JPH08211821A - 回折格子アレイおよびそれを用いた表示体 - Google Patents

回折格子アレイおよびそれを用いた表示体

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JPH08211821A
JPH08211821A JP7019051A JP1905195A JPH08211821A JP H08211821 A JPH08211821 A JP H08211821A JP 7019051 A JP7019051 A JP 7019051A JP 1905195 A JP1905195 A JP 1905195A JP H08211821 A JPH08211821 A JP H08211821A
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JP
Japan
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light
diffraction grating
array
diffracted
color filter
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Application number
JP7019051A
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English (en)
Inventor
Susumu Takahashi
進 高橋
Toshitaka Toda
敏貴 戸田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自然な色彩でのパターン表示が可能な回折格子
アレイおよびそれを用いた表示体の提供。 【構成】基材の表面に回折格子セルを複数配置してなる
回折格子アレイを用い、回折光によるパターン表示を行
なう表示体において、前記アレイへの照明光の入射側、
あるいは前記アレイからの回折光の出射側に、カラーフ
ィルターを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板の表面に回折格子
セル(グレーティング・セル)を複数配置することによ
って構成される回折格子アレイ、およびそれを用いて回
折光によるパターン表示を行なう表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、基板の表面に回折格子からな
る複数の微小なドットを配置することにより、回折格子
(ドット)を構成単位とする回折格子パターンのディス
プレイが公知である。
【0003】前記ディスプレイの作製方法は、特開昭6
0−156004号公報に開示された方法に代表され
る。前記方法は、2光束干渉による微小な干渉縞(以
下、回折格子とする)を、そのピッチ・方向・及び光強
度を変化させて、感光性フィルムに次々と露光すること
によって、ドット形成を行なうものである。
【0004】一方、最近では、例えば電子線描画装置を
用い、かつコンピュータ制御によって、基板(感光材
料)が搭載されたX−Yステージを移動させて、基板の
表面に回折格子からなる複数の微小なドットを所望に配
置することにより、絵柄(パターン)を構成するディス
プレイの作製方法も提案されている。前記方法は、米国
特許5,058,992号(91.10.22)に開示
されている。
【0005】また、視差を有する複数枚の平面画像(写
真など)を基に、回折格子ドット単位に分解した前記画
像を、観察する方向によって異なる画像を回折するよう
に、前記ドットを配置することによって、立体的(ある
いは、見る方向によって異なる)なパターンを形成する
ディスプレイの作製方法も提案されている。前記方法
は、米国特許5,132,812号(92.07.2
1)に開示されている。
【0006】さらに、特殊な形状(特定数式を満たす曲
線)の回折格子からなるドットを用いることにより、一
層、表示がスムースな立体的なパターンの表示を可能に
し、液晶パネルや印刷インキのような遮光要素(空間光
変調手段)を用いることによって、表示パターンの任意
な変更を可能とし、パターン表示の基となるアレイの作
製を容易とする(ドットをマトリクス状に配置するた
め、パターン状に配置するのに比較して、簡便・低コス
トで良い)ような提案も本出願人によってなされてい
る。前記提案は、米国特許5,301,062号(9
4.4.5)に開示されている。
【0007】尚、本明細書においては、説明の便宜上、
「ドット」を「セル」と表現し、絵柄が構成されている
か否かに関わらず「ディスプレイ」を「アレイ」と表現
