JPH08214540A - 電源入力回路 - Google Patents

電源入力回路

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JPH08214540A
JPH08214540A JP1603295A JP1603295A JPH08214540A JP H08214540 A JPH08214540 A JP H08214540A JP 1603295 A JP1603295 A JP 1603295A JP 1603295 A JP1603295 A JP 1603295A JP H08214540 A JPH08214540 A JP H08214540A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 商用交流電源32からの入力電流を整流・平
滑して、DC−DCコンバータ等の負荷側へ供給するコ
ンデンサインプット型の電源入力回路31において、平
滑コンデンサC0と並列にコンデンサC1,C2の直列
回路を接続し、またこれらの接続点36を入力電源ライ
ンL1,L2の一方と抵抗Rを介して接続する。C1,
C2の静電容量を半波内で負荷側で消費される値とし、
かつRをC1,C2の充電電流の立上がりをなますこと
ができる程度の低い値に設定する。 【効果】 一方のコンデンサ、たとえばC1がC0に対
応して充電されてゆくときには、他方のコンデンサC2
が放電してゆき、したがって電源電圧が0クロスの直後
から、その放電によって端子間電圧の低下したコンデン
サへ充電電流が供給されることとなり、商用交流電源3
2側での充電電流の出力期間を長くし、高調波電流の帰
還を防止することができるとともに、力率を改善するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、商用交流電源からの入
力電流をダイオードブリッジ等の整流回路で整流した
後、平滑コンデンサで平滑化して、DC−DCコンバー
タやインバータなどの負荷側へ出力する、いわゆるコン
デンサインプット型の電源入力回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図21は、従来からの前記コンデンサイ
ンプット型の電源入力回路1の電気回路図である。商用
交流電源2からの交流電流は、ダイオードブリッジから
成る整流回路3において全波整流された後、平滑コンデ
ンサ4で平滑化されて負荷側へ供給される。前記負荷側
には、この図21のようにDC−DCコンバータ5など
が設けられており、たとえば携帯型のパーソナルコンピ
ュータなどでは、このDC−DCコンバータ5によって
100Vの入力電圧が5Vや12Vに降圧された後、演
算回路、表示装置および印字装置などの負荷6に供給さ
れる。
【0003】したがってこのように商用交流を一旦整流
・平滑化した後、高周波の交番電流を作成し、変圧する
ことによって、変圧器などの電源回路を小型化すること
ができ、このような構成を備えた電源回路が広く普及し
つつある。また、空気調和機などのように、所望とする
電圧および周波数の三相交流を作成するにあたってもま
た、上述のような電源入力回路1が用いられている。
【0004】しかしながら上述のような電源入力回路1
では、定常状態となると、平滑コンデンサ4の充放電動
作によって、商用交流電源2側から見た場合の電流波形
は、図22(a)において参照符α1で示す電圧波形に
対して、参照符α2で示すようになる。すなわち、前記
参照符α1で示す入力電圧を整流回路3で全波整流する
と、図22(b)において参照符α3で示すようにな
り、平滑コンデンサ4の端子間電圧は参照符α4で示す
ようになる。したがって、商用電源周波数の正弦波であ
る参照符α1で示す電圧波形に対して、参照符α5で示
すようにそのピーク値付近の期間Tだけしか充電電流が
流れず、商用交流電源2側から見た電流波形は前記参照
符α2で示すようになる。
【0005】このため、前記充電電流は、そのピーク値
が実効値の5〜6倍以上になるとともに、3次、5次、
…の高調波が重畳された歪んだ波形となる。またこれに
よって、無効電力が増加するという問題もある。このた
め、このような高調波電流の商用交流電源2側への帰還
の規制が開始されようとしている。
【0006】したがって上述のような高調波電流を低減
するために、従来から、たとえば負荷側の消費電力が2
00W以下の場合には図23で示す電源入力回路11が
用いられ、電力消費が大きい機器では図24で示す電源
入力回路21が用いられている。
【0007】前記電源入力回路11では、商用交流電源
2からの電源ライン12にチョークコイル13を挿入
し、このチョークコイル13によって商用交流電源2側
への高調波電流の帰還を防止している。
【0008】また、電源入力回路21は、特開平5−3
6485号公報で示されるものであり、整流回路3と平
滑コンデンサ4との間に力率改善回路22を挿入し、制
御回路23からの制御信号に応答したスイッチング素子
24のスイッチング動作によってチョークコイル25が
発生した起電流をダイオード26で整流することによっ
て、前記図22における電流波形の期間Tを長くして、
高調波の抑制および力率を改善するように構成されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記電源入力回路11
では、たとえば負荷側に100Wの電力を供給可能とす
る構成でチョークコイル13に必要な大きさは、4×5
×4(cm)=80(cm3 )であり、電源回路の体積
および質量が増加してしまうという問題がある。
【0010】また前記電源入力回路21では、チョーク
コイル25に前記チョークコイル13よりもインダクタ
ンスの小さい、すなわち小型のものを使用することがで
