JPH08214823A - 根菜のおろし製品の製造方法 - Google Patents

根菜のおろし製品の製造方法

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JPH08214823A
JPH08214823A JP7029069A JP2906995A JPH08214823A JP H08214823 A JPH08214823 A JP H08214823A JP 7029069 A JP7029069 A JP 7029069A JP 2906995 A JP2906995 A JP 2906995A JP H08214823 A JPH08214823 A JP H08214823A
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康国 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温でも長期保存可能な根菜のおろし製品の
製造方法を提供する。 【構成】 根菜をおろし状態まで加工した後、加熱し、
脱水し、次いで強酸性水に漬け込み、さらに脱水し、次
いで調味液に漬け込んで味を調え、遮光性の気密容器内
に個別包装する。 【効果】本製造方法により、常温でも長期保存可能な根
菜のおろし製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で長期保存可能な
大根等の根菜のおろし製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、飲食店業者あるいは一般消費者の
間で、飛躍的に需要を延ばしているおろし生姜、紅葉お
ろし、大根おろし等の根菜類のおろし製品は、その食
感、風味、香味等の点から、他の食品材料でのように加
熱殺菌することが困難であり、保存性に劣るという問題
を有していた。ところが、pH調整による酵素活性の低
減及び殺菌方法あるいは密封後冷凍処理する方法が開発
され、密封容器入りのおろし製品や冷蔵保存を要するビ
ン詰め製品等が市場に出回るようになってきた。
【0003】現在、市販されている大根おろし、おろし
生姜等根菜のおろし製品は、酢酸、乳酸、コハク酸、酒
石酸、フマル酸等の有機酸類を含有するpH調整剤並び
にビタミンC等の変色防止剤、ビタミンE等の酸化防止
剤等を添加することで保存性が高められているものが多
い。該保存性は、前記pH調整剤により根菜のおろし製
品をpH4〜5程度の酸性に保持して殺菌及び細菌の増
殖を防止することにより与えられるものである。殺菌及
び細菌の増殖を防止するという観点からは、pHをより
強酸性域に保持することが望ましいのであるが、現在用
いられているpH調整剤によりpHをより低く調整しよ
うとすると、酸味が強くなり、おろし製品の風味を損ね
てしまう。したがって、保存に際しては冷蔵保存が必要
となり、また保存期間も1週間程度と短くならざるを得
ないのが現状である。
【0004】一方、長期保存可能なおろし製品として
は、凍結処理して保存性を高めているものが知られてい
る。該凍結処理の前には、例えばおろし製品を入れた容
器内を不活性ガスで充填処理して容器内の酸素と置換し
て無酸素状態としたり、殺菌作用を有する物質を添加し
たり、等の細菌の繁殖を防止する処理を施すことが一般
に行われている。該凍結処理を行う場合は、製造工程が
複雑となる。さらに、消費者がおろし製品を使用するに
際して解凍しなければならず、余分な手間を要する。ま
た、過剰に解凍した分量については再保存が困難となる
ので廃棄しなければならない、という問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、擦りおろし
たままの生の状態でも常温で長期保存可能な大根等の根
菜のおろし製品の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、根菜を
強酸性水に漬け込むことを特徴とする常温で長期保存可
能な根菜のおろし製品の製造方法が提供される。特に、
根菜をおろし状態まで加工した後、加熱処理し、脱水
し、次いで強酸性水に漬け込み、さらに脱水することが
好ましい。
【0007】前記根菜を漬け込む工程において用いる強