することとする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で作製されたアレイでの表示では、上下方向の視
点移動に応じて、虹色に変化するパターンを観察できる
だけで、自然な色彩でのパターンの観察が出来ないとい
う問題があり、パターンを所望の色彩で表示する方法が
要求されている。
【0009】本発明は、前記要求に応えるために成され
たもので、フルカラーの画像を表現することが可能な回
折格子アレイおよびそれを用いた表示体の提供を目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、回折格子アレイにカラーフィルターを
付加することによって、前記アレイからの再生光(回折
光)の波長選択を行ない、また、カラーフィルターを用
いたカラーパターンの表示に適した光学特性を有する前
記アレイを提案する。
【0011】請求項1に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを複数配置してなる回折格子アレイにおい
て、白色光である照明光の照射に対して、前記アレイか
ら回折される光が、白色光もしくは白色光に近い波長分
布を有する回折光であることを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを複数配置してなる回折格子アレイにおい
て、各セルから回折される光が、赤・青・緑の何れかの
色の波長分布を有する回折光であることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを、特定のパターンを構成するように複数配
置してなる回折格子アレイを用い、回折光によるパター
ン表示を行なう表示体において、前記アレイへの照明光
の入射側、あるいは前記アレイからの回折光の出射側
に、カラーフィルターを配置してなることを特徴とす
る。
【0014】請求項4に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを複数配置してなる回折格子アレイを用い、
前記アレイへの照明光の照射部・非照射部もしくは照明
光の強度分布を、空間光変調手段によって選択的に生じ
させることによって、回折光によるパターン表示を行な
う表示体において、前記アレイへの照明光の入射側、あ
るいは前記アレイからの回折光の出射側に、カラーフィ
ルターを配置してなることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを、特定のパターンを構成するように複数配
置してなる回折格子アレイを用い、回折光によるパター
ン表示を行なう表示体において、前記アレイへの照明光
の入射側、あるいは前記アレイからの回折光の出射側
に、カラーフィルターが配置され、前記アレイとして、
白色光である照明光の照射に対して回折される光が、白
色光もしくは白色光に近い波長分布を有する回折光であ
るアレイを用いることを特徴とする。
【0016】請求項6に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを複数配置してなる回折格子アレイを用い、
前記アレイへの照明光の照射部・非照射部もしくは照明
光の強度分布を、空間光変調手段によって選択的に生じ
させることによって、回折光によるパターン表示を行な
う表示体において、前記アレイへの照明光の入射側、あ
るいは前記アレイからの回折光の出射側に、カラーフィ
ルターが配置され、前記アレイとして、白色光である照
明光の照射に対して回折される光が、白色光もしくは白
色光に近い波長分布を有する回折光であるアレイを用い
ることを特徴とする。
【0017】請求項7に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを、特定のパターンを構成するように複数配
置してなる回折格子アレイを用い、回折光によるパター
ン表示を行なう表示体において、前記アレイへの照明光
の入射側、あるいは前記アレイからの回折光の出射側
に、カラーフィルターが配置され、前記アレイとして、
回折格子セルから回折される光が、対応する箇所のカラ
ーフィルターのパターン色に応じた波長分布を有する回
折光であるアレイを用いることを特徴とする。
【0018】請求項8に記載の発明は、基材の表面に回
折格子セルを複数配置してなる回折格子アレイを用い、
前記アレイへの照明光の照射部・非照射部もしくは照明
光の強度分布を、空間光変調手段によって選択的に生じ
させることによって、回折光によるパターン表示を行な
う表示体において、前記アレイへの照明光の入射側、あ
るいは前記アレイからの回折光の出射側に、カラーフィ
