JPH0752647B2 - 電池用電極とその製造方法 - Google Patents

電池用電極とその製造方法

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JPH0752647B2
JPH0752647B2 JP61227443A JP22744386A JPH0752647B2 JP H0752647 B2 JPH0752647 B2 JP H0752647B2 JP 61227443 A JP61227443 A JP 61227443A JP 22744386 A JP22744386 A JP 22744386A JP H0752647 B2 JPH0752647 B2 JP H0752647B2
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英男 海谷
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徹也 西
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電池用電極とその製造方法に関する。より詳細
には、本発明は、空孔に活物質を充填した金属多孔体を
捲回して形成された電池用電極であって、円筒形密閉式
アルカリ電池等において有利に使用することができる新
規な電池用電極の構成とその製造方法に関する。
従来の技術 近年、各種電子機器等の携帯用の電源として円筒型密閉
電池が注目されている。また、最近では省エネルギーの
観点から、高密度で低コストな二次電池への要望が高く
なっている。この種の円筒型二次電池の中で主流をなし
ているもののひとつにアルカリ電池がある。
この種の電池において、特にスポンジ状の金属多孔体に
より形成された電池用電極が注目されるようになってき
た。金属多孔体は、その空孔の孔径を100μmから数mm
と自由に選択でき、且つ、その空孔内に活物質ペースト
を直接充填できる。従って、このような金属多孔体によ
り形成された電極を使用すると、電池寿命や特性の点で
従来の焼結式に勝る電池を製造することが可能になる。
発明が解決しようとする問題点 ただし、金属多孔体により形成された電池用電極は、他
の方式の電池のように電極中に丈夫な孔あき板やスクリ
ーンを備えていない。このため、骨格金属に発生した亀
裂や破損がそのまま電極の切断に至る危険性がある。従
って、電池用電極として成形された金属多孔体は充分な
強度を備えていることが望ましい。
このような課題に対して、特開昭55−88272号公報に
は、金属多孔体を製造する際の骨格として、発泡樹脂表
面に多孔性繊維樹脂を貼り付けたものを使用する方法が
開示されている。しかしながら、この方法では、樹脂を
貼り合わせるための新規な工程が必要になるので、その
ための設備を用意する必要がある。また、骨格として2
種類の樹脂を使用するので、メッキ工程の制御が複雑に
なったり、材料コストが増大する等の問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、金
属多孔体により形成され、且つ、円筒形に捲回しても破
損、亀裂の発生し難い新規な電池用電極とその製造方法
を提供することを目的としている。
問題点を解決するための手段 本発明に従うと、表裏両面で金属量が相違する三次元網
目状構造を有し、その空孔内に活物質を充填することが
できる金属多孔体で形成された電池用電極において、該
金属多孔体が金属量の多い片面を外側にして捲回されて
いることを特徴とする電池用電極が提供される。
また、本発明の一態様に従うと、上記本発明に係る電池
用電極において、上記金属多孔体がほぼ紡錘形の空孔を
含み、該金属多孔体が該空孔の長径方向と直角な方向に
捲回されていることを特徴とする電池用電極が提供され
る。
更に、上記本発明に係る電池用電極を製造する方法とし
て、本発明により、三次元網目状構造を有する非電導体
の発泡樹脂または不織布の帯状体を骨格とし、該骨格の
表面に導電性を付与する第1工程と、メッキ浴内で該帯
状体のひとつの表面に給電電極を密着させて該帯状体を
