JP4544518B2 - 電界励起型発光素子及び画像表示装置 - Google Patents

電界励起型発光素子及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、電界励起型発光素子及び画像表示装置に関するものである。
発光素子としては、電界励起型発光素子と電流注入型発光素子がある。PN接合を有した発光ダイオードやレーザダイオードは、電流注入型発光素子であり、交流駆動型無機ELは電界励起型発光素子であり、その動作原理が異なる。一般的な無機ELはガラス基板上に電極層、第1絶縁層、発光層、第2絶縁層、電極層を積層した2重絶縁構造を有し、発光層に高電界を印加することにより発光が得られる。
このような発光素子を適用したフラットパネルディスプレイ(FPD)が注目されている。FPDは、適用される発光素子の種類から、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機EL)、無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(無機EL)、発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)等、が挙げられる。
発光ダイオードは、低電圧駆動が可能であり、安定性にも優れるが、結晶成長に高温プロセスが必要であるため、ガラス基板やプラスチック基板上への形成は困難である。そのため、ディスプレイとしてはその適用範囲が限られている。
有機ELディスプレイは、低電圧駆動が可能であり、ガラス基板やプラスチック基板上への形成が可能であるが、信頼性や耐久性の点で課題がある。
無機ELディスプレイは、大面積のディスプレイ作成が比較的容易であり、高い使用環境耐性が期待できるが、現状では、駆動電圧が高いことが課題となっている。最近では、特許文献1において、発光効率の向上に向けて、量子サイズの薄膜層として交互積層膜やポーラス層を適用した薄膜EL素子が技術開示されている。
特開2002−280185号公報
このような技術的背景により、本発明は、発光効率、安定性、製造コストなどに優れた新規な電界励起型発光素子を提供するものである。特に、環境耐性に優れた酸化物を主構成要素とする発光素子を提供するものである。また、この様な電界励起型発光素子を用いた画像表示装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、基板上に、第1の電極である第1の電極層と、第2の電極である第2の電極層と、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に挟まれた位置に配した第1の誘電率からなる第1の部位である発光層と、前記第1の電極層と前記発光層との間に挟まれた位置に配され、第2の誘電率からなる第2の部位と第3の誘電率からなる第3の部位とを備えた微細構造層と、を有し、前記第1の部位、前記第2の部位、前記第3の部位が互いに接した3重点部位を備え、前記3重点部位の電位よりも前記第1の部位の電位が高電位となるときに、前記第1の部位において発光が生じることを特徴とする電界励起
型発光素子である。
特に、該第1の電極と該第2の電極は、それぞれの電極面を対向して配置され、該3重点部位が該電極面に平行な閉曲線(閉じた3重線)からなること、
該閉曲線を同一面内に複数有し、該閉曲線の長さが10ナノメートル以上1ミクロン以下であることを特徴とする電界励起型発光素子である。
特に、(1)基板上に、該第1の電極である第1の電極層と、該第2の電極である第2の電極層と、第1の電極層と第2の電極層の間に挟まれた位置に配した発光層(前記第1の部位)と、第1の電極層と発光層の間に挟まれた位置に配した微細構造層を有し、該微細構造層は、前記第2の部位と前記第3の部位を有し、第2の部位の誘電率>発光層(第1の部位)の誘電率>第3の部位の誘電率であること、(2)基板上に、該第1の電極である第1の電極層と、該第2の電極である第2の電極層と、第1の電極層と第2の電極層の間に挟まれた位置に配した絶縁層(前記第1の部位)と、第1の電極層と絶縁層の間に挟まれた位置に配した微細構造層を有し、該微細構造層は、発光部(前記第2の部位)と前記第3の部位を有し、発光部(第2の部位)の誘電率>絶縁層(第1の部位)の誘電率>第3の部位の誘電率であること、(3)さらには、第1の部位及び第2の部位及び第3の部位が酸化物からなることを特徴とする電界励起型発光素子である。
また、本発明は、前記電界励起型発光素子を用いた画像表示装置である。
本発明の構成及び製法により、発光面における発光均一性に優れ、比較的に低電圧で安定した駆動が可能な発光素子を実現できる。また、前記発光素子は、酸化物材料を主構成要素としているため、使用環境耐性に優れることや、環境へ負荷が少ないという特徴がある。
また、前記発光素子は、ディスプレイや印字装置、照明装置に利用することが可能である。
以下に本発明の発光素子について説明する。
図1は本発明の電界励起型発光素子の構成例を模式的に示した断面図である。
