JPH08217548A - セラミックススラリーの製造方法 - Google Patents

セラミックススラリーの製造方法

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JPH08217548A
JPH08217548A JP7049321A JP4932195A JPH08217548A JP H08217548 A JPH08217548 A JP H08217548A JP 7049321 A JP7049321 A JP 7049321A JP 4932195 A JP4932195 A JP 4932195A JP H08217548 A JPH08217548 A JP H08217548A
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slurry
dispersant
powder
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ceramic
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JP7049321A
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Shigeharu Matsubayashi
重治 松林
Minoru Takahashi
実 高橋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、噴霧造粒用または鋳込成形用のセ
ラミックススラリーの調製方法に関するもので、スラリ
ー中のセラミックス粉末の分散性を向上させる方法及び
粉体特性と関係付け、スラリー粘度の経時安定性や調製
時の再現性を高揚させることを目的とする。 【構成】 原料粉末のBET値(比表面積)に比例させ
て分散剤量を添加することを特徴とするセラミックスス
ラリーの製造方法であり、前記に於いて原料粉末の粒子
形状が球形に近い、もしくは、粒度分布が狭い(シャー
プ)場合は分散剤添加量を低減させることを特徴とする
セラミックススラリーの製造方法である。また、使用直
前に水および/または溶媒を追加添加し所定の濃度に調
整することを特徴とするセラミックススラリーの製造方
法である。 【効果】 本発明の方法により、分散性の良いスラリー
を安定して製造でき、このスラリーを用いた焼結体の密
度が99%理論密度比と高いことから、本発明の工業的
意義は大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、噴霧造粒または鋳込成
形に用いるセラミックススラリー(泥漿)の製造方法に
関する。セラミックス粉末として、例えばアルミナ、ジ
ルコニア、炭化珪素、窒化珪素、等があげられる。
【0002】
【従来の技術】一般に微粉末を出発原料としセラミック
ス焼結体を得るための未焼成体の成形方法には、主に次
の2通りである。
【0003】第一の方法は、水および/または溶媒中に
微粉末を分散したスラリーを噴霧乾燥処理により顆粒状
に造粒し、流動性を付与することによって成形時の均一
充填性を向上させ、この後加圧成形するプレス成形法で
ある。
【0004】第二の方法は鋳込成形法で、水および/ま
たは溶媒中に微粉末を分散・浮遊させたスラリーを吸水
性をもつ鋳込型に流し込み脱液固化させ目的形状に成形
させる方法である。
【0005】いずれの場合も、微粉末を水を含む溶媒中
に如何に良好に分散させ適性濃度・年度のスラリーを製
造するかが、成形体強いては焼成体の良否を左右する。
【0006】即ち、分散不十分(凝集粒子を含む)なス
ラリーであると、噴霧乾燥造粒した顆粒の流動特性等が
悪く成形体に微細な空孔ができるとか、泥漿鋳込み成形
体に微細な空孔ができ、焼成体の密度低下や不均一性及
び欠陥生成による破壊や強度低下を起こす。
【0007】スラリー分散性改善のために、従来からス
ラリー製造時に分散剤添加やスラリー濃度を希薄系で使
用する等の対策が取られてきた。
【0008】しかし、使用するセラミックス原料特性に
より適性分散剤添加量が異なるため、スラリーを製造す
る度に粘度等スラリー特性がバラツク等経時安定性及び
再現性が悪く、安定して良好な成形体を得らず、過剰に
添加した分散剤による焼結体得性の低下を起こしてい
る。
【0009】また、希薄スラリー系を使用する場合も、
溶媒濃度の増加にともない乾燥造粒負荷の増大やスラリ
ー特性の経時安定性,再現性のバラツキによる顆粒特性
のバラツキを生じるとか、鋳込み成形生産性の低下や成
形体のバラツキを生じている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、噴霧造粒用
または鋳込成形用のセラミックススラリーの製造方法に
関し、分散性が良く安定したスラリーを再現性良く効率
的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セラミッ
