JP3951686B2 - キノフォームから成るディスプレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面状の基板上に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディスプレイに係り、特にドットの構成要素をキノフォームとすることで、広視野角での観察、また明るく中間調表現が行なえるようにしたキノフォームから成るディスプレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表示体の基板表面をドット単位に分割し、これらドットを複数個マトリクス状に配置することでパターン(絵柄)を表現するディスプレイとして、回折格子パターンを有するディスプレイが公知である。
【0003】
この回折格子によって構成されるパターンは、通常の印刷技術では表現することのできない指向性のある光沢を有することから、ディスプレイとしての用途や、偽造防止を目的としたセキュリティ商品に広く用いられてきている。
【0004】
この種のディスプレイを作製する方法としては、例えば“特開昭60−156004号公報”に例示されるような方法が公知である。
【0005】
すなわち、この作製方法は、レーザー光の2光束干渉による微小な干渉縞(回折格子)を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させて、感光性フィルムに次々と露光するものである。
【0006】
一方、レーザーではなく電子ビーム露光装置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板が載置されたX−Yステージを移動させて、この基板の表面に、回折格子からなる複数の微小なドットを配置することにより、回折格子パターンが形成されたディスプレイを作製する方法も提案されてきている。
【0007】
この種の作製方法としては、例えば“特開平2−72320号公報”や“米国特許5,058,992号”に開示されている。
【0008】
ここで、回折格子パターンのパラメータとしては、
(a)回折格子パターンの空間周波数(格子縞のピッチ)
(b)回折格子の方向(格子縞の方向)
(c)回折格子の描画領域(回折格子セルの配置)
の3つがある。
【0009】
そして、上記(a)に応じて、観察領域においてその回折格子セルが光って見える色が変化し、
上記(b)に応じて、その回折格子セルが光って見える方向が変化し、
上記(c)に応じて、表示パターン(絵柄)が決定される。
【0010】
なお、ディスプレイ(パターン)の構成単位である「ドット」または「セル」は、同義語として取り扱うこととする。
【0011】
ところで、このような手法により実現されるディスプレイにおいて、回折格子パターンは、以下に述べるような光学的な特性を示す。
【0012】
回折格子パターンを構成する回折格子セルは、光の回折現象により、特定の方向から入射した光を様々なスペクトルの光に分光して反射する。
【0013】
すなわち、回折格子セルを観察した際には、観察する角度、方向に応じて、見える色が様々に変化する。
【0014】
各回折格子セルの格子縞のピッチや方向等を変えることで、絵柄を表現するこの種のディスプレイは、観察領域以外の領域から観察すると、意図とは異なる全く違った色の絵柄が観察されることになる。
【0015】
また、回折格子パターンにおいて、白色や中間色を表現しようとした場合、単一の格子縞ピッチを有する回折格子だけでは、それらの色を表現することができない。
【0016】
例えば、白色を表現する際には、少なくともR,G,Bに対応する格子縞のピッチや方向を有する回折格子を隣接する複数のドットに配置するか、一つのドットの内部を三つに面積分割して、R,G,Bに対応する格子縞をそれぞれ記録する必要がある。
【0017】
さらに、回折格子セルは、入射光に対して正反射方向(0次回折光)と高次回折方向にそれぞれ回折光を発生させるため、ディスプレイが本来観察される領域(+1次回折光に相当)とは別の領域においても、絵柄が観察されることとなる。
【0018】
すなわち、このようなディスプレイでは、正しい色で観察できる角度が極めて狭い範囲に限られると同時に、観察領域における回折光の利用比率も低く暗い絵柄しか観察することができない。
【0019】
また、白色や中間色の表現を行なうには、複数の回折格子を記録する必要があり、複数のドットによって一つの色を表現すると解像度の低下を招いてしまい、一つのドットに複数の回折格子を記録する際には、特殊な工程を実施しなければならない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、ドットマトリクス単位で回折格子を基板上に配置する回折格子パターンにおいて、回折格子の光学的機能に基づく前述のような特性を改善して、絵柄の品質を向上させることは困難である。
【0021】
本発明の目的は、回折格子パターンでは実現が困難な、広視野角での観察を行なうことが可能であり、また明るく中間調表現を行なうことも可能なキノフォームから成るディスプレイを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、平面状の基板上に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディスプレイにおいて、複数個のドットのうち少なくとも1個のドットを、あらかじめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを有する回折光を射出する機能を有するキノフォームから構成し、キノフォームから成るドットからの回折光により、2次元画像を表現し、白色の入射光に対し、キノフォームから成るドットからの回折光が同一方向に複数の周波数成分を有するようにしている。
