JPH08209383A - 不織布ウェブの連続電気めっき方法 - Google Patents

不織布ウェブの連続電気めっき方法

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JPH08209383A
JPH08209383A JP1823195A JP1823195A JPH08209383A JP H08209383 A JPH08209383 A JP H08209383A JP 1823195 A JP1823195 A JP 1823195A JP 1823195 A JP1823195 A JP 1823195A JP H08209383 A JPH08209383 A JP H08209383A
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Seiji Shinohara
誠治 篠原
Jun Yamada
旬 山田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不織布のようにかさ高く密度が低く柔らかい
強度の低い基材の電気めっきをする際、つぶれたり伸び
たりすることなく不織布本来の空隙や厚みを損なう事な
く連続的に電気めっきする方法を提供すること。さらに
比較的導電性が低くても、連続的に均一に電気めっきす
る方法を提供する。 【構成】 導電性を付与した不織布ウェブの連続電気め
っき方法において、めっき浴の液中より露出させた該不
織布ウェブの上端部に環状金属給電帯を密着させて搬送
し、環状金属給電帯より給電しながらめっきを施すこと
を特徴とする不織布ウェブの連続電気めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性を付与した不織布
のように変形しやすく、比較的導電性が低い基材の連続
電気めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板帯のように導電性も良く、
強度もあって変形しにくい基材の場合には、槽外に設け
た給電ロールにテンションをかけ十分接触させて給電
し、連続的に搬送して連続電気めっきが行なわれる。金
属板のように密度が高く、伸びの少ない等の変形の少な
い被めっき体の場合には、均一なめっきが得られるが、
不織布のように比較的低密度なもの、容易に変形の起こ
る被めっき体をめっきする場合は、ロールに密着させる
ためのテンションによりロール部との接触でつぶれた
り、伸びたりし、不織布特有の形状が破壊されてしまう
等の問題があった。
【0003】無機及び有機の繊維で形成される不織布の
ような非導電性物質に電気めっきする場合、一般に無電
解めっきまたは真空蒸着、スパッタリング及び導電性カ
ーボン等の導電性物質を被覆して導電性を付与する。こ
れら導電性を付与された不織布の電導度は一般に金属板
に較べて小さく、また不織布表面の凹凸のため給電部に
おける接触面積も小さく、電気めっきの際に大きな電流
を流すことができない。
【0004】従って、連続的に電気めっきを行なう場合
においては、従来、導電性を付与する際に処理量を増し
て電導度を高くする方法、何段階にも分けて段階的に電
流を増してめっきしていく方法、ドラムタイプの給電部
に面接触させて抵抗を低くする方法などを用いて、でき
るだけ通電電流を多くし、短時間めっきが行なわれてき
た。
【0005】導電性を付与する際に処理量を増して電導
度を高くする方法は、一般的に行なわれる無電解めっ
き、蒸着等で導電性を付与する場合でも、導電性付与に
は限界があり、また目的金属をたくさんつけようとする
と、長時間の処理を余儀なくされ、コストも高くなる。
何段階にも分けて段階的電流を増してめっきしていく方
法では、導電化処理の程度が低い場合は、初期段階で微
弱電流を長時間流す必要があり、その後に電流密度を上
げて行なわれる。この方法では、電気めっきの処理槽も
長く、処理時間も長くなるため装置も大型で且つ高価に
なり、めっきのコストも高くなる。
【0006】これらのめっき時間を短時間にし、処理槽
も小型化したものに、特公昭57−39317号、特開
昭61−207592号、同63−81767号公報、
米国特許第4326931号明細書等に示されるドラム
タイプの給電部に直接接触させる方法があり、この方法
は、導電性を付与した被めっき体を先ず回転する円筒形
の金属陰極体(以下回転陰極体という)に密着接触さ
せ、密着部分を電解液の中に浸して断面方向に電流を流
