JP6743985B2 - カラー画像表示装置、およびそれを用いたカラー画像複製物作成方法、その方法により作成されたカラー画像複製物 - Google Patents
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Description
また本発明は、前記カラー画像表示装置を用いたカラー画像複製物作成方法と、その方法により作成されたカラー画像複製物に関する。
(参考文献:「色の性質と技術」1986年10月10日初版第1刷,応用物理学会・光学懇話会編,朝倉書店発行)
波長 λ をパラメータとする、パワースペクトル分布が S(λ) で表される光束があったとき、その光束の三刺激値 X,Y,Z は、CIEにより定められている等色関数 xe(λ),ye(λ),ze(λ) を用いて、以下の式(式1)
X = ∫S(λ)・xe(λ)・dλ
Y = ∫S(λ)・ye(λ)・dλ
Z = ∫S(λ)・ze(λ)・dλ
の積分計算で求める。
ただし、積分は380nmから780nmの領域で行うとされている。
このとき、明るさは、 Y の値によって表される。
これら三刺激値を用いて、前記した光束 S(λ) の色相を表す色度座標 x,y は、以下の式(式2)
x = X / (X+Y+Z)
y = Y / (X+Y+Z)
のように求められる。
なお、等色関数 xe(λ),ye(λ),ze(λ) の特性は、本発明のカラー画像表示装置の技術に関連する概念の概略図である図14に示すようである。
(因みに、一般文献では、等色関数は、x,y,z 各文字の上に横棒を付した記号が使用されるが、本明細書では都合により前記したように表記する。)
太陽光を分光器を用いてスペクトル分解して狭い帯域の部分を取り出した光、あるいはレーザ光のような単色光の場合、最も波長の長い赤色は点(A)にプロットされ、波長が短くなるに従ってプロットされる位置が釣鐘形状の周囲の逆U字形状の実線に沿って移動し、最も波長の短い青色(すみれ色)は点(B)にプロットされる。
そして、前記点(A)から前記点(B)に至る逆U字形状の実線を、スペクトル軌跡(Ls)と呼ぶ。
ただし、第1の光と第2の光の混合比率を、例えば1対0とし、実質的に一方の光しか含まれない場合も、広義として加色混合と呼ぶものとする。
そのため、前記点(A)にプロットされる光と、前記点(B)にプロットされる光とを、1対0から0対1まで、混合比率を連続的に変えた加色混合によって生成された光がプロットされる色度座標の集合は、前記点(A)から前記点(B)に至る破線で示した直線分を形成し、この直線分を純紫軌跡(Lp)と呼ぶ。
さらに、点(B)の青色の補色である黄色は、緑色の箇所と点(A)との中間あたりに、また、点(A)の赤色の補色であるシアン色は、緑色の箇所と点(B)との中間あたりに、それぞれスペクトル軌跡(Ls)上に配置される。
一方、純白色は、色度座標が1/3,1/3 の位置に配置される。
このような色度図や色度座標に関する事項は、色彩を学ぶ者にとって、必須の知識である。
しかし実は、これらの図版は正しくない。
その理由は、印刷物の場合は、シアン,マゼンタ,黄色(と黒)のインクの減色混合によって全ての色が表現されているし、液晶モニタやプロジェクタの場合は、赤(R),緑(G),青(B)色のカラーフィルタからの透過光や発光素子からの光の加色混合によって全ての色が表現されているからである。
この種のRGB3原色の加色混合により色相を表現するに際しては、標準としてsRGBと称する規格が存在して、図16の色度図上のプロットに示すように、標準の赤,緑,青の各色の色度座標(sR,sG,sB)が定められている。
前記色度座標(sR,sG,sB)の具体的な座標値 (x,y) は、赤が (0.6000,0.3300) 、緑が (0.3000,0.6000) 、青が (0.1500,0.0600) である。
前記した混色座標則を考え合せると、sRGBに準拠する表示デバイスによって表現可能な色相は、前記色度座標(sR,sG,sB)を頂点とする3角形の周囲および内部の座標の色に限られることになるため、スペクトル軌跡(Ls)と純紫軌跡(Lp)とが囲む、色度図の有効領域のうちの一部分しか網羅していないことが判る。
よって、sRGBに準拠する表示デバイスでは、正しく着色された色度図を表示できないのである。
これは、sRGBよりも表現可能な色相領域が拡大されているが、必要領域を網羅していないことに変わりが無い。
しかし、色彩を学ぶ者が、正しく着色された色度図を見ることができないことは、大きな問題である。
他にも、例えば単色光の波長と色の対応を教示する画像や、星の光などをスペクトル分解した様子を示す画像、化学物質に含有される金属イオンと炎色反応の色の対応を教示する画像、モルフォチョウやタマムシ、クジャクなどの羽根の、あるいはアワビなどの貝殻(内側)の、その色彩(構造色)を示す画像等々の場合も、同様に正しく表示されない問題に直面する。
しかし、この技術の場合、回折格子記録媒体に垂直に白色照明光を照射するとして、垂直より例えば30度だけ手前側に倒れた視線で観察することを前提に、全ての画素に水平方向の直線から成る回折格子を形成するため、所謂レインボーホログラムと同様に、観察する視線角度が所定値から外れると、見える色が変化してしまうし、複数の光源からの光が当たっている場合は、意図しない色の混合が起きてしまう欠点がある。
また、RGBの3個の副画素を配置する従来のものよりも、副画素が2個に減るため、輝度や解像度の低下、色ずれの問題が3/2倍だけ解消される旨、この文献に述べられているが、それでも、副画素を設けないものには劣ることになる。
しかし、これらの技術についても、前記した特開平09−051548号と同様に、観察する視線角度が所定値から外れると、見える色が変化してしまうし、複数の光源からの光が当たっている場合は、意図しない色の混合が起きてしまう欠点がある。
また、任意の3原色またはそれ以上の個数の原色を選べるとは言え、表示可能な色相領域は、色度図の逆U字形状のスペクトル軌跡(Ls)に内接する3角形または多角形であるから、スペクトル軌跡(Ls)上の全ての色相が1枚の画像に存在する色度図のようなカラー画像を正しく表示することは不可能である。
前記出力像(Dc)に対する入力像たる広義ホログラム(H)と、前記光源(Ge)から発した光から形成される、規定の条件の照明光束(Fe)によって前記広義ホログラム(H)を照明するための照明光学系(Oe)とを有し、
前記照明光束(Fe)が前記広義ホログラム(H)によって回折されて形成された回折光束(Fd)のうちから、有効な光線成分を選択するための瞳(Q)が、前記広義ホログラム(H)に対して規定の相対位置に設定されており、
前記瞳(Q)を通過した瞳通過光束(Fq)によって前記広義ホログラム(H)に共役な前記出力像(Dc)を形成するものであり、
前記照明光束(Fe)の前記広義ホログラム(H)によって回折されなかった成分が前記出力像(Dc)に混入しないよう前記照明光束(Fe)と前記瞳(Q)との相対関係が規定されており、
前記広義ホログラム(H)には、少なくとも前記入力像の着色領域内で2次元分布する色相画素(Pxy)が設定されており、前記色相画素(Pxy)それぞれに課せられた色相を、前記色相画素(Pxy)それぞれが発現するよう、その色相画素(Pxy)を源とする前記瞳通過光束(Fq)の加色混合によって実現されるような空間並び周期と周期並び方向、および回折強度を有する回折格子の各成分が重ね合わせられた回折格子が、前記色相画素(Pxy)のそれぞれの全体に形成されることを特徴とするものである。
また、3種類以上の光の加色混合についても同様とする。
ここで、レンズとは、平面や球面(非球面を含む)の界面の前後の屈折媒質または屈折率が規定されたもので、レンズ等には、レンズの他に、前記界面を反射面としたものとして定義したミラーも含まれるし、任意個数のレンズやミラーの組合せによるものも含まれる。
このとき、A,Bは像であって、孤立した点像が対象として含まれることは当然として、複数の点像からなる集合や、点像が連続的に分布した拡がりのある像も対象として含める。
なお、自明の特別な状況として、レンズ等を全く含まない場合(レンズが前後の屈折媒質が空気である1個の界面である場合)は、Aと共役な像はA自身であるとする。
また広義には、主光線以外の光線は周辺光線と呼ばれる。
ただし、レーザのような指向性を有する光を扱う光学系では、開口絞りによって光束を切り出す必要が無いために開口絞りが存在しない場合が多く、その場合は、光学系における光の存在形態によって、それらが定義される。
ただし、厳密な話をすると、このように定義した主光線と光軸とが、例えば調整誤差のために交わらず、ねじれの位置にあるに過ぎない場合も考えられる。
しかし、このような現象は本質とは無関係であり、また議論しても不毛であるため、以下においては、このような現象は生じないと見なす、あるいは、主光線と光軸とが最接近する位置において交わっていると見なすことにする。
また、光学系のなかの隣接する2個の部分光学系AとBに注目し、Aの直後にBが隣接しているとしたとき、(Aの出力像がBの入力像となるのと同様に)Aの射出瞳はBの入射瞳となるし、そもそも光学系のなかに任意に定義した部分光学系の入射瞳・射出瞳は、(開口絞りが存在すれば全てそれの像であるし、存在しなくても)全て共役のはずであるから、特に区別が必要無ければ、入射瞳・射出瞳を単に瞳と呼ぶ。
また、表示対象のカラー画像として、前記したように色度図像を採り、これを表示する場合を例にとって説明する。
ただし、説明の理解が容易になるよう、最初に第7の発明について説明する。