クス粉末に分散媒となる水および/または溶媒、分散
剤、pH調整剤、結合剤を添加して混合することによっ
て得られるセラミックススラリーの製造方法を種々実験
した結果、次の3点の発見をした。 使用する原料粉末のBET値(比表面積)と適性分散
剤添加量は、比例関係が成り立つ。 同一BET値の場合、原料粉末粒子の形状,粒度分布
に比例する。 スラリー濃度を高濃度系で分散させると、安定した良
好なスラリーが短時間に得られる。
【0012】以上の発見を基に本発明者らは、以下の対
策がスラリーを再現性良く効率的に製造するのに有効で
あることを発明した。 (1)原料粉末のBET値(比表面積)に比例させて分
散剤量を添加することを特徴とするセラミックススラリ
ーの製造方法。 (2)上記(1)に於いて、原料粉末の粒子形状が球形
に近い、もしくは、粒度分布が狭い(シャープ)場合は
分散剤添加量を低減させることを特徴とするセラミック
ススラリーの製造方法。 (3)使用直前に水および/または溶媒を追加添加し所
定の濃度に調整することを特徴とするセラミックススラ
リーの製造方法。である。
【0013】ここで、セラミックス粉末の種類と分散媒
に用いる水および/または溶媒との組み合わせは、分解
反応を起こさないまたは非常に少ない条件の組合せを満
足すれば、セラミックス粉末の種類及び溶媒は限定され
るものではない。
【0014】(1),(2)の方法について述べる。
【0015】スラリーの良好な分散状態を得るには、粉
末表面への分散剤分子の吸着量に最適量にある。これに
は、調製量、調製容器、温度、混合媒体(玉石)、回転
数などの調製方法には依存しないが、原料粉末のBET
比表面積、形状、粒径、粒径分布、表面活性、分散媒と
の親和性等によって変化することが本願発明者らによっ
て確認された。
【0016】即ち、分散剤添加量の最適値を特定するに
は、原料粉末が同組成で粒度分布,形状がほぼ同一で有
ればBET値(比表面積)が第一のパラメータであり、
かつ比例関係が成立することが確認出来た。
【0017】また、角状か球状かの形状因子または粒径
分布に伴うと考えられる各粒子間の引力・斥力の相互作
用により、最適分散剤添加量は、変化することが確認さ
れた。球状に近ずけば、分散剤最適添加量は減る方向に
シフトする。同じように粒度分布が狭い(シャープ)な
方向になれば、分散剤最適添加量は減る方向にシフトす
る。
【0018】具体的にはこの関係を利用し、ある原料粉
末と溶媒の組み合わせに於いて原料粉末特性(粒度分布
等)が変化した時、分散剤添加量を原料粉末のBET値
に比例して増減すると共に粒度分布等により増減すれば
分散剤添加量が適性値となり、良好に分散されたスラリ
ーが安定して得られる。
【0019】なお、粒度分布に関しては、粒度分布を表
わす指標の一つであるD10〜D90(重量累積分布の
10%と90%の粒子径範囲)の幅の約2/3倍で添加
量を増減させると良い。
【0020】次に(3)について述べる。
【0021】濃厚なスラリー程、スラリー混合時高いせ
ん断応力がスラリー中(一次粒子間)に発生する確率が
高く、一次粒子の凝集体を破壊すると共に分散剤が一次
粒子表面に均一に付着し、分散良好なスラリーが効率よ
くできる。
【0022】これを利用して、初期に高濃度でスラリー
を製造した後、使用直前に溶媒を添加し混合し、所定濃
度の分散良好なスラリーを効率よく得る方法である。
【0023】初期の高濃度系スラリーの限界値に関して
は、射出成形のコンパウンド中の固体体積割合や鋳込み
成形スラリー濃度の規格で最近頻繁に用いられる臨界粉
体体積濃度によって規定される濃度(プレス成形法に於
ける圧力無限大を想定したときの臨界成形密度でこの体
積濃度より濃化は困難)に近く、混合可能で有れば良
い。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較データと共に
示す。
【0025】
【実施例1】平均粒径0.22μm、0.6μm、2.
2μmの3種のアルミナ粉末を原料とし、これに蒸留水
と市販のポリカルボン酸アンモニウム塩を主成分とする
分散剤を添加・混合した。スラリー濃度を80重量%と
した。
【0026】各粉末のBET比表面積をアルゴンガス吸
着法により測定したところ、それぞれ13.2m2
g、6.0m2/g、3.0m2/gであった。40wt
%である分散剤溶液の添加量は、アルミナ粉末重量に対
する外重量比で、重量部(分散剤溶液のg数/100g
粉末)のように表記した。
【0027】それぞれの0.02g/100g粉単位で
分散剤添加量を変化させ、見掛け粘度が極小となること
を用い、分散剤最適添加量を測定したところ、以下の表
に示すような値を得た。
【0028】
【表1】
【0029】スラリー調製は、いずれの粉末系も10m
mφのジルコニア製ボールを粉末と同じ重量だけ用い、
24時間ボールミル混合することにより行った。
【0030】見掛け粘度は、東京計器(株)製のB型粘
度計を用い、同社規格のNo.3ロータの60r.p.
