JPH08213591A - 埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ - Google Patents

埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ

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JPH08213591A
JPH08213591A JP3438895A JP3438895A JPH08213591A JP H08213591 A JPH08213591 A JP H08213591A JP 3438895 A JP3438895 A JP 3438895A JP 3438895 A JP3438895 A JP 3438895A JP H08213591 A JPH08213591 A JP H08213591A
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公裕 村岡
Yoshiaki Ikeda
義秋 池田
Konsan Ri
根三 李
Naoshige Tamamushi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 埋込みゲート構造もしくは切込みゲートによ
り高耐圧化を指向し、サイリスタ部とダイオード部の同
時製造が可能な高速・大電力性能を有する、埋込みゲー
ト構造もしくは切込みゲート構造を有する逆導通サイリ
スタを提供することにある。 【構成】 サイリスタ部に埋込みゲート構造もしくは切
込みゲート構造のSIサイリスタ、ダイオード部に埋込
み構造、もしくは切込み構造のSIダイオードを有し、
ダイオード部のカソード側にはnエミッタ間ショットキ
ー接合もしくはダイオード・カソード短絡領域を有し、
サイリスタ部のアノード側にはp+ アノード層もしくは
波形p+ アノード層、或いはアノードn+ 層によるSI
アノードショート構造を有し、更に高耐圧化素子を指向
する場合にはnバッファ層を有する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力用半導体装置の分野
に関し、特に埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構
造を有する主サイリスタに逆並列に接続されるダイオー
ド部を埋込み構造もしくは切込み構造の静電誘導ダイオ
ードとしたことにより、高速の逆回復特性が得られ、サ
イリスタ部とダイオード部の同時形成が比較的容易な大
電力用途の埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造
を有する逆導通サイリスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の逆導通サイリスタは、主サイリス
タ部をゲート・ターン・オフサイリスタにより形成し、
ダイオード部を通常のpn接合ダイオードもしくはpi
n構造のゲートとして形成した構成が主である。一方、
主サイリスタ部を静電誘導サイリスタにより構成する逆
導通静電誘導(RC−SI)サイリスタの例は、例え
ば、本件出願人により既に特願平5−342923号
「逆導通サイリスタ」、特願平5−344125号「電
界緩和分離帯構造を有する逆導通型サイリスタ」、特願
平6−194918号「自己消弧型逆導通サイリス
タ」、特願平6−264663号「逆導通半導体装置及
びその製造方法」において開示されている。
【0003】更に、本件出願人はRC−SIサイリスタ
の試作を行ない、高耐圧RC−SIサイリスタを設計製
作するにあたり、従来の逆導通GTOサイリスタ(以降
RC−GTOサイリスタと称す)と同様のサイリスタ部
とダイオード部の分離帯形成技術及びダイオード部形成
技術ではRC−SIサイリスタでは順方向耐圧の確保が
困難であり、あるいは信頼性を確保して安定的に製作出
来ないという事実を見出し、特にSIサイリスタ部をノ
ーマリオン特性として設計する場合に上記事実がより顕
著であるという結果を見出した。
【0004】この問題点を解決するために、サイリスタ
部とダイオード部との間の分離帯領域の抵抗を高め、か
つダイオード部の逆回復特性を改善した「逆導通静電誘
導サイリスタ」を特願平6− 号に開示した。
上記特願平6− 号においても、従来技術の問題
点として指摘されている通り、SIサイリスタの高速ス
イッチング性能に適合可能な高速ダイオードが望まし
く、しかも逆回復特性に優れ、高耐圧化の容易なダイオ
ードが望ましい。一方、SIサイリスタの構造と製造上
の適合性も考慮する必要がある。
【0005】本件出願人らは既に高耐圧、高速スイッチ
ング性能を有する静電誘導ダイオードについて検討を加
え、「プレーナ構造を有する静電誘導ダイオード」を特
願平4−204434号に、「埋込み構造もしくは切込
み構造を有する静電誘導ダイオード」を特願平4−21
0751号に開示している。
【0006】主サイリスタをプレーナ構造のGTOもし
くはSIサイリスタとして形成する場合、ダイオード部
の構成は製造上同時プロセスが可能なプレーナ構造が望
ましい。更に、主サイリスタ部をGTOにより形成した
場合にもGTOに比べて高速のスイッチング性能の期待
できるSIダイオードをダイオード部に形成し、逆回復
性能を向上することが望ましい。
【0007】本件出願人は、プレーナゲート構造を有す
る主サイリスタ部に対して、同時製造プロセスが可能な
プレーナ構造のSIダイオードを逆並列に接続して高速
の逆回復特性を得られる「プレーナゲート構造を有する
逆導通サイリスタ」を特願平7− 号に開示
した。
【0008】上記特願平7− 号には、サイ
リスタ部をプレーナゲート構造を有するGTOにより形
成し、逆並列ダイオードとしてプレーナ構造を有するS
Iダイオードを形成して、構造が容易で、逆回復特性に
優れた中・小電力用途のプレーナゲート構造を有する逆
導通サイリスタについても開示されている。
【0009】更にまた、サイリスタ部をプレーナゲート
構造を有するSIサイリスタにより形成し、かつ逆並列
ダイオードとしてプレーナゲート構造を有するSIダイ
オードを形成したことにより、主サイリスタ部の高速性
に適合したダイオード性能を有することにより、構造が
容易でかつ高速の逆回復性能を有するプレーナゲート構
造を有する逆導通サイリスタについても開示されてい
る。
【0010】一方、埋込みゲート構造もしくは切込みゲ
ート構造を有するサイリスタは高耐圧が容易に得られ、
チャネル数を増大することも容易であることから、大電
流を得るのに適している。主サイリスタ部を埋込みゲー
ト構造もしくは切込みゲート構造として形成する場合、
ダイオード部についても同時製造が容易な構成が望まし
い。主サイリスタ部に高速のSIサイリスタ構造を有す
る場合、ダイオード部についても主サイリスタの高速性
に適合して、逆回復電荷量が低減され、高速スイッチン
グ性能が得られ、しかも高耐圧素子を適用することが望
ましい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
の1つは、主サイリスタ部に埋込みゲート構造もしくは
切込みゲート構造を有するサイリスタを配し、ダイオー
ド部に対して上記サイリスタ部と同時製造可能な埋込み
構造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードを
配して、主サイリスタ部の高耐圧、高速、大電流スイッ
チング性能と適合して逆回復特性に優れ、高耐圧大電流
スイッチング性能を有するダイオード特性によって、全
体として大電力の高速スイッチング性能が得られる、埋
込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を有する逆導
通サイリスタを提供することにある。
【0012】更に本発明の目的の1つは、主サイリスタ
部に埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を有す