ホログラムとは、回折格子が記録された透過型または反射型の光学的情報媒体で、記録時に定めた条件の光束で照明することにより、照明光が回折格子によって回折され、何らかの像が出現するもので、通常は立体像を表示するために利用される。
本発明における前記広義ホログラム(H)も透過型または反射型の光学素子であり、これには、図15の色度図に図形として対応した、図2に記載の入力像(Pd)が、像として描画されており、照明光束の照射により像が出現するものではなく、したがって通常の意味でのホログラムとは相違する。
しかし入力像(Pd)の着色領域(Ci)に対応する部分には回折格子が設けられおり、それによって色が出現するため、「広義ホログラム」と称している。
なお、前記広義ホログラム(H)に設けられる回折格子の形態としては、当面は、モノクロの銀塩写真乾板を露光して形成される、光透過率が正弦波状に変化する、濃度格子と呼ばれるものを想定しておくこととするが、後述するように、位相格子等に拡張することができる。
なお補足すると、前記した「入力像の着色領域」とは、出力像(Dc)における着色された領域に対応する、すなわち共役な入力像(Pd)における領域を指し、言うまでもなく、例えば色素やインク等で着色されることを指すものではない。
ただし、前記照明光束(Fe)の形態、すなわち前記照明光束(Fe)が平行光束であるか発散または集束光束であるかの別、平行光束である場合は前記広義ホログラム(H)への照射方向が、発散または集束光束であるる場合は発散点または集束点と前記広義ホログラム(H)と相対位置関係が、前記広義ホログラム(H)の作成時に定めた規定の条件を満足するよう、前記照明光学系(Oe)を設計し、これと前記光源(Ge)と前記広義ホログラム(H)とを配置する。
色相画素は、前記出力像(Dc)においては、最小単位の加色混合による色付き領域であり、それに対応する前記広義ホログラム(H)上の領域が、前記色相画素(Pxy)である。
色相画素は、広い意味での画素(広義画素)であるが、後述するように、通常の画素とは相違して、正方形などの矩形であるとは限らず、また画面内での大きさが一様であるとは限らない。
しかし、本発明を理解し易くするため、当面は、本発明の実施形態の一つでもある、色相画素が正方形で、画面内での大きさが一様である場合を想定して説明する。
そのため、前記広義ホログラム(H)の前記色相画素(Pxy)で回折した光のうち、前記開口(Aq)を通過した瞳通過光束(Fq)のみが、後方にある結像光学系(Of)に入射し、さらに後方にある結像面(Sf)上の実像として、前記出力像(Dc)の結像に寄与する。
ただし、前記開口(Aq)や前記結像光学系(Of)が光軸(w)に対して軸対称な構造を有しているとして、前記照明光束(Fe)のうち、前記広義ホログラム(H)で回折されなかった成分が前記開口(Aq)を通過しないよう、前記広義ホログラム(H)と前記開口(Aq)との距離と、前記照明光束(Fe)の太さと光軸(w)との成す角度との関係を決める。
ここで補足すると、前記した「回折されなかった成分」とは、前記照明光束(Fe)が、前記広義ホログラム(H)で正反射された成分(広義ホログラムが反射型の場合)や前記広義ホログラム(H)を素通しで透過した成分(広義ホログラムが透過型の場合)を指す。
また、後述するように、前記結像面(Sf)を感光材料層とすることもできる。
さらに、後述するように、前記出力像(Dc)が虚像であって、前記結像面(Sf)が仮想の面である場合もある。
先ず、前記色相画素(Pxy)が、色度図像におけるスペクトル軌跡(Ls)上のものである場合、例えば、波長495nmのシアン色の色相画素を想定した場合は、この色相画素(Pxy)に入射される、連続スペクトルの前記照明光束(Fe)の光線うちの、対象波長の光線が、前記瞳(Q)の方向に回折されるような空間並び周期(すなわち周期並びピッチ)と周期並び方向を有する回折格子を設ければよい。
このようにすることにより、この色相画素で回折される光のうち、想定した波長のシアン色の光成分のみが前記瞳(Q)の方向に向かい、前記開口(Aq)を通過できるが、それ以外の波長の光は、全て前記開口絞リ板(Sq)に当たって通過を阻止されてしまうため、前記結像光学系(Of)によって前記結像面(Sf)に前記出力像(Dc)が結像されるとき、この色相画素に共役な箇所は、シアン色に着色される。
本発明のカラー画像表示装置の技術に関連する概念の概略図で、色相画素(Pxy)と、それに付与される色相が色度図において占める座標点(pxy)との対応を表した図である図3に一例を示すように、対象とする前記座標点(pxy)を通る、適当な直線(lxy)を想定し、これがスペクトル軌跡(Ls)と交差する2個の点(a,b)を特定して、その色度座標に対応する波長 λa,λb を有する2種の単色光を選び、それらの波長それぞれについて、対象波長の光線が、前記瞳(Q)の方向に回折されるような空間並び周期と周期並び方向を有する回折格子の2成分を、前記色相画素(Pxy)に重ね合わせて、すなわち重畳して設ければよい。
前記したように、いまは、光透過率が正弦波状に変化する濃度格子を想定しているため、回折強度は回折効率に比例し、濃度変化波形の振幅に比例すると近似できるものとする。なお、比例しない場合(非線形性)の扱いに関しては後述する。
したがって、当面は、回折格子のある成分と他の成分の回折強度の比を、例えば1対2に設定する場合は、振幅を1対2に設定すればよいものとする。
以下では、前記照明光束(Fe)のスペクトル分布が一様とは限らないことを前提として、どのような振幅の比率とするかについて説明する。
Xa = S(λa)・xe(λa)
Ya = S(λa)・ye(λa)
Za = S(λa)・ze(λa)
と表され、よってそれらの和は、以下の式(式4)
Ta = Xa+Ya+Za
= S(λa)・{ xe(λa)+ye(λa)+ze(λa) }
と表せる。
同様に、波長 λb の成分についての、三刺激値の和は、以下の式(式5)
Tb = Xb+Yb+Zb
= S(λb)・{ xe(λb)+ye(λb)+ze(λb) }
と表せる。
このとき、この混合光の色度座標が、前記点(a)と前記点(b)とを結ぶ線分を、 m 対 1−m で内分する位置に来るものとすると、 m の値は、以下の式(式6)
m = f・Ta / { f・Ta + (1−f)・Tb }
のように計算される。
したがって、逆に、前記色相画素(Pxy)が、前記点(a)と前記点(b)とを結ぶ線分を、 m 対 1−m で内分する位置にある場合は、以下の式(式7)
f = m・Tb / { (1−m)・Ta + m・Tb }
の f の値にて、波長 λa の成分と波長 λb の成分とを、割合 f 対 1−f で混合すればよいことになる。
しかし、前記座標点(pxy)が前記純紫軌跡(Lp)の近傍にある場合は、前記直線(lxy)は前記純紫軌跡(Lp)にほとんど平行なものにならざるを得ないし、前記座標点(pxy)の位置に依存して前記直線(lxy)が前記純紫軌跡(Lp)に対して成す角度を変えるべき特段の理由が無い限り、前記座標点(pxy)の位置によらず、前記直線(lxy)は、前記純紫軌跡(Lp)に平行とすることが簡単で有利である。
例えば、本発明のカラー画像表示装置の技術に関連する概念の概略図で、色相画素(Pxy)と、それに付与される色相が色度図において占める座標点(pxy)との対応を表した図である図4に一例を示すように、対象とする前記座標点(pxy)と、前記スペクトル軌跡(Ls)上に適当にとった点(c)とを結ぶ直線(lxy’)を想定し、これが、前記スペクトル軌跡(Ls)上に適当にとった点(a”)と点(b”)とを結ぶ直線と交差する点(c”)の座標を求め、定量化した混色座標則を用いて、点(a”)と点(b”)の波長の光の加色混合によって前記点(c”)の色相を実現するための、点(a”)と点(b”)の波長の光回折する2成分の回折格子の各成分の振幅を決定する。
そして、前記点(c”)の光と前記点(c)の波長の光の加色混合によって、前記色相画素(Pxy)の色相を実現する前記点(c)の波長の光を回折する回折格子の振幅を決定すればよい。
本発明のカラー画像表示装置によって色度図像を表示する広義ホログラム(H)を作成する場合も、任意に選んだ明るさ分布としてよい。
ここでは、実現したい明るさ分布、すなわち Y 値の分布があるとき、各色相画素(Pxy)の Y 値を実現する回折強度の計算方法について説明する。
具体的には、波長 λa,λb における照明光束(Fe)のパワー密度 f・S(λa) および (1−f)・S(λb) それぞれに、同じ倍率 κ を乗じて Y 値を求める以下の式(式8)
Y = κ・{f・S(λa)・ye(λa) + (1−f)・S(λb)・ye(λb)}
の値が実現したい Y 値となるよう、倍率 κ を定め、各成分の回折強度を κ・f および κ・(1−f) により求めることを、前記色相画素(Pxy)それぞれに対して実行すればよい。
その際は、各サブ画素の面積を同じとし、各サブ画素の回折強度を κ・f および κ・(1−f) に設定すればよい。
あるいは、同じ面積の各サブ画素のうちの、回折格子として有効に機能する部分の面積を κ・f および κ・(1−f) に比例するものとし、回折格子として有効に機能する部分の回折格子の回折強度自体は、両方のサブ画素で同じに設定することも原理的には可能である。
ここで、サブ画素のうちの、回折格子として有効に機能する部分でない部分は、そこに回折格子を形成しないことで構成できる。
