JPH08217807A - 硬化性エマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents
硬化性エマルジョンおよびその製造方法Info
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- JPH08217807A JPH08217807A JP7049129A JP4912995A JPH08217807A JP H08217807 A JPH08217807 A JP H08217807A JP 7049129 A JP7049129 A JP 7049129A JP 4912995 A JP4912995 A JP 4912995A JP H08217807 A JPH08217807 A JP H08217807A
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Abstract
物性を付与することができる水性系の硬化性エマルジョ
ンとその製造方法を提供する。 【構成】 (a) アルコキシシリル基を有するラジカル重
合性単量体、(b) 前記単量体(a) と共重合可能なラジカ
ル重合性単量体、(c) 一般式;Z−(AO)n −Y(Z
はラジカル重合性二重結合を有する構成単位、AOはオ
キシアルキレン基、nは2以上の整数、Yはイオン解離
性基)で表されるラジカル重合性界面活性剤を共重合し
て得られる硬化性重合体と、pH緩衝剤を含有する硬化
性エマルジョン。製造方法は、前記 (c)界面活性剤とp
H緩衝剤の存在下に前記単量体(a)、(b) および油溶性
ラジカル重合開始剤を水性媒体中で乳化分散させる工程
[A]と、得られた水性乳化分散体を加熱された水性媒体
中に滴下して共重合させる工程[B] からなる。
Description
シシリル基を有する保存安定性ならびに塗膜物性に優れ
る硬化性エマルジョンとその製造方法に関する。
加水分解性シリル基を有する硬化性の共重合体は、接着
剤、シーリング材、塗料およびコーティング剤などの用
途に汎用されている。ところが、これらの用途分野では
有機溶剤の揮散による人体への有害性や環境汚染を避け
るため、有機溶剤を使用しない水性系の材料が求められ
ており、前記のアルコキシシリル基を有する硬化性共重
合体についても水性エマルジョン化の必要性が増してい
る。
体は、元来、加水分解しながら架橋するという性質を備
えている関係で、安定な水性エマルジョンの状態で得る
ことは容易でない。このため、保存安定性に優れる水性
エマルジョン化を確保するために様々な試みがなされて
いる。例えば、特開平3−227312号公報には(メ
タ)アクリル酸アルキルとアルコキシシリル基を有する
単量体を水性乳化重合する際に、得られる硬化性共重合
体の安定化を図る目的で上記単量体以外にアクリルアミ
ド、アクリル酸またはスチレンスルフォン酸のような特
定の水溶性単量体を0.1〜5重量%程度使用し共重合
させる方法が提案されている。また、特開平5ー253
54号公報には、加水分解性シリル基を有する単量体を
アミンイミド基を有する単量体とアルコール溶剤中で共
重合させた後、水を加えてエマルジョン化し、さらにア
ルコールを蒸散させる方法が提案されている。このほ
か、特開昭59−152972号公報には、耐水性に優
れたシラン系合成樹脂エマルジョンコーティング組成物
として、ビニルシランとアクリル系単量体を重合性乳化
剤を用いて乳化重合して得られたガラス転移点70℃以
下の共重合体を含有する水性エマルジョンに、特定量の
コロイダルシリカを配合した組成物が開示されている。
酸塩、アルキルベンゼン硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンベンゼンスル
フォン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤やポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、アルロニック型界面活性剤等のノニオン系界面
活性剤が用いられてきたが、これに代わる反応性乳化重
合用の乳化剤として特開昭62−104802号公報に
は下記の化1に示す一般式(式中、Aは炭素数2〜4の
アルキレン基、R1 は炭素原子またはメチル基、R2 は
炭素数8〜24の炭化水素基またはアシル基、m は0〜
50の数、Xは水素原子またはノニオンもしくはアニオ
ンの親水基である)で表される化合物が開示されてい
る。
下記の化2で示される一般式(式中、R1 は炭素数6〜
18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル
基、R2 は水素または炭素数6〜18のアルキル基、ア
ルケニル基もしくはアラルキル基、R3 は水素またはプ
ロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置
換アルキレン基、n は1〜200の整数、Mはアルカリ
金属、アンモニウムイオンまたはアルカノールアミン残
基である)の化合物が提案されている。
術によるアルコキシシリル系の自己硬化型水性エマルジ
ョンは保存安定性が十分ではないうえ、塗料などに用い
た際に満足し得る塗膜物性が得られないなど改善すべき