ルターが配置され、前記アレイとして、回折格子セルか
ら回折される光が、対応する箇所のカラーフィルターの
パターン色に応じた波長分布を有する回折光であるアレ
イを用いることを特徴とする。
【0019】請求項9に記載の発明は、赤・青・緑の各
色に対応する回折格子セルからの回折光の各波長分布
が、カラーフィルターの赤・青・緑の各波長域において
一定であることを特徴とする。
【0020】
【作用】回折格子アレイとカラーフィルターの併用によ
って、照明光または回折光の通過によって、表示パター
ンの色彩表示が多彩となり、フルカラー表示が可能とな
る。(請求項3〜請求項9)
【0021】白色照明光の照射に対して、回折格子アレ
イからの回折光が、白色光もしくは白色光に近い波長分
布を有するようにした場合、回折光による色分散(方向
によって、回折波長が異なる現象)の影響が少なくな
り、観察者の視点を上下した場合でも、色の変化の少な
いパターンを観察することが出来、カラーフィルターの
通過によって所望の色再現が可能となる。また、アレイ
を構成するセルが1種類で良いことにもなり、アレイの
作製が簡便となる。(請求項1)
【0022】各セルから回折される光が、カラーフィル
ターの各色に対応した赤・青・緑の何れかの色の波長分
布を有する回折光であると、回折光がカラーフィルター
を通過することによって利用されない光が少なくなるた
め、回折光の減衰・損失が低減し、より明るいパターン
を観察することが出来る。(請求項2)
【0023】さらに、赤・青・緑の各色に対応する回折
格子セルからの回折光の各波長分布が、カラーフィルタ
ーの赤・青・緑の各波長域において一定であるようにと
すると、特定の波長分布特性を有する特殊なカラーフィ
ルターを用いる必要がないため、市販のカラーフィルタ
ーを用いることが出来、コストダウン・省力化が可能に
なる。(請求項9)
【0024】さらに、液晶パネルに例示される空間光変
調手段を併用することによって、表示パターンを適宜変
更させることも可能である。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明に係る回折格
子アレイおよびそれを用いた表示体について、実施例を
説明する。
【0026】本実施例においては、特開平3−2064
01号に開示された手法を利用した、立体画像あるいは
視差画像を表示する回折格子アレイに係る説明を行な
う。
【0027】すなわち、前記手法は、視差を有する複数
枚の平面画像をセル単位に分解し、それぞれの回折格子
セルが、観察方向に応じて異なるパターンを回折させ、
立体画像あるいは視差画像を表示するものである。
【0028】まず、図1を用いて複数枚の平面画像の入
力方法を説明する。
【0029】立体表示したい物体85のカラーの平面画
像80を、テレビカメラ81を用いて撮影する。すなわ
ち、1台のテレビカメラ81を間隔pで規定される複数
枚の位置に配置し、それぞれの位置に対応した物体85
の複数枚のカラー平面画像85を撮影する。これらの平
面画像85のデータを、デジタイザー83を用いてコン
ピュータ82に入力し、イメージデータとして記憶させ
る。ところで、これらの平面画像85のデータをコンピ
ュータ82に入力するには、ビデオテープに録画したデ
ータを用いても良いし写真や映画のデータを用いても良
い。また、立体表示したい物体85は、実在する物体に
限らず、コンピュータグラフィックスであっても良い。
【0030】次に図2及び図3を参照して、回折格子の
方向Ωと回折格子のピッチdを決定する方法を説明す
る。
【0031】図2に示すように、回折格子による微小な
ドット16を有する表示体15を観察者が観察すると仮
定する。図2に示すように、照明光91の入射角度を
θ、回折格子18によって回折された1次回折光92の
方向をα、1次回折光92の波長λを与えれば、回折格
子18の方向Ω及びピッチdを得ることが出来る。
【0032】ここで、正面に回折する(α=0)ような
回折格子のピッチd’を求める。 d’=λ・sin(θ)
【0033】よって、 d=d’・sin(θ)/{sin2 (θ)+sin2
(α)}1/2=d’・con(Ω)
【0034】図4に示すように、曲線を平行移動した構
成では、常に上式を満たしているため、回折光が水平に
移動する視点に常に同じ色の波長を観察できるような回
折格子の構成になっている。図4のドットでは、ドット
を構成する曲線が傾きΩ1からΩ2まで変化しており、
その曲線がピッチd’で、並んでいる。すなわち波長λ
の回折光の水平方向で回折される範囲が、回折格子の存
在する面の法線に対して角度α1からα2である回折格