きるけれども、制御回路23には電圧波形に同期するた
めに複雑な構造が要求され、コストが増加するととも
に、スイッチング素子24のスイッチングノイズが商用
交流電源2側に帰還されてしまうという問題がある。
【0011】本発明の目的は、小型化および低コスト化
を図ることができるとともに、ノイズの発生の少ない電
源入力回路を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
源入力回路は、交流電源からの入力電流を整流回路で整
流した後、平滑コンデンサで平滑化して負荷側へ出力す
る電源入力回路において、相互に直列に接続されて前記
平滑コンデンサと並列に接続される第1および第2の2
つのコンデンサと、前記第1のコンデンサと第2のコン
デンサとの接続点を前記交流電源の一対の入力端のいず
れか一方と接続する抵抗とを含み、前記第1および第2
のコンデンサの静電容量C1,C2を、前記負荷側の消
費電力の最大値をPmaxとし、前記交流電源の電源周
波数をfとし、前記交流電源の出力電圧の実効値をVi
nとするとき、0.5×Pmax/(2×f×Vi
2 )〜1.5×Pmax/(2×f×Vin2 )、好
ましくはPmax/(2×f×Vin2 )に選び、前記
抵抗の抵抗値Rを0.0001/C1〜0.001/C
1または0.0001/C2〜0.001/C2、好ま
しくは0.0001/C1〜0.0004/C1または
0.0001/C2〜0.0004/C2に選ぶことを
特徴とする。
【0013】また請求項2の発明に係る電源入力回路
は、交流電源からの入力電流を整流回路で整流した後、
平滑コンデンサで平滑化して負荷側へ出力する電源入力
回路において、一方の端子が前記平滑コンデンサのいず
れか一方の端子と接続されるコンデンサと、前記コンデ
ンサの他方の端子を前記交流電源の一対の入力端のいず
れか一方と接続する抵抗とを含み、前記コンデンサの静
電容量Caを、前記負荷側の消費電力の最大値をPma
xとし、前記交流電源の電源周波数をfとし、前記交流
電源の出力電圧の実効値をVinとするとき、Pmax
/(2×f×Vin2 )〜3×Pmax/(2×f×V
in2 )、好ましくは2×Pmax/(2×f×Vin
2 )に選び、前記抵抗の抵抗値Raを、0.0001/
Ca〜0.001/Ca、好ましくは0.0001/C
a〜0.0004/Caに選ぶことを特徴とする。
【0014】さらにまた請求項3の発明に係る電源入力
回路では、前記整流回路はダイオードブリッジ回路で実
現され、負荷の消費電力を検出する検出手段と、前記検
出手段の検出結果に応答し、軽負荷となったことが検出
されたとき、前記整流回路を半波整流に切換える切換手
段とを備えることを特徴とする。
【0015】また請求項4の発明に係る電源入力回路で
は、前記整流回路はダイオードブリッジ回路で実現さ
れ、負荷の消費電力を検出する検出手段と、前記検出手
段の検出結果に応答し、軽負荷となったことが検出され
たとき、前記第1または第2のコンデンサの少なくとも
いずれか一方の静電容量を減少させる静電容量変化手段
とを備えることを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1の発明に従えば、商用交流電源などの
交流電源からの入力電流を、ダイオードブリッジなどか
ら成る整流回路で整流した後、平滑コンデンサで平滑化
して、DC−DCコンバータやインバータなどの負荷側
へ出力するようにしたコンデンサインプット型の電源入
力回路において、前記平滑コンデンサと並列に第1およ
び第2のコンデンサを相互に直列に接続した直列回路を
挿入するとともに、それら第1および第2のコンデンサ
の接続点と交流電源の一対の入力端のうち、いずれか一
方との間を抵抗で接続しておく。
【0017】さらに、第1および第2のコンデンサの静
電容量C1,C2を、負荷側の消費電力の最大値をPm
axとし、交流電源の電源周波数をfとし、交流電源の
出力電圧の実効値をVinとするとき、0.5×Pma
x/(2×f×Vin2 )〜1.5×Pmax/(2×
f×Vin2 )、好ましくはPmax/(2×f×Vi
2 )に選ぶ。
【0018】また前記抵抗の抵抗値Rを、0.0001
/C1〜0.001/C1または0.0001/C2〜
0.001/C2、好ましくは0.0001/C1〜
0.0004/C1または0.0001/C2〜0.0
004/C2に選ぶ。
【0019】したがって、前記第1および第2のコンデ
ンサの静電容量C1,C2は、半波内に負荷側で消費さ
れる電力に対応しており、したがって出力電力、すなわ
ち負荷が安定している状態で、たとえば電源電圧が正極
側となると、まず第1のコンデンサが抵抗で立上がりの
規制された波形の充電電流で平滑コンデンサの端子間電
圧と略等しくなるように充電されてゆき、その平滑コン
デンサおよび第1のコンデンサの端子間電圧が電源電圧
よりも高くなると前記充電が停止し、これらの平滑コン
デンサおよび第1のコンデンサから負荷側へ負荷電流が
供給される。またこのとき、前記第2のコンデンサに関
しては、前記抵抗を介して交流電源側に放電経路が形成
されて、前記第1のコンデンサの端子間電圧の上昇に伴
ってその端子間電圧が低下してゆく。
【0020】その後、電源電圧が負極側となると、まず
第2のコンデンサに抵抗を介して充電電流が供給され、
該第2のコンデンサは平滑コンデンサとともに充電され
てゆく。またこのとき、第1のコンデンサは抵抗を介し
て放電を行う。
【0021】したがって、第1または第2のコンデンサ
の端子間電圧は平滑コンデンサに対応して上昇してゆ
き、このとき第2または第1のコンデンサは端子間電圧
がほぼ0となるまで放電を行っている。したがって電源
電圧の極性が切換わると、第1または第2のコンデンサ
は端子間電圧がほぼ0の状態から充電されることにな
る。これによって、平滑コンデンサだけでは電圧波形の
