JP2000259070A - ホログラム作成装置および方法 - Google Patents

ホログラム作成装置および方法

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JP2000259070A
JP2000259070A JP11063713A JP6371399A JP2000259070A JP 2000259070 A JP2000259070 A JP 2000259070A JP 11063713 A JP11063713 A JP 11063713A JP 6371399 A JP6371399 A JP 6371399A JP 2000259070 A JP2000259070 A JP 2000259070A
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JP
Japan
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lens
light
hologram
photosensitive material
object light
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JP11063713A
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English (en)
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Tamiki Takemori
民樹 竹森
Kenji Kon
健次 今
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Hamamatsu Photonics KK
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ART NAU KK
Hamamatsu Photonics KK
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/26Processes or apparatus specially adapted to produce multiple sub- holograms or to obtain images from them, e.g. multicolour technique
    • G03H1/268Holographic stereogram

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間にホログラフィックステレオグラムを
作成することができるホログラム作成装置および方法を
提供する。 【解決手段】 スリット18の開口により規定される感
光材料19の局所領域の位置に対応して画像が空間光変
調素子10に提示される。この空間光変調素子10から
出射された物体光は、レンズ11、空間フィルタ12の
開口、レンズ13、1次元レンズアレイ14、レンズ1
5、レンズ16、シリンドリカルレンズ17およびスリ
ット18の開口を順次に経て、高次回折光が除去され
て、所定の入射角度で感光材料19の上記局所領域に入
射する。参照光は、感光材料19の背後より、感光材料
19の上記局所領域に入射する。感光材料19の上記局
所領域において、物体光と参照光とが干渉して、要素ホ
ログラムが記録される。その後、感光材料19は、x軸
方向に移動して、隣接する局所領域において同様にして
要素ホログラムが記録される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の波面を再生
することができるホログラムを作成するホログラム作成
装置および方法に関し、特に、多数の要素ホログラムか
らなる1次元または2次元のホログラフィックステレオ
グラムを作成するホログラム作成装置および方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィックステレオグラムは、様
々な方向から被写体を普通写真として撮像し、これら普
通写真によりレーザ光を振幅変調し、この振幅変調され
たレーザ光を物体光として1枚のホログラム用の感光材
料の局所に要素ホログラムを記録し、このような要素ホ
ログラムを局所毎に記録して作成される。このようなホ
ログラフィックステレオグラムには、1次元のものと2
次元のものとがある。
【0003】図21および図22は、1次元ホログラフ
ィックステレオグラムの従来の作成技術の説明図であ
る。先ず、図21に示すように、被写体101を回転テ
ーブル102に載置し、この回転テーブル102を一定
速度で回転させながら被写体101を映画用カメラ10
3により撮像する。映画用カメラ103に装填された原
画用フィルム104には、一定角度毎に異なる方向から
撮像された被写体101の多視点平面画像が各コマに連
続して多数記録される。
【0004】次に、図22に示すように、現像された原
画用フィルム104の各コマ毎にレーザ光Lを投射し
て、各コマに記録された被写体像によりレーザ光Lを振
幅変調し、この振幅変調されたレーザ光を物体光とす
る。この物体光を投影レンズ105、視野レンズ106
およびシリンドリカルレンズ107を順次に経てスリッ
ト状の開口108Sを有するマスク108に入射させ、
参照光源110からの参照光とともに物体光をマスク1
08を介して感光材料109に入射させ、両者を互いに
干渉させて要素ホログラムを記録する。そして、原画用
フィルム104の各コマに対応して感光材料109を移
動させて、感光材料109上の互いに異なる領域に要素
ホログラムを順次記録し、感光材料109上に1次元ホ
ログラフィックステレオグラムを作成する。
【0005】図23は、1次元ホログラフィックステレ
オグラムの再生方法の説明図である。この図に示すよう
に、多数の要素ホログラムが記録され現像された感光材
料109を円筒状とし、上方の照明光源111より照明
光を照射する。そして、側方より観察すると、円筒状の
感光材料109の内部空間に再生像112を観察するこ
とができる。
【0006】図21〜図23に示した1次元ホログラフ
ィックステレオグラムの作成および再生の例は、ホログ
ラムが記録された感光材料109を円筒状にして直接像
を再生するものであったが、これに対し、被写体を固定
し、直線上を移動する映画用カメラにより被写体を連続
撮影し、これにより平面型ホログラムを作成する場合も
ある。また、円筒レンズおよびマスクを固定し感光材料
を移動させて要素ホログラムを作成するのではなく、感
光材料を固定し、円筒レンズに替えて拡散板を用い、マ
スクを移動させて要素ホログラムを作成する方法もあ
る。
【0007】一方、2次元ホログラフィックステレオグ
ラムの従来の作成技術は、例えば特開平1−32147
1号公報や特開平3−249686号公報に開示されて
いる。図24および図25は、特開平1−321471
号公報に開示された2次元ホログラフィックステレオグ
ラムの作成技術の説明図である。先ず、図24に示すよ
うに、カメラ122の視点を横および縦方向にa,b,
c,d,……,zと順次移動させて、各視点で被写体1
21を撮影する。カメラ122に装填された原画用フィ
ルム123には、視点毎に異なる方向から撮像された被
写体121の多視点平面画像が各コマに記録される。ホ
ログラムの立体視の容易さや滑らかさを考慮すると、視
点の数は大きいほど好ましいが、通常は、視点の数は1
00〜1000である。
【0008】次に、図25に示すように、現像された原
画用フィルム123をフィルムホルダ124にセット
し、レーザ光源125から出力されたレーザ光をハーフ
ミラー126および拡散レンズ127を介して原画用フ
ィルム123の各コマに投射して、各コマに記録された
被写体像によりレーザ光を振幅変調し、この振幅変調さ
れたレーザ光をスクリーン128に投影して、これを物
体光とする。また、ハーフミラー126、ミラー129
ならびにレンズ130および131を経たレーザ光を参
照光とする。スクリーン128に投影された物体光およ
び参照光を、マスク132の開口を順次に経て感光材料
133に入射させ、両者を互いに干渉させて要素ホログ
ラムを記録する。そして、各コマに被写体121を撮像
した視点に対応する位置にマスク132の開口部を移動
させて感光材料133上の互いに異なる領域に要素ホロ
グラムを順次記録し、感光材料133上に2次元ホログ
ラフィックステレオグラムを作成する。
【0009】また、図26は、特開平3−249686
号公報に開示された2次元ホログラフィックステレオグ
ラムの作成技術の説明図である。この図に示すように、
レーザ光源141から出力されたレーザ光をハーフミラ
ー142により2分岐し、2分岐されたレーザ光の一方
をミラー143およびレンズ144を順次に経て空間光
変調素子145に入射させ、空間光変調素子145によ
り振幅変調を受けたレーザ光を物体光としてレンズ14
6を順次に経て感光材料147に投射する。また、ハー
フミラー142により2分岐されたレーザ光の他方を参
照光としてミラー148を順次に経て感光材料147に
背後から投射する。感光材料147に投射された物体光
および参照光を互いに干渉させて要素ホログラムを記録
する。そして、空間光変調素子145に提示する画像を
変更するとともに感光材料147を移動させて、感光材
料147上の互いに異なる領域に要素ホログラムを順次
記録し、感光材料147上に2次元ホログラフィックス
テレオグラムを作成する。
【0010】このようにして、0.3mm〜0.5mm
間隔で要素ホログラムが感光材料147上にアレイ状に
記録され、リップマン型ホログラムが作成される。ま
た、再生時には、上記参照光の入射方向と同じ方向から
照明光を入射させることにより、感光材料147上の各
要素ホログラムから物体再生光が発生し、再生像が得ら
れる。
【0011】また、レンズアレイを用いてこれを通過す
る光の出射方向を拡大することにより視域を拡げる試み
が従来より行われている。例えば、Michael A. Klug, e
t al., "Full Color Ultragrams", Practical Holograp
hy VI, SPIE, vol.1667, pp.110-119, 1992 なる文献に
開示された技術では、スリットの縦方向の視域の拡大を
目的として、空間光変調素子に提示した画像を光学系に
より感光材料表面に結像させ、その結像面に1次元拡散
板として1次元レンズアレイを配置している。このレン
ズアレイは、これを通過する光をスリットの縦方向に等
しく拡散させることにより、視点をスリットの縦方向に
移動させても結像された再生像を観察できるように視域
を拡げる為のものである。この手法は、ステレオグラム
の作成の際にはよく用いられている。空間光変調素子の
1つの画素からの投影光をレンズアレイにより等しくス