課題が残されていた。
る単量体の重合体が水性媒体に分散し、保存安定性に優
れる硬化性エマルジョンを得ることを課題として鋭意研
究を重ねた結果、ポリオキシアルキレン基をもつアニオ
ン性またはカチオン性のラジカル重合性界面活性剤を前
記単量体と組み合わせて共重合すると、予測を越える優
れた保存安定性ならびに塗膜物性が付与されることを知
見して、本発明を開発するに至った。
のアルコキシシリル基を有する硬化性共重合体でありな
がら、優れた保存安定性を備え、かつ高品位の塗膜物性
を付与することができる水性系の硬化性エマルジョンと
その工業的な製造方法を提供することにある。
めの本発明による硬化性エマルジョンは、下記の単量体
(a)〜(b) および界面活性剤(c) からなる硬化性共重合
体と、pH緩衝剤を含有することを構成上の特徴とす
る。 (a) アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (b) 上記単量体(a) と共重合可能なラジカル重合性単量
体 (c) 一般式;Z−(AO)n −Y(式中、Zはラジカル
重合性二重結合を有する構成単位、AOはオキシアルキ
レン基、n は2以上の整数、Yはイオン解離性基を示
す)で表されるラジカル重合性界面活性剤。
めの本発明による製造方法は、上記したラジカル重合性
界面活性剤(c) およびpH緩衝剤の存在下に、上記のラ
ジカル重合性単量体(a) 、(b) および油溶性ラジカル重
合開始剤を水性媒体中で乳化分散させる工程[A] と、工
程[A] で得られた水性乳化分散体を加熱された水性媒体
中に滴下して前記ラジカル重合性単量体(a) 、(b) およ
びラジカル重合性界面活性剤(c) を共重合させる工程
[B] を順次に施すことを特徴とするものである。
組成ならびに製造方法を更に詳しく説明する。本発明を
構成する硬化性共重合体は、アルコキシシリル基を有す
るラジカル重合性単量体(a) 、該単量体(a) と共重合可
能なラジカル重合性単量体(b) および特定の親水性基を
有するラジカル重合性界面活性剤(c) を共重合させたポ
リマーである。これらラジカル性単量体のうち、単量体
(a) のアルコキシ成分は、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンタノキシ基、ヘキ
サノキシ基などが挙げられ、炭素数には特に限定はな
い。しかし、ペンタノキシ基より炭素数の多いアルコキ
シは酸触媒などの触媒を添加する場合を除いて反応性が
低いため、ブトキシ基よりも炭素数の少ないアルコキシ
シリル基であることが好ましい。また、メトキシ基は安
定性が若干不十分であり、ブトキシ基は反応性が高くな
いことなどを考慮すると、エトキシ基もしくはプロポキ
シ基で更に好ましい。ケイ素原子と結合するアルコキシ
基の数は1〜3の範囲であれば幾つでもよいが、1つで
は硬化性が低くなるため、2つまたは3つが好ましい。
具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチル
ジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメ
チルジプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジプロポキシシラン等を挙げることができる。
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸nブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メ
タ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2ーヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリ
シジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸N,
N−ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、
α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも
共重合性、塗膜物性などの面から好ましい単量体は、炭
素数が1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸
アルキル、スチレン、炭素数が2〜3のアルキレン基を
有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリシ
ジルメタクリレート等が挙げられる。しかし、(メタ)
アクリル酸のようなアルコキシリル基との反応性、また
は加水分解促進性を有する単量体は好ましくない。
−(AO)n −Y(式中、Zはラジカル重合性二重結合
を有する構成単位、AOはオキシアルキレン基、n は2
以上の整数、Yはイオン解離性基を示す)で表されるア
ニオン性またはカチオン性のラジカル重合性界面活性剤
である。前記化学式;Z−(AO)n −Yにおける好ま
しいZは、芳香族炭化水素基、アルキル置換芳香族炭化
水素基、高級アルキル基または脂環式炭化水素基等の疎
水性基とラジカル重合性二重結合とが組み合わされた構