ピーク値付近でしか電流波形が立上がらず、したがって
高調波電流が発生するとともに、力率が低下していたの
に対して、交流電源からの電流が流れる期間が長くな
り、前記高調波電流の発生が抑制されるとともに、力率
を向上することができる。
【0022】また、このような高調波電流の抑制および
力率の改善を2つのコンデンサと1つの抵抗との簡単な
構成で実現することができ、小型化および低コスト化を
図ることができるとともに、スイッチング素子などを用
いていないので、ノイズの発生する虞もない。
【0023】また請求項2の発明に従えば、商用交流電
源などの交流電源からの入力電流を、ダイオードブリッ
ジなどから成る整流回路で整流した後、平滑コンデンサ
で平滑化して、DC−DCコンバータやインバータなど
の負荷側へ出力するようにしたコンデンサインプット型
の電源入力回路において、前記平滑コンデンサのいずれ
か一方の端子と交流電源の一対の入力端のいずれか一方
との間を、コンデンサと抵抗との直列回路によって接続
しておく。
【0024】さらに前記コンデンサの静電容量Caを、
負荷側の消費電力の最大値をPmaxとし、交流電源の
電源周波数をfとし、交流電源の出力電圧の実効値をV
inとするとき、Pmax/(2×f×Vin2 )〜3
×Pmax/(2×f×Vin2 )、好ましくは2×P
max/(2×f×Vin2 )に選ぶ。
【0025】また前記抵抗の抵抗値Raを、0.000
1/Ca〜0.001/Ca、好ましくは0.0001
/Ca〜0.0004/Caに選ぶ。
【0026】したがって、負荷が安定している定常状態
で、たとえば電源電圧が正極側となると、コンデンサが
抵抗で立上がりの規制された波形の充電電流で平滑コン
デンサの端子間電圧と略等しくなるように充電されてゆ
き、その平滑コンデンサおよびコンデンサの端子間電圧
が電源電圧よりも高くなると、前記充電が停止し、これ
らの平滑コンデンサおよびコンデンサから負荷側へ負荷
電流が供給される。
【0027】その後、電源電圧が負極側となると、コン
デンサに抵抗を介して放電のための電流が供給され、該
コンデンサは前記平滑コンデンサの充電に対して放電さ
れてゆく。
【0028】したがって、電源電圧の立上がり時からコ
ンデンサに充電または放電のための電流が供給されるよ
うになり、したがって平滑コンデンサだけでは電圧波形
のピーク値付近でしか電流波形が立上がらないのに対し
て、交流電源からの電流が流れる期間が長くなり、高調
波電流の発生を抑制することができるとともに、力率を
向上することができる。
【0029】さらにまた請求項3の発明に従えば、前記
整流回路はダイオードブリッジ回路で実現されており、
検出手段によって平滑コンデンサの端子間電圧を検出す
るなどして負荷の消費電力を検出し、軽負荷となったこ
とが検出されると、切換手段によって整流回路を半波整
流に切換える。
【0030】したがって、軽負荷になると、たとえば前
記第1および第2のコンデンサの放電が充分に行われ
ず、負荷側へ出力される電圧が負荷に予め規定された電
圧を超えてしまうことになるのに対して、このような場
合には全波整流から半波整流に切換えることによって、
第1および第2のコンデンサならびに平滑コンデンサへ
の充電電流を抑えて、平滑コンデンサの端子間電圧が前
記規定の電圧を超えないようにすることができる。
【0031】また請求項4の発明に従えば、前記整流回
路をダイオードブリッジ回路で構成し、検出手段によっ
て負荷ラインの線電流を検出するなどして軽負荷となっ
たことが検出されると、静電容量変化手段は第1または
第2のコンデンサの少なくともいずれか一方の静電容量
を減少させる。すなわち、たとえば第1または第2のコ
ンデンサと直列にスイッチング素子を介在しておき、軽
負荷となるとそのスイッチング素子を開放してその第1
または第2のコンデンサを切離すようにしてもよく、ま
た第1または第2のコンデンサの静電容量を複数の素子
に分割しておき、前記軽負荷となると一部の静電容量に
対応した素子を開放するようにしてもよい。
【0032】このようにして、軽負荷となると、第1ま
たは第2のコンデンサの静電容量を減少させることによ
って、負荷側への出力電圧が不所望に上昇することな
く、規定された電圧以内とすることができる。
【0033】
【実施例】本発明の第1の実施例について、図1〜図3
に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0034】図1は、本発明の第1の実施例の電源入力
回路31の電気回路図である。この電源入力回路31
は、商用交流電源32からの入力電流を整流回路33で
整流した後、平滑コンデンサC0で平滑化して出力す
る、いわゆるコンデンサインプット型の電源入力回路に
おいて、コンデンサC1,C2と、抵抗Rとを設けたも
のである。
【0035】前記整流回路33は、アノードが商用交流
電源32からの入力電源ラインL1,L2にそれぞれ接
続され、カソードがハイレベルの出力電源ラインL3に
共通に接続されるダイオードD1,D2と、カソードが
前記入力電源ラインL1,L2にそれぞれ接続され、ア
ノードがローレベルの出力電源ラインL4に共通に接続
されるダイオードD3,D4とから成るダイオードブリ
ッジで実現される。この整流回路33から出力される全
波整流された出力電流は、出力電源ラインL3,L4間
に介在される平滑コンデンサC0によって平滑化され
て、負荷側へ出力される。出力電源ラインL3,L4か
らの出力電流は、図1で示すようなDC−DCコンバー
タ34で降圧された後、演算処理回路などの負荷35に
供給されるようにしてもよく、またインバータ回路など
で、高周波電流に変換されて蛍光灯などの点灯に用いら
れ、あるいは三相交流に変換されて空気調和機の誘導モ
ータなどに与えられるようにしてもよい。
