JPH08217431A - フラーレンおよびその製造方法 - Google Patents

フラーレンおよびその製造方法

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JPH08217431A JP7021717A JP2171795A JPH08217431A JP H08217431 A JPH08217431 A JP H08217431A JP 7021717 A JP7021717 A JP 7021717A JP 2171795 A JP2171795 A JP 2171795A JP H08217431 A JPH08217431 A JP H08217431A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種操作や制御が可能な状態の下で、再現性
よく得ることを可能にしたフラーレンを提供する。 【構成】 Al超微粒子1のような活性な金属の存在下
で、非晶質炭素に電子線、粒子線、フォトン等の高エネ
ルギー線を照射することによって、その照射部に非晶質
炭素3の表層近傍に存在する炭素原子により構成された
たまねぎ状グラファイト2等のフラーレンが生成する。
あるいは、非晶質炭素膜上に存在するθ−Al2 O 3 粒子
等の準安定金属酸化物粒子に電子線を照射することによ
って、準安定金属酸化物粒子の表層部に吸着原子や不純
物等として存在する炭素源から構成元素が供給されて、
カーボンナノカプセル、カーボンナノチューブ、たまね
ぎ状グラファイトのような巨大フラーレンが生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な製法によるフラ
ーレンおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C60に代表されるフラーレンは、分子間
力によって結合しており、高い対称性を持ったサッカー
ボール型の分子である。分子中の全てのカーボン原子は
等価であって、互いに共有結合しており、非常に安定な
結晶体である。C60等のフラーレンは、結晶構造的には
fcc構造をとると見なすことができ、塑性変形能や加工
硬化性等の金属的な力学特性を示すことから、新しい炭
素系材料として各種用途への応用が期待されている。ま
た、フラーレン自体の特性に基いて、超伝導材料、触
媒、非線形光学材料等としての応用も研究されている。
【0003】従来、C60等のフラーレンは、炭素棒や粒
状炭素を電極としたアーク放電法や紫外レーザをグラフ
ァイト表面に照射するレーザアブレーション法等によっ
て作製されている。フラーレンはスス中に混在した状態
で生成されるため、フィルタやベンゼン等を用いた捕集
装置により抽出して使用されている。
【0004】上述したアーク放電時に陰極側に堆積した
物質中には、カーボンナノカプセルやカーボンナノチュ
ーブと呼ばれる高次フラーレン(巨大フラーレン)が含
まれており、陰極側の堆積物を粉砕した後にエタノール
等の有機溶媒を用いて精製することにより、上述したカ
ーボンナノカプセルやカーボンナノチューブが得られて
いる。カーボンナノカプセルやカーボンナノチューブ
は、いずれも中空形状を有すると共に、例えば潤滑性や
耐候性等に優れることから、それらの中空部内に他の金
属原子や微細結晶等を閉じ込めることによって、新物質
の合成や新機能の探索等が行われている。
【0005】しかし、従来のカーボンナノカプセルやカ
ーボンナノチューブは、上述したように、アーク放電法
によりC60等を作製する際に陰極側に副次的に生成され
る堆積物中に含まれるものであるため、黒鉛状物質やア
モルファスカーボン等の不純物との分離自体が困難であ
り、また分離した後においても形状や物性の制御、さら
には上述した他の金属原子等との合成(内包)制御等を
容易に行うことができないという難点を有している。
【0006】また、巨大フラーレンの一種として、C60
等からなるコアの外殻にさらに大きな分子量を持つフラ
ーレンが同心円状に重なりあった、たまねぎ状グラファ
イトと呼ばれる物質も発見されている。しかし、現状で
は存在が確認された程度であって、その形状や物性等の
制御は行われておらず、さらにはその再現性のある製造
方法についても十分には確認されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、フラ
