JPH08208530A - フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法 - Google Patents
フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法Info
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- JPH08208530A JPH08208530A JP3897895A JP3897895A JPH08208530A JP H08208530 A JPH08208530 A JP H08208530A JP 3897895 A JP3897895 A JP 3897895A JP 3897895 A JP3897895 A JP 3897895A JP H08208530 A JPH08208530 A JP H08208530A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】フタルイミド化合物のフタロイル基を効率よく
除去する。 【構成】フタロイル基で保護されたアミノ基を有する化
合物を、ヒドラジンと酸で処理することによりフタロイ
ル基を除去する方法。 【効果】フタロイル基を緩和な条件下で効率よく除去で
きるため、目的化合物を高収率でかつ安価に得ることが
できる。
除去する。 【構成】フタロイル基で保護されたアミノ基を有する化
合物を、ヒドラジンと酸で処理することによりフタロイ
ル基を除去する方法。 【効果】フタロイル基を緩和な条件下で効率よく除去で
きるため、目的化合物を高収率でかつ安価に得ることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ基の保護基の除
去方法に関する。芳香族基から低級アルキレン基を介し
てアミノ基を有する化合物は、医薬品またはその中間体
として有用な化合物である。このような化合物の例はき
わめて多数存在するけれども、例えば、式[II]
去方法に関する。芳香族基から低級アルキレン基を介し
てアミノ基を有する化合物は、医薬品またはその中間体
として有用な化合物である。このような化合物の例はき
わめて多数存在するけれども、例えば、式[II]
【化4】 [式中、Xは単結合、−O−、または直鎖もしくは分岐
低級アルキレン基を表し、COORは保護されたカルボ
キシル基を表す。]で示される化合物は、特開平7−2
855号公報に記載されたN−メチル−D−アスパラギ
ン酸型グルタミン酸受容体グリシン部位拮抗薬の中間体
などとして有用である。
低級アルキレン基を表し、COORは保護されたカルボ
キシル基を表す。]で示される化合物は、特開平7−2
855号公報に記載されたN−メチル−D−アスパラギ
ン酸型グルタミン酸受容体グリシン部位拮抗薬の中間体
などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】アミノ基を有する化合物の合成に際して
は、アミノ基が保護された中間体を用いて反応を進行さ
せる場合が多い。特に第一級アミノ基の選択的な保護基
として、またガブリエル(Gabriel)法において
は1段階でフタロイル保護アミノ基が得られることか
ら、フタロイル基はこのような目的でよく用いられるア
ミノ基の保護基の一つである。フタロイル基の除去方法
として、従来、例えば、(1)酸と加熱する方法、
(2)アルカリ加水分解後、酸で加水分解する方法、
(3)ヒドラジンの水溶液またはアルコール溶液で処理
する方法(J.Org.Chem.1978,43,2
320)、(4)フェニルヒドラジンおよび第三級アミ
ンと加熱する方法(Helv.Chim.Acta.1
952,35,2235)、(5)硫化ナトリウムで部
分加水分解後、DCCでフタルイソイミドを生成させた
後ヒドラジンで処理する方法(J.Am.Chem.S
oc.1975,97,5582)、(6)水素化ホウ
素ナトリウムで処理した後酢酸と加熱する方法(Tet
rahedron Lett.1984,25,209
3)、(7)メタノール中メチルアミンと加熱する方法
(Synthesis,1989,384)等が知られ
ている。しかしながら、酸に不安定なt−ブチルエステ
ル(例えば、後記式[Ia]においてR= tBtの化合
物)や還元条件に不安定なニトロ基等の不安定な構造を
有する化合物からフタロイル基を除去する場合、従来法
では、目的物が分解したりあるいはフタロイル基の除去
が不完全であったりするため収率が低く、また操作が煩
雑である等の難点があった。
は、アミノ基が保護された中間体を用いて反応を進行さ
せる場合が多い。特に第一級アミノ基の選択的な保護基
として、またガブリエル(Gabriel)法において
は1段階でフタロイル保護アミノ基が得られることか
ら、フタロイル基はこのような目的でよく用いられるア
ミノ基の保護基の一つである。フタロイル基の除去方法
として、従来、例えば、(1)酸と加熱する方法、
(2)アルカリ加水分解後、酸で加水分解する方法、
(3)ヒドラジンの水溶液またはアルコール溶液で処理
する方法(J.Org.Chem.1978,43,2
320)、(4)フェニルヒドラジンおよび第三級アミ
ンと加熱する方法(Helv.Chim.Acta.1
952,35,2235)、(5)硫化ナトリウムで部
分加水分解後、DCCでフタルイソイミドを生成させた
後ヒドラジンで処理する方法(J.Am.Chem.S
oc.1975,97,5582)、(6)水素化ホウ
素ナトリウムで処理した後酢酸と加熱する方法(Tet
