JP2003167111A - キノフォームから成るディスプレイ - Google Patents

キノフォームから成るディスプレイ

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JP2003167111A JP2001367677A JP2001367677A JP2003167111A JP 2003167111 A JP2003167111 A JP 2003167111A JP 2001367677 A JP2001367677 A JP 2001367677A JP 2001367677 A JP2001367677 A JP 2001367677A JP 2003167111 A JP2003167111 A JP 2003167111A
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light
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Akira Nagano
彰 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回折格子パターンでは実現が困難な、広視野角
での観察を行なうこと。 【解決手段】平面状の基板2上に、ドット3を複数個配
置し、当該複数個のドット3のうち少なくとも1個のド
ット3を、あらかじめ決められた入射角度の特定波長の
入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを有
する回折光を射出する機能を有するキノフォーム4から
構成し、当該キノフォーム4から成るドット3からの回
折光により、ドット3を画素とした2次元画像(絵柄)
5を表現するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面状の基板上
に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディス
プレイに係り、特にドットの構成要素をキノフォームと
することで、広視野角での観察、また明るく中間調表現
が行なえるようにしたキノフォームから成るディスプレ
イに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、表示体の基板表面をドット単
位に分割し、これらドットを複数個マトリクス状に配置
することでパターン(絵柄)を表現するディスプレイと
して、回折格子パターンを有するディスプレイが公知で
ある。
【0003】この回折格子によって構成されるパターン
は、通常の印刷技術では表現することのできない指向性
のある光沢を有することから、ディスプレイとしての用
途や、偽造防止を目的としたセキュリティ商品に広く用
いられてきている。
【0004】この種のディスプレイを作製する方法とし
ては、例えば“特開昭60−156004号公報”に例
示されるような方法が公知である。
【0005】すなわち、この作製方法は、レーザー光の
2光束干渉による微小な干渉縞(回折格子)を、そのピ
ッチ、方向、および光強度を変化させて、感光性フィル
ムに次々と露光するものである。
【0006】一方、レーザーではなく電子ビーム露光装
置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板
が載置されたX−Yステージを移動させて、この基板の
表面に、回折格子からなる複数の微小なドットを配置す
ることにより、回折格子パターンが形成されたディスプ
レイを作製する方法も提案されてきている。
【0007】この種の作製方法としては、例えば“特開
平2−72320号公報”や“米国特許5,058,9
92号”に開示されている。
【0008】ここで、回折格子パターンのパラメータと
しては、 (a)回折格子パターンの空間周波数(格子縞のピッ
チ) (b)回折格子の方向(格子縞の方向) (c)回折格子の描画領域(回折格子セルの配置) の3つがある。
【0009】そして、上記(a)に応じて、観察領域に
おいてその回折格子セルが光って見える色が変化し、上
記(b)に応じて、その回折格子セルが光って見える方
向が変化し、上記(c)に応じて、表示パターン(絵
柄)が決定される。
【0010】なお、ディスプレイ(パターン)の構成単
位である「ドット」または「セル」は、同義語として取
り扱うこととする。
【0011】ところで、このような手法により実現され
るディスプレイにおいて、回折格子パターンは、以下に
述べるような光学的な特性を示す。
【0012】回折格子パターンを構成する回折格子セル
は、光の回折現象により、特定の方向から入射した光を
様々なスペクトルの光に分光して反射する。
【0013】すなわち、回折格子セルを観察した際に
は、観察する角度、方向に応じて、見える色が様々に変
化する。
【0014】各回折格子セルの格子縞のピッチや方向等
を変えることで、絵柄を表現するこの種のディスプレイ