回折光束の拡がり角が大きくなれば、前記瞳(Q)を通過できる光量が減るため、光の利用効率が低下してしまう上に、前記瞳(Q)による色の選択の鋭さが低下して不要な色の光まで通過させてしまうため、スペクトル軌跡が曲がっていることに対応して、前記瞳(Q)を通過した光束の色度座標がスペクトル軌跡から離れてしまい、スペクトル軌跡上の色が正確に表現できなくなる問題が生ずる。
したがって、この観点から言えば、前記色相画素(Pxy)を回折格子の成分に対応してサブ画素に分割するのではなく、前記色相画素(Pxy)のそれぞれの全体に成分を重ね合わせて形成する構成が最も優れていることになる。
I(U,V)=sinc^2{π(a/λ)・(U/L)}・sinc^2{π(b/λ)・(V/L)}
のようになる。ただし、記号 ^2 は2乗を表す。
この回折パターンの主要部である、光パワーの大部分が集まる、最も内側の暗線で囲まれた矩形領域 2λL/a × 2λL/b の大きさを目安として採ることとし、例えば、波長 λ として長波長側の端(赤)の700nmを採り、実際の a,b,L の値に基づく計算によってこの矩形領域の寸法を求めた上で、この矩形領域が内接する大きさの円形を、前記瞳(Q)の大きさの、回折要因による目安とすればよい。
ただし、前記照明光束(Fe)の点光源性の程度に依存して前記した回折パターンの拡がりが追加されるため、この分も考慮して前記瞳(Q)の大きさを決める必要がある。
なお、ここでは、2種類の波長によって色相を発現する場合について述べたが、波長が3種類以上の場合についても、先に色相を発現するための各成分の回折強度の比率をしておき、同様に比率を保ったまま、全体的な回折強度を調整すればよい。
通常のホログラムは、例えば、レーザ光などの可干渉の単色光で対象物体を照明したときの、対象物体からの散乱光である物体光と、それと可干渉な参照光とを、同時に写真乾板に入射して露光することにより、写真乾板上で物体光と参照光とが干渉して生じる干渉縞を記録し、それを現像定着した写真乾板として作成する。
再生時には、記録時と同じ条件の参照光をホログラム(写真乾板)に照射することにより、参照光が記録された干渉縞によって回折されて、記録時に写真乾板に当たっていた物体光が発生することにより、対象物体の立体像が再現されるものである。
そして、電子ビーム描画装置や高精細レーザ描画装置、高精細プロッタなどの干渉縞画像描画手段を用いて、感光材料に生成した干渉縞画像を描画露光し、所定の現像定着等の処理プロセスを施すことによって、実体としてのコンピュータホログラムが完成する。
それの再生の仕方は、通常のホログラムと同様であるが、実在しない物体の立体像を出現させることができるものである。
[ステップ1]対象とする前記色相画素(Pxy)を1個選択する。
[ステップ2]前記したようにして、対象とする前記色相画素(Pxy)に発現させたい(単一または複数の)色と、その色の干渉縞の振幅を決定する。
[ステップ3]対象とする前記色相画素(Pxy)に発現させたい色に対応する波長を選択する。
[ステップ4]対象とする前記色相画素(Pxy)を2次元分割して設けた格子描画画素を1個選択し、その格子描画画素から前記瞳(Q)に向けて発する物体光の前記格子描画画素における位相と、同じ波長を有し、前記格子描画画素に到達する参照光の位相を算出する。
[ステップ5]対象とする前記色相画素(Pxy)内の全ての格子描画画素について前記ステップ4を実行し、物体光と参照光との光電界の干渉のシミュレーションを行い、干渉して生じた光電界のパワー密度分布、すなわち電界振幅の絶対値の2乗を算出することにより、前記色相画素(Pxy)内において発生するであろう干渉縞画像を算出した上で、それに前記ステップ2で決定した振幅を与えることにより、前記格子描画画素それぞれの値を決定する。
[ステップ6]対象とする前記色相画素(Pxy)に発現させたい他の色があれば、前記ステップ3から5を行ってその色に対する新たな干渉縞画像を算出し、それに前記ステップ2で決定した振幅を与え、先に作成した干渉縞画像の各格子描画画素の値に加算することを、発現させたい全ての色に対して実行する。
[ステップ7]前記ステップ1から6を、前記色相画素(Pxy)の全てに亘って行い、前記色相画素(Pxy)の全体を1枚の干渉縞画像の画像データとして保存する。
また、前記ステップ4で行う物体光および参照光の位相の算出は、対象とする前記格子描画画素と物体光の波源との距離 Δ 、および前記格子描画画素と参照光の波源との距離 Δ を算出し、光電界の複素振幅 E が、以下の式(式10)
E = exp(−i・k・Δ)
の形式で求まることを利用すればよい。
ここで、 k=2π/λ は波数、 i は虚数単位である。
ただし、参照光の波源が無限遠、すなわち参照光が平面波である場合は、 Δ が無限大であるため、前記した式10をそのまま使うことは出来ない。
参照光の方向単位ベクトルを、 u,v,w の各方向の成分で表して (iu,iv,iw ) と書くとき、前記広義ホログラム(H)上の座標 (u,v) にある前記格子描画画素での位相 ψ(u,v) は、以下の式(式11)
ψ(u,v) = −k・(u・iu + v・iv)
で求められるので、前記した式10の代わりに、以下の式(式12)
E(u,v) =exp(i・ψ(u,v))
によって求められる。
同様に、物体光についても、前記色相画素(Pxy)の代表点から前記瞳(Q)の中心に向けて発する前記回折光束(Fd)の方向と等しい方向を有する平面波が、その色相画素(Pxy)内の全ての前記格子描画画素から発するものとして、前記式11,式12によって、前記ステップ4における物体光の位相の算出を行ってもよい。
本発明のカラー画像表示装置の技術に関連する概念の概略図である図13に、伝播方向光軸(d1,d2)を有する、波長 λ の2本の光束が干渉縞(fr1,fr2,…)をつくる様子を表す。
図13の(a)に示すように、前記伝播方向光軸(d1,d2)は、共に紙面内に存在し、それらは角度 θ で交差しているものとする。
前記伝播方向光軸(d1,d2)それぞれに垂直な、2群の実線群は、2本の光束それぞれの波面を表している。
前記干渉縞(fr1,fr2,…)のそれぞれは空間的なものであって、電界強度の最も高い箇所に着目すると、前記伝播方向光軸(d1,d2)の対称軸たる w’軸方向に延びているのみならず、紙面に垂直の方向、すなわち u’軸方向にも延びた、面状の構造を有するものである。
ここで、隣接する2個の干渉縞(fr1,fr2)と2個の波面(wf1,wf2)に着目し、それらで形成される3角形(Tf)に注目する。
該3角形(Tf)を抽出した図13の(b)から判るように、その斜辺の長さ Λ' と角度 θ 、波長 λ の関係は、以下の式(式13)
Λ' = λ / sinθ
のように表されるから、隣接する干渉縞(fr1,fr2)の間隔、すなわちピッチ Λ は、以下の式(式14)
Λ = Λ'・cos( θ/2 ) = λ / { 2・sin( θ/2 ) }
のように表すことができる。
ただし、本明細書では、記号を山括弧 < > で囲んだ形式で書かれる量は、ベクトルを表すものとする。
また、 < > の中の記号に、添え字 u,v,w を付したものは、そのベクトルのそれぞれ u,v,w 成分を表すものとする。
方向単位ベクトル <i> と <j> が、図13の(a)の前記伝播方向光軸(d1,d2)の方向を向くように見える方向から見たときの、 w’軸の方向を向くベクトル <f> 、および紙面に垂直な方向を向くベクトル<g> は、以下の式(式15)
<f> = <i> +<j>
<g> = <i> ×<j>
= (iv・jw − iw・jv ,
iw・ju − iu・jw ,
iu・jv − iv・ju )
のように表せる。
なお、記号 × はベクトル積(外積)を表す。
したがって、前記広義ホログラム(H)の原点を通り、ベクトル <f> と<g> の両方を含む平面(以降、これを干渉縞代表面 Ω と呼ぶ)と、前記広義ホログラム(H)とが交差する直線を見出せば、前記広義ホログラム(H)に形成すべき回折格子の角度が判ることになる。
干渉縞代表面 Ω の上に存在する任意の位置ベクトル <ω> は、任意の値のパラメータ α,β を用いて、以下の式(式16)
<ω> = α<f> + β<g>
のように表すことができる。
この位置ベクトルが前記広義ホログラム(H)上に存在するときは、その w 座標が零であるから、 α,β の関係として、 α・fw + β・gw =0 、すなわち以下の式(式17)
α = −( gw/fw )・β
が成立する。
前記広義ホログラム(H)と干渉縞代表面 Ω が交差する直線 Lf の上の、原点以外の1点が判ればよいから、その点の位置ベクトル <ω> の u,v 座標は、 β=1 を式17と式16に適用した、以下の式(式18)
ωu = −( gw/fw )・fu + gu
ωv = −( gw/fw )・fv + gv
により算出することができる。
よって、この点と原点とを結ぶ直線 Lf が、 u 軸に対して成す角度 Φ 、すなわち以下の式(式19)
Φ = atan( ωv/ωu )
により求めることができる。
そして、干渉縞の周期並び方向は、直線 Lf に垂直だから、角度 Φ を90度回転した角度として求めればよい。
図13において干渉縞の周期並び方向である v’軸の方向を向くベクトルを、前記広義ホログラム(H)の座標系である u,v,w 座標系で<h> と書くとすると、以下の式(式20)
<h> = <i> −<j>
と表せるから、このベクトルの方向を向き、大きさが干渉縞のピッチ Λ に等しいベクトル <Λ> は、以下の式(式21)