rahedron Lett.1984,25,209
3)、(7)メタノール中メチルアミンと加熱する方法
(Synthesis,1989,384)等が知られ
ている。しかしながら、酸に不安定なt−ブチルエステ
ル(例えば、後記式[Ia]においてR= tBtの化合
物)や還元条件に不安定なニトロ基等の不安定な構造を
有する化合物からフタロイル基を除去する場合、従来法
では、目的物が分解したりあるいはフタロイル基の除去
が不完全であったりするため収率が低く、また操作が煩
雑である等の難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アミノ基の
保護基の新規な除去方法を提供するものである。さらに
詳しくは、フタロイル基で保護されたアミノ基を有する
化合物が、例えば、t−ブチルエステルやニトロ基等の
不安定な構造を有する化合物である場合でも、目的物の
分解を伴うことなく、保護基の除去を効率よく行うこと
ができる新規な方法を提供するものである。
保護基の新規な除去方法を提供するものである。さらに
詳しくは、フタロイル基で保護されたアミノ基を有する
化合物が、例えば、t−ブチルエステルやニトロ基等の
不安定な構造を有する化合物である場合でも、目的物の
分解を伴うことなく、保護基の除去を効率よく行うこと
ができる新規な方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、フタロ
イル基で保護されたアミノ基を有する化合物から保護基
を除去して対応するアミノ化合物を得るには、ヒドラジ
ンと触媒量の酸で処理することにより実施することがで
きる。本発明で用いる酸としては、強酸性または弱酸性
の有機酸または無機酸をいずれも使用することができ、
このような酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
酪酸等の低級アルカン酸、クエン酸等のヒドロキシ置換
低級アルカン酸、クロロ酢酸等のハロゲノ置換低級アル
カン酸、トリフルオロ酢酸等のトリハロゲノ低級アルカ
ン酸、安息香酸、サリチル酸等の無置換または置換安息
香酸、メタンスルホン酸等の低級アルカンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の低級
アルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい
ベンゼンスルホン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硫
酸、塩酸等の鉱酸等があげられる。
イル基で保護されたアミノ基を有する化合物から保護基
を除去して対応するアミノ化合物を得るには、ヒドラジ
ンと触媒量の酸で処理することにより実施することがで
きる。本発明で用いる酸としては、強酸性または弱酸性
の有機酸または無機酸をいずれも使用することができ、
このような酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
酪酸等の低級アルカン酸、クエン酸等のヒドロキシ置換
低級アルカン酸、クロロ酢酸等のハロゲノ置換低級アル
カン酸、トリフルオロ酢酸等のトリハロゲノ低級アルカ
ン酸、安息香酸、サリチル酸等の無置換または置換安息
香酸、メタンスルホン酸等の低級アルカンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の低級
アルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい
ベンゼンスルホン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硫
酸、塩酸等の鉱酸等があげられる。
【0005】酸は無水物の形であっても水和物の形であ
ってもよく、水溶液の形であってもよい。また、酸は、
例えば、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩のような塩
の形であってもよい。一方ヒドラジンについてもその無
水物の形であっても水和物の形であってもよく、水溶液
の形であってもよい。また、ヒドラジンと酸は、いかな
る形態でも使用できる。例えば、ヒドラジンと酸を混合
物として使用してもよく、あるいは、塩、複塩、錯体、
付加物等を含むこれら両成分で構成される化合物の形態
で用いてもよい。このような化合物の形態の例として
は、例えば、ヒドラジンとヒドラジン塩酸塩との混合
物、ヒドラジンとパラトルエンスルホン酸ピリジン塩と
の混合物などがあげられる。また、いかなる形態で使用
する場合であっても、ヒドラジンはフタロイル基を除去
しうるに足る量を使用すれば良く、通常原料化合物に対
し1.5〜10当量、とりわけ2〜6当量であるのが好
ましい。一方、酸の使用量は、使用する酸の酸性度にも
よるが、一般的にフタロイル基をヒドラジンが攻撃して
できる中間体をプロトン化できうる量を使用すれば良
く、通常原料化合物に対し0.01〜1当量、とりわけ
0.01〜0.5当量であるのが好ましい。
ってもよく、水溶液の形であってもよい。また、酸は、
例えば、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩のような塩
の形であってもよい。一方ヒドラジンについてもその無
水物の形であっても水和物の形であってもよく、水溶液
の形であってもよい。また、ヒドラジンと酸は、いかな
る形態でも使用できる。例えば、ヒドラジンと酸を混合
物として使用してもよく、あるいは、塩、複塩、錯体、
