JPH08212909A - 電子源及び画像形成装置、並びにこれらの活性化処理方法 - Google Patents

電子源及び画像形成装置、並びにこれらの活性化処理方法

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JPH08212909A JP28917295A JP28917295A JPH08212909A JP H08212909 A JPH08212909 A JP H08212909A JP 28917295 A JP28917295 A JP 28917295A JP 28917295 A JP28917295 A JP 28917295A JP H08212909 A JPH08212909 A JP H08212909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の電子ビーム源として用いられ
る電子源の特性劣化を抑制、あるいは該劣化の回復を可
能とする構成を得る。 【解決手段】 素子電極2,3と、電子放出部5を有す
る導電性膜4とで構成される電子放出素子を有する電子
源において、該電子放出素子に活性化物質を供給するた
めの活性化物質源8,加熱用抵抗膜7等からなる活性化
物質供給手段を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源及び画像形
成装置に関し、とりわけ、電子源及び画像形成装置の特
性(機能)の劣化を抑制し、また、該劣化の回復を可能
とする活性化手段を具備する電子源及び画像形成装置
と、その活性化処理方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】従来より電子放出素子としては大別して
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類の
ものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出
型(以下、「FE型」と称す。)、金属/絶縁層/金属
型(以下、「MIM型」と称す。)や表面伝導型電子放
出素子等が有る。
【0003】FE型の例としては、W.P. Dyke
and W.W. Dolan,“Field Em
ission”, Advance in Elect
ron Physics, 8,89(1956)ある
いはC.A. Spindt, “PHYSICAL
Properties of thin−filmfi
eld emission cathodes wit
h molybdenum cones”, J. A
ppl. Phys. ,47,5248(1976)
等に開示されたものが知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A. Mea
d, “Operation ofTunnel−Em
ission Devices”, J. Appl.
Phys., 32,646(1961)等に開示され
たものがある。
【0005】表面伝導型電子放出素子の例としては、
M.I. Elinson, Radio Eng.
Electron Phys., 10,1290(1
965)等に開示されたものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”, 9,317(1972)]、In23
SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell an
d C.G. Fonstad:“IEEETran
s. ED Conf.”, 519(1975)]、
カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26
巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されてい
る。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図33
に模式的に示す。同図において1は基板である。4は導
電性薄膜で、H型形状のパターンに、スパッタで形成さ
れた金属酸化物薄膜等からなり、後述のフォーミングと
呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。
尚、図中の素子電極間隔Lは0.5〜1mm、W’は
0.1mmに設定されている。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に予め通電フォーミングと
呼ばれる通電処理によって電子放出部5を形成するのが
一般的であった。即ち、通電フォーミングとは前記導電
性薄膜4の両端に直流電圧あるいは非常にゆっくりとし
た昇電圧例えば1V/分程度を印加通電し、導電性膜を
局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵
抗な状態にした電子放出部5を形成することである。
尚、電子放出部5は導電性薄膜4の一部に亀裂が発生
し、その亀裂付近から電子放出が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電子放出素子について
は、電子放出素子を適用した画像形成装置が明るい表示
画像を安定して提供できるよう更に安定な電子放出特性
及び電子放出の効率向上が要望されている。ここで言う
効率とは、例えば図33に示したような表面伝導型電子
放出素子であれば、導電性薄膜4の両端に電圧を印加し
た際に、導電性薄膜4に流れる電流(以下、「素子電
流」又はIfという。)と真空中に放出される電流(以
下、「放出電流」又はIeという。)との比を指すもの
であり、素子電流が小さく、放出電流が大きい電子放出
素子が望まれている。安定的に制御し得る電子放出特性
が得られ、また効率の向上がなされれば、例えば蛍光体
を画像形成部材とする画像形成装置においては、低電流
で明るい高品位な画像形成装置、例えばフラットテレビ
が実現できる。また、低電流化に伴い、画像形成装置を
構成する駆動回路等のローコスト化も図れる。
【0010】しかしながら、前述のM.ハートウェルの
電子放出素子にあっては、安定な電子放出特性及び電子
放出効率について必ずしも満足のゆくものが得られてお
らず、これを用いて高輝度で動作安定性に優れた画像形
成装置を提供するのは極めて難しいというのが実状であ
る。
【0011】本発明者らは、上記表面伝導型電子放出素
子の性能の改善につき検討した結果、上記フォーミング
処理を行った後、炭素化合物や金属化合物を含む雰囲気
中で表面伝導型電子放出素子に電圧を印加することによ
りIfおよびIeがドラスティックに増大することを見
いだした。この処理を「活性化工程」と呼ぶ。
【0012】活性化工程を施した表面伝導型電子放出素
子の電子放出部近傍には、炭素、金属ないしそれらの化
合物が堆積しており、これがIf,Ieの増大をもたら
したものと思われる。
【0013】電子放出を長時間行うことにより、上記電
子放出部近傍の堆積物が分解などにより消耗すること等
により、電子放出特性の劣化が起こる場合があるが、活
性化工程の条件を適当に選ぶことなどにより、特性の劣
化を抑制することが可能である。これは上記堆積物の結
晶性などが消耗の早さに影響しており、活性化の条件を
変えることにより結晶性などが変化することなどが理由
と思われる。また、Wなどの高融点の金属を堆積させる
ことも効果がある。
【0014】しかしながら、画像形成装置など様々な形
態での応用をめざすには、電子放出特性の劣化抑制を一
層すすめ、さらなる装置の長寿命化を可能とすることが
望まれる。
【0015】また、上記の「活性化工程」を行うために
は、製造用の真空装置に、炭素化合物、金属化合物など
の導入装置を付属させる必要があり、装置が大型にな
る。また、ガラスなどの真空容器(外囲器)を有する画
像形成装置に対して、この工程を行うためには、内部を
真空に引くための排気管などの細い管を通して、真空容
器内に上記物質を導入しなければならないが、操作が煩
雑なばかりでなく、上記物質の分子量が大きい場合には
十分な量の上記物質を導入するまでにかなりの時間を要
する場合もある。これらは製造コストの上昇の要因にな
る。
【0016】本発明は、上記事情に鑑み、電子源及び画
像形成装置の機能劣化、とりわけ、該電子源及び画像形
成装置が具備する電子放出素子の電子放出特性の劣化を
防止したり、劣化した特性を回復させる為の手法を提供
することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は以下の通りである。
【0018】即ち、本発明の第一は、電子放出素子を有
する電子源において、前記電子源が、前記電子放出素子
に活性化物質を供給するための活性化物質供給手段を備
えることを特徴とする電子源にある。
【0019】上記本発明第一の電子源は、さらにその特
徴として、「前記活性化物質は、前記電子放出素子に付
与されることにより該電子放出素子の放出電子量を増加
する物質である」こと、「前記活性化物質供給手段は、
前記電子放出素子が配置された基板上に配置されてい
る」こと、「前記活性化物質供給手段は、活性化物質源
と、該活性化物質源から活性化物質を気化させる手段と
を有する」こと、「前記活性化物質を気化させる手段
は、前記活性化物質源に電子を衝突させる手段を有す
る」こと、「前記活性化物質を気化させる手段は、前記
活性化物質源を加熱する手段を有する」こと、「前記活
性化物質源を加熱する手段は、前記活性化物質源に近接
配置された抵抗体と、該抵抗体に通電する手段とを有す
る」こと、「前記電子放出素子を複数有する」こと、
「前記電子放出素子が、電極間に、電子放出部を有する
導電性膜を備える電子放出素子である」こと、「前記電
子放出素子が、表面伝導型電子放出素子である」こと。
をも含むものである。
【0020】また、本発明の第二は、電子放出素子を有
する電子源と、該電子源からの電子線の照射により画像
を形成する画像形成部材とを有する画像形成装置におい
て、前記画像形成装置が、前記電子放出素子に活性化物
質を供給するための活性化物質供給手段を備えることを
特徴とする画像形成装置にある。
【0021】上記本発明第二の画像形成装置は、さらに
その特徴として、「前記活性化物質は、前記電子放出素
子に付与されることにより該電子放出素子の放出電子量
を増加する物質である」こと、「前記活性化物質供給手
段は、前記電子放出素子が配置された基板上に配置され
ている」こと、「前記活性化物質供給手段は、前記電子
源及び前記画像形成部材が内包された外囲器に付設され
ている」こと、「前記活性化物質供給手段は、活性化物
質源と、該活性化物質源から活性化物質を気化させる手
段とを有する」こと、「前記活性化物質を気化させる手
段は、前記活性化物質源に電子を衝突させる手段を有す
る」こと、「前記活性化物質を気化させる手段は、前記
活性化物質源を加熱する手段を有する」こと、「前記活
性化物質源を加熱する手段は、前記活性化物質源に近接
配置された抵抗体と、該抵抗体に通電する手段とを有す
る」こと、「更に、ゲッタを備える」こと、「前記電子
放出素子を複数有する」こと、「前記電子放出素子が、
電極間に、電子放出部を有する導電性膜を備える電子放
出素子である」こと、「前記電子放出素子が、表面伝導
型電子放出素子である」こと、「前記画像形成部材が、
蛍光体である」こと、をも含むものである。
【0022】また、本発明の第三は、電子放出素子と活
性化物質源とを有する電子源の活性化処理方法であっ
て、前記活性化物質源から活性化物質を気化させ、該活
性化物質を前記電子放出素子に付与する工程を有するこ
とを特徴とする電子源の活性化処理方法にある。
【0023】上記本発明第三の活性化処理方法は、さら
にその特徴として、「前記活性化物質は、前記電子放出
素子に付与されることにより該電子放出素子の放出電子
量を増加する物質である」こと、「前記活性化物質の気
化は、前記活性化物質源に電子を衝突させる工程を有す
る」こと、「前記活性化物質の気化は、前記活性化物質
源を加熱する工程を有する」こと、「前記活性化物質源
を加熱する工程は、前記活性化物質源に近接配置された
抵抗体に通電する工程を有する」こと、「前記活性化物
質源を加熱する工程は、前記活性化物質源に光を照射す
る工程を有する」こと、「前記電子源が、前記電子放出
素子を複数有する電子源である」こと、「前記電子放出
素子が、電極間に、電子放出部を有する導電性膜を備え
る電子放出素子である」こと、「前記電子放出素子が、
表面伝導型電子放出素子である」こと、「前記活性化物
質を前記電子放出素子に付与する工程は、前記電子源を
駆動しながら行われる」こと、「前記活性化物質を前記
電子放出素子に付与する工程は、前記電子放出素子の特
性劣化に際して行われる」こと、をも含むものである。
【0024】更に、本発明の第四は、電子放出素子を有
する電子源と、該電子源からの電子線の照射により画像
を形成する画像形成部材と、活性化物質源とを備える画
像形成装置の活性化処理方法であって、前記活性化物質
源から活性化物質を気化させ、該活性化物質を前記電子
放出素子に付与する工程を有することを特徴とする画像
形成装置の活性化処理方法にある。
【0025】上記本発明第四の活性化処理方法は、さら
にその特徴として、「前記活性化物質は、前記電子放出
素子に付与されることにより該電子放出素子の放出電子
量を増加する物質である」こと、「前記活性化物質の気
化は、前記活性化物質源に電子を衝突させる工程を有す
る」こと、「前記活性化物質の気化は、前記活性化物質
源を加熱する工程を有する」こと、「前記活性化物質源
を加熱する工程は、前記活性化物質源に近接配置された
抵抗体に通電する工程を有する」こと、「前記活性化物
質源を加熱する工程は、前記活性化物質源に光を照射す
る工程を有する」こと、「前記活性化物質を前記電子放
出素子に付与する工程の後に、更に、ゲッタを活性化す
る工程を有する」こと、「前記電子源が、前記電子放出
素子を複数有する電子源である」こと、「前記電子放出
素子が、電極間に、電子放出部を有する導電性膜を備え
る電子放出素子である」こと、「前記電子放出素子が、
表面伝導型電子放出素子である」こと、「前記活性化物
質を前記電子放出素子に付与する工程は、前記電子源を
駆動しながら行われる」こと、「前記活性化物質を前記
電子放出素子に付与する工程は、前記電子放出素子の特
性劣化に際して行われる」こと、をも含むものである。
【0026】本発明の活性化処理方法は、前述した電子
源及び画像形成装置の製造プロセス中における「活性化
工程」に適用して、工程の簡略化を達成するのに有効で
あるほか、電子源、画像形成装置の具備する電子放出素
子の電子放出特性の経時的な劣化を防止したり、一旦劣
化した特性を回復させる手法として有効に用い得るもの
である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい態様につ
いて説明する。
【0028】図1は、本発明の電子源の構成の一例を示
す模式図である。図1(a)は平面図、(b)はA−
A’に沿った断面図、(c)はB−B’に沿った断面図
である。
【0029】図1中、1は基板、2,3は電極(素子電
極)、4は導電性膜、5は電子放出部である。7は加熱
用抵抗膜、8は活性化物質源であり、加熱用抵抗膜7は
一方の素子電極2と活性化物質供給用電極6を連絡して
形成されている。ここで、図1に示された態様例におい
ては、素子電極2,3、電子放出部5を有する導電性膜
4にて電子放出素子(とりわけ表面伝導型電子放出素
子)が構成されており、また、加熱用抵抗膜7、活性化
物質源8、素子電極2及び活性化物質供給用電極6にて
活性化物質供給手段が構成されている。
【0030】基板1としては、例えば石英ガラス、Na
等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青
板ガラスにスパッタ法等によりSiO2 を積層した積層
体、アルミナ等のセラミックス等が挙げられる。
【0031】対向する素子電極2,3及び活性化物質供
給用電極6の材料としては、一般的導体材料が用いら
れ、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,
Al,Cu,Pd等の金属あるいは合金及びPd,A
g,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属あるいは金属
酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In23