ここで、10は基板、11は電極層、12は第1の絶縁層、13は第1の微細構造層、14は発光層、15は第2の微細構造層、16は第2の絶縁層、17は透明電極層(第2の電極層)、18は電源、19は光である。
図1b)に拡大図を示すように、微細構造層は、第1の誘電率からなる部位101と第2の誘電率からなる部位102を有する。これが第3の誘電率からなる部位103である発光層と互いに接することで、3重点部位100が存在している。
透明電極層及び電極層は、それぞれ駆動用の電源18に電気的に接続される。電源は、パルス電源、AC電源などである。
このように、第1の誘電率からなる第1の部位と第2の誘電率からなる第2の部位と第3の誘電率からなる第3の部位が互いに接した3重点部位と、該3重点部位及びその近傍の電界を制御するための電圧を印加する第1および第2の電極を有し、少なくとも第1,2,3の部位のいずれかが発光部であることを特徴とする電界励起型発光素子である。
この電源18から電極に電圧を印加すると、電極間に電界が生成されるが、この3重点部位及びその近傍の電界では局所的に大きな電界強度が発生する。
すなわち、カソード(低電位側)絶縁層と微細構造層との界面準位などから注入された電子が、この3重点部位を介して効果的に加速されることで、高いエネルギーを有したホットエレクトロンが生成される。この十分なエネルギーを得たホットエレクトロンによって効果的に発光部(層)を励起されることで、効率に高い発光が可能である。発光層に注入された電子は、アノード側の絶縁層と微細構造層の間の界面準位などに捕獲される。その後逆極性の外部パルス電圧が印加されると、アノードとカソードが逆転し、逆方向であるが同じ励起、発光過程が繰り返される。
このように本発明の電界励起型発光素子は、この3重点部位及びその近傍に生じる局所的な高電界によって効果的な励起がなされ、発光が生じる。
また、本発明においては、局所的に高い電界強度を有した3重点部位を高密度に有しているため、面内に渡り均一に発光層を励起することができる。
また、多数の局所的な発光部位(3重点部位)を面内に均一に分散して配置しているため、素子の一箇所に集中してエネルギー損失されることによる素子損傷がおこりにくい。これにより信頼性と安定性に優れた発光素子とすることができる。
また、電界励起型発光素子においては、一般に発光を生じさせるためにはある閾値以上の電界強度を発生させる必要があるが、本発明においては、低い外部電圧で3重点部位にこの閾値以上の電界強度を発生させることができる。この際、3重点部位から離れた部位では、電界強度は3重点部位に比べて低い。このような構成は、低電圧での発光を可能とし、さらには過電圧に対する素子の耐久性を高める。
3重点部位について説明する。図2に示すように3重点部位とは、第1の誘電率からなる第1の部位101と第2の誘電率からなる第2の部位102と第3の誘電率からなる第3の部位103が互いに接している部位である。3重点部位としては、3つの材料が点で接する場合(3重点)と、図2a)にしめすように3つの材料が点で接する場合(3重線)がある。
先に述べたように、本発明の発光素子においては、3重点部位及びその近傍で励起、発光がなされるため、この3重点部位が高密度に配されることが好ましい。3重点部位を高密度に配することで、発光点増加に伴う輝度向上、さらには面内輝度の均一性向上をなすことができる。このような3重点部位の高密度化の観点から、3重点部位は、3つの材料が接した点(3重点)であってもよいが、図2a)にしめすように3重点がつらなって3重線を形成することが好ましい。このような3重線によって、局所的に電界強度の大きな部位を高密度に配することができる。さらには、図2b)のように、閉じた3重線100bを複数有した構成は、3重点部位の高密度化の観点から好ましい例である。
さらには、3重点部位の高密度化の観点から、図2b)における第2の誘電率からなる部位102は小さいことが好ましく、たとえば閉じた3重線の長さが1ミクロン以下となることが好ましい。
また、局所的な電界強度を大きくするためには、近接する3重線の間の間隔がある程度大きいことが好ましく、たとえば、その間隔は10ナノメートル以上であることが挙げられる。
図3には、3重点部位(3重線)の構成例を示す。図3は断面図であり、3重点部位は紙面に垂直方向に線(すなわち3重線)を成している。図1と同様に不図示の電極により上下方向に外部電圧が印加されることを想定している。(図では外部電圧の印加方向を電圧印加方向として矢印で記している)。
図3a)は、3重線に対してもっとも制限のない構成を示した図である。第1の誘電率ε1からなる第1の部位101と第2の誘電率ε2からなる第2の部位102と第3の誘電率ε3からなる第3の部位103が互いに接している。
図3b)は第1の誘電率からなる部位と第2の誘電率からなる部位の界面、さらには第1の誘電率からなる部位と第2の誘電率からなる部位の界面が略直線で構成される例である。