造のものである。Zにおけるラジカル重合性二重結合と
しては、(メタ)アリル基、プロペニル基またはブテニ
ル基等が好ましい。
イオン性はアニオンであり、したがってYとしては、基
(AO)n 側にアニオンが共有結合し、これにカチオン
がイオン結合した塩が好ましい。好ましいYの具体例と
しては、−SO3 Na、−SO3 NH4 、−COON
a、−COONH4 、−PO3 Na2 および−PO
3 (NH4)2 等が挙げられ、さらに好ましくは−SO3
Naまたは−SO3 NH4 である。基(AO)n におけ
るnとしては、300以下が好ましく、さらに好ましく
は5〜50である。nが5未満であると、前記単量体
(a) 中のアルコキシシリル基の安定性が不足し易く、一
方nが50を越えると得られる硬化性エマルジョンから
形成される塗膜の物性が低下する傾向を示す。また、基
(AO)n における単位A、すなわちアルキレン基とし
ては、エチレン基またはプロピレン基が好ましい。
3、化4または化5等で表される化合物が挙げられる。
化3または化4中のRとしては、炭素数6〜18の直鎖
状または分岐状アルキル基が好ましい。化5中のR2 と
しては、炭素数8〜24のアルキル基が好ましく、R1
は水素原子またはメチル基である。また、化3から化5
中のYの具体例は、既述のとおりである。
H緩衝剤は、水性乳化分散体における水性媒体のpHを
中性乃至弱アルカリ性領域、具体的にはpH6〜10に
保持するために適した緩衝機能があるものが好ましく使
用される。この種のpH緩衝剤としては、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム、りん酸一ナトリウム、りん
酸一カリウム、りん酸二ナトリウム、りん酸三ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムおよび蟻酸ナト
リウム等が挙げられるが、少量の添加でpHが安定する
炭酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。前記化合
物は2種以上組み合わせて使用することもでき、例えば
炭酸水素ナトリウムとリン酸一ナトリウムの併用によ
り、pHを7.5の近傍に維持できる。pH緩衝剤の好
適な使用量は、水に対して0.01〜5重量%の範囲で
ある。pH緩衝剤の使用により、水性乳化分散体におけ
る水性媒体のpHは6〜10の範囲に制御され、アルコ
キシリル基を有するラジカル重合単量体(a) または該単
量体を一成分とする重合体におけるアルコキシシリル基
の加水分解が抑制される。なお、前記pH緩衝剤と共
に、必要に応じてアンモニア、モノエチルアミン、トリ
エチルアミン、エタノールアミン等の弱アルカリ化合物
をpH調整剤に使用してもよい。
製造するための工程[A] は、ラジカル重合性界面活性剤
(c) およびpH緩衝剤の存在下に、ラジカル重合性単量
体(a) 、(b) および油溶性ラジカル重合開始剤を水性媒
体中で乳化分散させるプロセスである。具体的には、界
面活性剤(c) を含む水性媒体にpH緩衝剤を溶解し、こ
の溶液に単量体(a) 、(b) および油溶性ラジカル重合開
始剤からなる混合溶液を滴下して水性乳化するか、また
はpH緩衝剤を溶解した水性媒体中に、単量体、重合開
始剤および界面活性剤(c) を混合した溶液を滴下して水
性乳化する方法等が採られる。
使用割合は、全単量体の合計量を基準にして (a)成分
0.5〜50重量%、好ましくは3〜20重量%、 (b)
成分99〜50重量%、好ましくは96.5〜75重量
%、および (c)成分0.5〜20重量%、好ましくは1
〜5重量%の範囲である。pH緩衝剤を含む水性媒体と
乳化させるべき単量体溶液の割合は、単量体100重量
部当たり水性媒体20〜150重量部に設定することが
好ましい。
に対する溶解度が10重量%以下のものが好ましく使用
される。例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリ
ル、1ーアゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル
およびジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等
のアゾ系開始剤、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイル
パーオキシド、ジクミルパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシドジ−n−プロピルパーオキシジカルボネ
ートおよびt−ブチルパーオキシピバレート等の有機過
酸化物が好適に用いられる。これら重合開始剤の量は、
単量体の合計量に対して0.1〜10重量%が適当であ
り、好ましくは0.5〜5重量%の範囲に設定される。
制約はなく、通常の回転式ホモミキサーで十分に乳化分
散させることができる。しかし、ラジカル重合性単量体
(a)、(b) および界面活性剤(c) からなる乳化分散体の
粒子径が大きいと、重合後の乳化分散体の粒子径も大き
くなるため、可及的に粒子径の小さい水性乳化分散体で
あることが好ましい。水性乳化分散体の好ましい粒径
は、具体的には1μ以下であり、さらに好ましくは0.