−SnO2 等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体
導体材料等から適宜選択される。
【0032】素子電極間隔L、素子電極2,3及び活性
化物質供給用電極6の長さW1 〜W3 、及び導電性膜4
の形状等は、応用される形態等を考慮して設計される。
【0033】素子電極間隔Lは、好ましくは数百nm〜
数百μmであり、より好ましくは数μm〜数十μmの範
囲である。
【0034】素子電極長さW1 ,W2 は、電極の抵抗値
や電子放出特性を考慮して、数μm〜数百μmの範囲と
することができる。素子電極2,3の膜厚dは、数十n
m〜数μmの範囲とすることができる。
【0035】尚、図1に示した構成だけでなく、基板1
上に、導電性膜4、対向する素子電極2,3の順に積層
した構成とすることもできる。
【0036】導電性膜4には、良好な電子放出特性を得
るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが好
ましい。その膜厚は、素子電極2,3へのステップカバ
レージ、素子電極2,3間の抵抗値及び後述するフォー
ミング条件等によって適宜設定される。この導電性膜4
の膜厚は、通常は0.1nmの数倍から数百nmの範囲
とするのが好ましく、より好ましくは1nm〜50nm
の範囲とするのが良い。その抵抗値は、Rs が102
107 Ω/□の値である。なおRs は、厚さがt、幅が
wで長さがlの薄膜の抵抗Rを、R=Rs (l/w)と
おいたときに現れる値である。
【0037】導電性膜4を構成する材料としては、例え
ばPd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,
Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、P
dO,SnO2 ,In23 ,PbO,Sb23 等の
酸化物、HfB2 ,ZrB2,LaB6 ,CeB6 ,Y
4 ,GdB4 等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,
TaC,SiC,WCなどの炭化物、TiN,ZrN,
HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン等
が挙げられる。
【0038】尚、上記微粒子膜とは、複数の微粒子が集
合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に
分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あ
るいは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、
全体として島状構造を形成している場合も含む)の膜を
さす。微粒子膜である場合、微粒子の粒径は、0.1n
mの数倍から数百nmの範囲、好ましくは1nm〜20
nmの範囲である。
【0039】なお、本明細書では頻繁に「微粒子」とい
う言葉を用いるので、その意味について説明する。
【0040】小さな粒子を「微粒子」と呼び、これより
も小さなものを「超微粒子」と呼ぶ。「超微粒子」より
もさらに小さく、原子の数が数百個程度以下のものを
「クラスター」と呼ぶことは広く行われている。
【0041】しかしながら、それぞれの境は厳密なもの
ではなく、どの様な性質に注目して分類するかにより変
化する。また「微粒子」と「超微粒子」を一括して「微
粒子」と呼ぶ場合もあり、本明細書中での記述はこれに
沿ったものである。
【0042】例えば、「実験物理学講座14 表面・微
粒子」(木下是雄 編、共立出版1986年9月1日発
行)では、「本稿で微粒子と言うときにはその直径がだ
いたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特に
超微粒子というときは粒径が10nm程度から2〜3n
m程度までを意味することにする。両者を一括して単に
微粒子と書くこともあってけっして厳密なものではな
く、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が
2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼
ぶ。」(195ページ 22〜26行目)と記述されて
いる。
【0043】付言すると、新技術開発事業団の“林・超
微粒子プロジェクト”での「超微粒子」の定義は、粒径
の下限はさらに小さく、次のようなものであった。
【0044】「創造科学技術推進制度の“超微粒子プロ
ジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ
(径)がおよそ1〜100nmの範囲のものを“超微粒
子”(ultra fine particle) と呼ぶことにした。すると
1個の超微粒子はおよそ100〜108 個くらいの原子
の集合体という事になる。原子の尺度でみれば超微粒子
は大〜巨大粒子である。」(「超微粒子−創造科学技
術」林主税、上田良二、田崎明 編;三田出版 198
8年 2ページ1〜4行目)/「超微粒子よりさらに小
さいもの、すなわち原子が数個〜数百個で構成される1
個の粒子は、ふつうクラスターと呼ばれる」(同書2ペ
ージ12〜13行目)。
【0045】上記のような一般的な呼び方をふまえて、
本明細書において「微粒子」とは多数の原子・分子の集
合体で、粒径の下限は0.1nmの数倍から1nm程
度、上限は数μm程度のものを指すこととする。
【0046】電子放出部5には亀裂が含まれており、電
子放出はこの亀裂付近から行われる。この亀裂を含む電
子放出部5及び亀裂自体は、導電性膜4の膜厚、膜質、
材料及び後述するフォーミング条件等の製法に依存して
形成される。
【0047】亀裂内部には、0.1nmの数倍から数十
nmの範囲の粒径の微粒子を有することもある。この微
粒子は、導電性膜4を構成する材料の元素の一部、ある
いは総てと同様のものである。また、亀裂を含む電子放
出部5及びその近傍の導電性膜4は炭素を主成分とする
膜を有する。
【0048】活性化物質源8の材料としては、活性化物
質が炭素化合物である場合には、高分子化合物及びそれ
らの焼成物が薄膜を形成するのには好適である。あるい
は多孔質材料に炭化水素などの有機化合物を吸着させた
もの、あるいはさらにそれを焼成したものなども使用可
能である。
【0049】高分子材料としては、ポリビニルアセテー
ト、ポリビニルブチラール、3,5−ジメチルフェノー
ル樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。これらは、2
00〜300℃程度の温度で焼成して、室温で高真空中
に保持しても有機化合物ガスの発生が少ないような状態
にして使用される。また、吸着されて用いられる炭素化
合物としては、芳香族炭化水素、オレフィン類などを挙
げることができる。
【0050】また、活性化物質が金属化合物で電子放出
部5にW,Nb等の高融点金属を堆積させて活性化が行
われる場合、活性化物質源8の材料としては、フッ化
物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等の金属ハロゲン化物、
メチル化物、エチル化物、ベンジル化物などのアルキル
金属類、アセチルアセトナート、ジピバノイルメタナー
ト、ヘキサフルオロアセチルアセトナート等の金属β−
ジケトナート類、アリル錯体、シクロペンタジエニル錯
体等の金属エニル錯体類、ベンゼン錯体等のアレーン錯
体、金属カルボニル類、金属アルコキシド類など及びこ
れらの複合した化合物などを挙げることができる。具体
的な物質としては、NbF5 ,NbCl5,Nb(C5
5 )(CO)4 ,Nb(C552 Cl2 ,OsF
4 ,Os(C3723 ,Os(CO)5 ,Os3
(CO)12,Os(C552 ,ReF5 ,ReCl
5 ,Re(CO)10,ReCl(CO)5 ,Re(CH
3 )(CO)5 ,Re(C55 )(CO)3 ,Ta
(C55 )(CO)4 ,Ta(OC255 ,Ta
(C552 Cl2 ,Ta(C5523 ,WF
6 ,W(CO)6 ,W(C552 Cl2 ,W(C5
522 ,W(CH36 等が挙げられる。中で
も、最も融点の高い金属であるWを形成できるW(C
O)6 (タングステンヘキサカルボニル)は、比較的取
り扱いが容易であるため最も好ましく用いられる。
【0051】図1の例では、活性化物質源8は加熱用抵
抗膜7の上に形成されている。これは一方の素子電極2
と活性化物質供給用電極6との間に電圧を印加し、加熱
用抵抗膜7に電流を流して発熱させ、活性化物質源8か
ら活性化物質を蒸発させ電子放出部5付近に供給するも
のである。該加熱用抵抗膜7の材質は、Au,Pt,N
i等の金属や、SnO2 −In23 (ITO)等の導
電性酸化物の薄膜を用いることができる。薄膜の代わり
にワイヤー等を用いても良い。
【0052】図1の例では、素子電極の一方が加熱用抵
抗膜7に電流を供給するための電極(活性化物質供給用
電極)を兼ねているが、素子電極と活性化物質供給用電
極が独立に設けられたものであっても良い。また、活性
化物質源と加熱用抵抗膜が電子放出部5の両側に設けら
れてもよく、活性化物質の電子放出部近傍への供給が可
能であれば、どのような配置を用いても差し支えない。
【0053】また、図1(a)のA−A’に沿った断面
部分が、図2に示すような断面形状を有する垂直型の表
面伝導型電子放出素子を用いて、本発明の電子源を構成
することもできる。尚、図2において、10は絶縁体で
構成された段差形成用部材である。
【0054】本発明の構成の別の例としては、活性化物
質源から活性化物質を供給する方法が、上記例のように
抵抗膜に通電して加熱するのではなく、電子放出素子か
ら放出される電子ビームを、活性化物質源に照射してそ
のエネルギーによって行う方法が挙げられる。この場合
の電子源の構成を図3に模式的に示す。本例において活
性化物質供給用電極6は、素子電極2,3、電子放出部
5を有する導電性膜4にて構成される電子放出素子(表
面伝導型電子放出素子)の正極側電極に印加される電位
よりも高い電位を与えられることにより、電子放出部5
から放出された電子を吸引し、活性化物質源8に電子を
衝突させるものである。これによりエネルギーを与えら
れ、活性化物質を電子放出部近傍に供給する。
【0055】本発明の電子源の第1の例(図1参照)に
ついて、その製造方法の一例を図1及び図4を用いて説
明する。図4は本製造方法を説明するための模式図であ
る。
【0056】1)基板1を洗剤、純水及び有機溶剤によ
り十分に洗浄した後、真空蒸着法、スパッタ法等により
電極材料を堆積し、フォトリソグラフィー技術等により
該基板1上に素子電極2,3及び活性化物質供給用電極
6(不図示)を形成する(図4(a);本図は図1
(a)のA−A’に沿った断面を示す。)。
【0057】2)素子電極2,3及び活性化物質供給用
電極6を設けた基板1上に有機金属溶液を塗布して、有
機金属膜を形成する。尚、有機金属溶液とは、前述の導
電性膜4の構成材料の金属を主元素とする有機化合物の
溶液である。有機金属膜を加熱焼成処理した後、リフト
オフ、エッチング等によりパターニングし、導電性膜4
を形成する(図4(b))。
【0058】ここでは、有機金属溶液の塗布法を挙げて
説明したが、導電性膜4の形成法はこれに限られるもの
ではなく、例えば真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相
堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等
を用いることもできる。
【0059】3)続いて、加熱用抵抗膜7及び活性化物
質源8を形成する。加熱用抵抗膜の形成方法は、導電性
膜4の形成に用いられる手法がいずれも利用可能であ
る。この上に活性化物質源を形成し、必要に応じて焼成
などの処理を行う(図4(c);本図は図1(a)のB
−B’に沿った断面を示す。)。
【0060】4)続いて、フォーミングと呼ばれる通電
処理を施す。素子電極2,3間に不図示の電源より電圧
を印加すると、導電性膜3の一部に、電子放出部(亀
裂)5が形成される(図4(d);本図は図1(a)の
A−A’に沿った断面を示す。)。
【0061】通電フォーミングの電圧波形の例を図3に
示す。
【0062】電圧波形は、特にパルス波形が好ましく、
パルス波高値を定電圧とした電圧パルスを連続的に印加
する場合(図5(a))と、パルス波高値を増加させな
がら電圧パルスを印加する場合(図5(b))とがあ
る。
【0063】まず、パルス波高値を定電圧とした場合に
ついて図5(a)で説明する。
【0064】図5(a)におけるT1及びT2は電圧波
形のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1μ秒〜
10m秒、T2は10μ秒〜100m秒の範囲で設定さ
れる。三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電
圧)は、前述した電子放出素子の形態に応じて適宜選択
される。このような条件のもと、真空雰囲気下で、数秒
から数十分間電圧を印加する。尚、印加する電圧波形
は、図示される三角波に限定されるものではなく、矩形
波等の所望の波形を用いても良く、その波高値及びパル
ス幅・パルス間隔等についても上述の値に限るものでは
なく、電子放出部5が良好に形成されるように、電子放
出素子の抵抗値等に合わせて所望の値を選択することが
できる。
【0065】次に、パルス波高値を増加させながら電圧
パルスを印加する場合について図5(b)で説明する。
【0066】図5(b)におけるT1及びT2は図5
(a)と同様であり、三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)を、例えば0.1Vステップ程度ず
つ増加させ、図5(a)の説明と同様の適当な真空雰囲
気下で印加する。
【0067】尚、パルス間隔T2中に、導電性膜4を局
所的に破壊、変形もしくは変質させない程度のパルス電
圧、例えば0.1V程度のパルス電圧で素子電流を測定
して抵抗値を求め、例えば1MΩ以上の抵抗を示したと
きにフォーミングを終了することが好ましい。
【0068】5)フォーミング処理を終えた電子放出素
子には活性化処理と呼ばれる処理を施す。
【0069】活性化処理は、炭素化合物あるいは金属化
合物(活性化物質)が微量に存在する真空中で、電子放
出素子にパルスの印加を繰り返すことで行うことができ
る。この処理により電子放出部に炭素、炭素化合物、あ
るいは金属などが堆積し、素子電流If,放出電流Ie
が著しく変化するようになる。素子電流Ifと放出電流
Ieを測定しながら、例えば、放出電流Ieが飽和した
時点で活性化工程を終了させる。
【0070】このときの活性化物質の供給には、前記工
程で形成した加熱用抵抗膜7に通電し、活性化物質源8
から蒸発する物質を用いても良いし、適当な活性化物質
導入装置を真空装置に付属させ、これにより適当な物質
を導入しても良い。
【0071】なお、炭素化合物を活性化物質として用い
る場合は、拡散ポンプやロータリーポンプなどのオイル
を用いる排気装置から真空装置内に拡散するオイル成分
を利用しても良いし、排気装置としてイオンポンプなど
の超高真空用排気装置を用いて真空容器内の排気をした
後炭素化合物を導入しても良い。
【0072】このとき用いられる物質としては、アルカ
ン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭
化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、ア
ミン類、フェノール、カルボン、スルホン酸等の有機酸
類等を挙げることが出来、具体的には、メタン、エタ
ン、プロパンなどCn2n+2で表される飽和炭化水素、
エチレン、プロピレンなどCn2n等の組成式で表され
る不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、
エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エチルア
ミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用
できる。
【0073】金属化合物を活性化物質として導入する場
合には、活性化物質源の材料として前述した金属化合物
を用いることができる。