【0036】前記出力電源ラインL3,L4間、すなわ
ち平滑コンデンサC0と並列に、前記コンデンサC1,
C2の直列回路が接続されている。前記コンデンサC
1,C2間の接続点36は、抵抗Rを介して入力電源ラ
インL1,L2のいずれか一方、この図1では入力電源
ラインL2に接続されている。
【0037】本発明は、図2(a)で示す商用交流電源
32からの入力電圧波形に対して、図2(b)で示すよ
うに、単位周期T1当りにおいて電流の流れる期間T2
を大きくすることによって、高調波成分の発生を抑えよ
うとするものである。まず、以下にコンデンサC1,C
2の静電容量の決定方法を詳述する。
【0038】前記コンデンサC1,C2の静電容量は、
該コンデンサC1,C2内のエネルギーが半波内で消費
されるように選ばれ、すなわちそれぞれ参照符と同一の
記号で表すとき、コンデンサに蓄積されるエネルギーの
一般式はW=(1/2)CV2 で与えられるので、負荷
側の消費電力の最大値をPmaxとし、商用交流電源3
2の電源周波数をfとし、前記商用交流電源32からの
入力電圧の実効値をVinとするとき、負荷変動の可能
性などに対応して、 0.5×Pmax/(2×f×Vin2 )≦C1,C2 ≦1.5×Pmax/(2×f×Vin2 )・・・(1) に選ばれ、前記負荷変動の可能性が少ないときには、好
ましくは、 C1,C2=Pmax/(2×f×Vin2 ) ・・・(2) に選ばれる。
【0039】次に前記抵抗Rは、商用交流電源32側で
流れる電流波形の整形用の抵抗であり、該抵抗Rの抵抗
値が0であるときの電流波形を、図2(b)において参
照符β1で示す。この抵抗Rの抵抗値が小さくても、後
述するようなコンデンサC1,C2の動作によって、平
滑コンデンサC0のみの場合に比べて、前記期間T2を
拡げることはできるけれども、図示のように電流波形の
立上がりが急峻であるために高調波成分が多くなってし
まう。このため、以下のようにして抵抗Rの抵抗値を決
定する。
【0040】まず前述のように、立上がりによる高調波
成分の発生を抑えるために、参照符β2からβ3で示す
ように電流波形をなまらせる必要がある。さらにまた、
抵抗Rの抵抗値が0である状態での電流の最大値Ima
xからの降下量ΔIが、前記最大値Imaxの5%程度
以内で充電を完了することを目安として、 loge 0.05=−3 ・・・(3) したがって、 −3=−t/CR ・・・(4) から、 CR=t/3 ・・・(5) が得られる。
【0041】ここで、前記電源周波数fを50Hzとす
ると、入力電流の半周期T1は10msecとなり、図
2(b)で示す波形から、商用交流電源32側に電流が
流れている期間T2は約6msecであり、充電期間T
3は最大値で前記期間T2の1/2の3msec程度以
内とする必要があり、また最小値は後述するような実験
的な値からその1/10程度とする。これによって、 t=0.3〜3msec ・・・(6) が得られる。したがってR=0.0001/C1〜0.
001/C1またはR=0.0001/C2〜0.00
1/C2を得ることができる。抵抗Rの抵抗値が0であ
ると、前述のように入力電流は図2(b)において参照
符β1で示すようになる。これに対して、抵抗値を大き
くしてゆくと、参照符β2からβ3で示すように、その
波形がなまってゆくことになる。ただし、あまりこの抵
抗値が大きくなると損失も増加するので、好ましくはR
=0.0001/C1〜0.0004/C1またはR=
0.0001/C2〜0.0004/C2に選ぶ。
【0042】上述のように構成された電源入力回路31
において、図3および図2を参照して、その動作を詳述
する。商用交流電源32の出力電圧が時刻t1で立上が
ってからピーク値を超える時刻t2までは、図3(a)
において参照符i1からi2で示す電流経路で平滑コン
デンサC0が充電され、その端子間電圧が図2(c)に
おいて参照符γ1で示すように変化するとともに、この
平滑コンデンサC0と略等しい端子電圧となるように、
参照符i1からi3で示す電流経路でコンデンサC1が
充電され、その端子間電圧は参照符γ2で示すように変
化する。またこのとき、負荷側には参照符i1およびi
4からi5で示される電流経路で負荷電流が供給され
る。さらにまた、コンデンサC2内の電荷は参照符i6
で示す電流経路で商用交流電源32側へ放電され、その
端子間電圧は参照符γ3で示すように変化する。
【0043】次に、商用交流電源32の出力電圧が低下
してゆき、0となる時刻t3までは、図3(b)で示す
ように、商用交流電源32の出力電圧よりもコンデンサ
C0,C1の端子間電圧の方が高くなり、したがって商
用交流電源32からは電流が流れず、図3(b)におい
て参照符i4からi5で示す電流経路で平滑コンデンサ
C0から負荷側へ負荷電流が供給されるとともに、参照
符i7からi5で示す電流経路でコンデンサC1からも
負荷側へ負荷電流が供給される。またコンデンサC1か
ら平滑コンデンサC0へは、参照符i7からi2で示す
ような電流が流れ、したがって、コンデンサC0,C1
は略等しい端子間電圧で降下してゆく。またこの間も、
コンデンサC2内の電荷は参照符i6で示す電流経路で
商用交流電源32側へ放電される。
【0044】商用交流電源32の出力電圧が0以下とな
ってから、負極側でのピークを通過する時刻t4まで
は、図3(c)で示すように、参照符i11からi5で
示す電流が負荷電流として、また参照符i11からi2
で示す電流が平滑コンデンサC0の充電用に供給され
る。このとき、参照符i11からi12で示す電流経路
で、コンデンサC2が平滑コンデンサC0と略等しい電
位で充電されてゆく。またこのとき、コンデンサC1,
C2は直列に接続されているので、これらの両端の端子
間電圧が上昇しようとするけれども、平滑コンデンサC
0および負荷が接続されているために、参照符i13で