リット縦方向に拡散させるためには、空間光変調素子の
1つの画素の大きさと比べて、レンズアレイ中の1つの
レンズの口径が充分に小さいことが必要である。画素の
大きさと比べてレンズの口径が大きい場合には、空間光
変調素子の1つの画素からの投影光をレンズアレイによ
り等しくスリット縦方向に拡散させることはできない。
また、空間光変調素子の1つの画素からの投影光がレン
ズアレイから出射する角度を制御することができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例は以下のような問題点を有していた。すなわち、感
光材料に記録すべき要素ホログラムの数が多く、これに
因り、感光材料上に1次元または2次元のホログラフィ
ックステレオグラムを作成するのに多大な時間を要して
いた。例えば、マスクの開口幅を0.5mmとし、感光
材料を4インチ×5インチの比較的小型のものとし、各
要素ホログラムの記録に要する時間を2秒とする。この
とき、1次元ホログラフィックステレオグラムの場合、
感光材料に記録すべき要素ホログラムの数は254個と
なり、ホログラフィックステレオグラムの作成に要する
時間は約8分となる。また、2次元ホログラフィックス
テレオグラムの場合、感光材料に記録すべき要素ホログ
ラムの数は約51600個となり、ホログラフィックス
テレオグラムの作成に要する時間は約28時間となる。
さらに、フルカラーのホログラフィックステレオグラム
の場合には、3原色それぞれについて要素ホログラムを
記録する必要があることから、上記の所要時間の3倍の
時間を要する。
【0013】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、短時間にホログラフィックステレオグ
ラムを作成することができるホログラム作成装置および
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るホログラム
作成装置は、感光材料上の複数の局所領域それぞれをマ
スク手段により順次規定し、このマスク手段により規定
された局所領域において物体光と参照光とを干渉させて
要素ホログラムを記録して、ホログラフィックステレオ
グラムを作成するホログラム作成装置であって、(1) 入
射した可干渉光を画像データに基づいて振幅変調して物
体光として出力する物体光発生手段と、(2) 物体光発生
手段から出力された物体光のうち高次回折光を除去し
て、この物体光を投影面に投影する第1の投影手段と、
(3) 投影面に投影された物体光を、画像データの各画素
位置に応じた入射角度で、マスク手段により規定された
局所領域に投影する第2の投影手段と、(4) マスク手段
により規定された局所領域および各画素位置と入射角度
との関係に基づいて画像データを作成する画像データ作
成手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】このホログラム作成装置によれば、物体光
発生手段(例えば空間光変調素子)に入力した可干渉光
は、提示された画像データに基づいて振幅変調され物体
光として出力される。この物体光は、第1の投影手段に
より高次回折光が除去されて投影面に投影される。さら
に、第1の投影手段により投影面に投影された物体光
は、第2の投影手段により、画像データの各画素位置に
応じた入射角度で、マスク手段により規定された局所領
域に投影される。上記画像データは、画像データ作成手
段により、マスク手段により規定された局所領域および
各画素位置と入射角度との関係に基づいて作成される。
そして、マスク手段により規定された局所領域において
上記物体光と参照光とが干渉して要素ホログラムが記録
され、ホログラフィックステレオグラムが作成される。
なお、第1の投影手段は、焦点位置に開口を有して高次
回折光を除去する空間フィルタを備えるテレセントリッ
ク光学系であるのが好適である。第2の投影手段も、テ
レセントリック光学系であるのが好適である。
【0016】また、第2の投影手段は1次元または2次
元のレンズアレイを含むことを特徴とする。この場合に
は、第1の投影手段により投影面に投影された物体光の
感光材料への入射角度は、レンズアレイを構成する個々
のレンズに入射する位置により制御される。
【0017】また、レンズアレイの後側焦点面に感光材
料が配されることを特徴とする。この場合には、物体光
光学系を構成する光学部品の個数が削減され、光学系の
調整が容易となり、装置が小型となる。
【0018】また、第2の投影手段は、局所領域の直前
に配されるレンズを有し、このレンズの入射面に物体光
を一旦結像し、該レンズにより物体光を局所領域に投影
する、ことを特徴とする。この場合には、該レンズにお
ける角度分散が低減される。
【0019】また、第2の投影手段は、レンズアレイの
後側焦点面に配された第1のレンズと、第1のレンズの
焦点距離と等しい焦点距離を有し第1のレンズの後側焦
点面に配された第2のレンズと、を含むことを特徴とす
る。この場合には、第1および第2のレンズそれぞれ
は、レンズアレイと同程度の口径を有するものでよく、
それ故に比較的に収差が小さく安価である。
【0020】また、本発明に係るホログラム作成装置
は、画像データの各画素位置に応じた局所領域への物体
光の入射角度を測定する入射角度測定手段を更に備える
ことを特徴とする。この場合には、物体光光学系を構成
する各光学部品の収差に因る局所的な倍率歪み、安価な
プラスティックのレンズアレイの精度誤差、空間光変調
素子とレンズアレイとの光軸回りの回転配置誤差、等が
あっても、計算によることなく、実測により入射角度を
正確に求めることができる。
【0021】特に、入射角度測定手段は、物体光および
参照光それぞれの記録波長とは異なる再生波長を有する
再生時の照明光を用いて物体光の入射角度を測定する、
ことを特徴とするのが好適である。再生時に白色の照明
光を照射することにより複数の再生波長それぞれの物体
再生光からなるカラー再生像を再生することができるフ
ルカラーのホログラフィックステレオグラムであって、
作成時に厚みが制御された感光材料上で単一の記録波長
の物体光および参照光を干渉させて作成したものの場合
には、複雑な補正法を用いることなしに、記録波長と再
生波長との差および感光材料の厚みの変化に起因する再
生光の出射角度の誤差を自然に補正することができる。
【0022】なお、本発明に係るホログラム作成方法
は、上述した本発明に係るホログラム作成装置と同一の
技術的思想に基づくものであり、同様の作用・効果を奏
する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0024】(物体光光学系の第1の実施形態)先ず、
本発明に係るホログラム作成装置および方法の物体光光
学系の第1の実施形態について説明する。図1および図
2は、第1の実施形態に係るホログラム作成装置の物体
光光学系の構成図である。これらの図に示す光学系は、
1次元ホログラフィックステレオグラムを作成するホロ
グラム作成装置における空間光変調素子10から感光材
料19に到るまでの物体光の光学系である。また、図1
および図2それぞれは、この光学系の光軸(z軸)に対
して垂直であって互いに直交する2方向(x軸方向、y
軸方向)から見たものである。図1はx軸方向に平行に
見た側面図であり、図2はy軸方向に平行に見た俯瞰図
である。
【0025】本実施形態に係る物体光光学系は、空間光
変調素子10、レンズ11、空間フィルタ12、レンズ
13、1次元レンズアレイ14、レンズ15、レンズ1
6、シリンドリカルレンズ17、スリット18および感
光材料19を備えている。
【0026】空間光変調素子10とレンズ11との間の
距離、および、レンズ11と空間フィルタ12との間の
距離は、レンズ11の焦点距離fに等しい。また、空間
フィルタ12とレンズ13との間の距離、および、レン
ズ13と1次元レンズアレイ14との間の距離は、レン
ズ13の焦点距離fに等しい。すなわち、これらはテレ
セントリック光学系を構成している。
【0027】1次元レンズアレイ14の後側焦点面14
Aとレンズ15との間の距離は、レンズ15の焦点距離
fに等しい。レンズ15とレンズ16との間の距離は、
レンズ15およびレンズ16それぞれの焦点距離の和に
等しい。また、レンズ16と感光材料19との間の距離
は、レンズ16の焦点距離fに等しい。すなわち、これ
らもテレセントリック光学系を構成している。
【0028】空間光変調素子10は、多数の画素が2次
元配列されたものであって、各画素毎に光の透過率を設
定することで画像を提示することができる。空間光変調
素子10は、例えば、TN型液晶パネルの両面にパラレ
ルニコルとした偏光板が貼り付けられたものである。空
間光変調素子10は、可干渉光であるレーザ光を入力
し、この入力したレーザ光に対し多視点平面画像に応じ
た空間的な振幅変調を加えて出力する。
【0029】空間フィルタ12は、光軸中心を含む領域
に開口を有している。この開口の開口径Dは、空間光変
調素子10の画素ピッチをPとし、レンズ11の焦点距
離をfとし、レーザ光の波長をλとすると、 D<λ・f/P …(1) なる式で表される。このようにすることにより、空間フ
ィルタ12は、空間光変調素子10から出力されたレー
ザ光のうちの0次回折光(非回折光)がレンズ11によ
り集光されたものを通過させる。一方、空間フィルタ1
2は、空間光変調素子10から出力されたレーザ光のう
ち高次回折光を通過させない。そして、レンズ11、空
間フィルタ12およびレンズ13は、空間光変調素子1
0から出力されたレーザ光のうちの0次回折光を、1次
元レンズアレイ14の位置に結像させる。
【0030】1次元レンズアレイ14は、レンチキュラ
板とも呼ばれ、多数のシリンドリカルレンズがy軸方向
に並列配置されたものである。1次元レンズアレイ14
を構成する各シリンドリカルレンズは、入力した光をy
軸方向についてのみ後側焦点面14A上に集光し、その
後、発散させる。そして、レンズ15およびレンズ16
は、この後側焦点面14A上の光像を、スリット18の
開口により規定される感光材料19の局所領域に結像さ
せる。レンズ16とスリット18との間に設けられたシ
リンドリカルレンズ17は、x軸方向についてのみ後側
焦点面にある感光材料19上に集光する。スリット18
は、図3に示すように、y軸方向に長い矩形の開口を有
する。なお、スリット18の開口形状は矩形に限定され
るものではない。
【0031】図4は、1次元レンズアレイ14の詳細を
説明する図である。この図は、図1と同様に、x軸方向
に平行に見た側面図である。この1次元レンズアレイ1
4内の仮想平面14Bには、空間光変調素子10から出
力されたレーザ光のうちの0次回折光がレンズ11、空
間フィルタ12およびレンズ13を順次に経て結像され
る。この仮想平面14Bに結像される光像は、空間光変
調素子10からの投影像である。この投影像のうち1つ