るゲート・ターン・オフサイリスタを有することを特徴
とする、埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を
有する逆導通サイリスタを提供することにある。
【0013】更に本発明の目的の1つは、主サイリスタ
部に埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を有す
る静電誘導(SI)サイリスタを有することを特徴とす
る、埋込みゲート構造もしくは切込みゲート構造を有す
る逆導通サイリスタを提供することにある。
【0014】更に具体的に本発明の目的の1つは、主サ
イリスタ部,ダイオード部ともに同時製造が容易な埋込
みゲート構造を有する逆導通サイリスタを提供すること
にある。
【0015】更に具体的に本発明の目的の1つは、主サ
イリスタ部,ダイオード部ともに同時製造が容易な切込
みゲート構造を有する逆導通サイリスタを提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の構成は
以下に示す通りである。即ち、サイリスタ部とダイオー
ド部を具える逆導通サイリスタであって、サイリスタ部
は、半導体基板の第1の主表面近傍に埋込み構造に形成
された埋込みゲート領域と、前記第1の主表面上におい
て、前記埋込みゲート領域上に形成されたエピタキシャ
ル層を介して形成されたカソード領域と、前記半導体基
板の第2の主表面に形成されたサイリスタ・アノード領
域とから形成され、ダイオード部は、前記半導体基板の
第1の主表面近傍に埋込み構造に形成されたダイオード
・アノード領域と、前記第1の主表面上において、前記
ダイオード・アノード領域上に形成された前記エピタキ
シャル層と同一のエピタキシャル層を介して形成された
ダイオード・アノード短絡領域と、前記半導体基板の第
2の主表面に形成されたダイオード・カソード領域とか
ら形成され、前記第1の主表面近傍に形成された前記ダ
イオード・アノード領域と前記埋込みゲート領域は互い
に第1の主表面に形成された分離帯領域を介して絶縁分
離され、前記第2の主表面に形成された前記ダイオード
・カソード領域と前記サイリスタ・アノード領域は互い
に第2の主表面上に形成された総合アノード電極に接触
して共通電位となされ、前記サイリスタ・アノード領域
と前記ダイオード・アノード領域と前記ダイオード・ア
ノード短絡領域は総合カソード電極に接触して共通電位
となされ、前記ダイオード・アノード短絡領域は前記ダ
イオード・アノード領域に囲まれるとともに前記ダイオ
ード・アノード領域と前記半導体基板との間のpn接合
の拡散電位によって前記半導体基板中に広がる空乏層に
よっても取り囲まれてシールドされ、前記ダイオード・
カソード領域とともに埋込み構造の静電誘導ダイオード
を形成し、かつ前記ダイオード・アノード領域と前記サ
イリスタ・ゲート領域はいずれも前記第1の主表面近傍
に埋込み構造に形成されたことを特徴とする埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタとしての構成を有す
る。
【0017】或いはまた、前記サイリスタ・カソード領
域は、前記埋込みゲート領域を含むサイリスタ・ベース
領域の前記第1の主表面上に形成され、前記サイリスタ
・アノード領域とともに埋込みゲート構造のゲート・タ
ーン・オフサイリスタを形成することを特徴とする埋込
みゲート構造を有する逆導通サイリスタとしての構成を
有する。
【0018】或いはまた、前記サイリスタ・カソード領
域は前記埋込みゲート構造を有するサイリスタ・ゲート
領域によって取り囲まれるとともに、前記埋込みゲート
構造を有するサイリスタ・ゲート領域と前記半導体基板
との間のpn接合の拡散電位によって前記半導体基板中
に広がる空乏層によっても取り囲まれてシールドされ、
前記サイリスタ・アノード領域とともに埋込みゲート構
造の静電誘導サイリスタを形成することを特徴とする埋
込みゲート構造を有する逆導通サイリスタとしての構成
を有する。
【0019】或いはまた、サイリスタ部とダイオード部
を具える逆導通サイリスタであって、サイリスタ部は、
半導体基板の第1の主表面近傍に切込み構造に形成され
た切込みゲート領域と、前記第1の主表面上において、
前記切込みゲート領域上に形成されたエピタキシャル層
を介して形成されたカソード領域と、前記半導体基板の
第2の主表面上に形成されたサイリスタ・アノード領域
とから形成され、ダイオード部は、前記半導体基板の第
1の主表面近傍に切込み構造に形成されたダイオード・
アノード領域と、前記第1の主表面上において、前記ダ
イオード・アノード領域上に形成された前記エピタキシ
ャル層と同時形成されたエピタキシャル層を介して形成
されたダイオード・アノード短絡領域と、前記半導体基
板の第2の主表面に形成されたダイオード・カソード領
域とから形成され、前記第1の主表面近傍に形成された
前記ダイオード・アノード領域と前記埋込みゲート領域
は互いに第1の主表面に形成された分離帯領域を介して
絶縁分離され、前記第2の主表面に形成された前記ダイ
オード・カソード領域と前記サイリスタ・アノード領域
は互いに第2の主表面上に形成された総合アノード電極
に接触して共通電位となされ、前記サイリスタ・カソー
ド領域と前記ダイオード・アノード領域と前記ダイオー
ド・アノード短絡領域は総合カソード電極に接触して共
通電位となされ、前記ダイオード・アノード短絡領域は
前記切込み構造に形成されたダイオード・アノード領域
に囲まれるとともに、前記ダイオード・アノード領域と
前記半導体基板との間のpn接合の拡散電位によって前
記半導体基板中に広がる空乏層によっても取り囲まれて
シールドされ、前記ダイオード・カソード領域とともに
切込み構造の静電誘導ダイオードを形成し、かつ前記ダ
イオード・アノード領域と前記サイリスタ・ゲート領域
はいずれも前記第1の主表面近傍に切込み構造に形成さ
れたことを特徴とする切込みゲート構造を有する逆導通
サイリスタとしての構成を有する。
【0020】或いはまた、前記サイリスタ・カソード領
域は、前記切込みゲート領域を含むサイリスタ・ベース
領域の前記第1の主表面上に形成され、前記サイリスタ
・アノード領域とともに切込みゲート構造のゲート・タ
ーン・オフサイリスタを形成することを特徴とする切込
みゲート構造を有する逆導通サイリスタとしての構成を
有する。
【0021】或いはまた、前記サイリスタ・カソード領
域は、前記切込みゲート領域を有するサイリスタ・ゲー
ト領域によって取り囲まれるとともに、前記切込みゲー
ト構造を有するサイリスタ・ゲート領域と前記半導体基
板との間のpn接合の拡散電位によって前記半導体基板
中に広がる空乏層によっても取り囲まれてシールドさ
れ、前記サイリスタ・アノード領域とともに切込みゲー
ト構造の静電誘導サイリスタを形成することを特徴とす
る切込みゲート構造を有する逆導通サイリスタとしての
構成を有する。
【0022】
【作用】本発明の埋込みゲート構造もしくは切込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタは、埋込みゲート構造
もしくは切込みゲート構造を有するサイリスタ部1と埋
込みゲート構造もしくは切込み構造を有するダイオード
部3の逆並列構成によるスイッチング素子としての動作
を行なう。サイリスタ部の高速性に対応してダイオード
部を高速スイッチング性能を有するSIダイオードとす
ることにより、逆回復性能に優れ、高速のスイッチング
が可能となる。
【0023】特に、埋込み構造もしくは切込み構造を採
用したことにより高耐圧、大電流のスイッチング性能に
優れている。同時製造の容易さを考慮した場合、主サイ
リスタ部を埋込みゲート構造とする場合、ダイオード部
は埋込み構造が望ましく、主サイリスタ部を切込みゲー
ト構造とする場合、ダイオード部は切込み構造とするこ
とがよい。
【0024】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の第1の実施例としての埋込
