工用モルタル、或いは石材やタイル張付け用ポリマーセメントモルタルなどから適宜選択して用いることができる。
セルフレベリング材スラリー硬化体の上面または板状仕上げ材の裏面に張付けモルタルを塗り付ける場合、張付けモルタルの塗り付けの厚さは、好ましくは2〜20mmの厚さ、さらに好ましくは3〜14mmの厚さ、特に好ましくは4〜10mmの厚さの範囲で、均一な厚さになるように塗り付けことが好ましい。
また、セルフレベリング材スラリー硬化体の上面および板状仕上げ材の裏面に張付けモルタルを塗り付ける場合、張付けモルタルの塗り付けの厚さは、それぞれ好ましくは1〜10mmの厚さ、さらに好ましくは1.5〜7mmの厚さ、特に好ましくは3〜5mmの厚さの範囲で、均一な厚さになるように塗り付けることが好ましい。
特に、板状仕上げ材の裏面に張付けモルタルを確実に付着させて、板状仕上げ材の裏面に空気を残存させず、さらにセルフレベリング材スラリー硬化体と板状仕上げ材とを強固に一体化できることから、セルフレベリング材スラリー硬化体の上面と板状仕上げ材の裏面とに張付けモルタルを塗り付けることが特に好ましい。
また、本発明では、張付けモルタルを用いて板状仕上げ材を敷設する下地層を、高い水平レベル性が得られるセルフレベリング材スラリーを用いて形成しているため、張付けモルタル層を薄くできるとともに、板状仕上げ材の水平レベル調整が微調整でよく、水平レベル調整に係る煩雑な作業が解消されて高い作業効率が得られるのみならず、板状仕上げ材を敷設した床面全体について高い水平レベル性を得ることができる。
本発明では、コンクリート床構造体の表面仕上げ材として、石材やタイルなどの板状仕上げ材を用いる。
板状仕上げ材としては、石材やタイルなどの板状の建築仕上げ材を使用できる。
石材としては、特に限定されるものではなく、大理石や花崗岩等の天然石をたての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、石板の厚さが3〜20mmに切断した板状の石材を適宜選択して用いることができる。
タイルについても特にその製法や種類について限定されるものではなく、陶磁器タイルや陶板などを好適に使用することができ、タイルの寸法については、たての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、タイルの厚さが3〜20mmのものを適宜選択して用いることができる。
また、本発明では、石材やタイルなどの板状仕上げ材の敷設を終了し、張付けモルタルが硬化したのち、目地モルタルなどの各種目地材を用いて、板状仕上げ材の隙間を充填して仕上げることが好ましい。
板状仕上げ材としては、石材やタイルなどの板状の建築仕上げ材を使用できる。
石材としては、特に限定されるものではなく、大理石や花崗岩等の天然石をたての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、石板の厚さが3〜20mmに切断した板状の石材を適宜選択して用いることができる。
タイルについても特にその製法や種類について限定されるものではなく、陶磁器タイルや陶板などを好適に使用することができ、タイルの寸法については、たての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、タイルの厚さが3〜20mmのものを適宜選択して用いることができる。
また、本発明では、石材やタイルなどの板状仕上げ材の敷設を終了し、張付けモルタルが硬化したのち、目地モルタルなどの各種目地材を用いて、板状仕上げ材の隙間を充填して仕上げることが好ましい。
以下、本発明について実施例に基づいて詳細に説明する。但し、本発明は下記の実施例により制限されるものでない。
(特性の評価方法)
(1)セルフレベリング材スラリーの流動性評価:
・フロー値の測定法:
JASS・15M−103に準拠して測定する。厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの樹脂製パイプ(内容積100ml)を設置し、練り混ぜたセルフレベリング材スラリーを樹脂製パイプの上端まで充填した後、パイプを鉛直方向に引き上げる。スラリーの広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とし、スラリーの流動性を評価する。
・SL値の測定方法:
SL値は、図4に示すSL測定器を使用し、幅30mm×高さ30mm×長さ750mmのレールに、先端より長さ150mmのところに堰板を設け、混練直後のスラリーを所定量満たして成形する。成形直後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL0とし、堰板より200mm流れる時間を測定し、その測定時間をSL流動速度(L0)(秒/200mm)とする。
同様に成形後20分又は30分後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL20又はL30とし、堰板より200mm流れる時間を測定してその測定時間をそれぞれSL流動速度(L20、L30)(秒/200mm)とする。
・評価条件は、温度20℃、湿度65%の環境下で行う。
(1)セルフレベリング材スラリーの流動性評価:
・フロー値の測定法:
JASS・15M−103に準拠して測定する。厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの樹脂製パイプ(内容積100ml)を設置し、練り混ぜたセルフレベリング材スラリーを樹脂製パイプの上端まで充填した後、パイプを鉛直方向に引き上げる。スラリーの広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とし、スラリーの流動性を評価する。
・SL値の測定方法:
SL値は、図4に示すSL測定器を使用し、幅30mm×高さ30mm×長さ750mmのレールに、先端より長さ150mmのところに堰板を設け、混練直後のスラリーを所定量満たして成形する。成形直後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL0とし、堰板より200mm流れる時間を測定し、その測定時間をSL流動速度(L0)(秒/200mm)とする。
同様に成形後20分又は30分後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL20又はL30とし、堰板より200mm流れる時間を測定してその測定時間をそれぞれSL流動速度(L20、L30)(秒/200mm)とする。
・評価条件は、温度20℃、湿度65%の環境下で行う。
(2)セルフレベリング材スラリー硬化体の表面特性の評価:
・ショア硬度の測定法:
セルフレベリング材スラリー流し込み後から所定の経過時間において、硬化した表面にスプリング式硬度計タイプD型(上島製作所製)を用いて任意の3〜5カ所に垂直に押し付ける。その時のスプリング式硬度計タイプD型のゲージの読み取り値の平均値をその時間のショア硬度とし表面硬度を評価する。
・引っかき強さの測定法:
セルフレベリング材スラリー流し込み後から所定の経過時間において、硬化した表面を引っかき試験器(日本建築仕上学会式日本塗り床工業会認定品)を用いて任意の3〜5カ所に、定規に沿って2cm/秒の速さで約10cmの長さの引っかき傷をつける。荷重1.0kgでの引っかき傷幅をクラックスケールおよびルーペを用いて測定し、その時間の引っかき強さとし表面硬度を評価する。
・硬化体表面の性状:
スラリー硬化体表面の性状は、セルフレベリング材スラリーを、13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ10mmで流し込んで硬化させ、材齢24時間時点で、粉化及び微細な凹凸の有無を目視で観察することで評価した。評価は以下の通りとする。
評価条件は、温度20℃、湿度65%の環境下で行う。
○:無し、×:有り。
・ショア硬度の測定法:
セルフレベリング材スラリー流し込み後から所定の経過時間において、硬化した表面にスプリング式硬度計タイプD型(上島製作所製)を用いて任意の3〜5カ所に垂直に押し付ける。その時のスプリング式硬度計タイプD型のゲージの読み取り値の平均値をその時間のショア硬度とし表面硬度を評価する。
・引っかき強さの測定法:
セルフレベリング材スラリー流し込み後から所定の経過時間において、硬化した表面を引っかき試験器(日本建築仕上学会式日本塗り床工業会認定品)を用いて任意の3〜5カ所に、定規に沿って2cm/秒の速さで約10cmの長さの引っかき傷をつける。荷重1.0kgでの引っかき傷幅をクラックスケールおよびルーペを用いて測定し、その時間の引っかき強さとし表面硬度を評価する。
・硬化体表面の性状:
スラリー硬化体表面の性状は、セルフレベリング材スラリーを、13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ10mmで流し込んで硬化させ、材齢24時間時点で、粉化及び微細な凹凸の有無を目視で観察することで評価した。評価は以下の通りとする。
評価条件は、温度20℃、湿度65%の環境下で行う。