図3c)は第1の誘電率からなる部位と第2の誘電率からなる部位の界面、さらには第1の誘電率からなる部位と第2の誘電率からなる部位の界面が連続して直線的につながり、さらにその直線が電圧印加方向と垂直な場合である。このような構成は、図1のように第2の誘電率からなる部位と第3の誘電率からなる部位を有した微細構造層と、第1の誘電率からなる層を積層することで作成できるため、比較的作製しやすい構成ということができる。また、第2の誘電率からなる部位と第3の誘電率の間の誘電率差が比較的小さくとも、3重線近傍に比較的大きな局所電界が生じるため、好ましい例である。
図3d)は第2の誘電率からなる部位と第3の誘電率からなる部位の界面が電圧印加方向と垂直な場合である。このような構成は、第2の誘電率からなる部位と第3の誘電率の間の誘電率差が比較的小さくとも、3重線近傍に比較的大きな局所電界が生じるため、好ましい例である。
図3c)とd)の特徴を併せ持った図3e)はさらに好ましい構成である。
別の例として図3f)も挙げられる。また、ここまで、3重線は3つの材料が接する部位であったが、図3d)のように3以上の(4つの)部位が接する部位は、同等もしくはそれ以上の効果が期待できる。
図4には、図3e)の構成を例にとり、3重線近傍の電界強度を記した。図4a)b)c)はそれぞれ図に示す誘電率ε1、ε2、ε3に大小関係が異なる。
図4において矢印の大きさ、方向が、相対的な電界の強度、方向を示している。
すべての場合に対して、図4に示したように、3重線近傍において、周囲より大きな電界強度が得られる。
特に図4b)の場合には、図4a)c)に比べて3重線近傍における局所的な電界強度が強いという特徴がある。また、この電界強度の強い部分が狭く(局所性が高い)、ミクロな電界ベクトルの方向が電圧印加方向(マクロ電界方向)に対して傾くという特徴がある。この図4b)の構成は、小さな外部電圧で、局所的に強い電界強度を得ることができることから、駆動電圧の低減の観点から好ましい例の一つである。
比誘電率ε1、ε2、ε3の値はとくにこだわらず、1から数1000の間で任意の値でこだわらないが、その相対比が大きい方が、3重点部位近傍の局所的な電界強度が強くなるため、好ましい。
また、上述の3重点部位の周囲に配される第1の材料、第2の材料、第3の材料としては、誘電性の材料を有していれば、特にこだわらないが、安定した誘電性と、(発光時の)効果的な電子加速の観点から、酸化物であることが好ましい。たとえばSiO2 ,Al23 ,TiO2 ,Y23 ,Ta25 ,HfO2 ,ZrO2 ,La23 ,MgO,BaTiO3 などが挙げられる。誘電率を制御するために、これらの複合酸化物としてもよい。
本発明においては、第1、2、3の誘電率からなる部位のいずれかは、発光材料とすることができる。これにより3重点部位近傍の電界で加速された電子が効果的に、発光材料を励起することができる。
たとえば、図5a)に示すように、発光材料の層(第1の誘電率からななる部位)と、第2の誘電率からなる部位と第3の誘電率からなる部位を有した微細構造層が積層される構成が挙げられる。図1の例もこれにあたる。
本発明を説明するために参考例として、図5b)に示すように、第1の誘電率からなる層と、発光部位(第2の誘電率からなる部位)と第3の誘電率からなる部位を有した微細構造層が積層される構成が挙げられる。図5c)は図5b)において第3の誘電率からなる部位も発光部位とした例である。第1、2,3すべての部位を発光部位とすることもできる。異なる発光部位の発色をことなるものにすることで、多色混合や白色の発光素子とすることができる。
また、3重点部位近傍の強電界で加速された電子で効果的に発光材料を励起するためには、図4の強い電界を示す矢印(太い矢印)の始点に発光材料を配することが好ましい。すなわち、先に好ましい例としてあげた図4b)の場合を例にあげれば、ε1を発光材料とする図5a)の配置が好ましい。一方で、電圧印加方向を逆にした場合には、電界の方向(矢印の向き)が反対になるため、矢印の終点に発光材料を配することも好ましい例である。すなわち、先に好ましい例としてあげた図4b)の場合において、ε2を発光材料とする図5b)の配置も好ましい例である。
発光材料としては、たとえば、発光中心を有した発光材料として、ZnS:Mn、SrS:Ce,Eu、CaS:Eu、ZnS:Tb,F、CaS:Ce、SrS:Ce、CaGa24 :Ce、BaAl24 :Eu、Ga23 :Eu、Y23 :Eu、Zn2 SiO4 :Mn、ZnGa24 :Mn、Y22 S:Eu3+、Gd22S:Eu3+、YVO4 :Eu3+、Y22 S:Eu,Sm、SrTiO3 :Pr、BaSi2 Al28 :Eu2+、BaMg2 Al1627:Eu2+、Y0.65Gd0.35BO3 :Eu3+、La22 S:Eu3+,Sm、Ba2 SiO4 :Eu2+、Zn(Ga,Al)24 :Mn、Y3 (Al,Ga)512:Tb、Y2 SiO5 :Tb、ZnS:Cu、Zn2 SiO4 :Mn、BaAl2 Si28 :Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+、Y2 SiO5 :Ce、ZnGa24 などが用いられる。
