JP4013405B2 - 回折格子パターン - Google Patents

回折格子パターン Download PDF

Info

Publication number
JP4013405B2
JP4013405B2 JP16530699A JP16530699A JP4013405B2 JP 4013405 B2 JP4013405 B2 JP 4013405B2 JP 16530699 A JP16530699 A JP 16530699A JP 16530699 A JP16530699 A JP 16530699A JP 4013405 B2 JP4013405 B2 JP 4013405B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diffraction grating
white
region
pattern
diffraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16530699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000352609A (ja
Inventor
敏貴 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP16530699A priority Critical patent/JP4013405B2/ja
Publication of JP2000352609A publication Critical patent/JP2000352609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4013405B2 publication Critical patent/JP4013405B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面に、回折格子からなる微小なセル(ドット)を配置することによって表現されるパターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
回折格子によって構成されるパターンは、通常の印刷技術では表現することのできない指向性のある光沢を有することから、ディスプレイの用途や偽造防止を目的としたセキュリティ商品に広く用いられており、より多彩でオリジナリティの高いパターンを作製することが求められている。
【0003】
このような要求に応じて、セル(ドット)状の回折格子の集まりによって構成される回折格子パターンを有するディスプレイが公知である。
【0004】
尚、ディスプレイ(パターン)の構成単位である「セル」および「ドット」は同義語として扱われるが、形状(輪郭)や大きさに制約を受けないニュアンスのある用語「セル」、さらに製造物は「回折格子パターン」として、以後の説明を統一する。
【0005】
回折格子パターンを作製する方法としては、特開昭60−156004号公報に例示されるような方法が公知である。この方法は、レーザー光の2光束干渉による微小な干渉縞(回折格子)を、そのピッチ,方向,および光強度を変化させて、感光性フィルムに次々と露光するものである。
【0006】
一方、レーザーではなく電子ビーム露光装置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板が載置されたX−Yステージを移動させて、基板の表面に、回折格子からなる複数の微小なドットを配置することにより、回折格子パターンを作製する方法も提案されている。
上記方法は、特開平2−72320号公報や米国特許5,058,992号に開示されている。
【0007】
回折格子パターンのパラメータとして、
(1) 回折格子の空間周波数あるいは格子間隔(格子のピッチ)
(2) 回折格子の方向(格子の方向)
(3) 回折格子の形成領域(回折格子セルの配置)
の3つがあり、
(1) に応じて、定点に対してその回折格子セルが光って見える色が変化し、
(2) に応じて、その回折格子セルが光って見える方向が変化し、
(3) に応じて、表示パターン(絵柄)が決定される。
【0008】
ところで、このような回折格子パターンでは、視認性などの面から白色で文字などを表現することは非常に多く、色々な観察条件で安定した白色を提示できるようにすることは重要である。
【0009】
回折格子パターンで白色の表示を実現するために、R,G,Bの3色の波長に対応する空間周波数を持つ3種類の回折格子セルを用いて、それらを組み合わせたものを画素とし、白色の表示を行なう手法が公知である。
【0010】
しかし、白色を表示する画素が、上記のような3種類の回折格子セルからなる場合、非常に限定された観察条件下でのみ当該画素が白色として観察可能となるが、その条件から若干でもずれると色付いた画素として観察されることになる。
【0011】
回折格子に対する照明光の波長・入射角度と、回折格子の格子間隔とその回折格子から出射する回折光の出射角度との関係は、以下のように説明される。
【0012】