は、観察領域以外の領域から観察すると、意図とは異な
る全く違った色の絵柄が観察されることになる。
【0015】また、回折格子パターンにおいて、白色や
中間色を表現しようとした場合、単一の格子縞ピッチを
有する回折格子だけでは、それらの色を表現することが
できない。
【0016】例えば、白色を表現する際には、少なくと
もR,G,Bに対応する格子縞のピッチや方向を有する
回折格子を隣接する複数のドットに配置するか、一つの
ドットの内部を三つに面積分割して、R,G,Bに対応
する格子縞をそれぞれ記録する必要がある。
【0017】さらに、回折格子セルは、入射光に対して
正反射方向(0次回折光)と高次回折方向にそれぞれ回
折光を発生させるため、ディスプレイが本来観察される
領域(+1次回折光に相当)とは別の領域においても、
絵柄が観察されることとなる。
【0018】すなわち、このようなディスプレイでは、
正しい色で観察できる角度が極めて狭い範囲に限られる
と同時に、観察領域における回折光の利用比率も低く暗
い絵柄しか観察することができない。
【0019】また、白色や中間色の表現を行なうには、
複数の回折格子を記録する必要があり、複数のドットに
よって一つの色を表現すると解像度の低下を招いてしま
い、一つのドットに複数の回折格子を記録する際には、
特殊な工程を実施しなければならない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ドット
マトリクス単位で回折格子を基板上に配置する回折格子
パターンにおいて、回折格子の光学的機能に基づく前述
のような特性を改善して、絵柄の品質を向上させること
は困難である。
【0021】本発明の目的は、回折格子パターンでは実
現が困難な、広視野角での観察を行なうことが可能であ
り、また明るく中間調表現を行なうことも可能なキノフ
ォームから成るディスプレイを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に対応する発明では、平面状の基板上
に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディス
プレイにおいて、複数個のドットのうち少なくとも1個
のドットを、あらかじめ決められた入射角度の特定波長
の入射光に対してあらかじめ定義された空間的広がりを
有する回折光を射出する機能を有するキノフォームから
構成し、キノフォームから成るドットからの回折光によ
り、ドットを画素とした2次元画像(絵柄)を表現する
ようにしている。
【0023】従って、請求項1に対応する発明のキノフ
ォームから成るディスプレイにおいては、複数個のドッ
トのうち少なくとも1個のドットをキノフォームから構
成することにより、2次元画像(絵柄)データの情報を
位相変調パターンとしてドットに記録できるため、任意
の視点から2次元画像(絵柄)の観察を行なうことがで
きる。
【0024】また、請求項2に対応する発明では、上記
請求項1に対応する発明のキノフォームから成るディス
プレイにおいて、単一の周波数成分を有する平行状の入
射光に対し、キノフォームから成るドットからの回折光
を広範囲の観察領域に射出させるようにしている。
【0025】従って、請求項2に対応する発明のキノフ
ォームから成るディスプレイにおいては、単一の周波数
成分を有する平行状の入射光に対し、キノフォームから
成るドットからの回折光を広範囲の観察領域に射出させ
ることにより、単一の周波数成分を有する平行状の光の
入射に対し、広い範囲に同じ周波数を有する回折光を射
出できるため、広範囲の観察領域内で同様の2次元画像
(絵柄)を表示する、すなわち視認性を向上することが
できる。
【0026】さらに、請求項3に対応する発明では、上
記請求項1に対応する発明のキノフォームから成るディ
スプレイにおいて、単一の周波数成分を有する平行状の
入射光に対し、キノフォームから成るドットからの回折
光を任意の狭範囲の観察領域に射出方向を制限するよう
にしている。
【0027】従って、請求項3に対応する発明のキノフ
ォームから成るディスプレイにおいては、単一の周波数
成分を有する平行状の入射光に対し、キノフォームから
成るドットからの回折光を任意の狭範囲の観察領域に射
出方向を制限することにより、単一の周波数成分を有す
る平行状の光の入射に対し、入射光の大部分を一方向に
回折光として射出できるため、任意の観察点において極
めて明るい2次元画像(絵柄)を観察することができ
る。
【0028】一方、請求項4に対応する発明では、上記
請求項1に対応する発明のキノフォームから成るディス
プレイにおいて、白色の入射光に対し、キノフォームか
ら成るドットから観察領域への回折光が同一方向に複数
の周波数成分を有するようにしている。
【0029】従って、請求項4に対応する発明のキノフ
ォームから成るディスプレイにおいては、白色の入射光
に対し、キノフォームから成るドットから観察領域への
回折光が同一方向に複数の周波数成分を有することによ