付加物等を含むこれら両成分で構成される化合物の形態
で用いてもよい。このような化合物の形態の例として
は、例えば、ヒドラジンとヒドラジン塩酸塩との混合
物、ヒドラジンとパラトルエンスルホン酸ピリジン塩と
の混合物などがあげられる。また、いかなる形態で使用
する場合であっても、ヒドラジンはフタロイル基を除去
しうるに足る量を使用すれば良く、通常原料化合物に対
し1.5〜10当量、とりわけ2〜6当量であるのが好
ましい。一方、酸の使用量は、使用する酸の酸性度にも
よるが、一般的にフタロイル基をヒドラジンが攻撃して
できる中間体をプロトン化できうる量を使用すれば良
く、通常原料化合物に対し0.01〜1当量、とりわけ
0.01〜0.5当量であるのが好ましい。
【0006】本発明の反応は、特に限定されないが溶媒
の存在下、0℃〜100℃、通常は20℃〜80℃の範
囲が適当である。溶媒としては、反応に不活性な溶媒で
あればいずれも使用することができ、とりわけ、極性溶
媒が好ましい。極性溶媒としては、例えば、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン等の有機溶媒か、またはこ
れらと水との混合溶媒があげられる。
の存在下、0℃〜100℃、通常は20℃〜80℃の範
囲が適当である。溶媒としては、反応に不活性な溶媒で
あればいずれも使用することができ、とりわけ、極性溶
媒が好ましい。極性溶媒としては、例えば、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン等の有機溶媒か、またはこ
れらと水との混合溶媒があげられる。
【0007】本発明方法により、例えば、無置換または
場合により置換されていてもよいN−アルキルフタルイ
ミド、N−アラルキルフタルイミド、N−アリールフタ
ルイミド等のフタルイミド化合物から、各々対応するア
ミノ化合物を得ることができる。例えば、一般式[I]
場合により置換されていてもよいN−アルキルフタルイ
ミド、N−アラルキルフタルイミド、N−アリールフタ
ルイミド等のフタルイミド化合物から、各々対応するア
ミノ化合物を得ることができる。例えば、一般式[I]
【0008】
【化5】 [式中、Aは場合により置換されていてもよい芳香族基
を表し、Alkは単結合または直鎖もしくは分岐低級ア
ルキレン基を表す。]で示される化合物をヒドラジンと
酸で処理することにより、一般式H2 N−Alk−A
[式中、AおよびAlkは前記と同じ意味を表す。]で
示されるアミノ化合物を得ることができる。
を表し、Alkは単結合または直鎖もしくは分岐低級ア
ルキレン基を表す。]で示される化合物をヒドラジンと
酸で処理することにより、一般式H2 N−Alk−A
[式中、AおよびAlkは前記と同じ意味を表す。]で
示されるアミノ化合物を得ることができる。
【0009】芳香族基はアリール基またはヘテロアリー
ル基であってよく、単環式、二環式または三環式の例が
あげられる。そのような芳香族基は、場合により例えば
1、2、3または4個の置換基を有していてもよい。ア
リール基としては(C6 〜C20)アリール基、例えばフ
ェニル、ナフチル、ビフェニルおよびビナフチル等があ
げられる。ヘテロアリール基としては(C1〜C9 )ヘ
テロアリール基、具体的にはフェニルまたはナフチル等
のアリール基の1個以上のCH基が窒素原子で置換され
ており、そして/またはその中の少なくとも2個の隣接
CH基が硫黄原子、酸素原子またはNH基で置換されて
5員の芳香族環を形成しているような(C1 〜C9 )ヘ
テロアリール基があげられる。好ましいヘテロアリール
基は下記のとおりである。
ル基であってよく、単環式、二環式または三環式の例が
あげられる。そのような芳香族基は、場合により例えば
1、2、3または4個の置換基を有していてもよい。ア
リール基としては(C6 〜C20)アリール基、例えばフ
ェニル、ナフチル、ビフェニルおよびビナフチル等があ
げられる。ヘテロアリール基としては(C1〜C9 )ヘ
テロアリール基、具体的にはフェニルまたはナフチル等
のアリール基の1個以上のCH基が窒素原子で置換され
ており、そして/またはその中の少なくとも2個の隣接
CH基が硫黄原子、酸素原子またはNH基で置換されて
5員の芳香族環を形成しているような(C1 〜C9 )ヘ
テロアリール基があげられる。好ましいヘテロアリール
基は下記のとおりである。
【0010】フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾ
リル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキ
サゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾ
リル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノ
リル、フタラジニル、キノキサニル、キナゾリニル、シ
ンノリニル、ベンゾチエニル、ピリダゾピリジル、ピリ
ダゾピリミジニル、ピリジノチエニルおよびイミダゾピ
リジル。特に好ましいAの例としては置換されていても
よいフェニル、ナフチルがあげられる。
リル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキ
サゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾ
リル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノ
リル、フタラジニル、キノキサニル、キナゾリニル、シ