2〜0.05μである。したがって、通常の回転式ホモ
ミキサーに代えてまたは回転式ホモミキサーによる処理
後に、高圧式乳化分散機(ホモジナイザー)、タービン
型ミキサーなど高度の剪断エネルギーを有する分散装置
を用いて粒子径を微細化することが望ましい。
された水性媒体中に前記工程[A] で得られた水性乳化分
散体を滴下し、単量体(a) 、(b) および界面活性剤(c)
を共重合する工程[B] を施す。本発明における重合は、
単量体溶液の分散粒子中に油溶性ラジカル重合開始剤が
含まれているため、各分散微細粒子内で起こる。このよ
うな重合法は、一般にミクロ懸濁重合法と言われている
もので、乳化剤が形成するミセル内で水溶性開始剤によ
り重合が起こる乳化重合法とは区別される。
体エマルジョン」という)を撹拌下に加熱されている水
性媒体中に連続的または間欠的に供給する方法で行われ
る。単量体エマルジョンの供給方法としては、滴下ロー
トから徐々に滴下する手段を採ることが好ましい。この
際、重合容器に仕込む水性媒体の好ましい量は、単量体
エマルジョン100重量部当たり10〜50重量部の範
囲である。重合温度は、用いる重合開始剤によって異な
るが、通常40〜100℃程度であり、好ましくは70
〜90℃である。
0.1μm 程度の重合体粒子が安定に乳化分散した硬化
性エマルジョンが製造される。該硬化性エマルジョン
は、実施例において具体的に説明するとおり、温度60
℃で1ケ月間放置しても安定なエマルジョン状態を維持
し、しかも良好な自己硬化性能を保持している。
本発明の硬化性エマルジョンは、単量体(a) に由来する
アルコキシシリルシリル基の加水分解によって生じるシ
ラノール基が主体となって起こる縮合反応により硬化す
る。硬化触媒として、例えばイソプロピルトリイソステ
アロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルピ
ロホスフェート)チタネート等の有機チタネート化合
物、またはジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫マレート等の有機錫化合物、またはパラトル
エンスルフォン酸等の有機酸触媒を使用することができ
る。また、前記硬化触媒とともに、本発明エマルジョン
の使用に際し、適当量の無機酸を加え、エマルジョンの
pHを3〜5程度の酸性域に調整すれば、一層架橋性が
改善された被膜を作製することが可能となる。
て好適であり、具体的には例えばガラス、スレート、金
属、木材、またはプラスチック等からなる建材用の塗
料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗料、無機建材用溌水剤、
電気電子部品の防湿コーティング剤、磁気テープのバッ
クコート剤および繊維用の硬化仕上げ剤、溌水剤、その
他シーリング剤、接着剤、バインダー、粘着剤等に用い
ることができる。
コキシシリル基を有するラジカル重合性単量体および
(b)前記単量体(a) と共重合可能なラジカル重合性単量
体を、一般式Z−(AO)n −Y(式中、Zはラジカル
重合性二重結合を有する構成単位、AOはオキリアルキ
レン基、nは2以上の整数、Yはイオン解離性基を示
す)で表されるラジカル重合性界面活性剤とともに共重
合させた硬化性共重合体を主成分とする組成からなるも
のである。アルコキシシリル基を有する単量体と前記の
ポリオキシアルキレン基とイオン解離性の基を保有する
アニオン性またはカチオン性のラジカル重合性界面活性
剤を組み合わせて共重合させることにより、共重合時に
界面活性剤が単に乳化剤として機能するばかりでなく、
ラジカル重合してアルコキシシリル基を有する単量体と
近接し、ポリオキシアルキレン基によりアルコキシシリ
ル基を効果的に保護できるため、硬化性エマルジョンの
保存安定性を著しく高める。
キシアルキレン基を保有するラジカル重合性の界面活性
剤とpH緩衝剤の存在下にアルコキシシリル基を有する
単量体と油溶性ラジカル重合開始剤を水性媒体中で乳化
分散させたのち、共重合させるプロセスを採ることによ
り、共重合が水性媒体中に分散している各微細粒子内で
起きるミクロ懸濁重合として進行する。このため、常に
分散が安定化したエマルジョン状態が得られる。
さらに具体的に説明する。なお、各例における成分配合
の部は、全て重量部である。また、実施例で使用された
界面活性剤のうち、“アクアロン”〔第一工業製薬
(株)製〕は化6で表される化合物であり、“アデカリ
アリープ”〔旭電化工業(株)製〕は化7で表される化
合物である。そして、アクアロンHS05、HS10お
よびHS20は、それぞれ化6におけるポリオキシエチ
レン基の縮合度nが5、10または20のものに対応
し、アデカリアリープSE−10Nにおけるポリオキシ
エチレン基の縮合度nは10である。
活性剤(c) 、油溶性ラジカル重合開始剤および水性媒体
を表1に示す配合量で混合し、ホモミキサーで混合した
のち、さらにホモジナイザー〔ゴーリン社製〕で乳化分
散処理を施し、pH8.5の単量体エマルジョンを調製