のシリンドリカルレンズに相当する部分は、空間光変調
素子10の各画素それぞれを透過した個別の光束L1
9などからなり、焦点位置Pに集光された後、各画素
に応じた個別の出射角で発散する。したがって、焦点位
置Pを通過して任意の角度を有する光線を発生させるた
めには、空間光変調素子10の個々の画素で光を透過/
遮断することにより可能となる。また、その光線の強度
は画素の階調に比例する。
【0032】なお、これらの図には、物体光を感光材料
19に照射するための物体光光学系のみが示されてお
り、感光材料19をx軸方向に移動させる為の移動手
段、感光材料19に参照光を照射する為の参照光光学
系、可干渉光であるレーザ光を出力するレーザ光源、レ
ーザ光源から出力されたレーザ光を2分岐して物体光お
よび参照光とする分岐手段、空間光変調素子10に画像
を提示する為の計算機などは示されていない。
【0033】以上のように構成される物体光光学系で
は、スリット18の開口により規定される感光材料19
の局所領域の位置に対応して画像が空間光変調素子10
に提示され、この空間光変調素子10から出射された物
体光は、レンズ11、空間フィルタ12の開口、レンズ
13、1次元レンズアレイ14、レンズ15、レンズ1
6、シリンドリカルレンズ17およびスリット18の開
口を順次に経て、感光材料19の上記局所領域に入射す
る。一方、参照光は、感光材料19の背後より、感光材
料19の上記局所領域に入射する。そして、感光材料1
9の上記局所領域において、物体光と参照光とが干渉し
て、要素ホログラムが記録される。その後、感光材料1
9は、x軸方向に移動して、隣接する局所領域において
同様にして要素ホログラムが記録される。
【0034】本実施形態では、感光材料19に入射する
物体光は、1次元レンズアレイ14によりy軸方向に出
射角が与えられ、シリンドリカルレンズ17によりx軸
方向に出射角が与えられる。シリンドリカルレンズ17
による出射角は、空間光変調素子10の各画素のうちx
軸方向に並んでいる1列の画素すべてに対して発生する
ことから、角度密度が高い。一方、1次元レンズアレイ
14の出射角の角度密度は、空間光変調素子10の各画
素のうち、1次元レンズアレイ14中の各シリンドリカ
ルレンズのy軸方向の幅に存在する画素の個数により決
定されるので、比較的少ない。
【0035】したがって、ホログラム再生像を観察する
観察者の右目と左目とを結ぶ方向(すなわち、観察者に
とっての水平方向)がx軸方向となるようにし、観察者
の右目と左目とを結ぶ方向に垂直な方向(すなわち、観
察者にとっての上下方向)がy軸方向となるようにす
る。このようにして空間光変調素子10に画像を提示す
れば、観察者の視点の水平方向の移動に対してホログラ
ム再生像が滑らかに変化することになり、質が高い立体
感が得られ好適である。また、上下分解能が水平分解能
と比べて不足しても、通常は、違和感がないので、不都
合は少ない。
【0036】なお、空間フィルタ12を設けない場合に
は、高次回折光は、除去されることなく、その回折次数
に応じた入射角で1次元レンズアレイ14に入射し、回
折次数に応じた位置に結像される。したがって、この場
合には、1次元レンズアレイ14の各シリンドリカルレ
ンズから出射された光は、1つの焦点位置に集光される
ことなく、回折次数に応じて異なる焦点位置に集光さ
れ、回折次数に応じて異なる出射角で発散する。このよ
うな場合に、1次元レンズアレイ14の各シリンドリカ
ルレンズに対して1つの焦点位置Pを得る為に、そのシ
リンドリカルレンズの焦点位置Pに開口を有する空間フ
ィルタを設けることも考えられる。しかし、この場合に
は、開口は非常に微細なものとなり、この開口による回
折効果が致命的な疑似再生像を発生させて複数の再生像
が重なり、ぼけた像が観察される。また、1次元レンズ
アレイの製造精度に依存して、これに応じて開口のピッ
チも設定する必要があることから、1次元レンズアレイ
14の後段に開口群を作成することは困難である。
【0037】(物体光光学系の第2の実施形態)次に、
本発明に係るホログラム作成装置および方法の物体光光
学系の第2の実施形態について説明する。図5および図
6は、第2の実施形態に係るホログラム作成装置の物体
光光学系の構成図である。これらの図に示す物体光光学
系は、2次元ホログラフィックステレオグラムを作成す
るホログラム作成装置における空間光変調素子20から
感光材料29に到るまでの物体光の光学系である。ま
た、図5および図6それぞれは、この光学系の光軸(z
軸)に対して垂直であって互いに直交する2方向(x軸
方向、y軸方向)から見たものである。図5はx軸方向
に平行に見た側面図であり、図6はy軸方向に平行に見
た俯瞰図である。
【0038】本実施形態に係る物体光光学系は、空間光
変調素子20、レンズ21、空間フィルタ22、レンズ
23、2次元レンズアレイ24、レンズ25、レンズ2
6、スリット28および感光材料29を備えている。
【0039】空間光変調素子20とレンズ21との間の
距離、および、レンズ21と空間フィルタ22との間の
距離は、レンズ21の焦点距離f1に等しい。また、空
間フィルタ22とレンズ23との間の距離、および、レ
ンズ23と2次元レンズアレイ24との間の距離は、レ
ンズ23の焦点距離f2に等しい。すなわち、これらは
テレセントリック光学系を構成している。
【0040】2次元レンズアレイ24の後側焦点面24
Aとレンズ25との間の距離は、レンズ25の焦点距離
f2に等しい。レンズ25とレンズ26との間の距離
は、レンズ25およびレンズ26それぞれの焦点距離の
和(f2+f3)に等しい。また、レンズ26と感光材
料29との間の距離は、レンズ26の焦点距離f3に等
しい。すなわち、これらもテレセントリック光学系を構
成している。
【0041】空間光変調素子20は、多数の画素が2次
元配列されたものであって、各画素毎に光の透過率を設
定することで画像を提示することができる。空間光変調
素子20は、例えば、TN型液晶パネルの両面にパラレ
ルニコルとした偏光板が貼り付けられたものである。空
間光変調素子20は、可干渉光であるレーザ光を入力
し、この入力したレーザ光に対し多視点平面画像に応じ
た空間的な振幅変調を加えて出力する。
【0042】空間フィルタ22は、光軸中心を含む領域
に開口を有している。この開口の開口径Dは、空間光変
調素子20の画素ピッチをPとし、レンズ21の焦点距
離をf1とし、レーザ光の波長をλとすると、 D<λ・f1/P …(2) なる式で表される。このようにすることにより、空間フ
ィルタ22は、空間光変調素子20から出力されたレー
ザ光のうちの0次回折光(非回折光)がレンズ21によ
り集光されたものを通過させる。一方、空間フィルタ2
2は、空間光変調素子20から出力されたレーザ光のう
ち高次回折光を通過させない。そして、レンズ21、空
間フィルタ22およびレンズ23は、空間光変調素子2
0から出力されたレーザ光のうちの0次回折光を、2次
元レンズアレイ24の位置に結像させる。
【0043】2次元レンズアレイ24は、多数のレンズ
がx軸方向およびy軸方向の双方に2次元配置されたも
のである。2次元レンズアレイ24を構成する各レンズ
は、入力した光をx軸方向およびy軸方向の双方につい
て後側焦点面24A上に集光し、その後、発散させる。
そして、レンズ25およびレンズ26は、この後側焦点
面24A上の光像を、スリット28の開口により規定さ
れる感光材料29の局所領域に結像させる。スリット2
8は、図7に示すように例えば矩形の開口を有するが、
これに限定されるものではない。
【0044】なお、これらの図には、物体光を感光材料
29に照射するための物体光光学系のみが示されてお
り、感光材料29をx軸方向およびy軸方向それぞれに
移動させる為の移動手段、感光材料29に参照光を照射
する為の参照光光学系、可干渉光であるレーザ光を出力
するレーザ光源、レーザ光源から出力されたレーザ光を
2分岐して物体光および参照光とする分岐手段、空間光
変調素子20に画像を提示する為の計算機などは示され
ていない。
【0045】以上のように構成される物体光光学系で
は、スリット28の開口により規定される感光材料29
の局所領域の位置に対応して画像が空間光変調素子20
に提示され、この空間光変調素子20から出射された物
体光は、レンズ21、空間フィルタ22の開口、レンズ
23、2次元レンズアレイ24、レンズ25、レンズ2
6およびスリット28の開口を順次に経て、感光材料2
9の上記局所領域に入射する。一方、参照光は、感光材
料29の背後より、感光材料29の上記局所領域に入射
する。そして、感光材料29の上記局所領域において、
物体光と参照光とが干渉して、要素ホログラムが記録さ
れる。その後、感光材料29は、x軸方向またはy軸方
向に移動して、隣接する局所領域において同様にして要
素ホログラムが記録される。
【0046】本実施形態では、2次元レンズアレイ24
によりx軸方向およびy軸方向それぞれに互いに等しい
出射角が与えられ、x軸方向およびy軸方向それぞれの
出射角の角度密度は互いに等しい。したがって、観察者
の視点の水平方向および上下方向それぞれの移動に対し
てホログラム再生像が共に滑らかに変化することにな
り、より現実感が増した質が高い立体感が得られ好適で
ある。
【0047】また、本実施形態に係る物体光光学系で
は、レンズ21およびレンズ23それぞれの焦点距離の
比(f2/f1)の値を1未満とし、また、レンズ25
およびレンズ26それぞれの焦点距離の比(f3/f
2)の値を1未満とすることにより、空間光変調素子2
0から出力されたレーザ光のうちの0次回折光は、スリ
ット28の開口により規定される感光材料29の局所領
域に、縮小されて結像させる。
【0048】市販の2次元レンズアレイ24のレンズピ
ッチは5mm程度であるので、空間光変調素子20から
の物体光を等倍で感光材料29の局所領域に結像させる
と、極めて粗い3次元画像となる、しかし、本実施形態
では、物体光を例えば1/10に縮小して感光材料29
の局所領域に結像させることができるので、滑らかな3
次元画像が得られる。更に、このようにすることによ
り、出射角度が拡大され、角度密度が大きくなるので、
これらの点でも好適である。
【0049】(物体光光学系の第3の実施形態)次に、
本発明に係るホログラム作成装置および方法の物体光光
学系の第3の実施形態について説明する。図8および図
9は、第3の実施形態に係るホログラム作成装置の物体
光光学系の構成図である。これらの図に示す物体光光学
系は、1次元ホログラフィックステレオグラムを作成す
るホログラム作成装置における空間光変調素子30から
感光材料39に到るまでの物体光の光学系である。ま
た、図8および図9それぞれは、この光学系の光軸(z
軸)に対して垂直であって互いに直交する2方向(x軸
方向、y軸方向)から見たものである。図8はx軸方向
に平行に見た側面図であり、図9はy軸方向に平行に見
