JPH06346002A - 防汚塗料用組成物 - Google Patents

防汚塗料用組成物

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JPH06346002A
JPH06346002A JP14081193A JP14081193A JPH06346002A JP H06346002 A JPH06346002 A JP H06346002A JP 14081193 A JP14081193 A JP 14081193A JP 14081193 A JP14081193 A JP 14081193A JP H06346002 A JPH06346002 A JP H06346002A
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JP
Japan
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antifouling
ester
mixture
triazole
xylene
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JP14081193A
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Seiji Tai
誠司 田井
Koichi Uejima
浩一 上島
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、塩素原
子、メチル基又はエチル基を示す)で表される1種以上
の不飽和酸無水物及びこれと共重合可能な1種以上の他
の不飽和単量体を重合して得られた重合体、(B)トリ
アゾール誘導体、(C)銅化合物防汚剤並びに(D)脂
肪族アマイド系分散及びダレ止め剤を含有してなる防汚
塗料用組成物。 【効果】 有機錫共重合体のような危険性を有さず、か
つ、良好な加水分解性を示し、さらに銅化合物との混練
によっても増粘ゲル化せず、表面平滑性に優れた塗膜を
形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶、漁網、排水路な
どの水中構造物に対する水中生物の付着防止を目的とす
る防汚塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】海水中には、例えばフジツボ、ホヤ、セ
ルプラ、ムラサキイガイ、アオサ等の海中生物が多数生
息している。このような海中に船舶、漁網、排水路等の
構造物を設置又は就航すると、海中生物が付着生育して
種々の被害が発生する。例えば、船底に海中生物が付着
すると海水との摩擦抵抗が増大し航行速度の低下を生
じ、一定の速度を維持するために燃料消費が増大し、経
済的に好ましくない。また、養殖用の漁網に海中生物が
付着すると網目が閉塞し魚介類を致死させることがあ
る。
【0003】従来、このような海中構造物に海中生物が
付着することを防止するために有機錫含有不飽和単量体
の単独重合体又は共重合体を樹脂成分とする防汚塗料
(特公昭40-21426号公報、特公昭44-9579号公報、特公
昭46-13392号公報、特公昭49-20491号公報、特公昭51-1
1647号公報、特公昭51-12049号公報、特公昭52-48170号
公報等参照)を塗装していた。これら重合体は有機錫部
分が海水(pH8.0〜8.3)によって加水分解され、
有機錫が防汚剤として働くだけでなく、海水可溶化され
た重合体表面が徐々に移動する海水により侵食され、新
しい塗膜表面が暴露されることによって、長期の安定し
た防汚効果が発揮される。しかしながら、これらの塗料
から海水中へ放出される有機錫は、分解しにくく海洋生
物だけでなく食物連鎖によって人間の体内でも蓄積さ
れ、奇形などの障害を起こすため、非常に危険であるこ
とから、有機錫化合物の利用が制限されるようになっ
た。
【0004】これら危険性の高い有機錫系樹脂に代わ
り、長期の安定した防汚性を達成できる防汚塗料用樹脂
の開発が望まれている。理想的には有機錫系樹脂と同様
の加水分解型であることが好ましいが、親水性又は撥水
性の樹脂を用いた提案もなされている(特開昭62-29076
8号公報、特開昭62-13471号公報、特開昭58-180565号公
報、特開昭57-67672号公報等)。しかしながら、親水性
のみ及び撥水性のみの性質では長期の安定した防汚性を
実現することは困難な状況となっている。そこで、加水
分解性のあるものとして種々の特殊なカルボン酸エステ
ルを側鎖に有する樹脂が提案されている(特表昭60-500
452号公報、特開平2-69576号公報、特開昭63-215780号
公報、特公昭55-39271号公報、特開昭62-57464号公報、
特公昭61-3830号公報)が、その効果は全く満足いくも
のではない。
【0005】一方、特開平2-99567号公報に無水マレイ
ン酸誘導体の共重合体を本用途に用いることが提案され
ている。この共重合体は有機錫系樹脂と異なりそれ自体
毒性を持たず、かつ加水分解性にも優れていることが予
想される。しかしながら、防汚塗料に用いる場合、現在
毒物として用いられている銅化合物と混練することによ
り、増粘−ゲル化を引き起こすという致命的な欠点を有
していた。一方、このような増粘−ゲル化を抑制する目
的でトリアゾール誘導体を用いることが、トリ有機錫基
を有する高分子化合物の場合に報告されている(特開昭
57-92061号公報)が、トリ有機錫基を有する高分子化合
物の場合には、ベンゾトリアゾール誘導体を添加するこ
とは、充分な増粘抑制効果を発現できないだけでなく、
良好な塗膜を形成できず実用的ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機錫共重
合体のような危険性を有さず、かつ、これに匹敵する加
水分解性を示し、さらに銅化合物との混練によっても増
粘ゲル化せず、良好な塗膜を形成できると同時に優れた