り、白色光の入射に対し、一つのドットから任意の観察
点に複数の周波数成分からなる回折光を射出できるた
め、白色や彩度の低い中間調、滑らかな階調表現を用い
た2次元画像(絵柄)を表示することができる。
【0030】また、請求項5に対応する発明では、上記
請求項1に対応する発明のキノフォームから成るディス
プレイにおいて、キノフォームから成るドットからの回
折光を、空間的に異なる複数の観察領域に対して射出さ
せるようにしている。
【0031】従って、請求項5に対応する発明のキノフ
ォームから成るディスプレイにおいては、キノフォーム
から成るドットからの回折光を、空間的に異なる複数の
観察領域に対して射出させることにより、一つのドット
から複数の観察領域に回折光を射出できるため、複数の
観察領域で同様の2次元画像(絵柄)、もしくは異なる
2次元画像(絵柄)を観察することができる。
【0032】さらに、請求項6に対応する発明では、上
記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に対応する発明
のキノフォームから成るディスプレイにおいて、2次元
画像の黒色の部分に対応する部分の位置のドットをキノ
フォームから構成し、当該キノフォームから成るドット
からの回折光を観察領域以外の領域に射出させるように
している。
【0033】従って、請求項6に対応する発明のキノフ
ォームから成るディスプレイにおいては、2次元画像の
黒色の部分に対応する部分の位置のドットをキノフォー
ムから構成し、当該ドットからの回折光を観察領域以外
の領域に射出させることにより、正反射光等の不要な光
が観察されないため、観察条件の影響を受け難い高品位
の2次元画像(絵柄)を表現することが可能となる。
【0034】以上により、回折格子パターンでは実現が
困難な、広視野角での観察を行なうことができ、また明
るく中間調表現を行なうこともできるキノフォームから
成るディスプレイを得ることが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】まず、本発明の考え方について述
べる。
【0036】本発明のディスプレイは、平面状の基板上
に、ドットを複数個配置してパターンを表示するディス
プレイにおいて、複数個のドットのうち少なくとも1個
のドットをキノフォームから構成し、当該キノフォーム
から成るドットからの回折光により、ドットを画素とし
た2次元画像を表現することにより、2次元画像データ
の情報を位相変調パターンとしてドットに記録すること
により、回折光の射出方向や光量分布等を高精度に制御
することで、回折格子パターンでは実現が困難な、広視
野角での観察を行なうことが可能であり、また明るく中
間調表現を行なうことができる表示装置を構成可能とす
ることを主旨としている。
【0037】ここで、キノフォームとは、物体光の波面
の位相だけを記録して波面再生を行なう光学素子であ
り、計算により得られた位相分布を位相変調量として記
録し、再生用照明光の振幅については変更を加えないた
め、光の吸収による損失がなく、高い回折効率を得るこ
とができる。
【0038】また、理想的なキノフォームは、通常のホ
ログラムや回折格子パターンのように、多くの回折次数
を発生しないので、光の利用効率が極めて高い。
【0039】さらに、キノフォームを用いることによ
り、任意領域における回折光の強度分布をコントロール
することや、射出方向をコントロールすることを、高精
度に行なうことができる。
【0040】なお、このキノフォームは、例えば“「ホ
ログラフィー」:辻内順平著;株式会社裳華房発行:第
45頁〜第47頁”により開示されている。
【0041】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0042】(第1の実施の形態:請求項1に対応)図
1は、本実施の形態によるキノフォームから成るディス
プレイの構成例を示す斜視図である。
【0043】すなわち、図1に示すように、本実施の形
態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、平面
状の基板2上に、ドット3を複数個配置し、当該複数個
のドット3のうち少なくとも1個のドット3を、あらか
じめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対してあ
らかじめ定義された空間的広がりを有する回折光を射出
する機能を有するキノフォーム4から構成し、当該キノ
フォーム4から成るドット3からの回折光により、ドッ
ト3を画素とした2次元画像(絵柄)5を表現するよう
に構成している。
【0044】ここで、キノフォーム4としては、エンボ
ス技術による量産に適し、安価な大量生産が可能である
と共に、構成が安価であり、しかも薄型、かつ軽量にす
ることができることから、反射型の表面レリーフ型とす
ることが望ましい。
【0045】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるキノフォーム4から成るディスプレイ1において