図3は、回折格子セルに特定角度で波長λの単色光が入射した場合の、回折光を観察する状態を示す説明図である。
ここで、回折格子セル面に垂直な任意の面において、回折格子セルによる任意の次数に対する回折現象は以下の式で表される。
d=mλ/(sin α−sin β)
【0013】
上式において、dは着目した面における格子間隔(空間周波数の逆数)、mは回折次数、αは当該面における0次回折光(照明光の透過光あるいは正反射光であり、図3では正反射光にあたる)の出射角度、βは当該面における1次回折光の出射角度(回折角)である。
【0014】
例えば、回折格子セル面をX−Y平面とし、それに直交するX−Z平面およびY−Z平面について、上式を考慮することで、3次元空間における回折光の方向などを知ることができる。
また、通常は、1次回折光(すなわち、m=1)の場合を考える。0次回折光の出射角度は、照明光の入射角度と同じ(透過の場合)、もしくは符号が反転する(反射の場合)だけである。
【0015】
一方、通常の照明条件下、すなわち、白色光による回折格子セルの照明を考える。図4は、回折格子セルに特定角度で白色光が入射した場合の、回折光を観察する状態を示す説明図である。
【0016】
ホログラムや回折格子では、回折光が必然的に波長分散を伴うため、観察者は、特定の1方向からのみ所定波長での1次回折光を視覚することができる。
そのため、図4のように、波長ごとに分散した1次回折光が出射し、観察者の上下(回折格子の格子ベクトルの方向)の視点移動などにより、観察される色が虹色に変化する。同図の上側では1次回折光は赤に近い 600nmであるのに対し、下側では青に近い 400nmである。
言い換えれば、上式における回折角βは、空間周波数の関数であると同時に、波長の関数でもある。
【0017】
R,G,Bの3つの波長に対応する3種類の空間周波数の回折格子セルを用いた画素により白色を表現をしている場合でも、特定の条件(照明光の入射角度,回折光の出射角度)においては、白色で観察されるが、この条件を少しでもずれると、白色を提示すべき部分も色づき、別の色として観察されてしまう。
この主な原因は、回折格子によるR,G,Bの3波長の1次回折光を使用する場合、可視波長範囲の両端に近いRとBの波長を用いることによる。
【0018】
このとき、入射角や回折角が変化した際、RやBの波長を出射すべき回折格子セルからの1次回折光のうち、実際に観察者の眼に入るのは赤外や紫外の波長になってしまうことになる。この結果、可視波長範囲を外れた1次回折光は認識されず、残りの2つの波長の加法混色による表現色となるため、白色とはかけ離れてしまう。
【0019】
図6は、上記のことを示す色度図である。
●でプロットしたR,G,Bの3波長で表現された色(白色)に対して、観察条件が若干変化することにより、視覚される色が○でプロットしたR' ,G' ,B' の3波長で表現された色にシフトする。
この場合、R' が可視波長範囲外となり、G' とB' の2波長で表現された色が視覚されることになる。
【0020】
R,G,Bの3波長の混色で表現が可能なのは、●でプロットした3点を頂点とする3角形の内側全て(網がけした3角形)であるが、G' とB' の2波長の混色で表現できるのはこの2点の線分上の点だけである。
【0021】
「白」と認識される領域は、色度図上の中心付近(点線の楕円状)に比較的広く分布し、3つ以上の複数の波長の光がほぼ等しい明るさで感知されると「白」と認識されやすい。
一方、2波長のみでは極めて限られた条件下でしか「白」と認識させることはできない。
【0022】
実際には、1次回折光が観察される波長が、赤外や紫外の可視波長範囲外まで行かなくても、Rの波長より長く、あるいはBの波長よりも短い波長になると、人間の比視感度の著しい低下が見られるので、上記と同様のことが起こる。
従って、R,G,Bの3つの波長に対応する3種類の空間周波数の回折格子セルによる白色表示では、画素は、非常に限定された状態でのみ、白色として視覚されることとなる。
【0023】
以上のように、従来の回折格子パターンでは、白色を提示したい部分を、色々な観察条件で白色として認識させることが難しく、白色を含む画像などの表現が困難であった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、観察条件の変化(波長分散)による影響が少なく、視認性などの面から好適な「白色の表示」が実現される回折格子パターンを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明では、白色を表現する領域を構成する画素として、従来のR,G,Bに代表される3種類よりも多い「4種類以上の異なる空間周波数」の回折格子からなる微小セルにより構成される微小領域を採用して、上記目的を実現する。
【0026】
すなわち、請求項1の発明は、
回折格子からなる微小なセルが基板表面に複数配置されて構成され、回折格子の空間周波数,回折格子の方向,回折格子の形成領域の少なくとも何れかが変化してなるパターンにおいて、
パターン内に、それぞれの方向が等しい4種類以上の異なる空間周波数を持つ回折格子からなる微小なセルが集まって構成される微小領域を有し、