【0074】このとき電子放出素子に印加する電圧パル
スの波形は、例えば図6(a)に示すような矩形波パル
スを用いることが出来る。あるいは、目的によっては図
6(b)に示すような、交互に極性の反転する矩形波パ
ルスを用いても良い。
【0075】6)このような工程を経て得られた電子源
は、安定化工程を行うことが好ましい。この工程は、電
子源に設けられた活性化物質源8以外に真空容器内に吸
着などにより残存する活性化物質を排気する工程であ
る。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生
するオイルが電子放出素子の特性に影響を与えないよう
に、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具
体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空
排気装置を挙げることが出来る。
【0076】真空容器内の活性化物質の分圧は、上記炭
素、炭素化合物、あるいは金属がほぼ新たに堆積しない
分圧で10-6Pa以下が好ましく、さらには10-8Pa
以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気するとき
には、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子
放出素子に吸着した活性化物質分子を排気しやすくする
のが好ましい。このときの加熱条件は、80〜250℃
で5時間以上が望ましいが、特にこの条件に限るもので
はなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成
などの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空
容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1×10-5
Pa以下が好ましく、さらに1×10-6Pa以下が特に
好ましい。
【0077】安定化工程を行った後の、電子源駆動時の
雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するの
が好ましいが、これに限るものではなく、活性化物質が
十分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十
分安定な特性を維持することが出来る。
【0078】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素、炭素化合物、あるいは金属の堆積を抑
制でき、また外囲器(真空容器)内壁や基板表面などに
吸着したH2 O,O2 等も除去される。その結果として
素子電流If,放出電流Ieが、安定する。
【0079】なお、前述のように電子放出部に堆積した
炭素、炭素化合物、あるいは金属が消耗して電子放出特
性が劣化する場合があるが、電子放出素子に電子を放出
させるのと並行して、電子源が具備する加熱用抵抗膜に
通電し、活性化物質源から活性化物質を過剰に供給され
ないように制御しながら、徐々に供給するようにして、
特性の劣化を防止することが可能である。また、適当な
間隔で、あるいは特性の劣化が検知された場合に、活性
化物質源から活性化物質を供給して、活性化工程と同様
の処理を行い、特性を回復させることにより、実用上特
性の劣化の影響が現れないようにすることが可能であ
る。
【0080】前述の第2の例(図3)の場合は、同様な
方法で製造されるが、活性化工程は外部から活性化物質
を導入して行う方法に限られ、電子放出素子が完成した
後、電子放出させる際に、放出された電子の一部を活性
化物質源8に吸引して衝突させ活性化物質を供給して、
特性の劣化を防止したり、同様にして劣化した特性を回
復させる。
【0081】上述した工程を経て得られた本発明を適用
可能な電子放出素子の基本特性について、図7,図8を
参照しながら説明する。
【0082】図7は、真空処理装置の一例を示す模式図
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
も兼ね備えている。図4においても、図1に示した部位
と同じ部位には図1に付した符号と同一の符号を付して
いる。
【0083】図7において、11は素子に素子電圧Vf
を印加するための電源、12は素子電極2,3間の導電
性膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、
15は電子放出部5より放出される放出電流Ieを捕捉
するためのアノード電極、14はアノード電極15に電
圧を印加するための高圧電源、15は電子放出部5より
放出される放出電流Ieを測定するための電流計、16
は真空容器、17は排気ポンプである。
【0084】電子放出素子及びアノード電極15等は真
空容器16内に設置され、この真空容器15には不図示
の真空計等の必要な機器が具備されていて、所望の真空
下で電子放出素子の測定評価ができるようになってい
る。
【0085】排気ポンプ17は、ターボポンプ、ロータ
リーポンプ等からなる通常の高真空装置系と、イオンポ
ンプ等からなる超高真空装置系とから構成されている。
ここに示した電子源基板を配した真空処理装置の全体
は、不図示のヒーターにより加熱できる。また、図では
省略されているが、活性化物質供給用電極に電圧を印加
する装置も備えており、必要に応じて電源11による電
子放出素子への電圧印加と適宜同調して活性化物質供給
用電極に電圧を印加する。従って、この真空処理装置を
用いると、前述の通電フォーミング以降の工程も行うこ
とができる。
【0086】以下に述べる本発明に係る表面伝導型電子
放出素子の基本特性は、図7の真空処理装置のアノード
電極15の電圧を1kV〜10kVとし、アノード電極
15と電子放出素子の距離Hを2〜8mmとして、通常
測定を行う。
【0087】図8は、図7に示した真空処理装置を用い
て測定された放出電流Ie及び素子電流Ifと、素子電
圧Vfとの関係を模式的に示した図である。図8におい
て、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さい
ので、任意単位で示されている。尚、縦・横軸ともリニ
アスケールである。
【0088】図8からも明らかなように、本発明に係る
表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに対する次の
3つの特徴的特性を有する。
【0089】まず第1に、本電子放出素子はある電圧
(しきい値電圧と呼ぶ:図8中のVth)を超える素子
電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方し
きい値電圧Vth以下では放出電流Ieが殆ど検出され
ない。即ち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧
Vthを持った非線形素子である。
【0090】第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに対
して単調増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧V
fで制御できる。
【0091】第3に、アノード電極15(図7参照)に
捕捉される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に
依存する。即ち、アノード電極15に捕捉される電荷量
は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0092】以上の説明より理解されるように、本発明
に係る表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応じて、
電子放出特性を容易い制御できることになる。この性質
を利用すると複数の電子放出素子を配して構成した電子
源、画像形成装置等、多方面への応用が可能となる。
【0093】図8においては、素子電流Ifも素子電圧
Vfに対して単調増加する(以下、「MI特性」とい
う。)例を示したが、素子電流Ifが素子電圧Vfに対
して電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特性」
という。)を示す場合もある(不図示)。いずれの特性
を示すかは、前述の工程を制御することで制御できる。
VCNR特性は、活性化物質供給手段により過剰な活性
化物質が電子放出部に供給された場合などに生ずる場合
がある。
【0094】以上で説明した表面伝導型電子放出素子を
絶縁性基板上に複数配置し、適当な配線を形成すること
により、線状又は面状の電子源を構成することができ
る。また、これを用いて画像表示装置などの画像形成装
置を構成することができる。
【0095】電子放出素子の配列については、種々のも
のが採用できる。
【0096】一例として、並列に複数の電子放出素子を
配列し、個々の電子放出素子の両端(両素子電極)を配
線(共通配線とも呼ぶ)にて各々結線した行を多数配列
した梯型配置のものがある。
【0097】これとは別に、m本のX方向配線の上にn
本のY方向配線を層間絶縁層を介して設置し、電子放出
素子の一対の素子電極に夫々X方向配線、Y方向配線を
接続した配置方式が挙げられる。これを以後単純マトリ
クス配置と呼ぶ。まず、この単純マトリクス配置につい
て詳述する。
【0098】本発明を適用可能な前述した表面伝導型電
子放出素子の基本的特性によれば、単純マトリクス配置
された表面伝導型電子放出素子における放出電子は、し
きい値電圧を超える電圧では、素子電極間に印加するパ
ルス状電圧の波高値とパルス幅で制御できる。一方、し
きい値電圧以下では殆ど電子は放出されない。従って、
多数の表面伝導型電子放出素子を配置した場合において
も、個々の素子に上記パルス状電圧を適宜印加すれば、
入力信号に応じて表面伝導型電子放出素子を選択し、そ
の電子放出量が制御でき、単純なマトリクス配線だけで
個別の表面伝導型電子放出素子を選択して独立に駆動可
能となる。
【0099】単純マトリクス配置はこのような原理に基
づくもので、本発明に係る電子源の一例である、この単
純マトリクス配置の電子源の構成について図9に基づい
て更に説明する。
【0100】図9において、21は電子源基板、22は
X方向配線、23はY方向配線、26は活性化物質供給
用配線である。24は表面伝導型電子放出素子、25は
結線、27は加熱用抵抗膜と活性化物質源からなる活性
化物質供給手段である。尚、表面伝導型電子放出素子2
4の個数及び形状は用途に応じて適宜設定されるもので
ある。
【0101】m本のX方向配線22は、Dx1,Dx
2,……,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成するこ
とができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。
n本のY方向配線23は、Dy1,Dy2,……,Dy
nからなり、X方向配線22と同様に形成される。m本
の活性化物質供給用配線26は、Ax1,Ax2,…
…,Axmからなり、やはりX方向配線22と同様に形
成される。
【0102】これらm本のX方向配線22及び活性化物
質供給用配線26とn本のY方向配線23間には、不図
示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離
している。尚、このm,nは共に正の整数である。
【0103】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等で構成され
る。例えば、X方向配線22及び活性化物質供給用配線
26を形成した基板21の全面或は一部に所望の形状で
形成され、特に、X方向配線22及び活性化物質供給用
配線26とY方向配線23の交差部の電位差に耐え得る
ように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配
線22及び活性化物質供給用配線26とY方向配線23
は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0104】更に、表面伝導型電子放出素子24を構成
する一対の素子電極(不図示)は、m本のX方向配線2
2及びn本のY方向配線23と、導電性金属等からなる
結線25によって電気的に接続されているものである。
【0105】m本のX方向配線22と、n本のY方向配
線23と、結線25と、一対の素子電極とは、その構成
元素の一部あるいは全部が同一であっても、また夫々異
なっていてもよく、前述の素子電極の材料等より適宜選
択される。これら素子電極への配線は、素子電極と材料
が同一である場合は素子電極と総称する場合もある。
【0106】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線22には、X方向に配列された表面伝導型電子放出素
子24の行を入力信号に応じて走査するために、走査信
号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に接続
される。一方、Y方向配線23には、Y方向に配列され
た表面伝導型電子放出素子24の列の各列を入力信号に
応じて変調するために、変調信号を印加する不図示の変
調信号発生手段が電気的に接続される。各表面伝導型電
子放出素子24に印加される駆動電圧は、当該表面伝導
型電子放出素子に印加される走査信号と変調信号の差電
圧として供給される。
【0107】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の表面伝導型電子放出素子を選択し、
独立に駆動可能とすることができる。また、活性化物質
供給手段27は、X方向配線22と活性化物質供給用配
線26の対応する対の間に適当な電圧を印加することに
より、行単位で駆動、活性化物質の供給を行うことがで
きる。
【0108】以上のような単純マトリクス配置の電子源
を用いて構成した本発明に係る画像形成装置を、図10
〜図13を用いて説明する。図10は画像形成装置の表
示パネルの一例を示す模式図であり、図11は図10の
表示パネルにおけるゲッターの配置図であり、図12は
画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図であり、図1
3は図10の表示パネルでNTSC方式のテレビ信号に
応じてテレビジョン表示を行うための駆動回路の一例を
示すブロック図である。
【0109】図10において、21は電子放出素子を複
数配した電子源基板、31は電子源基板21を固定した
リアプレート、36はガラス基板33の内面に蛍光膜3
4とメタルバック35等が形成されたフェースプレート
である。32は支持枠であり該支持枠32には、リアプ
レート31及びフェースプレート36がフリットガラス
等を用いて接続されている。37は外囲器であり、例え
ば大気中あるいは窒素中で、400〜500℃の温度範
囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
【0110】図10において、24は表面伝導型電子放
出素子、22,23は表面伝導型電子放出素子24の一
対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線
で、夫々外部端子Dox1ないしDoxm,Doy1な
いしDoynを有している。
【0111】外囲器37は、上述の如く、フェースプレ
ート36、支持枠32、リアプレート31で構成されて
いる。リアプレート31は主に電子源基板21の強度を
補強する目的で設けられるものであり、電子源基板21
自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート31
は不要とすることができる。即ち、電子源基板21に直
接支持枠32を封着し、フェースプレート36、支持枠
32、電子源基板21にて外囲器37を構成してもよ
い。また、フェースプレート36、リアプレート31の
間にスぺーサーと呼ばれる不図示の支持体を設置するこ
とで、大気圧に対して十分な強度を有する外囲器37を
構成することもできる。
【0112】図12は、蛍光膜34を示す模式図であ
る。蛍光膜34は、モノクロームの場合は蛍光体のみか
らなるが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によ
り、ブラックストライプ(図12(a))あるいはブラ