は、複数個のドット3のうち少なくとも1個のドット3
をキノフォーム4から構成していることにより、2次元
画像(絵柄)データの情報を位相変調パターンとしてド
ット3に記録することができる。
【0046】これにより、本キノフォーム4から成るデ
ィスプレイ1は、基板2面上に光が入射した際に、キノ
フォーム4の光学的特性により、あらかじめ設定した観
察領域に各ドット3からそれぞれ任意の波長を有する回
折光が到達することで、任意の視点から観察者6に2次
元画像(絵柄)5を観察(知覚)させることができる。
【0047】以上により、回折格子パターンでは実現が
困難な、広視野角での観察を行なうことが可能なキノフ
ォーム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0048】(第2の実施の形態:請求項2に対応)図
2は、本実施の形態によるキノフォームから成るディス
プレイの構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0049】すなわち、図2に示すように、本実施の形
態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述
した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4か
ら成るディスプレイ1において、単一の周波数成分を有
する平行状の入射光に対し、キノフォーム4から成るド
ット3からの回折光7を広範囲の観察領域8に射出させ
るように構成している。
【0050】ここで、キノフォーム4から成るドット3
からの射出光の角度範囲としては、一般的なディスプレ
イの観察条件において、観察者6の両眼を射出光の空間
的な広がりの中に置くことができ、両眼における輝度差
による違和感のない、見易い表示とすることができるこ
とから、水平方向において12゜以上の広がりを有する
ようにすることが望ましい。
【0051】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるキノフォーム4から成るディスプレイ1において
は、例えばレーザー光のような単一の周波数成分を有す
る平行状の光が入射した際に、キノフォーム4の光学的
特性により、あらかじめ設定した空間的に広がりを有す
る領域8に、同じ周波数成分を有する回折光7を射出す
ることができる。
【0052】すなわち、各ドット3に記録されたキノフ
ォーム4が、特定の空間的領域に各々空間的広がりを有
する回折光7を射出することで、空間的領域のいずれの
場所からディスプレイ1を観察した際にも、同様の色合
いで広範囲で2次元画像(絵柄)5を観察することがで
きる。
【0053】通常、回折格子パターンによるディスプレ
イでは、回折光の周波数は回折角度に応じて連続的に変
化してしまうため、設定通りの色合いで2次元画像(絵
柄)が観察できる領域は非常に狭い範囲に限られる。
【0054】これに対して、図2に示すような本実施の
形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によ
れば、広い範囲に同じ周波数成分を有する回折光7を射
出させることができるため、観察者(A〜C)6のよう
に、広範囲の観察領域8内のいかなる所からでも、同様
の2次元画像(絵柄)5を広範囲で観察できるため、視
認性が向上し、ディスプレイ1の高性能化を実現するこ
とができる。
【0055】(第3の実施の形態:請求項3に対応)図
3は、本実施の形態によるキノフォームから成るディス
プレイの要部構成例を示す斜視図であり、図1と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0056】すなわち、図3に示すように、本実施の形
態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述
した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4か
ら成るディスプレイ1において、単一の周波数成分を有
する平行状の入射光9に対し、キノフォーム4から成る
ドット3からの回折光7を任意の狭範囲の観察領域に集
光させるように構成している。
【0057】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるキノフォームから成るディスプレイ1において
は、図3に示すように、例えばレーザー光のような単一
の周波数成分を有する平行状の入射光9が入射した際
に、キノフォーム4の光学的特性により、あらかじめ設
定した空間中の任意の一点のみに、回折光7を制限(集
光)して射出することができる。
【0058】図4は、多くの回折次数を発生し、観察領
域において暗い絵柄しか観察できない回折格子パターン
によるディスプレイの一例を示す斜視図である。
【0059】すなわち、図4に示すように、通常、回折