した。
器を備えたフラスコに水性媒体として脱イオン水40部
を仕込み、液温を85℃に昇温したのち、水性媒体を高
速で撹拌しながら上記の単量体エマルジョンを2時間か
けて滴下した。滴下終了後、85℃の温度に2時間保持
して共重合させ、ついで室温まで冷却した。重合中、フ
ラスコ内壁に凝集物が僅かに付着したが、液分離および
ブロッキングは起こらず、重合は安定に行われた。この
重合操作により、固形分濃度が40重量%、重合体粒子
の平均粒径が0.11μm で、pHが8.5の硬化性エ
マルジョンが得られた。
につき、以下の方法により特性評価を行い、その結果を
表2に示した。 グリット量 硬化性エマルジョンを200メッシュのネットで濾過し
た時の未通過物の量をグリッド含有量とした。 エマルジョン安定性 硬化性エマルジョンを密封容器に入れて1ケ月間60℃
の温度に保持した後、アルコキシシリル基が分解して生
成したアルコール量〔加水分解割合(%)〕をガスクロ
分析して安定度合を確認した。また、硬化性エマルジョ
ンから形成した塗膜物性の弾力性が初期段階と比較して
変化しているかどうかを評価した。弾力性は、乾燥塗膜
を半分に折り曲げ、次に逆方向に折り曲げる操作を10
回繰り返した際の状態で判定した。 塗膜物性 硬化性エマルジョンを剥離紙に塗布し、常温下に10日
間乾燥することにより厚さ1mm程度の塗膜を作製した。
耐水性は上記乾燥塗膜を常温の水に7日間浸漬した後の
透明度を評価(○:透明性保持、△:多少白化、×:完
全に白化)し、耐溶剤性は上記乾燥塗膜を常温のアセト
ンに1日浸漬し、その後の重量を測定して初めの重量に
対する割合〔ゲル分率(%)〕として評価した。
シランに代え、その他の組成および重合操作は全て実施
例1と同一条件により硬化性エマルジョンを製造した。
得られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に
特性評価を行った結果を表2に併載した。
キシシラン量を20部に、また単量体(b) のうちn−ブ
チルアクリレート量を20部に変え、その他の組成およ
び重合操作は全て実施例1と同一条件により硬化性エマ
ルジョンを製造した。得られた硬化性エマルジョンにつ
き、実施例1と同様に特性評価を行った結果を表2に併
載した。
キシシラン量を4部に、また単量体(b) のうちn−ブチ
ルアクリレート量を36部に変え、その他の組成および
重合操作は全て実施例1と同一条件により硬化性エマル
ジョンを製造した。得られた硬化性エマルジョンにつ
き、実施例1と同様に特性評価を行った結果を表2に併
載した。
工業(株)製〕に代え、その他の組成および重合操作は
全て実施例1と同一条件により硬化性エマルジョンを製
造した。得られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1
と同様に特性評価を行った結果を表2に併載した。
(株)製〕に代え、その他の組成および重合操作は全て
実施例1と同一条件により硬化性エマルジョンを製造し
た。得られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同
様に特性評価を行った結果を表2に併載した。
(株)製〕に代え、その他の組成および重合操作は全て
実施例1と同一条件により硬化性エマルジョンを製造し
た。得られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同
様に特性評価を行った結果を表2に併載した。
ンに代え、その他の組成および重合操作は全て実施例1
と同一条件により硬化性エマルジョンを製造した。得ら
れた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に特性
評価を行った結果を表2に併載した。
ランに代え、その他の組成および重合操作は全て実施例
1と同一条件により硬化性エマルジョンを製造した。得
られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に特
性評価を行った結果を表2に併載した。
ンに代え、その他の組成および重合操作は全て実施例1
と同一条件により硬化性エマルジョンを製造した。得ら
れた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に特性
評価を行った結果を表2に併載した。
シシランに代え、その他の組成および重合操作は全て実
施例1と同一条件により硬化性エマルジョンを製造し
た。得られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同
様に特性評価を行った結果を表2に併載した。
用せずに単量体エマルジョンを調整し、該単量体エマル
ジョンを滴下すべき水性媒体側に重合開始剤として過硫
酸アンモニウムを1部添加した。またpH緩衝剤量を1
部とした。その他の組成は全て実施例1と同一条件とし
て重合操作を行ったところ、単量体エマルジョンの滴下
途中で釜液がゲル化して固化し始め、重合を中断せざる