防汚性を示す防汚塗料用組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決し、上記した海中生物の付着を防止する性質に
優れ、かつ危険性のない防汚塗料の開発を行なうことを
目的として鋭意研究を行なった結果、本発明を完成する
に至った。
【0008】本発明は、下記(1)及び(2)に関する
ものである。 (1) 一般式(I)
【化2】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、塩素原
子、メチル基又はエチル基を示す)で表される1種以上
の不飽和酸無水物及びこれと共重合可能な1種以上の他
の不飽和単量体を重合して得られた重合体、(B)トリ
アゾール誘導体、(C)銅化合物防汚剤並びに(D)脂
肪族アマイド系分散及びダレ止め剤を含有してなる防汚
塗料用組成物。 (2) さらにシアノ芳香族系毒物を含有する請求項1
記載の防汚塗料用組成物。
【0009】本発明において、一般式(I)で表される
不飽和酸無水物としては、無水マレイン酸、メチルマレ
イン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、エチルマレ
イン酸無水物、クロロマレイン酸無水物、ジクロロマレ
イン酸無水物などが挙げられる。また、上記の一般式
(I)で表される不飽和酸無水物は、単独で又は2種以
上の組み合わせで使用することができる。
【0010】本発明において使用する一般式(I)で表
される不飽和酸無水物は、全モノマーに対して1〜50
モル%の間で任意に選ばれるのが好ましいが、特に好ま
しくは10〜40モル%である。1モル%未満では十分
な加水分解性を示す樹脂が得られにくく、50モル%を
越えると未反応の不飽和酸無水物が残り塗膜の安定性に
悪影響をもたらす傾向にある。
【0011】本発明において使用される一般式(I)以
外の不飽和単量体としては、特に制限はなく、例えば、
アクリル酸又はメタクリル酸のメチルエステル、エチル
エステル、n−プロピルエステル、iso−プロピルエス
テル、n−ブチルエステル、iso−ブチルエステル、sec
−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、2−エチル
ヘキシルエステル、オクチルエステル、ノニルエステ
ル、デシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエ
ステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、
ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタ
デシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエ
ステル、エイコシルエステル、ヘンエイコシルエステ
ル、ドコシルエステル、シクロヘキシルエステル、ベン
ジルエステル、フェニルエステル、メトキシエチルエス
テル、ジメチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノ
プロピルエステル、2−クロロエチルエステル、2,
2,2−トリクロロエチルエステル、2−フルオロエチ
ルエステル、2,2,2−トリフルオロエチルエステ
ル、2−シアノエチルエステル、メトキシジエチレング
リコールエステル、メトキシジプロピレングリコールエ
ステル、メトキシトリエチレングリコールエステル、ト
リメチルシリルエステル、トリエチルシリルエステル、
トリプロピルシリルエステル、トリブチルシリルエステ
ル、トリヘキシルシリルエステル、トリメトキシシリル
エステル、トリエトキシシリルエステル、トリプロポキ
シシリルエステル、トリブトキシシリルエステル、トリ
ヘキシロキシシリルエステル、トリフェニルシリルエス
テル、トリフェノキシシリルエステル等のアクリル酸又
はメタクリル酸のエステル系モノマ、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のスチレン系
モノマ、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のポ
リオレフィン系モノマ、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの
ビニル系モノマ、その他アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどのニトリル系モノマなどが挙げられる。
【0012】重合体の調製は、一般式(I)記載の不飽
和酸無水物の溶媒溶液中に、その他のモノマ及びラジカ
ル重合触媒を含む溶液を滴下しながら重合させるなどの
方法により行うことができる。反応温度としては約0〜
180℃、好ましくは約40〜170℃である。滴下時
間は1〜10時間、好ましくは2〜6時間である。使用
される有機溶媒としては、不飽和酸無水物との反応性が
なく、親水性の低い溶媒が好ましく、特に、キシレン、
トルエンなどの芳香族系溶媒が好ましい。
【0013】使用するラジカル重合触媒としては、アゾ
系化合物、パーオキシド系化合物等の通常のラジカル重
合に使用できる開始剤が使用できる。具体的には、2,
2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2′−アゾビス(シクロプロピルプ
ロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(イソブチ
ロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオ
キシド、ジ−tert−ブチルパーオキシベンゾエート等が
例示される。使用する開始剤の量は特に制限はないが、
好ましくは全モノマー量に対して0.1〜5重量%、さ
らに好ましくは0.2〜4重量%である。得られる重合
体の数平均分子量は特に制限されるものではないが、塗
料用樹脂としての諸特性の面から、好ましくは3,00
0〜200,000、より好ましくは5,000〜5