格子パターンによるディスプレイでは、入射光9に対し
て正反射方向(0次回折光)とその他の高次回折方向に
それぞれ回折光が発生するため、一般的に観察に利用さ
れる+1次の回折光は、入射光と比較して輝度が低くな
ってしまう。
【0060】これに対して、図3に示すような本実施の
形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によ
れば、入射光9の大部分を同一方向に回折光7として射
出させることができるため、任意の領域で極めて明るい
2次元画像(絵柄)を観察することが可能なキノフォー
ム4から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0061】(第4の実施の形態:請求項4に対応)図
5は、本実施の形態によるキノフォームから成るディス
プレイの構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0062】すなわち、図5に示すように、本実施の形
態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述
した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4か
ら成るディスプレイ1において、白色の入射光に対し、
キノフォーム4から成るドット3から観察領域への回折
光7が、同一方向に複数の周波数成分を有するように構
成している。
【0063】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるキノフォームから成るディスプレイ1において
は、白色光や太陽光等の、異なる周波数帯の光を併せ持
つ光源からの光が入射した際に、キノフォーム4の光学
的特性により、あらかじめ設定した空間中の一点に、同
一方向に二種以上の周波数成分を有する回折光7を射出
することができる。
【0064】すなわち、通常、単一の周波数成分を有す
る光では、彩度の高い色しか観察できないため、従来の
回折格子パターンは、彩度の高い絵柄のものが多い。
【0065】しかし、この回折格子パターンでは、異な
る空間周波数を有する回折格子セルを隣接して配置する
ことで、彩度が低く中間調が表現された絵柄の表現を可
能としているが、ドットのサイズをある程度より小さく
することが困難であり、また多数の空間周波数を併せる
ことが極めて困難であると言える。
【0066】これに対して、図5に示すような本実施の
形態によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によ
れば、同一方向に複数の周波数成分を有する回折光7を
射出させることができるため、キノフォーム4から成る
ドット3から観察者6への方向に、同一方向に異なる周
波数成分を有する回折光(A〜C)7を射出すること
で、単一のドット3で中間調表現を実現することが可能
なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ることが
できる。
【0067】ここで、例えば回折光(A,B,C)7
が、それぞれ赤,緑,青に相当する周波数成分を有する
とすると、観察者6は白色を観察(知覚)することが可
能なキノフォーム4から成るディスプレイ1を得ること
ができる。
【0068】(第5の実施の形態:請求項5に対応)図
6は、本実施の形態によるキノフォームから成るディス
プレイの構成例を示す斜視図であり、図1と同一要素に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0069】すなわち、図6に示すように、本実施の形
態によるキノフォームから成るディスプレイ1は、前述
した第1の実施の形態の構成を有するキノフォーム4か
ら成るディスプレイ1において、キノフォーム4から成
るドット3からの回折光7を、空間的に異なる複数の観
察領域に対して射出させるように構成している。
【0070】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるキノフォームから成るディスプレイ1において
は、白色光や太陽光等の、異なる周波数帯の光を併せ持
つ光源からの光が入射した際に、キノフォーム4の光学
的特性により、あらかじめ設定した空間中の複数の領域
に、回折光7を射出することができる。
【0071】すなわち、図6に示すように、任意のドッ
ト3に記録されたキノフォーム4からの回折光(A〜
C)7が、同様の周波数成分を有する光である場合、観
察方向(A〜C)6において同じ色を観察(知覚)する
ことができる。
【0072】また、任意のドット3に記録されたキノフ
ォーム4からの回折光(A〜C)7が、異なる周波数成
分を有する光である場合、観察方向(A〜C)6におい
て異なる色を観察(知覚)することができる。
【0073】すなわち、図6に示すような本実施の形態
によるキノフォーム4から成るディスプレイ1によれ