示す電流経路でコンデンサC1が放電してゆく。
【0045】ここで、コンデンサC1に蓄積されている
電荷が負荷側で消費されないときには、コンデンサC
1,C2の直列回路からの出力電圧は、負荷側で規定さ
れた、たとえばDC−DCコンバータ34の定格入力電
圧を超えてしまう。このため、上述のようにしてコンデ
ンサC1の静電容量が選ばれる。前記図3(a)におけ
るコンデンサC2の放電時も同様であり、したがってコ
ンデンサC2の静電容量も前述のようにして選ばれる。
こうしてコンデンサC1が放電し、コンデンサC2は平
滑コンデンサC0と略等しい電位に充電される。
【0046】さらに、商用交流電源32の出力電圧が、
負極側で時刻t4以降で示すように上昇を開始する頃に
は、コンデンサC0,C2の端子間電圧が商用交流電源
32の出力電圧よりも高くなり、したがって図3(d)
で示すように、参照符i14およびi4からi5で示す
電流経路で負荷電流が流れ、また参照符i14からi2
で示す電流経路でコンデンサC2から平滑コンデンサC
0への充電が行われる。
【0047】商用交流電源32の出力電圧が正極側とな
る時刻t5以降は、上述の前記時刻t1以降の動作を繰
返し、コンデンサC1,C2の直列回路の端子間電圧の
和が平滑コンデンサC0の端子間電圧よりも大きくなろ
うとするけれども、負荷および平滑コンデンサC0がこ
の直列回路に接続されているので、コンデンサC1の充
電に伴って、コンデンサC2は放電してゆく。
【0048】したがって、このような構成の電源入力回
路31では、商用交流電源32の出力電圧が立上がりを
開始してから、平滑コンデンサC0に充電可能な充分な
電圧にまで立上がる以前には、端子間電圧が0となって
いるコンデンサC1またはC2に充電が行われることに
よって、商用交流電源32からの出力電流を図2(b)
で示すように立上げ、前記図22において参照符Tで示
される期間に対して、長い期間T2に亘って商用交流電
源32からの出力電流が供給されるようになる。また前
記出力電流の最大値を、実効値の、たとえば2倍程度に
まで小さくすることができる。
【0049】このようにして、商用交流電源32側への
高調波電流の帰還を抑えることができるとともに、力率
を改善することができる電源入力回路を、コンデンサ2
つと抵抗1つの簡単な、したがって低コストで小型の構
成で実現することができるとともに、スイッチングノイ
ズの発生などの新たな問題が発生することもない。
【0050】なお、前記抵抗Rに代えて、極めて小さい
インダクタンスのコイルを用いても同様に、参照符β1
からβ2およびβ3で示すような波形整形を行うことが
できる。
【0051】また、構成を簡素化するために、図4で示
す電源入力回路41a、または図5で示す電源入力回路
41bのように、前記コンデンサC1,C2のうちのい
ずれか一方をコンデンサCaとして設けるようにしても
よい。なお、前述の実施例に対応する構成要素には、同
一の参照符を付す。ただしこの場合には、該コンデンサ
Caの静電容量は、C1+C2の合成容量となり、これ
に対応して抵抗Raの抵抗値は、時定数tを同一値とす
る必要があるために、C1=C2であるときには1/2
となる。
【0052】図6は前記電源入力回路41aの動作を説
明するための波形図であり、図7は電源入力回路41a
の動作を説明するための電気回路図である。図6(a)
において、参照符K1は整流回路33で全波整流された
出力電圧波形であり、これによって平滑コンデンサC0
の端子間電圧は、参照符K2で示すようになる。
【0053】したがって図7(a)で示すように、参照
符i1からi2で示す電流経路で平滑コンデンサC0が
充電されるとともに参照符i1およびi4からi5で示
される電流経路で負荷電流が供給される。またコンデン
サCaには、図6(b)で示すように、端子間電圧が立
上がる時刻t1aからピーク値を超える時刻t2aまで
は、参照符i1からi21で示す電流経路で充電が行わ
れる。その後、電源電圧が負極側となる時刻t3aまで
は、参照符i22で示す電流経路でこのコンデンサCa
から負荷電流が供給されることになる。
【0054】電源電圧が負極側となる時刻t3aから
は、図7(b)で示すように、商用交流電源32からの
出力電流は参照符i23で示す電流経路で負荷側へ供給
され、また参照符i24で示す電流経路でコンデンサC
aの放電のために消費され、該コンデンサCaの放電が
完了すると、その時刻t4aから電源電圧が正極側で立
上がる時刻t5aまでは、該コンデンサCaへ電流が流
れず、参照符i4からi5で示す電流経路で負荷電流が
供給されるのみとなる。
【0055】このようにコンデンサCaを1つだけ設け
るような構成であっても、商用交流電源32の出力電圧
が一方極性側の期間に充電されたコンデンサCaに対し
て、他方極性側の期間には放電のための電流が流れるこ
とになり、商用交流電源32側で電流が流れる期間T2
を長くすることができる。
【0056】さらにまた、本発明の他の実施例として、
図8の電源入力回路51a、または図9の電源入力回路
51bで示すように、出力電源ラインL3,L4間の、
すなわち平滑コンデンサC0の端子間電圧を検出する電
圧検出回路52と、この電圧検出回路52の検出結果か
ら、軽負荷による電圧の上昇が検出されたときに制御信
号を発生する制御信号発生回路53と、前記制御信号に
応答して整流回路33を半波整流に切換える切換手段5
4を設けるようにしてもよい。
【0057】図10は、前記電圧検出回路52、制御信
号発生回路53および切換手段54の具体的な回路構成
を説明するための電源入力回路51aの電気回路図であ
る。前記電圧検出回路52は、出力電源ラインL3,L
4間に介在される一対の分圧抵抗r1,r2によって実
現される。
【0058】前記制御信号発生回路53は、前記分圧抵