ックマトリクス(図12(b))等と呼ばれる黒色導電
材38と蛍光体39とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の場合必要となる三原色の各蛍光体39間の塗り分け
部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍
光膜34における外光反射によるコントラストの低下を
抑制することである。黒色導電材38の材料としては、
通常良く用いられている黒鉛を主成分とする材料だけで
なく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料で
あれば他の材料を用いることもできる。
【0113】ガラス基板33に蛍光体を塗布する方法と
しては、モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷
法が用いられる。
【0114】また、図10に示されるように、蛍光膜3
4の内面側には通常メタルバック35が設けられる。メ
タルバック35の目的は、蛍光体の発光のうち内面側へ
の光をフェースプレート36側へ鏡面反射することによ
り輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加する
ための電極として作用すること、外囲器37内で発生し
た負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体の保護等
である。メタルバック35は、蛍光膜34の作製後、蛍
光膜34の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミ
ング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等
で堆積することで作製できる。
【0115】フェースプレート316には、更に蛍光膜
34の導電性を高めるため、蛍光膜34の外面側に透明
電極(不図示)を設けてもよい。
【0116】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体39と表面伝導型電子放出素子24とを対応させ
なくてはいけないため、十分な位置合わせを行なう必要
がある。
【0117】図10に示した画像形成装置は、例えば以
下のようにして製造される。
【0118】外囲器37は、前述の安定化工程と同様
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプなどのオイルを使用しない排気装置により不図示の
排気管を通じて排気し、10-5Pa程度の真空度の有機
物質の十分少ない雰囲気にした後、封止が成される。ま
た、外囲器37の封止後の真空度を維持するために、ゲ
ッター処理を行うこともできる。これは、外囲器37の
封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高
周波加熱等を用いた加熱により、外囲器37内の所定の
位置に配置したゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処
理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸
着膜の吸着作用により、例えば1.3×10-4〜1.3
×10-5Paの真空度を維持するためのものである。こ
こで、表面伝導型電子放出素子のフォーミング処理以降
の工程は、適宜設定される。
【0119】尚、後述するように、後にゲッター処理を
繰り返し行う場合には、この時点で必要なゲッター以外
に、余分のゲッターを外囲器37内に配置しておく。例
えば、図11に模式的に示すように、外囲器37と電子
源基板21との間にゲッター28を配置する。電子源基
板21上へのゲッター蒸着膜の付着を防止するために、
必要に応じて飛散防止壁29を設ける場合もある。
【0120】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例
について、図13を用いて説明する。図13において、
41は画像表示パネル(図10参照)、42は走査回
路、43は制御回路、44はシフトレジスタ、45はラ
インメモリ、46は同期信号分離回路、47は変調信号
発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0121】図13に示されるように、表示パネル41
は、外部端子Dox1ないしDoxm、外部端子Doy
1ないしDoyn及び高圧端子Hvを介して外部の電気
回路と接続されている。この内、外部端子Dox1ない
しDoxmには、表示パネル41内に設けられている電
子源、即ちm行n列の行列状にマトリクス配置された表
面伝導型電子放出素子群を1行(n素子ずつ)順次駆動
するための走査信号が印加される。
【0122】一方、外部端子Doy1ないし外部端子D
oynには、前記走査信号により選択された1行の各表
面伝導型電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制御
するための変調信号が印加される。また、高圧端子Hv
には、直流電圧源Vaより、例えば10kVの直流電圧
が供給される。これは表面伝導型電子放出素子より放出
される電子ビームに、蛍光体を励起するのに十分なエネ
ルギーを付与するための加速電圧である。
【0123】走査回路42は、内部にm個のスイッチン
グ素子(図13中S1ないしSmで模式的に示す)を備
えるもので、各スイッチング素子S1〜Smは、直流電
圧電源Vxの出力電圧もしくは0[V](グランドレベ
ル)のいずれか一方を選択して、表示パネル41の外部
端子Dox1ないしDoxmと電気的に接続するもので
ある。各スイッチング素子S1〜Smは、制御回路43
が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもの
で、例えばFETのようなスイッチング機能を有する素
子を組み合わせることにより構成することができる。
【0124】本例における前記直流電圧源Vxは、前記
表面伝導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電
圧)に基づき、走査されていない表面伝導型電子放出素
子に印加される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下と
なるような一定電圧を出力するよう設定されている。
【0125】制御回路43は、外部より入力される画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の動
作を整合させる働きを持つものである。次に説明する同
期信号分離回路46より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscan、Tsft及びTm
ryの各制御信号を発生する。
【0126】同期信号分離回路46は、外部から入力さ
れるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝
度信号成分を分離するための回路で、よく知られている
ように、周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路46によ
り分離された同期信号は、これもよく知られるように、
垂直同期信号と水平同期信号よりなる。ここでは、説明
の便宜上Tsyncとして図示する。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と図示する。このDATA信号はシフトレジスタ
44に入力される。
【0127】シフトレジスタ44は、時系列的にシリア
ル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎に
シリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回
路43より送られる制御信号Tsftに基づいて作動す
る。この制御信号Tsftは、シフトレジスタ44のシ
フトクロックであると言い換えてもよい。また、シリア
ル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝導型電
子放出素子のn素子分の駆動データに相当する)のデー
タは、Id1ないしIdnのn個の並列信号として前記
シフトレジスタ44より出力される。
【0128】ラインメモリ45は、画像1ライン分のデ
ータを必要時間だけ記憶するための記憶装置であり、制
御回路43より送られる制御信号Tmryに従って適宜
Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶された内容
は、Id’1ないしId’nとして出力され、変調信号
発生器47に入力される。
【0129】変調信号発生器47は、前記画像データI
d’1ないしId’nの各々に応じて、表面伝導型電子
放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源で、
その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて表示
パネル41内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0130】前述したように、本発明を適用可能な表面
伝導型電子放出素子は電子放出に明確なしきい値電圧を
有しており、しきい値電圧を超える電圧が印加された場
合にのみ電子放出が生じる。また、しきい値電圧を超え
る電圧に対しては表面伝導型電子放出素子への印加電圧
の変化に応じて放出電流も変化して行く。表面伝導型電
子放出素子の材料、構成、製造方法を変えることによ
り、しきい値電圧の値や印加電圧に対する放出電流の変
化度合いが変わる場合もあるが、いずれにしても以下の
ことがいえる。
【0131】即ち、表面伝導型電子放出素子にパルス状
の電圧を印加する場合、例えばしきい値電圧以下の電圧
を印加しても電子放出は生じないが、しきい値電圧を超
える電圧を印加する場合には電子放出を生じる。その
際、第1には電圧パルスの波高値を変化させることによ
り、出力される電子ビームの強度を制御することが可能
である。第2には、電圧パルスの幅を変化させることに
より、出力される電子ビームの電荷の総量を制御するこ
とが可能である。
【0132】従って、入力信号に応じて表面伝導型電子
放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式とパル
ス幅変調方式とが挙げられる。電圧変調方式を行う場
合、変調信号発生器47としては、一定の長さの電圧パ
ルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パル
スの波高値を変調できる電圧変調方式の回路を用いる。
【0133】また、パルス幅変調方式を行う場合、変調
信号発生器47としては、一定の波高値の電圧パルスを
発生するが、入力されるデータに応じて適宜パルス幅を
変調できるパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0134】シフトレジスタ44やラインメモリ45
は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のもので
もよく、画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所
定の速度で行えるものであればよい。
【0135】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路46の出力信号DATAをデジタル信号化す
る必要がある。これは同期信号分離回路46の出力部に
A/D変換器を設けることで行える。
【0136】また、これと関連して、ラインメモリ45
の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変
調信号発生器47に設けられる回路が若干異なるものと
なる。
【0137】即ち、デジタル信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器47には、例えばよく知られている
D/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を付け
加えればよい。また、デジタル信号でパルス幅変調方式
の場合、変調信号発生器47は、例えば高速の発振器及
び発振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)
及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比
較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用いること
で容易に構成することができる。更に、必要に応じて、
比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための
増幅器を付け加えてもよい。
【0138】一方、アナログ信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器47には、例えばよく知られている
オペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、必要に
応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。また、
アナログ信号でパルス幅変調方式の場合、例えばよく知
られている電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよ
く、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0139】以上のような構成をとり得る本発明の画像
形成装置において、各電子放出素子に、外部端子Dox
1〜Doxm及びDoy1〜Doynを介して電圧を印
加することにより、必要な表面伝導型電子放出素子から
電子を放出させることができ、高圧端子Hvを通じて、
メタルバック35あるいは透明電極(不図示)に高電圧
を印加して電子ビームを加速し、加速した電子ビームを
蛍光膜34に衝突させることで生じる励起・発光によっ
て、NTSC方式のテレビ信号に応じてテレビジョン表
示を行うことができる。
【0140】尚、以上説明した構成は、表示等に用いら
れる本発明の画像形成装置を得る上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述の内容
に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適する
よう、適宜選択されるものである。また、入力信号とし
てNTSC方式を挙げたが、本発明の画像形成装置はこ
れに限られるものではなく、PAL、SECAM方式等
の他の方式でもよく、更にはこれらよりも多数の走査線
からなるTV信号、例えばMUSE方式を初めとする高
品位TV方式でもよい。
【0141】次に、前述の梯型配置の電子源及びこれを
用いて構成される画像形成装置について図14及び図1
5を用いて説明する。
【0142】図14は、梯型配置の電子源の一例を示す
模式図である。図14において、51は電子源基板、5
2は電子放出素子である。53は、電子放出素子52を
接続するための共通配線であり、Dx1〜Dx10の1
0本が形成されている。電子放出素子52は、基板51
上にX方向に並列に複数個配置されている。これを素子
行と呼ぶ。そしてこの素子行が複数行配置されて電子源
を構成している。
【0143】各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加す
ることで、各素子行を独立に駆動することが可能であ
る。即ち、電子ビームを放出させたい素子行にはしきい
値電圧を超える電圧を印加し、電子ビームを放出させた
くない素子行にはしきい値電圧以下の電圧を印加するよ
うにすればよい。このような駆動電圧の印加は、各素子
行間に位置する共通配線Dx2〜Dx9について、夫々
相隣接する共通配線Dx2とDx3,Dx4とDx5,
Dx6とDx7,Dx8とDx9を一体の同一配線とし
ても行うことができる。
【0144】図14において、54は加熱用抵抗膜及び
活性化物質源などからなる活性化物質供給手段であり、