た俯瞰図である。この物体光光学系では、1次元レンズ
アレイ35の後側焦点面に感光材料39が配置されてい
る。図8には、参照光光学系も示されている。
【0050】ハーフミラー1は、レーザ光源(図示せ
ず)から出力されコリメートされたレーザ光を2分岐
し、その2分岐した一方を物体光とし、他方を参照光と
するものである。ミラー2は、ハーフミラー1を透過し
たレーザ光を反射させ、空間光変調素子30へ入射させ
る。ミラー3は、ハーフミラー1で反射されたレーザ光
を反射させ、スリット4へ入射させる。
【0051】レンズ5およびレンズ7は、テレセントリ
ック光学系を構成しており、スリット4の開口を通過し
たレーザ光を参照光として、スリット38の開口により
規定される感光材料39の局所領域に背後より照射させ
る。空間フィルタ6は、レンズ5の後側焦点位置に開口
を有するものであり、スリット4の開口を通過したレー
ザ光のうち0次回折光(非回折光)のみを透過させるも
のである。空間フィルタ6を設けない場合には、高次回
折光も感光材料39で結像することから、感光材料39
に入射する参照光の方向が複数となり、その結果、再生
時には照明光が1つであっても、高次回折光の数だけの
照明光で再生したのと同様に多数の再生像が再生され、
ぼけを生ずることとなる。このぼけは、感光材料39か
ら再生像までの距離に比例することから、感光材料39
のごく近傍に再生像が再生される場合には、このような
参照光光学系を設けることなく、スリット38の開口位
置と同じ開口位置を有するスリットを感光材料39の背
後に直接に配置してもよい。
【0052】本実施形態に係る物体光光学系は、空間光
変調素子30、レンズ31、空間フィルタ32、レンズ
33、シリンドリカルレンズ34、1次元レンズアレイ
35、ルーバーフィルム36、スリット38および感光
材料39を備えている。
【0053】空間光変調素子30とレンズ31との間の
距離、および、レンズ31と空間フィルタ32との間の
距離は、レンズ31の焦点距離fに等しい。また、空間
フィルタ32とレンズ33との間の距離、および、レン
ズ33と1次元レンズアレイ35との間の距離は、レン
ズ33の焦点距離fに等しい。すなわち、これらはテレ
セントリック光学系を構成している。
【0054】レンズ33と1次元レンズアレイ35との
間には、シリンドリカルレンズ34が設けられている。
1次元レンズアレイ35と感光材料39との間には、ル
ーバーフィルム36およびスリット38が設けられてい
る。また、感光材料39は、シリンドリカルレンズ34
の後側焦点面でもあり、1次元レンズアレイ35の後側
焦点面でもある面に配されている。
【0055】空間光変調素子30は、多数の画素が2次
元配列されたものであって、各画素毎に光の透過率を設
定することで画像を提示することができる。空間光変調
素子30は、例えば、TN型液晶パネルの両面にパラレ
ルニコルとした偏光板が貼り付けられたものである。空
間光変調素子30は、ミラー2より可干渉光であるレー
ザ光を入力し、この入力したレーザ光に対し多視点平面
画像に応じた空間的な振幅変調を加えて出力する。
【0056】空間フィルタ32は、光軸中心を含む領域
に開口を有している。この開口の開口径Dは、空間光変
調素子30の画素ピッチをPとし、レンズ31の焦点距
離をfとし、レーザ光の波長をλとすると、上記(1)式
で表される。このようにすることにより、空間フィルタ
32は、空間光変調素子30から出力されたレーザ光の
うちの0次回折光(非回折光)がレンズ31により集光
されたものを通過させる。一方、空間フィルタ32は、
空間光変調素子30から出力されたレーザ光のうち高次
回折光を通過させない。そして、レンズ31、空間フィ
ルタ32およびレンズ33は、空間光変調素子30から
出力されたレーザ光のうちの0次回折光を、1次元レン
ズアレイ35の位置に結像させる。
【0057】1次元レンズアレイ35は、レンチキュラ
板とも呼ばれ、多数のシリンドリカルレンズがy軸方向
に並列配置されたものである。1次元レンズアレイ35
を構成する各シリンドリカルレンズは、入力した光をy
軸方向についてのみ後側焦点面にある感光材料39上に
集光する。レンズ33と1次元レンズアレイ35との間
に設けられたシリンドリカルレンズ34は、x軸方向に
ついてのみ後側焦点面にある感光材料19上に集光す
る。スリット38は、図10に示すように、y軸方向に
長い矩形の開口を有する。なお、スリット38の開口形
状は矩形に限定されるものではない。
【0058】図11は、1次元レンズアレイ35の詳細
を説明する図である。この図は、図8と同様に、x軸方
向に平行に見た側面図である。この1次元レンズアレイ
35内の仮想平面35Bには、空間光変調素子30から
出力されたレーザ光のうちの0次回折光がレンズ31、
空間フィルタ32、レンズ33およびシリンドリカルレ
ンズ34を順次に経て結像される。この仮想平面35B
に結像される光像は、空間光変調素子30からの投影像
である。この投影像のうち1つのシリンドリカルレンズ
に相当する部分は、空間光変調素子30の各画素それぞ
れを透過した個別の光束L1〜L9などからなり、感光材
料39上の焦点位置Pに集光される。したがって、焦点
位置Pに任意の角度で入射する光線を発生させるために
は、空間光変調素子30の個々の画素で光を透過/遮断
することにより可能となる。また、その光線の強度は画
素の階調に比例する。
【0059】また、1次元レンズアレイ35とスリット
38との間に設けられたルーバーフィルム36は、透明
膜と不透明膜とを交互にy軸方向に積層したものであっ
て、特定の入射角度の範囲(例えば、−30°〜+30
°)にある光のみを透過させるものである。このルーバ
ーフィルム36は、感光材料39の背後より入射しスリ
ット38の開口を通過して1次元レンズアレイ35の表
面で反射した参照光が物体光とともに感光材料39に記
録されるのを防止する。もし、ルーバーフィルム36を
設けない場合には、再生像を再生したときに感光材料3
9の表面に点々とした輝点が発生し、再生像を観測する
際に著しく支障が生じる。ルーバーフィルム36を挿入
することにより、このような問題を回避することができ
る。
【0060】なお、これらの図には、感光材料39をx
軸方向に移動させる為の移動手段、可干渉光であるレー
ザ光を出力するレーザ光源、空間光変調素子30に画像
を提示する為の計算機などは示されていない。
【0061】以上のように構成される物体光光学系で
は、スリット38の開口により規定される感光材料39
の局所領域の位置に対応して画像が空間光変調素子30
に提示され、この空間光変調素子30から出射された物
体光は、レンズ31、空間フィルタ32の開口、レンズ
33、シリンドリカルレンズ34、1次元レンズアレイ
35、ルーバーフィルム36およびスリット38の開口
を順次に経て、感光材料39の上記局所領域に入射す
る。一方、参照光は、感光材料39の背後より、感光材
料39の上記局所領域に入射する。そして、感光材料3
9の上記局所領域において、物体光と参照光とが干渉し
て、要素ホログラムが記録される。その後、感光材料3
9は、x軸方向に移動して、隣接する局所領域において
同様にして要素ホログラムが記録される。
【0062】本実施形態では、感光材料39に入射する
物体光は、1次元レンズアレイ35によりy軸方向に出
射角が与えられ、シリンドリカルレンズ34によりx軸
方向に出射角が与えられる。シリンドリカルレンズ34
による出射角は、空間光変調素子30の各画素のうちx
軸方向に並んでいる1列の画素すべてに対して発生する
ことから、角度密度が高い。一方、1次元レンズアレイ
35の出射角の角度密度は、空間光変調素子30の各画
素のうち、1次元レンズアレイ35中の各シリンドリカ
ルレンズのy軸方向の幅に存在する画素の個数により決
定されるので、比較的少ない。
【0063】したがって、ホログラム再生像を観察する
観察者の右目と左目とを結ぶ方向(すなわち、観察者に
とっての水平方向)がx軸方向となるようにし、観察者
の右目と左目とを結ぶ方向に垂直な方向(すなわち、観
察者にとっての上下方向)がy軸方向となるようにす
る。このようにして空間光変調素子30に画像を提示す
れば、観察者の視点の水平方向の移動に対してホログラ
ム再生像が滑らかに変化することになり、質が高い立体
感が得られ好適である。また、上下分解能が水平分解能
と比べて不足しても、通常は、違和感がないので、不都
合は少ない。
【0064】(物体光光学系の第4の実施形態)次に、
本発明に係るホログラム作成装置および方法の物体光光
学系の第4の実施形態について説明する。図12および
図13は、第4の実施形態に係るホログラム作成装置の
物体光光学系の構成図である。これらの図に示す物体光
光学系は、1次元ホログラフィックステレオグラムを作
成するホログラム作成装置における空間光変調素子40
から感光材料49に到るまでの物体光の光学系である。
また、図12および図13それぞれは、この光学系の光
軸(z軸)に対して垂直であって互いに直交する2方向
(x軸方向、y軸方向)から見たものである。図12は
x軸方向に平行に見た側面図であり、図13はy軸方向
に平行に見た俯瞰図である。本実施形態に係る物体光光
学系は、第1の実施形態に係るものを改良したものであ
り、1次元レンズアレイ44の後側焦点面44Aに結像
された像を感光材料49に投影することと、1次元レン
ズアレイ44内に結像された空間光変調素子40の像を
更にシリンドリカルレンズ47の入射面に再結像させる
こととを、同時に達成するものである。
【0065】本実施形態に係る物体光光学系は、空間光
変調素子40、レンズ41、空間フィルタ42、レンズ
43、1次元レンズアレイ44、シリンドリカルレンズ
45A,45B,46A,46B,47、スリット48
および感光材料49を備えている。
【0066】空間光変調素子40とレンズ41との間の
距離、および、レンズ41と空間フィルタ42との間の
距離は、レンズ41の焦点距離fに等しい。また、空間
フィルタ42とレンズ43との間の距離、および、レン
ズ43と1次元レンズアレイ44との間の距離は、レン
ズ43の焦点距離fに等しい。すなわち、これらはテレ
セントリック光学系を構成している。
【0067】1次元レンズアレイ44を構成するy軸方
向に並列配列された各シリンドリカルレンズ、シリンド
リカルレンズ45Aおよびシリンドリカルレンズ46A
それぞれは、y軸方向に集光機能を有するものである。
1次元レンズアレイ44の後側焦点面44Aとシリンド
リカルレンズ45Aとの間の距離は、シリンドリカルレ
ンズ45Aの焦点距離f1に等しい。シリンドリカルレ
ンズ45Aとシリンドリカルレンズ46Aとの間の距離
は、シリンドリカルレンズ45Aおよびシリンドリカル
レンズ46Aそれぞれの焦点距離の和に等しい。また、
シリンドリカルレンズ46Aと感光材料49との間の距
離は、シリンドリカルレンズ46Aの焦点距離f1に等