【0029】
従って、請求項に対応する発明のキノフォームから成るディスプレイにおいては、白色の入射光に対し、キノフォームから成るドットから回折光が同一方向に複数の周波数成分を有することにより、白色光の入射に対し、一つのドットから任意の観察点に複数の周波数成分からなる回折光を射出できるため、白色や彩度の低い中間調、滑らかな階調表現を用いた2次元画像(絵柄)を表示することができる。
【0030】
また、請求項2に対応する発明では、平面状の基板上に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディスプレイにおいて、複数個のドットのうち少なくとも1個のドットを、あらかじめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを有する回折光を射出する機能を有するキノフォームから構成し、キノフォームから成るドットからの回折光により、2次元画像を表現し、キノフォームから成るドットからの回折光を、異なる複数の観察方向に対して射出させるようにしている。
【0031】
従って、請求項2に対応する発明のキノフォームから成るディスプレイにおいては、キノフォームから成るドットからの回折光を、異なる複数の観察方向に対して射出できるため、複数の観察領域で同様の2次元画像(絵柄)、もしくは異なる2次元画像(絵柄)を観察することができる。
【0032】
さらに、請求項3に対応する発明では、請求項1又は請求項2に対応するキノフォームから成るディスプレイにおいて、2次元画像の黒色の部分に対応する部分の位置のドットをキノフォームから構成し、当該キノフォームから成るドットからの回折光を観察方向以外の方向に射出させるようにしている。
【0033】
従って、請求項に対応する発明のキノフォームから成るディスプレイにおいては、2次元画像の黒色の部分に対応する部分の位置のドットをキノフォームから構成し、当該ドットからの回折光を観察方向以外の方向に射出させることにより、正反射光等の不要な光が観察されないため、観察条件の影響を受け難い高品位の2次元画像(絵柄)を表現することが可能となる。
【0034】
以上により、回折格子パターンでは実現が困難な、広視野角での観察を行なうことができ、また明るく中間調表現を行なうこともできるキノフォームから成るディスプレイを得ることが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の考え方について述べる。
【0036】
本発明のディスプレイは、平面状の基板上に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディスプレイにおいて、複数個のドットのうち少なくとも1個のドットをキノフォームから構成し、当該キノフォームから成るドットからの回折光により、ドットを画素とした2次元画像を表現することにより、2次元画像データの情報を位相変調パターンとしてドットに記録することにより、回折光の射出方向や光量分布等を高精度に制御することで、回折格子パターンでは実現が困難な、広視野角での観察を行なうことが可能であり、また明るく中間調表現を行なうことができる表示装置を構成可能とすることを主旨としている。
【0037】
ここで、キノフォームとは、物体光の波面の位相だけを記録して波面再生を行なう光学素子であり、計算により得られた位相分布を位相変調量として記録し、再生用照明光の振幅については変更を加えないため、光の吸収による損失がなく、高い回折効率を得ることができる。
【0038】
また、理想的なキノフォームは、通常のホログラムや回折格子パターンのように、多くの回折次数を発生しないので、光の利用効率が極めて高い。
【0039】
さらに、キノフォームを用いることにより、任意領域における回折光の強度分布をコントロールすることや、射出方向をコントロールすることを、高精度に行なうことができる。
【0040】
なお、このキノフォームは、例えば“「ホログラフィー」:辻内順平著;株式会社裳華房発行:第45頁〜第47頁”により開示されている。
【0041】
以下、上記のような考え方に基づく本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイの構成例を示す斜視図である。
【0043】
すなわち、図1に示すように、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、平面状の基板2上に、ドット3を複数個配置し、当該複数個のドット3のうち少なくとも1個のドット3を、あらかじめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを有する回折光を射出する機能を有するキノフォーム4から構成し、当該キノフォーム4から成るドット3からの回折光により、ドット3を画素とした2次元画像(絵柄)5を表現するように構成している。
【0044】
ここで、キノフォーム4としては、エンボス技術による量産に適し、安価な大量生産が可能であると共に、構成が安価であり、しかも薄型、かつ軽量にすることができることから、反射型の表面レリーフ型とすることが望ましい。
【0045】
次に、以上のように構成した本実施の形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1においては、複数個のドット3のうち少なくとも1個のドット3をキノフォーム4から構成していることにより、2次元画像(絵柄)データの情報を位相変調パターンとしてドット3に記録することができる。