○:無し、×:有り。
(3)セルフレベリング材スラリー硬化体の圧縮強度(N/mm2)および曲げ強度(N/mm2)の評価:
・JIS・R−5201に示される4×4×16cmの型枠に生成スラリーを型詰めして、温度20℃、湿度65%で24時間気中養生した後、脱型し、さらに気中で所定期間(7日、28日)追加養生して成型体を得る。成型体は、JIS・R−5201記載の方法に従い測定する。
・JIS・R−5201に示される4×4×16cmの型枠に生成スラリーを型詰めして、温度20℃、湿度65%で24時間気中養生した後、脱型し、さらに気中で所定期間(7日、28日)追加養生して成型体を得る。成型体は、JIS・R−5201記載の方法に従い測定する。
(使用材料):以下の材料を使用した。
1)セルフレベリング材用プライマー : 宇部興産社製、UプライマーQ
2)セルフレベリング材 : 下記の原材料を表1に示す配合割合で混合したセルフレベリング材を使用した。
・アルミナセメント : フォンジュ、ケルネオス社製、ブレーン比表面積3100cm2/g。
・ポルトランドセメント : 早強セメント、宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4500cm2/g。
・石膏 : II型無水石膏、セントラル硝子社製、ブレーン比表面積3460cm2/g。
・細骨材 : 珪砂:6号珪砂。
・無機成分 : 高炉スラグ微粉末、リバーメント、千葉リバーメント社製、ブレーン比表面積4400cm2/g。
・樹脂粉末 : 酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステルの共重合体、ニチゴー・モビニール社製、DM2071P。
・凝結調整剤a : 重炭酸ナトリウム、東ソー社製。
・凝結調整剤b : L−酒石酸二ナトリウム、扶桑化学工業社製。
・凝結調整剤c : 炭酸リチウム、本荘ケミカル社製。
・流動化剤 : ポリカルボン酸系流動化剤、花王社製。
・増粘剤 : ヒドロキシエチルメチルセルロース系増粘剤、マーポローズMX−30000、松本油脂社製。
・消泡剤a : ポリエーテル系消泡剤、サンノプコ社製。
・消泡剤b : ポリエーテル系消泡剤、ADEKA社製。
3)張り付けモルタル
・張り付けモルタル: 日本化成株式会社製、NSタイルセメント、T−3。
4)板状仕上げ材
・石板 : 天然大理石、寸法:400×400×10mm、市販品。
1)セルフレベリング材用プライマー : 宇部興産社製、UプライマーQ
2)セルフレベリング材 : 下記の原材料を表1に示す配合割合で混合したセルフレベリング材を使用した。
・アルミナセメント : フォンジュ、ケルネオス社製、ブレーン比表面積3100cm2/g。
・ポルトランドセメント : 早強セメント、宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4500cm2/g。
・石膏 : II型無水石膏、セントラル硝子社製、ブレーン比表面積3460cm2/g。
・細骨材 : 珪砂:6号珪砂。
・無機成分 : 高炉スラグ微粉末、リバーメント、千葉リバーメント社製、ブレーン比表面積4400cm2/g。
・樹脂粉末 : 酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステルの共重合体、ニチゴー・モビニール社製、DM2071P。
・凝結調整剤a : 重炭酸ナトリウム、東ソー社製。
・凝結調整剤b : L−酒石酸二ナトリウム、扶桑化学工業社製。
・凝結調整剤c : 炭酸リチウム、本荘ケミカル社製。
・流動化剤 : ポリカルボン酸系流動化剤、花王社製。
・増粘剤 : ヒドロキシエチルメチルセルロース系増粘剤、マーポローズMX−30000、松本油脂社製。
・消泡剤a : ポリエーテル系消泡剤、サンノプコ社製。
・消泡剤b : ポリエーテル系消泡剤、ADEKA社製。
3)張り付けモルタル
・張り付けモルタル: 日本化成株式会社製、NSタイルセメント、T−3。
4)板状仕上げ材
・石板 : 天然大理石、寸法:400×400×10mm、市販品。
(セルフレベリング材のスラリー調製)
室温20℃、相対湿度65%の条件下で、表1に示す配合割合で調製したセルフレベリング材と水とを、実施例1についてはセルフレベリング材100質量部に対して水22質量部の割合でそれぞれ配合し、参考例1についてはセルフレベリング材100質量部に対して水26質量部の割合で配合し、回転数650rpmのケミスターラーを用いて3分間混練して、セルフレベリング材スラリーを調製した。