ンノリニル、ベンゾチエニル、ピリダゾピリジル、ピリ
ダゾピリミジニル、ピリジノチエニルおよびイミダゾピ
リジル。特に好ましいAの例としては置換されていても
よいフェニル、ナフチルがあげられる。
【0011】適当な置換基は基本的には、それ自体ヒド
ラジンに感受性でない慣用の置換基全てである。このよ
うな置換基としては例えば、水酸基、低級アルキル基、
アミノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、メルカプト基、低級アルキルチ
オ基、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、チ
オカルバモイル基、スルファモイル基、カルバモイルオ
キシ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、アラルキルオキシカルボニル基、オキソ基、チオキ
ソ基、ハロゲノ基、ニトロ基、シクロアルキル基、アリ
ール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、置換ア
リール基(例えばハロゲンでモノ−またはジ−置換され
たフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、ピロリ
ジニル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリニル基、
ピリジル基等)、COOR1 で置換された直鎖または分
岐低級アルキル基、COOR1 で置換された直鎖または
分岐低級アルケニル基、COOR1 で置換された直鎖ま
たは分岐低級アルキルオキシ基およびCOOR1 で置換
された直鎖または分岐低級アルケニルオキシ基等があ
る。ここでR1 は水素原子またはカルボキシル基の保護
基を表す。
ラジンに感受性でない慣用の置換基全てである。このよ
うな置換基としては例えば、水酸基、低級アルキル基、
アミノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、メルカプト基、低級アルキルチ
オ基、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、チ
オカルバモイル基、スルファモイル基、カルバモイルオ
キシ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、アラルキルオキシカルボニル基、オキソ基、チオキ
ソ基、ハロゲノ基、ニトロ基、シクロアルキル基、アリ
ール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、置換ア
リール基(例えばハロゲンでモノ−またはジ−置換され
たフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、ピロリ
ジニル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリニル基、
ピリジル基等)、COOR1 で置換された直鎖または分
岐低級アルキル基、COOR1 で置換された直鎖または
分岐低級アルケニル基、COOR1 で置換された直鎖ま
たは分岐低級アルキルオキシ基およびCOOR1 で置換
された直鎖または分岐低級アルケニルオキシ基等があ
る。ここでR1 は水素原子またはカルボキシル基の保護
基を表す。
【0012】また、−COOR1 が保護されたカルボキ
シル基である場合、当該カルボキシル基の保護基として
は、例えば、医薬品のプロドラッグに使用しうる基かま
たは合成工程で除去しうる基等があげられる。プロドラ
ッグに使用しうる基としては、例えば生体内で代謝を受
け加水分解されるエステル残基等があげられ、このよう
な基としては、例えば、式−Z−OCOR2 、−Z−O
CO2 R2 または−Z−O−R2 (式中、Zは低級アル
キレン基を、R2 は低級アルキル基、シクロアルキル
基、低級アルケノイル基、低級アルコキシ低級アルキル
基または低級アルカノイルオキシ低級アルキル基を表
す。)で示される基があげられる。かかる基の具体例と
しては、例えば、低級アルカノイルオキシ低級アルキル
基、シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級アルケノイルオキシ低級アルキル基、低級アルコキ
シ低級アルカノイルオキシ低級アルキル基、低級アルカ
ノイルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低級アル
コキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ
低級アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級
アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル
オキシ低級アルキル基があげられる。一方、合成工程で
除去しうる基としては、例えば、低級アルキル基、低級
アルケニル基、ハロゲノ低級アルキル基、ニトロベンジ
ル基、低級アルコキシベンズヒドリル基があげられる。
シル基である場合、当該カルボキシル基の保護基として
は、例えば、医薬品のプロドラッグに使用しうる基かま
たは合成工程で除去しうる基等があげられる。プロドラ
ッグに使用しうる基としては、例えば生体内で代謝を受
け加水分解されるエステル残基等があげられ、このよう
な基としては、例えば、式−Z−OCOR2 、−Z−O