みゲート構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構
造図を示す。図1においてサイリスタ部は埋込みゲート
構造の静電誘導サイリスタからなり、ダイオード部は埋
込み構造の静電誘導(SI)ダイオードからなる。
【0025】図1において、1は高抵抗半導体基板31
内に形成されたサイリスタ部、3はダイオード部、4は
分離帯部を示す。各部を説明する。高抵抗半導体基板3
1(nベース層)の第1の主表面近傍にはサイリスタ部
1のpベース(ゲート)層16、nエミッタ(カソー
ド)層14、ダイオード部3のpエミッタ(アノード)
層15、ダイオード・アノード短絡領域2及び分離帯部
4のp+ 層27が形成されている。高抵抗半導体基板3
1の第2の主表面上にはサイリスタ部1のpエミッタ
(アノード)層18、ダイオード部3のnエミッタ(カ
ソード)層19が形成され、分離帯部4には分離帯ショ
ットキー接合26が形成されている。ダイオード部3の
nエミッタ層19間には図1の実施例ではnエミッタ間
ショットキー接合25が形成されている。nエミッタ間
ショットキー接合25の役割は、ダイオード・カソード
側からの電子の注入量を抑制し、かつダイオード・アノ
ード領域(pエミッタ層15)側から注入された正孔を
ダイオード・カソード電極12(総合アノード電極)へ
吸収する効果を高めることにある。分離帯ショットキー
接合26の役割は分離帯部4におけるラッチ・アップを
抑制し、かつダイオード部3への余分な電子の注入を抑
制する点にある。
【0026】逆導通サイリスタの場合、ダイオード・ア
ノード電極10はサイリスタ・カソード電極11と総合
カソード電極7により共通電位となされ、ダイオード・
カソード電極はサイリスタ・アノード電極12と総合ア
ノード電極6により共通電位となされる。更に、本発明
の逆導通サイリスタの特徴であるダイオード・アノード
短絡領域2は図2に示される如くダイオード・アノード
領域15とダイオード・アノード電極10を介して短絡
されている。このダイオード・アノード短絡領域2の短
絡効果によって、ダイオード部3のアノード領域15近
傍に分布する電子をダイオード・アノード短絡領域2を
介してダイオード・アノード電極10へ吸収することが
できる。ダイオード・アノード領域15から高抵抗層
(n- )31中に広がる空乏層によって取り囲まれたn
+ ダイオード・アノード短絡領域2近傍のn- 層(31
及び8)中の電子は、ダイオードのスイッチングにおけ
る逆回復時において電位障壁に囲まれているため、ダイ
オード・カソード側に注入されることなく、むしろ表面
側のダイオード・アノード電極10に吸収される。この
ため、逆回復電荷量は低減され、ダイオードの逆回復性
能上、高速な特性が得られる。主サイリスタをSIサイ
リスタの如く高速性能のサイリスタを使用する場合、逆
回復電荷量が小さく発熱量が抑制され、かつ高速ターン
オフの可能なダイオードが望ましい。
【0027】図1に示した実施例ではダイオード部3に
埋込み構造のSIダイオードが形成され、主サイリスタ
部1には埋込みゲート構造のSIサイリスタが形成され
て同時製造が容易な構成を示している。更に重要な点
は、埋込みゲート構造のサイリスタのゲート製造プロセ
ス上可能なパターンピッチと同程度に微細化したパター
ンピッチをダイオード部3にも適用可能となるため、サ
イリスタ部の入力側ゲート・カソード間のRC時定数で
決まるスイッチング性能と同程度のスイッチング性能を
SIダイオードに期待することができる。SIダイオー
ドの動作上、前述の如くn+ ダイオード・アノード短絡
領域2からの電子の吸収は逆回復特性に大きな影響を与
えるが、SIサイリスタと同じピッチでアノード領域を
製造されたSIダイオードにおいてはSIサイリスタに
おけるSI効果と同じSI効果を期待することができ
る。これはダイオード・アノード領域15から高抵抗層
31中に広がる空乏層の広がる速度に関係するが、ダイ
オードの逆回復時においてp+層15からn- 層31へ
広がる空乏層によりn+ ダイオード・アノード短絡層2
が即座にシールドされることが望ましく、埋込み構造は
この点でも優れている。そのためには、埋込みゲート構
造のSIサイリスタのゲート・カソード間近傍と同様に
ダイオード部のアノード領域近傍も製造されるべきこと
を意味している。
【0028】図1の実施例においてはサイリスタ部1の
アノード側はpエミッタ層18が配置されている。サイ
リスタのターンオフ時のテイル電流の抑制はスイッチン
グ特性を向上させるために重要なパラメータである。逆
導通SIサイリスタにおいても同様にテイル成分を抑制
する必要があり、電子線照射等によるライフタイム制御
が図1の実施例1においても必要である。
【0029】またダイオード部3のカソード側にはダイ
オード・カソード領域としてのnエミッタ層19がスト
ライプ状もしくは、島状に配置されている。前述の如く
ダイオード・カソード側からの電子の注入量の抑制と、
正孔の吸収効率を高めるための構成となっている。
【0030】また分離帯部4では、第1の主表面上には
+ 層27が複数、主サイリスタ部1の外周を取り囲む
ようにリング状に配置されている。複数個のp+ 層27
は、一定の間隔を置いて形成されている。更に電位的な
安定を保つために、金属電極28がp+ 層27上に形成
されている。
【0031】図1の実施例1の構造は埋込みゲートプロ
セスにより製造可能のため、各部のp+ 領域(15,2
7,16)は前述の如く同時製造が可能である。SiO
2 等の絶縁膜5に対するパターニングによる窓開け、拡
散工程によって形成することができる。或いはBのイオ
ン注入プロセス等を適用することができる。またnエピ
タキシャル層8も同時に形成することができる。同様に
各部のn+ 領域(2,14)もnエピタキシャル層8に
対して同時製造が可能であり、拡散工程、或いはP,A
s等のイオン注入プロセスにより形成可能である。尚、
分離帯部4については、図1の実施例1ではp+ 層27
を複数配置する例を示したが、図示の如く3個に限るこ
となく、例えば特願平6− 号「逆導通静電誘
導サイリスタ」において開示されたSISA構造と称す
る構成を適用することができる。更にまた主サイリスタ
部1とダイオード部3とのプロセス上の互換性のある分
離帯構造であれば、他の簡易な構成を採用してもよい。
【0032】図1に示した実施例1の構造は埋込みゲー
ト構造を有するSIサイリスタのゲート領域16,nエ
ピタキシャル層8及びn+ サイリスタ・カソード領域1
4等の形成工程と同時にSIダイオード部のp+ ダイオ
ード・アノード領域15,nエピタキシャル層8及びn
+ ダイオード・アノード短絡領域2を形成することがで
きる点に大きな特徴がある。埋込み構造のパターンピッ
チ或いは、チャネル幅等はサイリスタ部1,ダイオード
部3において同一寸法にて形成してもよい。更に分離帯
部4のp+ 層27のパターンピッチ或いは間隔等もサイ
リスタ部1或いはダイオード部3の埋込み構造と同一寸
法にて形成してもよい。
【0033】しかし、SIサイリスタ部1がノーマリオ
ン特性を有する場合には、サイリスタ部1のp+ 埋込み
ゲート領域16のパターンピッチに比べてSIダイオー
ド部3は常にノーマリオフ特性が要求されることから、
埋込み構造のp+ ダイオード・アノード領域15のパタ
ーンピッチは狭く設定する必要がある。p+ ダイオード
・アノード領域15からn- エピタキシャル層8及び高
抵抗半導体基板31中広がる空乏層によってp+ 層15
間のチャネル部がつながり、n+ ダイオード・アノード
短絡領域2中の電子に対する充分な電位障壁が形成され
ていればよい。
【0034】埋込みゲート構造を有する逆導通サイリス
タの動作については前述の特願平6− 号
「逆導通静電誘導サイリスタ」に開示されている通りで
あるが、図1の実施例では埋込みゲート構造を有するS
Iサイリスタに対して逆並列構成の埋込み構造のSIダ
イオードを同時形成した構成を開示しており、主サイリ