電子放出素子52の近傍にそれぞれ配置される。活性化
物質供給手段54は、各行毎に共通配線の一方(Dx
1,Dx3,・・・)と、活性化物質供給用配線55
(Ax1,Ax2,・・・)に接続され、この間に電圧
を印加することにより電子放出素子に活性化物質を供給
する。
【0145】図15は、上記梯型配置の電子源を備えた
画像形成装置における表示パネル構造の一例を示す模式
図である。
【0146】図15中、61はグリッド電極、62は電
子が通過するための開口、63はDox1〜Doxmよ
りなる外部端子、64はグリッド電極61に接続された
G1〜Gnからなるは外部端子、65はAox1〜Ao
x(m/2)からなる活性か物質供給用の外部端子であ
る。
【0147】図15において図10と図14に示した部
位と同じ部位には、これらの図に付したのと同一の符号
を付している。ここに示した画像形成装置と、図10に
示した単純マトリクス配置の電子源を用いた画像形成装
置との大きな違いは、電子源基板51とフェースプレー
ト36の間にグリッド電極61を備えているか否かであ
る。
【0148】図15においては、基板51とフェースプ
レート36の間には、上記のようにグリッド電極61が
設けられている。このグリッド電極61は、表面伝導型
電子放出素子から放出された電子ビームを変調するため
のものであり、梯型配置の素子行と直交して設けられた
ストライプ状の電極に、電子ビームを通過させるため
に、各表面伝導型電子放出素子に対応して1個ずつ円形
の開口62を設けたものとなっている。
【0149】グリッド電極61の形状や配置位置は、必
ずしも図15に示すようなものでなければならないもの
ではなく、開口303としてメッシュ状に多数の通過口
を設けることもでき、またグリッド電極を表面伝導型電
子放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
【0150】外部端子63及び64は不図示の駆動回路
に接続されている。そして、素子行を1列ずつ順次駆動
(走査)して行くのと同期してグリッド電極61の列に
画像1ライン分の変調信号を印加することにより、各電
子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1ラインず
つ表示することができる。
【0151】なお、画像表示装置においては、上述のよ
うに絶縁性基板上に配置された電子放出素子の近傍に活
性化物質供給手段を設ける構成だけでなく、各電子放出
素子とは独立した活性化物質供給手段を、画像表示装置
の真空容器内、あるいは該真空容器に接続された別の容
器内に設ける構成、あるいはこれらを併用した構成をと
ることも可能である。
【0152】上記マトリクス配置あるいは梯型配置のい
ずれの場合においても、一旦外囲器封止した後、上記い
ずれかの方法で活性化物質の供給を行った後に、必要に
応じて再度ゲッター処理を行うことにより、安定化処理
工程終了時の特性を再現することができる。
【0153】本発明の画像形成装置は、上述したテレビ
ジョン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システ
ム、コンピューター等の表示装置の他、感光ドラムとで
構成した光プリンターとしての画像形成装置等としても
用いることができる。
【0154】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0155】(実施例1)本実施例の電子源の構成を図
16,図17に示す。図16は本実施例の電子源の構成
を模式的に示す平面図である。図17は図16の各断面
線に沿った断面図であり、(a)はA−A’に沿った断
面図、(b)はB−B’に沿った断面図、(c)はC−
C’に沿った断面図である。
【0156】本実施例の電子源は、素子電極2,3、電
子放出部5を有する導電性膜4にて表面伝導型電子放出
素子が構成されており、又、素子電極2、活性化物質供
給用電極6、加熱用抵抗膜7、活性化物質源8にて活性
化物質供給手段が構成されている。本実施例の電子源の
構成は図1に示したものと類似しているが、活性化物質
供給手段を電子放出部の両側に有するもので、素子電極
3と活性化物質供給用電極6は絶縁層9により互いに絶
縁されている。
【0157】本実施例の電子源の製造工程を図18,図
19を用いて説明する。
【0158】(a)石英基板1を洗剤、純水及び有機溶
剤により十分に洗浄、乾燥した後、フォトレジスト(R
D−2000N−41;日立化成社製)を、スピンナー
を用いて塗布、80℃で25分間プリベークを行い、フ
ォトレジスト層71を形成した(図18(a))。
【0159】(b)フォトマスクを用いて露光、素子電
極の形状をパターニングし現像、素子電極の形状に対応
する開口72を形成した。これに120℃で20分間の
ポストベークを施した(図18(b);図16のA−
A’に沿った断面図を示す。)。
【0160】(c)真空蒸着によりNi膜73を形成。
膜厚は100nmとした(図18(c);図16のA−
A’に沿った断面図を示す。)。
【0161】(d)アセトンでレジストを溶解し、リフ
トオフにより素子電極2,3を形成。アセトン、イソプ
ロピルアルコール(IPA)、つづいて酢酸ブチルで洗
浄、乾燥した(図18(d);図16のA−A’に沿っ
た断面図を示す。)。
【0162】(e)SiO2 をスパッタ法により600
nm成膜、フォトレジストパターンを形成後、CF4
2 を用いてドライエッチングを施し、絶縁層9を形成
した(図18(e);平面図を示す。)。
【0163】(f)工程(a)〜(d)と同様の手順で
活性化物質供給用電極6を形成した(図19(f);平
面図を示す。)。
【0164】(g)スパッタ法によりITO(In2
3 −SnO2 )を成膜。フォトレジスト(AZ−137
0;ヘキスト社製)をスピンナーにより塗布、90℃で
30分間のプリベークを行い、フォトマスクを用いて露
光・現像し、120℃で20分間のポストベークを行っ
た。これをマスクとしてドライエッチングを行い、IT
Oの加熱用抵抗膜7を形成した。該加熱用抵抗膜7の抵
抗値はRs =100Ω/□であった(図19(g);平
面図を示す。)。
【0165】(h)真空蒸着法によりCr膜74を形
成、膜厚を50nmとした。つづいてフォトレジスト
(AZ−1370)をスピンナーを用いて塗布、上記と
同様にプリベークし、フォトレジスト層75を形成した
後、露光・現像・ポストベークを行い、活性化物質源の
形状に対応する開口76を形成した(図19(h);図
16のB−B’に沿った断面図を示す。)。
【0166】(i)エッチャントに30秒間浸漬し、上
記開口76部分のCr膜を除去した。エッチャントの組
成物は、(NH4 )Ce(NO36 /HClO4 /H
2 O=17g/5cc/100ccである。アセトンに
よりレジストを剥離しCrマスクを形成した(図19
(i);図16のB−B’に沿った断面図を示す。)。
【0167】(j)ポリビニルアセテートの3%メチル
エチルケトン溶液をスピンナーにより塗布、60℃で1
0分間の加熱処理により乾燥、つづいて上記のエッチャ
ントによりCrマスクを除去、リフトオフにより活性化
物質源8であるポリビニルアセテート膜を形成した(図
19(j);図16のB−B’に沿った断面図を示
す。)。
【0168】(k)上記(h)〜(i)と同様の処理に
より、導電性膜の形状に対応する開口を有するCrマス
クを形成した(不図示)。
【0169】(l)Pdアミン錯体のブチルアセテート
溶液(ccp4230;奥野製薬(株)製)をスピンナ
ーで塗布、300℃で10分間の加熱焼成を行い、つづ
いてCrマスクを除去、リフトオフにより酸化パラジウ
ム(PdO)微粒子を主体とする導電性膜4を形成し
た。該導電性膜4の膜厚は約10nm、抵抗値はRs
5×104 Ω/□であった(図19(l);図16のA
−A’に沿った断面図を示す。)。
【0170】本実施例においては、素子電極間距離L=
2μm、素子電極幅W1 =500μmとした。
【0171】(m)上記素子を図7に示した装置に設置
し、真空容器16内を排気して圧力を2.7×10-5
aとした。電源11により素子電極2,3間にパルス電
圧を印加し、フォーミング処理を行った。なお、このと
き図16に示された活性化物質供給用電極6は素子電極
2と同電位とし、加熱用抵抗膜7には電圧がかからない
ようにした。
【0172】このときのパルス電圧の波形は、図5
(b)のような、波高値の漸増する三角波パルスであ
り、パルス幅T1=1msec.、パルス間隔T2=1
0msec.とした。また、フォーミング処理中は、フ
ォーミングパルスの休止時間内に0.1Vの抵抗測定用
パルスを挿入し、抵抗値が1MΩを超えたところでフォ
ーンミング処理を終了した。フォーミング終了時のパル
ス波高値は、5.0Vであった。この処理により導電性
膜4に電子放出部5が形成された。
【0173】(n)引き続いて活性化処理を行う。先
ず、真空容器16内にアセトンを導入した。アセトンの
分圧は1.3×10-2Paとした。この雰囲気中で、素
子電極2,3の間にパルス電圧を印加した。なお、上記
工程(m)と同様に、図16に示された加熱用抵抗膜7
には電圧がかからないようにした。
【0174】このときのパルス電圧の波形は、図6
(a)に示すような矩形波パルスであり、パルス幅T1
=100μsec.、パルス間隔T2=10msec.
とした。パルス波高値は、10Vから14Vまで3.3
mV/sec.のレートで徐々に上昇させた。
【0175】この後、パルス印加を停止、アセトンを排
気した。この処理により、電子放出部5の近傍に、炭素
ないし炭素化合物が堆積する。
【0176】上記のようにして作成された電子源の特性
を、引き続き上記の装置を用いて測定した。真空容器1
6内の圧力は1.3×10-6Pa以下、アノード電極1
5と電子放出素子との距離Hは4mmとした。素子電極
2,3間に波高値14V、パルス幅100μsec.、
パルス間隔10msec.の矩形波パルスを印加して電
子を放出させた。素子電極2と活性化物質供給用電極6
の間にも波高値5V、パルス幅50μsec.、パルス
間隔10msec.の矩形波パルスを印加した。両方の
パルスは、同時にオン状態とならないよう、タイミング
を制御して印加した。
【0177】測定開始時をτ=0として、素子電流If
(τ)と、放出電流Ie(τ)を測定した。If,Ie
の減少率を次のように定義し、この値も評価した。
【0178】
【数1】
【0179】本実施例においては、If(0)=1.8
mA,Ie(0)=0.9μA、電子放出効率η(τ)
はη(τ)=Ie(τ)/If(τ)として、η(0)
=0.05%であった。また、1時間後の減少率は、δ
If(1hour)=5%,δIe(1huor)=5
%であった。
【0180】(実施例2)実施例1と同様にして、図1
6に示す電子源を作成した後、特性の評価を行った。た
だし、素子電極2と活性化物質供給用電極6の間には電
圧がかからないようにして駆動した。測定開始時の特性
は、実施例1とほぼ同じであった。If,Ieの1時間
後の減少率は、δIf(1hour)=20%,δIe
(1huor)=25%であった。
【0181】この後、素子電極2と活性化物質供給用電
極6の間にパルス電圧を印加し、加熱用抵抗膜7に通電
して加熱しながら、素子電極2,3の間に駆動時と同様
のパルスを印加した。素子電極2と活性化物質供給用電
極6の間に印加したパルスは、波高値5Vの矩形波パル
スで、パルス幅は200μsec.とした。また、両方
のパルスは、同時にオン状態とならないよう、タイミン
グを制御した。この処理を3分間続けた後、両方のパル
ス印加を停止した。
【0182】活性化物質源8の温度を下げるため5分間
放置した後、再度電子源を駆動したところ、If=1.
5mA,Ie=0.8μAとなり、上記処理により電子
放出特性が回復することが示された。
【0183】(実施例3)本実施例の電子源の構成は、
実施例1とほぼ同様である。製造工程を、実施例1と異
なる部分についてのみ、図20を用いて説明する。
【0184】実施例1と同様に(a)〜(g)までを行
い、続いて (h)フォトレジスト(AZ−1370)をスピンナー
を用いて塗布、90℃で30分間プリベークし、フォト
レジスト層74を形成した後、露光・現像・ポストベー
クを行い、活性化物質源の形状に対応する開口76を形
成した(図20(h);図16のB−B’に沿った断面
図を示す。)。
【0185】(i)ポリビニルアルコール(PVA)2
%水溶液をスピンナーで塗布、60℃で10分間の加熱
乾燥を行い、PVA層77を形成した(図20(i);
図16のB−B’に沿った断面図を示す。)。
【0186】(j)つづいて、フォトレジストをアセト
ンで溶解し、リフトオフによりPVA層77を所望の形
状にパターニングした後、300℃に加熱・焼成し、活
性化物質源8を形成した(図20(j);図16のB−
B’に沿った断面図を示す。)。
【0187】以下、実施例1の(k)〜(n)と同様の
工程によりPdO微粒子よりなる導電性膜4を形成し、
フォーミング処理、活性化処理を施した。
【0188】上記電子源について、実施例1と同様の特
性測定を行った。その結果、If(0)=1.7mA,
Ie(0)=1.4μAで電子放出効率η(0)は0.
085%であった。また、1時間駆動後のIf,Ieの
減少率は、δIf(1hour)=7%,δIe(1h
uor)=8%であった。
【0189】(実施例4)図21は本実施例の電子源の
構成を模式的に示す。図21(a)は平面図であり、
(b)はA−A’に沿った断面図、(c)はB−B’に
沿った断面図である。同図において、1は基板、2,3
は素子電極、4はPdO微粒子膜よりなる導電性薄膜、
5は電子放出部、6は活性化物質供給用電極、8はポリ
ビニルアセテートよりなる活性化物質源である。
【0190】本実施例の電子源は、素子電極2,3、電
子放出部5を有する導電性膜4にて表面伝導型電子放出
素子が構成されており、又、活性化物質供給用電極6、
活性化物質源8にて活性化物質供給手段が構成されてい
る。
【0191】本実施例では、素子電極間隔L=10μ
m、素子電極幅W1 =300μmとした。
【0192】本実施例の電子源の製造方法を説明する。
【0193】(a)実施例1の(a)〜(d)と同様の
手順で、基板1上に素子電極2,3と活性化物質供給用
電極6を形成する。
【0194】(b)実施例1の(h)〜(j)と同様の
手法で、活性化物質供給用電極6の上にポリビニルアセ
テートからなる活性化物質源8を形成する。
【0195】(c)実施例1の(k)〜(n)と同様の
手順で、PdO微粒子膜からなる導電性膜4を形成、フ
ォーミング処理により電子放出部5を形成した後、活性
化処理を行った。
【0196】上記電子源の電子放出特性の測定を行っ
た。素子電極2,3の間に図6(a)に示す矩形波パル
スを印加した。パルス波高値は16V、パルス幅T1=
100μsec.、パルス間隔T2=10msec.で
ある。電子放出素子とアノード電極15の間隔Hは4m
m、電位差はVa=1kVとした。
【0197】測定開始時の電子放出特性は、If(0)
=1.3mA,Ie(0)=1.1μAで電子放出効率
η(0)は0.085%であった。また、1時間駆動後
のIf,Ieの減少率は、δIf(1hour)=20
%,δIe(1huor)=25%であった。
【0198】この後、アノード電極15への電圧Vaの
印加を停止し、活性化物質供給用電極6に100Vの電
圧を印加しながら、上記と同様のパルス電圧を素子電極
2,3の間に印加した。この処理を3分間続けた後、活
性化物質供給用電極6への電圧印加を停止、アノード電
極15にVa=1kVを印加し、再度測定を行ったとこ
ろ、If=1.1mA,Ie=1.0μAが得られ、こ
の処理により電子放出特性の回復が可能であることが示
された。
【0199】これは、電子放出部5から放出された電子
が、活性化物質供給用電極6に吸引され、活性化物質源
8に衝突してエネルギーを与えることにより、ポリビニ
ルアセテートの分子が分解して放出され、最初の活性化
処理と同様に炭素又は炭素化合物が電子放出部近傍に堆
積して、消耗した分が回復されるためであると推測され
る。
【0200】(実施例5)本実施例は、基板上に複数の
表面伝導型電子放出素子を配置し、梯型に配線した電子
源、並びに該電子源を蛍光体などからなる画像形成部材
と共にガラスの真空容器に封入した画像表示装置であ
る。本電子源の構成は図14に、画像表示装置は図15
にそれぞれ模式的に示される。
【0201】本実施例の製造方法を、図22を用いて説
明する。
【0202】(A)清浄化した青板ガラス上に厚さ0.