観察条件の変化に伴って、そのうちの1種類の空間周波数の回折格子セルからの1次回折光が可視波長範囲外となったとしても、残る3種類以上の空間周波数の回折格子セルにより、3つ以上の複数の波長の光がほぼ等しい明るさで感知されて、
前記微小領域は、観察条件に応じて色変化の少ない白色を表現することを特徴とする。
【0029】
請求項の発明は、
微小領域における4種類以上の異なる空間周波数が、観察される全ての波長が可視波長領域内に存在するような観察条件を持つ組み合わせからなることを特徴とする請求項記載の回折格子パターンである。
【0030】
請求項の発明は、
微小領域における4種類以上の異なる空間周波数が、観察される全ての波長が可視波長領域内に均等に分布して存在するような観察条件を持つ組み合わせからなることを特徴とする請求項記載の回折格子パターンである。
【0031】
請求項の発明は、
微小領域における4種類以上の異なる空間周波数のうち、少なくとも1種類の空間周波数の回折格子が、可視波長領域外の波長で再生されるような観察条件を持つ組み合わせからなることを特徴とする請求項記載の回折格子パターンである。
【0032】
請求項の発明は、
微小領域における4種類以上の異なる空間周波数の逆数が、均等な間隔で分布して存在するような組み合わせからなることを特徴とする請求項記載の回折格子パターンである。
【0033】
請求項の発明は、
微小領域の大きさが、300μm以下であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の回折格子パターンである。
【0034】
<作用>
本発明の回折格子パターンに白色光を入射すると、回折光(主として1次回折光)により、「白色を表現する」微小領域が、観察条件の変化による影響が少なく、広い視域から安定して白色として観察することが可能となる。
【0035】
上述したように、微小領域からの1次回折光として、3種類以上の適当な波長が同時に観察されれば、十分な白色表現が可能であり、
観察条件、すなわち、照明光の入射角度および観察者の観察する角度(回折光の出射角度に相当)が若干変化しても、その微小領域からの1次回折光として、3種類以上の適当な波長が同時に観察される状態が維持されていれば、依然として十分な白色表現が可能となる。
【0036】
本発明では、それぞれ方向が等しい4種類以上の異なる空間周波数を持つ回折格子からなる微小なセルが集まって微小領域を構成するため、観察条件の変化に伴って、そのうちの1種類の空間周波数の回折格子セルからの1次回折光が可視波長範囲外となったとしても、残る3種類以上の空間周波数の回折格子セルにより、白色表現が実現されるため、本発明の回折格子パターンでは、観察条件の変化による影響を受けずに安定して白色の表示が可能である。(請求項
【0037】
もちろん、微小領域における回折格子セルの大きさを変えるなどの方法により、白色またはその他の色でも、濃淡を表現することは可能である。
【0038】
また、微小領域内に1種類の回折格子セル等を配置してもよく、1〜3種類の回折格子による任意の波長による色表現も混在できる。従って、微小領域を画素として、白色を含む任意のカラー画像を表現できる。
【0039】
4種類以上の回折格子セルの空間周波数を、観察される全ての波長が可視波長領域内に存在するような観察条件を持つ組み合わせからなるようにすることで、観察条件の若干の変化に対し、常に3つ以上の波長の加法混色が利用でき、安定した白色を表現できる。(請求項
【0040】
さらには、微小領域における4種類以上の異なる空間周波数が、観察される全ての波長が可視波長領域内に均等に分布して存在するような観察条件を持つ組み合わせからなるようにすることで、観察されるそれぞれの回折格子セルからの回折光の波長がほぼ均等に分布することになり、さらに安定した白色を表現できる。(請求項
【0041】
また、微小領域における4種類以上の異なる空間周波数のうち、少なくとも1種類の空間周波数の回折格子が、可視波長領域外の波長で再生されるような観察条件を持つ組み合わせからなるようにすることで、観察条件の比較的大きな変化に対しても、3つ以上の波長の加法混色が利用でき、多くの視点から白色で視覚することが可能となる。(請求項
【0042】
また、微小領域における4種類以上の異なる空間周波数の逆数が、均等な間隔で分布して存在するような組み合わせからなるようにすることで、観察されるそれぞれの回折格子セルからの回折光の波長がほぼ均等に分布することになり、観察条件の若干の変化に対してのみならず比較的大きな変化に対しても、安定した白色を実現しやすい。(請求項
【0043】
上記の何れの回折格子パターンにおいても、微小領域の大きさが、300μm以下であることにより、微小領域の構造を目立たなくすることができ、一般的な観察距離では白色を表示する画素を構成する各回折格子セルを目立たなくすることができ、均一な白色の提示が可能となる。白色を含んだ画像を表示する場合には、高品質な画像を表現できる。請求項
【0044】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の回折格子パターンの一実施形態を示す説明図であり、パターン内に「停止」という文字(白色)を形成している。黒で表現される文字の周りには回折格子セルが配置してない。