酸性水としては、pH2.7以下又は酸化還元電(E
h)+1,000mV(Ag/AgCl)以上、特に、
pH2.3〜2.7又は酸化還元電位(Eh)+100
0〜+1200mV(Ag/AgCl)であり、活性塩
素及び活性酸素を含有する酸性水を用いることが好まし
い。特に該強酸性水としては、食塩をごく少量添加した
水道水を隔膜を介在させて特別な電極を利用して電気分
解することにより得ることができる強酸性水を用いるこ
とが望ましい。
【0008】また該強酸性水は、脱水状態でのおろした
根菜の5倍程度の容量を用いることが好ましい。該強酸
性水におろした根菜を漬け込む時間としては、2分〜3
0分、特に5分〜15分が好ましい。2分未満では、ポ
リフェノールオキシダーゼ等褐変の原因となる酵素の活
性を低下させるために充分ではなく、また30分以上漬
け込んでも効果は変わらないので、製造工程の時間短縮
化のため、上記漬け込み時間の範囲が望ましい。
【0009】前記加熱処理をするに際して、加熱温度は
70℃〜95℃が好ましく、特に90℃程度まで加熱す
ることが好ましい。70℃未満では、殺菌効果が期待で
きず、また95℃を越えるとおろし製品の食感、風味等
が損なわれてしまうので、好ましくない。また同様の理
由により、加熱処理は、90℃まで昇温させた後、1分
〜10分、特に2分〜5分、保持することにより行うこ
とが好ましい。さらに、該加熱処理をする際には、おろ
し状態の根菜全体を均一に加熱するために、適量の水を
加えて行うことが好ましい。該加熱処理後、強酸性水に
漬け込む前に、常温まで冷却することが好ましく、おろ
し製品の食感及び風味等を損なわないように、速やかに
冷却することがより好ましい。
【0010】前記脱水処理は、加熱処理後及び強酸性水
への漬け込み処理後の2回行う。まず、加熱処理前に加
熱処理を行いやすくするために加えた水分及び加熱処理
後に冷却のために添加した冷却水を除去し、強酸性水が
おろし製品に十分に浸透することができるように、脱水
を行う。次いで、強酸性水に漬け込んだ後、おろし製品
の保存性を高め、特に辛み成分であるアリルイソチオシ
アネートが水により分解してしまい保存中に食感が損な
われることを防止するために、また次の工程で添加する
調味液におろし製品を十分に膨潤させるために、十分に
脱水する。その後、水分を含まない調味液、例えば公知
のアルコールベースの調味液等を添加して味を整え、流
動状態とすることが好ましい。
【0011】その後、照射光に暴露されることによる変
色・変性を防止し、常温を越える程の温度上昇を避ける
等、外部環境からの影響を最小にして保存性をより高め
るため、並びに流通上の利便性等のために、前記根菜の
おろし製品を遮光性の気密容器内に封入することが好ま
しい。該遮光性の気密容器としては、取り扱い易く、入
手し易いアルミニウム製あるいはアルミニウム蒸着製の
袋等が特に好ましい。また、該遮光性の気密容器内への
封入に際しては、流通及び使用上の利便性、使い残しの
おろし製品の保存性を高める、という観点から、少量ず
つ個別封入することが好ましい。
【0012】次に、本発明の製造方法を一実施例により
具体的に説明する。
【0013】まず、大根等の根菜をおろし器等を用いる
通常の方法で擦りおろし加工した後、ホットニーダー等
の加熱釜に入れて90℃程度まで加熱して殺菌処理す
る。加熱後、該釜の中に冷却水を添加して30℃程度ま
で迅速に冷却し、遠心分離機に移して、脱水処理して脱
水ケーキとする。次いで、該脱水ケーキの5倍程度の前
記強酸性水に漬け込んで撹拌後、5〜15分程度放置す
る。その後、再び脱水し、水分を十分に除去した後、ア
ルコール、ミリン、糖類等からなる水分をほとんど含有
しない調味液を加えて、流動状態のおろし製品とする。
【0014】さらに、該おろし製品をアルミニウム製の
袋に少量ずつ個別封入する。
【0015】
【作用】本発明の製造方法において、おろした根菜を強
酸性水を用いて処理することにより、ポリフェノールオ
キシダーゼ等褐変の原因となる酵素の活性を低下させる
ことができるので、擦りおろし後の時間経過により褐色
に変色してしまうことを防止することができる。さらに
該強酸性水は、従来のpH調整剤とは異なり有機酸類等
により酸性度を調整しているものではないので、該強酸
性水により処理することによって、pH2.7以下とい