5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板5
1上に、実施例1の(a)〜(d)と同様の手順で、素
子電極を兼ねる共通配線53及び活性化物質供給用電極
を兼ねる活性化物質供給用配線55の形状の開口を有す
るフォトレジスト(RD−2000N−41:日立化成
社製)パターンを形成し、真空蒸着法により厚さ5nm
のTi、厚さ100nmのNiを順次積層した。この
後、フォトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni
/Ti堆積膜をリフトオフして、素子電極を兼ねる共通
配線53及び活性化物質供給用電極を兼ねる活性化物質
供給用配線55を形成した。素子電極に相当する部分の
電極間距離Lは3μmとした(図22(A))。
【0203】(B)スパッタ法によりSiO2 膜を60
0nm成膜、フォトレジストで絶縁膜のパターンを形成
後、CF4 とH2 を用いてドライエッチングを行い、絶
縁層9を形成した(図22(B))。
【0204】(C)実施例1の(g)と同様の手順で、
ITOよりなる加熱用抵抗膜7を形成した(図22
(C))。(D)実施例1の(h)〜(j)と同様の手
順で、加熱用抵抗膜7上に、ポリビニルアセテート膜よ
りなる活性化物質源8を形成した(図22(D))。
【0205】(E)真空蒸着法により厚さ300nmの
Cr膜を堆積、通常のフォトリソグラフィー技術により
導電性膜のパターンに相当する開口部56を形成し、C
rマスク57とする(図22(E))。
【0206】(F)これにPdアミン錯体のブチルアセ
テート溶液(ccp4230;奥野製薬(株)製)をス
ピンナーにより回転塗布し、大気中300℃で12分間
の加熱焼成処理を施した。こうして形成された膜はPd
Oを主成分とする導電性の微粒子膜で、厚さは7nm前
後であった。つづいて、Crマスクをウエットエッチし
て除去、PdO膜をリフトオフし所望の形状にパターニ
ングされた導電性膜4を得た(図22(F))。この導
電性膜4の抵抗値は、Rs =2×104 Ω/□程度であ
った。
【0207】この様にして作成した電子源を用いて画像
形成装置を構成した。図15を用いて説明する。
【0208】電子源基板51(図14参照)をリアプレ
ート31上に固定した後、グリッド電極61を電子源基
板51との位置合わせを十分に行ってから固定、フェー
スプレート36(ガラス基板33の内面に蛍光膜34と
メタルバック35が形成されて構成される)を支持枠3
2を介して配置し、フェースプレート36、支持枠3
2、リアプレート31の接合部にフリットガラスを塗布
し、窒素雰囲気中で400℃で10分間焼成することで
封着した。またリアプレート31への電子源基板51の
固定もフリットガラスで行った。
【0209】蛍光膜34は、モノクロームの場合は蛍光
体のみからなるが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状(図12(a)参照)を採用し、先にブラックストラ
イプを形成し、その間隙部に各色蛍光体を塗布して蛍光
膜34を作製した。ブラックストライプの材料として
は、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料を
用いた。ガラス基板33に蛍光体を塗布する方法として
はスラリー法を用いた。
【0210】また、蛍光膜34の内面側にはメタルバッ
ク35を設けた。メタルバック35は、蛍光膜34の作
製後、蛍光膜34の内面側表面の平滑化処理を行い、そ
の後、Alを真空蒸着することで作製した。
【0211】フェースプレート36には、更に蛍光膜3
4の導電性を高めるため、蛍光膜34の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバック35のみで十分な導電性が得られたの
で省略した。
【0212】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と表面伝導型電子放出素子とを対応させなくては
いけないため、十分な位置合わせを行った。
【0213】以上のようにして、図15に示すように、
電子源基板51、リアプレート31、フェースプレート
36とグリッド電極61を組み合わせて真空容器(外囲
器)を構成し、更に真空容器の外部に容器外端子63、
容器外グリッド電極端子64、容器外活性化物質供給用
電極端子65を接続して画像表示装置の大枠を構成し
た。なお、62は、電子通過孔である。
【0214】以下の処理及び測定は、図23に示す装置
によって行った。
【0215】画像表示装置81(図15)の真空容器8
2は、排気管84を介して真空チャンバー85に接続さ
れている。さらに真空チャンバー85はゲートバルブ8
8を介して排気装置89に接続されている。真空容器8
2内部の圧力は、真空チャンバー85に取り付けられた
圧力計86によりモニタされている。なお、真空チャン
バー88には四重極質量分析器(Q−mass)87も
設置されており、内部のガスの分圧も測定できるように
なっている。
【0216】真空容器82内を排気して、圧力計86の
表示を1.3×10-4Pa以下とした後、不図示の電気
回路により、実施例1と同様のパルス電圧を電子源83
の各電子放出素子に印加してフォーミング処理を施し
た。パルスの印加は、各素子行の正極側・負極側の配線
を、容器外端子63を通じてそれぞれ電源に接続して行
った。このとき、加熱用抵抗膜7には電圧がかからない
ようにした。
【0217】続いて、活性化工程を施した。真空チャン
バー85には、ガス導入用バルブ90を介して活性化物
質の入ったアンプル91が接続されている。本実施例で
は該活性化物質としてアセトンを用いた。上記バルブ9
0とゲートバルブ88を調節してアセトンを導入し、圧
力を1.3×10-2Paとした。続いて、上記のフォー
ミング工程と同様に不図示の電気回路によりパルス電圧
を印加し、各行毎に活性化処理を行った。これに用いた
パルスの波形は、実施例1と同様のものである。
【0218】活性化工程が終了した後、アセトンの導入
を停止、不図示のヒーターにより真空容器82を約20
0℃に保持し、ゲートバルブ88を全開にして排気を行
った。5時間後には圧力は1.3×10-4Paに到達
し、Q−mass87によりアセトンは残留していない
ことが確認された。
【0219】ヒーターをオフにして、画像表示装置81
を冷却した後、電子源83から電子を放出させ、画像形
成部材(蛍光体膜)の全面を発光させて、正常に動作す
ることを確認した後、排気管84をバーナーで熱して封
じきった。最後に画像表示装置81に配置されたゲッタ
ーを高周波加熱法により加熱して、蒸着膜を形成した。
ゲッターはBa等を主成分とするもので、該蒸着膜の吸
着作用により、真空容器82内部の真空を維持する作用
を持つものである。
【0220】本実施例の画像表示装置により画像表示を
行う場合、電子源の各素子行に順次電圧を印加すること
により、「行選択」を行い、その行に属するすべての電
子放出素子から電子ビームを放出させ、素子行と直交す
る各グリッド電極の電位を調整することで電子ビームの
通過のオン−オフ制御を行い、所望の画素に電子ビーム
を照射し発光させる。
【0221】特性評価のための測定においては、電子ビ
ームのオン−オフ制御をする必要はないので、グリッド
電極への電圧印加は行わず、各素行への電圧の順次印加
のみを行う。なお、フェースプレートのメタルバックに
は、電子の加速のための高電圧Hv=4kVを印加す
る。各素子に印加される電圧は図6(a)に示すような
矩形波パルスで、波高値14V、パルス幅100μse
c.、パルス間隔10msec.である。なお、各素子
行に印加されるパルスのオンになる期間が重ならないよ
う、タイミングをずらしたパルスが印加される。
【0222】同時に加熱用抵抗膜7と活性化物質源8か
らなる活性化物質供給手段にも矩形波パルスが印加され
る。このパルス波高値は5V、パルス幅は50μse
c.で、パルス間隔は素子の駆動用パルスと同じく10
msec.である。両方のパルスが1/2周期ずれて印
加されるようにタイミングを調整した。なお、上記のパ
ルスの幅は、長くすると電子放出特性が大きく変化して
しまい好ましくない。これは、活性化物質が過剰に供給
されるためであると考えられる。従って、画像形成装置
の形状などの設計を変更する場合には、パルス幅などを
適当な量の活性化物質を供給するように制御することが
必要である。
【0223】測定開始時のIf,Ieの平均値は、1素
子当たりIf(0)=1.8mA,Ie(0)=2.4
μAで電子放出効率η(0)は0.13%であった。ま
た、1時間駆動後のIf,Ieの減少率は、δIf(1
hour)=5%,δIe(1huor)=7%であっ
た。
【0224】(実施例6)実施例5と同様にして作成し
た画像表示装置を、活性化物質供給手段に電圧を印加す
ることなく駆動し、特性を評価した。他の条件は実施例
5と同様である。なお、ゲッターは余分に配置してお
き、この余分のゲッターは排気管の封止時には使用しな
かった。
【0225】測定開始時の特性は実施例5とほぼ同様で
あった。1時間駆動後のIf,Ieの減少率は、δIf
(1hour)=22%,δIe(1huor)=24
%であった。
【0226】この後、フェースプレートのメタルバック
に印加する電圧Hvを切り、活性化物質供給手段にパル
スを印加しながら、電子放出素子を駆動する。電子放出
素子に印加する電圧は測定の際と同様で、活性化物質供
給手段には、波高値5V、パルス幅200μsec.、
パルス間隔10msec.の矩形波パルスを印加、両方
のパルスが同時にオンにならないよう、1/2周期ずら
すようにタイミングを調整した。この処理を3分間行
い、残りのゲッターの一部を高周波加熱して、再度ゲッ
ター処理を行った後、上記と同様の測定を行ったとこ
ろ、If=1.6mA,Ie=2.2μAとなり、特性
が回復していることが確かめられた。
【0227】(実施例7)本実施例は、基板上に複数の
表面伝導型電子放出素子を配置し、マトリクス状に配線
した電子源、並びに該電子源を蛍光体などからなる画像
形成部材とともにガラスの真空容器に封入した画像形成
装置である。本電子源の構成は図24に、画像表示装置
の構成は図25にそれぞれ模式的に示す。電子放出素子
の数は、X方向、Y方向ともに100個である。
【0228】本実施例の製造方法を図26〜図29を用
いて説明する。
【0229】図26は、本実施例の電子源の構成を部分
的に拡大して示した模式図(平面図)である。図27
は、図26のA−A’に沿った断面の構造を示す模式図
である。図26における符号24は、一対の素子電極と
電子放出部を含む導電性膜よりなる表面伝導型電子放出
素子である。また、22は下配線(X方向配線)、23
は上配線(Y方向配線)である。
【0230】(A)清浄化した青板ガラス上に厚さ0.
5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板2
1上に、真空蒸着により、厚さ5nmのCr、厚さ60
0nmのAuを順次積層した後、フォトレジスト(AZ
1370・ヘキスト社製)をスピンナーにより回転塗布
し、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像して、下
配線のパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエット
エッチングして、所望の形状の下配線22を形成した
(図28(A))。
【0231】(B)次に、厚さ1.0μmのシリコン酸
化膜からなる層間絶縁層93をRFスパッタ法により堆
積した(図28(B))。
【0232】(C)工程(B)で堆積したシリコン酸化
膜にコンタクトホール94を形成するためのフォトレジ
ストパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層9
3をエッチングしてコンタクトホール94を形成した。
エッチングはCF4 とO2 ガスを用いたRIE(Rea
ctive・Ion・Etching)法によった(図
28(C))。
【0233】(D)その後、素子電極2,3と素子電極
間ギャップGとなるべきパターンをフォトレジスト(R
D−2000N−41・日立化成社製)で形成し、真空
蒸着法により、厚さ5nmのTi、厚さ100nmのN
iを順次堆積した。フォトレジストパターンを有機溶剤
で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極
間隔3μm、幅300μmの素子電極2,3を形成した
(図28(D))。
【0234】(E)素子電極2,3の上に上配線23の
フォトレジストパターンを形成した後、厚さ5nmのT
i、厚さ500nmのAuを順次真空蒸着により堆積
し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の形
状の上配線23を形成した(図29(E))。
【0235】(F)実施例1の(k)と同様の手順で導
電性膜4を形成した(図29(F))。
【0236】(G)コンタクトホール94部分以外にレ
ジストパターンを形成し、真空蒸着により厚さ5nmの
Ti、厚さ500nmのAuを順次堆積した。リフトオ
フにより不要の部分を除去することにより、コンタクト
ホール94を埋め込んだ。
【0237】この様にして作成した電子源用基板を用い
て画像形成装置を構成した。図25を用いて説明する。
【0238】(H)電子源用基板21をリアプレート3
1上に固定した後、基板21の5mm上方に、フェース
プレート36(ガラス基板33の内面に蛍光膜34とメ
タルバック35が形成されて構成される)を支持枠32
を介して配置し、フェースプレート36、支持枠32、
リアプレート31の接合部にフリットガラスを塗布し、
窒素雰囲気中で400℃で10分以上焼成することで封
着した。またリアプレート31への基板21の固定もフ
リットガラスで行った。
【0239】蛍光膜34は、モノクロームの場合は蛍光
体のみからなるが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状(図12(a)参照)を採用し、先にブラックストラ
イプを形成し、その間隙部に各色蛍光体を塗布して蛍光
膜34を作製した。ブラックストライプの材料として
は、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料を
用いた。ガラス基板33に蛍光体を塗布する方法として
はスラリー法を用いた。
【0240】また、蛍光膜34の内面側にはメタルバッ
ク35を設けた。メタルバック35は、蛍光膜34の作
製後、蛍光膜34の内面側表面の平滑化処理を行い、そ
の後、Alを真空蒸着することで作製した。
【0241】フェースプレート36には、更に蛍光膜3
4の導電性を高めるため、蛍光膜34の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバック35のみで十分な導電性が得られたの
で省略した。
【0242】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と表面伝導型電子放出素子とを対応させなくては
いけないため、十分な位置合わせを行った。以上のよう
にして外囲器(真空容器)37を得た。
【0243】なお、図30に示すように、外囲器37に
は、連絡管106を介してガラス容器105が取り付け
られ、該ガラス容器105内には活性化物質源8が内包
されている。本実施例では、活性化物質源8としてソー
プションポンプの吸着剤などに用いられるモレキュラー
シープにn−ドデカンを吸着させたものを用いた。尚、
連絡管106には必要に応じて開閉可能なバルブ40が
取り付けられている。
【0244】(I)以上のようにして完成した画像表示
装置を実施例5と同様に図23に示した真空装置によっ
て排気した。また、図31に示すように、Y方向配線2
3を共通結線して1ライン毎にフォーミング処理を行
う。図31中、101はY方向配線23を共通結線した
共通電極、102は電源、103は電流測定用抵抗、1
04は電流をモニタするためのオシロスコープである。
【0245】フォーミング処理に用いたパルス波形は実
施例1と同様のもので、抵抗測定用パルスも同様に挿入
し、抵抗値を測定しながら処理を行った。抵抗値が10
kΩを超えたところで電圧印加を停止し、次のラインの
フォーミングに移った。これを繰り返し、すべてのライ
ンのフォーミングを完了した。
【0246】(J)続いて、活性化処理を行った。活性
化物質の供給は、バルブ40を開き、ガラス容器105
をHe−Neレーザーの照射によって加熱し、n−ドデ
カンの蒸気を真空容器37内に放出させることにより行
った。電圧の印加は上記(I)と同様に1ライン毎に行
い、その他の条件は実施例5と同様とした。
【0247】(K)活性化工程終了後、バルブ40を閉
じた後に、実施例5と同様に真空容器内を排気し、動作
を確認した後、排気管を封じきり、最後にゲッター処理
を施した。
【0248】本実施例の画像表示装置の特性評価を行っ
た。本装置により画像を表示する場合は、単純マトリク
ス駆動により各画素に対応する電子放出素子から電子ビ
ームを放出させるが、特性評価が目的であるので、フォ
ーミング・活性化処理と同様の結線方法により、各ライ
ン毎に一斉に電子放出を行わせるようにした。
【0249】すなわち、X方向配線にそれぞれ図6
(a)に示すような矩形波パルスが印加される。このパ
ルスは、波高値14V、パルス幅100μsec.、パ
ルス間隔10msec.である。各X方向配線に印加さ
れるパルスは、隣り合う配線の間でパルス幅と同じ10
0μsec.づつずれるように制御した。
【0250】電子源とフェースプレートのメタルバック
との間には、電子ビームの加速のため4kVの電圧を印
加した。
【0251】本実施例の構成をとることにより、真空排
気装置の活性化物質導入用の大掛かりな部品は不要とな