して一次電気めっきを行ない被めっき体に十分な導電性
を与え、次に槽外給電ロールとめっき槽の組合せを数段
直列に配列した装置の中を一次電気めっきをした被めっ
き体を通し、槽外給電ロールから給電してめっき槽等の
中の金属陽極等とめっき液等により、通常の浸漬方法で
順次電気めっきを施して厚いめっき層として金属多孔体
を連続して製造する方法がある。
【0007】いずれの場合も給電部に密着接触させて通
電を良くするため、不織布ウェブにテンションをかける
必要がある。そのため、かさ高くまたは柔らかい不織布
をめっきする際には伸び及びつぶれが発生し、また、円
筒形のドラムに密着させる場合は、曲率をもちカールし
たり、めっき皮膜に亀裂が入る等の欠陥があり、出来上
がるめっき体は不織布特有の形状が破壊されて好ましく
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は不織布のよう
にかさ高く密度が低く柔らかい、強度の低い基材に連続
的に電気めっきする際に、つぶれたり伸びたりしないよ
うな、変形を抑えた不織布ウェブの連続電気めっき方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
につき鋭意検討した。その結果、導電性を付与した不織
布ウェブの上端部を環状金属給電体に密着させて給電
し、搬送しながら電気めっきすることにより、不織布本
来の空隙や厚みを損なうことなく、連続的に電気めっき
ができることを見いだした。
【0010】即ち、本発明は、導電性を付与した不織布
ウェブの連続電気めっき方法において、めっき浴の液中
より露出させた該不織布ウェブの上端部に環状金属給電
帯を密着させて搬送し、環状金属給電帯より給電しなが
ら電気めっきを施すことを特徴とする不織布ウェブの連
続電気めっき方法である。
【0011】以下、本発明の詳細な説明を行なう。ま
ず、不織布ウェブに導電性を付与した後、本発明の環状
金属給電帯を給電部とする連続電気めっき装置により電
気めっきする。本発明の電気めっきにおける給電部の上
面概念図を図1に示し、給電の概略を説明する。まず、
不織布ウェブ1はめっき浴の液中よりその上端を露出さ
せて配置される。次に、該不織布ウェブ1の上端部分を
挟むように配置された一対の入り側ニップロール4及び
5と出側ニップロール6及び7にそれぞれかけ渡された
環状金属給電帯2及び3を設け、この間に不織布ウェブ
の上端部を挟んで密着させて給電し、該二対のニップロ
ールを駆動させ、該不織布ウェブを搬送して連続的に電
気めっきを行なう。本発明ではこれらのニップロールは
給電部にのみ接触させるので、被めっき不織布ウェブの
めっき部分にはテンションがかからず、またニップロー
ルの圧力によりめっき部分の不織布ウェブの厚みがつぶ
される事なく、ほぼ不織布ウェブ本来の形状に忠実なめ
っき不織布が得られる。導電性を付与された不織布ウェ
ブの導電性がよい場合は、環状金属給電帯は2或は3の
いずれか片方でも良く、まためっき槽が長い場合は、該
給電部を複数設けてもよい。
【0012】次に本発明に好適な連続電気めっき装置の
一例を図2(上面図)、図3(A−Aでカットした側断
面図)に示してさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。本発明では不織布ウェブ1
は、縦にスリットを開け両側に対電極12及び13を配
設しためっき槽14にめっき浴15の液面16より上端
部を露出させて通過させ、上端部を環状金属給電帯2及
び3で挟んで密着させて搬送し、環状金属給電帯2及び
3と対電極12及び13の間にそれぞれ通電して連続的
に電気めっきする。この時、環状金属給電帯2及び3と
不織布ウェブ1の密着が不完全な場合には接触抵抗が上
がり、給電部で発熱し、不織布ウェブが焼損したり、均
一なめっきが進行しないおそれがある。密着を強化する
方法としては入り側ニップロール4及び5と出側ニップ
ロール6及び7の間に補助的にニップロール17及び1
8を適宜配設して密着を強化させる方法、または、給電
帯として表面平滑な金属板帯の代わりに金属メッシュ
帯、金属ワイヤを編み上げた金属ワイヤ帯、歯車状の金
属帯、エンボス加工を施した金属帯のような噛み合わせ
環状金属給電帯を使用する方法等があげられる。特に噛
み合わせ環状金属給電帯を用いた場合、電極と不織布の
接触面積も増大し、より抵抗を低くすることができる。
環状金属給電帯の幅にはとくに制限はないが、広すぎる