他にも、ZnWO4 、MgWO4 をはじめとするタングステン酸化物、ZnMoO4 やSrMO4 をはじめとするモリブデン酸化物、YVO4 をはじめとするバナジウム酸化物、Eu2 SiO4 やEuSiOをはじめとするユーロピウム酸化物が挙げられる。ほかにも、Alq3やIr(ppy)をはじめとする有機発光材料、ZnSe,CdSe、ZnTe,GaP,GaN、ZnOをはじめとする半導体材料、さらにはこれらの微粒子などを用いることもできる。
また、図1は光を基板側から取り出すタイプの素子の概念図であるが、電極層11を透明電極とすることで、光を基板反対側から取り出すタイプの素子も可能である。
また、図1は第1及び第2の絶縁層を有した2重絶縁型の素子である。これらの絶縁層により、素子の絶縁耐圧を高めることができ、素子の信頼性を挙げることができるが、発光層および微細構造層のみで、十分な耐圧が得られる場合は、省略することができる。また、絶縁層はどちらか1層のみを配してもよい。
また、図1においては、第1及び第2の微細構造層を配し、3重線をそれぞれの層と発光層の界面に形成しているが、どちらか1層のみであってもよい。
また、図1においては微細構造層は2層、発光層は1層であるが、図8のように複数の微細構造層と発光層を交互に積層してもよい。
以下、図1におけるそれぞれの層について説明する。
まず微細構造層13、15について説明する。
図7は、微細構造層13の構成例を示す図である。微細構造層13は、層の面内において、第1の材料からなる部位と第2の材料からなる部位を有する。特に、サブミクロンからナノメータサイズの微細構造を有してなることに特徴がある。図1においては、図面への記載上、第1の材料、第2の材料の部位を大きく記載しているが、実際には、素子に比べて非常に小さいサイズである。
図7a)〜d)にはそれぞれ平面図(上)と断面図(下)が記されている。それぞれ、a)第1の材料と第2の材料の領域を有した構造体の例、b)シリンダ状の材料がマトリックスの中に埋め込まれた構造体の例、c)ラメラ状の構造体の例、d)第1の材料と第2の材料と第3の材料の領域を有した構造体の例である。
図7に示すように、層の面内方向に異なる材料からなる部位が(第1の材料からなる部位21と第2の材料からなる部位22が)配される。それぞれの部位のサイズは数ナノメートルから数マイクロメートルである。
典型的には、図7b)のようにマトリックス(第2の材料の部位)の中に柱状の部(第1の材料の部位)を有した構造が挙げられる。他には、図7c)のようなラメラ構造が挙げられる。また、このような構造は、共晶反応を用いることで自己組織的に作製できることから、製法上の観点でも好ましい構造ということができる。図7d)には3つの異なる材料の部位を有した例を記した。
微細構造層の厚さは、数ナノメートルから数100ナノメートルの範囲である。
微細構造層を構成する材料は、誘電性材料であればこだわらないが、特に高電界印加時の安定した誘電性と、(発光時の)効果的な電子加速の観点から、酸化物からなることが好ましい。たとえばSiO2 ,Al23 ,TiO2 ,Y23 ,Ta25 ,HfO2 ,ZrO2 ,La23 ,MgO,BaTiO3 などが挙げられる。誘電率を制御するために、複合酸化物としてもよい。
微細構造層における、上記の第1及び2の材料からなる部位のサイズを小さくすることは、上述の3重点部位の密度を増やすことにつながり、しいては発光点の増加につなが。さらに、このことは、発光特性の面内均一性の観点からより好ましい。
また、発光点が面内に均一に形成されるためには、上記の第1及び2の材料からなる部位が周期的に同等な構造を有して存在することが好ましい。すなわち、第1の材料からなる部位が第2の材料の中に、規則的に配列して配された構成は、より好ましい構成である。
基板10は、基板側より光を取り出す場合は、発光した光が透過するよう透明なガラスやプラスチックであることが好ましい。図1にしめすように光を上面より取り出す場合は基板の種類には寄らない。この場合基板としてはガラスやプラスチック、セラミック、半導体基板などを利用可能である。
透明電極層17は、電極として機能するための導電性と、発光した光が透過性の両方の機能を有することが好ましい。たとえば、ドーピングされたIn23 やSnO2 、ZnO、ITO等の透明導電膜があげられる。
電極層11は、Al,Au,Pt、Ag,,Ta,Niなど各種の金属や合金、透明導電膜が利用可能である。
第1および2の絶縁層12、16としてはSiO2 ,Si34 ,Al23 ,TiO2 ,Y23 ,Ta25 ,BaTiO3 などの誘電体が適用できる。膜厚は数100〜数ミクロンの範囲が挙げられる。
発光層14は駆動時に発光を示す層である。発光層の厚さは50nm〜1μmの範囲が好ましい。発光層を構成する材料は、上述した発光材料を適用することができる。
これらの微細構造層、発光層、透明導電層および電極層の成膜には、真空蒸着やスパッタ蒸着、電子ビーム蒸着などの気相法、めっき等の液相法、ゾル−ゲル等の固相法等、任意の薄膜作成方法を用いることができる。