<Λ> = (Λ/|<h>|)<h>
と表すことができる。
ここで、記号 | | は、ベクトルの長さ、または値の絶対値を表す。
いま、前記した前記広義ホログラム(H)の原点を通過する干渉縞代表面 Ω に対し、隣接する干渉縞代表面 Ω' を考える。
干渉縞代表面 Ω' の上に存在する任意の位置ベクトル <ω'> は、任意の値のパラメータ α',β' を用いて、以下の式(式22)
<ω'> = α'<f> + β'<g> + <Λ>
のように表すことができる。
この位置ベクトルが前記広義ホログラム(H)上の v 軸に存在するときは、 <ω'> の u および w 成分が零であるから、この条件を式22に適用した、以下の式(式23)
α'・fu + β'・gu = −Λu
α'・fw + β'・gw = −Λw
を得る。
これは、 α',β' に関する2元連立1次方程式であるから解けて、その解 α',β' の値を <ω'> の v 成分の表現、すなわち以下の式(式24)
ω'v = α'・fv + β'・gv + Λv
に代入することにより、干渉縞代表面 Ω' が前記広義ホログラム(H)上の v 軸と交差する点 Pf の v 座標 ω'v を求めることができる。
よって、前記広義ホログラム(H)上における干渉縞の空間並び周期 ρ は、点 Pf と、そこから直線 Lf に降ろした垂線の足との距離であるから、以下の式(式25)
ρ = |ω'v|・cosΦ
によって算出することができる。
いま、 u,v,w 軸と図13の u’,v’,w’軸とが一致している状態を考える。
ここで、 u’,v’,w’座標系を、 u 軸回りに角度 Ψ だけ回転させた状態をさらに考えると、図13より直ちに理解できるように、干渉縞(fr1,fr2,…)の群を u,v 平面で切った断面における干渉縞のピッチは、 u’,v’平面でのピッチ Λ に対して 1/cosΨ 倍に伸びることが判る。
前記したように、 w’軸の方向を向くベクトルは<f> であるから、角度 Ψ は、 <f> が w’軸に対して成す角度として求めればよい。
一般に、任意のベクトルを単位ベクトル化する際は、それをその長さで除すればよく、そのようにして得られた単位ベクトルの w 成分は、 w 軸と成す角度の余弦であるから、ベクトル <f> と角度 Ψ との関係として、直ちに以下の式(式26)
cosΨ = fw / |<f>|
を得る。
したがって、 u,v 平面上、すなわち前記広義ホログラム(H)上における干渉縞の空間並び周期 ρ は、以下の式(式27)
ρ = Λ・|<f>| / fw
によって算出することができる。
[ステップ1]対象とする前記色相画素(Pxy)を1個選択する。
[ステップ2]前記したようにして、対象とする前記色相画素(Pxy)に発現させたい(単一または複数の)色と、その色の干渉縞の振幅を決定する。
[ステップ3]対象とする前記色相画素(Pxy)に発現させたい色に対応する波長を選択する。
[ステップ4]前記色相画素(Pxy)の代表点に入射する前記照明光束(Fe)の方向と等しい方向を有する平面波が、その色相画素(Pxy)内の全ての前記格子描画画素に到達するものとして、また、前記色相画素(Pxy)の代表点から前記瞳(Q)の中心に向けて発する前記回折光束(Fd)の方向と等しい方向を有する平面波が、その色相画素(Pxy)内の全ての前記格子描画画素から発するものとして、前記した方法により、これらの方向に伝搬する平面波が、前記広義ホログラム(H)上につくる干渉縞の周期並び方向と空間並び周期を求める。
[ステップ5]求めた周期並び方向と空間並び周期、および前記ステップ2で決定した振幅を有する干渉縞画像となるよう、対象とする前記色相画素(Pxy)内の全ての前記格子描画画素の値を決定する。
[ステップ6]対象とする前記色相画素(Pxy)に発現させたい他の色があれば、前記ステップ3から5を行ってその色に対する新たな干渉縞画像を算出し、それに前記ステップ2で決定した振幅を与え、先に作成した干渉縞画像の各格子描画画素の値に加算することを、発現させたい全ての色に対して実行する。
[ステップ7]前記ステップ1から6を、前記色相画素(Pxy)の全てに亘って行い、前記色相画素(Pxy)の全体を1枚の干渉縞画像の画像データとして保存する。
したがって、同様に、電子ビーム描画装置や高精細レーザ描画装置、高精細プロッタなどの干渉縞画像描画手段を用いて、感光材料に生成した干渉縞画像を描画露光し、所定の現像定着等の処理プロセスを施すことにより、前記広義ホログラム(H)を作成すればよい。
しかし、前記格子描画画素を設けるのではなく、例えば、前記色相画素(Pxy)のそれぞれが有すべき回折格子の、周期並び方向および空間並び周期、振幅から成る情報の組の1組または複数組(その色相画素の色相の発現に要する色数に応じた組数)を画像データとして生成・保持し、この画像データに基づいて、同様に、電子ビーム描画装置や高精細レーザ描画装置、高精細プロッタなどによって前記広義ホログラム(H)を作成する方法としてもよい。
例えば、前記広義ホログラム(H)のある場所に位置する、 u 方向と v 方向それぞれある個数の前記色相画素(Pxy)から成る矩形領域が存在するとして、この矩形領域が一様な色を表現するように前記色相画素(Pxy)のそれぞれの回折格子を決定する状況を想定すると、この矩形領域内では、全ての回折格子線を連続とすることにより、あたかも色相画素間の境界の痕跡が現れず、この矩形領域全体で一体の回折格子に見えるようになる。
このとき、回折格子が複数成分あれば、それぞれの成分について連続にする。
このような状況は、後に参照する図10に描かれている。
もし、いま述べた回折格子線の連続化処理を行わない場合は、前記色相画素(Pxy)の大きさ(後述する基本色相画素の大きさ)は、それに含まれる回折格子によって発現される回折現象が十分な波長選択能力を有するよう、十分な多さの回折格子の周期数を含み得る大きさである必要があるが、回折格子線の連続化処理を行うことを前提とするならば、前記色相画素(Pxy)の大きさを小さく設定することができるようになり、表示する前記出力像(Dc)の分解能の向上に貢献できる。
なお、後述する、前記照明光束(Fe)が方向の異なる複数の個別照明光束から成っているものの場合は、周期並び方向が異なる複数成分の回折格子について、各成分の回折格子線のそれぞれが可能な限り連続するように構成する。
しかし、これを、反射率が変化する反射格子とすることもできるし、屈折率が変化する位相格子(透過型または反射型)とすることもできる。
例えば、前記広義ホログラムが銀塩写真乾板の場合、通常の現像定着によるモノクロの回折格子を作った後、所定の漂白処理を施すことにより、濃度分布が屈折率分布に変換され、位相格子に改変することが可能で、この処理により回折効率が向上する。
なお、光透過率が正弦波状に変化する濃度格子の場合も含め、振幅や波形の特徴などと、実際の回折強度との相関、すなわち非線形性については、例えば実験的に確認し、干渉縞画像の画像データの作成時に、所望の回折強度が実現されるよう補正を加えることが望ましい。
これらの動的に広義ホログラム(H)を作成する技術の場合、前記した回折格子の各成分を、時分割で発生させ、時間的な加色混合によって重ね合わせるように制御することもできる。
したがって、そのようにする場合は、回折格子の各成分の回折強度を、各成分の振幅ではなく、その成分の回折格子を発生している時間長さに比例するよう制御して実現するよう構成することができる。
なお、このように回折格子の各成分を時分割で発生させる場合は、後述する、回折格子の各成分の周期並び方向が直交に近いようにする条件に対しては無頓着でよい。
しかし、前記したように、静的または動的な前記広義ホログラムを反射型とした場合は、前記広義ホログラムから反射的に回折した回折光束のうち、瞳を通過した、瞳通過光束が、結像光学系によって結像面に結像されるよう、本カラー画像表示装置の光学系を構成すればよい。
また、先述のLCOSを前記広義ホログラム(H)とする場合は、PBS(偏光ビームスプリッタ:polarization beam splitter)を使用して光学系を構成すればよく(例えば、佐藤浩: 光学, 35巻 6号 (2006) p318, 日本光学会(応用物理学会)発行 を参照)、例えばPBSで反射し、LCOSに到達した前記照明光束(Fe)のうちの、反射時に偏波方向が回転させられた干渉縞成分による回折光のみを、PBSで透過させて前記瞳(Q)に向かわせるようにすることができる。
例えば、前記照明光束(Fe)が白色光である場合、前記結像面(Sf)における前記非着色対象領域(Cx)に対応する領域を白色にしたければ、前記広義ホログラムが透過型の場合は前記非着色対象領域(Cx)を拡散透過面とし、前記広義ホログラムが反射型の場合は前記非着色対象領域(Cx)を拡散反射面とすればよい。
また、前記非着色対象領域(Cx)に対応する領域を黒色にしたければ、前記非着色対象領域(Cx)に回折格子を設けないようにすればよいが、前記広義ホログラムが透過型の場合は前記非着色対象領域(Cx)を不透過面(黒色)とし、前記広義ホログラムが反射型の場合は前記非着色対象領域(Cx)を無反射面(黒色)としてもよい。
さらに、前記非着色対象領域(Cx)に対応する領域に文字やスケール、絵柄を描きたければ、前記広義ホログラムが透過型の場合は透過型の、前記広義ホログラムが反射型の場合は反射型の文字やスケール、絵柄を所望の色彩で描けばよい。
しかし、前記開口絞リ板を前記結像光学系(Of)の後段に設けるもの、あるいは、前記したカメラレンズのように、前記結像光学系(Of)が組合せレンズであって、前記開口絞リ板はその内部に設けるものであってもよい。