と製品の歩溜りが悪くなるので、1〜3cmが適当であ
る。また給電部の金属は電着金属イオンと同一でも、異
種金属でも良く、同一金属の場合、電着された環状金属
若しくは掻き取った金属屑を同一金属屑として売却若し
くは、他の利用がしやすい点があるが電極抵抗を考えて
異種金属を用いた方がよい場合もある。
【0013】不織布ウェブの搬送は主として環状金属給
電帯2及び3を駆動することにより行なわれる。環状金
属給電帯2及び3の駆動はニップロールを駆動すること
により可能であるが、ニップロールの他に駆動ロール
8、9、10及び11を設けることも可能である。この
時駆動ロールと環状金属給電帯2及び3は同じ速度で回
転させることは言うまでもない。また、この時の搬送速
度は特に制限はないがめっき槽の長さ、めっき量等を考
慮して適宜変えることができ、従って、搬送速度として
は0.01〜5m/minの範囲で行なうことができ
る。
【0014】環状金属給電帯への電源からの給電には、
これらニップロールに導電性ロールを用いることにより
搬送しながら給電することができる。或は、駆動ロール
に導電性ロールを用いる事によっても可能である。環状
金属給電帯2及び3はめっき浴15に浸漬していてもよ
いが、望ましくは液面16に接するか、または数mm離
れる様に配置する。液面16との距離が1cm以上離れ
ると抵抗が上がりやけ等の原因となるため望ましくな
い。この時の電流密度としては、不織布の電導度に応じ
て1〜5A/dm2の範囲で行なわれる。 また、環状金
属給電帯が液に浸漬された場合には、環状金属給電帯に
めっき金属が析出するので、析出しためっき金属は槽外
で常に掻き取るように掻き取り治具を設けるか、適宜交
換するようにするとよい。また、めっき槽内で不織布ウ
ェブの下部が搖れる場合には、適宜搖れ止めの治具を配
置することが望ましい。
【0015】短時間で電気めっきするためにめっき槽を
多槽に分けて設置し、段階的に電流を増してめっきする
場合には、本発明の電気めっき方法はその第1段階であ
る第一槽に採用するのが好ましい。一般に導電性を付与
された不織布ウェブの抵抗は金属板と比べると102
105倍もの比抵抗を有することとなり、こうした物へ
めっきする場合、めっき槽浴外に設けた給電ロールから
給電する方法においてはウェブ長さ方向の不織布が抵抗
体となり、その電圧降下が大きく電流密度を大きく取る
ことが出来ない。従って、通常は第1槽或は第2槽のめ
っき初期においては、電流密度を極小さくして一次電気
めっきを行ない、導電性を高めた後、更に電流密度を上
げて所定のめっき量となるまで電気めっきを行なう。本
発明の電気めっき方法を第1槽に配置した場合、不織布
ウェブのような導電性が低い基材でも、数倍の電流密度
でめっきすることができ、めっき時間を従来より短縮す
ることができる。
【0016】この場合、一次電気めっきは、第1槽のめ
っき浴中で0.5μm以上の厚みに電着することが望ま
しい。0.1μm以上あれば、通常ロール給電は可能で
あるが、本発明のようなかさ高くつぶれ易い不織布の場
合0.5μm未満のめっき量では、第2槽以降に槽外ロ
ール給電のめっき槽を配した場合にはつぶれたり変形し
たりする恐れがありあまり好ましくない。
【0017】このようにして、不織布に第一槽で一次電
気めっきした場合には、第2次導電化処理が施されたこ
ととなり、比抵抗は大幅に減少し、そのため比較的高い
電流密度が使用可能となり、次に第2槽以降のめっき槽
では10A/dm2以上の電流密度でめっきすることが
可能となる。また、一次電気めっきで更に導電性を付与
した場合、第2めっき槽以降のめっき槽では、主として
めっき槽浴外から給電する方法、例えばロール給電方式
が用いられる。また、第2めっき槽以降は目的とするめ
っき量に応じて1槽若しくは複数槽で行なわれる。
【0018】本発明で用いられる電気めっき液として
は、ニッケル、銅等の種々めっき浴が使用可能である。
ニッケルめっき液としてはワット浴、塩化浴、スルファ
ミン酸浴等、銅めっき液としては、ピロリン酸浴、硫酸
浴として知られためっき液が使用される。
【0019】また、不織布をめっき液に浸潤する際、孔
内に気泡を保有したままめっきされる恐れがあり、その
場合、気泡の保有されている部分はめっきされないた
め、入り口付近で純水若しくはめっき液を吹き付け、あ
らかじめ液とのなじみを良くし気泡を追い出す様にして
おいた方がよい。また、界面活性剤をめっき浴に添加す
ることも有効である。ここでは連続製造方法についての