【0045】
同図の「停止」という文字の内部を拡大すると、左上のように4種類の異なる空間周波数を持ち、それぞれの方向は等しい回折格子セルが微小領域に形成され、これを画素として文字の部分が表現されている。
【0046】
文字の回りの部分には、回折格子が形成されていないため、照明光を本発明の回折格子パターンに入射すると、文字の部分のみから1次回折光が出射し、これを観察することにより、明るく光った「停止」という文字が認識できる。
このとき、1次回折光として微小領域から3種類以上の可視波長が出射されていると、多くの場合、観察像は白色として認識される。
ここで、観察条件を変化させ、照明光の入射角度を若干変化させても、また、観察者の視点位置を若干変化させても、観察される像はほとんど変化しない。
このように、観察条件によらず、安定して白色を提示できることは、観察像(文字など)の識別を容易にする。
【0047】
尚、文字と周囲とを反転させて、文字の部分には上記の回折格子セルからなる画素を形成せず、文字の周り(黒で表現した部分)全体に前記画素を形成することにより、1次回折光を観察した際に、白地に黒で表現された文字を認識させるようにすることも可能である。
【0048】
図2は、白色を表示する上記の「微小領域」を、さらに拡大して示す説明図である。
同図では、回折格子はd1 〜d4 の空間周波数(ピッチ)持ち、白と黒で表現される格子の線幅と格子ピッチの比(表面レリーフ型回折格子の山−谷に相当)は、ほぼ1:1であるが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0049】
図7は、上記の「微小領域」による光学特性を示す色度図である。
図2の微小領域は、●でプロットしたA,B,C,Dの4波長で表現された色(白色)に相当する。
観察条件が若干変化することにより、視覚される色が○でプロットしたA' ,B' ,C' ,D' の4波長で表現された色にシフトし、A' は可視波長範囲外(もしくはその近辺)になってしまうような条件下でも、他の3つ(B' ,C' ,D' )の波長で表現された色は、依然として白色のまま認識されることになる。
【0050】
尚、4種類以上の異なる空間周波数を持つ回折格子セルのうち、少なくとも1種類の空間周波数の回折格子が、可視波長領域外の波長で再生されるような観察条件を持つ組み合わせからなるようにすることにより、1つの回折格子セルからの1次回折光の波長が可視波長範囲を外れると同時に、別の回折格子セルからの1次回折光が可視波長範囲内の波長となるようにすることも可能である。
この場合は、観察条件の若干の変化ではなく、比較的大きな変化に対しても、3つ以上の波長の加法混色が利用でき、多くの視点から白色で視覚する上で有効である。
【0051】
また、図5に示すように、パターン内には、4種類未満の異なる空間周波数を持つ回折格子からなる微小なセルが集まって構成される領域も併せ持つようにしても良い。
同図では、白色で表示する「停止」の文字の周囲を、単一の空間周波数の回折格子セルで埋めた様子を表している。
これにより、例えば、文字を白く、周りを赤く表現することも可能であるが、単一の空間周波数の回折格子セルが配置された領域は、観察条件の変化によって色が変わりやすくなってしまうことは明らかである。
【0052】
次いで、微小領域の大きさについて考察する。
微小領域が、観察者の眼の分解能以下の配置間隔で並べられていれば、観察者は個々の微小領域を認識できず、本発明の回折格子パターンにおいては、均一な白色を提示できる。
【0053】
一方、回折格子パターンで画像を表現する場合には、十分な解像度を持つ画像などの表示が可能となる。もちろん、観察者が若干視点移動した場合でも、白色で表示された像はほとんど変化しない。
このように、画像の一部は色が変化し、視認性を上げたい部分は安定した白色を提示することにより、色の変化で観察者の注意を引き、白色表示部で情報を伝えるなどの効果的な表示が可能となる。
【0054】
視力1.0の観察者が約1.0m離れて観察する場合、回折格子セルの配置間隔は300μm程度、
また、同じ観察者が約0.3m離れて観察する場合、回折格子セルの配置間隔は100μm程度、
で、観察者には微小領域の配置構造が認識できないことになり、十分均一な面を提示可能、もしくは十分な解像度を持つ像を表示可能となる。
従って、微小領域の大きさが300μm以下であることが、均一性や解像度の十分な表示の上で有効である。
【0055】
以上の説明では、4種類の異なる空間周波数を持つ回折格子からなる微小なセルにより微小領域を構成する場合について説明したが、これに限らず、より多くの種類の空間周波数の異なる回折格子セルを用いても良い。
多くの種類の空間周波数を用いると、より広い範囲から、より安定した白色として観察可能となる。
【0056】
また、以上の説明では、回折格子セルからの1次回折光に関して説明したが、回折格子からの2次以上の回折光の回折効率が十分であれば、当該回折次数の回折光でも同様の効果が得られる。