m.の条件で測定した。
【0031】その後、石膏型を用いた鋳込成形を行い、
1550℃×3時間の焼成により3.95g/cm3
上の緻密な焼結体を得た。
【0032】また、B粉と同じ平均粒子径かつ同じBE
T比表面積だが粉末形状が球形に近い粉末B′粉末で
は、同じ分散剤の最適添加量は0.36g/100g粉
まで減少した。
【0033】さらに、C粉と同じ平均粒子径、同じBE
T比表面積を有しかつ同じ形状だが、粒度分布を表わす
指標の一つであるD10〜D90(重量累積分布の10
%と90%の粒子径範囲)の幅が1/2であるC′粉末
では分散剤最適添加量は0.24g/10g粉へと減少
した。
【0034】これらB′およびC′粉末のスラリーにつ
いて、同一石膏型への鋳込成形を行い、1550℃×3
時間の焼成により3.95g/cm3以上の緻密な焼結
体を得た。
【0035】この結果より、本発明で求めた分散剤最適
添加量に調整されたスラリーでは焼結密度が理論密度比
で99%以上あることが見い出された。
【0036】図1に分散剤最適添加量と粉末の比表面積
の関係、および粒子形状、粒度分布の影響をプロットし
た結果、前者については原点を通る良好な比例関係が見
い出された。
【0037】以上の結果より、本発明で求めた分散剤最
適添加量に調整されたスラリーでは焼結密度が理諭密度
比で99%以上あることが見い出された。
【0038】
【実施例2】以下、本発明の実施例の一例を示す。
【0039】平均粒径0.6μmのアルミナ粉末を原料
とし、これに蒸留水と分散剤を添加した。本発明に基づ
く実施例及び比較例のいずれも所定濃度を75重量%と
した。
【0040】本発明に基づく実施例においては、粉体と
分散媒を混合する時のスラリー濃度を82重量%とし
た。
【0041】このとき、分散剤溶液の添加量は、粉体重
量に対する外重量比で0.65重量部(分散剤溶液0.
65g/100g粉末)とし、蒸留水についてはこの混
合時は粉体重量に対する外重量比で21.31重量部
(100/(100+21.31+0.65)=0.8
2)、所定濃度では32.68重量部(100/(10
0+32.68+0.65)=0.75)を用いること
になるため、希釈時の追加量は11.37(=32.6
8−21.31)重量部である。
【0042】本発明に基づく実施例では、10mmφの
ジルコニアボールを粉末と同じ重量分使用し、23時間
30分のボールミル混合を行った後、使用直前に希釈の
ための蒸留水を加えて30分の混合を行い、鋳込成形用
スラリーを調製した。
【0043】比較例として、10mmφのジルコニアボ
ールを粉末と同じ重量分使用し、混合開始時から75重
量%濃度系で24時間のスラリー調製を行った。
【0044】スラリー粘度は、東京計器(株)製のB型
粘度計を用い、No.3ロータの60r.p.m.の条
件で測定した。その後、石膏型への鋳込成形を行い、5
0mm×50mm×10mm厚さの板状成形体を成形し
乾燥後、1550℃×3時間の焼成によりアルミナ焼結
体を得た。
【0045】この焼結体について、焼結体密度、JIS
R1601に基づき3点曲げ坑折強度、JISR160
7に基づき破壊靭性値をそれぞれ測定した。
【0046】
【表2】
【0047】この結果より、本発明の調製法によるスラ
リーでは、粘度が低く良い分散性を示し、成形体及び焼
結体密度も高く、3点曲げ坑折強度や破壊靭性値の機械
的性質も増大することが見い出された。
【0048】
【発明の効果】本発明のスラリー調製方法を用いること
により、スラリー粘度が低下し、鋳込成形体や焼結体の
密度が増加し、良分散系による凝集2次粒子の減少に伴
うと考えられる坑折強度や破壊靭性値の増大が確認され
た。
【0049】したがって、噴霧造粒後のプレス成形や鋳
込成形による構造用セラミックスの製造を行う際に、ス
ラリー調製時の工程を大幅に増やすこと無く、強度の増
大が実現されたことから、本発明の工業的意義は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】分散剤最適添加量と粉末の比表面積の関係を示
す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末のBET値(比表面積)に比例
    させて分散剤量を添加することを特徴とするセラミック
    ススラリーの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、原料粉末の粒子形状
    が球形に近い、もしくは、粒度分布が狭い(シャープ)
    場合は分散剤添加量を低減させることを特徴とするセラ
    ミックススラリーの製造方法。
  3. 【請求項3】 使用直前に水および/または溶媒を追加
    添加し所定の濃度に調整することを特徴とするセラミッ
    クススラリーの製造方法。
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