【0046】
これにより、本キノフォーム4から成るディスプレイ1は、基板2面上に光が入射した際に、キノフォーム4の光学的特性により、あらかじめ設定した観察領域に各ドット3からそれぞれ任意の波長を有する回折光が到達することで、任意の視点から観察者6に2次元画像(絵柄)5を観察(知覚)させることができる。
【0047】
以上により、回折格子パターンでは実現が困難な、広視野角での観察を行なうことが可能なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図2は、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイの構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0049】
すなわち、図2に示すように、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディスプレイ1において、単一の周波数成分を有する平行状の入射光に対し、キノフォーム4から成るドット3からの回折光7を広範囲の観察領域8に射出させるように構成している。
【0050】
ここで、キノフォーム4から成るドット3からの射出光の角度範囲としては、一般的なディスプレイの観察条件において、観察者6の両眼を射出光の空間的な広がりの中に置くことができ、両眼における輝度差による違和感のない、見易い表示とすることができることから、水平方向において12゜以上の広がりを有するようにすることが望ましい。
【0051】
次に、以上のように構成した本実施の形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1においては、例えばレーザー光のような単一の周波数成分を有する平行状の光が入射した際に、キノフォーム4の光学的特性により、あらかじめ設定した空間的に広がりを有する領域8に、同じ周波数成分を有する回折光7を射出することができる。
【0052】
すなわち、各ドット3に記録されたキノフォーム4が、特定の空間的領域に各々空間的広がりを有する回折光7を射出することで、空間的領域のいずれの場所からディスプレイ1を観察した際にも、同様の色合いで広範囲で2次元画像(絵柄)5を観察することができる。
【0053】
通常、回折格子パターンによるディスプレイでは、回折光の周波数は回折角度に応じて連続的に変化してしまうため、設定通りの色合いで2次元画像(絵柄)が観察できる領域は非常に狭い範囲に限られる。
【0054】
これに対して、図2に示すような本実施の形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によれば、広い範囲に同じ周波数成分を有する回折光7を射出させることができるため、観察者(A〜C)6のように、広範囲の観察領域8内のいかなる所からでも、同様の2次元画像(絵柄)5を広範囲で観察できるため、視認性が向上し、ディスプレイ1の高性能化を実現することができる。
【0055】
(第3の実施の形態)
図3は、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイの要部構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0056】
すなわち、図3に示すように、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディスプレイ1において、単一の周波数成分を有する平行状の入射光9に対し、キノフォーム4から成るドット3からの回折光7を任意の狭範囲の観察領域に集光させるように構成している。
【0057】
次に、以上のように構成した本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1においては、図3に示すように、例えばレーザー光のような単一の周波数成分を有する平行状の入射光9が入射した際に、キノフォーム4の光学的特性により、あらかじめ設定した空間中の任意の一点のみに、回折光7を制限(集光)して射出することができる。
【0058】
図4は、多くの回折次数を発生し、観察領域において暗い絵柄しか観察できない回折格子パターンによるディスプレイの一例を示す斜視図である。
【0059】
すなわち、図4に示すように、通常、回折格子パターンによるディスプレイでは、入射光9に対して正反射方向(0次回折光)とその他の高次回折方向にそれぞれ回折光が発生するため、一般的に観察に利用される+1次の回折光は、入射光と比較して輝度が低くなってしまう。
【0060】
これに対して、図3に示すような本実施の形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によれば、入射光9の大部分を同一方向に回折光7として射出させることができるため、任意の領域で極めて明るい2次元画像(絵柄)を観察することが可能なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0061】
(第4の実施の形態)
図5は、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイの構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0062】
すなわち、図5に示すように、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディスプレイ1において、白色の入射光に対し、キノフォーム4から成るドット3から観察領域への回折光7が、同一方向に複数の周波数成分を有するように構成している。