ーレンに関する研究は各所で行われているものの、フラ
ーレンの物性制御や製造方法等を十分に開発するまでに
は至っていない。例えば、カーボンナノカプセル、カー
ボンナノチューブ、たまねぎ状グラファイト等の巨大フ
ラーレンに関しては、現状では精製法や製造法の開発自
体も十分とは言えず、従って形状や物性等の操作や制御
に関する研究等を十分に行えるほど、制御性の高い条件
下で再現性よく巨大フラーレンを得るまでには至ってい
ない。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、各種操作や制御が可能な状態の下で
再現性よく得ることを可能にしたフラーレンおよびその
製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明における第
1のフラーレンは、活性な金属の存在下での非晶質炭素
への電子線、粒子線およびフォトンから選ばれる 1種の
照射部に形成されたフラーレンであって、前記非晶質炭
素の表層近傍に存在する炭素原子により構成されている
ことを特徴としている。
【0010】また、本発明の第2のフラーレンは、非晶
質炭素上に存在する準安定金属酸化物粒子への電子線の
照射により形成されたフラーレンであって、前記準安定
金属酸化物粒子の表層部に存在する炭素源から供給され
た炭素原子により構成されていることを特徴としてい
る。
【0011】本発明の第1のフラーレンの製造方法は、
上部に活性な金属が存在している非晶質炭素に、真空雰
囲気中にて前記活性な金属と共に電子線、粒子線および
フォトンから選ばれる 1種の高エネルギー線を照射し、
前記高エネルギー線の照射部の炭素原子を再配列させる
ことにより、フラーレンを作製することを特徴としてい
る。
【0012】また、本発明の第2のフラーレンの製造方
法は、非晶質炭素膜上に配置された準安定金属酸化物粒
子に、真空雰囲気中にて電子線を照射して、前記準安定
金属酸化物粒子の表層に存在する炭素源から炭素原子を
供給することにより、フラーレンを作製することを特徴
としている。
【0013】すなわち本発明は、超微粒子状の純金属の
ような活性な金属の存在下で非晶質炭素に電子線、粒子
線、フォトン等の高エネルギー線を照射することによっ
て、あるいは非晶質炭素膜上に配置された準安定金属酸
化物粒子に電子線を照射することによって、特別な温度
制御を必要としない室温ステージ上でフラーレンが生成
し得ること、および得られるフラーレンは制御性に優れ
ること等を見出したことに基くものである。
【0014】本発明の第1のフラーレンは、活性な金属
の存在下で、具体的には活性な金属が上部に存在してい
る非晶質炭素に高エネルギー線を照射することにより得
られるものである。上記非晶質炭素としてはi-カーボン
等が例示される。また、上記活性な金属としては、表面
酸化膜等を有しない純金属の超微粒子、例えば純Al超微
粒子が挙げられる。上記金属超微粒子の直径は 5〜 100
nm程度であることが好ましい。金属超微粒子の直径が 1
00nmを超えると、下層の非晶質炭素を十分に活性化でき
ないおそれがある。なお、直径 5nm未満の金属超微粒子
は作製自体が困難である。上記金属超微粒子のより好ま
しい直径は 5〜20nmである。このような金属超微粒子の
作製方法は、特に限定されるものではないが、本発明の
第2のフラーレンを作製する際に副次的に生成する金属
超微粒子を利用することができる。この点については後
に詳述する。
【0015】上述したような条件下で、活性な金属と共
に非晶質炭素に電子線、イオンビームのような粒子線、
レーザのようなフォトン等の高エネルギー線を照射する
と、活性な金属の下層に存在する非晶質炭素の原子配列
が変化して、活性な金属の下部およびその周囲にフラー
レンが誘起する。この誘起されるフラーレンとしては、
例えばたまねぎ状グラファイト等の巨大フラーレンが挙
げられる。
【0016】第1のフラーレンを作製する際に照射する
高エネルギー線としては、強度が 1×1019e/cm2 ・sec
(2A/cm2 )以上の電子線、同等の原子変位誘起(knock-o
n)効果を満足する粒子線やフォトン等が好ましく用いら
れる。例えば、照射する電子線の強度が 1×1019e/cm2
・sec 未満であると、フラーレンを生成し得るほどに非