CO2 R2 または−Z−O−R2 (式中、Zは低級アル
キレン基を、R2 は低級アルキル基、シクロアルキル
基、低級アルケノイル基、低級アルコキシ低級アルキル
基または低級アルカノイルオキシ低級アルキル基を表
す。)で示される基があげられる。かかる基の具体例と
しては、例えば、低級アルカノイルオキシ低級アルキル
基、シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級アルケノイルオキシ低級アルキル基、低級アルコキ
シ低級アルカノイルオキシ低級アルキル基、低級アルカ
ノイルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低級アル
コキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ
低級アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級
アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル
オキシ低級アルキル基があげられる。一方、合成工程で
除去しうる基としては、例えば、低級アルキル基、低級
アルケニル基、ハロゲノ低級アルキル基、ニトロベンジ
ル基、低級アルコキシベンズヒドリル基があげられる。
【0013】本発明の方法がきわめて有用であると認め
られる原料化合物としては例えば、式[Ia]
られる原料化合物としては例えば、式[Ia]
【化6】 [式中、XおよびCOORは前記と同じ意味を表す。]
で示される化合物があげられる。当該カルボキシル基の
保護基としては、前記−COOR1 の場合と同様に、例
えば、医薬品のプロドラッグに使用しうる基かまたは合
成工程で除去しうる基等があげられる。上記式[Ia]
のフタロイル化合物からは、前記式[II]のアミノ化
合物を得ることができる。
で示される化合物があげられる。当該カルボキシル基の
保護基としては、前記−COOR1 の場合と同様に、例
えば、医薬品のプロドラッグに使用しうる基かまたは合
成工程で除去しうる基等があげられる。上記式[Ia]
のフタロイル化合物からは、前記式[II]のアミノ化
合物を得ることができる。
【0014】本発明において、低級アルキル基、低級ア
ルキレン基および低級アルコキシ基としては、炭素数1
〜6、とりわけ炭素数1〜4のものがあげられ、低級ア
ルカノイル基および低級アルケニル基としては、炭素数
2〜7、とりわけ炭素数2〜5のものがあげられ、低級
アルケノイル基およびシクロアルキル基としては、炭素
数3〜8、とりわけ炭素数3〜6のものがあげられ、低
級アルカン酸としては、炭素数1〜8、とりわけ炭素数
2〜5のものがあげられ、低級アルカンスルホン酸とし
ては、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4のものがあ
げられる。
ルキレン基および低級アルコキシ基としては、炭素数1
〜6、とりわけ炭素数1〜4のものがあげられ、低級ア
ルカノイル基および低級アルケニル基としては、炭素数
2〜7、とりわけ炭素数2〜5のものがあげられ、低級
アルケノイル基およびシクロアルキル基としては、炭素
数3〜8、とりわけ炭素数3〜6のものがあげられ、低
級アルカン酸としては、炭素数1〜8、とりわけ炭素数
2〜5のものがあげられ、低級アルカンスルホン酸とし
ては、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4のものがあ
げられる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、フタロイル基で保護さ
れたアミノ基を有する化合物が、例えば、ニトロ基、t
−ブチルエステル等の不安定な構造を有する化合物であ
る場合でも、フタロイル基を緩和な条件下で効率よく除
去できるため、当該化合物を分解することなく目的物を
高収率でかつ容易に得ることができる。従って、本発明
方法は、アミノ基の保護基の除去方法として、工業的に
有利な方法である。
れたアミノ基を有する化合物が、例えば、ニトロ基、t
−ブチルエステル等の不安定な構造を有する化合物であ
る場合でも、フタロイル基を緩和な条件下で効率よく除
去できるため、当該化合物を分解することなく目的物を
高収率でかつ容易に得ることができる。従って、本発明
方法は、アミノ基の保護基の除去方法として、工業的に
有利な方法である。
【0016】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 3−アミノメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチ
ルエステルの合成
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 3−アミノメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチ
ルエステルの合成
【化7】 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した2000ml
四つ口フラスコに、3−フタルイミドメチル−6−ニト
ロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル32.5g(7
8.8mmole)、パラトルエンスルホン酸一水和物
1.49g(7.83mmole)、60%ヒドラジン
水溶液26.28g(315mmole)およびテトラ
ヒドロフラン976gを加え、窒素雰囲気下、60℃で
