JPH08209275A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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JPH08209275A
JPH08209275A JP7037620A JP3762095A JPH08209275A JP H08209275 A JPH08209275 A JP H08209275A JP 7037620 A JP7037620 A JP 7037620A JP 3762095 A JP3762095 A JP 3762095A JP H08209275 A JPH08209275 A JP H08209275A
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JP
Japan
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aluminum foil
electrolytic capacitor
foil
amount
aluminum
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JP7037620A
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English (en)
Inventor
Kaneshige Yamamoto
兼滋 山本
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Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定して高静電容量の電極箔を得ることがで
きる、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を提供す
る。 【構成】 この電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
は、アルミニウム純度が99.9重量%以上である。そ
して、Fe:0.0010〜0.0150重量%、S
i:0.0015〜0.0200重量%、Cu:0.0
001〜0.0050重量%、その他不可避不純物元素
を含有している。Fe,Si及びCuの析出量の合計
は、Fe,Si及びCuの含有量の合計に対して、10
〜70%の範囲に規制されている。Fe,Si及びCu
の析出量は、熱フェノール溶解法によって、誤差等を生
じることがなく、正確に測定される。また、Feの析出
量は、Fe,Si及びCuの析出量の合計に対して、1
5〜75%の範囲に規制されていることが好ましい。C
uの析出量は、Fe,Si及びCuの析出量の合計に対
して、1〜20%の範囲に規制されていることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電容量の高い電解コ
ンデンサ用電極箔(特に低圧用電極箔)を得ることので
きる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、電解コンデンサ用電極箔を製
造するためには、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
にエッチング処理を施し、箔表面に微細な孔(エッチン
グピット)を多数形成して、箔表面の表面積を拡大する
ことが行われている。この表面積の拡大は、電解コンデ
ンサ用電極箔の静電容量を高めるために、最も有効な方
法である。従って、高静電容量の電解コンデンサ用電極
箔を得るためには、エッチング特性の良好な電解コンデ
ンサ電極用アルミニウム箔を使用して製造する必要があ
る。一方、エッチング処理としては、使用耐電圧に適し
たエッチングピットが得られるように、種々のエッチン
グ方法が採用されている。例えば、低圧用陽極箔或いは
陰極箔には、海綿状のエッチングピットが形成されてい
るのが好ましく、これに適するエッチング法として交流
エッチング法が採用されている。
【0003】どのような電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム箔が、良好なエッチング特性を示すかについては、
従来より種々検討が行われている。例えば、刊行物「住
友軽金属技報」(1990年10月号)の第10〜17
頁に掲載された「電解コンデンサ用アルミニウム箔の交