しい。すなわち、これらもテレセントリック光学系を構
成しており、1次元レンズアレイ44の後側焦点面44
Aに結像された像を感光材料49に投影する。
【0068】一方、シリンドリカルレンズ45B、シリ
ンドリカルレンズ46Bおよびシリンドリカルレンズ4
7それぞれは、x軸方向に集光機能を有するものであ
る。1次元レンズアレイ44内の結像面とシリンドリカ
ルレンズ45Bとの間の距離は、シリンドリカルレンズ
45Bの焦点距離f2に等しい。シリンドリカルレンズ
45Bとシリンドリカルレンズ46Bとの間の距離は、
シリンドリカルレンズ45Bおよびシリンドリカルレン
ズ46Bそれぞれの焦点距離の和に等しい。また、シリ
ンドリカルレンズ46Bとシリンドリカルレンズ47と
の間の距離は、シリンドリカルレンズ46Bの焦点距離
f2に等しい。すなわち、これらもテレセントリック光
学系を構成しており、1次元レンズアレイ44内に結像
された空間光変調素子40の像を更にシリンドリカルレ
ンズ47の入射面に再結像させる。また、シリンドリカ
ルレンズ47と感光材料49との間の距離は、シリンド
リカルレンズ47の焦点距離f3に等しい。
【0069】空間光変調素子40は、多数の画素が2次
元配列されたものであって、各画素毎に光の透過率を設
定することで画像を提示することができる。空間光変調
素子40は、例えば、TN型液晶パネルの両面にパラレ
ルニコルとした偏光板が貼り付けられたものである。空
間光変調素子40は、可干渉光であるレーザ光を入力
し、この入力したレーザ光に対し多視点平面画像に応じ
た空間的な振幅変調を加えて出力する。
【0070】空間フィルタ42は、光軸中心を含む領域
に開口を有している。この開口の開口径Dは、空間光変
調素子40の画素ピッチをPとし、レンズ41の焦点距
離をfとし、レーザ光の波長をλとすると、上記(1)式
で表される。このようにすることにより、空間フィルタ
42は、空間光変調素子40から出力されたレーザ光の
うちの0次回折光(非回折光)がレンズ41により集光
されたものを通過させる。一方、空間フィルタ42は、
空間光変調素子40から出力されたレーザ光のうち高次
回折光を通過させない。そして、レンズ41、空間フィ
ルタ42およびレンズ43は、空間光変調素子40から
出力されたレーザ光のうちの0次回折光を、1次元レン
ズアレイ44の位置に結像させる。
【0071】1次元レンズアレイ44は、レンチキュラ
板とも呼ばれ、多数のシリンドリカルレンズがy軸方向
に並列配置されたものである。1次元レンズアレイ44
を構成する各シリンドリカルレンズは、入力した光をy
軸方向についてのみ後側焦点面44A上に集光し、その
後、発散させる。
【0072】1次元レンズアレイ44を構成するy軸方
向に並列配列された各シリンドリカルレンズ、シリンド
リカルレンズ45Aおよびシリンドリカルレンズ46A
からなる光学系は、1次元レンズアレイ44の後側焦点
面44Aに結像された像を、スリット48の開口により
規定される感光材料19の局所領域に投影する。スリッ
ト48は、y軸方向に長い矩形の開口を有するものであ
るが、これに限定されるものではない。
【0073】一方、シリンドリカルレンズ45B、シリ
ンドリカルレンズ46Bおよびシリンドリカルレンズ4
7からなる光学系は、1次元レンズアレイ44内に結像
された空間光変調素子40の像を更にシリンドリカルレ
ンズ47の入射面に再結像させた後に、これをスリット
48の開口により規定される感光材料49の局所領域に
投影する。このようにすることにより。シリンドリカル
レンズ47における角度分散を低減することができる。
【0074】なお、これらの図には、物体光を感光材料
49に照射するための物体光光学系のみが示されてお
り、感光材料49をx軸方向に移動させる為の移動手
段、感光材料49に参照光を照射する為の参照光光学
系、可干渉光であるレーザ光を出力するレーザ光源、レ
ーザ光源から出力されたレーザ光を2分岐して物体光お
よび参照光とする分岐手段、空間光変調素子40に画像
を提示する為の計算機などは示されていない。
【0075】以上のように構成される物体光光学系で
は、スリット48の開口により規定される感光材料49
の局所領域の位置に対応して画像が空間光変調素子40
に提示され、この空間光変調素子40から出射された物
体光は、レンズ41、空間フィルタ42の開口、レンズ
43、1次元レンズアレイ44、シリンドリカルレンズ
45B,45A,46B,46A,47、およびスリッ
ト48の開口を順次に経て、感光材料49の上記局所領
域に入射する。一方、参照光は、感光材料49の背後よ
り、感光材料49の上記局所領域に入射する。そして、
感光材料49の上記局所領域において、物体光と参照光
とが干渉して、要素ホログラムが記録される。その後、
感光材料49は、x軸方向に移動して、隣接する局所領
域において同様にして要素ホログラムが記録される。
【0076】(物体光光学系の第5の実施形態)次に、
本発明に係るホログラム作成装置および方法の物体光光
学系の第5の実施形態について説明する。本実施形態に
係る物体光光学系は、第1,第2および第4の実施形態
それぞれに係るものを改良したものである。図14
(a)は、第1,第2および第4の実施形態に係るホロ
グラム作成装置の物体光光学系の要部の構成を比較のた
めに示した図であり、図14(b)は、第5の実施形態
に係るホログラム作成装置の物体光光学系の要部の構成
を説明する図である。
【0077】図14(a)において、レンズアレイ54
は、第1の実施形態における1次元レンズアレイ14、
第2の実施形態における2次元レンズアレイ24、また
は、第4の実施形態における1次元レンズアレイ44に
相当するものである。また、レンズ55は、第1の実施
形態におけるレンズ15、第2の実施形態におけるレン
ズ25、または、第4の実施形態におけるシリンドリカ
ルレンズ45Aに相当するものである。レンズアレイ5
4の後側焦点面54Aとレンズ55との間の距離は、レ
ンズ55の焦点距離fに等しい。このような光学系で
は、レンズアレイ54から発散して出力される光は大き
な出射角を有し、また、レンズアレイ54とレンズ55
とは焦点距離fだけ離れて設けられることから、レンズ
アレイ54から出射された光の殆どをレンズ55に入射
させるには、レンズ55は口径が大きくなくてはいけな
い。しかし、口径が大きく且つ収差が小さいレンズは高
価であるので、このような光学系は必ずしも適切ではな
い。
【0078】これに対して、図14(b)に示す光学系
では、互いに等しい焦点距離を有するレンズ55Aおよ
びレンズ55Bを用意し、レンズアレイ54の後側焦点
面54Aの位置にレンズ55Aを配置し、レンズ55A
の後側焦点面の位置にレンズ55Bを配置している。こ
のようにすることにより、レンズ55Aおよびレンズ5
5Bそれぞれは、レンズアレイ54と同程度の口径を有
するものでよく、比較的安価である。
【0079】(感光材料への物体光の入射角度の測定方
法)次に、空間光変調素子の各画素それぞれから出射さ
れた光束について、スリットから感光材料への入射角度
の測定方法について説明する。
【0080】スリットから感光材料への物体光の入射角
度は、空間光変調素子の画素ピッチ、感光材料への投影
の倍率、レンズアレイのレンズピッチおよび焦点距離に
基づいて、理論的に算出することが可能である。しか
し、各レンズの収差に因る局所的な倍率歪み、安価なプ
ラスティックのレンズアレイの精度誤差、空間光変調素
子とレンズアレイとの光軸回りの回転配置誤差、等に因
り、事実上、計算のみで入射角度を求めることは不可能
である。
【0081】例えば、空間光変調素子の各画素のうち水
平方向に1列に配置された画素の全てに対してのみ、光
を透過させるよう画像データを書き込んだとする。この
とき、理想的には、レンズアレイ上には1本の直線状の
光が投影され、レンズアレイを通過した後の光は或る幅
を有する直線状のものであることが期待される。しかし
ながら、実際には、放物線状に曲率を有する場合があ
り、感光材料への光の入射角度は一定ではない。それ
故、スリットから感光材料への物体光の入射角度は、実
際の光学系で測定せざるを得ない。
【0082】図15は、スリットから感光材料への物体
光の入射角度の測定系の構成図である。この図におい
て、スリット68は、第1の実施形態におけるスリット
18、第2の実施形態におけるスリット28、第3の実
施形態におけるスリット38、または、第4の実施形態
におけるスリット48に相当するものである。角度測定
時には、スリット68の背後には感光材料が置かれてお
らず、スリット68から一定距離ZLだけ隔てて拡散板
68Aが配置され、また、その拡散板68A上の輝点を
撮像するためのCCDカメラ8が設けられる。
【0083】そして、空間光変調素子の1つの画素に対
してのみ、光を透過させるよう画像データを書き込む。
この空間光変調素子の該1つの画素から出射された光が
物体光光学系を経て拡散板68Aに到達したときの輝点
の位置をCCDカメラ8により撮像する。このような撮
像を空間光変調素子の各画素について行う。このように
して、空間光変調素子の各画素それぞれについて、スリ
ットから感光材料への光の入射角度を求め、また、補正
テーブルを求める。
【0084】(補正テーブルの作成方法)次に、補正テ
ーブルの作成方法について説明する。図16は、補正テ
ーブルの作成方法の説明図である。補正テーブルの作成
は、図15に示した測定系を用いて行われる。
【0085】計算機のフレームメモリに格納された画像
データを空間光変調素子に転送するものとし、このフレ
ームメモリにおける番地(座標)を(X,Y)で表す。
このフレームメモリの特定の座標(X,Y)のみに強度
値Iを書き込む(図16(a))。そして、図15に示
した測定系を用いて、拡散板68A上の輝点をCCDカ
メラ8により撮像する。CCDカメラ8により撮像され
た輝点は、CCDカメラ8の画像座標(CX,CY)で
あり、強度値がCIであるとする(図16(b))。
【0086】1次元(または2次元)レンズアレイを構
成するレンズの個数だけ要素ホログラム透視座標系(H
X,HY)を用意する。各要素ホログラム透視座標系
は、スリットの背後に配置される感光材料上の各焦点位
置を原点としており、CCDカメラ8の画像座標(C
X,CY)を平行移動したものである。そして、この要
素ホログラム透視座標系の座標位置(HX,HY)にお
ける強度値をCIとする(図16(c))。
【0087】さらに、各要素ホログラム透視座標系に対
して、2つの2次元の補正テーブルを用意する。一方の
補正テーブルには、座標位置(HX,HY)における値
としてフレームメモリの座標値Xを格納する(図16
(d))。他方の補正テーブルには、座標位置(HX,
HY)における値としてフレームメモリの座標値Yを格
納する(図16(e))。
【0088】以上の操作をフレームメモリの全ての座標
(X,Y)について行い、2つの補正テーブル(図16