子のドットを得るためには、 tan(Ω1)=sin(α1)/sin(θ) tan(Ω2)=sin(α2)/sin(θ) d’=λ/sin(θ) となり、傾きΩ1からΩ2まで変化する曲線をピッチ
d’で平行移動した回折格子を用いればよい。
【0035】図4の例では、曲線のピッチはd’で一定
としたため、水平平面に回折する1次回折光の波長はλ
と一定であった。ここで、曲線の移動するピッチをd
1’からd2’まで様々な、ピッチを混在させると、水
平平面で観察される1次回折光の波長は、単一の波長で
はなくある波長域をもつ光となる。ピッチd1’及びd
2’で水平平面に回折する光の波長を、それぞれλ1、
λ2とすると、 λ1=d1’・sin(θ) λ2=d2’・sin(θ) (1) となり、曲線の移動するピッチをd1’からd2’まで
様々な、ピッチを混在させると、水平平面で観察される
1次回折光の波長は、λ1からλ2までの波長域をもつ
光となる。このように、曲線を移動させるピッチを微小
な回折格子のドット内で、変化させることによって任意
の波長分布をもつ回折光を回折することが可能になる。
【0036】例えば、図5に示すようにλ1を300n
m、λ2を900nmとしたときのd1’からd2’ま
でのピッチを均等にもつ回折格子を作成したとすると、
水平平面では、白色光が観察される。また多少視点を上
下しても色は大きく変化せずやはり白色光として観察で
きる。
【0037】また、例えば、CIE等色関数に示される
ような、赤や青や緑の波長分布に合わせた回折光も複数
のピッチを混在した回折格子を作成することにより作成
できる。回折格子のピッチは、回折格子の空間周波数の
逆数で示すことが出来る。そこで、C(λ)の波長分布
の回折光を得るための回折格子の空間周波数fxの分布
を、F(fx)とすると、 F(fx)=C( sin(θ)/fx ) (2) となる。つまり、このような空間周波数分布をもつ回折
格子を用いれば、C(λ)の分布をもつ回折光を得るこ
とが出来る。
【0038】そこで、本発明では、回折格子の基本的な
1要素を、図5に示すような曲線を平行移動し、その移
動ピッチを適切に変化させた複数の線の集まりによって
構成する。なお、本実施例では、回折格子を構成してい
る線のピッチが徐々に変化しているが、必ずしも徐々に
変化する必要が無くランダムな順で並んでも良い。
【0039】さらに、このドットを構成している回折格
子の前側または後側に、例えば図6に示すような液晶パ
ネルの様な光強度の変調手段を配置することによって、
この光変調手段によって、回折格子アレイによる回折光
の強度を任意に変化させるようにする。
【0040】さて、このようにして得られた回折格子ア
レイを図7に示すような方法で再生する。このとき、左
方向では”T”、中央では”O”、右方向では”P”を
観察できることになる。なお、ここでは、画像は3枚と
して用いているが、もっと多くの視差画像を用いること
によって、観察者の左右の目に入る画像を異なったもの
にすることが可能である。すなわち、観察者は左右の目
に別々の視差のある画像を観察することになり、立体的
な(3次元的な)画像を得ることが出来る。また、観察
者の観察位置を水平方向に移動した場合でも他の方向か
ら見た像が観察されるため、より自然な立体感を得るこ
とが出来る。
【0041】さらに、本発明では、このドットを構成し
ている回折格子の前側または後側に、例えば図8や図9
もしくは図10に示すような液晶パネルの様な光強度の
変調手段とカラーフィルターを配置することによって、
この光変調手段によって、回折格子アレイによる回折光
の強度を任意に変化させ、さらにカラーフィルターによ
って回折光を任意の色彩に変化させるようにする。こう
することによって、本発明では、フルカラーの画像を表
示することが可能になる。
【0042】回折格子要素を構成する曲線を式1に示す
ようなピッチで配置した回折格子要素を用いた場合、回
折光は白色光として観察される。そのため、カラーフィ
ルターを透過した白色光は、カラーフィルターの分光分
布をもった光に変調される。
【0043】カラーフィルターや光強度の変調手段とし
て用いられる液晶パネルは、一般に液晶テレビとして用
いられるものと同等のものでも良い。カラーフィルター
として赤、青、緑の3原色を用いることにより、フルカ
ラーの画像の表示が可能になる。
【0044】カラーフィルターは、一般に入射光の波長
を選択することによって光の波長分布を変調している。
カラーフィルターの選択しない波長領域の光は利用され
ないため無駄となり像の明るさを暗くする原因となる。
そこで式2に示すような空間周波数分布をもつ回折格子
アレイを用いることにより、カラーフィルターの分光分
布に合わせた回折光を得ることが出来る。このように、
カラーフィルターの分光分布に合わせた回折光を回折す