陰極としながら走行させ、該帯状体表面に金属メッキを
行うことで該帯状体の表面に二次導電層を形成する第2
工程と、該帯状体を陰極として所定の厚さの金属メッキ
を施す第3工程と、該金属メッキした帯状体を後処理す
る第4工程とを含む電池用電極の製造方法において、更
に、該帯状体を所定の形状に切断した後、該第2工程に
おいて該給電電極と密着した方の表面を内側として該帯
状体を捲回する第5工程とを含むことを特徴とする電池
用電極の製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい一態様においては、上記第5工
程において、上記帯状金属多孔体の表裏両面における金
属量比は100:95〜100:30の範囲である。
作用 本発明に係る電池用電極は、金属多孔体により形成され
ている。本発明者等は、この金属多孔体の物理的な性質
について詳細に検討した結果、本発明を完成した。
金属多孔体は、骨格としての発泡樹脂または不織布に金
属メッキ処理を施すことにより製造される。ただし、こ
の種の非導電性多孔体へのメッキ処理は、プレート状あ
るいはワイヤ状の物体へのメッキ処理と異なり、内部に
均一にメッキ層を電着させることが難しい。これは、骨
格の表層部と内部層との間でメッキ処理時の電流密度に
分布が生じるためである。即ち、骨格表面の導電処理層
の比抵抗が大きいと骨格内層部での電圧降下が大きくな
る。このため、骨格表層部では電着金属イオンが多く消
費され、一方、骨格内層部では金属イオンが欠乏する。
従って、最終的に得られる金属多孔体では、一般に、表
層部において金属量が多く、内層部では金属量が少なく
なる。
また、特公昭57−39317号公報に、金属多孔体を工業的
に製造する方法として今や一般的になった技術が開示さ
れている。ここに開示された技術によれば、無電解メッ
キまたはカーボン粒子の塗布により非導電性の多孔性樹
脂を導電化処理し、更に、メッキ浴内で多孔性樹脂の一
方の表面を給電体に密着させつつ電気メッキを行うこと
によって多孔体の骨格表面に二次の導電層を形成させ、
これらの処理によって最終的な金属メッキ工程を容易化
している。ただし、この方法では、片面からのメッキに
より導電層を形成する工程が含まれるので、最終的に多
孔体の表層部に形成される多孔体の金属量は表裏で互い
に異なる。
更に、金属多孔体の製造においては、導電化処理した非
導電性骨格に金属をメッキ処理した後、全体を焙焼して
骨格である樹脂を除去する。この焙焼処理は高温中で行
われるが、この処理時に金属多孔体に対してテンション
がかかるので、金属多孔体は特定の方向に引き延ばさ
れ、金属多孔体内の空孔の形状が球状から紡錘形に変化
する。通常、この紡錘形空間の長径方向と短径方向との
長さの差は5〜30%程度である。
このように、通常の方法で製造された金属多孔体は、部
位によって金属量が異なり、また、空孔形状も特殊であ
る。従って、金属多孔体を捲回して電池用電極を作製す
る場合、このような金属多孔体の特性を配慮することに
より、電池用電極としての性能を向上させることができ
る。
即ち、本発明に係る電池用電極においては、金属多孔体
の金属メッキ量の多い方の表面を外側にして円筒状に捲
回する。従って、より高強度な表面を変形量の多い外側
として変形させるので、金属多孔体の破損、亀裂が防止
される。
また、本発明に係る電池用電極においては、紡錘形の空
孔の長径と直角方向に金属多孔体を捲回する。従って、
変形歪が空孔の逆変形によって吸収され、金属多孔体の
破損、亀裂が防止される。
尚、本発明の一態様によれば、金属多孔体を製造する際
に使用する導電性塗料としての懸濁液は、好ましくは、
カーボン粒子、粘結剤、分散剤および分散媒を含む。
ここで、導電性粒子の塗布を均一に行うには、懸濁液が
均一な懸濁状態を維持している必要がある。従って、懸
濁液は、20℃〜40℃に維持されていることが好ましい。
その理由は、懸濁液の温度が20℃未満になった場合、均
一な懸濁状態が崩れ、合成樹脂の網状構造をなす骨格の
表面に粘結剤のみが集中して層を形成するからである。
この場合、塗布されたカーボン粒子の層は剥離し易く、
強固に密着した金属メッキを形成できない。一方、懸濁