抗r1,r2の接続点55の電圧を検知する電圧検知用
のトランジスタTr1と、その検知結果の反転用のトラ
ンジスタTr2と、抵抗r3,r4とを備えて構成され
ている。前記トランジスタTr1のベースは前記接続点
55に接続され、またコレクタはプルアップ用の抵抗r
3を介してハイレベルの出力電圧ラインL3 に接続され
るとともに、トランジスタTr2のベースに接続されて
いる。さらにまた、このトランジスタTr1およびトラ
ンジスタTr2のエミッタは、ローレベルの出力電源ラ
インL4に接続されている。トランジスタTr2のコレ
クタからは、抵抗r4を介して制御信号が出力される。
【0059】前記切換手段54は、ダイオードD1のカ
ソードと、ハイレベルの出力電源ラインL3との間に介
在されるスイッチング用のトランジスタTr3と、前記
制御信号を受信し、トランジスタTr3を制御するため
のトランジスタTr4とを備えて構成されている。
【0060】平滑コンデンサC0の出力電圧が予め定め
る電圧、たとえばDC−DCコンバータ34の定格入力
電圧の実効値が100Vであるときには、ピーク値の1
41V以下では、前記接続点55の電圧に対してトラン
ジスタTr1は遮断しており、これによってプルアップ
用の抵抗r3を介してトランジスタTr2のベースはハ
イレベルとなって該トランジスタTr2が導通し、抵抗
r4を介して出力される前記制御信号はローレベルとな
る。したがって、トランジスタTr4が導通し、トラン
ジスタTr3のベース電流が供給されて該トランジスタ
Tr3が導通し、ダイオードD1を介してコンデンサC
0,C1への充電電流の供給が可能となる全波整流状態
となる。
【0061】これに対して、軽負荷となって、コンデン
サC1,C2での電荷が充分に消費されず電源ラインL
3の電圧が上昇すると、トランジスタTr1のベースが
ハイレベルとなって該トランジスタTr1が導通し、ト
ランジスタTr2に供給されていたベース電流をバイパ
スする。これによってトランジスタTr2が遮断し、ト
ランジスタTr4のベース電流、したがってトランジス
タTr3のベース電流が遮断されて、ダイオードD1を
介する充電電流の供給が停止され、整流回路33は半波
整流状態となる。
【0062】図11および図12は上述のような整流状
態の切換に伴う電源入力回路51aの動作を説明するた
めの波形図であり、図11は定常負荷時を表し、図12
は軽負荷時を表す。なお、C1=C2として、Pmax
=2×f×C1×Vin2 とする。
【0063】定常負荷時で、図11(a)において、参
照符H1で示す平滑コンデンサC0の端子間電圧が、参
照符H2で示すDC−DCコンバータ34の定格入力電
圧以下であるときには、参照符H3で示す全波整流波形
に対して、コンデンサC1,C2の端子間電圧は図11
(b)において参照符H5,H6でそれぞれ示すよう
に、前記図6(b)で示す波形と相似となる。したがっ
て、整流回路33から流れる電流は、図11(a)にお
いて参照符H4で示すようになる。
【0064】これに対して軽負荷時は、図12(a)で
示すように、前記参照符H2で示す定格入力電圧に対し
て、参照符H11で示す平滑コンデンサC0の端子間電
圧が超えようとする。その時刻t11〜t12間は、前
記トランジスタTr3が遮断して半波整流状態となり、
前記図3(a)における参照符i6で示すコンデンサC
2の放電経路が遮断され、該コンデンサC2の端子間電
圧は図12(b)において参照符H14で示すように保
持される。これに対して、コンデンサC1の端子間電圧
は前記時刻t11でその上昇が停止され、コンデンサC
0,C1から負荷電流が流れ、コンデンサC1の端子間
電圧は、参照符H13で示すように緩やかに低下してゆ
く。またこれによって、整流回路33から負荷側で見た
場合の電流波形は、図12(a)において、参照符H1
2で示すようになる。
【0065】前記時刻t12で、直列のコンデンサC
1,C2の端子間電圧の和が定格入力電圧以下となって
トランジスタTr3が導通し、時刻t13で電源電圧の
極性が切換わると、放電の完了していないコンデンサC
2の端子間電圧が整流回路33の出力電圧よりも高く、
両者が逆転する時刻t14から、該コンデンサC2の充
電が開始される。またこれに対応して、コンデンサC1
の放電が開始される。
【0066】このように軽負荷、たとえば負荷の消費電
力の最大値Pmaxの1/2以下となったことが検出さ
れると、半波整流に切換えることによって、コンデンサ
C1,C2の端子間電圧の和が負荷の定格入力電圧より
も高くなってしまうことを防止することができる。
【0067】さらにまた、図13で示す電源入力回路6
1aおよび図14で示す電源入力回路61bのように、
軽負荷時にはコンデンサC1,C2のいずれか一方を開
放して充電を抑えるようにしてもよい。すなわち、これ
ら電源入力回路61a,61bでは、DC−DCコンバ
ータ34から負荷35への負荷ラインL5に、該負荷ラ
インL5の線電流を検出する負荷電流検出回路62を設
け、この負荷電流検出回路62によって、たとえば負荷
電流が定格電流の1/2以下となったことが検出される
と、制御信号発生回路63がスイッチ64を開放する。
前記スイッチ64は、電源入力回路61aではコンデン
サC1に関して設けられており、電源入力回路61bで
はコンデンサC2に関して設けられている。
【0068】このような構成では、軽負荷時にはスイッ
チ64によって開放されなかった側のコンデンサ、たと
えば図13で示す電源入力回路61aではC2の端子間
電圧の変化は、前記図6(b)で示す波形と相似とな
り、このようにしてもまた、負荷の変動に対応すること
ができる。
【0069】また、前記電源入力回路51aまたは51
bの構成と、電源入力回路61aまたは61bの構成と
を任意に組合わせて、たとえば図15で示す電源入力回