ば、異なる観察領域で同様の2次元画像(絵柄)5を観
察することができたり、異なる観察領域で異なる2次元
画像(絵柄)5を観察することが可能なキノフォーム4
から成るディスプレイ1を得ることができる。
【0074】(その他の実施の形態)尚、本発明は、上
記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階で
はその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施す
ることが可能である。例えば、以上のような方法により
実現される前述した第1乃至第5の各実施の形態のうち
のいずれか一つの実施の形態の構成を有するキノフォー
ム4から成るディスプレイ1において、2次元画像5の
黒色の部分に対応する部分の位置のドット3をキノフォ
ーム4から構成し、当該キノフォーム4から成るドット
3からの回折光7を観察領域以外の領域に射出させるよ
うに構成してもよい。
【0075】以上のような構成のキノフォーム4から成
るディスプレイ1においては、キノフォーム4から成る
ドット3からの回折光7を観察領域以外の領域に射出さ
せることにより、正反射光等の不要な光が観察されない
ため、観察条件の影響を受け難い高品位の2次元画像
(絵柄)5を表現することができる。
【0076】すなわち、通常、2次元画像(絵柄)の一
部を黒色として知覚させるには、2次元画像(絵柄)の
黒色に対応する基板上の部分から観察領域への射出光を
なくせばよい。
【0077】そして、一般には、当該部分にキノフォー
ムのドットを記録しないことで実現することが可能であ
る。
【0078】しかし、このような方法では、当該部分が
鏡面として作用するため、観察条件によっては観察時に
正反射光が観察(知覚)される恐れがある。
【0079】これに対して、本キノフォーム4から成る
ディスプレイ1によれば、当該部分に観察領域以外の領
域へ回折光を射出するようなキノフォーム4を記録する
ことで、より観察条件の影響を受け難い2次元画像(絵
柄)5を表現することができる。
【0080】これにより、前述した第1乃至第5の各実
施の形態の構成を有するキノフォーム4から成るディス
プレイ1としては、より一層高品質な2次元画像(絵
柄)5を表現することが可能となる(請求項6に対
応)。
【0081】また、本発明により実現されるキノフォー
ムから成るディスプレイに関して、前述した第1乃至第
5の各実施の形態では、反射型のディスプレイを想定し
て説明を行なったが、これに限らず、透過型のキノフォ
ームをドットに記録することで、前述と同様の原理によ
り同様の機能を有する透過型のディスプレイを実現する
ことが可能である。
【0082】一方、各実施の形態は可能な限り適宜組合
わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効
果を得ることができる。さらに、上記各実施の形態には
種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構
成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽
出することができる。例えば、実施の形態に示される全
構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が
解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも
一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効
果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成
要件が削除された構成を発明として抽出することができ
る。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のキノフォ
ームから成るディスプレイによれば、ドットに様々な光
学的機能を有するキノフォームを記録するようにしてい
るので、以下のような種々の効果を期待することが可能
となる。
【0084】(a)2次元画像データの情報を位相変調
パターンとしてドットに記録するようにしているので、
任意の視点から2次元画像(絵柄)の観察を行なうこと
が可能となる。
【0085】(b)単一の周波数成分を有する平行状の
光の入射に対し、広い範囲に同じ周波数を有する回折光
を射出させるようにしているので、広範囲の観察領域内
で同様の2次元画像(絵柄)を表示することが可能とな
る。
【0086】(c)単一の周波数成分を有する平行状の
入射光に対し、キノフォームの光学的特性により回折光
の射出方向を任意の領域のみに制限(集光)させるよう
にしているので、任意の観察点において極めて明るい2
次元画像(絵柄)を観察することが可能となる。
【0087】(d)一つのドットから任意の観察点に同
一方向に複数の周波数成分を有する回折光を射出するキ