液の温度が40℃を越えた場合は、分散剤の蒸発量が大き
く、塗布処理時間の経過とともに懸濁液が濃縮されてカ
ーボンの塗布量が変動する。
また、導電化処理のためにカーボン粒子を塗布する場
合、カーボン粒子の粒度が250〜500メッシュのカーボン
粒子を主要部として含んでいることが好ましい。ここ
で、カーボン粒子の粒度を250〜500メッシュの範囲とし
た理由は以下のようなものである。即ち、網状構造を有
するスポンジ状合成樹脂の空孔の径が、例えば500μm
以下のように細かい孔の場合、250メッシュを超える大
きさのカーボン粒子は、樹脂の空孔を詰まらせてしま
い。最終的に得られる金属多孔体の三次元網状構造が失
われてしまう。一方、カーボン粒子が500メッシュ未満
の場合、電気メッキに必要な導電性を確保することが困
難になる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、以下の開示は本発明の一実施例に過ぎず、本発明の
技術的範囲を何ら限定するものではない。
実施例 第1図は、骨格となる帯状の多孔性合成樹脂を導電化す
る処理の最初の段階を実施することができる装置の構成
例を模式的に示す図である。
図示の如く、この装置は、帯状樹脂1を供給するサプラ
イボビン2と、導電性塗料の懸濁液4を収容した槽5
と、槽5の上方に配置された1対の絞りロール7、7′
と、走行する帯状樹脂1の側方に対向して設けられた複
数の熱風ノズル10と、処理後の帯状樹脂1を巻き取る巻
取りボビン9とを備えている。また、帯状樹脂1を案内
するためのデフレクタロール3,6,8が適宜配置されてい
る。
以上のように構成された装置において、三次元網状構造
を有する帯状の合成樹脂1は、当初、サプライボビン2
に巻き付けられている。サプライボビン2から巻き戻さ
れた帯状樹脂1は、デフレクタローラ3および6により
案内されて、槽5内の懸濁液内に浸漬される。
ここで、槽5内に収容された導電性塗料の懸濁液4は、
カーボン粒子に加えて粘結剤および分散剤を分散媒中に
含有しており、20℃から40℃の範囲の温度に保持されて
いる。また、この懸濁液4に含有されるカーボン粒子の
粒度は250〜500メッシュの範囲である。
槽5内で、上述のような懸濁液4に浸漬された帯状樹脂
1は、デフレクタロール6および8に案内されて上方に
向きを変え、懸濁液4の液面上方の絞りロール7、7′
の間を走行する。このとき、絞りロール7、7′の間隔
は、帯状樹脂1の厚さよりも小さくなっており、帯状樹
脂1は圧縮される。従って、帯状樹脂1に含浸された過
剰な懸濁液は、絞り出されて槽5内に戻る。
上記装置において使用することができる懸濁液として
は、下記の第1表に示すような成分を含む懸濁液を使用
することができる。
続いて、帯状樹脂1は、デフレクタロール8と巻取りボ
ビン9とによって再び走行方向を変える。ここで、複数
のノズルから構成された熱風ノズル群10が噴射する熱風
により懸濁液の分散媒等が除去され、充分に乾燥された
上で帯状樹脂1は巻取りボビン9に巻き取られる。尚、
熱風ノズル群10の噴出する熱風の温度は40℃から80℃の
範囲であることが好ましい。
以上のような装置を用いると、自動的かつ連続的に第1
次の導電化処理を実施することができ、目詰まりのない
網目構造を有し、且つ、均一な導電層を具備した骨格が
形成されるので、次工程の金属メッキを円滑に行うこと
ができる。
第2図は、上述のような処理により1次の導電化処理を
施した帯状樹脂に対して金属メッキ処理を連続的に行う
ための装置の構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、この装置は、第1および第2のメッ
キ浴13a、13bを収容したメッキ槽と、メッキ槽の底にそ
れぞれ配置された陽極14a、14bと、第1メッキ浴13a内
を走行する帯状樹脂12を案内しつつ陰極化するための金
属給電シートを備えたガイドローラ11とを具備してい
る。
第3図は、上述のような装置で使用できる金属給電シー
トを備えたガイドローラの構成例を示す図である。
同図に示すように、このガイドローラは、案内する帯状