5時間加熱撹拌して反応を行った。反応の初期にヒドラ
ジン付加物の生成が、また反応が進行するにつれてフタ
ル酸ヒドラジドの生成が確認された。室温まで冷却後、
トルエン486gおよび5%炭酸カリウム水溶液486
gを加えて撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を
水486gで洗浄した後、減圧濃縮して3−アミノメチ
ル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル2
2.2g(99.7%)を得た。
四つ口フラスコに、3−フタルイミドメチル−6−ニト
ロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル32.5g(7
8.8mmole)、パラトルエンスルホン酸一水和物
1.49g(7.83mmole)、60%ヒドラジン
水溶液26.28g(315mmole)およびテトラ
ヒドロフラン976gを加え、窒素雰囲気下、60℃で
5時間加熱撹拌して反応を行った。反応の初期にヒドラ
ジン付加物の生成が、また反応が進行するにつれてフタ
ル酸ヒドラジドの生成が確認された。室温まで冷却後、
トルエン486gおよび5%炭酸カリウム水溶液486
gを加えて撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を
水486gで洗浄した後、減圧濃縮して3−アミノメチ
ル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル2
2.2g(99.7%)を得た。
【0017】実施例2 3−アミノメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエス
テルの合成
テルの合成
【化8】 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−フタルイミドメチル−6−ニト
ロフェニル酢酸メチルエステル6.36g(18.0m
mole)、パラトルエンスルホン酸一水和物380m
g(2mmole)、ヒドラジン一水和物2.25g
(4.50mmole)およびテトラヒドロフラン35
0mlを加え、窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱撹拌
して反応を行った。反応の初期にヒドラジン付加物の生
成が、また反応が進行するにつれてフタル酸ヒドラジド
の生成が確認された。室温まで冷却後、酢酸エチル35
0ml、5%硫酸水素カリウム水溶液350mlを加え
分液した。さらに有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液
100mlで2回抽出した。水層を1つにまとめ炭酸カ
リウム27.5gを加え塩基性にした後、酢酸エチル−
テトラヒドロフラン(1:1)の混合液500mlで抽
出した。さらに酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1:
1)の混合液200mlで8回抽出を繰り返した。有機
層を一つにまとめ飽和食塩水486gで洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過を行い、減圧濃縮して
3−アミノメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエス
テル3.31g(82.4%)を得た。
四つ口フラスコに、3−フタルイミドメチル−6−ニト
ロフェニル酢酸メチルエステル6.36g(18.0m
mole)、パラトルエンスルホン酸一水和物380m
g(2mmole)、ヒドラジン一水和物2.25g
(4.50mmole)およびテトラヒドロフラン35
0mlを加え、窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱撹拌
して反応を行った。反応の初期にヒドラジン付加物の生
成が、また反応が進行するにつれてフタル酸ヒドラジド
の生成が確認された。室温まで冷却後、酢酸エチル35
0ml、5%硫酸水素カリウム水溶液350mlを加え
分液した。さらに有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液
100mlで2回抽出した。水層を1つにまとめ炭酸カ
リウム27.5gを加え塩基性にした後、酢酸エチル−
テトラヒドロフラン(1:1)の混合液500mlで抽
出した。さらに酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1:
1)の混合液200mlで8回抽出を繰り返した。有機
層を一つにまとめ飽和食塩水486gで洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過を行い、減圧濃縮して
3−アミノメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエス
テル3.31g(82.4%)を得た。
【0018】参考例1および2
【化9】
【0019】参考例1 3−ヒドロキシメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−
ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−ヒドロキシ−4−ニトロベンジ
ルアルコール16.9g(100mmole)、炭酸カ
リウム20.73g(150mmole)、ブロモ酢酸