晶質炭素を活性化できないおそれがある。言い換える
と、 1×1019e/cm2 ・sec 以上の強度を有する電子線
は、金属超微粒子および非晶質炭素の局所加熱効果と原
子変位誘起(knock-on)効果等をもたらし、これらによっ
てフラーレンの生成が可能となる。粒子線やフォトン等
についても同様である。また、高エネルギー線の照射
は、10-5Pa以下の真空雰囲気中で行うことが好ましい。
高エネルギー線照射時の真空雰囲気が10-5Paを超える
と、残留ガス原子の吸着等でフラーレン生成が阻害され
るおそれがある。
【0017】上述したような第1のフラーレン、例えば
たまねぎ状グラファイト等の巨大フラーレンは、電子線
等の照射部に選択的にかつ独立した状態で作製すること
ができ、さらに続けて電子線等を容易に照射することが
可能であるため、その形状や物性等の操作や制御の開発
に大きく寄与するものである。また、本発明の第1のフ
ラーレンは、室温ステージ上で生成が可能であって、一
般に制御された加熱条件下で電子線等を照射することは
困難であるため、その意義は大きい。
【0018】本発明の第2のフラーレンは、非晶質炭素
膜上に配置された準安定金属酸化物粒子に真空雰囲気中
にて電子線を照射することにより得られるものである。
上記非晶質炭素としてはi-カーボン等が例示される。ま
た、上記準安定金属酸化物粒子としては、Al2 O 3 の準
安定相であるθ−Al2 O 3 粒子等が例示され、その粒径
は特に限定されるものではないが、例えば50〜 200nm程
度の粒径を有するものが用いられる。
【0019】上述したような準安定金属酸化物粒子に電
子線を照射すると、準安定金属酸化物粒子の表層に存在
する吸着原子や不純物炭素等の炭素源から炭素原子が構
成原子として供給されて、準安定金属酸化物粒子の周囲
等にフラーレンが生成する。この生成するフラーレンと
しては、例えばカーボンナノカプセル、カーボンナノチ
ューブ、たまねき状グラファイト等の巨大フラーレンが
挙げられる。
【0020】第2のフラーレンを作製する際に照射する
電子線としては、 1×1019e/cm2 ・sec (2A/cm2 )以上
の強度を有するものが好適である。照射する電子線の強
度が1×1019e/cm2 ・sec 未満であると、フラーレンを
生成し得るほどに準安定金属酸化物粒子を活性化できな
いおそれがある。言い換えると、 1×1019e/cm2 ・sec
以上の強度を有する電子線は、準安定金属酸化物粒子の
局所加熱効果と原子変位誘起(knock-on)効果等をもたら
し、これらによってフラーレンの生成を可能にする。ま
た、電子線の照射は10-5Pa以下の真空雰囲気中で行うこ
とが好ましい。高エネルギー線照射時の真空雰囲気が10
-5Paを超えると、残留ガス原子の影響で周囲へのフラー
レン生成が起こりにくくなるおそれがある。
【0021】なお、上記θ−Al2 O 3 粒子への電子線照
射によりフラーレンを作製する場合、副次的にAl2 O 3
の安定相であるα−Al2 O 3 超微粒子やAl2 O 3 の構成
金属であるAl超微粒子が生成する。このAl超微粒子は、
直径が 5〜20nm程度の表面酸化物を有しない純金属超微
粒子であって、単体として分離することができるため、
上述した第1のフラーレンの作製時に活性な金属として
使用できる。
【0022】上述したような第2のフラーレン、例えば
カーボンナノカプセル、カーボンナノチューブ、たまね
き状グラファイト等の巨大フラーレンは、電子線の照射
により選択的にかつ独立した状態で作製することがで
き、さらに続けて電子線等を容易に照射することが可能
であるため、その形状や物性等の操作や制御の開発に大
きく寄与するものである。また、本発明の第2のフラー
レンは、室温ステージ上で生成が可能であって、一般に
制御された加熱条件下で電子線等を照射することは困難
であるため、その意義は大きい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】実施例1 まず、活性な金属としてのAl超微粒子の作製について述
べる。すなわち、粒径が 100nm程度の球状θ−Al2 O 3
粒子(純度=99.8%)を用意し、これをアルコールに分散
させた後、i-カーボンからなる非晶質カーボン支持膜上
に塗布、乾燥させた。次いで、上記球状のθ−Al2 O 3
粒子を配置した非晶質カーボン支持膜を、 200kVTEM