樹脂12に対して直接に接触する金属性の金属給電シート
18を備えており、この金属給電シート18を介して電圧を
印加することにより、導電化処理された帯状樹脂12を所
望の電位に保つことができる。尚、第3図には2つの例
を示したが、自身に接触する帯状樹脂に対して電圧を印
加できるものであれば、他の構造のものの使用が可能な
ことは言うまでもない。
以上のように構成された装置に対して、前述のようにカ
ーボン粒子によって導電化された帯状樹脂12を供給する
と、金属給電シートを具備したガイドローラによって、
帯状樹脂12を陰極化することができる。このとき、メッ
キ浴13a、13b内に載置された陽極にも電圧を印加するこ
とにより、効率よくメッキを行うことができる。ここで
使用することができるメッキ浴としては、下記の第2表
に示すような成分を含むものを使用することができる。
なお、第1槽においては、帯状樹脂12がガイドローラ11
に密着しているので、メッキ層は、帯状樹脂12に対して
実質的に一方の面からのみ形成される。このため、この
方式でメッキ処理された帯状樹脂12では、その両面の電
着量が極端に相違する。従って、第1メッキ浴13aにお
けるメッキ層の厚さは0.1〜数μの範囲に止め、最終的
なメッキ処理は帯状樹脂の両面からメッキを行うことが
できる第2メッキ浴13bで行う。
第1メッキ浴13aにおいて薄いメッキ層を形成すること
により、帯状樹脂12は第二次の導電処理層を施されたこ
とになり、比抵抗は大幅に減少する。従って、第2メッ
キ浴13bでは比較的高い電流密度でメッキ処理すること
が可能になり、10A/dm2以上の電流密度で電着させるこ
とができる。
第4図は、上述のような各処理を経て得られたメッキ層
を具備する帯状樹脂の一部分を観察した顕微鏡写真であ
る。
同図において、写真の下方部分が給電ロールと密着した
方の表面であり、下方部分より金属メッキ量が少ない。
従って、金属多孔体の捲回強度は金属メッキ量の多い図
中で下方の表面を外側として捲回する。
次いで、このように金属メッキした多孔性樹脂を加熱し
て焙焼することによって、骨格をなす樹脂部分を溶解除
去し、さらに還元処理する。
上記焙焼処理および還元処理の典型的な条件としては、
下記の第3表に示すような条件を例示することができ
る。
ここで、この焙焼、還元処理の工程は、帯状の多孔体に
対して連続的に実施される。このため、処理のための高
温下で、帯状樹脂にはテンションが印加される。従っ
て、メッキ層により形成された金属多孔体内部の空孔の
形状は、当初の球状から、テンションの印加方向に長い
紡錘形に変形する。
第5図(a)は、メッキ層を備える帯状樹脂に対してテ
ンションをかけずに焙焼・還元処理した場合の金属多孔
体の顕微鏡写真である。また、第5図(b)は、メッキ
層を備える帯状樹脂に対してテンションをかけて焙焼・
還元処理した場合の金属多孔体の顕微鏡写真である。
第5図(a)に示すようにテンションをかけずに加熱処
理した金属多孔体の空孔はほぼ球形であるのに対して、
テンションをかけて加熱処理した金属多孔体の空孔は、
第5図(b)に示すように、ほぼ紡錘形である このような金属多孔体を用いた電極用基板の代表例とし
て、円筒型ニッケルカドミウム電池等で使用されるニッ
ケル正極板を例に挙げて、金属多孔体の構造と極板強度
との関係を以上に説明する。
電極用基板として金属多孔体を用いるニッケル正極板
は、水酸化ニッケル粉末を主成分とする活物質粉末を金
属多孔体の空孔に充填して構成されている。
極板としての金属多孔体に対しては捲回方向と平行な引
張り応力が作用するが、このとき、巻きの外側は内側よ
りも大きな伸びが発生するので、より大きな引張り応力
が作用し、極板の破損や亀裂の発生の原因となる。ここ
で、本発明に係る電池用電極では、金属多孔体の構造を
最適化することにより引張り応力を効果的に吸収してい
る。
即ち、単位面積当たりの金属量が一定である場合には多
孔体の表裏で金属量に変化をつけ、金属量が多く強度の
高い面を外側にして捲回する。
また、金属多孔体の空孔の形状を紡錘形とし、紡錘形空
孔の短径方向に引張り応力を作用させれば、空孔形状が
球形に変形することにより引張り応力が吸収され、極板