特に、上述の微細構造層の作製には、共晶反応を用いることが挙げられ、その際には高いエネルギーの粒子を基板に供給できるスパッタリング法が好ましい方法である。
図9には図1の微細構造層を配する例とは異なる構成で3重点部位を配する方法を示す。
図9a)のように第1の誘電材料と第3の誘電材料の層構成の中に、微粒子からなる第2の誘電材料からなる部位を配することが挙げられる。
図9b)のように、第1の誘電材料である層(基板)の上に、島状膜からなる第2の誘電材料からなる部位を形成し、そのうえに第3の誘電材料からなる層(部位)を設けることもできる。
図9c)のように、第1の誘電材料からなる微粒子の表面の一部を第2の誘電材料で覆った後、それを第3の誘電材料からなる膜の中に分散して配置することが挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。
但し、本発明は以下の実施例に限られるものではなく、上述の概念に含まれるものを包含する。
なお、以下の実施例1〜6の中で、実施例1〜4,6は本発明の実施例を示し、実施例5は参考例を示す。
実施例1
本実施例の発光素子は、図1に準じた構造からなる。
図1は本発明の電界励起型発光素子の構成例を模式的に示した断面図である。
ここで、10は基板、11は電極層、12は第1絶縁層、13は微細構造層、14は発光層、15は微細構造層、16は第2絶縁層、17は透明電極層(第2の電極層)、18は電源、19は光である。
ただし、本実施例においては、第1の絶縁層と第2の微細構造層は省いた構成である。
本実施例の微細構造層は、図7b)に示すように、層の面内において、第1の材料からなる部位21と第2の材料22からなる部位を有する。図7b)における第1の材料からなる部位21と第2の材料殻なる部位22は、それぞれ図1における第2の誘電率からなる部位102、第3の誘電率からなる部位103に対応する。また、第1の材料からなる部位はアルミナ(比誘電率〜8)を主成分とし、第2の材料からなる部位は酸化シリコン(比誘電率〜4)を主成分としてなる。この微細構造層と発光層(第1の誘電率からなる部位)の界面に閉じた3重線が多数、配されることになる。また、発光層は、ZnS:Mn(比誘電率〜10)からなる。
3重線は図3e)の構成からなり、それぞれの部位101,102,103の誘電率の大小関係は図4c)の構成(ε1>ε2>ε3)からなり、発光材料の配置は図5a)の構成(ε1が発光材料)からなる例である。
以下、作成工程に沿って説明する。
基板10として石英基板を用いる。基板10上にマグネトロンスパッタリング法により電極層11としてTaを100nmを成膜する。
次に、微細構造層13を形成する。微細構造層は、まず、マグネトロンスパッタリング法により、AlとSiからなる構造体を形成し、これを陽極酸化することで作製する。AlとSiからなる構造体は、図2b)に示すようにAlを主成分とするシリンダーの部位と、その周囲を取り囲むSiを主成分とするマトリックス部位から構成される。これを陽極酸化することで、アルミナを主成分とするシリンダー状の部位と、その周囲を取り囲む酸化シリコンを主成分とするマトリックス部位から構成される微細構造層とすることができる。
AlとSiからなる構造体の形成には、AlとSiの混合物からなるターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング法により作製する。この際、Alからなる柱状の部位をSi部位内に均一に分散させるには、基板に対向してターゲットを配置しておくのがよい。AlとSiの組成比を変えることで、AlとSiの部位の割合を制御することができる。たとえば、Alのシリンダ径は1〜20nmであり、間隔は5〜30nmである。
本実施例では、AlとSiの組成比を56:44として、室温において、120Wの投入パワーで成膜した。アルミニウムの部位のサイズは約8ナノメートル、間隔が12ナノメートル程度であり、図にしめすように円柱状のアルミがシリコンからなるマトリックスに埋め込まれた構造からなる。膜厚は70ナノメートル程度である。
引き続き、0.1M酒石酸アンモニウム水溶液中において、上記AlとSiからなる構造体からなる薄膜を陽極として、白金電極(陰極)に対向して配し、電圧50V程度で陽極酸化する。これによりアルミとシリコンが酸化される。このようにして、図7b)に示すようなアルミナの部位(第1の材料)と酸化シリコン(第2の材料)の部位を有した酸化物構造体が形成される。
微細構造層の厚さは、約8ナノメートルであり、直径が約8ナノメートルのアルミナ部位が酸化シリコンのマトリックス中に分散して配置された構造を有している。酸化シリコンの部位においては、一部において未酸化のシリコンの部位を有してもよい。
次に、発光層13して、電子ビーム蒸着法により、基板温度200℃において、ZnS:Mnを500ナノメートル成膜する。
さらに第2の絶縁層16として酸化タンタルを300ナノメートル、さらに、透明電極層としてITOを200nm成膜する。