室温20℃、相対湿度65%の条件下で、表1に示す配合割合で調製したセルフレベリング材と水とを、実施例1についてはセルフレベリング材100質量部に対して水22質量部の割合でそれぞれ配合し、参考例1についてはセルフレベリング材100質量部に対して水26質量部の割合で配合し、回転数650rpmのケミスターラーを用いて3分間混練して、セルフレベリング材スラリーを調製した。
[実施例1、参考例1]
表1に示す成分を配合したセルフレベリング材を用いてセルフレベリング材スラリーを調製した。スラリーの流動性(フロー値、SL値)の測定結果を表2に示す。
表1に示す成分を配合したセルフレベリング材を用いてセルフレベリング材スラリーを調製した。スラリーの流動性(フロー値、SL値)の測定結果を表2に示す。
室温20℃、相対湿度65%の条件下で、JIS・A5304舗装用コンクリート平板に規定する300mm×300mm×60mmのコンクリート平板にセルフレベリング材用プライマーの3倍液(原液150質量部に対して水300質量部の割合で希釈したもの)を塗布(450g/m2)して乾燥した。プライマー造膜後、セルフレベリング材スラリーを施工厚さが10mmになるよう流し込んで硬化させ、セルフレベリング材スラリー硬化体層を得た。スラリー硬化体の表面硬度(ショア硬度)、引っかき強さ及び表面性状を評価した結果を表3に示す。
また、前記2種類の配合のセルフレベリング材スラリーを、JIS・R−5201に示される4×4×16cmの型枠に型詰めして、圧縮強度及び曲げ強度測定のための供試体を得た。スラリー硬化体の圧縮強度及び曲げ強度を評価した結果を表3に示す。
[実施例2]
図2に示す3m×5mのコンクリート床面に、セルフレベリング材を用いて下地層を形成したのち、張り付けモルタルにより石板(400×400×10mm)を張り付ける施工実験を行い、石板敷設時の施工性・施工効率と、石板仕上げコンクリート構造体の水平レベル性の評価を行った。
まず、セルフレベリング材スラリーを施工する前のコンクリート床面(3m×5m)について、中央部にレーザー水準計を配置(基点A)し、基点Aに配置したレーザー水準計のレーザー水準(基準高さ)と、14ヵ所の床表面との距離を測定した。結果は図2(a)示すとおり、測定点14ヵ所の最大高低差は15mmであった。
次に、コンクリート床面(3m×5m)の周囲にスポンジテープを用いて高さ30mmの堰を設け、セルフレベリング材用プライマーを塗布施工して乾燥させたのち、実施例1に示すセルフレベリング材を用いて調製したスラリーを、最も施工厚さが薄い箇所で10mmの厚さになるように流し込み施工して硬化させた。スラリー施工から2時間後に、セルフレベリング材スラリー硬化体の水平レベル性を評価するため、先と同様に、中央部にレーザー水準計を配置(基点B)し、基点Bに配置したレーザー水準計のレーザー水準(基準高さ)と、14ヵ所の床表面との距離を測定した。結果は図2(b)示すとおり、測定点14ヵ所の最大高低差は3mmであった。
なお、レーザー水準計は、マキタ社製屋内専用レーザー墨出し器SK11を使用した。
図2に示す3m×5mのコンクリート床面に、セルフレベリング材を用いて下地層を形成したのち、張り付けモルタルにより石板(400×400×10mm)を張り付ける施工実験を行い、石板敷設時の施工性・施工効率と、石板仕上げコンクリート構造体の水平レベル性の評価を行った。
まず、セルフレベリング材スラリーを施工する前のコンクリート床面(3m×5m)について、中央部にレーザー水準計を配置(基点A)し、基点Aに配置したレーザー水準計のレーザー水準(基準高さ)と、14ヵ所の床表面との距離を測定した。結果は図2(a)示すとおり、測定点14ヵ所の最大高低差は15mmであった。
次に、コンクリート床面(3m×5m)の周囲にスポンジテープを用いて高さ30mmの堰を設け、セルフレベリング材用プライマーを塗布施工して乾燥させたのち、実施例1に示すセルフレベリング材を用いて調製したスラリーを、最も施工厚さが薄い箇所で10mmの厚さになるように流し込み施工して硬化させた。スラリー施工から2時間後に、セルフレベリング材スラリー硬化体の水平レベル性を評価するため、先と同様に、中央部にレーザー水準計を配置(基点B)し、基点Bに配置したレーザー水準計のレーザー水準(基準高さ)と、14ヵ所の床表面との距離を測定した。結果は図2(b)示すとおり、測定点14ヵ所の最大高低差は3mmであった。
なお、レーザー水準計は、マキタ社製屋内専用レーザー墨出し器SK11を使用した。