り、製造装置と製造工程が簡易化された。
【0252】(実施例8)実施例7と同様に、活性化工
程までを行った。なお、図30に示したように、真空容
器37とガラス容器105をつなぐ連絡管106には、
必要に応じて開閉可能なバルブ40を取り付けた。バル
ブ40を閉じて真空容器37を加熱しながら内部を排気
した後、バーナーで排気管を封じきった。この後、高周
波加熱によりゲッター処理を行った。ただし、ゲッター
は余分に配置しておき、この余分のゲッターはこの時に
は使用しなかった。
【0253】この画像形成装置を実施例7と同様に駆動
し、電子放出特性の劣化を確認した後、回復を試みた。
すなわち、連絡管106に取り付けたバルブ40を開
き、上記ガラス容器に活性化工程と同様にレーザーを照
射して加熱し、n−ドデカンを真空容器37内に再度送
り込んだ後、活性化工程と同様に電子放出素子に電圧を
印加した。バルブ40を閉じた後、残りのゲッターの一
部を高周波加熱して再度ゲッター処理を施した。この
後、再度特性の測定を行ったところ、ほぼ初期の特性に
回復していることが確かめられた。
【0254】(実施例9)実施例8と同様の画像表示装
置を形成した。ただし、本実施例では上記ガラス容器1
05内にW(CO)6 を入れた。実施例7と同様の手順
で活性化処理を行った後、バルブ40を閉じ、真空容器
37を200℃に加熱しながら排気した。このとき、W
(CO)6 を入れたガラス容器105が加熱されないよ
うに、該ガラス容器105に低温の窒素ガスを吹き付け
冷却しながら排気を行った。排気が完了したところで、
排気管をバーナーで封じきり、ゲッター処理を施した。
【0255】以上のようにして形成された画像表示装置
の電子放出特性を、実施例7と同様の方法で測定した。
測定開始時の特性は、1素子あたりの平均値で、If
(0)=1.8mA,Ie(0)=2.0μAで、電子
放出効率はη(0)=0.11%であった。
【0256】その後の特性の変化は、炭素化合物を堆積
させた場合とは、若干異なる。測定開始から30分程度
の間にIf,Ieの低下が観測されたが、その後は低下
の仕方が穏やかになり、その割合は実施例8の場合と比
べると、極めて小さい。
【0257】この理由は、炭素・炭素化合物が堆積した
素子の場合は、電子放出に伴って発生する熱等のため
に、堆積物が蒸発するなどして失われたり、場合によっ
ては電子放出部近傍の導電性膜が変形して、電子の放出
される点が消失してしまうなどがして特性の低下が起こ
るのに対し、本実施例では、電子放出部にWが堆積し、
これが高融点物質であるため、消失したり、変形したり
しにくいためではないかと想像される。初期に起こる特
性の低下は、W堆積膜の表面に、画像表示装置の真空容
器内に残留するH2 やCOが吸着することにより、表面
の仕事関数などが変化して、電子放出が起こりにくくな
るためではないかと推測している。
【0258】電子放出特性の初期の低下がほぼ収まった
ところで、フェースプレートのメタルバックに印加して
いた高電圧を切り、バルブ40を開き、ガラス容器10
5を加熱して活性化処理の際と同様のパルス電圧を電子
放出素子に印加した。パルス印加は30秒間続けた後、
停止した。バルブ40を閉じた後、再度ゲッター処理を
施した。
【0259】この後、再び特性の測定を行ったところ、
元の値に回復し、その後の特性の低下は初めの約半分と
なった。この処理により、電子放出部のW堆積物の表面
に、再び清浄面が形成された結果と推測される。特性の
低下が小さくなる原因は良く分からないが、吸着される
ガスの残留量が少なくなったことが一因ではないかと想
像している。
【0260】本実施例により、金属化合物を活性化物質
として用いる場合にも本発明が適用可能であり、活性化
処理の装置と工程の簡略化が可能であり、またあ、特性
回復処理も同様に可能であることが示された。
【0261】(実施例10)図32は、実施例9の画像
表示装置(ディスプレイパネル)201を、例えばテレ
ビジョン放送をはじめとする種々の画像情報源より提供
される画像情報を表示できるように構成した本発明の画
像表示装置の一例を示す図である。
【0262】図中201はディスプレイパネル、100
1はディスプレイパネルの駆動回路、1002はディス
プレイコントローラ、1003はマルチプレクサ、10
04はデコーダ、1005は入出力インターフェース回
路、1006はCPU、1007は画像生成回路、10
08,1009及び1010は画像メモリインターフェ
ース回路、1011は画像入力インターフェース回路、
1012及び1013はTV信号受信回路、1014は
入力部である。
【0263】尚、本表示装置は、例えばテレビジョン信
号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信
する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生する
ものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報
の受信、分離、再生、処理、記憶などに関する回路やス
ピーカーなどについては説明を省略する。
【0264】以下、画像信号の流れに沿って各部を説明
してゆく。
【0265】先ず、TV信号受信回路1013は、例え
ば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝
送されるTV画像信号を受信するための回路である。
【0266】受信するTV信号の方式は特に限られるも
のではなく、例えば、NTSC方式、PAL方式、SE
CAM方式などの諸方式でも良い。また、これらよりさ
らに多数の走査線よりなるTV信号、例えばMUSE方
式をはじめとするいわゆる高品位TVは、大面積化や大
画素数化に適した前記ディスプレイパネル201の利点
を生かすのに好適な信号源である。
【0267】TV信号受信回路1013で受信されたT
V信号は、デコーダ1004に出力される。
【0268】画像TV信号受信回路1012は、例えば
同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送系を
用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回路で
ある。前記TV信号受信回路1013と同様に、受信す
るTV信号の方式は特に限られるものではなく、また本
回路で受信されたTV信号もデコーダ1004に出力さ
れる。
【0269】画像入力インターフェース回路1011
は、例えばTVカメラや画像読取スキャナーなどの画像
入力装置から供給される画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ1004に出力さ
れる。
【0270】画像メモリインターフェース回路1010
は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)に記
憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込
まれた画像信号はデコーダ1004に出力される。
【0271】画像メモリインターフェース回路1009
は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込
むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ10
04に出力される。
【0272】画像メモリーインターフェース回路100
8は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像デー
タを記憶している装置から画像信号を取り込むための回
路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ1004
に出力される。
【0273】入出力インターフェース回路1005は、
本表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータネッ
トワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続する
ための回路である。画像データや文字・図形情報の入出
力を行なうのはもちろんのこと、場合によっては本表示
装置の備えるCPU1006と外部との間で制御信号や
数値データの入出力などを行なうことも可能である。
【0274】画像生成回路1007は、前記入出力イン
ターフェース回路1005を介して外部から入力される
画像データや文字・図形情報や、或いはCPU1006
より出力される画像データや文字・図形情報に基づき表
示用画像データを生成するための回路である。本回路の
内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積す
るための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する
画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、
画像処理を行なうためのプロセッサなどをはじめとして
画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0275】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ1004に出力されるが、場合によっては
前記入出力インターフェース回路1005を介して外部
のコンピュータネットワークやプリンターに出力するこ
とも可能である。
【0276】CPU1006は、主として本表示装置の
動作制御や、表示画像の生成、選択、編集に関わる作業
を行なう。
【0277】例えば、マルチプレクサ1003に制御信
号を出力し、ディスプレイパネル201に表示する画像
信号を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その
際には表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコ
ントローラ1002に対して制御信号を発生し、画面表
示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンイン
ターレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動
作を適宜制御する。また、前記画像生成回路1007に
対して画像データや文字・図形情報を直接出力したり、
或いは前記入出力インターフェース回路1005を介し
て外部のコンピュータやメモリをアクセスして画像デー
タや文字・図形情報を入力する。
【0278】尚、CPU1006は、むろんこれ以外の
目的の作業にも関わるものであっても良い。例えば、パ
ーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのよう
に、情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良
い。或いは前述したように、入出力インターフェース回
路1005を介して外部のコンピューターネットワーク
と接続し、例えば数値計算などの作業を外部機器と協同
して行なっても良い。
【0279】入力部1014は、前記CPU1006に
使用者が命令やプログラム、或いはデータなどを入力す
るためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、
ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認識装置
など多様な入力機器を用いることが可能である。
【0280】デコーダ1004は、前記1007ないし
1013より入力される種々の画像信号を3原色信号、
または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回
路である。尚、同図中に点線で示すように、デコーダ1
004は内部に画像メモリを備えるのが望ましい。これ
は、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するに
際して画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱う
ためである。
【0281】画像メモリを備えることにより、静止画の
表示が容易になる。或いは前記画像生成回路1007及
びCPU1006と協同して画像の間引き、補間、拡
大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易に
なるという利点が得られる。
【0282】マルチプレクサ1003は前記CPU10
06より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜選
択するものである。即ち、マルチプレクサ1003はデ
コーダ1004から入力される逆変換された画像信号の
うちから所望の画像信号を選択して駆動回路1001に
出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号
を切り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレ
ビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によって
異なる画像を表示することも可能である。
【0283】ディスプレイパネルコントローラ1002
は、前記CPU1006より入力される制御信号に基づ
き駆動回路1001の動作を制御するための回路であ
る。
【0284】ディスプレイパネル201の基本的な動作
に関わるものとして、例えばディスプレイパネル201
の駆動用電源(不図示)の動作シーケンスを制御するた
めの信号を駆動回路1001に対して出力する。ディス
プレイパネル201の駆動方法に関わるものとして、例
えば画面表示周波数や走査方法(例えばインターレース
かノンインターレースか)を制御するための信号を駆動
回路1001に対して出力する。また、場合によって
は、表示画像の輝度、コントラスト、色調、シャープネ
スといった画質の調整に関わる制御信号を駆動回路10
01に対して出力する場合もある。
【0285】駆動回路1001は、ディスプレイパネル
201に印加する駆動信号を発生するための回路であ
り、前記マルチプレクサ1003から入力される画像信
号と、前記ディスプレイパネルコントローラ1002よ
り入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0286】以上、各部の機能を説明したが、図32に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル2
01に表示することが可能である。即ち、テレビジョン
放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ1004
において逆変換された後、マルチプレクサ1003にお
いて適宜選択され、駆動回路1001に入力される。一
方、ディスプレイコントローラ1002は、表示する画
像信号に応じて駆動回路1001の動作を制御するため
の制御信号を発生する。駆動回路1001は、上記画像
信号と制御信号に基づいてディスプレイパネル201に
駆動信号を印加する。これにより、ディスプレイパネル
201において画像が表示される。これらの一連の動作
は、CPU1006により統括的に制御される。
【0287】本画像形成装置においては、前記デコーダ
1004に内蔵する画像メモリや、画像生成回路100
7及びCPU1006が関与することにより、単に複数
の画像情報の中から選択したものを表示するだけでな
く、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回
転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の
縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合成、消
去、接続、入れ替え、はめ込みなどをはじめとする画像
編集を行なうことも可能である。また、本実施例の説明
では、特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と
同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための
専用回路を設けても良い。
【0288】従って、本画像形成装置は、テレビジョン
放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び
動画像を扱う画像編集機器、コンピューターの端末機
器、ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、
ゲーム機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、
産業用或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0289】尚、図32は、表面伝導型電子放出素子を
電子ビーム源とする表示パネルを用いた画像形成装置と
する場合の構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像
形成装置がこれのみに限定されるものでないことは言う
までもない。
【0290】例えば図32の構成要素の内、使用目的上
必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。
また、これとは逆に、使用目的によっては更に構成要素
を追加しても良い。例えば、本画像形成装置をテレビ電
話機として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイ
ク、照明機、モデムを含む送受信回路などを構成要素に
追加するのが好適である。
【0291】本画像形成装置においては、とりわけ本発
明によるディスプレイパネル201の薄型化が容易なた
め、表示装置の奥行きを小さくすることができる。それ
に加えて、大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも
優れるため、臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良
く表示することが可能である。
【0292】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子放出素子の劣化の抑制、ないし特性の回復処理が可
能となり、これを応用した装置の長寿命化をすすめるこ
とが可能となった。
【0293】また、画像表示装置などに適用した場合、
工程の簡素化、製造装置の簡略化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子源の構成の一例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の電子源の構成の別の一例を示す模式図
である。
【図3】本発明の電子源の構成のさらに別の一例を示す
模式図である。
【図4】本発明の電子源の製造方法を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の電子源、画像形成装置の製造及び特性
の測定の際に用いるパルス電圧の波形の説明図である。
【図6】本発明の電子源、画像形成装置の製造及び特性
の測定の際に用いるパルス電圧の波形の説明図である。
【図7】表面伝導型電子放出素子の特性を測定する装置
の構成を示す模式図である。
【図8】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の特性を
示す模式図である。
【図9】本発明の電子源の構成の一例を示す模式図であ
る。
【図10】本発明の画像表示装置の構成の一例を示す模
式図である。
【図11】画像表示装置内のゲッター配置の一例を示す
模式図である。
【図12】本発明の画像表示装置に用いる蛍光膜の構成
を示す模式図である。
【図13】本発明の画像形成装置の電気回路の構成の一
例を示すブロック図である。
【図14】本発明の電子源の構成の別の一例を示す模式
図である。
【図15】本発明の画像表示装置の構成の別の一例を示
す模式図である。
【図16】実施例1の電子源の構成を示す模式的平面図
である。
【図17】実施例1の電子源の構成を示す模式的断面図
である。
【図18】実施例1の電子源の製造方法を説明する模式
図である。
【図19】実施例1の電子源の製造方法を説明する模式
図である。
【図20】実施例3の電子源の製造方法を説明する模式
図である。
【図21】実施例4の電子源の構成を示す模式図であ
る。
【図22】実施例5の電子源の製造方法を説明する模式
図である。
【図23】実施例5の画像形成装置の製造に用いる処理
装置の構成を示す模式図である。
【図24】実施例7の電子源の構成を示す模式図であ
る。
【図25】実施例7の画像形成装置の構成を示す模式図
である。
【図26】実施例7の電子源の構成を示す模式図(部分
図)である。
【図27】実施例7の電子源の構成を示す模式図(断面
図)である。
【図28】実施例7の電子源の製造方法を説明する模式
図である。
【図29】実施例7の電子源の製造方法を説明する模式
図である。
【図30】実施例7の画像形成装置の構成を示す模式図
である。
【図31】マトリクス配線の電子源のフォーミング処
理、活性化処理、特性測定の際の結線を示す模式図であ
る。
【図32】実施例9の画像表示装置を用いた応用例(実
施例10)の構成を示すブロック図である。
【図33】従来の表面伝導型電子放出素子の構成を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 導電性膜 5 電子放出部 6 活性化物質供給用電極 7 加熱用抵抗膜 8 活性化物質源 9 絶縁層 10 段差形成用部材 11 表面伝導型電子放出素子に素子電圧Vfを印加す
るための電源 12 導電性膜4を流れる素子電流Ifを測定するため
の電流計 13 電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定
するための電流計 14 アノード電極15に電圧を印加するための高圧電
源 15 電子放出部5より放出される電子を捕捉するため
のアノ−ド電極 16 真空容器 17 排気ポンプ 21 電子源基板 22 X方向配線 23 Y方向配線 24 表面伝導型電子放出素子 25 結線 26 活性化物質供給用配線 27 活性化物質供給手段 28 ゲッター 29 飛散防止壁 31 リアプレ−ト 32 支持枠 33 ガラス基板 34 蛍光膜 35 メタルバック 36 フェ−スプレ−ト 37 外囲器 38 黒色導電材 39 蛍光体 40 バルブ 41 表示パネル 42 走査回路 43 制御回路 44 シフトレジスタ 45 ラインメモリ 46 同期信号分離回路 47 変調信号発生器 Va 直流電圧源 Vx 直流電圧源 51 電子源基板 52 電子放出素子 53 共通配線 54 活性化物質供給手段 55 活性化物質供給用配線 56 導電性膜のパターンに対応する開口 57 Crマスク 61 グリッド電極 62 電子通過口 63 共通配線の容器外端子 64 グリッドの容器外端子 65 活性化物質供給用配線の容器外端子 71 フォトレジスト層 72 素子電極の形状に対応する開口 73 Ni膜 74 Cr膜 75 フォトレジスト層 76 活性化物質源の形状に対応する開口 77 PVA層 81 画像表示装置 82 真空容器(外囲器) 83 電子源 84 排気管 85 真空チャンバー 86 圧力計 87 Q−mass 88 ゲートバルブ 89 排気装置 90 ガス導入用バルブ 91 アンプル 93 層間絶縁層 94 コンタクトホール 101 共通電極 102 電源 103 電流測定用抵抗 104 オシロスコープ 105 ガラス容器 106 連絡管 201 ディスプレイパネル201 1001 ディスプレイパネル201の駆動回路 1002 ディスプレイコントローラ 1003 マルチプレクサ 1004 デコーダ 1005 入出力インターフェース回路 1006 CPU 1007 画像生成回路 1008,1009,1010 画像メモリインターフ
ェース回路 1011 画像入力インターフェース回路 1012,1013 TV信号受信回路 1014 入力部

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子を有する電子源において、 前記電子源が、前記電子放出素子に活性化物質を供給す
    るための活性化物質供給手段を備えることを特徴とする
    電子源。
  2. 【請求項2】 前記活性化物質は、前記電子放出素子に
    付与されることにより該電子放出素子の放出電子量を増
    加する物質であることを特徴とする請求項1に記載の電
    子源。
  3. 【請求項3】 前記活性化物質供給手段は、前記電子放
    出素子が配置された基板上に配置されていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の電子源。
  4. 【請求項4】 前記活性化物質供給手段は、活性化物質
    源と、該活性化物質源から活性化物質を気化させる手段
    とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の電子源。
  5. 【請求項5】 前記活性化物質を気化させる手段は、前
    記活性化物質源に電子を衝突させる手段を有することを
    特徴とする請求項4に記載の電子源。
  6. 【請求項6】 前記活性化物質を気化させる手段は、前
    記活性化物質源を加熱する手段を有することを特徴とす
    る請求項4に記載の電子源。
  7. 【請求項7】 前記活性化物質源を加熱する手段は、前
    記活性化物質源に近接配置された抵抗体と、該抵抗体に
    通電する手段とを有することを特徴とする請求項6に記
    載の電子源。
  8. 【請求項8】 前記電子放出素子を複数有することを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子源。
  9. 【請求項9】 前記電子放出素子が、電極間に、電子放
    出部を有する導電性膜を備える電子放出素子であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子源。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    かに記載の電子源。
  11. 【請求項11】 電子放出素子を有する電子源と、該電
    子源からの電子線の照射により画像を形成する画像形成
    部材とを有する画像形成装置において、 前記画像形成装置が、前記電子放出素子に活性化物質を
    供給するための活性化物質供給手段を備えることを特徴
    とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記活性化物質は、前記電子放出素子
    に付与されることにより該電子放出素子の放出電子量を
    増加する物質であることを特徴とする請求項11に記載
    の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記活性化物質供給手段は、前記電子
    放出素子が配置された基板上に配置されていることを特
    徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記活性化物質供給手段は、前記電子
    源及び前記画像形成部材が内包された外囲器に付設され
    ていることを特徴とする請求項11又は12に記載の画
    像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記活性化物質供給手段は、活性化物
    質源と、該活性化物質源から活性化物質を気化させる手
    段とを有することを特徴とする請求項11〜14のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記活性化物質を気化させる手段は、
    前記活性化物質源に電子を衝突させる手段を有すること
    を特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記活性化物質を気化させる手段は、
    前記活性化物質源を加熱する手段を有することを特徴と
    する請求項15に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記活性化物質源を加熱する手段は、
    前記活性化物質源に近接配置された抵抗体と、該抵抗体
    に通電する手段とを有することを特徴とする請求項17
    に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 更に、ゲッタを備えることを特徴とす
    る請求項11〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記電子放出素子を複数有することを
    特徴とする請求項11〜19のいずれかに記載の画像形
    成装置。
  21. 【請求項21】 前記電子放出素子が、電極間に、電子
    放出部を有する導電性膜を備える電子放出素子であるこ
    とを特徴とする請求項11〜20のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項11〜21のい
    ずれかに記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記画像形成部材が、蛍光体であるこ
    とを特徴とする請求項11〜22のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  24. 【請求項24】 電子放出素子と活性化物質源とを有す
    る電子源の活性化処理方法であって、 前記活性化物質源から活性化物質を気化させ、該活性化
    物質を前記電子放出素子に付与する工程を有することを
    特徴とする電子源の活性化処理方法。
  25. 【請求項25】 前記活性化物質は、前記電子放出素子
    に付与されることにより該電子放出素子の放出電子量を
    増加する物質であることを特徴とする請求項24に記載
    の電子源の活性化処理方法。
  26. 【請求項26】 前記活性化物質の気化は、前記活性化
    物質源に電子を衝突させる工程を有することを特徴とす
    る請求項24又は25に記載の電子源の活性化処理方
    法。
  27. 【請求項27】 前記活性化物質の気化は、前記活性化
    物質源を加熱する工程を有することを特徴とする請求項
    24又は25に記載の電子源の活性化処理方法。
  28. 【請求項28】 前記活性化物質源を加熱する工程は、
    前記活性化物質源に近接配置された抵抗体に通電する工
    程を有することを特徴とする請求項27に記載の電子源
    の活性化処理方法。
  29. 【請求項29】 前記活性化物質源を加熱する工程は、
    前記活性化物質源に光を照射する工程を有することを特
    徴とする請求項27に記載の電子源の活性化処理方法。
  30. 【請求項30】 前記電子源が、前記電子放出素子を複
    数有する電子源であることを特徴とする請求項24〜2
    9のいずれかに記載の電子源の活性化処理方法。
  31. 【請求項31】 前記電子放出素子が、電極間に、電子
    放出部を有する導電性膜を備える電子放出素子であるこ
    とを特徴とする請求項24〜30のいずれかに記載の電
    子源の活性化処理方法。
  32. 【請求項32】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項24〜31のい
    ずれかに記載の電子源の活性化処理方法。
  33. 【請求項33】 前記活性化物質を前記電子放出素子に
    付与する工程は、前記電子源を駆動しながら行われるこ
    とを特徴とする請求項24〜32のいずれかに記載の電
    子源の活性化処理方法。
  34. 【請求項34】 前記活性化物質を前記電子放出素子に
    付与する工程は、前記電子放出素子の特性劣化に際して
    行われることを特徴とする請求項24〜32のいずれか
    に記載の電子源の活性化処理方法。
  35. 【請求項35】 電子放出素子を有する電子源と、該電
    子源からの電子線の照射により画像を形成する画像形成
    部材と、活性化物質源とを備える画像形成装置の活性化
    処理方法であって、 前記活性化物質源から活性化物質を気化させ、該活性化
    物質を前記電子放出素子に付与する工程を有することを
    特徴とする画像形成装置の活性化処理方法。
  36. 【請求項36】 前記活性化物質は、前記電子放出素子
    に付与されることにより該電子放出素子の放出電子量を
    増加する物質であることを特徴とする請求項35に記載
    の画像形成装置の活性化処理方法。
  37. 【請求項37】 前記活性化物質の気化は、前記活性化
    物質源に電子を衝突させる工程を有することを特徴とす
    る請求項35又は36に記載の画像形成装置の活性化処
    理方法。
  38. 【請求項38】 前記活性化物質の気化は、前記活性化
    物質源を加熱する工程を有することを特徴とする請求項
    35又は36に記載の画像形成装置の活性化処理方法。
  39. 【請求項39】 前記活性化物質源を加熱する工程は、
    前記活性化物質源に近接配置された抵抗体に通電する工
    程を有することを特徴とする請求項38に記載の画像形
    成装置の活性化処理方法。
  40. 【請求項40】 前記活性化物質源を加熱する工程は、
    前記活性化物質源に光を照射する工程を有することを特
    徴とする請求項38に記載の画像形成装置の活性化処理
    方法。
  41. 【請求項41】 前記活性化物質を前記電子放出素子に
    付与する工程の後に、更に、ゲッタを活性化する工程を
    有することを特徴とする請求項35〜40のいずれかに
    記載の画像形成装置の活性化処理方法。
  42. 【請求項42】 前記電子源が、前記電子放出素子を複
    数有する電子源であることを特徴とする請求項35〜4
    1のいずれかに記載の画像形成装置の活性化処理方法。
  43. 【請求項43】 前記電子放出素子が、電極間に、電子
    放出部を有する導電性膜を備える電子放出素子であるこ
    とを特徴とする請求項35〜42のいずれかに記載の画
    像形成装置の活性化処理方法。
  44. 【請求項44】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項35〜43のい
    ずれかに記載の画像形成装置の活性化処理方法。
  45. 【請求項45】 前記活性化物質を前記電子放出素子に
    付与する工程は、前記電子源を駆動しながら行われるこ
    とを特徴とする請求項35〜44のいずれかに記載の画
    像形成装置の活性化処理方法。
  46. 【請求項46】 前記活性化物質を前記電子放出素子に
    付与する工程は、前記電子放出素子の特性劣化に際して
    行われることを特徴とする請求項35〜44のいずれか
    に記載の画像形成装置の活性化処理方法。
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