JPH08218002A - ワニス組成物及び防汚塗料組成物 - Google Patents

ワニス組成物及び防汚塗料組成物

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JPH08218002A
JPH08218002A JP2669495A JP2669495A JPH08218002A JP H08218002 A JPH08218002 A JP H08218002A JP 2669495 A JP2669495 A JP 2669495A JP 2669495 A JP2669495 A JP 2669495A JP H08218002 A JPH08218002 A JP H08218002A
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JP
Japan
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group
ester
triazole
compound
varnish
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JP2669495A
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English (en)
Inventor
Koichi Uejima
浩一 上島
Seiji Tai
誠司 田井
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、Lは直鎖、分岐
若しくは環状の炭化水素基を示す)で表される1種以上
の不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能な1種以上
の他の不飽和単量体(b)を重合して得られる共重合体
(A)を含有してなる塗料用ワニス組成物及び防汚塗料
組成物。 【効果】 本発明の塗料用ワニス組成物及び防汚塗料組
成物は、有機錫共重合体のような危険性を有さず、良好
な塗膜消耗性及び防汚性能を長期に亘って維持できる。
さらに、銅化合物との混練によってもゲル化しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶、漁網、排水路な
どの水中構造物に対する水中生物の付着防止を目的とす
る塗料用に有用なワニス組成物及び防汚塗料組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】海水中には、例えばフジツボ、ホヤ、セ
ルプラ、ムラサキイガイ、アオサ等の海中生物が多数生
息している。このような海中に船舶、漁網、排水路等の
構造物を設置又は就航すると、海中生物が付着生育して
種々の被害が発生する。例えば、船底に海中生物が付着
すると海水との摩擦抵抗が増大し航行速度の低下を生
じ、一定の速度を維持するために燃料消費が増大し、経
済的に好ましくない。また、養殖用の漁網に海中生物が
付着すると網目が閉塞し魚介類を致死させることがあ
る。
【0003】従来、このような海中構造物に海中生物が
付着することを防止するために有機錫含有不飽和単量体
の単独重合体又は共重合体を樹脂成分とする防汚塗料
(特公昭40−21426号公報、特公昭44−957
9号公報、特公昭46−13392号公報、特公昭49
−20491号公報、特公昭51−11647号公報、
特公昭51−12049号公報、特公昭52−4817
0号公報等参照)を塗装していた。これらの重合体は有
機錫部分が海水(pH8.0〜8.3)によって加水分解
され、有機錫が防汚剤として働くだけでなく、海水可溶
化された重合体表面が徐々に移動する海水により侵食さ
れ、新しい塗膜表面が暴露されることによって、長期の
安定した防汚効果が発揮される。しかしながら、これら
の塗料から海水中へ放出される有機錫は、分解しにくく
海洋生物だけでなく食物連鎖によって人間の体内でも蓄
積され、奇形などの障害を起こすため、非常に危険であ
ることから、有機錫化合物の利用が制限されるようにな
った。
【0004】このような危険性の高い有機錫系樹脂に代
わり、長期の安定した防汚性を達成できる防汚塗料用樹
脂の開発が望まれている。理想的には有機錫系樹脂と同
様の加水分解型で塗膜消耗性を示すことが好ましいが、
親水性又は撥水性の樹脂を用いた提案もなされている
(特開昭62−290768号公報、特開昭62−13
471号公報、特開昭58−180565号公報、特開
昭57−67672号公報等)。しかしながら、親水性
のみ及び撥水性のみの性質では長期の安定した防汚性を
実現することは困難な状況となっている。そこで、加水
分解性のあるものとして種々の特殊なカルボン酸エステ
ルを側鎖に有する樹脂が提案されている(特表昭60−
500452号公報、特開平2−69576号公報、特
開昭63−215780号公報、特公昭55−3927
1号公報、特開昭62−57464号公報、特公昭61
−3830号公報)が、その効果は全く満足いくもので
はない。
【0005】一方、加水分解性のあるものとして側鎖に
スルホン酸の金属エステル(特開昭63−56510号
公報)、スルホン酸エステル及び硫酸エステル(特開昭
62−179574号公報)を有する重合体を本用途に
用いることが提案されているが、これらスルホン酸エス
テル重合体を用いた場合、長期の安定した防汚性は、達
成できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機錫共重
合体のような危険性を有さず、かつ、これに匹敵する塗
膜消耗性を示し、さらに優れた防汚性を長期にわたって
維持できる塗膜を形成することが可能であリ、また、銅
化合物との混練によってもゲル化しない貯蔵安定性に優
れた塗料用として有用なワニス組成物及び防汚塗料組成
物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決し、上記した海中生物の付着を防止する性質に
優れ、かつ危険性のない防汚塗料の開発を行なうことを
目的として鋭意研究を行なった結果、本発明を完成する
に至った。
【0008】即ち本発明は、一般式(I)
【化3】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、Lは直鎖、分岐
若しくは環状の炭化水素基を示す)で表される1種以上
の不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能な1種以上
の他の不飽和単量体(b)を重合して得られる共重合体
(A)を含有してなるワニス組成物、並びに前記ワニス
組成物と防汚剤を含有してなる防汚塗料組成物に関す
る。
【0009】本発明においては、前記一般式(I)で表
される不飽和単量体(a)を必須成分として用いるた
め、加水分解性などの特性が向上する。一般式(I)に
おけるLは、直鎖、分岐若しくは環状の炭化水素基であ
るが、具体的には、
【化4】 等が好ましいものとして挙げられる。一般式(I)の不
飽和単量体は公知の各種合成経路により製造することが
できる。また、市販の不飽和単量体を使用してもよい。
【0010】一般式(I)における好ましい具体例とし
ては、次のような化合物が挙げられる。
【0011】
【化5】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示す)
【0012】本発明において一般式(I)で表される不
飽和単量体は、全単量体量に対して1〜99モル%の間
で選ばれるのが好ましく、5〜95モル%がより好まし
く、10〜50モル%がさらに好ましく、10〜40モ
ル%が特に好ましい。1モル%未満では十分な塗膜消耗
性を示す樹脂が得られにくい傾向にあり、99モル%を
超えると塗膜の安定性に悪影響をもたらす傾向にある。
一般式(I)で表される不飽和単量体は、1種又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】本発明において使用される一般式(I)で
表される不飽和単量体(a)と共重合可能な他の不飽和
単量体(b)としては、特に制限はない。不飽和単量体
(b)の1成分として、特に一般式(II)
【化6】 (式中、R2は水素原子又はメチル基、xは1〜6の整
数、yは1〜100の整数、R3は水素原子、直鎖、分
岐若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキ
ル基を示す)で表される不飽和単量体を用いると加水分
解性などの特性がさらに向上するので好ましい。
【0014】一般式(II)において、R3で表される直
鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基又はア
ラルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチ
ル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−エチル
ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、o−ト
リル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリ
ル基、2,4−キシリル基、o−クメニル基、m−クメ
ニル基、p−クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フ
ェネチル基、トリル基、ナフチル基、ノルボルニル基等
がある。
【0015】一般式(II)の不飽和単量体は公知の各種
合成経路により製造することができる。また、市販の不
飽和単量体を使用してもよい。一般式(II)における好
ましい具体例としては、次のような化合物が挙げられ
る。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】 (式中、R2は水素原子又はメチル基を示す)
【0022】一般式(II)で表される不飽和単量体は、
全単量体量に対して0.1〜20モル%配合するのが好
ましく、0.5〜15モル%配合するのがより好まし
い。0.1モル%未満では加水分解性の効果が低下する
傾向にあり、一方20モル%を超えると、塗膜安定性が
低下する傾向にある。これらの一般式(II)で表される
不飽和単量体は、1種又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0023】さらに、一般式(II)で表される不飽和単
量体以外の不飽和単量体(b)としては、例えば、アク
リル酸又はメタクリル酸のメチルエステル、エチルエス
テル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、
n−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチ
ルエステル、tert−ブチルエステル、2−エチルヘキシ
ルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシ
ルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、
トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ペンタデ
シルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエ
ステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、
エイコシルエステル、ヘンエイコシルエステル、ドコシ
ルエステル、シクロヘキシルエステル、ベンジルエステ
ル、フェニルエステル、ジメチルアミノエチルエステ
ル、ジメチルアミノプロピルエステル、2−クロロエチ
ルエステル、2,2,2−トリクロロエチルエステル、
2−フルオロエチルエステル、2,2,2−トリフルオ
ロエチルエステル、2−シアノエチルエステル、トリメ
チルシリルエステル、トリエチルシリルエステル、トリ
プロピルシリルエステル、トリブチルシリルエステル、
トリヘキシルシリルエステル、トリメトキシシリルエス
テル、トリエトキシシリルエステル、トリプロポキシシ
リルエステル、トリブトキシシリルエステル、トリヘキ
シロキシシリルエステル、トリフェニルシリルエステ
ル、トリフェノキシシリルエステル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン等のポリオレフィ
ン系単量体、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリ
ル系単量体などが挙げられる。好ましいものは、アクリ
ル酸又はメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステ
ル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n
−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチル
エステル、tert−ブチルエステル、2−エチルヘキシル
エステル、ドデシルエステル、シクロヘキシルエステ
ル、ベンジルエステル、スチレンである。
【0024】一般式(II)で表される不飽和単量体以外
の不飽和単量体(b)の配合割合は、全単量体量に対し
て30〜90モル%であるのが好ましい。30モル%未
満では樹脂としての耐水性に劣る傾向にあり、90モル
%を超えると塗膜消耗性に劣る傾向にある。また、一般
式(II)で表される不飽和単量体を含めた不飽和単量体
(b)の配合割合は、全単量体量に対して1〜99モル
%であるのが塗膜の安定性及び塗膜消耗性の面で好まし
い。
【0025】重合体の調製は、いずれの重合法で行って
もよい。具体的には、溶媒中に、一般式(I)の不飽和
単量体、その他の単量体(b)及びラジカル重合触媒を
含む溶液を滴下するなどの方法により行うことができ
る。反応温度としては通常約0〜180℃、好ましくは
約40〜170℃である。滴下時間は通常1〜10時
間、好ましくは2〜6時間である。使用される有機溶媒
としては、不飽和単量体との反応性がなく、生成する共
重合体を溶解するものであれば、特に制限なく1種又は
2種以上の混合物として使用できる。例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、ベンジルアルコール等のア
ルコール系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールモノアセテート等のポリアルキレングリコール
系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、シク
ロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、四塩化炭素、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒
が挙げられ、また環境汚染の問題がない水も溶媒の一つ
と考えることができる。
【0026】なお、本発明で使用する共重合体(A)の
ようにスルホン酸基を有する重合体は、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素系の極性の低い溶媒中では、粘
度が高すぎることから塗料用として使用しにくく、これ
を溶媒に用いて塗料用として使用しやすい低粘度にする
ためには、大過剰の溶媒で希釈しなければならず、樹脂
固形分の少ないワニスしか得られない。従って、この問
題を解決するために、本発明においては、溶媒としてア
ルコール系溶媒、ポリアルキレングリコール系溶媒、水
などの界面活性剤的作用を有する溶媒を単独で又は他の
溶媒との混合溶媒として使用することが好ましい。溶媒
の使用量は、全単量体に対して重量比で1/2〜2倍程
度であるのが好ましい。
【0027】使用するラジカル重合触媒としては、アゾ
系化合物、パーオキシド系化合物等の通常のラジカル重
合に使用できる重合開始剤が使用できる。具体的には、
2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2′−アゾビス(シクロプロピ
ルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(イソ
ブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブ
チロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシベンゾエート
等が例示される。使用する重合開始剤の量は特に制限は
ないが、好ましくは全単量体量に対して0.1〜5重量
%、より好ましくは0.2〜4重量%である。得られる
共重合体の数平均分子量は特に制限されるものではない
が、塗料用樹脂としての諸特性の面から、好ましくは
3,000〜200,000、より好ましくは5,00
0〜50,000である。なお、本発明における数平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算し
た値である。
【0028】また、分子量を調節する目的で重合時に適
当な連鎖移動剤を配合してもよい。具体的には、メタン
チオール、エタンチオール、n−プロパンチオール、イ
ソプロパンチオール、n−ブタンチオール、2−メチル
プロパンチオール、3−メチルプロパンチオール、1,
1−ジメチルエタンチオール、1−ヘキサンチオール、
1−オクタンチオール、1−デカンチオール、ベンゼン
チオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベ
ンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エ
チルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、
4−エチルベンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキシジ
メチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロメチ
ルフェニル)ジスルフィド、ビス(2−ブロモメチルフ
ェニル)ジスルフィド、ジナフチルジスルフィド、ジ−
2−ベンゾチアジスルフィド、α−メチルスチレンダイ
マー、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム等が例示
される。連鎖移動剤の配合量は、目的とする重合体の分
子量により適宜選択できる。重合は、不活性ガス雰囲気
下で行われる。不活性ガスには、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム、ネオンなどが挙げられる。
【0029】次に、本発明のワニス組成物においては、
上記共重合体(A)とともに、トリアゾール誘導体、チ
アジアゾール誘導体及びベンゾチアゾール誘導体の中か
ら選択される1種以上の化合物(B)を用いるのが好ま
しい。これを用いると防汚剤である銅化合物との混合に
よる増粘を防ぐ効果が大きい。
【0030】本発明において、化合物(B)のうちトリ
アゾール誘導体としては、ベンゾトリアゾール誘導体、
アミノ置換トリアゾール誘導体、その他のトリアゾール
誘導体などがある。ベンゾトリアゾール誘導体として
は、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−メチル−
1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−フェニル−1,
2,3−ベンゾトリアゾール、2−フェニル−1,2,
3−ベンゾトリアゾール、4−クロロ−1,2,3−ベ
ンゾトリアゾール、4−ニトロ−1,2,3−ベンゾト
リアゾール、5−メチル−1,2,3−ベンゾトリアゾ
ール、5−エチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、
5−プロピル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−
イソブチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−メ
トキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−クロロ
−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル
−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベン
ゾトリアゾールカルボン酸及びそのエステル誘導体、N
−ジアルキルアミノメチル−1,2,3−ベンゾトリア
ゾールなどがあり、アミノ置換トリアゾール誘導体とし
ては、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−ア
ミノ−1H−1,2,4−トリアゾールなどがあり、そ
の他のトリアゾール誘導体としては、1,2,3−トリ
アゾール、1−メチル−1,2,3−トリアゾール、1
−フェニル−1,2,3−トリアゾール、1−ベンジル
−1,2,3−トリアゾール、2−メチル−1,2,3
−トリアゾール、2−フェニル−1,2,3−トリアゾ
ール、2−ベンジル−1,2,3−トリアゾール、4−
メチル−1,2,3−トリアゾール、4−フェニル−
1,2,3−トリアゾール、4−ヒドロキシ−1,2,
3−トリアゾール、4,5−ジメチル−1,2,3−ト
リアゾール、4−メチル−2−フェニル−1,2,3−
トリアゾール、4,5−ジメチル−2−フェニル−1,
2,3−トリアゾール、1,5−ジフェニル−1,2,
3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メ
チル−1,2,4−トリアゾール、1−フェニル−1,
2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリ
アゾール、3−フェニル−1,2,4−トリアゾール、
3−クロロ−1,2,4−トリアゾール、3−ブロモ−
1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,
2,4−トリアゾール、3,5−ジエチル−1,2,4
−トリアゾール、1,3−ジフェニル−1,2,4−ト
リアゾール、1,5−ジフェニル−1,2,4−トリア
ゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾー
ル等のアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン又は
ヒドロキシ置換トリアゾール誘導体などがある。
【0031】また、化合物(B)のうち、ベンゾチアゾ
ール誘導体としてはイオウ置換ベンゾチアゾール誘導体
が好ましく、具体的には2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−オキシジエチ
レンベンゾチアジル−2−スルフェンアミド、N,N−
ジイソプロピルベンゾチアジル−2−スルフェンアミ
ド、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−ス
ルフェンアミド、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロ
ピオン酸、(2−ベンゾチアジルチオ)酢酸などがあ
り、また、チアジアゾール誘導体としてはイオウ置換チ
アジアゾール誘導体が好ましく、具体的には2−メルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカ
プト1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メチル−
5−メルカプト−1,3,4−チアゾール、2−メチル
アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル、2−チオ酢酸−5−メルカプト−1,3,4−チア
ジアゾールなどがある。
【0032】これらの化合物(B)としては、増粘を防
ぐ効果が高いことから、トリアゾール誘導体が好まし
く、具体的に好ましい化合物は、1,2,3−ベンゾト
リアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−
1H−1,2,4−トリアゾールから選択されたもので
ある。これらの化合物(B)は1種以上用いることがで
きるが、使用量としては、用いる共重合体(A)(樹脂
固形分)に対して0.1〜50重量%の範囲で用いるの
が好ましく、さらには0.2〜10重量%の範囲で用い
るのが好ましい。0.1重量%未満では添加効果が充分
でなく銅化合物との塗料化により増粘が起こりやすい傾
向にあり、50重量%を超えると良好な塗膜を形成しに
くい傾向にある。なお、本発明のワニス組成物には、本
発明の効果を損なわない程度に前記共重合体(A)以外
の重合体を混合することもできる。
【0033】本発明においては、さらに、分子中に疎水
基と親水基を両方持つ化合物(C)を、長期に亘る塗膜
消耗性を向上させる目的で添加するのが好ましい。分子
中に疎水基と親水基を両方持つ化合物(C)とは、不飽
和単量体に対して反応性がなく、1つの分子中に疎水基
と親水基を両方持つ化合物である。疎水基としては、炭
素数4以上の置換基を有していてもよい直鎖、分岐若し
くは環状のアルキル基、アリール基、アラルキル基等や
親水基を含んで環状化合物を形成する炭素数4以上の置
換基を有していてもよい炭化水素基などが挙げられる。
親水基としては、
【化13】 等の基が挙げられる。
【0034】具体的な化合物としては、ドデカノール、
テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノー
ル、トリフェニルメタノール等のアルコール類、n−カ
プロン酸メチル、n−カプロン酸エチル、n−カプロン
酸プロピル、n−カプロン酸イソプロピル、n−カプロ
ン酸n−ブチル、n−カプロン酸イソブチル、n−カプ
ロン酸sec−ブチル、n−カプロン酸tert−ブチル、n
−カプリル酸メチル、n−カプリル酸エチル、n−カプ
リル酸プロピル、n−カプリル酸イソプロピル、n−カ
プリル酸n−ブチル、n−カプリル酸イソブチル、n−
カプリル酸sec−ブチル、n−カプリル酸tert−ブチ
ル、n−カプリン酸メチル、n−カプリン酸エチル、n
−カプリン酸プロピル、n−カプリン酸イソプロピル、
n−カプリン酸n−ブチル、n−カプリン酸イソブチ
ル、n−カプリン酸sec−ブチル、n−カプリン酸tert
−ブチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウ
リン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸
n−ブチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリン酸sec−
ブチル、ラウリン酸tert−ブチル、ミリスチン酸メチ
ル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリ
スチン酸イソプロピル、ミリスチン酸n−ブチル、ミリ
スチン酸イソブチル、ミリスチン酸sec−ブチル、ミリ
スチン酸tert−ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチ
ン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソ
プロピル、パルミチン酸n−ブチル、パルミチン酸イソ
ブチル、パルミチン酸sec−ブチル、パルミチン酸tert
−ブチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、
ステアリン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ス
テアリン酸n−ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステ
アリン酸sec−ブチル、ステアリン酸tert−ブチル等の
長鎖カルボン酸エステル類、りん酸トリオクチル、りん
酸トリフェニル、りん酸トリクレジル等のりん酸エステ
ル類、トリオクチルホスフィンオキシド、トリフェニル
ホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類、ベンズ
アミド、ベンズアニリド、ラウリン酸アミド、ラウリン
酸アニリド、ミリスチン酸アミド、ミリスチン酸アニリ
ド、パルミチン酸アミド、パルミチン酸アニリド、ステ
アリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、ε−カプロラ
クタム等のアミド類、フェニル尿素、ジフェニル尿素等
の尿素類、フェニルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素等の
チオ尿素類等が例示される。
【0035】これらのうち、好ましくは融点が0℃以
上、より好ましくは10℃以上、特に好ましくは20℃
以上の化合物を用いると、添加した際に、防汚塗料の塗
膜の強度を低下させる影響が少ないとの硬化がある。さ
らに、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、パル
ミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸メ
チル、ステアリン酸エチル、りん酸トリフェニル、りん
酸トリクレジル、トリオクチルホスフィンオキシド、ト
リフェニルホスフィンオキシド等は、長期に亘る塗膜消
耗性を向上させる効果が高いため好ましく、特に好まし
いものとしてはパルミチン酸エチル、ステアリン酸エチ
ル、りん酸トリフェニル、トリオクチルホスフィンオキ
シド、トリフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
【0036】これらの分子中に疎水基と親水基を両方持
つ化合物(C)は1種又は2種以上組み合わせて用いる
ことができるが、使用量としては、用いる共重合体
(A)(樹脂固形分)に対して1〜200重量%の範囲
で用いるのが好ましく、さらには5〜50重量%の範囲
で用いるのが好ましい。1重量%未満では添加効果が充
分でなく、長期に亘る塗膜消耗性が劣る傾向にあり、2
00重量%を超えると海水中での塗膜の耐久性が低下す
る傾向にある。上記ワニス組成物は、塗料用ワニスとし
て好適であり、公知の顔料等の着色剤、公知の防汚剤、
各種添加剤(増量剤、分散またはタレ止め剤など)を配
合して防汚塗料組成物とすることができる。
【0037】本発明の防汚塗料組成物には、防汚剤が使
用される。使用される防汚剤としては無機防汚剤である
銅化合物を主成分(全防汚剤の50重量%以上)とする
のが好ましい。銅化合物としては、クロム酸第二銅、フ
ェロシアニン酸第二銅、キノリン第二銅、δ−ハイドロ
キノン第二銅、オレイン酸第二銅、硝酸第二銅、燐酸第
二銅、酒石酸第二銅、酸化第一銅、ロダン銅、銅−ニッ
ケル固溶合金、よう化第一銅、亜硫酸第一銅などがあ
る。
【0038】その他の代表的な無機防汚剤としては、酸
化亜鉛、クロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウムなどが
あり、有機防汚剤としては、2,4,5,6−テトラク
ロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフ
ェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3
(2H)−イソチアゾロン、ジンクジメチルジチオカー
バメート、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6
−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、N−(フル
オロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N’−ジ
メチル−N′−フェニル−(N−フルオロジクロロメチ
ルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオール−1−オ
キシド亜鉛塩、テトラメチルチウラムジサルファイド、
2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2,3,
5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピ
リジン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイ
ト、ジヨードメチルパラトリルスルホン、ビスジメチル
ジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメ
イト、ピリジン−トリフェニルボランなどがある。ま
た、防汚剤として有機錫化合物、トリアジン化合物、有
機硫黄化合物等を使用することも何ら妨げるものではな
い。これらの防汚剤の使用量は、特に制限されないが、
全重合体量(樹脂固形分)に対して1〜500重量%が
好ましい。特に、50〜450重量%が好ましい。1重
量%未満では防汚剤としての効果をほとんど示さず、5
00重量%を超えると良好な塗膜が形成されにくい傾向
にある。
【0039】顔料として代表的なものには、酸化チタン
(チタン白)、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔
料、アゾ系、シアニン系、フタロシアニン系、キナクリ
ドン系等の有機顔料を用いることができるが、通常は無
機顔料が用いられる。これらの顔料は必要に応じて用い
られる。用いる場合その使用量は特に制限はないが、全
重合体量(樹脂固形分)に対して200重量%以下が好
ましい。顔料を使用する場合に200重量%を超えると
塗膜としての安定性に劣る傾向にある。また、増量剤と
しては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシ
ウム、アルミナ、ゼオライトなどがある。これらの増量
剤は必要に応じて用いられる。用いる場合、その使用量
は特に制限はないが、全重合体量(樹脂固形分)に対し
て100重量%以下の範囲で使用されるのが好ましい。
増量剤を使用する場合、100重量%を超えると塗膜と
しての安定性に劣る傾向にある。
【0040】分散またはタレ止め剤としては、シリカゲ
ル系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘ
クトライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バ
イデライト系などの無機の分散またはタレ止め剤、脂肪
酸アマイド系、脂肪酸エステル系、酸化ポリエチレン
系、硫酸エステル系アニオン活性剤、ポリカルボン酸ア
ミン塩系、ポリカルボン酸系、ポリアマイド系、高分子
ポリエーテル系、アクリル共重合物系、特殊シリコン系
などの有機の分散またはタレ止め剤がある。その使用量
は特に制限はないが、全重合体量(樹脂固形分)に対し
て0.01〜100重量%の範囲で使用されるのが好ま
しい。0.01重量%未満では添加効果が充分に現われ
にくく、100重量%を超えると塗膜としての安定性に
劣る傾向にある。さらに、溶出助剤としてロジン、ガム
ロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等を併用するこ
とも可能である。このようにして得られる本発明の防汚
塗料組成物は、船底塗料、漁網用塗料等として有用であ
る。
【0041】
【実施例】つぎに実施例により本発明を説明するが、本
発明は何らこれらに限定されるものではない。また、以
下の実施例では「防汚塗料組成物」を単に「塗料組成
物」と略記する。
【0042】製造例1 撹拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロート
及び温度計を備えた4つ口フラスコにメチルセロソルブ
122.5gを入れ、撹拌しながら95℃に保持した。
次に、メタクリル酸n−ブチル67.02g、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル58.39g、例示化合物No.
(II−9)(R2=CH3)58.51g、例示化合物No.
(I−8)(R1=H)61.05g及び2,2′−アゾビ
ス(イソブチロニトリル)(以降AIBNと略記する)
0.735gの混合物を、窒素ガス気流下撹拌しながら
4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに撹拌しなが
ら95℃で1時間保温した。次に、メチルセロソルブ9
1.0g及びAIBN1.47gの混合物を1時間かけ
て滴下し、95℃で2時間保温し、メチルセロソルブ1
36.5gを添加した後放冷し樹脂固形分35重量%の
ワニスを製造した。ワニス中の共重合体の数平均分子量
は、14,300であった。
【0043】製造例2 撹拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロート
及び温度計を備えた4つ口フラスコにメチルセロソルブ
122.5gを入れ、撹拌しながら95℃に保持した。
次に、メタクリル酸n−メチル23.33g、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル115.52g、例示化合物N
o.(II−9)(R2=CH3)57.86g、例示化合物No.
(I−8)(R1=H)48.29g及びAIBN 0.7
35gの混合物を、窒素ガス気流下撹拌しながら4時間
かけて滴下した。滴下終了後、さらに撹拌しながら95
℃で1時間保温した。次に、メチルセロソルブ91.0
g、AIBN1.47gの混合物を1時間かけて滴下
し、95℃で2時間保温し、メチルセロソルブ136.
5gを添加した後放冷し樹脂固形分35%のワニスを製
造した。該重合体の数平均分子量は、13,800であ
った。
【0044】実施例1 上記製造例1で製造したワニスの樹脂固形分50g当た
りパルミチン酸エチル5.0g及び1,2,3−ベンゾ
トリアゾール0.5gを加え充分に混合しワニス組成物
を製造した。
【0045】実施例2 上記製造例1で製造したワニスの樹脂固形分50g当た
りパルミチン酸エチル10.0g及び1,2,3−ベン
ゾトリアゾール0.5gを加え充分に混合しワニス組成
物を製造した。
【0046】実施例3 上記製造例2で製造したワニスの樹脂固形分50g当た
りステアリン酸エチル5.0g及び1,2,3−ベンゾ
トリアゾール0.5gを加え充分に混合しワニス組成物
を製造した。
【0047】実施例4 上記製造例2で製造したワニスの樹脂固形分50g当た
りパルミチン酸エチル10.0g及び1,2,3−ベン
ゾトリアゾール0.5gを加え充分に混合しワニス組成
物を製造した。
【0048】実施例5〜8 上記実施例1〜4で製造した各ワニス組成物の樹脂固形
分15g当たり、亜酸化銅(純度90重量%以上、粉
末)45g、炭酸カルシウム10g、ベンガラ(酸化鉄
(III))5g、分散及びタレ止め剤としてフローノンS
P1000(共栄社化学株式会社製)1g、4,5−ジ
クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−
オン5g及びキシレン4gを配合し、さらにガラスビー
ズ(直径2mm)を加えて、メカニカルスターラーを用い
て混練撹拌後、ガラスビーズをろ過して塗料組成物を調
整した。
【0049】製造例3 特表昭60−500452号公報記載の方法に基づき、
温度計及び撹拌機を備えた500mlフラスコに2,2,
2−トリフルオロエチルメタクリレート114.6g、
メチルメタクリレート14.6g、ブチルアクリレート
20.8g及びキシレン150gを仕込み、重合触媒と
してAIBN1.5gを加え、80℃で1時間加熱し、
更に80℃で6時間重合を行った後放冷しワニスを製造
した。得られた共重合体の数平均分子量は、11,00
0であった。
【0050】製造例4 特表昭60−500452号公報記載の方法に基づき、
温度計及び撹拌機を備えた500mlフラスコにp−ニト
ロフェニルアクリレート118.2g、メチルメタクリ
レート13.1g、ブチルアクリレート18.6g及び
キシレン150gを仕込み、重合触媒としてAIBN
1.5gを加え、80℃で1時間加熱し、更に80℃で
6時間重合を行った後放冷しワニスを製造した。該重合
体の数平均分子量は、12,300であった。
【0051】比較例1〜2 上記製造例3〜4で製造した各ワニスの樹脂固形分15
g当たり、亜酸化銅(純度90重量%以上、粉末)45
g、炭酸カルシウム10g、ベンガラ(酸化鉄(III))
5g、分散及びタレ止め剤としてフローノンSP100
0(共栄社化学株式会社製)1g、4,5−ジクロロ−
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン5g
及びキシレン4gを配合し、さらにガラスビーズ(直径
2mm)を加えて、メカニカルスターラーを用いて混練撹
拌後、ガラスビーズをろ過して塗料組成物を調製した。
【0052】貯蔵安定性試験 上記実施例5〜8で調製した塗料組成物を調製後、室温
で一晩保存した後、塗料の状態を観察し粘度を25℃で
測定した。この防汚塗料組成物は、サンプル瓶中で密栓
して40℃の恒温槽中で20日間保存した。保存後、塗
料の状態を観察するとともに、25℃で粘度を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 この実験結果より、本発明の塗料組成物(実施例5〜
8)は、増粘がわずかで貯蔵安定性に優れることが示さ
れる。
【0054】塗膜消耗性試験 上記実施例5〜8及び比較例1〜2で製造した塗料組成
物を、調製後、室温で一晩放置した後、FRP板の片面
に乾燥膜厚が150μmとなるように塗膜を作成し室温
下一晩自然乾燥した。これらの塗膜付きFRP板をディ
スクローター板に取付け海水(水温15±2℃)で一定
速度(周速約15ノット)で10ヶ月間回転させ、塗膜
表面の観察及び塗膜の膜厚の変化を測定した。その結果
を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】この実験結果から明らかなように、本発明