0,000である。なお、本発明における数平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により
測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値で
ある。
【0014】また、分子量を調節する目的で重合時に適
当な連鎖移動剤を配合してもよい。具体的には、メタン
チオール、エタンチオール、n−プロパンチオール、is
o−プロパンチオール、n−ブタンチオール、2−メチ
ルプロパンチオール、3−メチルプロパンチオール、
1,1−ジメチルエタンチオール、1−ヘキサンチオー
ル、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、ベン
ゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチ
ルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2
−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオー
ル、4−エチルベンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキ
シジメチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ
メチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2−ブロモメチ
ルフェニル)ジスルフィド、ジナフチルジスルフィド、
ジ−2−ベンゾチアジスルフィド、α−メチルスチレン
ダイマー、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム等が
例示される。連鎖移動剤の配合量は、目的とする重合体
の分子量により適宜選択できる。溶媒の使用量は特に限
定されないが、通常は全モノマーに対して質量比で1/
2〜2倍程度である。重合は、不活性ガス雰囲気下で行
われる。不活性ガスには、窒素、アルゴン、ヘリウム、
ネオンなどが挙げられる。
【0015】また、本発明において上記重合体の溶液に
添加されるトリアゾール誘導体としては、1,2,3−
トリアゾール、1−メチル−1,2,3−トリアゾー
ル、1−フェニル−1,2,3−トリアゾール、1−ベ
ンジル−1,2,3−トリアゾール、2−メチル−1,
2,3−トリアゾール、2−フェニル−1,2,3−ト
リアゾール、2−ベンジル−1,2,3−トリアゾー
ル、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、4−フェ
ニル−1,2,3−トリアゾール、4−ヒドロキシ−
1,2,3−トリアゾール、4,5−ジメチル−1,
2,3−トリアゾール、4−メチル−2−フェニル−
1,2,3−トリアゾール、4,5−ジメチル−2−フ
ェニル−1,2,3−トリアゾール、1,5−ジフェニ
ル−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾ
ール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−フ
ェニル−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,
2,4−トリアゾール、3−フェニル−1,2,4−ト
リアゾール、3−クロロ−1,2,4−トリアゾール、
3−ブロモ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメ
チル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジエチル−
1,2,4−トリアゾール、1,3−ジフェニル−1,
2,4−トリアゾール、1,5−ジフェニル−1,2,
4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−
トリアゾールなどの1,2,3−トリアゾール誘導体又
は1,2,4−トリアゾール誘導体、4−アミノ−1,
2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4
−トリアゾールなどのアミノトリアゾール誘導体などが
あり、通常知られているトリアゾール誘導体はいずれも
使用可能である。使用量としては、特に制限はないが、
樹脂固形分に対して0.1重量%以上50重量%以下の
範囲で用いるのが好ましい。0.1重量%未満では添加
効果が少なく銅化合物との塗料化により増粘が起き、5
0重量%を越えると良好な塗膜を形成できにくくなる。
【0016】本発明の防汚塗料用組成物に使用される銅
化合物防汚剤としては、クロム酸第二銅、フェロシアニ
ン酸第二銅、キノリン第二銅、δ−ハイドロキノン第二
銅、オレイン酸第二銅、硝酸第二銅、燐酸第二銅、酒石
酸第二銅、酸化第一銅、よう化第一銅、亜硫酸第一銅な
どがある。使用量としては、特に制限はないが、樹脂固
形分に対して50重量%以上500重量%以下の範囲で
用いるのが好ましい。50重量%未満では充分な防汚効
果を発揮できない傾向にあり、500重量%を越えると
良好な塗膜を形成できない傾向にある。
【0017】本発明の防汚塗料用組成物は、脂肪族アマ
イド系分散及びダレ止め剤を使用することにより、良好
な分散状態を保ったまま長期間増粘の少ない安定な塗料
組成物を提供することができる。本発明の防汚塗料用組
成物に使用される脂肪族アマイド系分散及びダレ止め剤
としては、ディスパロン6900−20X(楠本化成
(株))、ターレン5200−25、7200−20、
7500−20、8300−20、8400−20、8
700−20、KY2000、KY4000、M102
0、DO530、BA600、VA100、VA80
0、フローノンSP1000、SH290、チクゾール
W300(共栄社化学(株))などがあり、使用量とし
ては、特に制限はないが、樹脂固形分に対して0.01