t−ブチルエステル19.5g(98mmole)、酢
酸エチル150mlおよびアセトン210mlを加え、
窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱撹拌して反応を行っ
た。放冷後酢酸エチル130mlと水170mlを加え
て撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を飽和食塩
水170gで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過を行い、減圧濃縮して3−ヒドロキシメチル−
6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル27.0
3g(95.2%純度96.0%)を得た。このものは
特に精製せずに次の反応に用いた。
ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−ヒドロキシ−4−ニトロベンジ
ルアルコール16.9g(100mmole)、炭酸カ
リウム20.73g(150mmole)、ブロモ酢酸
t−ブチルエステル19.5g(98mmole)、酢
酸エチル150mlおよびアセトン210mlを加え、
窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱撹拌して反応を行っ
た。放冷後酢酸エチル130mlと水170mlを加え
て撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を飽和食塩
水170gで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過を行い、減圧濃縮して3−ヒドロキシメチル−
6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル27.0
3g(95.2%純度96.0%)を得た。このものは
特に精製せずに次の反応に用いた。
【0020】参考例2 (1)3−フタルイミドメチル−6−ニトロフェノキシ
酢酸t−ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−ヒドロキシ−6−ニトロフェノ
キシ酢酸t−ブチルエステル30.72g(108mm
ole)、トリエチルアミン13.18g(130mm
ole)およびトルエン307gを加え、撹拌しながら
窒素雰囲気下、5〜10℃で塩化メタンスルホニル1
3.65g(119mmole)をゆっくりと滴下し
た。滴下終了後さらに30分間5〜10℃で撹拌を続け
た。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液460gを加
え撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を水460
gついで飽和食塩水460gで洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濾過を行い、トルエンを減圧留去し
て3−メタンスルホニルオキシメチル−6−ニトロフェ
ノキシ酢酸t−ブチルエステルの濃トルエン溶液61g
を得た。
酢酸t−ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−ヒドロキシ−6−ニトロフェノ
キシ酢酸t−ブチルエステル30.72g(108mm
ole)、トリエチルアミン13.18g(130mm
ole)およびトルエン307gを加え、撹拌しながら
窒素雰囲気下、5〜10℃で塩化メタンスルホニル1
3.65g(119mmole)をゆっくりと滴下し
た。滴下終了後さらに30分間5〜10℃で撹拌を続け
た。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液460gを加
え撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を水460
gついで飽和食塩水460gで洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濾過を行い、トルエンを減圧留去し
て3−メタンスルホニルオキシメチル−6−ニトロフェ
ノキシ酢酸t−ブチルエステルの濃トルエン溶液61g
を得た。
【0021】(2)撹拌機、温度計および還流冷却管を
付した2000ml四つ口フラスコに、この3−メタン
スルホニルオキシメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t
−ブチルエステルの濃トルエン溶液61g、フタルイミ
ドカリウム19.84gおよびN,N−ジメチルホルム
アミド650gを加え、窒素雰囲気下35〜40℃にて
2時間撹拌した。その後トルエン650gおよび水65
0gを加え撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を
5%硫酸水素カリウム水溶液650gついで飽和食塩水
650gで洗浄した後、内温60℃以下でトルエンを約
480ml減圧留去した。撹拌しながらこの濃縮液にノ
ルマルヘキサン165gをゆっくりと加えるとスラリー
状の溶液が得られた。この溶液を撹拌しながら内温が5
0〜60℃になるまで加熱し、再結晶を行った。5℃ま
で冷却して30分撹拌した後に結晶を濾取し、50%ト
ルエン−ノルマルヘキサン溶液100gで洗浄した後、
減圧乾燥を行い3−フタルイミドメチル−6−ニトロフ
ェノキシ酢酸t−ブチルエステル37.72g(84.