次に、板状仕上げ材の施工性、施工効率および水平レベル性を評価した。セルフレベリング材を用いて調製したスラリーを流し込み施工してから3時間後に、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面と板状仕上げ材の裏面とに張り付けモルタルを3mm±1mm塗り付けながら、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面の端から順に水平レベルを微調整しながら、石板(板状仕上げ材)と石板(板状仕上げ材)の間に5mmの目地部を設けるようにして敷設した。
実施例2で施工したコンクリート床構造体の模式図を図3に示す。石板(板状仕上げ材)の施工性は、極めて良好であり、効率的に敷設作業を終了することができた。また、石板(板状仕上げ材)を敷設したコンクリート床構造体の表面状態は、良好な水平性を有していた。
本発明は、速硬性と水平レベル性とを有するアルミナセメントを含む特定のセルフレベリング材を用いることにより、熟練した技術を持たない左官職人やタイル職人でも、板状仕上げ材を用いた水平レベル性に優れるコンクリート床構造体を容易にかつ効率的に形成することができるコンクリート床構造体の施工方法とその施工方法により得られるコンクリート床構造体である。
11 : コンクリート床構造体
12 : セルフレベリング材用プライマー層
13 : セルフレベリング材スラリー硬化体層
14 : 張り付けモルタル
15 : 板状仕上げ材
16 : モルタル
17 : 高さ調整器具(木槌など)
12 : セルフレベリング材用プライマー層
13 : セルフレベリング材スラリー硬化体層
14 : 張り付けモルタル
15 : 板状仕上げ材
16 : モルタル
17 : 高さ調整器具(木槌など)
Claims (6)
- コンクリート床上面に、セルフレベリング材モルタル用プライマーを塗布して乾燥する工程と、前記プライマー層の上面にセルフレベリング材と水とを混練して調製したセルフレベリング材スラリーを打設して硬化させる工程と、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に張付けモルタルを施工して、板状仕上げ材を敷設する工程とを含むコンクリート床構造体の施工方法であって、セルフレベリング材は、アルミナセメントを含む水硬性成分と、細骨材とを含み、セルフレベリング材スラリーの硬化体表面のショア硬度は、スラリーを打設(施工)したのち2時間後に10以上であることを特徴とするコンクリート床構造体の施工方法。
- セルフレベリング材は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分と、樹脂粉末とを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート床構造体の施工方法。
- セルフレベリング材は、水硬性成分と、無機粉末、凝結調整剤、流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分を少なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のコンクリート床構造体の施工方法。
- セルフレベリング材スラリーの硬化体表面のショア硬度は、スラリーを打設(施工)したのち6時間後に50以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート床構造体の施工方法。
- 板状仕上げ材は、天然石、人工石、陶板または陶磁器タイルから選ばれるいずれか1種または2種以上であり、板状仕上げ材の大きさは、たての長さが30〜600mm、よこの長さが30〜600mm、厚さが3〜20mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリート床構造体の施工方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の施工方法により得られるコンクリート床構造体。
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JP2003213915A (ja) * | 2002-01-17 | 2003-07-30 | Saburo Fuchiwaki | セルフレベリング材を用いたコンクリート床面の仕上げ方法 |
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2008
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