路71aおよび図16で示す電源入力回路71bのよう
に構成してもよい。これによって、負荷が、たとえば1
/2と1/4とのように、複数の段階で変化しても、そ
れぞれ最適に対応することができる。
【0070】さらにまた、図17で示す電源入力回路8
1aおよび図18で示す電源入力回路81bのように、
いずれか一方のコンデンサC1またはC2の開放ととも
に、残余のコンデンサC2またはC1の静電容量を小さ
くしてもよい。すなわち、コンデンサC2,C1をそれ
ぞれ部分コンデンサC2aとC3とにおよびC1aとC
3とに分割しておき、負荷が前記最大値Pmaxの1/
2以下となった時点で、制御信号発生回路63はスイッ
チ64を遮断し、さらに1/4以下となるとスイッチ8
2を遮断して、部分コンデンサC3を開放するようにし
てもよい。この場合、部分コンデンサC2a,C1aと
C3とは、たとえば相互に等しい、すなわちコンデンサ
C2,C1の1/2の静電容量に設定される。
【0071】さらにまた、前記電源入力回路51aまた
は51bに、前記電源入力回路81a,81bの構成を
任意に付加して、たとえば図19で示す電源入力回路9
1aおよび図20で示す電源入力回路91bのように構
成して、さらに細かな負荷変動に対応するようにしても
よい。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明に係る電源入力回路は、
以上のように、平滑コンデンサと並列に第1および第2
のコンデンサを相互に直列に接続した回路を挿入してお
くとともに、それらの接続点と交流電源の入力端のいず
れか一方との間を抵抗で接続し、前記コンデンサの静電
容量C1,C2を、0.5×Pmax/(2×f×Vi
2 )〜1.5×Pmax/(2×f×Vin2 )、好
ましくはPmax/(2×f×Vin2 )に選び、抵抗
の抵抗値Rを、0.0001/C1〜0.001/C1
または0.0001/C2〜0.001/C2、好まし
くは0.0001/C1〜0.0004/C1または
0.0001/C2〜0.0004/C2に選ぶ。
【0073】それゆえ、電源電圧が一方極性となって、
一方のコンデンサ、たとえば第1のコンデンサが充電さ
れてゆくときには、他方のコンデンサ、すなわち第2の
コンデンサが放電を行い、電源電圧の極性が切換わると
直ちに他方のコンデンサに充電電流が流れることにな
る。これによって、平滑コンデンサだけでは、電源電圧
のピーク値付近でしか充電電流が流れないのに対して、
交流電源側から見た電流の流れる期間を長くすることが
でき、高調波電流の発生を抑えることができるととも
に、力率を向上することができる。
【0074】またこのような高調波電流の抑制および力
率の改善を、2つのコンデンサと1つの抵抗との簡単な
構成で実現することができ、小型化および低コスト化を
図ることができるとともに、スイッチング素子などを用
いていないので、ノイズの発生する虞もない。
【0075】また請求項2の発明に係る電源入力回路
は、以上のように、平滑コンデンサのいずれか一方の端
子と交流電源の入力端のいずれか一方との間に、コンデ
ンサと抵抗との直列回路を介在し、前記コンデンサの静
電容量Caを、Pmax/(2×f×Vin2 )〜3×
Pmax/(2×f×Vin2 )、好ましくは2×Pm
ax/(2×f×Vin2 )に選び、抵抗の抵抗値Ra
を、0.0001/Ca〜0.001/Ca、好ましく
は0.0001/Ca〜0.0004/Caに選ぶ。
【0076】それゆえ、電源電圧が一方の極性側である
ときには、たとえば前記コンデンサは平滑コンデンサに
対応して充電されてゆき、他方極性側に切換わると、そ
の切換わった直後から、放電のための電流が流れること
になる。こうして、交流電源側から見た電流の流れる期
間を長くすることができ、高調波電流の発生を抑えるこ
とができるとともに、力率を改善することができる。
【0077】さらにまた請求項3の発明に係る電源入力
回路は、以上のように、軽負荷となると整流回路を半波
整流に切換える。
【0078】それゆえ、軽負荷になって、たとえば前記
第1および第2のコンデンサの放電が充分に行われなく
なる可能性のあるときには、第1および第2のコンデン
サならびに平滑コンデンサへの充電電流を抑えて、平滑
コンデンサの端子間電圧を規定の電圧以内に抑えること
ができる。
【0079】また請求項4の発明に係る電源入力回路
は、以上のように、軽負荷となったことが検出される
と、前記第1または第2のコンデンサの少なくともいず
れか一方の静電容量を減少させる。
【0080】それゆえ、上述の場合と同様に、充電電流
を抑えて、平滑コンデンサの端子間電圧を前記規定の電
圧以内に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電源入力回路の電気回
路図である。
【図2】図1で示す電源入力回路の動作を説明するため
の波形図である。
【図3】図1で示す電源入力回路の動作を説明するため
の電気回路図である。
【図4】本発明の第2の実施例の電源入力回路の電気回
路図である。
【図5】本発明の第3の実施例の電源入力回路の電気回
路図である。
【図6】図4で示す電源入力回路の動作を説明するため
の波形図である。
【図7】図4で示す電源入力回路の動作を説明するため
の電気回路図である。
【図8】本発明の第4の実施例の電源入力回路の電気的
構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例の電源入力回路の電気的
構成を示すブロック図である。
【図10】図8で示す電源入力回路における電圧検出回
路、制御信号発生回路および切換手段の具体的構成を示
す電気回路図である。
【図11】図8で示す電源入力回路の定常負荷時の動作
を説明するための波形図である。
【図12】図8で示す電源入力回路の軽負荷時の動作を