の破損や亀裂の発生が制御される。
このような作用を実証すると共に、金属多孔体の表裏の
金属量の適正値を求めるために、ニッケル正極板を作製
して強度試験を行った。
第5図(b)に示したような紡錘形の空孔を有する金属
多孔体を厚さ約1.5mmに定寸プレスし、これをニッケル
正極用基板とした。金属多孔体の表裏の金属量(メッキ
比率)は100:10から80:100までとした。
次に、平均粒径が約15μmの水酸化ニッケル粉末85重量
%、添加剤としてのニッケル粉末10重量%、コバルト粉
末5重量%を混合した活物質混合粉末100重量部に対し
て水20重量部を加えて混練し、活物質ペースト調製し
た。この活物質ペーストを上記正極用基板の空孔に充填
した後、100℃に過熱して水分を乾燥除去した。
続いて、ロールプレスで加圧整形を行い、ニッケル正極
として適切な充填密度になるようにした。尚、得られた
ニッケル正極の厚さは約0.7mmであり、充填密度は、水
酸化ニッケルの電気量換算で600mAh/cc程度であった。
電極強度の測定は以下のような方法で行った。
即ち、電極板を捲回時に近い形で測定するために、第6
図に示すように、治具aの曲面に沿って、電極板bの表
面を上(凹)にして載置し、電極板の両端部c、c′
を、図中の矢印方向D、D′に引張った。強度は、電極
の破壊強度により評価した。
金属多孔体の紡錘形の空孔形状に対して、その長径方向
に引張り応力を印加した場合は、短径方向に引張り応力
を印加して場合に比較すると、いかなる条件においても
極板の破損が多く、生じた亀裂も大きかった。
また、長径方向に引張り応力を印加した場合、その歴然
と低い強度にばらつきが大きかった。これに対して、短
径方向に引張り応力を印加した場合は、基板の表裏の金
属量の変化と極板としての強度との間に明瞭な相関関係
があった。第7図は、短径方向に引張り応力を印加した
場合の強度の測定結果を示すグラフである。
第7図に示す如く、電極強度は先の実施例中に記載の理
由により、電極の表裏差がなくなるメッキ比率100:100
(95)付近から表裏が逆転するメッキ比率80:100にかけ
て大幅に低下する。
また、表裏のメッキ比率が大幅に異なる個所では基体そ
のものの強度が低下するため電極強度は低下する。以上
のことから、金属多孔体の表裏の金属比は100:95〜100:
30の範囲が良好であると考えられる。
以上、ニッケル電極を例として説明したが、本発明はニ
ッケル電極に限らず、二酸化マンガン、カドミウム、亜
鉛、鉄、鉛等の電極にも適用できる。
発明の効果 以上説明の如く、本発明によれば、三次元網目状構造を
有する金属多孔体を用いて、破損あるいは亀裂が生じ難
い電池用電極を提供することが可能になる。従って、高
容量の電池を低コスト且つ高品質で製造し且つ提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る方法において導電化処理を実施
することができる装置の構成例を示し、 第2図は、本発明に係る方法におけるメッキ処理を実施
することができる装置の構成例を示し、 第3図は、第2図に示した装置において使用できるガイ
ドローラの構成例を示し、 第4図はメッキ処理直後のの断面の顕微鏡写真であり、 第5図(a)および(b)は、焙焼・還元処理における
テンションの影響を説明するための、金属多孔体の断面
の顕微鏡写真であり、 第6図は電池用電極としての金属多孔体の引張り破壊強
度の試験方法を示し、 第7図は6図に示した方法による試験結果を示すグラフ
である。 〔主な参照番号〕 1……帯状の合成樹脂、2……サプライボビン、3、
6、8……デフレクタロール、4……導電性塗料の懸濁
液、5……槽、7、7'……絞りロール、9……巻き取り
ボビン、10……熱風ノズル群、11……金属給電ロール、
12……帯状の多孔体、13a……第1メッキ浴、13b……第
2メッキ浴、18……金属給電シート a……治具、b……電極基板、c,c′……電極基板の端