み記したが本発明はバッチ式連続電気めっき方法におい
ても効果的で、めっき速度は約10倍になる。
【0020】次に不織布ウェブの基材の製造法と導電性
の付与について説明する。不織布に用いられる繊維とし
ては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビ
ニル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリ
ビニルアルコール系繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊
維、再生セルロース繊維等の有機繊維、或いはガラス繊
維等の無機繊維等の繊維がある。
【0021】繊維の断面形状も特に制限はなく、円形の
みならず楕円形、偏平、三角形、星型、T型、Y型、U
型、ドッグボーン型等いわゆる異型断面形状をとるもの
でも良い。さらに、枝別れした構造をもつものを使用し
てもよい。当然、以上の繊維以外の繊維を不織布内に少
量含有させることは可能であるが、本発明の不織布の性
能を阻害する範囲であってはならない。
【0022】不織布ウェブの製造方法としては、カード
法、エアレイ法、メルトブロー法、スパンボンド法の乾
式法及び湿式抄造法等が挙げられる。繊維が接着されな
いカード法、エアレイ法、湿式抄造法等の場合には不織
布ウェブの引張強度を上げるため、抄造後のウェブを熱
処理して繊維の交点を熱融着しても良いし、また、結着
剤で処理して繊維の交点を接着しても良い。また、かさ
高く密度の低い不織布ウェブを製造する場合にはウェブ
抄造後ニードルパンチ或は水流交絡により交絡処理し、
さらに繊維同士を絡み合わせることが望ましく、交絡処
理後、さらに熱処理等により繊維同士を接着し、強度を
上げた方が後続の電気めっき等の処理がやり易く好まし
い。このような不織布ウェブにめっき等で導電性を付与
しためっき不織布は密度の高いものは電磁波シールド
用、密度の低いかさ高いものは電極基材用等に用いられ
る。
【0023】不織布に導電性を付与する方法としては、
無電解めっき、蒸着、スパッタリング等の方法により金
属皮膜を形成させ導電化する方法、導電性カーボン等に
より導電性を付与する方法がある。上記の導電性を付与
する方法の何れも使用可能である。
【0024】次に本発明に使用される不織布の導電性を
付与する方法の一つである無電解めっきの方法について
説明する。本発明における無電解めっきの工程は、基本
的には触媒付与の工程と無電解めっき工程の2工程であ
るが、通常は支持体表面の水酸化ナトリウム等による表
面の洗浄・脱脂の為のコンディショニング工程、めっき
層に対するアンカー効果を得るため粗面化する硫酸、ク
ロム酸等によるソフトエッチング工程、触媒液の劣化防
止の為のプレディップ工程、触媒の活性化の為の硫酸、
水酸化ナトリウム等の酸、アルカリによる活性化工程等
がその前後に付加される。また、これらの液は通常市販
のめっき処理液が用いられる。各工程間にはそれぞれ必
要に応じて、水洗、水切り、乾燥等の工程が付加され
て、処理液の安定化及びめっき皮膜の密着性と均一性向
上が図られる。
【0025】上記の触媒付与工程では、触媒としては一
般にパラジウムが使用され、これら触媒金属の付着量は
触媒金属の重量にして0.1g/m2 以下で充分であ
る。
【0026】次に本発明に使用する無電解めっき液につ
いて説明する。一般に無電解めっき液は主成分として金
属イオン源と還元剤を使用し、補助的成分として錯化
剤、pH調整剤、緩衝剤、促進剤、安定剤、改良剤等を
使用して調整される。
【0027】本発明に用いられる無電解めっきとして
は、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき等が行なわ
れる。無電解銅めっきとしては、フェーリング浴、硫酸
銅浴、硝酸銅浴等の公知のめっき浴が使用できる。無電
解ニッケル浴としては、還元剤として次亜燐酸ナトリウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、
ロッシェル塩、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミン
ボラン等を使用する一般的なめっき浴が使用可能であ
る。また、銅、ニッケル以外の無電解めっきを行なうこ
とも可能である。本発明の電気めっき方法により電気め
っきする場合、無電解めっきによる導電層の厚みは0.