ることにより、カラーフィルターによる光の吸収が減少
しより明るい像を得ることが出来る。カラーフィルター
として、液晶テレビに用いられるような赤、青、緑の3
原色を用いた場合、3種類の空間周波数分布をもつ回折
格子要素を用いることになる。また、それぞれの回折格
子要素の配置は、カラーフィルターの各色の配置と一致
させる方がよい。
【0045】カラーフィルターの色は、一般に白色光を
入射した場合に生じる波長分布をもとに設計されてい
る。このため、カラーフィルターが利用する波長域で
は、入射光の波長分布が一定であれば、市販のカラーフ
ィルターを用いることが出来、省力化コストダウンが可
能になる。そこで、図11に示すように回折格子アレイ
による回折光が、それぞれ対応するカラーフィルターの
用いる主要な波長領域では一定の波長分布を持ち、それ
以外の波長域の波長は持たないような回折格子アレイを
用いればよい。
【0046】一般に回折格子による回折光は、波長によ
り回折角度が異なるため視点を上下に移動すると色が虹
色に変化する現象が生じていた。本実施例では、回折格
子を構成する線のピッチ(線の空間周波数分布)に幅を
持たせることにより、回折格子からの回折光に幅のある
波長分布を持たせ、カラーフィルターによって色彩を決
定することによって、視点を上下しても色彩の変化が少
ない像を観察することが可能になる。
【0047】カラーフィルターは、空間光変調手段の1
要素に1対1で対応して配置すれば、簡単な構成で色の
混色が可能になる。また、カラーフィルターは、光の波
長分布を変化させるものであればいずれでも良く、顔
料、染料、薄膜、回折を用いるもの、屈折を用いるも
の、ダイクロックミラーを用いるものなどが考えられ
る。
【0048】一方、光強度の変調手段やカラーフィルタ
ーとして、透過として用いることの出来る透明度の高い
色の着いた印刷インキや、染料、顔料、フィルム、ガラ
ス等を用いても良い。この場合、透明度の高い色の着い
た印刷インキや、染料、顔料、フィルム、ガラス等は、
光強度の変調手段とカラーフィルターの2つの役目を持
つことになる。
【0049】本実施例では、回折格子アレイによる回折
光の強度の変調は空間光変調要素を用いていたが、回折
格子アレイの回折格子の大きさを変化させたり、または
回折格子要素の回折効率を変化させたりすることによっ
て回折光強度を変化させても良い。この場合、空間光変
調要素は必要なく、回折格子アレイの照明光の入射側、
もしくは回折格子アレイの回折光の出射側にカラーフィ
ルターを配置すればよい。
【0050】上述したように、本実施例の回折格子アレ
イ及び回折格子アレイを有する表示体では、ドットを構
成している回折格子を曲線を平行移動した複数の線の集
まりによって構成し、かつ回折格子の照明光の入射側、
もしくは回折光の出射側にカラーフィルターを配置して
いるので、観察者は、表示体の正面から観察すると、左
右の目にフルカラーの視差のある画像が見えるため、観
察者は表示体上に自然な色彩の立体的な像(3次元的な
像)を観察することが出来る。観察者が、水平方向に視
点を移動した場合、それに伴って観察した画像もスムー
スに変化し、回り込んでみたような効果が見られるため
自然な立体感が得られる。また、観察者が視点を多少上
下に移動した場合でも、カラーフィルターを通して画像
を観察するため、色彩の変化が少なく、より自然な画像
を観察できる。
【0051】さらに、本実施例の表示体ではホログラム
等の立体像よりも明るくノイズの少ない像を得ることが
出来る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回折格子アレイのセルを構成している回折格子による回
折光を、白色光もしくは白色に近い色、または各カラー
フィルター要素に近い色にし、かつ回折格子の照明光の
入射側もしくは回折光の出射側にカラーフィルターを配
置するようにしているので、自然な色彩を持ち、視点の
上下移動に対しても色の変化の少ない回折格子パターン
を表示することが可能な回折格子を用いた表示体を提供
できる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】視差を有する複数枚の原画像を得る方法の一例
についての説明図。
【図2】回折格子セルが観察される光路についての光学
的な説明図。
【図3】回折格子セルの一例についての拡大図。
【図4】回折格子セルの他例についての拡大図。
【図5】本発明での回折格子セルの一例についての拡大
図。
【図6】遮光要素を用いた回折格子アレイを有する表示
体の構成例を示す概要図
【図7】回折格子アレイの一例について、観察方法の概
念を示す説明図。
【図8】本発明に係る表示体の構成例を示す概要図。