ノフォームを記録するようにしているので、白色や彩度
の低い中間調、滑らかな階調表現を用いた2次元画像
(絵柄)を表示することが可能となる。
【0088】(e)一つのドットから複数の観察領域に
回折光を射出するキノフォームを記録するようにしてい
るので、複数の観察領域で同様の2次元画像(絵柄)、
もしくは異なる2次元画像(絵柄)を観察することが可
能となる。
【0089】(f)2次元画像(絵柄)の黒色の部分に
対応する部分の位置のドットを、観察領域以外の領域に
射出させるキノフォームから構成するようにしているの
で、正反射光等の不要な光が観察されない、観察条件の
影響を受け難い高品位の2次元画像(絵柄)を表現する
ことが可能となる。
【0090】以上により、回折格子パターンでは実現が
困難な、広視野角での観察を行なうことができ、また明
るく中間調表現を行なうこともできるキノフォームから
成るディスプレイを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキノフォームから成るディスプレ
イの第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】本発明によるキノフォームから成るディスプレ
イの第2の実施の形態を示す斜視図。
【図3】本発明によるキノフォームから成るディスプレ
イの第3の実施の形態を示す斜視図。
【図4】多くの回折次数を発生し、観察領域において暗
い2次元画像(絵柄)しか観察できない回折格子パター
ンによるディスプレイの一例を示す説明するための斜視
図。
【図5】本発明によるキノフォームから成るディスプレ
イの第4の実施の形態を示す斜視図。
【図6】本発明によるキノフォームから成るディスプレ
イの第5の実施の形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ディスプレイ 2…基板 3…ドット 4…キノフォーム 5…2次元画像(絵柄) 6…観察者 7…回折光 8…空間的に広がりを有する領域 9…入射光。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状の基板上に、ドットを複数個配置
    してパターンを表示するディスプレイにおいて、 前記複数個のドットのうち少なくとも1個のドットを、
    あらかじめ決められた入射角度の特定波長の入射光に対
    してあらかじめ定義された空間的広がりを有する回折光
    を射出する機能を有するキノフォームから構成し、 前記キノフォームから成るドットからの回折光により、
    ドットを画素とした2次元画像を表現するようにしたこ
    とを特徴とするキノフォームから成るディスプレイ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のキノフォームから
    成るディスプレイにおいて、 単一の周波数成分を有する平行状の入射光に対し、前記
    キノフォームから成るドットからの回折光を広範囲の観
    察領域に射出させるようにしたことを特徴とするキノフ
    ォームから成るディスプレイ。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載のキノフォームから
    成るディスプレイにおいて、 単一の周波数成分を有する平行状の入射光に対し、前記
    キノフォームから成るドットからの回折光を任意の狭範
    囲の観察領域に射出方向を制限するようにしたことを特
    徴とするキノフォームから成るディスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載のキノフォームから
    成るディスプレイにおいて、 白色の入射光に対し、前記キノフォームから成るドット
    から観察領域への回折光が同一方向に複数の周波数成分
    を有するようにしたことを特徴とするキノフォームから
    成るディスプレイ。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載のキノフォームから
    成るディスプレイにおいて、 前記キノフォームから成るドットからの回折光を、空間
    的に異なる複数の観察領域に対して射出させるようにし
    たことを特徴とするキノフォームから成るディスプレ
    イ。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至請求項5のいずれか1
    項に記載のキノフォームから成るディスプレイにおい
    て、 前記2次元画像の黒色の部分に対応する部分の位置のド
    ットを前記キノフォームから構成し、当該キノフォーム
    から成るドットからの回折光を観察領域以外の領域に射
    出させるようにしたことを特徴とするキノフォームから
    成るディスプレイ。
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