05〜0.5μmで充分である。
【0028】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に
限定されるものではない。
【0029】実施例1 維度2d(繊維径約18μm)、繊維長51mmのポリ
オレフィン系複合繊維(チッソ(株)製EA、芯部ポリ
プロピレン、鞘部ポリエチレンビニルアセテート)を用
い、池上機械(株)の不織布専用メタリックカード装置
を用い、不織布を抄造した後、ニードルパンチにより交
絡し、 幅35cm、坪量50g/m2の不織布のウェブ
を作製した。
【0030】上記により得られた不織布を連続無電解め
っき装置を用いて次のように無電解めっきにより導電性
を付与した。アルカリ性クリーナーコンディショナー
(室町化学工業(株)製:MK−160)の40倍希釈
水溶液に50℃にて1分間浸漬した後、水洗し、次に硫
酸−過酸化水素水系のソフトエッチング剤(室町化学工
業(株)製:MK−660)の3倍希釈水溶液に50℃
にて5分間浸漬し、水洗し、2N塩酸水溶液のプレディ
ップ液に浸漬し、次にコロイド状パラジウムの触媒液
(室町化学工業(株)製:MK−220)の32倍希釈
液に25℃にて5分間浸漬し、水洗し、さらに触媒を活
性化させる硫酸系の促進剤(室町化学工業(株)製:M
K−360)の10倍希釈液に30℃にて5分間浸漬
し、水洗し、触媒化を行なった。次に、この不織布を硫
酸ニッケル20g/l、クエン酸ナトリウム15g/
l、次亜燐酸ナトリウム20g/l、塩化アンモニウム
30g/lを含む無電解ニッケルめっき液をpH8.
0、40℃で約8分間浸漬して無電解ニッケルめっきを
施した。
【0031】このようにして得られた導電性を付与され
た不織布ウェブの電導度を測定したところ1S/cmで
あった。また、厚みと密度を測定したところ、それぞれ
1.5mm及び0.033g/cm3であり、 柔らか
く、つぶれ易い不織布ウェブであった。
【0032】上記のように導電性を付与された不織布ウ
ェブを図2及び図3に示しためっき槽長さ1mの縦型め
っき槽を一槽のみ有する連続電気めっき装置を用いて電
気めっきを行なった。まず、不織布1を入り側及び出側
ニップロール4、5及び6、7でニップし、めっき槽1
4中で環状金属給電帯(幅20mm厚み0.5mmのし
んちゅう製ベルト)2及び3により挟むことにより密着
させ、給電ロール8、9、及び10、11を駆動して、
該環状金属給電帯を駆動し5cm/minの速度で搬送
した。該給電ロールを陰極とし、ニッケル金属の対極板
12及び13を陽極として、最初10分間3A/dm2
の電流を流し、その後10A/dm2の電流を流して連
続的にワット浴(硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッ
ケル45g/l、ほう酸30g/l)中で電気ニッケル
めっきを行なった。この時めっき量は約370g/m2
であった。
【0033】電気めっきされためっき不織布は伸び及び
つぶれもなく、電気めっき前の不織布本来の厚みと空隙
を有するものであった。また、めっき層には表裏差及び
亀裂は見られず均一であった。
【0034】実施例2 実施例1で使用した導電性を付与した不織布ウェブを、
処理槽長さ2mとした実施例1で使用した本発明の連続
電気めっき装置を第一槽とし、次に環状金属給電帯のな
い従来の槽外給電ロールをそれぞれ配した第一めっき槽
と同じ長さの第二めっき槽及び第三めっき槽を有する縦
型多槽式連続電気めっき装置を用いて電気めっきを行な
った。まず、第一めっき槽において実施例1と同様にし
て不織布ウェブ1を環状金属給電帯2及び3にはさみ、
さらに第二めっき槽及び第三めっき槽の槽外給電ロール
に接触させて多槽式連続電気めっき装置に不織布ウェブ
1をセットし、25cm/minの速度で搬送した。そ
れぞれ各槽の給電ロールを陰極とし、ニッケル金属の対
極板を陽極として、 最初10分間3A/dm2の電流を
流し、 その後第一めっき槽に10A/dm2の電流を流