【0057】
本発明のパターンを構成する回折格子としては、表面レリーフ型を始めとする位相型回折格子,濃度表現による振幅型回折格子などの如何なる種類の回折格子を用いても良いが、回折効率(光の利用効率)の面などから、ブレーズド回折格子などを用いるのが好ましい。
単なる白色の表示であれば、光の拡散を利用することも多いが、本発明では、回折格子を用いて視域を限定できるため、より明るい白色を(特定方向に)表示することが可能である。特にこの効果は、ブレーズド回折格子のような高効率の回折格子を用いた場合に顕著である。
【0058】
以上の説明では表現する画像の濃淡としては2値の場合について説明したが、これに限らず、微小領域の面積や微小領域内の回折格子の回折効率の変更などにより、濃淡を持った画像を表現することも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、
観察条件(照明光の入射角,観察方向)の変化による波長分散に影響されず、比較的広い観察条件下で視認性などの面から好適な「白色の表示」が実現できる回折格子パターンが提供される。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回折格子パターンの一実施形態を示す説明図。
【図2】白色を表示する微小領域(図1のパターン内で、文字「停止」を構成)を拡大して示す説明図。
【図3】回折格子セルに特定角度で波長λの単色光が入射した場合の、回折光を観察する状態を示す説明図。
【図4】回折格子セルに特定角度で白色光が入射した場合の、回折光を観察する状態を示す説明図。
【図5】本発明の回折格子パターンの他の実施形態を示す説明図。
【図6】従来技術(3種類の回折格子セル)により、回折格子パターンで白色を表現する場合の光学特性を示す色度図。
【図7】本発明(4種類以上の回折格子セル)により、回折格子パターンで白色を表現する場合の光学特性を示す色度図。

Claims (5)

  1. 回折格子からなる微小なセルが基板表面に複数配置されて構成され、回折格子の空間周波数,回折格子の方向,回折格子の形成領域の少なくとも何れかが変化してなるパターンにおいて、
    パターン内に、それぞれの方向が等しい4種類以上の異なる空間周波数を持つ回折格子からなる微小なセルが集まって構成される微小領域を有し、
    前記微小領域における4種類以上の異なる空間周波数が、観察される全ての波長が可視波長領域内に均等に分布して存在するような観察条件を持つ組み合わせにより色変化の少ない白色を表現することを特徴とする回折格子パターン。
  2. 微小領域における4種類以上の異なる空間周波数が、観察される全ての波長が可視波長領域内に存在するような観察条件を持つ組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の回折格子パターン。
  3. 微小領域における4種類以上の異なる空間周波数のうち、少なくとも1種類の空間周波数の回折格子が、可視波長領域外の波長で再生されるような観察条件を持つ組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の回折格子パターン。
  4. 微小領域における4種類以上の異なる空間周波数の逆数が、均等な間隔で分布して存在するような組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の回折格子パターン。
  5. 微小領域の大きさが、300μm以下であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の回折格子パターン。
JP16530699A 1999-06-11 1999-06-11 回折格子パターン Expired - Fee Related JP4013405B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16530699A JP4013405B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 回折格子パターン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16530699A JP4013405B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 回折格子パターン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000352609A JP2000352609A (ja) 2000-12-19
JP4013405B2 true JP4013405B2 (ja) 2007-11-28

Family