【0063】
次に、以上のように構成した本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1においては、白色光や太陽光等の、異なる周波数帯の光を併せ持つ光源からの光が入射した際に、キノフォーム4の光学的特性により、あらかじめ設定した空間中の一点に、同一方向に二種以上の周波数成分を有する回折光7を射出することができる。
【0064】
すなわち、通常、単一の周波数成分を有する光では、彩度の高い色しか観察できないため、従来の回折格子パターンは、彩度の高い絵柄のものが多い。
【0065】
しかし、この回折格子パターンでは、異なる空間周波数を有する回折格子セルを隣接して配置することで、彩度が低く中間調が表現された絵柄の表現を可能としているが、ドットのサイズをある程度より小さくすることが困難であり、また多数の空間周波数を併せることが極めて困難であると言える。
【0066】
これに対して、図5に示すような本実施の形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によれば、同一方向に複数の周波数成分を有する回折光7を射出させることができるため、キノフォーム4から成るドット3から観察者6への方向に、同一方向に異なる周波数成分を有する回折光(A〜C)7を射出することで、単一のドット3で中間調表現を実現することが可能なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0067】
ここで、例えば回折光(A,B,C)7が、それぞれ赤,緑,青に相当する周波数成分を有するとすると、観察者6は白色を観察(知覚)することが可能なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0068】
(第5の実施の形態)
図6は、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイの構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0069】
すなわち、図6に示すように、本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディスプレイ1において、キノフォーム4から成るドット3からの回折光7を、空間的に異なる複数の観察領域に対して射出させるように構成している。
【0070】
次に、以上のように構成した本実施の形態によるキノフォームから成るディスプレイ1においては、白色光や太陽光等の、異なる周波数帯の光を併せ持つ光源からの光が入射した際に、キノフォーム4の光学的特性により、あらかじめ設定した空間中の複数の領域に、回折光7を射出することができる。
【0071】
すなわち、図6に示すように、任意のドット3に記録されたキノフォーム4からの回折光(A〜C)7が、同様の周波数成分を有する光である場合、観察方向(A〜C)6において同じ色を観察(知覚)することができる。
【0072】
また、任意のドット3に記録されたキノフォーム4からの回折光(A〜C)7が、異なる周波数成分を有する光である場合、観察方向(A〜C)6において異なる色を観察(知覚)することができる。
【0073】
すなわち、図6に示すような本実施の形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によれば、異なる観察領域で同様の2次元画像(絵柄)5を観察することができたり、異なる観察領域で異なる2次元画像(絵柄)5を観察することが可能なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0074】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
例えば、以上のような方法により実現される前述した第1乃至第5の各実施の形態のうちのいずれか一つの実施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディスプレイ1において、2次元画像5の黒色の部分に対応する部分の位置のドット3をキノフォーム4から構成し、当該キノフォーム4から成るドット3からの回折光7を観察領域以外の領域に射出させるように構成してもよい。
【0075】
以上のような構成のキノフォーム4から成るディスプレイ1においては、キノフォーム4から成るドット3からの回折光7を観察領域以外の領域に射出させることにより、正反射光等の不要な光が観察されないため、観察条件の影響を受け難い高品位の2次元画像(絵柄)5を表現することができる。
【0076】
すなわち、通常、2次元画像(絵柄)の一部を黒色として知覚させるには、2次元画像(絵柄)の黒色に対応する基板上の部分から観察領域への射出光をなくせばよい。
【0077】
そして、一般には、当該部分にキノフォームのドットを記録しないことで実現することが可能である。
【0078】
しかし、このような方法では、当該部分が鏡面として作用するため、観察条件によっては観察時に正反射光が観察(知覚)される恐れがある。
【0079】
これに対して、本キノフォーム4から成るディスプレイ1によれば、当該部分に観察領域以外の領域へ回折光を射出するようなキノフォーム4を記録することで、より観察条件の影響を受け難い2次元画像(絵柄)5を表現することができる。
【0080】
これにより、前述した第1乃至第5の各実施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディスプレイ1としては、より一層高品質な2次元画像(絵柄)5を表現することが可能となる。