装置(日本電子社製、JEM-2010(商品名))の真空室内
に配置された室温ステージ上に設置した。
【0025】次いで、上記真空室内を 1×10-5Paの真空
度まで排気した後、非晶質カーボン支持膜上に配置され
た粒径 100nmのθ−Al2 O 3 粒子に、 1.3×1020e/cm2
・sec(20A/cm2 )の電子線を照射した。そして、この電
子線照射によって、直径 5〜15nm程度のAl超微粒子を非
晶質カーボン支持膜上に生成した。
【0026】上述したAl超微粒子を活性な金属として使
用してフラーレンを生成した。具体的には、生成したAl
超微粒子を有する非晶質カーボン支持膜を、上記TEM
装置の真空室内に配置した状態(真空度を含む)を維持
した上で、カーボン支持膜上のAl超微粒子の中から直径
が10nm程度のAl超微粒子を選択した。そして、このAl超
微粒子に下層の非晶質カーボンと共に、 1.3×1020e/cm
2 ・sec(20A/cm2 )の電子線(照射径=250nm)を照射し
た。
【0027】電子線の照射を行いながらAl超微粒子周囲
の非晶質カーボンの状態をその場(in-situ)観察した。
この観察結果について、図1の模式図を参照しながら説
明する。電子線の照射開始から 300秒程度経過したとこ
ろで、図1(a)に示すように、Al超微粒子1の下部に
直径10nm程度の同心円状のカーボン組織が誘起した。こ
の同心円状のカーボン組織は、層間隔が約0.35nmである
ことから、たまねぎ状グラファイト2であることが確認
された。なお、たまねぎ状グラファイト2の周囲は、非
晶質カーボン3の状態を維持していた。
【0028】さらに、電子線を照射し続けるとAl超微粒
子1は小径化していき、電子線の照射開始から 800〜10
00秒程度経過したところで、図1(b)に示すように、
Al超微粒子1は直径 2nm程度まで小さくなった。この
際、たまねぎ状グラファイト2の層間隔は 0.4nmまで広
がっており、通常より 20%にも及ぶ大きな格子歪みが生
じていた。また、たまねぎ状グラファイト2のコア部に
は、C60が生成していることをその直径が 0.7nmである
ことから確認した。
【0029】このように、Al超微粒子の存在下での非晶
質カーボンへの電子線照射によって、巨大フラーレンの
一種であるたまねぎ状グラファイトを得た。このたまね
ぎ状グラファイトの生成は、照射した電子による局所加
熱効果と原子変位誘起(knock-on)効果の両方によるも
のと考えられる。また、得られたたまねぎ状グラファイ
トは、さらなる電子線照射により格子歪みが生じてお
り、結晶構造等を制御し得る可能性を有していた。
【0030】実施例2 実施例1と同様に、球状のθ−Al2 O 3 粒子を配置した
非晶質カーボン支持膜を、室温ステージ上に設置した 2
00kVTEM装置の真空室内を 1×10-5Paの真空度まで排
気した後、非晶質カーボン支持膜上に配置された粒径 1
00nmのθ−Al2O3 粒子に、 1.3×1020e/cm2 ・sec(20A/
cm2 )の電子線(照射径=250nm)を照射した。
【0031】上記電子線の照射を行いながらθ−Al2 O
3 粒子の状態をその場(in-situ)観察した。この観察結
果について、図2の模式図を参照しながら説明する。ま
ず、電子線の照射開始から50秒程度経過した段階で、θ
−Al2 O3 からα−Al2 O 3への相変態が観測された。
さらに電子線を照射し続けると、照射開始から10秒程度
経過したところで、図2に示すように、小径のα−Al2
O 3 超微粒子4の形成が観察され、さらにその周囲には
直径20nm程度の大きさのカーボンナノカプセル5および
太さ10nm程度のカーボンナノチューブ6、さらには直径
15nm程度の大きさのたまねぎ状グラファイト7が生成し
ていることが確認された。また、生成したα−Al2 O3
超微粒子の間等にもカーボンナノチューブ6が生成して
いることが確認された。なお、当初のθ−Al2 O 3 粒子
の周囲には、直径 5〜10nm程度のAl超微粒子8の生成も
確認された。実施例1で用いたAl超微粒子は、このθ−
Al2 O 3 粒子から生成されたものである。
【0032】このように、非晶質カーボン膜上のθ−Al
2 O 3 粒子への電子線照射によって、巨大フラーレンの
一種であるカーボンナノカプセルやカーボンナノチュー