部、D,D′……引張り方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 満夫 富山県新湊市奈呉の江10番2号 住友電気 工業株式会社富山電線工場内 (72)発明者 西 徹也 富山県新湊市奈呉の江10番2号 住友電気 工業株式会社富山電線工場内 (56)参考文献 特開 昭55−88272(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表裏両面で金属量が相違する三次元網目状
    構造を有し、その空孔内に活物質を充填することができ
    る板状の金属多孔体で形成された電池用電極において、
    該金属多孔体が金属量の多い片面を外側にして捲回され
    ていることを特徴とする電池用電極。
  2. 【請求項2】上記金属多孔体がほぼ紡錘形の空孔を含
    み、該金属多孔体が該空孔の長径方向と直角な方向に捲
    回されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の電池用電極。
  3. 【請求項3】上記金属多孔体の表裏両面における金属量
    の比が100:95〜100:30の範囲であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の電池用電極。
  4. 【請求項4】三次元網目状構造を有する非電導体の発泡
    樹脂または不織布の帯状体を骨格とし、該骨格の表面に
    導電性を付与する第1工程と、 メッキ浴内で該帯状体の一方の表面に給電電極を密着さ
    せて該帯状体を陰極としながら走行させ、該帯状体表面
    に金属メッキを行うことで該帯状体の表面に二次導電層
    を形成する第2工程と、 該帯状体を陰極として所定の厚さの金属メッキを施す第
    3工程と、 該金属メッキした帯状体を後処理して帯状金属多孔体と
    する第4工程と を含む電池用電極の製造方法において、更に、 該帯状金属多孔体を所定の形状に切断した後、該第2工
    程において該給電電極と密着した方の表面を内側として
    該帯状金属多孔体を捲回する第5工程を含むことを特徴
    とする電池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】上記第4工程に、上記金属メッキした帯状
    体を空気中で焙焼して上記骨格を溶融、除去し、還元処
    理後、得られた帯状金属多孔体の網目状空間内に活物質
    を充填する処理が含まれることを特徴とする特許請求の
    範囲第4項に記載の電池用電極の製造方法。
  6. 【請求項6】上記第5工程に、上記帯状金属多孔体を切
    断した後、該帯状金属多孔体の長さ方向と直交する方向
    に該帯状金属多孔体を捲回する処理が含まれることを特
    徴とする特許請求の範囲第5項に記載の電池用電極の製
    造方法。
  7. 【請求項7】上記第5工程において、上記帯状金属多孔
    体の表裏両面における金属量比が100:95〜100:30の範囲
    であることを特徴とする特許請求の範囲第4項から第6
    項までのいずれか1項に記載の電池用電極の製造方法。
  8. 【請求項8】上記第1工程に、上記帯状体をカーボン粒
    子を含む導電性塗料懸濁液に浸潤する第1処理と、該帯
    状体から過剰の導電性塗料懸濁液を取り除く第2処理
    と、該帯状体を乾燥して該帯状体の表面にカーボン粒子
    の層を形成する第3処理とが含まれることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項から第7項までのいずれか1項に
    記載の電池用電極の製造方法。
  9. 【請求項9】上記第1処理において、上記導電性塗料懸
    濁液が250〜500メッシュの粒度のカーボン粒子を含有し
    且つ20℃から40℃の範囲の温度に保持されており、上記
    第2処理に、該帯状体を湿潤状態でロールにより弾性限
    度内で圧縮して過剰の導電性塗料懸濁液を取り除く操作
    が含まれることを特徴とする特許請求の範囲第8項に記
    載の電池用電極の製造方法。
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