なお、XYZで値付けされた画像データを取得する手段は、例えば、通常のカラーカメラの、3個のイメージセンサの前段に設けられるR,G,Bの各フィルタを、前記した等色関数 xe(λ),ye(λ),ze(λ) それぞれに等しい分光感度のフィルタ(例えば、株式会社ニコン製の三刺激値フィルタ(等色関数フィルタ))に置き換えることにより実現可能である。 ただし、イメージセンサや他の光学素子の分光特性が平坦でない場合は、その補正分をフィルタに加えて所期の分光感度になるようにする必要がある。
実際、そのようなカメラ、すなわちXYZカメラの市販品が存在し、例えば、池上通信機株式会社製のRTC−21がある。
また、前記した空間光変調器を利用した、動的な広義ホログラム(H)を用いて構成した本発明のカラー画像表示装置であれば、そのような画像を動画として表示することも可能である。
当然、本カラー画像表示装置において、先述の空間光変調器を利用するためには、前記広義ホログラム(H)に対する変調情報たる、回折格子像である、画像データとしての広義ホログラムデータを、外部から受信するための広義ホログラムデータ受信インターフェースや、そのデータを一時記憶するための広義ホログラムデータバッファ、前記広義ホログラムデータに基づいて前記空間光変調器を動作させる空間光変調器駆動回路、そして、これらを統合制御する制御プロセッサなどの個別機能ユニットを備える必要がある。
しかし、先述の空間光変調器を搭載したプロジェクタが既に存在しているため、それらに使われる技術を利用して、前記した個別機能ユニットを構成することができる。
例えば、RGBの3板のLCOSを空間光変調器とするプロジェクタ(例えば、佐藤浩: 光学, 35巻 6号 (2006) p318, 日本光学会(応用物理学会)発行 を参照)では、RGB3チャンネル分のデータ系列について、受信、記憶、変調の処理を行うが、本カラー画像表示装置に対しては、そのうちの1チャンネル分を実装することにより実現することができる。
ただしこの場合、その変換処理には大量の数値計算が必要であるため、専用の並列演算処理ユニットであるGPUを搭載するなどして、処理速度を高速化することが望ましい。
因みに、従来のプロジェクタをRGBプロジェクタと呼ぶならば、いま述べた構成によって、XYZプロジェクタと呼ぶべきものが実現できることが判る。
この場合、接眼レンズとしての前記結像光学系(Of)の直後に観察者の眼球が位置し、眼球の瞳孔が前記瞳(Q)として機能する。
そして、この場合は、眼球の虹彩が前記開口絞リ板(Sq)として機能するため、本カラー画像表示装置には、実体としての前記開口絞リ板(Sq)を設置する必要が無い。
ただし、前記照明光束(Fe)と前記広義ホログラム(H)からなる系に対し、設計上規定される相対位置に前記瞳(Q)が存在しなければならないため、観察者が眼を置く位置を判らしめる(強制する)工夫、例えば規定位置に接眼目当てを設けたり、本カラー画像表示装置を筐体で覆って規定位置に覗き穴を設けるなどすべきである。
したがって、図1は、観察者が前記広義ホログラム(H)を直接見る状況をも表すものであることが判る。
先に図1を参照して行った説明においては、前記照明光束(Fe)が1本であるものについて述べたが、本発明のカラー画像表示装置は、照明光束(Fe)が、方向の異なる複数の個別照明光束(Fe1,Fe2,…)から成るように構成することができ、図5は、前記個別照明光束(Fe1,Fe2,…)を生成するための複数の照明光学系(Oe1,Oe2,…)を有することで、3本の個別照明光束によって広義ホログラム(H)を照明するものを例示している。
本図には、前記光源(Ge)および前記光源光束(Fs)に相当する光源および光源光束は記載が省略されているが、前記照明光学系(Oe1,Oe2,…)がそれぞれ個別の光源を備えるように構成することも可能であるし、1個の光源からの光源光束を分割して前記照明光学系(Oe1,Oe2,…)それぞれに供給するように構成することも可能である。
照明光束の数が1本である場合、前記広義ホログラム(H)上の前記色相画素(Pxy)に入射する照明光束の方向は当然1種類であり、前記瞳(Q)は1個であるから回折格子から回折光が射出する方向も1種類であるため、前記色相画素(Pxy)に複数の回折格子の成分を設ける場合、回折格子の周期並び方向は全て同じとなる。
例えば、前記した光透過率が正弦波状に変化する濃度格子の場合で言うと、周期並び方向が同じで、空間並び周期が異なる成分が重畳される訳であるから、例えば2種の空間並び周期の濃度の高い位相が重なる箇所があっても、各成分の回折格子が独立に機能できるためには、濃度の線形性が保たれるよう、回折格子の各成分の振幅を十分小さく抑える必要がある。
この場合は、前記色相画素(Pxy)上の2種の回折格子の成分は、周期並び方向が異なるため、2種の空間並び周期の濃度の高い位相が重なる箇所において少々飽和傾向となり、濃度の線形性が多少低下する場合でも、各成分の回折格子が独立に機能できるため、回折格子の各成分の振幅をあまり小さく抑えなくてもよくなるため、回折効率を高くすることができる。
特に、周期並び方向が直交に近い場合は、前記した飽和傾向に対する耐性が強いため有利である。
そして、いま述べた事情は、位相格子の場合も同様である。
ここで、主たるスペクトル帯域が互いに相違する、とは、スペクトル帯域が互いに相違するように構成するに際し、部分的な重複があっても構わないことを意味する。
そして、スペクトル帯域として、必要な可視光の連続スペクトル帯域を3つに分割した、例えば、495nm以下,495から570nm,570nm以上(以降、これらをそれぞれ第1帯域,第2帯域,第3帯域と呼ぶ)の3種類を想定し、前記した、回折格子の第1成分,第2成分,第3成分は、それぞれ第1帯域,第2帯域,第3帯域のなかから選択された波長の光を回折することと定めることができる(前記した混色座標則による)。
何となれば、いま十分と称した成分以外のスペクトル帯域の光を第1,第2,第3の個別照明光束の何れかが有していても、それを回折するような回折格子は作られないからであり、逆に言えば、そのような成分を各個別照明光束に含有させることは無駄であることが判る。
したがって、前記個別照明光束(Fe1,Fe2,…)それぞれの主たるスペクトル帯域を相違させ、前記広義ホログラム(H)の前記色相画素(Pxy)の回折格子の成分を、前記個別照明光束(Fe1,Fe2,…)のそれぞれが有するスペクトル帯域と入射方向に適合した周期並び方向と空間並び周期とするように構成することにより、光源光束の利用効率を高めることができる。
したがって、前記した方向の異なる複数の個別照明光束のそれぞれの主たるスペクトル帯域が互いに相違するようにしたものを実現する形態として、1個の前記光源(Ge)から発した、必要な可視光の連続スペクトル帯域の光を、適当なスペクトル位置で帯域分割した、短波長側の成分から成る短波長側光束(Feb)と長波長側の成分から成る長波長側光束(Fer)とすることができる。
ここで、帯域分割するスペクトル位置としては、必要な可視光の連続スペクトル帯域を、前記点(A)に対応する700nmから前記点(B)に対応する400nmまでとして、その中央付近に位置する、510から530nmの範囲から選べば、前記した任意の色相を発現することに好適である。
また、この形態は、前記した、前記広義ホログラムの前記色相画素の回折格子の成分を、前記個別照明光束のそれぞれが有するスペクトル帯域と入射方向に適合した周期並び方向と空間並び周期とするように構成することにより、光源光束の利用効率を高めることができる特徴を利用可能である。
本図においては、前記光源(Ge)から発した光源光束(Fs)に対し、必要に応じて設けるコリメータレンズ(Lc)によって平行光束とし、それを長波長通過フィルタ(Bf)に入力し、透過した光を前記長波長側光束(Fer)として、また反射した光をミラー(M1)で方向を変えて前記短波長側光束(Feb)として、それぞれ前記広義ホログラム(H)に照射して照明するよう構成している。
なお、ここでは簡単のため、コリメータ素子として前記コリメータレンズ(Lc)を用いるものを例示したが、色消しを行うとしても、残存するレンズの色収差によってコリメート性能が低下することを防止するため、凹面ミラーを用いるようにしてもよい。
このとき、前記長波長通過フィルタ(Bf)のフィルタ特性の鋭さ、すなわち前記した、反射率の低下、透過率の上昇が始まる波長と、反射率の低下、透過率の上昇が終わる波長との波長差 Δλ の小ささについては、いまの場合、あまり鋭くない方が望ましく、前記した波長差 Δλ は、例えば5nm程度あることが望ましい。
理由は、帯域分割するスペクトル位置に相当する単色光の色度座標に対し、その近傍の色度座標を有する色相の再現性が、前記短波長側光束(Feb)および前記長波長側光束(Fer)の、前記広義ホログラム(H)への入射角度の調整誤差に対して敏感になるからである。
このことを実現するものとして、図6に一例を示した、前記照明光学系(Oe)が、前記短波長側光束(Feb)および前記長波長側光束(Fer)からなる照明光束を生成する構造であるものに適用することが特に好適である。
その際、前記した帯域分割するスペクトル位置の波長としては、色度図において、純紫軌跡(Lp)に平行な直線が、逆U字形状のスペクトル軌跡の頂上部分で接する箇所に対応する波長、すなわち、約518nmを選ぶことが好適である。
例えば、キセノン放電ランプ,白熱電球,放電励起蛍光ランプ,半導体光源励起蛍光ランプ等々が利用できる。