【図9】本発明に係る表示体の構成例を示す概要図。
【図10】本発明に係る表示体の構成例を示す概要図。
【図11】カラーフィルターの波長分布と回折格子セル
の波長分布についての説明図。
【符号の説明】
1・・・回折格子 2・・・遮光手段 3・・・回折格子 4・・・カラーフィルター 16・・・ドット 18・・・回折格子アレイ、 80・・・平面画像 81・・・テレビカメラ 82・・・コンピュータ 83・・・デジタイザー 85・・・物体(被写体)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に回折格子セルを複数配置して
    なる回折格子アレイにおいて、 白色光である照明光の照射に対して、前記アレイから回
    折される光が、白色光もしくは白色光に近い波長分布を
    有する回折光であることを特徴とする回折格子アレイ。
  2. 【請求項2】基材の表面に回折格子セルを複数配置して
    なる回折格子アレイにおいて、 各セルから回折される光が、赤・青・緑の何れかの色の
    波長分布を有する回折光であることを特徴とする回折格
    子アレイ。
  3. 【請求項3】基材の表面に回折格子セルを、特定のパタ
    ーンを構成するように複数配置してなる回折格子アレイ
    を用い、回折光によるパターン表示を行なう表示体にお
    いて、 前記アレイへの照明光の入射側、あるいは前記アレイか
    らの回折光の出射側に、カラーフィルターを配置してな
    ることを特徴とする回折格子アレイを用いた表示体。
  4. 【請求項4】基材の表面に回折格子セルを複数配置して
    なる回折格子アレイを用い、前記アレイへの照明光の照
    射部・非照射部もしくは照明光の強度分布を、空間光変
    調手段によって選択的に生じさせることによって、回折
    光によるパターン表示を行なう表示体において、 前記アレイへの照明光の入射側、あるいは前記アレイか
    らの回折光の出射側に、カラーフィルターを配置してな
    ることを特徴とする回折格子アレイを用いた表示体。
  5. 【請求項5】基材の表面に回折格子セルを、特定のパタ
    ーンを構成するように複数配置してなる回折格子アレイ
    を用い、回折光によるパターン表示を行なう表示体にお
    いて、 前記アレイとして、白色光である照明光の照射に対して
    回折される光が、白色光もしくは白色光に近い波長分布
    を有する回折光であるアレイを用いることを特徴とする
    請求項3記載の回折格子アレイを用いた表示体。
  6. 【請求項6】基材の表面に回折格子セルを複数配置して
    なる回折格子アレイを用い、前記アレイへの照明光の照
    射部・非照射部もしくは照明光の強度分布を、空間光変
    調手段によって選択的に生じさせることによって、回折
    光によるパターン表示を行なう表示体において、 前記アレイとして、白色光である照明光の照射に対して
    回折される光が、白色光もしくは白色光に近い波長分布
    を有する回折光であるアレイを用いることを特徴とする
    請求項4記載の回折格子アレイを用いた表示体。
  7. 【請求項7】基材の表面に回折格子セルを、特定のパタ
    ーンを構成するように複数配置してなる回折格子アレイ
    を用い、回折光によるパターン表示を行なう表示体にお
    いて、 前記アレイとして、回折格子セルから回折される光が、
    対応する箇所のカラーフィルターのパターン色に応じた
    波長分布を有する回折光であるアレイを用いることを特
    徴とする請求項3記載の回折格子アレイを用いた表示
    体。
  8. 【請求項8】基材の表面に回折格子セルを複数配置して
    なる回折格子アレイを用い、前記アレイへの照明光の照
    射部・非照射部もしくは照明光の強度分布を、空間光変
    調手段によって選択的に生じさせることによって、回折
    光によるパターン表示を行なう表示体において、 前記アレイとして、回折格子セルから回折される光が、
    対応する箇所のカラーフィルターのパターン色に応じた
    波長分布を有する回折光であるアレイを用いることを特
    徴とする請求項4記載の回折格子アレイを用いた表示
    体。
  9. 【請求項9】赤・青・緑の各色に対応する回折格子セル
    からの回折光の各波長分布が、カラーフィルターの赤・
    青・緑の各波長域において一定であることを特徴とする
    請求項7または8記載の回折格子アレイを用いた表示
    体。
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