スタ部のSIサイリスタの高速性に適合しかつプロセス
上も互換性のある埋込み構造の高耐圧・高速SIダイオ
ードが同時形成された点に大きな特徴を有する。
【0035】(実施例2)図2は本発明の第2の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図である。高抵抗半導体基板31の第1
の主表面側の構造は図1の実施例1と同様であるが、第
2の主表面側(アノード側)の構成が異なっている。即
ち、サイリスタ部1のアノード側は、pエミッタ層18
が一定の間隔を置いて波形に配置されている。pエミッ
タ層18のパターンピッチはサイリスタのpベース層
(ゲート層)16のパターンピッチと同程度もしくは多
少微細化して配置されている。波形形状することによ
り、p+ エミッタ層18に挟まれたn- 層31からサイ
リスタ・アノード電極12への電子の吸収効率を高めて
いる。
【0036】一方、ダイオード部3のカソード側にはn
エミッタ層19が一定の間隔を置いて配置され、更にn
エミッタ層19間にはp+ ダイオード・カソード短絡領
域13が配置されている。p+ ダイオード・カソード短
絡領域13はダイオード部3のカソード側近傍の正孔を
ダイオードの逆回復時において有効にダイオード・カソ
ード電極(総合アノード電極)12に吸収するための領
域となっている。nエミッタ層19と高抵抗半導体基板
31との間の拡散電位によって高抵抗半導体基板31側
に広がる空乏層によってp+ ダイオード・カソード短絡
領域13はシールドされている。逆回復時において、ダ
イオード・カソード側近傍の正孔をp+ダイオード・カ
ソード短絡領域13から吸収し、一方、ダイオード・ア
ノード側近傍のn- 層(8,31)内に分布する電子を
+ ダイオード・アノード短絡領域2から吸収すること
により、逆回復電荷量Qrrを低減化することができる
構成となっている。高抵抗半導体基板31の中央部に残
留する電荷に対してはライフタイム制御技術によるライ
フタイムキラーによって低減化を図ることもできる。
【0037】また図2の構造上p+ 領域13とp+ 領域
18は同時に製造可能である。
【0038】(実施例3)図3は本発明の第3の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図である。半導体基板31の第1の主表
面側の構成は図1,2と同様である。図3の特徴は半導
体基板31の第2の主表面側にある。即ち、サイリスタ
部1のアノード側においては静電誘導(SI)アノード
ショート構造を導入してターンオフ時のゲート引出し電
荷量を低減化しスイッチング性能を向上させている。p
エミッタ層18と高抵抗半導体基板31との間の拡散電
位によって高抵抗半導体層31中に広がる空乏層によっ
て、アノードn+ 層(SIアノード短絡領域)21はシ
ールドされている。サイリスタのターンオフスイッチン
グ時においてアノードn+ 層21から有効に電子がアノ
ード電極12に吸収されやすい構造となっている。
【0039】一方、ダイオード部3のカソード側おいて
はn+ ダイオード・カソード領域19が一定の間隔を置
いて配置されている。またnエミッタ層19間にはnエ
ミッタ間ショットキー接合25が形成され、分離帯部4
においても分離帯ショットキー接合26が形成されてい
る。
【0040】図3の構造上、n+ 領域19及び21は同
時製造が可能である。
【0041】(実施例4)図4は本発明の第4の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図である。図4の実施例ではサイリスタ
部1のアノード側にpエミッタ層を波形に配置し、ダイ
オード部3のカソード側にnエミッタ層19をnエミッ
タ間ショットキー接合25を挟んで配置した点に特徴を
有する。
【0042】(実施例5)図5は本発明の第5の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図を示す。図5の第5の実施例では、サ
イリスタ部1のアノード側は図1と同様に一様に拡散さ
れたpエミッタ層18を有するが、ダイオード部3のカ
ソード側においてはnエミッタ層19に挟まれた領域に
おいて拡張されたダイオード・カソード短絡領域130
を形成している。この拡張されたダイオード・カソード
短絡領域130の役割は図2に示したダイオード・カソ
ード短絡領域13に比べてダイオード部3のカソード側
近傍の正孔をより広い領域にわたって有効に短絡領域1
31に吸収する点にある。この短絡領域131も、n+
(19)n- (31)間の拡散電位によりn- (31)
層中に広がる空乏層によってシールドされている点は図
2の例と同様である。この拡張されたダイオード・カソ
ード短絡領域130へ吸収される正孔量が増大すること
から、ダイオードの逆回復時の電荷量を更に低減化でき
る構成である。
【0043】また図5の構成上p+ 領域130及び18
は同時製造が可能である。
【0044】(実施例6)図6は本発明の第6の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図を示す。図6の実施例6ではダイオー
ド部3のカソード側は図5の実施例5と同様の構成を有
するが、サイリスタ部1のアノード側においては、図3
の実施例3において説明した構成と同様のSIアノード
ショート構造が形成されている点に特徴を有する。
【0045】(実施例7)図7は本発明の第7の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図を示す。図7の実施例7においては、
高抵抗半導体基板31に対してサイリスタ部1のアノー
ド側、ダイオード部3のカソード側及び分離帯部4にお
いてエピタキシャル成長もしくは拡散によりnバッファ
層30を形成してサイリスタ部1、ダイオード部3とも
にPIN構造を実現して高耐圧化,n- 層31の薄層化
による高速化を実現した構成である。nバッファ層30
に対しては、サイリスタ部1のアノード側においてはア
ノードn+ 層21、pエミッタ層(サイリスタ・アノー
ド領域)18を形成しており、ダイオード部3のカソー
ド側においてはnエミッタ層(ダイオード・カソード領
域)19及びダイオード・カソード短絡領域13を形成
している。ダイオード・カソード短絡領域13の役割は
前述の実施例2(図2)、実施例5(図5)、実施例6
(図6)と同様にダイオード部3のカソード側近傍の正
孔を逆回復時に有効にダイオード・カソード電極12側
に吸収する点にある。
【0046】サイリスタ部1のアノード側におけるアノ
ードn+ 層21はバッファ層30に対する短絡領域とな
っている。この短絡率を上昇するとサイリスタがラッチ
アップしなくなるため、適当な短絡率例えば30%以下
が要求される。pエミッタ層(サイリスタ・アノード領
域)18の拡散深さはアノードn+ 層21に比べ浅く形
成されている例を図7は示している。pエミッタ層18
の深さを変化することによってnバッファ層30の正孔
に対する実効的なベース長が変化する。従って、nバッ
ファ層30の厚さ、pエミッタ層18の濃度及び拡散深
さを調整することによって、n- 層31中への正孔の注
入効率を調整することができる。nバッファ層30の濃
度も正孔の注入効率に影響を与えるためあまり高く設定
することはできない。例えば1015cm-3〜1017cm-3
度の範囲に設定される。
【0047】図7の構成上n+ 領域19,21は同時製
造が可能であり、p+ 領域13,18も同時製造が可能
である。
【0048】(実施例8)図8は本発明の第8の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図を示す。図8において高抵抗半導体基
板31の第1の主表面側は実施例1〜7と同様にサイリ
スタ部1、ダイオード部3いずれも埋込み構造を有する
が、ダイオード部3のカソード側においても埋込み構造
を有する例である。nバッファ層30と同時に形成され
たnエミッタ層(ダイオード・カソード領域)19が埋
込み層として形成され、しかも一定の短絡ピッチによ