流エッチング後の静電容量に及ぼす析出ケイ素の影響」
と題する論文には、アルミニウム箔中の析出Siの存在
箇所からエッチングが進行するため、析出Siの多いア
ルミニウム箔が電解コンデンサ電極用として良好に使用
しうることが開示されている(特に、第17頁右欄第1
〜8行目)。
【0004】また、特公平3−61333号公報には、
アルミニウム箔中のFe又はSiのいずれか一方の析出
量を、その含有量に対して10〜70%に規制したもの
が知られている。しかしながら、この先行技術において
は、Fe又はSiの析出量を、液体窒素中での電気抵抗
法によって測定しており、以下の如き欠点があった。 (i)電気抵抗法では、アルミニウム箔中において析出
している全ての元素の影響で、電気抵抗値が増減し、F
eのみの析出量又はSiのみの析出量を測定すること
は、極めて困難であった。従って、アルミニウム箔中に
Fe又はSiのみが含有されている場合はともかく、他
のCu,Zn,Mn等の元素が含有されていると、現実
的にはFe又はSiのみの析出量を測定することはでき
なかった。(ii)Fe又はSiの析出量による電気抵抗
値の液体窒素中における減少量について、確定した値は
知られていない。従って、現実に、電気抵抗値の増減に
よって、Fe又はSiの析出量を知ることは困難であ
る。なお、20℃で測定した、Siの析出量による電気
抵抗値の減少量(又はSiの固溶量による電気抵抗値の
増加量)についても、その値は未確定である(刊行物
「軽金属」1985年第35巻第3号第162〜167
頁に掲載された「アルミニウムの再結晶に及ぼすけい素
および鉄,けい素共存の影響」と題する論文、特にその
第163頁左欄第5〜8行目を参照のこと。)。即ち、
液体窒素中での電気抵抗法により、種々の不純物元素を
含有するアルミニウム箔中のFe又はSiの析出量を知
ることは、現実的には不可能とも言えるのである。従っ
て、特開平3−61333号公報記載の方法によって、
高静電容量の電解コンデンサ用電極箔を安定して得るこ
とができる、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を製
造することは、実質的に不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
アルミニウム箔中で析出している各元素毎に、その析出
量を測定できる方法を採用し、種々研究を行った。その
結果、Fe,Si及びCuの含有量に対して、Fe,S
i及びCuが一定の割合で析出しているアルミニウム箔
は、エッチング特性が良好で、高静電容量を持つ電解コ
ンデンサ用電極箔を安定して製造しうることを見出し、
本発明に到達したのである。また、Fe,Si及びCu
の析出量の合計に対して、Feが一定の割合で析出して
いるアルミニウム箔、又はCuが一定の割合で析出して
いるアルミニウム箔についても、エッチング特性が良好
で、高静電容量を持つ電解コンデンサ用電極箔を安定し
て製造しうることを見出し、本発明に到達したのであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ニウム純度が99.9重量%以上であって、Fe:0.
0010〜0.0150重量%、Si:0.0015〜
0.0200重量%、Cu:0.0001〜0.005
0重量%、その他不可避不純物元素を含有し、熱フェノ
ール溶解法によって測定されるFe,Si及びCuの析
出量の合計が、Fe,Si及びCuの含有量の合計に対
して、10〜70%の範囲に規制されていることを特徴
とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔に関するも
のである。また、上記した条件に加えて、更にFeの析
出量が、Fe,Si及びCuの析出量の合計に対して、
15〜75%の範囲に規制されている電解コンデンサ電
極用アルミニウム箔、又はCuの析出量が、Fe,Si
及びCuの析出量の合計に対して、1〜20%の範囲に
規制されている電解コンデンサ電極用アルミニウム箔に
関するものである。
【0007】まず、本発明において、前提となること
は、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のアルミニウ
ム純度が99.9重量%以上であるということである。
純度が99.9重量%未満であると、相対的に不純物が
多くなって、いかに各Fe,Si及びCuの析出量を規
制しても、他の不純物元素による析出物の存在のため、
エッチング時に過溶解が生じやすくなり、表面積を十分
に拡大することができない。従って、エッチング特性の
良好な電解コンデンサ電極用アルミニウム箔が得られに
くくなり、高静電容量の電解コンデンサ用電極箔が得ら
れにくくなるため、好ましくない。
【0008】電解コンデンサ電極用アルミニウム箔中に
は、Feが0.0010〜0.0150重量%、好まし
くは0.0030〜0.0100重量%含有されてい
る。Feが0.0010重量%未満であると、アルミニ
ウム箔が高純度になり、高価になるので好ましくない。
更に、Feの量が少なくなりすぎて、本発明において規
制した範囲内でFeを析出させることが困難になる。逆
に、Feが0.0150重量%を超えると、Feの析出
量を本発明において規制した範囲内とすることは容易で
あるが、析出Feの絶対量が多くなって、エッチング時
に過溶解が生じやすくなり、高静電容量の電解コンデン
サ用電極箔が得られにくくなるため、好ましくない。
【0009】また、電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔中には、Siが0.0015〜0.0200重量%含
有されている。Siが0.0015重量%未満である
と、アルミニウム箔が高純度になり、高価になるので好
ましくない。逆に、Siが0.0200重量%を超える
と、析出Siの絶対量が多くなって、エッチング時に過
溶解が生じやすくなり、高静電容量の電解コンデンサ用
電極箔が得られにくくなるため、好ましくない。
【0010】更に、電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔中には、Cuが0.0001〜0.0050重量%含
有されている。Cuが0.0001重量%未満である
と、Cuの量が少なくなりすぎて、本発明において規制
した範囲内でCuを析出させることが困難になる。逆
に、Cuが0.0050重量%を超えると、析出Cuの
絶対量が多くなって、エッチング時に過溶解が生じやす
くなり、高静電容量の電解コンデンサ用電極箔が得られ
にくくなるため、好ましくない。なお、本発明に係る電
解コンデンサ電極用アルミニウム箔中には、他の不純物
元素、例えばZnやMnなどを含有していてもよい。
【0011】本発明に係る電解コンデンサ電極用アルミ
ニウム箔中には、Fe,Si及びCuが一定の量的割合
で析出している。即ち、Fe,Si及びCuの含有量の
合計に対して、Fe,Si及びCuの析出量の合計が1
0〜70%の割合となるように析出している。この析出
量の合計が10%未満であると、エッチングの開始点が
少なくなり、多数のエッチングピットが形成されず、高
静電容量の電解コンデンサ用電極箔が得られにくくな
る。逆に、析出量の合計が70%を超えると、エッチン
グ時に過溶解が生じ、表面積の十分な拡大が図れず、高
静電容量の電解コンデンサ用電極箔が得られにくくな
る。
【0012】更に、本発明においては、Fe,Si及び
Cuの析出量の合計に対して、Feの析出量を15〜7
5%の範囲に規制することが好ましい。Feの析出量が
15%未満であると、エッチング開始点となるFe析出
物の割合が相対的に少なくなり、エッチング特性が低下
する傾向が生じる。逆に、Feの析出量が75%を超え
ると、Fe析出物が多すぎて、過溶解を生じやすくな
り、表面積の拡大が図れなくなる傾向が生じる。
【0013】また、本発明においては、Fe,Si及び
Cuの析出量の合計に対して、Cuの析出量を1〜20
%の範囲に規制することが好ましく、特に1〜10%の
範囲に規制することがより好ましい。Cuはアルミニウ
ムに固溶しやすい元素であり、固溶するとアルミニウム
のマトリックスの自然電極電位が高くなることによっ
て、エッチング特性が向上する。しかしながら、Cuの
固溶量が多すぎると、エッチング時に過溶解を生じる恐
れがあり、表面積の拡大が図れなくなる恐れがあるた
め、Cuを1%以上析出させるのが好ましい。また、C
uの析出物自体は貴な電位を示すため、Cu析出物が多
くても、過溶解を生じる恐れがある。従って、Cuの析
出量は20%以下に規制されているのが好ましい。
【0014】なお、Siは、単体では析出することもあ
れば、Al−Fe−Si系の化合物の形でも析出し、S
i単独の影響について定量化するのが困難であるため、
Siの析出量には言及しなかった。しかし、Siの析出
量はエッチング特性に影響を及ぼすものであるため、本
発明においては、Fe,Si及びCuの含有量の合計に
対する、Fe,Si及びCuの析出量の合計という形で
言及した。
【0015】本発明においては、Fe,Si及びCuの
析出量は、以下に説明する熱フェノール溶解法によって
測定する。熱フェノール溶解法の基本的な考え方は、次
のとおりである。即ち、約443Kに熱したフェノール
中でアルミニウム箔を溶解させると、析出物以外のアル
ミニウム及びアルミニウム中に固溶している各元素は容
易に溶解する。その後、溶解しなかった析出物を適当な
孔径のフィルターを介して瀘過し、フィルター上に捕集
された析出物を塩酸溶液に溶解し、この溶解溶液を定量
分析することによって、Fe,Si,Cuの個々の析出
量を測定するのである。熱フェノール溶解法を採用した
場合の具体的測定方法は、次のとおりである。まず、種
々の方法により調整して作製したアルミニウム箔を適当
な大きさに切断採取し、適当な前処理方法によって切断
時等に付着した不純物を除去する。この除去方法として
は、例えば、水酸化ナトリウム溶液やエタノール等で洗
浄する方法が採用される。その後、一定の容量のフェノ
ールを秤量して、これが蒸発して減少しないように還流
しながら、443〜453Kに加熱する。この加熱した
フェノール中に、準備したアルミニウム箔を投入し、ア
ルミニウム及びアルミニウム中に固溶している各元素を
溶解させる。その後、フェノールは約313Kの温度に
て凝固するので、一定量のベンジルアルコールをフェノ
ールに添加し、液体状態を維持させたまま、アルミニウ
ムを溶解させたフェノールを適切な孔径のフィルターを
用いて瀘過する。そして、フィルター上に捕集された析
出物を一定の濃度の塩酸溶液で溶解する。この溶解溶液
を、原子吸光法又はICP発光分析法等の方法で分析し
て、各元素含有量を測定する。以上のようにして、準備
したアルミニウム箔中に析出していたFe,Si及びC
uの量を求めることができる。そして、個々の元素の析
出量と、アルミニウム箔中に含有されていた個々の元素
の含有量を用いて、本発明におけるFe,Si,Cuの
析出割合を計算することができるのである。
【0016】熱フェノール溶解法によって、各析出物を
フィルター上に捕集すれば、粒径分布を求めることがで
きる。即ち、フィルター上に捕集された析出物を、走査
型電子顕微鏡にて観察し、その結果を画像解析して粒径
分布を求めるのである。そして、本発明者がこの粒径分
布に関して研究したところ、2μm以下の析出物の数
が、析出物全体の数に対して、50%以上を占めている
と、エッチング特性が良好になる傾向があった。2μm
以下の析出物の数が全体の50%未満であると、エッチ
ング開始点が少なくなって、エッチング特性が低下する
のではないかと考えられる。なお、電解コンデンサ低圧
用陽極箔又は陰極箔を製造する際には、箔表面に微細な
エッチングピットを形成することが要求されるので、2
μmを超える析出物の数はなるべく少ない方が好まし
い。つまり、2μmを超える析出物は、エッチング時
に、比較的大きなエッチングピット形成の開始点となる
のである。
【0017】また、本発明において、アルミニウム箔中
の平均結晶粒径は0.02〜1mmであるのが好まし
い。エッチングの初期には結晶粒界からエッチングピッ
トが形成されることが多く、従って、結晶粒径が小さい
ほど、数多くのエッチングピットが形成され、表面積拡
大に寄与する。即ち、平均結晶粒径が1mmを超える
と、多くのエッチングピットが形成されず、表面積が十
分に拡大しない傾向となる。しかしながら、結晶粒径が
小さすぎると、形成されたエッチングピット同士が合体
して抜け落ちてしまい、却って表面積を減少させる結果
となる。即ち、平均結晶粒径が0.02mm未満になる
と、しだいに表面積が減少してゆく傾向となる。なお、
平均結晶粒径は、JIS G 0501に規定される方
法で測定を数回繰り返し、その平均値を算出して求め
る。
【0018】また、本発明に係るアルミニウム箔の引張
強さは、98MPa以下であるのが好ましい。引張強さ
が98MPa以下のアルミニウム箔は、一般的には軟質
又は半硬質のものであるが、アルミニウム純度が高い場
合には硬質であることもある。引張強さが98MPaを
超えると、一般的に、Fe,Si及びCuの析出量が少
なく、エッチング特性の良好なアルミニウム箔が得られ
ない傾向が生じる。引張強さを98MPa以下とするに
は、圧延され、加工歪を持つ硬質のアルミニウム箔に焼
鈍等の熱処理を施して、Fe,Si及びCuを所定量析
出させることによって行うことができる。なお、引張強
さ(MPa)は、インストン型万能引張試験機を用い
て、10mm巾に切断したアルミニウム箔をクロスヘッ
ド速度:2×10-4m/sec、ゲージ長さ:50mm
の条件で引張試験を行って、測定したものである。
【0019】以上のように、Fe,Si及びCuの析出
量を所定の範囲に規制した、本発明に係る電解コンデン
サ電極用アルミニウム箔を製造する方法としては、例え
ば、所定の速度にてアルミニウム鋳塊を鋳造後、適切な
温度で均質化処理し、所定の温度で熱間圧延や中間焼鈍
等を行うこと方法を挙げることができる。特に、均質化
処理の温度や時間、熱間圧延の温度や時間、中間焼鈍及
び最終焼鈍の温度や時間等を調整することによって、F
e,Si及びCuの析出量を所定の範囲に規制すること
ができる。このようにして得られた電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔に、所定の条件でエッチング処理を施
すと、箔表面に微細なエッチングピットが形成され、表
面積の拡大した高静電容量の電解コンデンサ電極箔が得
られるのである。そして、この電解コンデンサ電極箔
は、特に、低圧用陽極箔や陰極箔として好適に使用する
ことができる。
【0020】
【実施例】
実施例1 厚さ400mmで、Al純度99.98重量%、Fe:
0.0035重量%、Si:0.0040重量%、C
u:0.0030重量%、その他不可避不純物元素を含
有するアルミニウム鋳塊を準備した。このアルミニウム
鋳塊に、833K×21.6Ks(560℃×6時間)
の条件で均質化処理を施した。その後、熱間圧延開始温
度803K(530℃),熱間圧延終了温度533K
(260℃),熱間圧延開始から終了までの時間を9分
間として、熱間圧延を施した。次いで、常法により冷間
圧延を施して、厚さ0.1mmのアルミニウム箔を得
た。このアルミニウム箔を、界面活性剤を含有するアル
カリ溶液にて脱脂洗浄を行った後、563K×54Ks
(290℃×15時間)の条件で最終焼鈍を施して、電
解コンデンサ電極用アルミニウム箔を得た。
【0021】実施例2 最終焼鈍の条件を623K×61Ks(350℃×約1
7時間)とした他は、実施例1と同一の方法で電解コン
デンサ電極用アルミニウム箔を得た。
【0022】実施例3 冷間圧延工程中、633K×18Ks(360℃×5時
間)の条件で中間焼鈍を挿入した他は、実施例1と同一
の方法で電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を得た。
【0023】実施例4 実施例1で使用したアルミニウム鋳塊に、753K×5
4Ks(480℃×15時間)の条件で均質化処理を施
した。その後、熱間圧延を施すことなく徐冷して、冷間
圧延を施した。次いで、633K×18Ks(360℃
×5時間)の条件で中間焼鈍を施した後、更に冷間圧延
を施し、厚さ0.1mmのアルミニウム箔を得た。この
アルミニウム箔を、界面活性剤を含有するアルカリ溶液
にて脱脂洗浄を行った後、563K×54Ks(290
℃×15時間)の条件で最終焼鈍を施して、電解コンデ
ンサ電極用アルミニウム箔を得た。
【0024】比較例1 熱間圧延の条件を、熱間圧延開始温度853K(580
℃),熱間圧延終了温度583K(210℃),熱間圧
延開始から終了までの時間を6分間とした他は、実施例
1と同一の方法で電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
を得た。
【0025】上記方法により得た5種類の電解コンデン
サ電極用アルミニウム箔について、Fe,Si及びCu
の析出量を熱フェノール溶解法により測定し、表1に記
載した各析出量の割合を求めた。また、各電解コンデン
サ電極用アルミニウム箔中における2μm以下の析出物
が占める割合も求めた。これらの結果を表1に示した。
更に、各電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の引張強
さ及び各箔中の平均結晶粒径を測定し、それらの結果を
表1に示した。
【0026】そして、各電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム箔に、以下の条件でエッチング処理及び化成処理を
施して、以下に示す条件で静電容量(μF/cm2)を
測定した。 [エッチング処理]:315K(42℃)の(7.2w
t.%HCl+9.3wt.%AlCl36H2O+0.
1wt.%H2SO4)溶液中に、電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔を浸漬し、電流密度0.35A/cm2
で20Hzの矩形波交流を270秒間施して、エッチン
グ処理を行った。 [化成処理]:エッチング処理後のアルミニウム箔を巾
1cm×長さ5cmの大きさに裁断し、この1枚を液温
353K(80℃)の13wt.%アジピン酸アンモニ
ウム水溶液中に浸漬し、対向電極をsus 304とし
て、20Vで15分間の条件で化成処理を行った。 [静電容量]:化成処理した電極箔(大きさ巾1cm×
長さ5cm)1枚を、13wt.%アジピン酸アンモニ
ウム水溶液中に浸漬し、対向電極を、静電容量が400
00μF以上のエッチドアルミニウム箔として、120
Hzの直列等価回路でLCRメーターを用いて、静電容
量(μF/cm2)を測定した。なお、表1に示した静
電容量(%)は、Fe:0.004重量%、Si:0.
004重量%、Cu:0.003重量%、その他不可避
不純物元素を含有する純度99.98%のアルミニウム
鋳塊を使用し、実施例1と同一の方法で得られたアルミ
ニウム箔に、前記したエッチング処理及び化成処理を施
した電極箔の静電容量を100%として、これとの相対
比較で求めたものである。
【0027】
【表1】
【0028】実施例5 まず、表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊を
準備した。このアルミニウム鋳塊に、833K×21.
6Ks(560℃×6時間)の条件で均質化処理を施し
た。その後、熱間圧延開始温度893K(620℃),
熱間圧延終了温度503K(230℃),熱間圧延開始
から終了までの時間を10分間として、熱間圧延を施し
た。次いで、常法により冷間圧延を施して、厚さ0.1
mmのアルミニウム箔を得た。このアルミニウム箔を、
界面活性剤を含有するアルカリ溶液にて脱脂洗浄を行っ
た後、563K×54Ks(290℃×15時間)の条
件で最終焼鈍を施して、電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム箔を得た。
【0029】実施例6 表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊を使用す
る他は、実施例5と同一の方法で、電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔を得た。
【0030】実施例7 表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊を使用す
る他は、実施例5と同一の方法で、電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔を得た。
【0031】実施例8 表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊を使用す
る他は、実施例5と同一の方法で、電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔を得た。
【0032】実施例9 表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊(実施例
7の鋳塊)を準備した。このアルミニウム鋳塊に、75
3K×90Ks(480℃×25時間)の条件で均質化
処理を施した。その後、熱間圧延開始温度713K(4
40℃),熱間圧延終了温度523K(250℃),熱
間圧延開始から終了までの時間を15分間として、熱間
圧延を施した。次いで、一次冷間圧延を施した後、中間
焼鈍を573K×18Ks(300℃×5時間)の条件
で施し、更に二次冷間圧延を施し、厚さ0.1mmのア
ルミニウム箔を得た。このアルミニウム箔を、界面活性
剤を含有するアルカリ溶液にて脱脂洗浄を行った後、5
63K×54Ks(290℃×15時間)の条件で最終
焼鈍を施して、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を
得た。
【0033】比較例2 まず、表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊を
準備した。このアルミニウム鋳塊に、793K×90K
s(520℃×25時間)の条件で均質化処理を施し
た。その後、熱間圧延開始温度753K(480℃),
熱間圧延終了温度523K(250℃),熱間圧延開始
から終了までの時間を12分間として、熱間圧延を施し
た。次いで、常法により冷間圧延を施して、厚さ0.1
mmのアルミニウム箔を得た。このアルミニウム箔を、
界面活性剤を含有するアルカリ溶液にて脱脂洗浄を行っ
た後、623K×54Ks(350℃×15時間)の条
件で最終焼鈍を施して、電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム箔を得た。
【0034】比較例3 表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊(実施例
5の鋳塊)を準備した。このアルミニウム鋳塊に、実施
例9と同一の条件で、均質化処理,熱間圧延,冷間圧
延,中間焼鈍,脱脂洗浄,及び最終焼鈍を施して、電解
コンデンサ電極用アルミニウム箔を得た。
【0035】比較例4 表2に示した元素組成を持つアルミニウム鋳塊(比較例
2の鋳塊)を準備した。このアルミニウム鋳塊に、実施
例9と同一の条件で、均質化処理,熱間圧延,冷間圧
延,中間焼鈍,脱脂洗浄,及び最終焼鈍を施して、電解
コンデンサ電極用アルミニウム箔を得た。
【0036】
【表2】
【0037】以上の実施例5〜9及び比較例2〜4で得
られた電解コンデンサ電極用アルミニウム箔について、
Fe,Si及びCuの析出量を熱フェノール溶解法によ
り測定し、表3に記載した各析出量の割合を求めた。ま
た、各電解コンデンサ電極用アルミニウム箔中における
2μm以下の析出物が占める割合も求めた。これらの結
果を表3に示した。更に、各電解コンデンサ電極用アル
ミニウム箔の引張強さ及び各箔中の平均結晶粒径を測定
し、それらの結果を表3に示した。また、実施例1と同
一の方法で静電容量を測定し、それらの結果も表3に示
した。
【0038】
【表3】
【0039】以上の実施例1〜9及び比較例1〜4の結
果から明らかなように、Fe,Si及びCuの析出量が
特定の範囲内に規制されている電解コンデンサ電極用ア
ルミニウム箔を使用し、エッチング処理した電極箔は、
高静電容量を有していることが分かる。実施例7〜9に
係る方法で得られた電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔は、静電容量が低いが、相対評価の基準に用いたアル
ミニウム箔が99.98%Al純度であるのに対して、
低純度であるにも拘らず、比較的高静電容量であり、特
に実施例7及び8においては、99.98%Al純度の
アルミニウム箔の性能に匹敵する性能を有していること
が分かる。また、比較例2に係る方法で得られた電解コ
ンデンサ電極用アルミニウム箔についても、低純度であ
るにも拘らず、比較的高静電容量の電極箔が得られてい
るが、Fe及びSiの含有量が多いため、製造条件の若
干の相違によって、安定して高静電容量の電極箔が得ら
れない可能性がある。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電解
コンデンサ電極用アルミニウム箔は、その箔中に含有さ
れているFe、Si及びCuの析出量を、特定の範囲に
規制したので、エッチング処理を施すことによって、安
定して高静電容量の電極箔を得ることができる。更に、
Fe又はCuの各析出物の析出量を、特定の範囲に規制
した場合には、より安定して高静電容量の電極箔を得る
ことができる。また、各析出物の大きさや数を特定の範
囲に規定したり、若しくはアルミニウム箔中の平均結晶
粒径の大きさや引張強さを特定の範囲に規定した場合に
も、より安定して高静電容量の電極箔を得ることができ
るという効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム純度が99.9重量%以上
    であって、Fe:0.0010〜0.0150重量%、
    Si:0.0015〜0.0200重量%、Cu:0.
    0001〜0.0050重量%、その他不可避不純物元
    素を含有し、熱フェノール溶解法によって測定されるF
    e,Si及びCuの析出量の合計が、Fe,Si及びC
    uの含有量の合計に対して、10〜70%の範囲に規制
    されていることを特徴とする電解コンデンサ電極用アル
    ミニウム箔。
  2. 【請求項2】 熱フェノール溶解法によって測定される
    Feの析出量が、Fe,Si及びCuの析出量の合計に
    対して、15〜75%の範囲に規制されている請求項1
    記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
  3. 【請求項3】 熱フェノール溶解法によって測定される
    Cuの析出量が、Fe,Si及びCuの析出量の合計に
    対して、1〜20%の範囲に規制されている請求項1又
    は2記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
  4. 【請求項4】 2μm以下の析出物の数が、析出物全体
    の数に対して、50%以上を占めている請求項1及至3
    のいずれか一項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニ
    ウム箔。
  5. 【請求項5】 平均結晶粒径が0.02〜1mmであ
    り、且つ引張強さが98MPa以下である請求項1及至
    4のいずれか一項に記載の電解コンデンサ電極用アルミ
    ニウム箔。
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