透明電極層及び電極層は、それぞれ駆動用の電源に電気的に接続する。駆動電源は、パルス電圧源である。正、負の矩形電圧を交互に印加し、その電圧を徐々に増加したところ、180V程度から発光が得られる。この際、パルス幅は1ms、パルスの繰り返し周波数50Hzである。
本実施例の電界励起型発光素子を、微細構造層を適用することで、閉じた3重線を高密度に配した構造を有している。この3重線近傍の局所的に大きな電界で電子が加速されることで、効果的な発光材料の励起がなされる。これにより素子面内において均一な発光がえられ、その安定性も良好である。
実施例2
本実施例の発光素子は、構成は図1に準じている。
本実施例の微細構造層は、図7b)に示すように、層の面内において、第1の材料からなる部位21と第2の材料22からなる部位を有する。図7b)における第1の材料からなる部位21と第2の材料からなる部位22は、それぞれ図1における第2の誘電率からなる部位102、第3の誘電率からなる部位103に対応する。また、第1の材料は酸化鉄(比誘電率は12〜16程度)を主成分とし、第2の材料は酸化シリコン(比誘電率〜4)を主成分としてなる。この微細構造層と発光層(第1の誘電率からなる部位)の界面に閉じた3重線が多数、配されることになる。また、発光層は、Y23 :Eu(比誘電率〜12)からなる。
3重点は図3e)の構成からなり、それぞれの部位101,102,103の誘電率の大小関係は図4b)の構成(ε2>ε1>ε3)からなり、発光材料の配置は図5a)の構成(ε1が発光材料)からなる例である。
以下、作成工程に沿って説明する。
基板10として石英基板を用いる。基板10上にマグネトロンスパッタリング法により電極層11としてPtを200nm成膜する。下地層としてTiを10nm成膜している。
引き続き、第1の絶縁層12として酸化タンタルからなる薄膜を300nm成膜する。
次に、微細構造層13を形成する。微細構造層は、まず、マグネトロンスパッタリング法により、Fe,Si,Oからなる膜を成膜し、これを大気中で600℃の熱処理を施すことで作製する。スパッタにおいては、ターゲットとしてFeO粉末とSiO2粉末を体積割りあいで30%程度混合したものを用いている。これにより図7b)に示すよう、酸化鉄を主成分とするシリンダーの部位と、その周囲を取り囲む酸化シリコンSiをマトリックス部位から構成された微細構造層とすることができる。
本実施例では、酸化鉄の部位のサイズは約4ナノメートルであり、図にしめすように円柱状のシリンダがシリコンからなるマトリックスに埋め込まれた構造であり、膜厚は50ナノメートル程度である。
次に、発光層14して、スパッタリング法により、Y23:Euを400ナノメートル成膜し、引き続き700℃の熱処理を施す。
さらに微細構造層13と同様にして第2の微細構造層15を形成する。
さらに、第2の絶縁層16として酸化タンタルからなる薄膜を300nm成膜し、透明電極層として厚さ200nmのITOを成膜する。
透明電極層及び電極層は、それぞれ駆動用の電源に電気的に接続する。駆動電源は、パルス電圧源である。正、負の矩形電圧を交互に印加し、その電圧を徐々に増加したところ、170V程度から発光が得られる。この際、パルス幅は1ms、パルスの繰り返し周波数50Hzである。
本実施例の電界励起型発光素子を、微細構造層を適用することで、閉じた3重点を高密度に配した構造を有している。この3重点近傍の局所的に大きな電界で電子が加速されることで、効果的な発光材料の励起がなされる。これにより素子面内において均一な発光がえられ、その安定性も良好である。また、第1、2の絶縁層を配することで、過電圧に対しての素子耐性が高い。
実施例3
本実施例の発光素子は、図1に準じた構造からなる。
ただし、本実施例においては、微細構造層が十分な絶縁性を有しているため、第1の絶縁層と第2の絶縁層は省いた構成である。
また、電極層11が透明電極からなり、光を基板の裏側から取り出すタイプの発光素子である。
本実施例の微細構造層は、図7c)に示すように、層の面内において、第1の材料からなる部位21と第2の材料22からなる部位を有する。図7c)における第1の材料からなる部位21と第2の材料殻なる部位22は、それぞれ図1における第2の誘電率からなる部位102、第3の誘電率からなる部位103に対応する。また、第1の材料はジルコニア(比誘電率20〜25程度)を主成分とし、第2の材料はアルミナ(比誘電率〜8)を主成分としてなる。この微細構造層と発光層(第1の誘電率からなる部位)の界面に閉じた3重線が多数、配されることになる。また、発光層は、ZnWO4 (比誘電率10〜15)からなる。
3重線は図3e)の構成からなり、それぞれの部位101,102,103の誘電率の大小関係は図4b)の構成(ε2>ε1>ε3)からなり、発光材料の配置は図5a)の構成(ε1が発光材料)からなる例である。
基板としてYSZ単結晶基板(111)を用いる。基板上にマグネトロンスパッタリング法により透明電極層11としてITOを300nm成膜する。基板温度は700℃とする。