り、ダイオード・カソード電極12に短絡化されてい
る。エピタキシャル層23の形成後、pエミッタ層(サ
イリスタ・アノード領域)18及びダイオード・カソー
ド短絡領域13を形成している。図8の実施例8ではダ
イオード部3は、アノード側に埋込み構造を有し、カソ
ード側にも埋込み構造を有するSIダイオードが形成さ
れており、サイリスタ部1にはnバッファ30を有する
埋込みゲート構造のSIサイリスタが形成されている。
埋込み構造を有するnエミッタ層(ダイオード・カソー
ド領域)19によって、ダイオード部3においては高耐
圧化が容易となる。またダイオード・カソード短絡領域
13を広い領域に形成できることから、ダイオード・カ
ソード電極12への正孔の吸収効率も良好となる。
【0049】(実施例9)図9は本発明の第9の実施例
としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの
模式的断面構造図を示す。図9の特徴はサイリスタ部1
に対して静電誘導(SI)バッファ構造を導入した点に
ある。静電誘導(SI)バッファ構造については特願平
4−114140号「静電誘導バッファ構造を有する半
導体素子」において既に開示されている。図9において
サイリスタ部1のアノード側に形成されるアノードn+
層21の短絡ピッチL2 は電子の拡散長Lnの2倍以内
とする。埋込み構造として形成されるnバッファ層30
の形成ピッチは埋込み構造のサイリスタ・ゲート領域1
6の形成ピッチと同程度でよい。同様に、ダイオード部
3においてnエミッタ層(ダイオード・カソード領域)
19の形成ピッチは埋込み構造のダイオード・アノード
領域15の形成ピッチと同程度でよい。ダイオード・カ
ソード領域19のダイオード・カソード電極12に対す
る短絡ピッチL1 は電子に対する拡散長Lnの2倍より
も充分に短く設定する。この短絡構造によってダイオー
ド・カソード領域19に対するコンタクトを形成してお
り、サイリスタ構造によるラッチアップを防止する必要
があるからである。
【0050】(実施例10〜13)図10乃至図13は
それぞれ本発明の第10乃至第13の実施例としての埋
込みゲート構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面
構造図を示す。いずれもnバッファ層30を有する構造
であり、実施例7(図7)の変形例となっている。
【0051】図10の実施例10では共通に形成された
nバッファ層30に対してサイリスタ部1では拡散によ
りpエミッタ層(サイリスタ・アノード領域)18を形
成しており、同時にダイオード部3においてダイオード
・カソード短絡領域13を形成している。nバッファ層
30がダイオード部3のダイオード・カソード領域19
と共通領域として形成されている。図11の実施例では
サイリスタ部1においてpエミッタ層(サイリスタ・ア
ノード領域)18が波形に形成された例である。図12
の実施例ではサイリスタ部1のアノード側においては、
pエミッタ層(サイリスタ・アノード領域)18が波形
に形成され、一方、ダイオード部3においてはnエミッ
タ層(ダイオード・カソード領域)19が一定の間隔を
置いて形成され、更にnエミッタ層19の間にnエミッ
タ間ショットキー接合が形成された例である。図13の
実施例13では、共通に形成されたnバッファ層30に
対して実施例12(図12)の構造に加えて、サイリス
タ部1においては、更にアノードn+ 層21が形成さ
れ、ダイオード部1においてはダイオード・カソード短
絡領域13が形成された構造を有する。サイリスタ部1
のアノード側においてはnバッファ層30内の電子を有
効にアノードn+ 層21を介してサイリスタ・アノード
電極12に吸収することができ、またダイオード部3の
カソード側においてはダイオード部3のカソード側近傍
の正孔を有効にダイオード・カソード電極に吸収するこ
とができる。
【0052】図10乃至図13に示した構造はいずれも
nバッファ層30の効果によりダイオード部3、サイリ
スタ部1において高抵抗半導体基板31の厚さを薄層化
可能であり、しかもサイリスタ部、ダイオード部ともに
埋込み層によるPIN構造としたことにより高耐圧を図
ることが容易な構造である。またダイオード部3、サイ
リスタ部1ともに高速のスイッチングが可能となる。
【0053】(実施例14)図14は本発明の第14の
実施例としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリ
スタの模式的断面構造図を示す。図14の構成ではサイ
リスタ部1においては、アノードn+ 層21とpエミッ
タ層18とにより従来型のアノードショート構造を形成
されており、一方、ダイオード部3においては一定の間
隔を置いてダイオード・カソード領域19が形成されて
いる。図14の構造上、n+ 層19及び21は同時に形
成可能である。
【0054】(実施例15)図15は本発明の第15の
実施例としての切込みゲート構造を有する逆導通サイリ
スタの模式的断面構造図を示す。図15においてサイリ
スタ部は切込みゲート構造の静電誘導サイリスタからな
り、ダイオード部は切込み構造の静電誘導(SI)ダイ
オードからなる。
【0055】図15において、1は高抵抗半導体基板3
1内に形成されたサイリスタ部、2はダイオード部、4
は分離帯部を示す。各部を説明する。高抵抗半導体基板
31(nベース層)の第1の主表面近傍にはサイリスタ
部1のpベース(ゲート)層16、nエミッタ(カソー
ド)層14、ダイオード部3のpエミッタ(アノード)
層15、ダイオード・アノード短絡領域2及び分離帯部
4のp+ 層27が形成されている。高抵抗半導体基板3
1の第2の主表面上にはサイリスタ部1のpエミッタ
(アノード)層18、ダイオード部3のnエミッタ(カ
ソード)層19が形成され、分離帯部4には分離帯ショ
ットキー接合26が形成されている。ダイオード部3の
nエミッタ層19間には図15の実施例15ではnエミ
ッタ間ショットキー接合25が形成されている。nエミ
ッタ間ショットキー接合25の役割は、ダイオード・カ
ソード側からの電子の注入量を抑制し、かつダイオード
・アノード領域(pエミッタ層15)側から注入された
正孔をダイオード・カソード電極12(総合アノード電
極)へ吸収する効果を高めることにある。分離帯ショッ
トキー接合26の役割は分離帯部4におけるラッチ・ア
ップを抑制し、かつダイオード部3への余分な電子の注
入を抑制する点にある。
【0056】図15に示す逆導通サイリスタの場合にお
いても、ダイオード・アノード電極10はサイリスタ・
カソード電極11と総合カソード電極7により共通電位
となされ、ダイオード・カソード電極はサイリスタ・ア
ノード電極12と総合アノード電極6により共通電位と
なされる。更に、ダイオード・アノード短絡領域2は図
15に示される如くダイオード・アノード領域15とダ
イオード・アノード電極10を介して短絡されている。
このダイオード・アノード短絡領域2の短絡効果によっ
て、ダイオード部3のアノード領域15近傍に分布する
電子をダイオード・アノード短絡領域2を介してダイオ
ード・アノード電極10へ吸収することができる。ダイ
オード・アノード領域15から高抵抗層(n- )31及
びn- エピタキシャル層8中に広がる空乏層によって取
り囲まれたn+ ダイオード・アノード短絡領域2近傍の
- 層(31及び8)中の電子は、ダイオードのスイッ
チングにおける逆回復時において電位障壁に囲まれてい
るため、ダイオード・カソード側に注入されることな
く、むしろ表面側のダイオード・アノード電極10に吸
収される。このため、逆回復電荷量は低減され、ダイオ
ードの逆回復性能が向上し、高速な特性が得られる。主
サイリスタをSIサイリスタの如く高速性能のサイリス
タを使用する場合、逆回復電荷量が小さく発熱量が抑制
され、かつ高速ターンオフの可能なダイオードが望まし
い。
【0057】図15に示した実施例ではダイオード部3
に切込み構造のSIダイオードが形成され、主サイリス
タ部1には切込みゲート構造のSIサイリスタが形成さ
れて同時製造が容易な構成を示している。更に重要な点
は、切込みゲート構造のサイリスタのゲート製造プロセ
ス上可能なパターン寸法と同程度に微細化したパターン
寸法をダイオード部3にも適用可能となるため、サイリ
スタ部の入力側ゲート・カソード間のRC時定数で決ま
るスイッチング性能と同程度のスイッチング性能をSI
ダイオードに期待することができる。SIダイオードの
動作上、前述の如くn+ ダイオード・アノード短絡領域
2からの電子の吸収は逆回復特性に大きな影響を与える
が、SIサイリスタと同程度のパターン寸法でアノード
領域を製造されたSIダイオードにおいてはSIサイリ
スタにおけるSI効果と同じSI効果を期待することが
できる。これはダイオード・アノード領域15から高抵
抗層31中に広がる空乏層の広がる速度に関係するが、
ダイオードの逆回復時においてp+ 層15からn- 層3
1へ広がる空乏層によりn+ ダイオード・アノード短絡
層2が即座にシールドされることが望ましく、切込み構
造はこの点でも優れている。そのためには、切込みゲー
ト構造のSIサイリスタのゲート・カソード間近傍と同
様にダイオード部のアノード領域近傍も製造されるべき
ことを意味している。
【0058】図15の実施例においてはサイリスタ部1
のアノード側はpエミッタ層18が配置されている。サ
イリスタのターンオフ時のテイル電流の抑制はスイッチ
ング特性を向上させるために重要なパラメータである。
逆導通SIサイリスタにおいても同様にテイル成分を抑
制する必要があり、電子線照射等によるライフタイム制
御が図15の実施例15においても必要である。
【0059】またダイオード部3のカソード側にはダイ
オード・カソード領域としてのnエミッタ層19がスト
ライプ状もしくは、島状に配置されている。前述の如く
ダイオード・カソード側からの電子の注入量の抑制と、
正孔の吸収効率を高めるための構成となっている。
【0060】また分離帯部4では、第1の主表面上には
+ 層27が複数、主サイリスタ部1の外周を取り囲む
ようにリング状に配置されている。複数個のp+ 層27
は、一定の間隔を置いて形成されている。更に電位的な
安定を保つために、金属電極28がp+ 層27上に形成
されている。
【0061】図15の実施例15の構造は切込みゲート
プロセスにより製造可能のため、各部のp+ 領域(1
5,27,16)は前述の如く同時製造が可能である。
SiO2 等の絶縁膜5に対するパターニングによる窓開
け、拡散工程によって形成することができる。或いはB
のイオン注入プロセス等を適用することができる。また
nエピタキシャル層8も同時に形成することができる。
同様に各部のn+ 領域(2,14)もnエピタキシャル
層8に対して同時製造が可能であり、拡散工程、或いは
P,As等のイオン注入プロセスにより形成可能であ
る。尚、分離帯部4については、図1の実施例1ではp
+ 層27を複数配置する例を示したが、図示の如く3個
に限ることなく、例えば特願平6− 号「逆導
通静電誘導サイリスタ」において開示されたSISA構
造と称する構成を適用することができる。更にまた主サ
イリスタ部1とダイオード部3とのプロセス上の互換性
のある分離帯構造であれば、他の簡易な構成を採用して
もよい。
【0062】図15に示した実施例15の構造は切込み
ゲート構造を有するSIサイリスタのゲート領域16,
nエピタキシャル層8及びn+ サイリスタ・カソード領
域14等の形成工程と同時にSIダイオード部のp+
イオード・アノード領域15,nエピタキシャル層8及
びn+ ダイオード・アノード短絡領域2を形成すること
ができる点に大きな特徴がある。切込み構造のパターン
寸法或いは、チャネル幅等はサイリスタ部1,ダイオー
ド部3において同一寸法にて形成してもよい。更に分離
帯部4のp+ 層27のパターン寸法或いは間隔等もサイ
リスタ部1或いはダイオード部3の切込み構造と同一寸
法にて形成してもよい。
【0063】しかし、SIサイリスタ部1がノーマリオ
ン特性を有する場合には、サイリスタ部1のp+ 切込み
ゲート領域16のパターンピッチに比べてSIダイオー
ド部3は常にノーマリオフ特性が要求されることから、
切込み構造のp+ ダイオード・アノード領域15のパタ
ーン寸法は狭く設定する必要がある。p+ ダイオード・
アノード領域15からn- エピタキシャル層8及び高抵
抗半導体基板31中広がる空乏層によってp+ 層15間
のチャネル部がつながり、n+ ダイオード・アノード短
絡領域2中の電子に対する充分な電位障壁が形成されて
いればよい。
【0064】図15の実施例では切込みゲート構造を有
するSIサイリスタに対して逆並列構成の切込み構造の
SIダイオードを同時形成した構成を開示しており、主
サイリスタ部のSIサイリスタの高速性に適合しかつプ
ロセス上も互換性のある切込み構造の高耐圧・高速SI
ダイオードが同時形成された点に大きな特徴を有する。
【0065】尚、図2乃至図14に示した実施例2乃至
実施例14におけるダイオード・カソード側及びサイリ
スタ・アノード側の構成と同様の構成を切込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタに対して採用することがで
きることはもちろんである。例えば、ダイオード・カソ
ード側に対してダイオード・カソード短絡構造、拡張さ
れたダイオード・カソード短絡構造、nバッファを有す
る構造、SI型埋込み構造等を採用してもよい。また、
サイリスタ・アノード側に対して、波形pエミッタ構
造、SIアノードショート構造、nバッファを有する構
造、SIバッファ構造、ドリフトバッファ構造、従来型
アノードショート構造等を採用してもよい。
【0066】(実施例16)図16は本発明の第16の
実施例としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリ
スタの模式的断面構造図を示す。図16の構造的特徴は
分離帯部4の構成にある。即ち、図1乃至図14に示し
た実施例1乃至実施例14においては分離帯部4のp+
27はいずれもn+ 層(14,2)及びn- 層8に対し
てエッチングを施して露出された高抵抗半導体基板31
内に形成されている。これに対して図16に示した実施
例16では分離帯部4のp+ 層27は埋込み構造として
形成されている。ダイオード・アノード領域15とサイ
リスタ・ゲート領域16との間に所定の高抵抗が確保さ
れるならば、分離帯部4においても埋込み構造を採用し
てもよいからである。従って、実施例16は、分離帯部
4においても埋込み構造の分離帯構造を有する点に特徴
を有する、埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ
としての構成を有する。ダイオード・カソード側及びサ
イリスタ・アノード側の構成は図16の例では図1と一
致している。
【0067】(実施例17)図17は本発明の第17の
実施例としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリ
スタの模式的断面構造図を示す。図17の構造的特徴
は、ダイオード・アノード側にある。即ち、埋込み構造
を有するSIダイオードにおいて、埋込み層として形成
されるダイオード・アノード領域15を比較的大きな領
域として形成するとともに、各ダイオード・アノード領
域15に対してp+ 拡散領域15´を形成して、ダイオ
ード・アノード電極10に対するコンタクトを扱ってい
る点に特徴がある。p+ ダイオード・アノード領域15
を比較的大きな領域として形成することによって、高抵
抗半導体基板31のより深い領域にまで正孔を注入し、
或いは逆回復時に吸収できるとともに、各p+ 領域15
に対してp+ 拡散領域15´によってコンタクトが取ら
れることから逆回復時においてチャネル部に広がる空乏
層が高速に応答して、ダイオード・アノード側近傍のn
- 層(8,31)に分布する電子をより多くダイオード
・アノード短絡領域2に吸収することができる。
【0068】ダイオード・カソード側及びサイリスタ・
アノード側の構成は先の実施例10(図10)の構成と
同様であるが、前述の実施例1乃至9或いは実施例11
乃至14と同様の構成を採用することもできることはも
ちろんである。
【0069】(実施例18)図18は本発明の第18の
実施例としての埋込みゲート構造を有する逆導通サイリ
スタの模式的断面構造図を示す。図18の構造的特徴
は、主サイリスタ部1としてp- エピタキシャル層80
中に形成された埋込みゲート構造(16)を有するGT
Oを有し、ダイオード部3に対しては同じp- エピタキ
シャル層80中に形成された埋込み構造のダイオード・
アノード領域15を有するSIダイオードを有する点に
ある。図18の例では分離帯部4においてもp- エピタ
キシャル層80中に形成されているが、他の簡易な分離
帯構造を採用してもよい。
【0070】図18の例はノーマリオフ特性を指向する
場合に特に好都合である。サイリスタ部をノーマリオフ
特性の埋込みゲートGTO、ダイオード部を同じノーマ
リオフ特性の確保が容易な埋込み構造のSIダイオード
として形成することによって、製造上の互換性が得られ
る。p- エピタキシャル層80の厚さは図18の例に限
らず、より薄く形成してもよい。例えば、p+ 層(1
5,27,16)に接してもよい。この場合には、図1
乃至図14に示した実施例1乃至実施例14においてn
- エピタキシャル層8の代わりにp- エピタキシャル層
80を形成た例に担当する構成と考えることもできる。
即ち、ノーマリオフ特性の埋込みゲートSIサイリスタ
に対してノーマリオフ特性の確保が容易な埋込み構造の
SIダイオードの逆並列構造が得られることなる。
【0071】図18においてサイリスタ・アノード側及
びダイオード・カソード側の構成は図7(実施例7)と
同様の構成を有するものであるが、他の構造、即ち、図
1乃至図6或いは図8乃至図14の構造を採用してもよ
いことはもちろんである。
【0072】尚、上記に述べた実施例は一例であり、各
種変形、拡張が可能である。例えば主サイリスタ部に埋
込みゲート構造或いは切込みゲート構造を有するMOS
制御サイリスタ或いはMOS制御SIサイリスタを使用
してもよい。埋込みゲート構造或いは切込みゲート構造
を有するMOS制御サイリスタについては例えば特願平
4−129678号(特公平6−85433号公報)
「縦型構造のMOS制御サイリスタ」に開示されている
通りである。
【0073】またダイオード部の構造についても特願平
4−210751号「埋込み構造もしくは切込み構造を
有する静電誘導ダイオード」に開示された他の構成を採
用することも可能である。
【0074】MOS制御サイリスタを使用すると、ゲー
ト駆動の容易さとともに内蔵のpチャネルMOSFET
によっても主サイリスタのターンオフが行なわれること
から、逆並列接続されたSIダイオードの働きを助ける
という利点がある。
【0075】
【発明の効果】本発明の埋込みゲート構造もしくは切込
みゲート構造を有する逆導通サイリスタによれば、埋込
み構造或いは切込みゲート構造を有するため高耐圧化が
容易であり、マルチチャネル化することによって大電流
化も容易である。サイリスタ部に埋込みゲート構造或い
は切込みゲート構造のSIサイリスタ、ダイオード部に
埋込み構造或いは切込み構造のSIダイオードを有する
ため高電圧、大電流の高速のスイッチング性能、及び逆
回復特性を有する。アノード側に共通に形成されたバッ
ファ構造を導入することによりサイリスタ部、ダイオー
ド部の更なる高耐圧、高速化をともに達成することがで
きる。
【0076】更に本発明の埋込みゲート構造もしくは切
込みゲート構造を有する逆導通サイリスタによればサイ
リスタ部及びダイオード部をともに埋込み構造の製造プ
ロセス或いは切込み構造の製造プロセスを用いて同時に
製造可能であり、製造プロセス上の整合性が良好であ
る。また本発明によれば、サイリスタ部の高速性に適合
したダイオードを同時に製造可能である点も大きな利点
である。即ち、埋込みゲート構造のSIサイリスタに対
しては埋込み構造のSIダイオードが耐圧、電流容量ス
イッチング性能の点で適合しており、更に埋込み構造に
比べてより高速性能を有する切込みゲート構造のSIサ
イリスタに対しては、切込み構造のSIダイオードがス
イッチング性能の点で適合している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図2】本発明の第2の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図3】本発明の第3の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図4】本発明の第4の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図5】本発明の第5の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図6】本発明の第6の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図7】本発明の第7の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図8】本発明の第8の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図9】本発明の第9の実施例としての埋込みゲート構
造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図10】本発明の第10の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図11】本発明の第11の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図12】本発明の第12の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図13】本発明の第13の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図14】本発明の第14の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図15】本発明の第15の実施例としての切込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図16】本発明の第16の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図17】本発明の第17の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【図18】本発明の第18の実施例としての埋込みゲー
ト構造を有する逆導通サイリスタの模式的断面構造図
【符号の説明】
1 サイリスタ部 2 ダイオード・アノード短絡領域 3 ダイオード部 4 分離帯部 5 絶縁膜 6 総合アノード電極 7 総合カソード電極 8 nエピタキシャル層 9 ゲート電極 10 ダイオード・アノード電極 11 サイリスタ・カソード電極 12 サイリスタ・アノード電極(ダイオード・カソー
ド電極) 13 ダイオード・カソード短絡領域 14 nエミッタ層(サイリスタ・カソード領域) 15 pエミッタ層(ダイオード・アノード領域) 15´ p+ 拡散領域 16 pベース層(サイリスタ・ゲート領域) 18 pエミッタ層(サイリスタ・アノード領域) 19 nエミッタ層(ダイオード・カソード領域) 21 アノードn+ 領域 23 nエピタキシャル層 25 nエミッタ間ショットキー接合 26 分離帯ショットキー接合 27 p+ 層 28 金属電極 30 nバッファ層 31 nベース層 35 空乏層 80 p- エピタキシャル層 130 拡張されたダイオード・カソード短絡領域 131 拡張されたダイオード・アノード短絡領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 根三 神奈川県大和市上草柳字扇野338番地1 東洋電機製造株式会社技術研究所内 (72)発明者 玉蟲 尚茂 東京都新宿区下落合2丁目18番7号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイリスタ部とダイオード部を具える逆
    導通サイリスタであって、 サイリスタ部は、 半導体基板の第1の主表面近傍に埋込み構造に形成され
    た埋込みゲート領域と、 前記第1の主表面上において、前記埋込みゲート領域上
    に形成されたエピタキシャル層を介して形成されたカソ
    ード領域と、 前記半導体基板の第2の主表面に形成されたサイリスタ
    ・アノード領域とから形成され、 ダイオード部は、 前記半導体基板の第1の主表面近傍に埋込み構造に形成
    されたダイオード・アノード領域と、 前記第1の主表面上において、前記ダイオード・アノー
    ド領域上に形成された前記エピタキシャル層と同一のエ
    ピタキシャル層を介して形成されたダイオード・アノー
    ド短絡領域と、 前記半導体基板の第2の主表面に形成されたダイオード
    ・カソード領域とから形成され、 前記第1の主表面近傍に形成された前記ダイオード・ア
    ノード領域と前記埋込みゲート領域は互いに第1の主表
    面に形成された分離帯領域を介して絶縁分離され、 前記第2の主表面に形成された前記ダイオード・カソー
    ド領域と前記サイリスタ・アノード領域は互いに第2の
    主表面上に形成された総合アノード電極に接触して共通
    電位となされ、 前記サイリスタ・アノード領域と前記ダイオード・アノ
    ード領域と前記ダイオード・アノード短絡領域は総合カ
    ソード電極に接触して共通電位となされ、 前記ダイオード・アノード短絡領域は前記ダイオード・
    アノード領域に囲まれるとともに前記ダイオード・アノ
    ード領域と前記半導体基板との間のpn接合の拡散電位
    によって前記半導体基板中に広がる空乏層によっても取
    り囲まれてシールドされ、前記ダイオード・カソード領
    域とともに埋込み構造の静電誘導ダイオードを形成し、
    かつ前記ダイオード・アノード領域と前記サイリスタ・
    ゲート領域はいずれも前記第1の主表面近傍に埋込み構
    造に形成されたことを特徴とする埋込みゲート構造を有
    する逆導通サイリスタ。
  2. 【請求項2】 前記サイリスタ・カソード領域は、前記
    埋込みゲート領域を含むサイリスタ・ベース領域の前記
    第1の主表面上に形成され、前記サイリスタ・アノード
    領域とともに埋込みゲート構造のゲート・ターン・オフ
    サイリスタを形成することを特徴とする請求項1記載の
    埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ。
  3. 【請求項3】 前記サイリスタ・カソード領域は前記埋
    込みゲート構造を有するサイリスタ・ゲート領域によっ
    て取り囲まれるとともに、前記埋込みゲート構造を有す
    るサイリスタ・ゲート領域と前記半導体基板との間のp
    n接合の拡散電位によって前記半導体基板中に広がる空
    乏層によっても取り囲まれてシールドされ、前記サイリ
    スタ・アノード領域とともに埋込みゲート構造の静電誘
    導サイリスタを形成することを特徴とする請求項1記載
    の埋込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ。
  4. 【請求項4】 サイリスタ部とダイオード部を具える逆
    導通サイリスタであって、 サイリスタ部は、 半導体基板の第1の主表面近傍に切込み構造に形成され
    た切込みゲート領域と、 前記第1の主表面上において、前記切込みゲート領域上
    に形成されたエピタキシャル層を介して形成されたカソ
    ード領域と、 前記半導体基板の第2の主表面上に形成されたサイリス
    タ・アノード領域とから形成され、 ダイオード部は、 前記半導体基板の第1の主表面近傍に切込み構造に形成
    されたダイオード・アノード領域と、 前記第1の主表面上において、前記ダイオード・アノー
    ド領域上に形成された前記エピタキシャル層と同時形成
    されたエピタキシャル層を介して形成されたダイオード
    ・アノード短絡領域と、 前記半導体基板の第2の主表面に形成されたダイオード
    ・カソード領域とから形成され、 前記第1の主表面近傍に形成された前記ダイオード・ア
    ノード領域と前記埋込みゲート領域は互いに第1の主表
    面に形成された分離帯領域を介して絶縁分離され、 前記第2の主表面に形成された前記ダイオード・カソー
    ド領域と前記サイリスタ・アノード領域は互いに第2の
    主表面上に形成された総合アノード電極に接触して共通
    電位となされ、 前記サイリスタ・カソード領域と前記ダイオード・アノ
    ード領域と前記ダイオード・アノード短絡領域は総合カ
    ソード電極に接触して共通電位となされ、 前記ダイオード・アノード短絡領域は前記切込み構造に
    形成されたダイオード・アノード領域に囲まれるととも
    に、前記ダイオード・アノード領域と前記半導体基板と
    の間のpn接合の拡散電位によって前記半導体基板中に
    広がる空乏層によっても取り囲まれてシールドされ、前
    記ダイオード・カソード領域とともに切込み構造の静電
    誘導ダイオードを形成し、かつ前記ダイオード・アノー
    ド領域と前記サイリスタ・ゲート領域はいずれも前記第
    1の主表面近傍に切込み構造に形成されたことを特徴と
    する切込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ。
  5. 【請求項5】 前記サイリスタ・カソード領域は、前記
    切込みゲート領域を含むサイリスタ・ベース領域の前記
    第1の主表面上に形成され、前記サイリスタ・アノード
    領域とともに切込みゲート構造のゲート・ターン・オフ
    サイリスタを形成することを特徴とする請求項4記載の
    切込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ。
  6. 【請求項6】 前記サイリスタ・カソード領域は、前記
    切込みゲート領域を有するサイリスタ・ゲート領域によ
    って取り囲まれるとともに、前記切込みゲート構造を有
    するサイリスタ・ゲート領域と前記半導体基板との間の
    pn接合の拡散電位によって前記半導体基板中に広がる
    空乏層によっても取り囲まれてシールドされ、前記サイ
    リスタ・アノード領域とともに切込みゲート構造の静電
    誘導サイリスタを形成することを特徴とする請求項4記
    載の切込みゲート構造を有する逆導通サイリスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57147276A (en) * 1981-03-06 1982-09-11 Hitachi Ltd Reverse conductive type semiconductor switching device
JPH0360160A (ja) * 1989-07-28 1991-03-15 Toyo Electric Mfg Co Ltd 自己消弧形サイリスタ

Patent Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57147276A (en) * 1981-03-06 1982-09-11 Hitachi Ltd Reverse conductive type semiconductor switching device
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