を得なかった。
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エス
テル塩〔花王(株)製、“レベノールWZ”〕を使用し
た。その他の組成および重合操作は全て実施例1と同一
条件により硬化性エマルジョンを製造した。得られた硬
化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に特性評価を
行った結果を表2に併載した。この例では硬化性エマル
ジョンの耐水性が低下した。
条件で重合を行った。得られた硬化性エマルジョンにつ
き、実施例1と同様に特性評価を行った結果を表2に併
載した。この場合には、重合終了時から理論量に対して
約5%のエタノールが検出され、安定性テスト中もさら
に分解しエタノール発生量が増加することが確認され
た。また、安定性テスト後のエマルジョンから形成した
乾燥皮膜は合成直後のエマルジョンから作製した乾燥皮
膜に比べて、非常に脆いものであった。
の一般式で示されるアルケニルコハク酸ソーダ塩タイプ
の単量体〔花王(株)製、“ラテムルS180A ”〕を5部
配合した。その他の組成および重合操作は全て実施例1
と同一条件により硬化性エマルジョンを製造した。得ら
れた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に特性
評価を行った結果を表2に併載した。この例では、大量
のグリッドが発生し、得られた硬化性エマルジョンの安
定性も極めて悪かった。この原因は“ラテムルS180A ”
の化学構造が本発明の界面活性剤(c) の構造のうち(O
A)n の部分を有していないため、イオン性の基(Y)
の影響でアルコキシシリル基が加水分解し易くなったも
のである。
シシリル基を有する単量体とポリオキシアルキレン基を
保有するラジカル重合性の界面活性剤を組み合わせて共
重合させることにより、優れた保存安定性と高品質の塗
膜物性を与える自己硬化性の水性エマルジョンを提供す
ることが可能となる。したがって、塗料、接着剤、シー
リング剤、コーティング剤など各種の用途に対して極め
て有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の単量体 (a)〜(b) および界面活性
剤(c) からなる硬化性共重合体と、pH緩衝剤を含有す
ることを特徴とする硬化性エマルジョン。 (a) アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (b) 上記単量体(a) と共重合可能なラジカル重合性単量
体 (c) 一般式;Z−(AO)n −Y(式中、Zはラジカル
重合性二重結合を有する構成単位、AOはオキシアルキ
レン基、n は2以上の整数、Yはイオン解離性基を示
す)で表されるラジカル重合性界面活性剤。 - 【請求項2】 請求項1記載のラジカル重合性界面活性
剤(c) およびpH緩衝剤の存在下に、請求項1記載のラ
ジカル重合性単量体(a) 、(b) および油溶性ラジカル重
合開始剤を水性媒体中で乳化分散させる工程[A] と、工
程[A] で得られた水性乳化分散体を加熱された水性媒体
中に滴下して前記ラジカル重合性単量体(a) 、(b) およ
びラジカル重合性界面活性剤(c) を共重合させる工程
[B] からなることを特徴とする硬化性エマルジョンの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04912995A JP3327036B2 (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 硬化性エマルジョンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08217807A true JPH08217807A (ja) | 1996-08-27 |
JP3327036B2 JP3327036B2 (ja) | 2002-09-24 |
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Family Applications (1)
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JP04912995A Expired - Fee Related JP3327036B2 (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 硬化性エマルジョンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3327036B2 (ja) |
-
1995
- 1995-02-14 JP JP04912995A patent/JP3327036B2/ja not_active Expired - Fee Related
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