ただし、発光素子の発光スペクトルに、顕著な凸部や強い輝線が含まれる場合は、フィルタを用いて平坦化して使うとよい。
蛍光ランプのような面発光的な光源の場合は、狭い領域で発生した光を選択して利用するよう、前記光源(Ge)は、視野絞りを備えるものとすればよく、また点光源性を高めるためには、光源からの出力光束をレンズ等によって集束し、集束点に設けた開口(ピンホール)を通過した光を前記光源光束(Fs)とする構成(空間フィルタ)が有効である。
この場合、前記した規定の条件の照明光束(Fe)によって前記広義ホログラム(H)を照明することを確実に実現するために、本カラー画像表示装置と太陽光の方向との相対関係が特定の関係にある場合以外では、前記広義ホログラム(H)に太陽光が当たらないよう、太陽光入力部に開口を設けたものを前記照明光学系(Oe)とする、などの工夫が必要である。
ただし、太陽光の方向は時間的に変化するため、本カラー画像表示装置の空間的設置方向を可変として、太陽光の方向に適合できるように操作するものとしたり、前記照明光学系(Oe)が反射面の法線方向が可変なミラーを有し、これに反射させた太陽光を利用するものとして、太陽光の方向と本カラー画像表示装置の太陽光入力方向とが整合するよう、前記法線方向を操作できるようにしても良い。
当然、太陽光の方向に合せて前記法線方向の自動可変機構を設け、太陽を自動追尾するように構成すれば、さらに好適である。
特に前記広義ホログラム(H)が空間光変調器の場合は制約が厳しい。
したがって、前記広義ホログラム(H)に形成する回折格子のピッチが可及的粗くなるように、光学系の構造を工夫することが有利となるが、そのためには、前記広義ホログラム(H)のある色相画素(Pxy)に入射した前記照明光束(Fe)の光線が、回折されて前記瞳(Q)に向かう場合の光線と、回折されなかった場合の光線との成す角度が、可及的小さくなるようにすればよい。
その条件が成立している場合の、前記広義ホログラム(H)から見込んだ前記瞳(Q)およびその周辺の様子を、本発明のカラー画像表示装置の一部を簡略化して示す模式図である図7に示す。
前記照明光束(Fe)の前記広義ホログラム(H)によって回折されなかった成分は、前記瞳(Q)が設定されている光軸(w)に垂直な面上の、前記瞳(Q)の外部で瞳外周(Qc)の近傍に光源像(Eq,Eq’)を形成するように光学系を構成する。
光源像を2個描いてあるのは、前記照明光束(Fe)が、例えば、前記した短波長側光束(Feb)と長波長側光束(Fer)から成る場合を想定したからであり、2個に限定されない。
なお、図の前記光源像(Eq,Eq’)が、したがって前記瞳(Q)も、実像であるとは限らず、虚像として構成することもできる。
ここで、漏れ光の少なさに関する目標値は、本発明のカラー画像表示装置の仕様として設計者が決めるもので、前記広義ホログラム(H)に回折格子が全く形成されていないときの漏れ光のパワーが、前記光源像(Eq,Eq’)の全パワーの、例えば0.1%と決めればよい。
なお、図において2本の一点鎖線として描いてあるように、前記瞳(Q)の中心から前記光源像(Eq,Eq’)それぞれの中心とを結ぶ2本の直線の成す角度が直角になるように構成することが好適である。
何故なら、そのようにすると、前記色相画素(Pxy)に重畳して形成される2成分の回折格子の周期並び方向が概ね直交するため、前記した理由によって有利となるからである。
本図の光学系においては、光源(Ge)から発した光源光束(Fs)を、コリメータレンズ(Lc)によって平行光束とし、それを長波長通過フィルタ(Bf)に入力し、透過した長波長側光束(Fer)と、また反射した短波長側光束(Feb)をミラー(M1,M2)によって方向を変えた光束とを、長波長通過フィルタ(Bf’)を用いて、1個の光束に合成した後、集光レンズ(Lf)を用いて収束光束に変換して照明光束(Fe)を生成する。
前記照明光束(Fe)は広義ホログラム(H)に照射され、回折されなかった照明光束(Fe’)は、前記瞳(Q)として機能する後方に設けた開口絞リ板(Sq)上に実像の光源像(Eq,Eq’)を形成する。
したがってこの場合は、前記光源像(Eq,Eq’)は集光スポットである。
ただし、図においては、前記広義ホログラム(H)による回折光束は、描くことを省略してある。
なお、前記光源像(Eq,Eq’)の間隔は、前記長波長通過フィルタ(Bf’)の位置と角度によって調整可能である。
当然、前記したように、前記開口絞リ板(Sq)の後段には、前記広義ホログラム(H)と共役な出力像(Dc)を、スクリーンに結像するための投影レンズとしての、あるいは無限遠に結像するための接眼レンズとしての前記結像光学系(Of)が、必要に応じて配置される。
しかし、光を前記瞳(Q)の中心に向かわせるために、回折によって偏向させる方向は、前記色相画素(Pxy)の前記広義ホログラム(H)上での位置に依存して変化する。
このことを実現するには、前記照明光束(Fe)を平行光束とし、ただし、当然この場合、前記したように方向の異なる複数の個別照明光束から成る場合は、それぞれの個別照明光束を平行光束とし、前記広義ホログラム(H)から見込んだ前記瞳(Q)が、無限遠に位置するように構成すればよい。
言い換えれば、前記出力像(Dc)の形成に寄与する回折光束のみに注目するとき、前記広義ホログラム(H)がテレセントリックな像を生成するように構成すればよい。
このときは、前記瞳(Q)の中心から前記光源像(Eq,Eq’)それぞれの中心とを結ぶ2本の直線の成す角度が直角になるように構成しておけば、前記色相画素(Pxy)に重畳して形成される2成分の回折格子の周期並び方向が、前記色相画素(Pxy)の前記広義ホログラム(H)上での位置によらず、常に直交する。
そのための光学系は、先に例示した図8においては、前記集光レンズ(Lf)が、前記広義ホログラム(H)の前段に配置されていたものを、前記広義ホログラム(H)の後段、例えば前記広義ホログラム(H)の直後に配置するように変更すれば実現でき、具体的なその様子は、本発明のカラー画像表示装置の一部を簡略化して示す模式図である図9のようである。
言うまでもなく、このとき前記開口絞リ板(Sq)は、前記集光レンズ(Lf)の焦点面に配置する。
また、前記したように、前記開口絞リ板(Sq)の後段には、前記広義ホログラム(H)と共役な出力像(Dc)を、スクリーンに結像するための投影レンズとしての、あるいは無限遠に結像するための接眼レンズとしての前記結像光学系(Of)が、必要に応じて配置される。
理由は、前記広義ホログラム(H)がテレセントリックな像を生成するため、前記色相画素(Pxy)それぞれから発する、出力像の形成に寄与する光束の主光線が、全て光軸(w)に平行であり、したがって、プリズム形状のPBSに対しても、主光線がプリズム面に垂直入射することになり、前記広義ホログラム(H)の全ての前記色相画素(Pxy)の結像に対し、PBSの挿入による余計な非対称収差発生が無いからである。
なお、図9の光学系にPBSを設置する場合は、前記広義ホログラム(H)と前記集光レンズ(Lf)との間に挿入し、(図示された照明光束(Fe)とは逆方向の)右から左に向かう照明光束によって前記広義ホログラム(H)が照明されるようにする。
その場合、空間光変調器の変調画素、すなわち空間光変調の最小単位としての画素が縦と横の2方向に等ピッチで並ぶとして、回折格子それぞれの成分の周期並び方向と、空間光変調器の(例えば縦の)変調画素の並び方向が成す角度が45度となるように配置する。
この構成が有利である理由は、空間光変調器を、濃度格子を表現する素子として機能させる状況を想定するとして、その画素配置を、明と暗の画素を縦および横とも1個おきに並べた配置、すなわち市松模様の配置とした場合が、極限の最短空間並び周期を表現するからである。
もし、回折格子それぞれの成分の周期並び方向と、空間光変調器の変調画素の並び方向とを同じにした場合、最短空間並び周期は、例えば縦方向に明の画素が連なった明線と、縦方向に暗の画素が連なった暗線とが、横方向に交互に並んだ縞状の配置とした場合のものになるが、この空間並び周期は、前記した市松模様の配置とした場合に対し、2の平方根倍になってしまう。
説明を理解し易いよう、直前で述べた、前記広義ホログラム(H)が空間光変調器で、前記色相画素(Pxy)に重畳して形成される2成分の回折格子の周期並び方向が、前記色相画素(Pxy)の前記広義ホログラム(H)上での位置によらず、常に直交するように構成し、回折格子の周期並び方向と、空間光変調器の変調画素の並び方向が成す角度が45度である場合を想定するが、当然それ以外の場合に対しても、ここで述べる技術は適用可能である。
図の右上がり45度と、右下がり45度の直線は、前記色相画素(Pxy)内に形成される回折格子を象徴的に表している(例えば回折格子が濃度格子であるとして、濃度の最も高い箇所を表すと理解されたい)。
いま、前記出力像(Dc)として表示しようとする画像の絵柄において、図の(b)の太い右上がりの一点鎖線で示したような境界、すなわち絵柄境界線が存在し、その左と右で、画像の明るさや色が変化しているとする。
ただし、いまは簡単のため、絵柄境界の左と右では、画像の明るさや色が相違するが、絵柄境界の左では画像の明るさや色は一様、絵柄境界の右でも画像の明るさや色は一様であるとする。
このような画像の表現方法の場合、特に前記広義ホログラム(H)が空間光変調器であるときは、空間光変調器の変調画素の複数個×複数個から成る領域によって前記色相画素(Pxy)の1個を形成しなければならないため、絵柄表現の最小単位が粗くなって、出力像がモザイク状に見えてしまう問題がある。