説明するための波形図である。
【図13】本発明の第6の実施例の電源入力回路の電気
的構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第7の実施例の電源入力回路の電気
的構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第8の実施例の電源入力回路の電気
的構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第9の実施例の電源入力回路の電気
的構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第10の実施例の電源入力回路の電
気的構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第11の実施例の電源入力回路の電
気的構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第12の実施例の電源入力回路の電
気的構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第13の実施例の電源入力回路の電
気的構成を示すブロック図である。
【図21】従来からの電源入力回路の電気回路図であ
る。
【図22】図21で示す電源入力回路の問題点を説明す
るための波形図である。
【図23】図21で示す電源入力回路の問題点を解決す
るための第1の従来技術の電源入力回路の電気回路図で
ある。
【図24】図21で示す電源入力回路の問題点を解決す
るための第2の従来技術の電源入力回路の電気回路図で
ある。
【符号の説明】
31 電源入力回路 32 商用交流電源 33 整流回路 34 DC−DCコンバータ 35 負荷 41a 電源入力回路 41b 電源入力回路 51a 電源入力回路 51b 電源入力回路 52 電圧検出回路(検出手段) 53 制御信号発生回路 54 切換手段 61a 電源入力回路 61b 電源入力回路 62 負荷電流検出回路(検出手段) 63 制御信号発生回路 64 スイッチ(静電容量変化手段) 71a 電源入力回路 71b 電源入力回路 81a 電源入力回路 81b 電源入力回路 82 スイッチ(静電容量変化手段) 91a 電源入力回路 91b 電源入力回路 C0 平滑コンデンサ C1 コンデンサ C2 コンデンサ Ca コンデンサ C1a コンデンサ C2a コンデンサ C3 コンデンサ R 抵抗 Ra 抵抗

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源からの入力電流を整流回路で整流
    した後、平滑コンデンサで平滑化して負荷側へ出力する
    電源入力回路において、 相互に直列に接続されて前記平滑コンデンサと並列に接
    続される第1および第2の2つのコンデンサと、 前記第1のコンデンサと第2のコンデンサとの接続点を
    前記交流電源の一対の入力端のいずれか一方と接続する
    抵抗とを含み、 前記第1および第2のコンデンサの静電容量C1,C2
    を、前記負荷側の消費電力の最大値をPmaxとし、前
    記交流電源の電源周波数をfとし、前記交流電源の出力
    電圧の実効値をVinとするとき、0.5×Pmax/
    (2×f×Vin2 )〜1.5×Pmax/(2×f×
    Vin2 )、好ましくはPmax/(2×f×Vi
    2 )に選び、 前記抵抗の抵抗値Rを、0.0001/C1〜0.00
    1/C1または0.0001/C2〜0.001/C
    2、好ましくは0.0001/C1〜0.0004/C
    1または0.0001/C2〜0.0004/C2に選
    ぶことを特徴とする電源入力回路。
  2. 【請求項2】交流電源からの入力電流を整流回路で整流
    した後、平滑コンデンサで平滑化して負荷側へ出力する
    電源入力回路において、 一方の端子が前記平滑コンデンサのいずれか一方の端子
    と接続されるコンデンサと、 前記コンデンサの他方の端子を前記交流電源の一対の入
    力端のいずれか一方と接続する抵抗とを含み、 前記コンデンサの静電容量Caを、前記負荷側の消費電
    力の最大値をPmaxとし、前記交流電源の電源周波数
    をfとし、前記交流電源の出力電圧の実効値をVinと
    するとき、Pmax/(2×f×Vin2 )〜3×Pm
    ax/(2×f×Vin2 )、好ましくは2×Pmax
    /(2×f×Vin2 )に選び、 前記抵抗の抵抗値Raを、0.0001/Ca〜0.0
    01/Ca、好ましくは0.0001/Ca〜0.00
    04/Caに選ぶことを特徴とする電源入力回路。
  3. 【請求項3】前記整流回路はダイオードブリッジ回路で
    実現され、 負荷の消費電力を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に応答し、軽負荷となったこと
    が検出されたとき、前記整流回路を半波整流に切換える
    切換手段とを備えることを特徴とする請求項1または2
    記載の電源入力回路。
  4. 【請求項4】前記整流回路はダイオードブリッジ回路で
    実現され、 負荷の消費電力を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に応答し、軽負荷となったこと
    が検出されたとき、前記第1または第2のコンデンサの
    少なくともいずれか一方の静電容量を減少させる静電容
    量変化手段とを備えることを特徴とする請求項1または
    3記載の電源入力回路。
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