(d),(e))を完成させる。また、図15における
スリット68と拡散板68Aとの間の距離ZLを測定し
ておく。なお、感光材料上の各焦点位置を求めるには、
フレームメモリの座標値Xまたは座標値Yを順次変化さ
せて、輝点の座標値(HX,HY)の挙動が急激に変化
したときに次の焦点に移動したと推測して焦点位置を求
める。
【0089】なお、スリットから感光材料への光の入射
角度の測定に際しては、図15に示した測定系を用いる
他、実際に露光して得られたホログラフィックステレオ
グラムを用いるのも好適である。特に、再生時に白色の
照明光を照射することにより複数の再生波長それぞれの
物体再生光からなるカラー再生像を再生することができ
るフルカラーのホログラフィックステレオグラムであっ
て、作成時に厚みが制御された感光材料上で単一の記録
波長の物体光および参照光を干渉させて作成したものの
場合には、実際に露光して得られたホログラフィックス
テレオグラムに上記複数の再生波長それぞれの照明光を
照射して入射角度を測定するのが好適である。
【0090】何故なら、実際に露光して得られたホログ
ラフィックステレオグラムに上記複数の再生波長それぞ
れの照明光を照射して入射角度を測定することにより、
下記の複雑な補正法を用いることなしに、記録波長と再
生波長との差および感光材料の厚みの変化に起因する再
生光の出射角度の誤差を自然に補正することになるから
である。ここで、補正法とは、記録時の感光材料の平均
屈折率をnoとし、再生時の感光材料の平均屈折率をnc
とし、記録時および再生時それぞれの感光材料の厚みの
比をMjとし、記録波長をλoとし、再生波長をλj
し、感光材料内における物体光の入射角をθoとし、感
光材料内における参照光の入射角をθrとし、感光材料
内における照明光の入射角をθcとし、感光材料内にお
ける物体再生光の出射角をθiとし、複数の再生波長そ
れぞれを識別する添え字をjとして、共役像再生の場合
には2次元ホログラムの条件式: (2π・nc/λj)(sinθc−sinθi) =(2π・no/λo)(sinθo−sinθrj) …(3) および3次元ホログラムの条件式: (2π・nc/λj)(cosθc−cosθi) =Mj(2π・no/λo)(cosθo−cosθrj) …(4) を用い、また、直接像再生の場合には2次元ホログラム
の条件式: (2π・nc/λj)(sinθi−sinθc) =(2π・no/λo)(sinθo−sinθrj) …(5) および3次元ホログラムの条件式: (2π・nc/λj)(cosθi−cosθc) =Mj(2π・no/λo)(cosθo−cosθrj) …(6) を用いるものである。
【0091】(空間光変調素子に書き込む画像データの
作成方法)次に、空間光変調素子に書き込むべき画像デ
ータの作成方法について説明する。初めに、再生すべき
3次元物体像の座標が既知である場合について説明す
る。図17は、この場合における空間光変調素子に書き
込むべき画像データの作成方法の説明図である。感光材
料上に原点を有する座標系を考え、再生すべき3次元物
体像の輝点群をその座標系で表す。この輝点群の座標値
を求めるには、実際の物体を多方向から撮像した画像群
に対し対応点を求め、その対応点からそれぞれの視点に
引いた直線の直線の交点座標から実際の物体の座標値を
求め、次に、その座標値をアフィン変換し感光材料上の
座標系に変換する。相似形を維持するためには、アフィ
ン変換は拡大縮小および平行移動の計算となる。また、
計算機上の画像データである場合にも同様にして感光材
料上の座標系に変換しておく。
【0092】このようにして、再生すべき3次元物体像
の各輝点を、その座標位置(x,y,z)および輝度値
SIで表す。そして、これを平行移動して感光材料上の
要素ホログラムを原点とする座標系に変換する。さら
に、この要素ホログラムを原点とした透視変換を施す。
すなわち、 HX=x・ZL/z …(7) HY=y・ZL/z …(8) なる変換式により、各要素ホログラム透視座標系におけ
る座標値(HX,HY)を求め、この座標値(HX,H
Y)における輝度値をSIとする(図17(a))。再
生すべき3次元物体像の全ての輝点について、このよう
な透視変換を行う。もし、座標値(HX,HY)が互い
に同一となる複数の輝点が存在する場合には、座標値z
が最も大きい輝点の輝度値SIを採用する。このように
することにより隠面処理が施されることになる。そし
て、補正テーブルを用いて、座標値(HX,HY)に対
応するフレームメモリ上の座標値(X,Y)を求める
(図17(b),(c))。そして、フレームメモリ上
の座標(X,Y)に輝度値SIを書き込む(図17
(d))。
【0093】以上の操作を、スリットの開口内で同時に
記録すべき要素ホログラムの数だけ実施して、空間光変
調素子に書き込むべき1枚分の画像データを作成する。
そして、この画像データを空間光変調素子に転送して、
そのときにスリットの開口で規定される感光材料の局所
領域に要素ホログラムを記録する。また、スリットの開
口幅だけ感光材料を移動する度に、このような1枚分の
画像データを作成し、この画像データを空間光変調素子
に転送して、そのときにスリットの開口で規定される感
光材料の局所領域に要素ホログラムを記録する。これを
繰り返して、感光材料の全体に要素ホログラムを記録す
る。
【0094】次に、多視点画像データを用いる場合につ
いて説明する。図18は、この場合における空間光変調
素子に書き込むべき画像データの作成方法の説明図であ
る。多視点画像の大きさ、その撮像中心(カメラレンズ
中心)および感光材料までの距離それぞれを、実際の3
次元物体に対する再生3次元物体像の倍率で規格化し
て、多視点画像およびその撮像素子を感光材料の周りに
撮像時と同様の縮尺で配置したものを想定する。
【0095】図18に示すように、感光材料の直前に配
置すべきスリット68、および、このスリットから一定
距離だけ隔てて排された拡散板68Aを考える。そし
て、スリット68の開口内の焦点Pから発散する光束を
考える。例えば、図17の要素ホログラム透視座標系の
座標値(HX,HY)を、図18中の拡散板68A上の
光束L1の輝点を表すものであると仮定する。このと
き、焦点Pから発散した光束L1を延長した直線に近い
撮像中心70を選択し、その撮像中心70で得られた画
像71と上記直線との交点を求めて、座標値(HX,H
Y)に対応するものとして補正テーブルから求めた座標
値(X,Y)が示すフレームメモリの番地に、この交点
の画素の強度値SIを書き込む。同様にして、焦点Pか
ら発散した光束L2を延長した直線に近い撮像中心72
を選択し、その撮像中心72で得られた画像73と上記
直線との交点を求めて、座標値(HX,HY)に対応す
るものとして補正テーブルから求めた座標値(X,Y)
が示すフレームメモリの番地に、この交点の画素の強度
値SIを書き込む。
【0096】以上の操作を、焦点Pから発散する全ての
光束について実施し、さらに、これを、スリット68の
開口内にある全ての焦点について実施する。このように
して、空間光変調素子に書き込むべき1枚分の画像デー
タを作成する。そして、この画像データを空間光変調素
子に転送して、そのときにスリットの開口で規定される
感光材料の局所領域に要素ホログラムを記録する。ま
た、スリットの開口幅だけ感光材料を移動する度に、こ
のような1枚分の画像データを作成し、この画像データ
を空間光変調素子に転送して、そのときにスリットの開
口で規定される感光材料の局所領域に要素ホログラムを
記録する、これを繰り返して、感光材料の全体に要素ホ
ログラムを記録する。
【0097】(ホログラム作成装置の全体構成)次に、
ホログラム作成装置の全体構成について説明する。図1
9は、ホログラム作成装置の全体構成図である。図20
は、ホログラム作成装置の物体光光学系の構成図であ
る。図19および図20それぞれは、物体光光学系の光
軸(z軸)に対して垂直であって互いに直交する2方向
(z軸方向、y軸方向)から見たものである。図19は
x軸方向に平行に見た側面図である。図20はy軸方向
に平行に見た俯瞰図である。これらの図に示す物体光光
学系は、上述した第1および第5の実施形態それぞれに
係る物体光光学系を総合したものである。
【0098】レーザ光源80は、可干渉光であるレーザ
光を出力する。このレーザ光源80の前面に配されたシ
ャッタ81は、計算機9により制御されて開閉する。コ
リメータ82は、シャッタ81を通過したレーザ光を入
力し、光束径を拡大して平行光として出力する。ミラー
83は、このレーザ光を反射させて、ハーフミラー1に
入射させる。ハーフミラー1は、コリメートされて入射
したレーザ光を2分岐し、その2分岐した一方を物体光
とし、他方を参照光とするものである。ミラー2は、ハ
ーフミラー1を透過したレーザ光を反射させ、空間光変
調素子10へ入射させる。ミラー3は、ハーフミラー1
で反射されたレーザ光を反射させ、スリット4へ入射さ
せる。レンズ5およびレンズ7は、テレセントリック光
学系を構成しており、スリット4の開口を通過したレー
ザ光を参照光として、スリット38の開口により規定さ
れる感光材料19の局所領域に背後より照射させる。空
間フィルタ6は、レンズ5の後側焦点位置に開口を有す
るものであり、スリット4の開口を通過したレーザ光の
うち0次回折光(非回折光)のみを透過させるものであ
る。
【0099】本実施形態に係る物体光光学系は、空間光
変調素子10、レンズ11、空間フィルタ12、レンズ
13、1次元レンズアレイ14、レンズ15A、レンズ
15B、レンズ16、シリンドリカルレンズ17、スリ
ット18および感光材料19を備えている。
【0100】空間光変調素子10とレンズ11との間の
距離、および、レンズ11と空間フィルタ12との間の
距離は、レンズ11の焦点距離f1に等しい。また、空
間フィルタ12とレンズ13との間の距離、および、レ
ンズ13と1次元レンズアレイ14との間の距離は、レ
ンズ13の焦点距離f2に等しい。すなわち、これらは
テレセントリック光学系を構成している。
【0101】1次元レンズアレイ14の後側焦点面14
Aの位置にレンズ15Aが配置され、レンズ15Aの後
側焦点面の位置にレンズ15Bが配置されている。レン
ズ15Aおよびレンズ15Bは、互いに等しい焦点距離
f3を有する。レンズ15Bとレンズ16との間の距離
は、レンズ15Bの焦点距離f3に等しい。また、レン
ズ16と感光材料19との間の距離は、レンズ16の焦
点距離f3に等しい。すなわち、これらもテレセントリ
ック光学系を構成している。
【0102】空間光変調素子10は、多数の画素が2次
元配列されたものであって、各画素毎に光の透過率を設
定することで画像を提示することができる。空間光変調
素子10は、例えば、TN型液晶パネルの両面にパラレ
ルニコルとした偏光板が貼り付けられたものである。空
間光変調素子10は、可干渉光であるレーザ光を入力