【0081】
また、本発明により実現されるキノフォームから成るディスプレイに関して、前述した第1乃至第5の各実施の形態では、反射型のディスプレイを想定して説明を行なったが、これに限らず、透過型のキノフォームをドットに記録することで、前述と同様の原理により同様の機能を有する透過型のディスプレイを実現することが可能である。
【0082】
一方、各実施の形態は可能な限り適宜組合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のキノフォームから成るディスプレイによれば、ドットに様々な光学的機能を有するキノフォームを記録するようにしているので、以下のような種々の効果を期待することが可能となる。
【0084】
(a)2次元画像データの情報を位相変調パターンとしてドットに記録するようにしているので、任意の視点から2次元画像(絵柄)の観察を行なうことが可能となる。
【0085】
(b)単一の周波数成分を有する平行状の光の入射に対し、広い範囲に同じ周波数を有する回折光を射出させるようにしているので、広範囲の観察領域内で同様の2次元画像(絵柄)を表示することが可能となる。
【0086】
(c)単一の周波数成分を有する平行状の入射光に対し、キノフォームの光学的特性により回折光の射出方向を任意の領域のみに制限(集光)させるようにしているので、任意の観察点において極めて明るい2次元画像(絵柄)を観察することが可能となる。
【0087】
(d)一つのドットから任意の観察点に同一方向に複数の周波数成分を有する回折光を射出するキノフォームを記録するようにしているので、白色や彩度の低い中間調、滑らかな階調表現を用いた2次元画像(絵柄)を表示することが可能となる。
【0088】
(e)一つのドットから複数の観察領域に回折光を射出するキノフォームを記録するようにしているので、複数の観察領域で同様の2次元画像(絵柄)、もしくは異なる2次元画像(絵柄)を観察することが可能となる。
【0089】
(f)2次元画像(絵柄)の黒色の部分に対応する部分の位置のドットを、観察領域以外の領域に射出させるキノフォームから構成するようにしているので、正反射光等の不要な光が観察されない、観察条件の影響を受け難い高品位の2次元画像(絵柄)を表現することが可能となる。
【0090】
以上により、回折格子パターンでは実現が困難な、広視野角での観察を行なうことができ、また明るく中間調表現を行なうこともできるキノフォームから成るディスプレイを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキノフォームから成るディスプレイの第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】本発明によるキノフォームから成るディスプレイの第2の実施の形態を示す斜視図。
【図3】本発明によるキノフォームから成るディスプレイの第3の実施の形態を示す斜視図。
【図4】多くの回折次数を発生し、観察領域において暗い2次元画像(絵柄)しか観察できない回折格子パターンによるディスプレイの一例を示す説明するための斜視図。
【図5】本発明によるキノフォームから成るディスプレイの第4の実施の形態を示す斜視図。
【図6】本発明によるキノフォームから成るディスプレイの第5の実施の形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ディスプレイ
2…基板
3…ドット
4…キノフォーム
5…2次元画像(絵柄)
6…観察者
7…回折光
8…空間的に広がりを有する領域
9…入射光。

Claims (3)

  1. 平面状の基板上に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディスプレイにおいて、
    前記複数個のドットのうち少なくとも1個のドットを、あらかじめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを有する回折光を射出する機能を有するキノフォームから構成し、
    前記キノフォームから成るドットからの回折光により、2次元画像を表現し、
    白色の入射光に対し、前記キノフォームから成るドットからの回折光が同一方向に複数の周波数成分を有するようにしたことを特徴とするキノフォームから成るディスプレイ。
  2. 平面状の基板上に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディスプレイにおいて、
    前記複数個のドットのうち少なくとも1個のドットを、あらかじめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを有する回折光を射出する機能を有するキノフォームから構成し、
    前記キノフォームから成るドットからの回折光により、2次元画像を表現し、
    前記キノフォームから成るドットからの回折光を、異なる複数の観察方向に対して射出させるようにしたことを特徴とするキノフォームから成るディスプレイ。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載のキノフォームから成るディスプレイにおいて、
    前記2次元画像の黒色の部分に対応する部分の位置のドットを前記キノフォームから構成し、当該キノフォームから成るドットからの回折光を前記観察方向以外の方向に射出させるようにしたことを特徴とするキノフォームから成るディスプレイ。
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