し、第二めっき槽及び第三めっき槽に15A/dm2
電流を流して連続的に電気ニッケルめっきを行った。さ
らに、第2及び第3めっき槽中で槽外の給電ロールによ
り不織布1を挟み密着させて負極とし、 ニッケル金属
対極板を陽極として15A/dm2の電流を流し電気め
っきを行なった。この時のめっき量は約300g/m2
となった。
【0035】得られためっき不織布は実施例1と同様伸
び及びつぶれもなく、しかも実施例1より高速で連続的
に電気めっきできることが確認できた。
【0036】比較例1 実施例1で使用した導電性を付与した不織布ウェブを従
来の槽外ロール給電タイプの水平式横型連続電気めっき
装置を用いて電気めっきを行なった。めっき槽浴上方に
配された槽外の給電ロールに不織布ウェブ1を接触さ
せ、駆動ロールに挟んで実施例1と同じ速度で搬送し
た。次に槽外給電ロールを陰極とし、ニッケル金属対極
板を陽極として実施例1と同様に最初10分間3A/d
2 の電流を流したところ給電部で発熱し、不織布ウェ
ブが伸びて変形した。発熱を抑えるため電流密度を0.
5A/dm2に下げ、めっきしようとしたが、 殆どめっ
きは進行しなかった。
【0037】比較例2 実施例2において第一めっき槽を槽内給電方式のドラム
タイプ連続電気めっき装置とし、第二槽及び第三槽に比
較例1の槽外ロール給電タイプの連続電気めっき装置を
配した水平式横型の多槽式連続電気めっき装置を用い、
実施例1の導電性を付与した不織布ウェブの電気めっき
を行なった。まず、第一槽においてめっき浴に浸漬され
たドラムタイプ給電ロールに密着させ、次に第二槽及び
第三槽の槽外給電ロールに接触させ、駆動ロールに挟ん
で実施例2と同じ速度で搬送した。それぞれ各槽の給電
ロールを陰極とし、ニッケル金属の対極板を陽極とし
て、最初10分間3A/dm2の電流を流し、その後第
一めっき槽に10A/dm2の電流を流し、 第二めっき
槽及び第三めっき槽に15A/dm2の電流を流して連
続的に電気ニッケルめっきを行なった。
【0038】その結果、不織布にめっきを施すことはで
きたが、不織布はドラムに密着させたため伸びさらには
つぶれが発生し、電気めっき後の厚みは0.9mmとな
り不織布本来の厚みと空隙を維持することができなかっ
た。また、ドラムタイプの給電ロールを使用したため、
めっき皮膜には表裏差があり、亀裂も発生していた。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、非導電体である有機繊
維を主成分とする不織布の繊維表面に導電性を付与した
不織布ウェブの連続電気めっきは、環状金属給電帯によ
り挟んで密着させ、その環状金属より給電し、且つ直線
的に搬送することにより、均一で且つ亀裂等のないめっ
き皮膜を短時間で得ることが可能となる。さらにめっき
時の電圧降下も少なく、連続的に均一にめっきを施すこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる連続電気めっき装置の給電
部の一例を示す上面概念図
【図2】本発明の実施例に用いた連続電気めっき装置の
上面概略図
【図3】本発明の図2の断面A−Aの側断面概略図
【符号の説明】
1 不織布 2、3 環状金属給電帯 4、5、6、7 ニップロール 8、9、10、11 給電ロール 12、13 対電極 14 第1めっき槽 15 めっき浴 16 液面 17、18 補助ニップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を付与した不織布ウェブの連続電
    気めっき方法において、めっき浴の液中より露出させた
    該不織布ウェブの上端部に環状金属給電帯を密着させて
    搬送し、環状金属給電帯より給電しながら電気めっきを
    施すことを特徴とする不織布ウェブの連続電気めっき方
    法。
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