次に、第1の微細構造層12として、ZrとAlの酸化物構造体を250nm成膜する。ZrO2 (8mol%Y23 を含む)ターゲットとAl23 ターゲットを用意し、マグネトロンスパッタリング法により2元同時成膜する。基板温度は約800℃であり、雰囲気はArとO2の混合雰囲気下で行う。ガス圧は0.5Paであり、ArとO2の流量比は5:2である。それぞれのターゲットへの投入パワーは、成膜物におけるZrとAlの組成比が約1:4になうように調節している。この薄膜は、ZrO2 を主成分とする部位とAl2 Oを主成分とする部位が図2c)に示すようにラメラ状に配されている。ZrO2 の領域の幅は約50nm程度ある。
次に、発光層14して、ZnWO4 を主成分とする薄膜を400nm成膜する。ZnWO4 のターゲットを用意し、マグネトロンスパッタリング法により成膜する。成膜時の基板温度は約800℃、雰囲気はArとO2の混合雰囲気下で行う。ガス圧は0.5Paであり、ArとO2 の流量比は5:2である。
次に、第2の微細構造層15を、第1の微細構造層13と同様にして形成する。
次に、電極層17として、厚さ200nmのAlを真空蒸着により成膜し、発光素子とする。
透明電極層及び電極層は、それぞれ駆動用の電源に電気的に接続する。駆動電源は、パルス電圧源である。正、負の矩形電圧を交互に印加し、その電圧を徐々に増加したところ、160V程度から発光が得られる。この際、パルス幅は1ms、パルスの繰り返し周波数50Hzである。
本実施例の電界励起型発光素子を、絶縁性に優れた微細構造層を適用することで、第1,2の絶縁層を省くことができている。また、3重点点部位を高密度に配した構造を有しているため、素子面内において均一な発光がえられ、その安定性も良好である。
実施例4
本実施例の発光素子は、図8に示すようにと微細構造層と発光層が繰り返し積層された例である。
実施例3と同様な手法で、YSZ単結晶基板上に透明電極層17を形成後、第1の絶縁層として厚さ150nmの酸化タンタルからなる膜を形成する。
引き続き、発光層と微細構造層を交互積層膜を形成する。発光層と微細構造層の成膜は実施例3に準じている。発光層、微細構造層のそれぞれの厚さは、50nmと20nmであり、繰り返し7層ずつ積層している。引き続き、第2の絶縁層として厚さ150nmの酸化タンタルからなる膜を形成し、さらに、電極層として、厚さ200nmのAlを真空蒸着により成膜し、発光素子とする。
透明電極層及び電極層は、それぞれ駆動用の電源に電気的に接続する。駆動電源は、パルス電圧源である。正、負の矩形電圧を交互に印加し、その電圧を徐々に増加したところ、190V程度から発光が得られる。この際、パルス幅は1ms、パルスの繰り返し周波数50Hzである。
本実施例の電界励起型発光素子は、微細構造層と発光層を積層することで、さらに3重点部位を高密度に配した例である。これにより素子面内において均一な発光がえられ、その安定性も良好である。
実施例5
本実施例の発光素子は、図6に準じた構造からなる。
第1の絶縁層と第2の絶縁層の間に微細構造を有した発光層81を有し、絶縁層と発光層の間に3重線を配したは構成である。
本実施例の微細構造殻なる発光層81は、図7b)に示すように、層の面内において、第1の材料からなる部位21と第2の材料22からなる部位を有する。図7b)における第1の材料からなる部位21と第2の材料からなる部位22は、それぞれ図6における第2の誘電率からなる部位102、第3の誘電率からなる部位103に対応する。
また、第1の材料からなる部位はZnとWの複合酸化物(比誘電率は15程度と見積もられる)でありZnWO4主成分とし、第2の材料からなる部位は酸化亜鉛(比誘電率〜8程度)を主成分としてなる。第1の材料、第2の材料共に発光材料である。この微細構造を有した発光層と絶縁層の界面に閉じた3重線が多数、配されることになる。また、第1の絶縁層はアルミナ(比誘電率〜8)を主成分とし、第2の絶縁層はBaとTiの複合酸化物(比誘電率〜300)である。3重線は図3e)の構成からなり、発光材料の配置は図5c)の構成からなる例である。
3重線は図3e)の構成からなり、発光材料の配置は図5c)の構成(ε2とε3)が発光材料からなる例である。
誘電率の大小関係に関して、第1の絶縁層と微細構造を有した発光層81で形成される3重線は図4a)(ε2>ε3>ε1)もしくは図4b)(ε2>ε1>ε3)の構成であり、第2の絶縁層と微細構造を有した発光層で形成される3重線は図4c)(ε1>ε2>ε3)の構成である。
基板10として石英基板を用いる。基板10上にマグネトロンスパッタリング法により電極層11としてPtを200nm成膜する。下地層としてTiを10nm成膜している。
引き続き、第1の絶縁層12としてアルミナからなる薄膜を100nm成膜する。