う強酸性にもかかわらず、根菜のおろし製品の酸味を増
すことがなく、おろし製品本来の風味を損ねることがな
い。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。
【0017】大根1000gをおろし器を用いて擦りお
ろした後、ホットニーダーに移して、約90℃まで昇温
した後、90℃に保持し、撹拌しながら2〜3分間加熱
した。次いで、冷却水を適量注入し、おろし大根を約3
0℃まで冷却した。冷却したおろし大根を遠心分離機に
移して、脱水処理を施し、脱水ケーキ状態のおろし大根
141gを得た。該脱水ケーキ状態とされたおろし大根
を5倍量の強酸性水700mlに漬け込み、室温で10分
間放置した。次いで、強酸性水で処理したおろし大根を
再び遠心分離機に移して脱水処理を行い、脱水ケーキ状
態のおろし大根120gを得た。その後、ミリン、フラ
クトース、ソルビット、ビタミンC、香料等を含有する
調味液タンクに漬け込み、味を調えた。こうして製造し
たおろし大根10gをアルミニウム製の袋に個別封入し
て、シールにより密封し、以下に述べる保存試験用のサ
ンプルとした。
【0018】保存試験は、上記おろし大根10g入りの
サンプルを30℃の恒温層に入れて、7週間放置し、1
週間ごとに取り出して保存状態及び味を確認することに
より行った。下記表1に試験結果を示す。
【0019】
【表1】 上記表1から、本発明の製造方法により得られたおろし
大根は、30℃でも少なくとも3週間は色、風味ともに
変化が見られず、良好に保存できることがわかった。こ
の試験結果より、常温であれば5週間程度の保存が可能
であることが推測できる。
【0020】
【発明の効果】本発明の根菜のおろし製品の製造方法に
よれば、常温でも長期にわたり、風味の低下や褐変等を
生じることなく、保存可能なおろし製品を得ることがで
きる。該おろし製品は、従来のおろし製品のように冷蔵
保存する必要がないので、流通過程において通常の陳列
棚に配列することができ、冷蔵保存のための特別の装置
を必要としない。また、従来のビン詰めのように、おろ
し製品の上部空間を窒素等の不活性ガスで充填する必要
もない。さらに、凍結処理することもないので、製造工
程が複雑とならない。また、一般消費者が使用するに際
しても解凍せずそのまま使用することができるので非常
に利便である。また、少量ずつ個別包装することができ
るので、必要量だけ包装を開封して使用することができ
るので便利である。このことはまた、残りのおろし製品
を大気にさらさずにすみ、保存性を維持するためにも有
効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 根菜を強酸性水に漬け込むことを特徴と
    する常温で長期保存可能な根菜のおろし製品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 根菜をおろし状態まで加工した後、加熱
    処理し、脱水処理し、次いで強酸性水に漬け込み、さら
    に脱水処理することを特徴とする常温で長期保存可能な
    根菜のおろし製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記強酸性水に漬け込む際に用いる強酸
    性水として、pH2.7以下又は酸化還元電位(Eh)
    +1,000mV(Ag/AgCl)以上であり、活性
    塩素及び活性酸素を含有する酸性水を用いることを特徴
    とする請求項1又は2の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記根菜のおろし製品を遮光性
    の気密容器内に封入する工程を備えることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100755506B1 (ko) * 2005-10-11 2007-09-04 한국식품연구원 저장성 및 위생적 안전성이 개선된 절임식품의 제조방법
JP2022175486A (ja) * 2021-05-13 2022-11-25 ハウス食品株式会社 食品組成物及び食品組成物の製造方法

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