ブ、さらにはたまねぎ状グラファイトを得た。これらの
巨大フラーレンの生成は、照射した電子による局所加熱
効果と原子変位誘起(knock-on)効果の両方によるもの
と考えられる。
【0033】上述した各実施例からも明らかなように、
本発明によれば巨大フラーレンのようなフラーレンの生
成が室温ステージ上という制御の容易な条件下での電子
線等の照射により実現できるため、ナノメータ径の電子
線による様々なマニュピレーションへの展開という大き
な可能性を有するものである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、各
種操作や制御が可能な状態の下で再現性よくフラーレン
を得ることができる。従って、このような本発明のフラ
ーレンは、その応用展開等に大きく寄与するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるフラーレンの生成
過程を模式的に示す図である。
【図2】 本発明の他の実施例におけるフラーレンの生
成状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1……Al超微粒子 2、7……たまねぎ状グラファイト 3……非晶質カーボン 5……カーボンナノカプセル 6……カーボンナノチューブ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性な金属の存在下での非晶質炭素への
    電子線、粒子線およびフォトンから選ばれる 1種の照射
    部に形成されたフラーレンであって、前記非晶質炭素の
    表層近傍に存在する炭素原子により構成されていること
    を特徴とするフラーレン。
  2. 【請求項2】 非晶質炭素上に存在する準安定金属酸化
    物粒子への電子線の照射により形成されたフラーレンで
    あって、前記準安定金属酸化物粒子の表層部に存在する
    炭素源から供給された炭素原子により構成されているこ
    とを特徴とするフラーレン。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のフラーレ
    ンにおいて、 前記フラーレンは巨大フラーレンであることを特徴とす
    るフラーレン。
  4. 【請求項4】 上部に活性な金属が存在している非晶質
    炭素に、真空雰囲気中にて前記活性な金属と共に電子
    線、粒子線およびフォトンから選ばれる 1種の高エネル
    ギー線を照射し、前記高エネルギー線の照射部の炭素原
    子を再配列させることにより、フラーレンを作製するこ
    とを特徴とするフラーレンの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフラーレンの製造方法に
    おいて、 前記活性な金属として、直径 5〜 100nmのAl超微粒子を
    用いることを特徴とするフラーレンの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のフラーレンの製造方法に
    おいて、 前記高エネルギー線として、 1×1019e/cm2 ・sec 以上
    の強度を有する電子線を照射することを特徴とするフラ
    ーレンの製造方法。
  7. 【請求項7】 非晶質炭素膜上に配置された準安定金属
    酸化物粒子に、真空雰囲気中にて電子線を照射して、前
    記準安定金属酸化物粒子の表層に存在する炭素源から炭
    素原子を供給することにより、フラーレンを作製するこ
    とを特徴とするフラーレンの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のフラーレンの製造方法に
    おいて、 前記準安定金属酸化物粒子としてθ−Al2 O 3 粒子を用
    いることを特徴とするフラーレンの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のフラーレンの製造方法に
    おいて、 前記電子線として、 1×1019e/cm2 ・sec 以上の強度を
    有する電子線を照射することを特徴とするフラーレンの
    製造方法。
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