次に、微細構造を有した層として、ZnとWの酸化物構造体を500nm成膜する。ZnOターゲットとWO3 ターゲットを用意し、マグネトロンスパッタリング法により2元同時成膜する。基板温度は約800℃であり、雰囲気はArとO2の混合雰囲気下で行う。ガス圧は0.5Paであり、ArとO2 の流量比は5:2である。それぞれのターゲットへの投入パワーは、成膜物におけるZnとWの組成比が約2:1になうように調節している。この薄膜は、ZnOを主成分とする部位とZnWO4 を主成分とする部位が図7b)に示すように配されている。ZnWO4 の領域のサイズは約60nm程度ある。
次に、第2の絶縁層を形成する。。BaTiO3 のターゲットを用意し、マグネトロンスパッタリング法により、BaとTiの複合酸化物層を500ナノメートル成膜する。
次に、電極層17として、厚さ200nmのITOを成膜し、発光素子とする。
透明電極層及び電極層は、それぞれ駆動用の電源に電気的に接続する。駆動電源は、パルス電圧源である。正、負の矩形電圧を交互に印加し、その電圧を徐々に増加したところ、140V程度から発光が得られる。この際、パルス幅は1ms、パルスの繰り返し周波数50Hzである。
発光はZnWO4 の波長500nm近傍の発光とZnOの不純物準位による波長600nm程度の発光が混ざった混色型発光素子である。本実施例の電界励起型発光素子を、微細構造層を適用することで、3重点部位を高密度に配した構造を有している。これにより素子面内において均一な発光がえられ、その安定性も良好である。
本実施例は、微細構造層に上記のナノサイズの構造を有した構造体を適用することで、素子面内において均一な発光がえられ、その安定性も良好である。
実施例6
次に本発明の発光素子を画像表示装置、照明装置、印字装置として応用する例について説明する。
実施例1の発光素子を画像表示装置として用いるには電極をライン状に上下でマトリックス状に配線して駆動させることにより可能である。カラー画像を得たい場合には白色の発光材料を用いてRGBのフィルターで色を出したり、RGBに対応した発光材料を高精度にパターニング成膜することにより可能である。また。青色発光材料を用いて、緑、赤の色を蛍光体で青から変換させることも可能である。
また、本発明の発光素子を照明装置に用いる場合には、白色発光材料をもちいる方法やRGB発光材料を縦方向に積層させる方法、青や紫外発光をさせてからRGBの発光へ変換させる方法がある。
また、本発明を印字装置などのプリンターに用いる場合には、レーザー光をポリゴンミラーを用いて走査させる代わりに、ライン状に発光素子を並べて駆動することにより可能となる。
本発明の構成及び製法により、発光面における発光均一性に優れ、比較的に低電圧で安定した駆動が可能な発光素子を実現でき、前記発光素子は、酸化物材料を主構成要素としているため、使用環境耐性に優れることや、環境へ負荷が少ないという特徴があり、ディスプレイや印字装置、照明装置に利用することが可能である。
本発明の発光素子の構成を示す概略図である。 3重点部位を説明する斜視図である。 3重線の構成例を示す断面図である。 誘電率の大小関係と3重点部位の周囲の電場を示す断面図である。 発光部の配置例を示す断面図である。 本発明の発光素子の一例を示す概略図である。 微細構造層の構造例を示す概略図である。 本発明の発光素子の一例を示す概略図である。 3重点部位の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 基板
11 電極層
12 第1の絶縁層
13 第1の微細構造層
14 発光層
15 第2の微細構造層
16 第2の絶縁層
17 透明電極層(第2の電極層)
18 電源
19 光
21 第1の材料からなる部位
22 第2の材料からなる部位
81 微細構造を有した発光層
100 3重点部位
101 第1の誘電率からなる部位
102 第2の誘電率からなる部位
103 第3の誘電率からなる部位

Claims (4)

  1. 基板上に、第1の電極である第1の電極層と、第2の電極である第2の電極層と、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に挟まれた位置に配した第1の誘電率からなる第1の部位である発光層と、前記第1の電極層と前記発光層との間に挟まれた位置に配され、第2の誘電率からなる第2の部位と第3の誘電率からなる第3の部位とを備えた微細構造層と、を有し、前記第1の部位、前記第2の部位、前記第3の部位が互いに接した3重点部位を備え、前記3重点部位の電位よりも前記第1の部位の電位が高電位となるときに、前記第1の部位において発光が生じることを特徴とする電界励起型発光素子。
  2. 前記3重点部位が前記第1の電極層または前記第2の電極層に対して平行な閉曲線からなることを特徴とする請求項1に記載の電界励起型発光素子。
  3. 前記第2の部位の誘電率>前記第1の部位の誘電率>第3の部位の誘電率であることを特徴とする請求項1に記載の電界励起型発光素子。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の電界励起型発光素子を用いた画像表示装置。
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