し、この入力したレーザ光に対し多視点平面画像に応じ
た空間的な振幅変調を加えて出力する。
【0103】空間フィルタ12は、光軸中心を含む領域
に開口を有している。この開口の開口径Dは、空間光変
調素子10の画素ピッチをPとし、レンズ11の焦点距
離をfとし、レーザ光の波長をλとすると、上記(1)式
で表される。このようにすることにより、空間フィルタ
12は、空間光変調素子10から出力されたレーザ光の
うちの0次回折光(非回折光)がレンズ11により集光
されたものを通過させる。一方、空間フィルタ12は、
空間光変調素子10から出力されたレーザ光のうち高次
回折光を通過させない。そして、レンズ11、空間フィ
ルタ12およびレンズ13は、空間光変調素子10から
出力されたレーザ光のうちの0次回折光を、1次元レン
ズアレイ14の位置に結像させる。
【0104】1次元レンズアレイ14は、レンチキュラ
板とも呼ばれ、多数のシリンドリカルレンズがy軸方向
に並列配置されたものである。1次元レンズアレイ14
を構成する各シリンドリカルレンズは、入力した光をy
軸方向についてのみ後側焦点面14A上に集光し、その
後、発散させる。そして、レンズ15およびレンズ16
は、この後側焦点面14A上の光像を、スリット18の
開口により規定される感光材料19の局所領域に結像さ
せる。レンズ16とスリット18との間に設けられたシ
リンドリカルレンズ17は、x軸方向についてのみ後側
焦点面にある感光材料19上に集光する。
【0105】空間光変調素子10の各画素それぞれから
出射された光束についてスリット18から感光材料19
への入射角度の測定は、図15に示した測定系と同様
に、図19および図20に示した拡散板18AおよびC
CDカメラ8を用いて行われる。得られた補正テーブル
は計算機9内のハードディスクに記憶される。また、空
間光変調素子10に書き込むべき画像データの作成も、
計算機9により行われる。
【0106】次に、1次元レンズアレイを用いたホログ
ラム作成装置の具体的な実施例について説明する。空間
光変調素子10として、画素ピッチが26μmで画素数
が1024×768のソニー社製LCX023ALを用
いた。1度の露光で記録できる要素ホログラムの数を増
やすために、x軸方向に768画素とし、y軸方向に1
024画素として、空間光変調素子10を用いた。レン
ズ11の焦点距離f1は120mmであり、レンズ13
の焦点距離f2は100mmであって、これらを含むテ
レセントリック光学系による結像倍率は0.83倍であ
った。
【0107】1次元レンズアレイ14として、焦点距離
0.5mmで口径0.3mmのシリンドリカルレンズが
並列配置されたものを用いた。したがって、1次元レン
ズアレイ14を構成する各シリンドリカルレンズの口径
内に結像する空間光変調素子10の有効画素数は9〜1
0個であり、出射角度の種類の数は10程度であり、縦
の最大出射角度は±15度程度であった。1次元レンズ
アレイ14の後側焦点面14Aに結像された光像は、レ
ンズ15A、レンズ15Bおよびレンズ16からなるテ
レセントリック光学系により、感光材料19上に結像さ
れた。1次元レンズアレイ14の焦点の数すなわち要素
ホログラムの数は100個程度となり、これらが1度の
露光により記録された。
【0108】レンズ15A、レンズ15Bおよびレンズ
16それぞれの焦点距離f3は100mmであって、こ
れらを含むテレセントリック光学系による結像倍率は1
倍であった。シリンドリカルレンズ17の焦点距離f4
は10mmであって、横の出射角度の種類の数は768
であり、横の最大出射角度は±40度程度であった。ス
リット18の開口は、形状が矩形であって、x軸方向の
幅が0.3mmであり、y軸方向の幅が22mmであっ
た。感光材料19としてアグファ社製8E75HDを用
いた。レーザ光源80として、波長632.8nmのレ
ーザ光を出力するHe−Neレーザ光源を用いた。
【0109】以上のような構成のホログラム作成装置に
おいて、感光材料19を置くことなく、拡散板18Aお
よびCCDカメラ8を用いて、補正テーブルを作成して
計算機9内のハードディスクに格納した。そして、この
補正テーブルを用いて、空間光変調素子10に転送すべ
き画像データを作成し、この画像データを計算機9内の
ハードディスクに格納した。
【0110】そして、スリット18の背後に感光材料1
9を配置して、そのときにスリット18の開口により規
定される感光材料19の局所領域に応じた画像データを
計算機9から空間光変調素子10に転送し、計算機9に
よる制御によりシャッタ81を一定時間だけ開いて、要
素ホログラムを記録した。計算機9による制御により移
動手段(図示せず)を駆動させ、感光材料19をx軸方
向にスリット18の開口幅だけ移動させて、同様にして
要素ホログラムを記録した。このようにして、90mm
×90mmの感光材料19の全面に要素ホログラムを記
録した。このとき、感光材料19の移動の回数は、30
0×4=1200回であった。総露光時間は、2秒×1
200回=2400秒=40分であった。要素ホログラ
ムを1つずつ記録する従来法の場合には総露光時間が丸
2日であったのに比較して、本実施例では、これの10
0分の1に短縮された。
【0111】次に、2次元レンズアレイを用いたホログ
ラム作成装置の具体的な実施例について説明する。この
場合、1次元レンズアレイに替えて2次元レンズアレイ
14が用いられ、シリドリカルレンズ17は不要であ
る。空間光変調素子10として、画素ピッチが26μm
で画素数が1024×768のソニー社製LCX023
ALを用いた。x軸方向に768画素とし、y軸方向に
1024画素として、空間光変調素子10を用いた。レ
ンズ11の焦点距離f1は300mmであり、レンズ1
3の焦点距離f2は150mmであって、これらを含む
テレセントリック光学系による結像倍率は0.5倍であ
った。
【0112】2次元レンズアレイ14として、焦点距離
5mmで口径3mmの円形レンズが2次元配列されたも
のを用いた。したがって、2次元レンズアレイ14を構
成する各円形レンズの口径内に結像する空間光変調素子
10の有効画素数は200個程度であり、縦横の出射角
度の種類の数は200程度であり、縦横の最大出射角度
は±15度程度であった。2次元レンズアレイ14の後
側焦点面14Aに結像された光像は、レンズ15A、レ
ンズ15Bおよびレンズ16からなるテレセントリック
光学系により、感光材料19上に結像された。2次元レ
ンズアレイ14の焦点の数すなわち要素ホログラムの数
は横3×縦4=12個となり、これらが1度の露光によ
り記録された。
【0113】レンズ15Aおよびレンズ15Bそれぞれ
の焦点距離f3は300mmであり、レンズ16の焦点
距離f3は60mmであって、これらを含むテレセント
リック光学系による結像倍率は0.2倍であった。シリ
ンドリカルレンズ17は使用されなかった。この結像倍
率が1未満であって縮小倍率であるので、最大出射角度
は±45度程度となり、焦点間ピッチは0.6mmとな
った。スリット18の開口は、形状が矩形であって、x
軸方向の幅が2.4mmであり、y軸方向の幅が3mm
であった。感光材料19としてアグファ社製8E75H
Dを用いた。レーザ光源80として、波長632.8n
mのレーザ光を出力するHe−Neレーザ光源を用い
た。
【0114】以上のような構成のホログラム作成装置に
おいて、感光材料19を置くことなく、拡散板18Aお
よびCCDカメラ8を用いて、補正テーブルを作成して
計算機9内のハードディスクに格納した。そして、この
補正テーブルを用いて、空間光変調素子10に転送すべ
き画像データを作成し、この画像データを計算機9内の
ハードディスクに格納した。
【0115】そして、スリット18の背後に感光材料1
9を配置して、そのときにスリット18の開口により規
定される感光材料19の局所領域に応じた画像データを
計算機9から空間光変調素子10に転送し、計算機9に
よる制御によりシャッタ81を一定時間だけ開いて、要
素ホログラムを記録した。計算機9による制御により移
動手段(図示せず)を駆動させ、感光材料19をx軸方
向またはy軸方向にスリット18の開口幅だけ移動させ
て、同様にして要素ホログラムを記録した。このように
して、90mm×90mmの感光材料19の全面に要素
ホログラムを記録した。このとき、感光材料19の移動
の回数は、50×38=1900回であった。総露光時
間は、2秒×1800回=3800秒=約1時間であっ
た。要素ホログラムを1つずつ記録する従来法の場合に
は総露光時間が約12時間30分であったのに比較し
て、本実施例では、これの約12分の1に短縮された。
【0116】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、物体光発生手段(例えば空間光変調素子)に入
力した可干渉光は、提示された画像データに基づいて振
幅変調され物体光として出力される。この物体光は、第
1の投影手段により高次回折光が除去されて投影面に投
影される。さらに、第1の投影手段により投影面に投影
された物体光は、第2の投影手段により、画像データの
各画素位置に応じた入射角度で、マスク手段により規定
された局所領域に投影される。上記画像データは、画像
データ作成手段により、マスク手段により規定された局
所領域および各画素位置と入射角度との関係に基づいて
作成される。そして、マスク手段により規定された局所
領域において上記物体光と参照光とが干渉して要素ホロ
グラムが記録され、ホログラフィックステレオグラムが
作成される。このようにしたことにより、ホログラフィ
ックステレオグラムの作成時間は短縮される。
【0117】また、第2の投影手段が1次元または2次
元のレンズアレイを含む場合には、第1の投影手段によ
り投影面に投影された物体光の感光材料への入射角度
は、レンズアレイを構成する個々のレンズに入射する位
置により制御される。
【0118】また、レンズアレイの後側焦点面に感光材
料が配される場合には、物体光光学系を構成する光学部
品の個数が削減され、光学系の調整が容易となり、装置
が小型となる。
【0119】また、第2の投影手段が、局所領域の直前
に配されるレンズを有し、このレンズの入射面に物体光
を一旦結像し、該レンズにより物体光を局所領域に投影
する場合には、該レンズにおける角度分散が低減され
る。
【0120】また、第2の投影手段が、レンズアレイの
後側焦点面に配された第1のレンズと、第1のレンズの
焦点距離と等しい焦点距離を有し第1のレンズの後側焦
点面に配された第2のレンズと、を含む場合には、第1
および第2のレンズそれぞれは、レンズアレイと同程度
の口径を有するものでよく、それ故に比較的に収差が小
さく安価である。
【0121】また、画像データの各画素位置に応じた局
所領域への物体光の入射角度を測定する入射角度測定手
段を更に備える場合には、物体光光学系を構成する各光
学部品の収差に因る局所的な倍率歪み、安価なプラステ