重量%以上30重量%以下の範囲で用いるのが好まし
い。0.01重量%未満では添加効果がなく防汚剤及び
顔料が充分に分散しにくく、30重量%を越えると良好
な塗料又は塗膜を形成できにくくなる。
【0018】本発明の防汚塗料用組成物に、さらにシア
ノ芳香族系毒物を使用することにより、長期間増粘のな
い均一な塗料を得ることができる。本発明の防汚塗料用
組成物に使用されるシアノ芳香族系毒物としては、2,
4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、2,
4,5,6−テトラブロモイソフタロニトリル、2−ア
ミノ−1−ブトキシカルボニル−4,5−ジシアノイミ
ダゾール、1−アセチル−3−(2−クロロフェニル)
−4−シアノピロールなどがあり、これらの使用量は、
特に制限されないが、樹脂固形分に対して1重量%以上
50重量%以下が好ましい。1重量%未満では防汚剤と
しての効果を示さず、50重量%を越えると良好な塗膜
が形成されない。さらに、本発明の防汚塗料用組成物に
は、本発明の効果を損なわない程度にその他の重合体を
混合することもできる。上記防汚塗料用組成物は、公知
の顔料等の着色剤、公知の増量剤、その他の公知の防汚
剤、各種添加剤を配合して防汚塗料とすることができ
る。
【0019】公知の顔料として代表的なものには、酸化
チタン(チタン白)、ベンガラ、カーボンブラック、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の無機
顔料、アゾ系、シアニン系、キナクリドン系等の有機顔
料を用いることができるが、通常は無機顔料が用いられ
る。公知の増量剤としては、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、タルク、マイカ、シリカなどがある。その他の公
知の代表的な防汚剤としては、酸化亜鉛、クロム酸亜
鉛、クロム酸ストロンチウムなどの無機防汚剤があり、
有機防汚剤としては、4,5−ジクロロ−2−N−オク
チル−3(2H)−イソチアゾロンなどがある。また、
防汚剤として有機錫化合物、トリアジン化合物、有機硫
黄化合物等を併用することは何ら妨げるものではない。
さらに、溶出助剤としてロジン、ガムロジン、ウッドロ
ジン、トール油ロジン等を併用することも可能である。
このようにして得られる本発明の防汚塗料用組成物は、
船底塗料、漁網用塗料等として有用である。
【0020】
【実施例】つぎに実施例により本発明を説明するが、本
発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0021】製造例1 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン75.0
g、無水マレイン酸16.89gを挿入し攪拌しながら
95℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル8
1.62g、アクリル酸n−ブチル51.5g、2,
2′−アゾビスイソブチルニトリル(以下AIBNと略
記する)0.375gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌
しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに攪
拌しながら95℃で1時間保温した。次に、キシレン1
5.0g、AIBN0.30gの混合物を1時間かけて
滴下し、95℃で30分保温後、さらにキシレン15.
0g、AIBN0.3gの混合物を30分かけて滴下し
た。その後95℃で2時間保温し、キシレン45.0g
を添加した後放冷しワニスを製造した。該重合体の数平
均分子量は、32,000であった。
【0022】製造例2 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン62.5
g、無水マレイン酸29.13gを挿入し攪拌しながら
95℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル7
0.39g、アクリル酸n−ブチル25.37g、AI
BN1.25g、α−メチルスチレンダイマー1.0g
の混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら4時間かけて
滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃で1
時間保温した。次に、キシレン12.5g、AIBN
0.25gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン12.5g、AIBN0.
25gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃
で2時間保温し、キシレン37.5gを添加した後放冷
しワニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、1
2,700であった。
【0023】製造例3 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン75.0
g、無水マレイン酸22.55gを挿入し攪拌しながら
95℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル9
8.12g、アクリル酸n−ブチル29.47g、AI
BN1.50g、α−メチルスチレンダイマー0.75
gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら4時間かけ
て滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃で
1時間保温した。次に、キシレン15.0g、AIBN
0.30gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン15.0g、AIBN0.
30gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃
で2時間保温し、キシレン45.0gを添加した後放冷
しワニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、1
3,800であった。
【0024】製造例4 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン75.0
g、無水マレイン酸22.75gを挿入し攪拌しながら
95℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル8
2.48g、アクリル酸n−ブチル44.60g、AI
BN1.50g、α−メチルスチレンダイマー0.75
gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら4時間かけ
て滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃で
1時間保温した。次に、キシレン15.0g、AIBN
0.30gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン15.0g、AIBN0.
30gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃
で2時間保温し、キシレン45.0gを添加した後放冷
しワニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、1
5,100であった。
【0025】製造例5 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン250
g、無水マレイン酸77.7gを挿入し攪拌しながら9
5℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル169
g、アクリル酸n−ブチル253g、AIBN1.67
gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら3時間かけ
て滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃で
1時間保温した。次に、キシレン50.0g、AIBN
1.00gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン50.0g、AIBN1.
00gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃
で2時間保温し、キシレン150gを添加した後放冷し
ワニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、16,
300であった。
【0026】製造例6 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン300
g、無水マレイン酸95.2gを挿入し攪拌しながら9
5℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル69.
1g、アクリル酸n−ブチル436g、AIBN6.0
0gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら3時間か
けて滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃
で1時間保温した。次に、キシレン60.0g、AIB
N1.2gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン60.0g、AIBN1.
2gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃で
2時間保温し、キシレン180gを添加した後放冷しワ
ニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、12,5
00であった。
【0027】製造例7 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン375
g、無水マレイン酸181gを挿入し攪拌しながら95
℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル175
g、アクリル酸n−ブチル394g、AIBN2.50
gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら4時間かけ
て滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃で
1時間保温した。次に、キシレン75.0g、AIBN
1.50gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン75.0g、AIBN1.
50gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃
で2時間保温し、キシレン225gを添加した後放冷し
ワニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、11,
500であった。
【0028】製造例8 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロー
ト、温度計を備えた4つ口フラスコにキシレン300
g、無水マレイン酸146gを挿入し攪拌しながら95
℃に保持した。次に、メタクリル酸n−ブチル70.8
g、アクリル酸n−ブチル383g、AIBN2.00
gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら4時間かけ
て滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃で
1時間保温した。次に、キシレン60.0g、AIBN
1.20gの混合物を1時間かけて滴下し、95℃で3
0分保温後、さらにキシレン60.0g、AIBN1.
20gの混合物を30分かけて滴下した。その後95℃
で2時間保温し、キシレン180gを添加した後放冷し
ワニスを製造した。該重合体の数平均分子量は、11,
700であった。
【0029】比較製造例1 特開昭57-92061号公報記載の方法に基づき、温度計及び
攪拌機を備えた1リットルフラスコにトリ−n−ブチル
錫メタクリレート240g、メチルメタクリレート14
0g、オクチルアクリレート15g、ブチルアクリレー
ト5g及びキシレン400gを仕込み、重合触媒として
ベンゾイルパーオキサイド2gを加え、100〜105
℃で4時間、更に120〜125℃で1時間重合を行い
トリ有機錫高分子化合物を得た。
【0030】実施例1〜8 上記製造例で製造した各ワニスについて樹脂固形分15
gに相当するワニスに、亜酸化銅(日進ケムコ(株)社
製)45g及び表1に示す物質を配合し、さらにガラス
ビーズ(直径2mm)を加えて、メカニカルスターラーを
用いて混練攪拌後、ガラスビーズを濾別して防汚塗料用
組成物を調製した。
【0031】
【表1】
【0032】比較例1〜10 上記製造例で製造した各ワニスについて樹脂固形分15
gに相当するワニスに、亜酸化銅(日進ケムコ(株)社
製)45g及び表2に示す物質を配合し、さらにガラス
ビーズ(直径2mm)を加えて、メカニカルスターラーを
用いて混練攪拌後、ガラスビーズを濾別して防汚塗料用
組成物を調製した。
【0033】
【表2】
【0034】比較例10 上記比較製造例1で製造したワニスについて樹脂固形分
15gに相当するワニスに、亜酸化銅(日進ケムコ
(株)社製)45g及び1,2,4−トリアゾール0.
45gを配合し、さらにガラスビーズ(直径2mm)を加
えて、メカニカルスターラーを用いて混練攪拌後、ガラ
スビーズを濾別して防汚塗料用組成物を調製した。
【0035】貯蔵安定性試験 上記実施例1〜8及び比較例1〜10で調製した防汚塗
料用組成物を丸型金属缶中で密栓して50℃の恒温槽中
で一晩保存し、キシレン10〜20mlを加えて希釈し、
クレブスストマー粘度計により測定した粘度が80KU
程度になるように調整し粘度を20℃で測定した。さら
に、防汚塗料用組成物を丸型金属缶中で密栓して50℃
の恒温槽中で20日間保存した。保存後、防汚塗料用組
成物の状態を観察するとともに、20℃で粘度を測定し
た。その結果を表3及び表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】比較例1〜5により調製したトリアゾール
誘導体並びに脂肪族アマイド系ダレ止め及び分散剤を含
まない防汚塗料用組成物は、増粘が著しく防汚塗料用組
成物として使用できなかった。比較例6により調製した
トリアゾール誘導体のみを含む防汚塗料用組成物は、や
や増粘することが分かった。一方、比較例7〜9により
脂肪族アマイド系以外のダレ止め及び分散剤を用いて調
製した防汚塗料用組成物は、やや増粘するだけでなく粒
々状の分散できなかったものが残り、均一な組成物が得
られなかった。比較例10の特開昭57-92061号公報記載
の方法に準じて調製した防汚塗料用組成物は、増粘する
だけでなく、不均一な組成物しか得られなかった。本発
明の実施例1〜8により調製した防汚塗料用組成物は、
著しい増粘抑制効果を示すと同時に内容物が均一に分散
できた。
【0039】塗装試験 上記貯蔵安定性試験に使用した50℃、12日間保存す
る前の防汚塗料用組成物を用いて、FRP板上に塗膜を
作成し室温下2日間自然乾燥した。得られた塗膜の状態
を観察し、結果を表5及び表6に示す。良好なものを
○、不良なものを×とした。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】表5及び表6から明らかなように、本発明
の防汚塗料用組成物(実施例1〜8)を用いた場合に
は、非常に平滑な表面を持つ塗膜を形成することができ
た。一方、比較例1〜9の防汚塗料用組成物を用いて作
成した塗膜及び特開昭57-92061号公報記載の防汚塗料用
組成物(比較例10)を用いて作成した塗膜は表面に多
くのブツブツが発生し表面平滑性が著しく悪かった。
【0043】塗膜消耗性試験 上記塗装試験で得られた塗膜付きFRP板をディスクロ
ーター板に取付け海水(水温15±2℃)で一定速度
(周速約15ノット)で2カ月間回転させ、塗膜表面の
観察を行った。結果を表7及び表8に示す。
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】表7及び表8から明らかなように、本発明
の防汚塗料用組成物は塗膜の消耗が非常に均一に起こ
り、防汚塗料用組成物として非常に有効であることが分
かった。ところが、比較例1〜9の防汚塗料用組成物を
用いて作成した塗膜及び特開昭57-92061号公報記載の防
汚塗料用組成物(比較例10)を用いて作成した塗膜の
消耗は不均一に起こり、試験開始前に比べて塗膜表面の
凹凸が一層顕著になり海水との摩擦抵抗が非常に高くな
った。
【0047】
【発明の効果】本発明の防汚塗料用組成物は、有機錫共
重合体のような危険性を有さず、かつ、良好な加水分解
性を示し、さらに銅化合物との混練によっても増粘ゲル
化せず、表面平滑性に優れた塗膜を形成できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、塩素原
    子、メチル基又はエチル基を示す)で表される1種以上
    の不飽和酸無水物及びこれと共重合可能な1種以上の他
    の不飽和単量体を重合して得られた重合体、(B)トリ
    アゾール誘導体、(C)銅化合物防汚剤並びに(D)脂
    肪族アマイド系分散及びダレ止め剤を含有してなる防汚
    塗料用組成物。
  2. 【請求項2】 さらにシアノ芳香族系毒物を含有する請
    求項1記載の防汚塗料用組成物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1030071A (ja) * 1996-04-17 1998-02-03 Nof Corp 塗料組成物
JP2003176443A (ja) * 1996-04-17 2003-06-24 Nippon Yushi Basf Coatings Kk 塗料組成物の製造方法
JP2003176444A (ja) * 1996-04-17 2003-06-24 Nippon Yushi Basf Coatings Kk 塗料組成物
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JP2003211081A (ja) * 1996-04-17 2003-07-29 Nippon Yushi Basf Coatings Kk 塗装方法
JP2006183059A (ja) * 1996-04-17 2006-07-13 Basf Coatings Japan Ltd 塗料組成物

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