当然、絵柄境界などが存在せず、画像の明るさや色が滑らかに変化している画像領域では、このような問題は生じず、このような場合に適用できる大きさ、すなわち前記出力像(Dc)に対して必要な分解能を実現できる大きさの前記色相画素(Pxy)を、基本色相画素と呼ぶことにする。
図の(a)は、絵柄境界の存在に無頓着に、単純に基本色相画素を色相画素(Pxy)とした結果と言える。
なお(b)で、絵柄境界線が色相画素間の境界となっていることは、左半分と右半分の回折格子の空間並び周期が、絵柄境界線を境に変化していることで読み取れる。
このとき、例えば、左から3列目(Jx)で上から2行目(Jy)にある基本色相画素に注目したとき、絵柄境界線の左側の小さい三角形部分については、その左の基本色相画素と合体させて1個の色相画素とすればよく、また絵柄境界線の右側の比較的大きい台形部分については、これ単独で1個の色相画素としてもよいし、その右の基本色相画素と合体させて1個の色相画素としてもよく、実際、図における点線は、いま述べた合体処理により、色相画素の境界ではなくなる箇所を表す。
なお、図の(b)の絵柄境界線も、空間光変調器の変調画素の大きさで階段状化(モザイク状化)して描かれるべきであるが、これは、基本色相画素による階段状化に比べて細かいため、図は、そのように描く手間を省略してあると理解されたい(前記した、回折格子を象徴的に表した45度の線についても同様)。
このような絵柄境界の抽出処理については、一般的画像処理の分野における、輪郭抽出・輪郭強調で用いられる技術(例えばラプラシアン演算など)を利用することができる。
通常のRGB方式のLCOSや透過型液晶、DMD等を用いたプロジェクタにおいては、それら空間光変調器を3枚使用し、R,G,Bそれぞれ個別に生成した画像をダイクロイックミラーを用いて重ね合わせ、各色画像の対応する画素を正確に重畳することにより、画素毎の加色混合が実現されるようにし、1枚のカラー画像として完成させることが普通に行われている。
本発明においても、複数の空間光変調器を用いて、これと同様のことを行うことができる。
すなわち、前記広義ホログラム(H)たる空間光変調器の前記色相画素(Pxy)に、回折格子の各成分が重ね合わせられた回折格子が形成されることによって加色混合が実現されるようにする代わりに、前記広義ホログラム(H)たる空間光変調器を複数枚設けることとし、前記した回折格子の各成分それぞれを、1成分づつに分けて前記広義ホログラム(H)のそれぞれに形成し、前記照明光束(Fe)が前記広義ホログラム(H)のそれぞれによって回折されて形成された回折光束(Fd)を、ダイクロイックミラーを用いて重ね合わせ、前記広義ホログラム(H)のそれぞれの対応する前記色相画素(Pxy)を正確に重畳することにより、加色混合が実現されるようにすればよい。
なお、この場合には、前記した、回折格子の各成分の周期並び方向が直交に近いようにする条件に対しては無頓着でよい。
ここでは、前記した、前記照明光学系(Oe)が、前記短波長側光束(Feb)および前記長波長側光束(Fer)からなる照明光束を生成する構造であるものを採用する場合を想定して、前記広義ホログラム(H)の前記色相画素(Pxy)に対し、その色相画素に課せられた色相によって規定される色度座標が色度図上において位置する座標点(pxy)を通り、前記純紫軌跡(Lp)と平行な直線(lxy)が、スペクトル軌跡(Ls)と交差する2個の点(a,b)の座標に対応する色度を有する2種の単色光の加色混合によって実現されるような空間並び周期と方向を有する成分が重ね合わせられた回折格子を形成することによって前記広義ホログラム(H)を作成する本発明のカラー画像表示装置において色度図像を表示する場合について説明する。
このことは、前記直線(Lxy)の上に存在する他の全ての色相画素についても同様であり、よって、前記直線(Lxy)に照射される照明光束のうち、波長 λa',λb' 以外の成分は全て無駄になることを意味する。
したがって、前記長波長側光束(Fer)のなかの前記直線(Lxy)を照射する部分は、波長 λa' を含む部分的帯域のスペクトル成分のみを含み、前記短波長側光束(Feb)のなかの前記直線(Lxy)を照射する部分は、波長 λb' を含む部分的帯域のスペクトル成分のみを含んでいればよいことが判る。
そして、これが実現できれば、利用されない光を、無駄な箇所にできるだけ照射しないことになるため、光源光束の利用効率を高めることができる。
上面図である図11の(a)に記載するように、連続スペクトルを有する、コリメートされた光源光束(Fsc)を分光回折格子(Gs)に入射し、反射回折の角度(紙面内)に応じて波長が分布する発散光束に変換する。
この光束は紙面に垂直な方向では平行光束なので、シリンドリカルレンズ(SL1,SL2)によって紙面に垂直な方向のビーム太さを拡大した後、三角ミラー(Mss)を用いて、前記した帯域分割するスペクトル位置の波長である518nmの箇所で、短波長側光束(Feb1)と長波長側光束(Fer1)とに分割する。
これらの光束は、ミラー(Msr1,Msb1)によって反射させ、短波長側光束(Feb2)、長波長側光束(Fer2)として、正面図である図11の(b)に記載のミラー(Msr2,Msb2)に入射させる。
同図の(a)から判るように、前記広義ホログラム(H)は、前記短波長側光束(Feb3)、前記長波長側光束(Fer3)のスペクトル並び方向と直角の方向(同じ分光成分が続く方向)に純紫軌跡線(Lp’)の方向が一致するよう回転して設置してある。
また、側面図である図11の(c)における光束軸(Asb3,Asr3)との相対関係から判るように、前記広義ホログラム(H)は、同図の(a)の紙面に対し、規定角度だけ傾けて設置してある。
これは、前記短波長側光束(Feb3)と前記長波長側光束(Fer3)の回折されなかった成分が、前記広義ホログラム(H)の中心付近おいて立てた、前記広義ホログラム(H)の面に対する法線の方向に存在する、不図示の瞳(Q)に入射しないようにするためである。
ただし、本図の光学系は、前記分光回折格子(Gs)に有限の太さの前記光源光束(Fsc)を入射し、回折された光束をそのまま前記広義ホログラム(H)に照射するものであるから、前記広義ホログラム(H)上の、照明光束が照射される各点における前記長波長側光束(Fer3)や前記短波長側光束(Feb3)のスペクトル幅は、あまり狭くできず、そのため光の利用効率を極限まで高めることができないが、逆に、前記長波長側光束(Fer3)や前記短波長側光束(Feb3)のスペクトル並び位置と、前記広義ホログラム(H)との相対位置関係をあまり厳密に設計しなくても済む利点がある。
なお、矢印p,qは、同図の(a),(b),(c)の相互の方向の関係を明示するために付した。
しかし、リップマン法を用いることによって、前記出力像(Dc)が転写されたカラー画像複製物を作成することができ、以下において、本発明のカラー画像複製物作成方法のための構成の一部を簡略化して示す模式図である図12を参照して、その作成方法について説明する。
ただし、図12の光学系では、結像光束(Ff)がテレセントリック、すなわち、結像光学系(Of)の射出瞳が無限遠、言い換えれば出力像点(Ip’)を形成する出力像光束(Fp’)の主光線が光学系の光軸、すなわち w 軸と平行になるように構成する。
結像光束(Ff)をテレセントリックにするためには、前記開口(Aq)の中心が、前記結像光学系(Of)の前側焦点に位置するよう、前記開口(Aq)と前記結像光学系(Of)との相対配置を設計すればよく、そうすることにより、前記広義ホログラム(H)上の任意の入力像点(Ip)から発した光のうちの、前記開口(Aq)を通過した成分から成る入力像光束(Fp)が前記結像光学系(Of)を通過すると、前記出力像光束(Fp’)の主光線は w 軸と平行になる。
当然、先に述べた、前記広義ホログラム(H)がテレセントリックな像を生成するようにするための構成を、本図の光学系に適用することが可能である。
なお、図の前記入力像光束(Fp)および前記出力像光束(Fp’)において、一点鎖線は主光線を表す。
また、簡略化のため、前記入力像点(Ip)から発した光のうちの、前記開口(Aq)を通過しない成分は、前記開口(Aq)より前側の空間においても、描くことを省略してある。
なお、同図では、前記感光材料層(Rm)は、ガラスなどの透明材料からなる感光材料基材(Rb)の表面に形成されていることを想定しており、前記感光材料基材(Rb)の側から前記感光材料層(Rm)に前記結像光束(Ff)を当てる。
また、本図は、前記感光材料層(Rm)に実質的に接するように、少なくとも前記広義ホログラム(H)が表現する色相全体の波長の光を反射するミラー(Mr)を設置する例を示している。
例えば前記感光材料層(Rm)が銀塩写真乾板の場合、現像定着等の処理プロセスによって濃度干渉縞を形成した後、所定の漂白処理を施すことにより、濃度分布が屈折率分布に変換され、位相格子に改変することができる。
これは、太陽光などの連続スペクトルの光で照明して、位相格子からの反射光を観察すると、露光時に前記感光材料層(Rm)の各点に照射された前記結像光束(Ff)の光波動が、前記結像光束(Ff)の各点毎に再生されるから、前記結像光束(Ff)による出力像が転写された、リップマン法によるカラー画像複製物となる。
図における前記ミラー(Mr)については、太い直線が反射面を表しているが、このように、前記感光材料層(Rm)と前記ミラー(Mr)の反射面とを密着させるものの他に、前記感光材料層(Rm)の表面に、化学的方法(例えば銀鏡反応など)や蒸着等によって金属薄膜を形成しておき、露光して用済みとなった後に、化学的方法によってそれを除去する方法もある。