の塗料組成物(実施例5〜8)は塗膜の消耗性が長期に
亘って持続し、防汚塗料として非常に有用であることが
分かった。それに対し、特開昭60−500452号公
報記載のワニスを用いた塗料組成物(比較例1〜2)は
その塗膜消耗性は著しく低いことが分かった。
【0057】防汚性試験 上記実施例5〜8及び比較例3〜4の塗料組成物を用い
て、予め防錆塗料を塗布してある塗装鋼(100×20
0×1mm)の両面に、乾燥膜厚が片面100μmとなる
ようにスプレー塗装を2回行い、室温下一晩自然乾燥し
て試験板を作成した。この試験板を、茨城県ひたちなか
市那珂湊港内に設置した浸漬筏に取付け海中に浸漬し、
試験板上の付着生物(フジツボ)の付着数を経時的に観
測した。その結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】この実験結果から明らかなように、本発明
の塗料組成物は、特表昭60−500452号公報記載
のワニスを用いた塗料組成物(比較例1〜2)と比較し
て、いずれも防汚性に優れ生物の付着がわずかしか観察
されなかった。
【0060】
【発明の効果】請求項1におけるワニス組成物は、塗料
に用いたとき、有機錫共重合体のような危険性を有さ
ず、良好な塗膜消耗性及び防汚性能を長期に亘って維持
できる。さらに、銅化合物との混練によってもゲル化し
ない。請求項2におけるワニス組成物は、請求項1にお
けるワニス組成物の効果を奏し、さらに加水分解性が向
上する。請求項3におけるワニス組成物は、請求項1に
おけるワニス組成物の効果を奏し、特にゲル化防止の効
果が向上する。請求項4におけるワニス組成物は、請求
項1におけるワニス組成物の効果を奏し、特に長期に亘
る塗膜摩耗性が向上する。請求項5におけるワニス組成
物は、請求項1におけるワニス組成物の効果を奏し、さ
らに良好な塗膜強度が得られる。請求項6における防汚
塗料組成物は、有機錫共重合体のような危険性を有さ
ず、良好な塗膜消耗性及び防汚特性を長期に亘って維持
できる。請求項7における防汚塗料組成物は、請求項6
における防汚塗料組成物の効果を奏し、さらに塗料がゲ
ル化しない効果を奏する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、Lは直鎖、分岐
    若しくは環状の炭化水素基を示す)で表される1種以上
    の不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能な1種以上
    の他の不飽和単量体(b)を重合して得られる共重合体
    (A)を含有してなるワニス組成物。
  2. 【請求項2】 他の不飽和単量体(b)の1成分とし
    て、一般式(II) 【化2】 (式中、R2は水素原子又はメチル基、xは1〜6の整
    数、yは1〜100の整数、R3は直鎖、分岐若しくは環
    状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す)
    で表される1種以上の不飽和単量体を用いる請求項1記
    載のワニス組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、トリアゾール誘導体、チアジア
    ゾール誘導体及びベンゾチアゾール誘導体の中から選択
    される1種以上の化合物(B)を含有する請求項1又は
    2記載のワニス組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、分子中に疎水基と親水基を両方
    持つ化合物(C)を含有する請求項1、2又は3記載の
    ワニス組成物。
  5. 【請求項5】 化合物(C)が0℃以上の融点をもつも
    のである請求項4記載のワニス組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のワニス
    組成物と防汚剤を含有してなる防汚塗料組成物。
  7. 【請求項7】 防汚剤が、銅化合物を主成分とするもの
    である請求項6記載の防汚塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10279841A (ja) * 1997-04-03 1998-10-20 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体、水中・水上構造物または漁業資材
JPWO2020045211A1 (ja) * 2018-08-29 2021-08-10 日東化成株式会社 防汚塗料組成物

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