ィックのレンズアレイの精度誤差、空間光変調素子とレ
ンズアレイとの光軸回りの回転配置誤差、等があって
も、計算によることなく、実測により入射角度を正確に
求めることができる。
【0122】特に、入射角度測定手段は、物体光および
参照光それぞれの記録波長とは異なる再生波長を有する
再生時の照明光を用いて物体光の入射角度を測定する、
ことを特徴とするのが好適である。再生時に白色の照明
光を照射することにより複数の再生波長それぞれの物体
再生光からなるカラー再生像を再生することができるフ
ルカラーのホログラフィックステレオグラムであって、
作成時に厚みが制御された感光材料上で単一の記録波長
の物体光および参照光を干渉させて作成したものの場合
には、複雑な補正法を用いることなしに、記録波長と再
生波長との差および感光材料の厚みの変化に起因する再
生光の出射角度の誤差を自然に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るホログラム作成装置の物
体光光学系の構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るホログラム作成装置の物
体光光学系の構成図である。
【図3】第1の実施形態に係るホログラム作成装置にお
けるスリットの説明図である。
【図4】第1の実施形態に係るホログラム作成装置にお
ける1次元レンズアレイの詳細を説明する図である。
【図5】第2の実施形態に係るホログラム作成装置の物
体光光学系の構成図である。
【図6】第2の実施形態に係るホログラム作成装置の物
体光光学系の構成図である。
【図7】第2の実施形態に係るホログラム作成装置にお
けるスリットの説明図である。
【図8】第3の実施形態に係るホログラム作成装置の物
体光光学系の構成図である。
【図9】第3の実施形態に係るホログラム作成装置の物
体光光学系の構成図である。
【図10】第3の実施形態に係るホログラム作成装置に
おけるスリットの説明図である。
【図11】第3の実施形態に係るホログラム作成装置に
おける1次元レンズアレイの詳細を説明する図である。
【図12】第4の実施形態に係るホログラム作成装置の
物体光光学系の構成図である。
【図13】第4の実施形態に係るホログラム作成装置の
物体光光学系の構成図である。
【図14】第5の実施形態に係るホログラム作成装置の
物体光光学系の要部構成を説明する図である。
【図15】スリットから感光材料への物体光の入射角度
の測定系の構成図である。
【図16】補正テーブルの作成方法の説明図である。
【図17】空間光変調素子に書き込むべき画像データの
作成方法の説明図である。
【図18】空間光変調素子に書き込むべき画像データの
作成方法の説明図である。
【図19】ホログラム作成装置の全体構成図である。
【図20】ホログラム作成装置の物体光光学系の構成図
である。
【図21】1次元ホログラフィックステレオグラムの従
来の作成技術の説明図である。
【図22】1次元ホログラフィックステレオグラムの従
来の作成技術の説明図である。
【図23】1次元ホログラフィックステレオグラムの再
生方法の説明図である。
【図24】2次元ホログラフィックステレオグラムの従
来の作成技術の説明図である。
【図25】2次元ホログラフィックステレオグラムの従
来の作成技術の説明図である。
【図26】2次元ホログラフィックステレオグラムの従
来の作成技術の説明図である。
【符号の説明】
1…ハーフミラー、2…ミラー、3…ミラー、4…スリ
ット、5…レンズ、6…空間フィルタ、7…レンズ、8
…CCDカメラ、9…計算機、10…空間光変調素子、
11…レンズ、12…空間フィルタ、13…レンズ、1
4…1次元レンズアレイ、15…レンズ、16…レン
ズ、17…シリンドリカルレンズ、18…スリット、1
9…感光材料、20…空間光変調素子、21…レンズ、
22…空間フィルタ、23…レンズ、24…2次元レン
ズアレイ、25…レンズ、26…レンズ、28…スリッ
ト、29…感光材料、30…空間光変調素子、31…レ
ンズ、32…空間フィルタ、33…レンズ、34…シリ
ンドリカルレンズ、35…1次元レンズアレイ、36…
ルーバーフィルム、38…スリット、39…感光材料、
40…空間光変調素子、41…レンズ、42…空間フィ
ルタ、43…レンズ、44…1次元レンズアレイ、45
A,45B,46A,46B,47…シリンドリカルレ
ンズ、48…スリット、49…感光材料、54…レンズ
アレイ、55,55A,55B…レンズ、68…スリッ
ト、68A…拡散板、80…レーザ光源、81…シャッ
タ、82…コリメータ、83…ミラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今 健次 青森県むつ市中央2丁目24−2 有限会社 アートナウ内 Fターム(参考) 2K008 AA08 BB06 DD03 FF07 FF21 HH06 HH07 HH11 HH25 HH26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料上の複数の局所領域それぞれを
    マスク手段により順次規定し、このマスク手段により規
    定された局所領域において物体光と参照光とを干渉させ
    て要素ホログラムを記録して、ホログラフィックステレ
    オグラムを作成するホログラム作成装置であって、 入射した可干渉光を画像データに基づいて振幅変調して
    物体光として出力する物体光発生手段と、 前記物体光発生手段から出力された前記物体光のうち高
    次回折光を除去して、この物体光を投影面に投影する第
    1の投影手段と、 前記投影面に投影された前記物体光を、前記画像データ
    の各画素位置に応じた入射角度で、前記マスク手段によ
    り規定された前記局所領域に投影する第2の投影手段
    と、 前記マスク手段により規定された前記局所領域および各
    画素位置と前記入射角度との関係に基づいて前記画像デ
    ータを作成する画像データ作成手段と、 を備えることを特徴とするホログラム作成装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の投影手段は1次元または2次
    元のレンズアレイを含むことを特徴とする請求項1記載
    のホログラム作成装置。
  3. 【請求項3】 前記レンズアレイの後側焦点面に前記感
    光材料が配されることを特徴とする請求項2記載のホロ
    グラム作成装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の投影手段は、前記局所領域の
    直前に配されるレンズを有し、このレンズの入射面に前
    記物体光を一旦結像し、該レンズにより前記物体光を前
    記局所領域に投影する、ことを特徴とする請求項1記載
    のホログラム作成装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の投影手段は、前記レンズアレ
    イの後側焦点面に配された第1のレンズと、前記第1の
    レンズの焦点距離と等しい焦点距離を有し前記第1のレ
    ンズの後側焦点面に配された第2のレンズと、を含むこ
    とを特徴とする請求項2記載のホログラム作成装置。
  6. 【請求項6】 前記画像データの各画素位置に応じた前
    記局所領域への前記物体光の入射角度を測定する入射角
    度測定手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載
    のホログラム作成装置。
  7. 【請求項7】 前記入射角度測定手段は、前記物体光お
    よび前記参照光それぞれの記録波長とは異なる再生波長
    を有する再生時の照明光を用いて前記物体光の入射角度
    を測定する、ことを特徴とする請求項6記載のホログラ
    ム作成装置。
  8. 【請求項8】 感光材料上の複数の局所領域それぞれを
    マスク手段により順次規定し、このマスク手段により規
    定された局所領域において物体光と参照光とを干渉させ
    て要素ホログラムを記録して、ホログラフィックステレ
    オグラムを作成するホログラム作成方法であって、 入射した可干渉光を画像データに基づいて振幅変調して
    物体光として出力する物体光発生ステップと、 前記物体光発生ステップで出力された前記物体光のうち
    高次回折光を除去して、この物体光を投影面に投影する
    第1の投影ステップと、 前記投影面に投影された前記物体光を、前記画像データ
    の各画素位置に応じた入射角度で、前記マスク手段によ
    り規定された前記局所領域に投影する第2の投影ステッ
    プと、 前記マスク手段により規定された前記局所領域および各
    画素位置と前記入射角度との関係に基づいて前記画像デ
    ータを作成する画像データ作成ステップと、 を備えることを特徴とするホログラム作成方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の投影ステップは1次元または
    2次元のレンズアレイを用いて前記入射角度を制御する
    ことを特徴とする請求項8記載のホログラム作成方法。
  10. 【請求項10】 前記レンズアレイの後側焦点面に前記
    感光材料が配されることを特徴とする請求項9記載のホ
    ログラム作成方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の投影ステップは、前記局所
    領域の直前に配されるレンズを用いて、このレンズの入
    射面に前記物体光を一旦結像し、該レンズにより前記物
    体光を前記局所領域に投影する、ことを特徴とする請求
    項8記載のホログラム作成方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の投影ステップは、前記レン
    ズアレイの後側焦点面に配された第1のレンズと、前記
    第1のレンズの焦点距離と等しい焦点距離を有し前記第
    1のレンズの後側焦点面に配された第2のレンズと、を
    用いることを特徴とする請求項9記載のホログラム作成
    方法。
  13. 【請求項13】 前記画像データの各画素位置に応じた
    前記局所領域への前記物体光の入射角度を測定する入射
    角度測定ステップを更に備えることを特徴とする請求項
    8記載のホログラム作成方法。
  14. 【請求項14】 前記入射角度測定ステップは、前記物
    体光および前記参照光それぞれの記録波長とは異なる再
    生波長を有する再生時の照明光を用いて前記物体光の入
    射角度を測定する、ことを特徴とする請求項13記載の
    ホログラム作成方法。
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