ID=15809839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16530699A Expired - Fee Related JP4013405B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 回折格子パターン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4013405B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017203974A (ja) * 2016-05-06 2017-11-16 凸版印刷株式会社 表示体

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4752808B2 (ja) * 2007-05-18 2011-08-17 凸版印刷株式会社 光散乱パターンおよび回折格子パターンから成るディスプレイ
JP5163039B2 (ja) * 2007-09-28 2013-03-13 凸版印刷株式会社 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止枚葉体、並びにその真偽判定方法
JP2011133677A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Toppan Printing Co Ltd ブランク媒体、画像表示体及び情報媒体
JP2012042704A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体
JP5919621B2 (ja) * 2010-11-30 2016-05-18 凸版印刷株式会社 画像表示体及び情報媒体
JP2012185368A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Toppan Printing Co Ltd 表示体および印刷物
JP5834466B2 (ja) * 2011-04-25 2015-12-24 凸版印刷株式会社 表示体及び情報印刷物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017203974A (ja) * 2016-05-06 2017-11-16 凸版印刷株式会社 表示体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000352609A (ja) 2000-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5157121B2 (ja) 表示体および印刷物
EP0611470B1 (en) Optical image encryption and decryption processes
CA2636488C (en) Display and labeled article
US5909313A (en) Multiple image diffractive device
JP2007510178A (ja) ハーフトーンイメージを備える回折セキュリティエレメント
JP2009501348A (ja) グレーティング・メージとその製造方法
EP3748616B1 (en) Display medium, display support medium, processing device, and processing program
JP2021060605A5 (ja)
JP4013405B2 (ja) 回折格子パターン
JP3341342B2 (ja) 回折格子アレイおよびそれを用いた立体像表示装置
CN106959551A (zh) 一种显示装置及其驱动方法
JPH0682612A (ja) 回折格子アレイおよびそれを用いた立体像表示装置
JPH05273500A (ja) 回折格子パターンを有するディスプレイ
JP4724952B2 (ja) プリズムアレイパターン
EP3447546B1 (en) Difrraction grating display body and labeled article
JP4940507B2 (ja) 立体像表示体およびその観察方法
JP3033404B2 (ja) 回折格子パターンを有するディスプレイ
JP5205946B2 (ja) 回折格子パターンおよび回折格子記録媒体
JP2002341809A (ja) 光散乱パターンおよび回折格子パターンから成るディスプレイ
JP6743985B2 (ja) カラー画像表示装置、およびそれを用いたカラー画像複製物作成方法、その方法により作成されたカラー画像複製物
JPH0784110A (ja) 回折格子パターンを有するディスプレイ
CN100363783C (zh) 一种形成彩色点阵衍射图像的方法及由该方法制成的产品
JP4239605B2 (ja) 回折格子を用いた表示体
JP4752808B2 (ja) 光散乱パターンおよび回折格子パターンから成るディスプレイ
JPH07230005A (ja) 回折格子デバイスからなるディスプレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20030313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees