JPH08208537A - 不飽和スルホン酸エステルおよび不飽和ハライド化合物の製造方法 - Google Patents

不飽和スルホン酸エステルおよび不飽和ハライド化合物の製造方法

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JPH08208537A
JPH08208537A JP3596395A JP3596395A JPH08208537A JP H08208537 A JPH08208537 A JP H08208537A JP 3596395 A JP3596395 A JP 3596395A JP 3596395 A JP3596395 A JP 3596395A JP H08208537 A JPH08208537 A JP H08208537A
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unsaturated
sulfonic acid
halide
mol
carbonate
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JP3596395A
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Kenichi Ogu
健一 小具
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不飽和アルコールからスルホン酸エステルお
よびハライド化合物を製造する。 【構成】 2−ペンチン−1−オールをトルエン−水の
二相溶媒系でトリエチルアミンなどの第三級アミンと炭
酸カリウムなどの炭酸塩存在下にメタンスルホニルクロ
ライドと反応させてスルホン酸エステル化し、ついで臭
化アンモニウムを反応させて1−ブロモ−2−ペンチン
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬などの中間
体として有用な炭素−炭素不飽和結合を有するスルホン
酸エステルおよびハライド化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医薬または農薬などの分野におい
て、不飽和炭化水素基を置換基として有する化合物群に
高い生理活性が見い出されており、それら化合物の中間
原料となる不飽和ハライド化合物の使用が増加してい
る。
【0003】従来、不飽和ハライド化合物の製造方法と
しては、対応する不飽和アルコールを有機溶媒中で特定
のハロゲン化剤と直接的に反応させる方法が知られお
り、例えば、3−ブチン−2−オールなどのβ,γ−不
飽和アルコールをピリジン中でトリフェニルホスファイ
トジブロマイドと反応させて対応する臭化物を製造する
方法(J.Chem.Soc.,2260(196
7))、β,γ−不飽和アルコールをピリジン中で三臭
化リンと反応させて臭化物を製造する方法(Agri.
Biol.Chem.,33,225(1969))な
どが報告されている。しかし、これらの不飽和アルコー
ル類に直接ハロゲン化剤を反応させる方法は、使用でき
るハロゲン化剤が高価なものに限られ、また収率が70
%以下と悪く、且つ不飽和結合の異性化などの副反応が
多く起こることなどから精製が困難である等の問題点を
有している。
【0004】その改善として、アルコール類を一旦活性
なスルホン酸エステルとし、次いでハロゲン化リチウム
などのハロゲン化剤を反応させて目的とするハライド化
合物を製造する方法(Preparative Ace
tylenic Chemistry,251(198
8))などが検討されている。
【0005】従来、不飽和アルコールのスルホン酸エス
テル化反応としては、例えばβ,γ−不飽和アルコール
とトシルクロライドをエチルエーテル中で水酸化カリウ
ム存在下に反応させる方法(Preparative
Acetylenic Chemistry,256
(1988))、トルエン等の有機溶媒中で炭酸カリウ
ム及びトリエチルアミンの存在下に、2−プロピニルア
ルコールなどのβ,γ−不飽和アルコールとメタンスル
ホン酸クロライドを反応させる方法(特開平4−295
457号公報)などが報告されているが、使用する不飽
和アルコールの種類によっては充分な収率が得れない等
の問題を有している。
【0006】また、含水系で不飽和アルコールをスルホ
ン酸エステル化する反応としては、使用するスルホン酸
ハライド化合物が水に不安定である等の問題が多く、報
告は少ない。例えば、アリルアルコールとp−トルエン
スルホン酸クロライドを25%水酸化ナトリウム水溶液
中で反応させる方法(Org.Synthesis,
,145(1941))、3−ブチン−2−オールと
トシルクロライドを35%の水酸化ナトリウム水溶液中
で反応させる方法(Helv.ChimicaAct
a.,55,1113(1972))、アリルアルコー
ルとベンゼンスルホン酸クロライドとを30%水酸化ナ
トリウム水溶液中で相間移動触媒の存在下に反応させる
方法(Synthesis,822(1979))など
が報告されているが、これら含水系の方法では、反応時
間が5〜8時間と長い為に、反応途中でスルホン酸ハラ
イドが分解し副反応を起こし生成物の収率及び純度が充
分でない等の問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、炭酸カリウムを溶解さ
せた有機−水二相溶媒系中でトリエチルアミンなどの第
三級アミンの存在下にβ,γ−あるいはγ,δ−不飽和
などの不飽和アルコールをスルホン酸クロライドと反応
させると、対応する不飽和スルホン酸エステルが短時間
に、且つ収率及び選択性良く得られること、さらに得ら
れる不飽和スルホン酸エステルを臭化アンモニウムなど
の無機ハロゲン化化合物と反応させることにより容易に
目的とする不飽和ハライド化合物が純度及び収率良く得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【問題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、有機−水二層溶媒系で炭素−炭素不飽和結合を有す
る不飽和アルコールとスルホン酸ハライドを第3級アミ
ン及び炭酸塩の存在下に反応させることを特徴とする不
飽和スルホン酸エステルの製造方法、および有機−水二
層溶媒系で炭素−炭素不飽和結合を有するアルコールと
スルホン酸ハライドを第3級アミン及び炭酸塩の存在下
に反応させて得られる不飽和スルホン酸エステルを無機
ハロゲン化物と反応させることを特徴とする不飽和ハラ
イド化合物の製造方法が提供される。
【0009】本発明に使用する不飽和アルコールとして
は、少なくとも一つの炭素−炭素不飽和結合を有するも
のであれば、特に制限はされない。不飽和アルコールの
炭素数は、特に制限はされないが、通常は2〜20個、
好ましくは3〜15個、更に好ましくは4〜10個の範
囲である。炭素数が、過度に多くなるとスルホン酸ハラ
イドとの反応性に劣る傾向にある。
【0010】使用する不飽和アルコールは、例えば、一
般式
【化1】 で表される。式中のR1、R2およびR3は、それぞれ独
立して水素原子、分岐してもよいアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基またはアラルキル基を
示し、好ましくは水素原子、低級アルキル基、低級アル
キケニル基あるいは低級アルキニル基であり、さらに好
ましくは水素原子あるいは低級アルキル基である。nは
10以下の整数を示し、好ましくは1〜6、さらに好ま
しくは1〜3の範囲である。炭素−炭素不飽和結合は二
重あるいは三重結合のいずれでもよく、二重結合の場合
の幾何異性は(Z)、(E)のいずれでも構わない。
【0011】かかる不飽和アルコールの具体例として
は、例えばプロパギルアルコール、アリルアルコール、
2−ブチン−1−オール、3−ブチン−1−オール、3
−ブチン−2−オール、2−ブテン−1−オール、3−
ブテン−1−オール、2−ペンチン−1−オール、3−
ペンチン−1−オール、4−ペンチン−1−オール、3
−ペンチン−2−オール、4−ペンチン−2−オール、
4−ペンチン−3−オール、2−ペンテン−1−オー
ル、3−ペンテン−1−オール、4−ペンテン−1−オ
ール、2,4−ペンタジイン−1−オール、2,4−ペ
ンタジエン−1−オール、2−ペンテン−4−イン−1
−オール、4−ペンテン−2−イン−1−オール、2−
ヘキシン−1−オール、3−ヘキシン−1−オール、4
−ヘキシン−1−オール、5−ヘキシン−1−オール、
3−ヘキシン−2−オール、4−ヘキシン−2−オー
ル、5−ヘキシン−2−オール、4−ヘキシン−3−オ
ール、5−ヘキシン−3−オール、5−ヘキシン−4−
オール、2−ヘキセン−1−オール、3−ヘキセン−1
−オール、4−ヘキセン−1−オール、5−ヘキセン−
1−オール、2,4−ヘキサジイン−1−オール、2,
4−ヘキサジエン−1−オール、2−ヘキセン−4−イ
ン−1−オール、4−ヘキセン−2−イン−1−オー
ル、2−ヘプチン−1−オール、3−ヘプチン−1−オ
ール、4−ヘプチン−1−オール、5−ヘプチン−1−
オール、6−ヘプチン−1−オール、3−ヘプチン−2
−オール、4−ヘプチン−2−オール、5−ヘプチン−
2−オール、6−ヘプチン−2−オール、4−ヘプチン
−3−オール、5−ヘプチン−3−オール、6−ヘプチ
ン−3−オール、5−ヘプチン−4−オール、6−ヘプ
チン−4−オール、6−ヘプチン−5−オール、2−ヘ
プテン−1−オール、3−ヘプテン−1−オール、4−
ヘプテン−1−オール、5−ヘプテン−1−オール、6
−ヘプテン−1−オール、2,4−ヘプタジイン−1−
オール、2,4−ヘプタジエン−1−オール、2−ヘプ
テン−4−イン−1−オール、4−ヘプテン−2−イン
−1−オール、2,4−ヘキサジイン−1−オール、
2,5−ヘプタジエン−1−オール、2−ヘプテン−5
−イン−1−オール、5−ヘプテン−2−イン−1−オ
ール、4−オクテン−1−オール、5−オクテン−1−
オール、4−デセン−1−オール、ゲラニオール、4−
ドデセン−1−オール、オレイルアルコール、エライジ
ルアルコールなどが挙げられる。
【0012】本発明に使用するスルホン酸ハライドとし
ては、通常使用されているものを用いればよく、代表的
なものを例示すればメタンスルホン酸クロライド、ベン
ゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸ク
ロライド、o−トルエンスルホン酸クロライド、ナフタ
レンスルホン酸クロライド、メシチレンスルホン酸クロ
ライドなどのスルホン酸クロライド化合物、メタンスル
ホン酸ブロマイド、p−トルエンスルホン酸ブロマイド
などのスルホン酸ブロマイド化合物などが挙げられ、特
にメタンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン
酸クロライドなどが汎用される。
【0013】スルホン酸ハライドの使用量は、通常は使
用するアルコール1モルに対して等モル以上で、好まし
くは1〜5モル、更に好ましくは1〜2モルである。
【0014】本発明で使用する炭酸塩としては、炭酸と
アルカリとの中和塩であれば特に制限はされないが、具
体的には、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなど
のアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられ、好ましくは
水への溶解度が高いアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属
炭酸水素塩などで、さらに好ましくはアルカリ金属炭酸
塩である。
【0015】炭酸塩の使用量は、反応条件により一概に
限定されないが、通常使用するスルホン酸ハライド1モ
ルに対して等モル以上、好ましくは1〜10モル、更に
好ましくは1〜5モルの範囲である。使用する炭酸塩が
過度に少ないと充分に反応が進まず、また過度に多いと
副反応が起こる等の問題がある。
【0016】また、炭酸塩は水に可溶でも不溶でも特に
限定はないが、好ましくは水溶液の状態で、特に飽和溶
液が好ましい。
【0017】本発明に使用する第3級アミンとしては、
例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチ
ルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジイソプロピル
エチルアミンなどの第3級脂肪族アミン類、N,N−ジ
メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの第3
級芳香族アミン類、2,6−ルチジン、ピリジンなどの
ピリジン類などが挙げられ、好ましくは第3級脂肪族ア
ミン類である。
【0018】第3級アミンの使用量は、反応に使用する
アルコールに対して、通常0.1〜20モル%、好まし
くは1〜10モル%、更に好ましくは2〜8モル%の範
囲である。使用する第3級アミンが過度に少ないと充分
に反応が進まず、また過度に多いと副反応が起こる等の
問題がある。
【0019】本発明においては、必要に応じて有機溶媒
を使用してもよい。使用する有機溶媒としては、本反応
を阻害するものでなければ特に制限されないが、通常n
−ヘキサン、トルエン、ベンゼンなどの炭化水素類、塩
化メチレン、クロロホルム、塩化エチレンなどのハロゲ
ン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリルなどのニトリル系炭化水素類、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの
エーテル類、酢酸エチル、酪酸エチルなどのエステル
類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類
などの有機溶媒が使用され、好ましくは炭化水素類、ハ
ロゲン化炭化水素類などである。有機溶媒の使用量は、
特に制限はないが、通常は使用する不飽和アルコール1
モルに対して0〜1000ミリリットル、好ましくは0
〜800ミリリットル、更に好ましくは0〜500ミリ
リットルの範囲である。
【0020】有機−水二相溶媒系での有機層と水層の割
合は、特に限定されないが、通常は1:99〜99:1
(容積比)の範囲、好ましくは1:5〜5:1の範囲で
使用される。
【0021】本発明の反応条件は特に限定的でなく、使
用する原料などの種類により適宜選択される。通常、反
応温度は溶媒の沸点以下、好ましくは−30℃〜50
℃、更に好ましくは−15〜10℃の範囲であり、反応
圧力は10kg/cm以下、通常常圧であり、反応時間
は10時間以内、好ましくは5時間以内、更に好ましく
は10分〜3時間の範囲である。反応条件はこれらに特
定されるものではないが、反応時間は、過度に長くなる
と、副反応生成物を増加させ、後の精製工程が困難にな
るので注意する必要がある。
【0022】反応終了後、常法に従って分液、抽出、洗
浄、乾燥、濃縮等の操作を付すことにより、対応する不
飽和スルホン酸エステルを得ることができる。本発明の
方法では、選択性が非常に高い為に反応終了後に通常の
抽出操作を行うだけで殆ど精製操作を行うことなく次の
反応に使用できるが、必要に応じてクロマトグラフィ
ー、蒸留等により精製することができる。
【0023】かくして得られる不飽和スルホン酸エステ
ルを、常法に従って、例えば無機ハロゲン化物と反応さ
せることで収率よく目的とする不飽和ハライド化合物を
製造することができる。
【0024】無機ハロゲン化物としては、臭化アンモニ
ウム、塩化アンモニウムなどのハロゲン化アンモニウム
塩、、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化ナトリウ
ム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどのアルカリ
金属塩、塩化マグネシウム、臭化カルシウムなどのアル
カリ土類金属塩などが例示され、好ましくはハロゲン化
アルカリ金属塩であり、なかでも好ましくは臭化ナトリ
ウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムなどである。
無機ハロゲン化物の使用量は、特に制限はされないが、
通常スルホン酸エステル化合物1モルに対して等モル以
上、好ましくは1〜10モル、さらに好ましくは1〜3
モルの範囲である。
【0025】このハロゲン化反応は、相間移動触媒を添
加することでより収率を向上させることができる。使用
される相間移動触媒としては、例えばテトラメチルアン
モニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロラ
イド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラプ
ロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライ
ド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジ
ルトリエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメ
チルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム
ハライド類、テトラブチルホスホニウムブロマイド、ベ
ンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ブチルト
リフェニルホスホニウムブロマイドなどの第4級ホスホ
ニウムハライド類およびテトラブチルアンモニウムハイ
ドロジエンスルフェートなどの第4級塩類、15−クラ
ウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6、ジベンゾ−2,4−クラウン−8、ジシクロ
ヘキシル−18−クラウン−6などのクラウンエーテル
類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどのポリアルキレングリコール
類、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]ア
ミン、クリプテートなどのアミノアルコール類などが挙
げられ、これらに限定されるものではないが、なかでも
好ましいのは第4級塩類などで、さらに好ましくは第4
級アンモニウムハライド類、第4級ホスホニウムハライ
ド類などである。これらの相間移動触媒の使用量は、原
料のスルホン酸エステル1モルに対して、通常0.00
1〜1モル程度、好ましくは0.01〜0.1モルの範
囲である。
【0026】また、塩基性物質を添加することで不飽和
化合物の異性化反応を抑制することができる。塩基性物
質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、硫酸アンモニウム、テトラブチル
硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられ
る。塩基性物質の使用量は、特に制限はないが、通常原
料のスルホン酸エステル1モルに対して0.01〜2モ
ル程度、好ましくは0.1〜1モルの範囲である。この
塩基性物質を添加することは、特に異性化を起こし易
い、例えばアルケニルアルコールのスルホン酸エステル
を用いる場合などに特に有用である。
【0027】不飽和スルホン酸エステルと無機ハロゲン
化物との反応は、通常水を加えて実施される。この時の
水の使用量は、原料および反応条件等により種々選択さ
れるが、通常は原料のスルホン酸エステル1モルに対し
て10〜1000ml程度、好ましくは50〜500m
lの範囲である。反応条件は適宜選択されるが、通常
は、反応温度が0〜200℃、好ましくは20〜150
℃の範囲であり、反応時間が0.5〜24時間、好まし
くは1〜8時間程度である。
【0028】反応終了後、水を加えて無機塩を溶解さ
せ、分液、抽出、洗浄、乾燥、濃縮等の通常の操作に付
すことにより、不飽和ハライド化合物を得ることができ
る。また、必要に応じてクロマトグラフイー、蒸留等に
より精製することもできる。
【0029】以下に、本発明の実施態様を示す。 (1)有機−水二層溶媒系で炭素−炭素不飽和結合を有
するアルコール類とスルホン酸ハライドを第3級アミン
及び炭酸塩の存在下に反応させることを特徴とする不飽
和スルホン酸エステルの製造方法。 (2)不飽和アルコールの炭素数が2〜20個、好まし
くは3〜15個、さらに好ましくは4〜10個の範囲で
ある前記不飽和スルホン酸エステルの製造方法。 (3)不飽和アルコールが一般式
【化2】 (式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素
原子、分岐してもよいアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基またはアラルキル基を示し、nは
10以下の整数を示す。)で表されるものである前記不
飽和スルホン酸エステルの製造方法。 (4)R1、R2およびR3が、それぞれ独立して、好ま
しくは水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基あ
るいは低級アルキニル基であり、さらに好ましくは水素
原子あるいは低級アルキル基である前記不飽和スルホン
酸エステルの製造方法。 (5)nが、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜
3の範囲である前記不飽和スルホン酸エステルの製造方
法。 (6)スルホン酸ハライドが、スルホン酸クロライド化
合物およびスルホン酸ブロマイド化合物から選ばれる少
なくとも1種である前記不飽和スルホン酸エステルの製
造方法。 (7)スルホン酸ハライドの使用量が、アルコール1モ
ルに対して等モル以上、好ましくは1〜5モル、さらに
好ましくは1〜2モルである前記不飽和スルホン酸エス
テルの製造方法。 (8)炭酸塩が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭
酸水素塩およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少
なくとも1種である前記不飽和スルホン酸エステルの製
造方法。 (9)炭酸塩の使用量が、スルホン酸ハライド1モルに
対して、等モル以上、好ましくは1〜10モル、さらに
好ましくは1〜5モルの範囲である前記不飽和スルホン
酸エステルの製造方法。 (10)第3級アミンが、第3級脂肪族アミン類、第3
級芳香族アミン類およびピリジン類から選ばれる少なく
とも1種である前記不飽和スルホン酸エステルの製造方
法。 (11)第3級アミンの使用量が、アルコールに対して
0.1〜20モル%、好ましくは1〜10モル%、さら
に好ましくは2〜8モル%の範囲である前記スルホン酸
エステルの製造方法。 (12)有機溶媒を添加してなる前記不飽和スルホン酸
エステルの製造方法。 (13)有機溶媒が、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素
類、ニトリル系炭化水素類、エーテル類、エステル類お
よびケトン類から選ばれる少なくとも1種である前記不
飽和スルホン酸エステルの製造方法。 (14)有機層と水層の割合が、1:99〜99:1
(容積比)、好ましくは1:5〜5:1の範囲である前
記不飽和スルホン酸エステルの製造方法。
【0030】(15)(1)ないし(14)のいずれか
に記載の製造方法により得られる不飽和スルホン酸エス
テルを、無機ハロゲン化物と反応させることを特徴とす
る不飽和ハライド化合物の製造方法。 (16)無機ハロゲン化物がハロゲン化アンモニウム
塩、ハロゲン化アルカリ金属塩およびハロゲン化アルカ
リ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種である前記無
機不飽和ハライド化合物の製造方法。 (17)無機ハロゲン化物の使用量が、スルホン酸エス
テル1モルに対して等モル以上、好ましくは1〜10モ
ル、さらに好ましくは1〜3モルである前記不飽和ハラ
イド化合物の製造方法。 (18)さらに相間移動触媒を添加してなる前記不飽和
ハライド化合物の製造方法。 (19)相間移動触媒が、第4級塩類、クラウンエーテ
ル類、ポリアルキレングリコール類およびアミノアルコ
ール類から選ばれる少なくとも1種である前記不飽和ハ
ライド化合物の製造方法。 (20)相間移動触媒の使用量が、スルホン酸エステル
1モルに対して0.001〜1モル、好ましくは0.0
1〜0.1モルである前記不飽和ハライド化合物の製造
方法。 (21)さらに塩基性物質を添加してなる前記不飽和ハ
ライド化合物の製造方法。 (22)塩基性物質の使用量が、スルホン酸エステル1
モルに対して0.01〜2モル、好ましくは0.1〜1
モルである前記不飽和ハライド化合物の製造方法。 (23)さらに水を加えてなる前記不飽和ハライド化合
物の製造方法。 (24)水の使用量が、スルホン酸エステル1モルに対
して10〜1000ミリリットル、好ましくは50〜5
00ミリリットルである前記不飽和ハライド化合物の製
造方法。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例によって限定されるものでは
ない。
【0032】実施例1 飽和炭酸カリウム水溶液30ml(炭酸カリウム0.1
73モル)にトルエン25g、2−ペンチン−1−オー
ル8.4g(0.1モル)ならびにトリエチルアミン
0.51g(5ミリモル)を加え、0℃に攪拌しながら
冷却した。次いでメタンスルホニルクロリド13.8g
(0.12モル)を反応液が5℃を越えないように45
分間かけて添加し、さらに5℃で10分間反応を行っ
た。反応終了後、反応液をそのまま分液し、水層をトル
エン20mlで2回抽出し、分取したトルエン層を合わ
せた。トルエン層は水20mlで2回洗浄を行い、飽和
食塩水20mlで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで1晩
乾燥し、減圧下に濃縮して16.9gの透明液状物を得
た。ガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的と
する2−ペンチン−1−オール メタンスルホネートの
収率は88%、純度は82.4%であった。
【0033】実施例2 2−ペンチン−1−オールの代わりに(Z)−3−ヘキ
セン−1−オール10g(0.1モル)用いる以外は実
施例1と同様に行い、(Z)−3−ヘキセン−1−オー
ル メタンスルホネート17.9g(収率97%、純度
96.5%)を得た。
【0034】実施例3 2−ペンチン−1−オールの代わりに3−ブチン−2−
オール7.0g(0.1モル)用いる以外は実施例1と
同様に行い、3−ブチン−2−オール メタンスルホネ
ート14.6g(収率96%、純度97.3%)を得
た。
【0035】比較例1〜3 実施例1同様にして、トリエチルアミンを添加しない
(比較例1)、飽和炭酸カリウム溶液の代わりに25%
水酸化ナトリウム水溶液30ml(0.188モル)使
用する(比較例2)、水を用いずに炭酸カリウム24g
(0.173モル)を使用する(比較例3)等の比較試
験を行った。比較例1では、殆ど反応が進まず、2−ペ
ンチン−1−オール メタンスルホネートの収率は0.
5%であった。比較例2では、目的物の収率59.4
%、純度79.4%であった。比較例3では、目的物の
収率70%、純度74.6%であった。
【0036】実施例4 実施例1で得られた2−ペンチン−1−オール メタン
スルホネート16.2gを、臭化アンモニウム11.3
g/テトラブチルアンモニウムブロマイド3.7g/水
21mlの混合系に添加し、50〜60℃で6時間反応
させた。反応終了後、水を加えて無機塩を溶解させ、塩
化メチレンを加え抽出を行った。有機層を水洗後、飽和
炭酸水素ナトリウムで洗浄し、常圧にて塩化メチレンを
濃縮し、その後減圧蒸留にて1−ブロモ−2−ペンチン
9.97g(収率80.4%、純度97.2%)を得
た。
【0037】
【発明の効果】本発明を実施することにより、従来収率
の悪かった不飽和アルコールからのスルホン酸エステル
化反応を大幅に改善出来、また得られる生成物が高純度
であるために、反応終了後に通常の抽出操作を行うこと
だけで次の反応に使用できる不飽和アルコールのスルホ
ン酸エステル及びハライド化合物を提供できる。本発明
の方法は、収率および選択性がともに優れた方法である
から、医薬、農薬等の合成で使用される、不安定なアル
コール類、水除去が困難なアルコール類等のスルホン酸
エステル及びハライド化合物の製造に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機−水二層溶媒系で炭素−炭素不飽和
    結合を有するアルコール類とスルホン酸ハライドを第3
    級アミン及び炭酸塩の存在下に反応させることを特徴と
    する不飽和スルホン酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 有機−水二層溶媒系で炭素−炭素不飽和
    結合を有するアルコールとスルホン酸ハライドを第3級
    アミン及び炭酸塩の存在下に反応させて得られる不飽和
    スルホン酸エステルを無機ハロゲン化物と反応させるこ
    とを特徴とする不飽和ハライド化合物の製造方法。
JP3596395A 1995-01-31 1995-01-31 不飽和スルホン酸エステルおよび不飽和ハライド化合物の製造方法 Pending JPH08208537A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9012385B2 (en) 2012-02-29 2015-04-21 Elevance Renewable Sciences, Inc. Terpene derived compounds
US9315748B2 (en) 2011-04-07 2016-04-19 Elevance Renewable Sciences, Inc. Cold flow additives
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