因みに、本発明で言うリップマン法とは、リップマン(Gabriel Lippmann)が1891年に発明したとされるカラー写真術(1908年にノーベル物理学賞を受賞)を指し、所謂リップマンホログラム(干渉縞の形態が類似しているためそう呼ばれる立体像再生体積ホログラムの一種で、カラーはRGBにより表現されるもの)とは相違する。
本明細書においては、主として、XYZ表色系の色度座標 x,y 、およびそれに基づく色度図の概念を用いた計算により、前記広義ホログラム(H)の回折格子を作成する方法について説明して来たが、本発明に適用可能な色彩体系は、これに限定されず、他の表色系を用いる場合にも有効である。
例えば、 x,y を座標変換したL*u*v*表色系は当然として、他にもL*a*b*表色系、マンセル表色系、PCCS(日本色研配色体系)等々の表色系も適用可能である。
a 点
a’ 点
a” 点
Aq 開口
Asb3 光束軸
Asr3 光束軸
B 点
b 点
b’ 点
b” 点
Bf 長波長通過フィルタ
Bf’ 長波長通過フィルタ
c 点
c” 点
Ci 着色領域
Cx 非着色対象領域
d1 伝播方向光軸
d2 伝播方向光軸
Dc 出力像
Eq 光源像
Eq’ 光源像
Fd 回折光束
Fe 照明光束
Fe’ 照明光束
Fe1 個別照明光束
Fe2 個別照明光束
Feb 短波長側光束
Feb1 短波長側光束
Feb2 短波長側光束
Feb3 短波長側光束
Fer 長波長側光束
Fer1 長波長側光束
Fer2 長波長側光束
Fer3 長波長側光束
Ff 結像光束
Fp 入力像光束
Fp’ 出力像光束
Fq 瞳通過光束
fr1 干渉縞
fr2 干渉縞
Fs 光源光束
Fsc 光源光束
Ge 光源
Gs 分光回折格子
H 広義ホログラム
Ip 入力像点
Ip’ 出力像点
Jx 3列目
Jy 2行目
Lc コリメータレンズ
Lf 集光レンズ
Lp 純紫軌跡
Lp’ 純紫軌跡線
Ls スペクトル軌跡
lxy 直線
Lxy 直線
lxy’ 直線
M1 ミラー
M2 ミラー
Mr ミラー
Msb1 ミラー
Msb2 ミラー
Msr1 ミラー
Msr2 ミラー
Mss 三角ミラー
Oe 照明光学系
Oe1 照明光学系
Oe2 照明光学系
Of 結像光学系
Pd 入力像
Pxy 色相画素
pxy 座標点
Q 瞳
Qc 瞳外周
Rb 感光材料基材
Rm 感光材料層
sB 色度座標
Sf 結像面
sG 色度座標
SL1 シリンドリカルレンズ
SL2 シリンドリカルレンズ
Sq 開口絞リ板
sR 色度座標
Tf 3角形
w 光軸
wf1 波面
wf2 波面
Claims (16)
- 連続スペクトルを有する光源(Ge)の光を利用して着色された出力像(Dc)を表示するためのカラー画像表示装置であって、
前記出力像(Dc)に対する入力像たる広義ホログラム(H)と、前記光源(Ge)から発した光から形成される、規定の条件の照明光束(Fe)によって前記広義ホログラム(H)を照明するための照明光学系(Oe)とを有し、
前記照明光束(Fe)が前記広義ホログラム(H)によって回折されて形成された回折光束(Fd)のうちから、有効な光線成分を選択するための瞳(Q)が、前記広義ホログラム(H)に対して規定の相対位置に設定されており、
前記瞳(Q)を通過した瞳通過光束(Fq)によって前記広義ホログラム(H)に共役な前記出力像(Dc)を形成するものであり、
前記照明光束(Fe)の前記広義ホログラム(H)によって回折されなかった成分が前記出力像(Dc)に混入しないよう前記照明光束(Fe)と前記瞳(Q)との相対関係が規定されており、
前記広義ホログラム(H)には、少なくとも前記入力像の着色領域内で2次元分布する色相画素(Pxy)が設定されており、前記色相画素(Pxy)それぞれに課せられた色相を、前記色相画素(Pxy)それぞれが発現するよう、その色相画素(Pxy)を源とする前記瞳通過光束(Fq)の加色混合によって実現されるような空間並び周期と周期並び方向、および回折強度を有する回折格子の各成分が重ね合わせられた回折格子が、前記色相画素(Pxy)のそれぞれの全体に形成されることを特徴とするカラー画像表示装置。 - 前記照明光束(Fe)が、方向の異なる複数の個別照明光束(Fe1,Fe2,…)から成っており、前記回折格子は、前記個別照明光束(Fe1,Fe2,…)の方向に対応した周期並び方向を有する複数の成分の重ね合わせによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像表示装置。
- 前記した方向の異なる複数の個別照明光束(Fe1,Fe2,…)の、それぞれが有する主たるスペクトル帯域が互いに相違することを特徴とする請求項2に記載のカラー画像表示装置。
- 前記した方向の異なる複数の個別照明光束は、1個の前記光源(Ge)から発した光をスペクトル帯域で分割した、短波長側の成分から成る短波長側光束(Feb)と長波長側の成分から成る長波長側光束(Fer)であることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像表示装置。
- 前記広義ホログラム(H)の前記色相画素(Pxy)には、その色相画素に課せられた色相によって規定される色度座標が色度図上において位置する座標点(pxy)を通り、前記純紫軌跡(Lp)と平行な直線(lxy)が、スペクトル軌跡(Ls)と交差する2個の点(a,b)の座標に対応する色度を有する2種の単色光の加色混合によって実現されるような空間並び周期と方向を有する成分が重ね合わせられた回折格子が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像表示装置。
- 前記瞳通過光束(Fq)が入射されることにより、前記広義ホログラム(H)の共役像を結像して前記出力像(Dc)を形成する結像光学系(Of)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像表示装置。
- 前記瞳(Q)を形成するための開口(Aq)を有する開口絞リ板(Sq)をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のカラー画像表示装置。
- 前記光源(Ge)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像表示装置。
- 前記光源(Ge)がキセノン放電ランプであることを特徴とする請求項8に記載のカラー画像表示装置。
- 前記照明光束(Fe)が平行光束であり、前記広義ホログラム(H)によって回折された前記回折光束(Fd)に対する前記瞳(Q)が無限遠にあることを特徴とする請求項7に記載のカラー画像表示装置。
- 前記広義ホログラム(H)が空間光変調器であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像表示装置。
- 前記照明光束(Fe)が、方向の異なる2種類の個別照明光束を含んでおり、前記広義ホログラム(H)は、変調画素が縦と横の2方向に等ピッチで並ぶ空間光変調器であり、前記広義ホログラム(H)に形成される回折格子は2成分から成り、該回折格子それぞれの成分の周期並び方向が直交しており、かつ、回折格子それぞれの成分の周期並び方向と、空間光変調器の変調画素並び方向と、が成す角度が45度であることを特徴とする請求項10に記載のカラー画像表示装置。
- 前記色相画素(Pxy)の、隣接する色相画素との境界が、前記出力像(Dc)として表示しようとする画像の絵柄に適合する形状に設定されることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像表示装置。
- 前記広義ホログラム(H)の前記色相画素(Pxy)には、回折格子の各成分が重ね合わせられた回折格子が形成されることによって加色混合が実現されることに替えて、前記広義ホログラム(H)を複数設けることとし、前記した回折格子の各成分それぞれを前記広義ホログラム(H)のそれぞれに形成し、前記照明光束(Fe)が前記広義ホログラム(H)のそれぞれによって回折されて形成された回折光束(Fd)を重ね合わせることによって加色混合が実現されることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像表示装置。
- 前記広義ホログラム(H)が、前記出力像(Dc)として色度図像を表示するためのものであって、前記広義ホログラム(H)の前記色相画素(Pxy)には、その色相画素に課せられた色相によって規定される色度座標が色度図上において位置する座標点(pxy)を通り、前記純紫軌跡(Lp)と平行な直線(lxy)が、スペクトル軌跡(Ls)と交差する2個の点(a,b)の座標に対応する色度を有する2種の単色光の波長を含む、部分的帯域のスペクトル成分を有する照明光束が照射されることを特徴とする請求項5に記載のカラー画像表示装置。
- 請求項7に記載のカラー画像表示装置であって、テレセントリックの前記結像光束(Ff)を出力するよう構成したカラー画像表示装置によって実像の前記出力像(Dc)が結像される位置に、感光材料層(Rm)を設置し、該感光材料層(Rm)に前記出力像(Dc)を形成し、前記感光材料層(Rm)を感光させて所定の処理プロセスを施すことにより、リップマン法によって前記感光材料層(Rm)に前記出力像(Dc)が転写されたカラー画像複製物を作成することを特徴とするカラー画像複製物作成方法。
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