7%純分97.2%)を得た。
付した2000ml四つ口フラスコに、この3−メタン
スルホニルオキシメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t
−ブチルエステルの濃トルエン溶液61g、フタルイミ
ドカリウム19.84gおよびN,N−ジメチルホルム
アミド650gを加え、窒素雰囲気下35〜40℃にて
2時間撹拌した。その後トルエン650gおよび水65
0gを加え撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を
5%硫酸水素カリウム水溶液650gついで飽和食塩水
650gで洗浄した後、内温60℃以下でトルエンを約
480ml減圧留去した。撹拌しながらこの濃縮液にノ
ルマルヘキサン165gをゆっくりと加えるとスラリー
状の溶液が得られた。この溶液を撹拌しながら内温が5
0〜60℃になるまで加熱し、再結晶を行った。5℃ま
で冷却して30分撹拌した後に結晶を濾取し、50%ト
ルエン−ノルマルヘキサン溶液100gで洗浄した後、
減圧乾燥を行い3−フタルイミドメチル−6−ニトロフ
ェノキシ酢酸t−ブチルエステル37.72g(84.
7%純分97.2%)を得た。
【0022】参考例3
【化10】 (1)3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニト
ロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した500ml四
つ口フラスコに、実施例1で得た3−アミノメチル−6
−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル22.2g
(78.6mmole)のトルエン溶液200gを加
え、窒素雰囲気下、撹拌しながら40℃以下でジ−t−
ブチルジカーボネート18.86g(86.4mmol
e)のトルエン溶液40gをゆっくりと滴下した。滴下
終了後更に30分間撹拌を続けた後、トルエン約160
gを内温60℃以下で減圧留去した。撹拌しながらこの
濃縮液にノルマルヘキサン135gをゆっくりと加える
とスラリー状の溶液が得られた。この溶液を撹拌しなが
ら内温が50〜60℃になるまで加熱し、再結晶を行っ
た。5℃まで冷却して30分撹拌した後に濾過を行い、
30%トルエン−ノルマルヘキサン溶液40gで洗浄し
た後、減圧乾燥を行い3−t−ブトキシカルバモイルメ
チル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル2
4.51g(81.5%)を得た。
ロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した500ml四
つ口フラスコに、実施例1で得た3−アミノメチル−6
−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル22.2g
(78.6mmole)のトルエン溶液200gを加
え、窒素雰囲気下、撹拌しながら40℃以下でジ−t−
ブチルジカーボネート18.86g(86.4mmol
e)のトルエン溶液40gをゆっくりと滴下した。滴下
終了後更に30分間撹拌を続けた後、トルエン約160
gを内温60℃以下で減圧留去した。撹拌しながらこの
濃縮液にノルマルヘキサン135gをゆっくりと加える
とスラリー状の溶液が得られた。この溶液を撹拌しなが
ら内温が50〜60℃になるまで加熱し、再結晶を行っ
た。5℃まで冷却して30分撹拌した後に濾過を行い、
30%トルエン−ノルマルヘキサン溶液40gで洗浄し
た後、減圧乾燥を行い3−t−ブトキシカルバモイルメ
チル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル2
4.51g(81.5%)を得た。
【0023】(2)3−t−ブトキシカルバモイルメチ
ル−6−アミノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル 窒素雰囲気下、酢酸エチル290gに、3−t−ブトキ
シカルバモイルメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−
ブチルエステル29g(75.8mmol)、10%パラジ
ウム炭素(吸湿品)2.9gを加え、反応容器内を水素
ガス置換した。20℃にて2時間撹拌後、反応容器内を
窒素ガス置換し触媒をセライト濾去した。触媒を酢酸エ
チル87gで洗浄後あわせた溶液を減圧下濃縮し、約1
16gの目的物を含む酢酸エチル溶液とした。この濃縮
液にヘキサン435gを加え、5℃まで冷却し、30分
間撹拌した後に濾過を行った。結晶を16%酢酸エチル
−ヘキサン溶液87gで洗浄した後、減圧乾燥を行うこ
とにより3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ア
ミノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル25.1gを得
た(収率94.0%)。
ル−6−アミノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル 窒素雰囲気下、酢酸エチル290gに、3−t−ブトキ
シカルバモイルメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−
ブチルエステル29g(75.8mmol)、10%パラジ
ウム炭素(吸湿品)2.9gを加え、反応容器内を水素
ガス置換した。20℃にて2時間撹拌後、反応容器内を
窒素ガス置換し触媒をセライト濾去した。触媒を酢酸エ
チル87gで洗浄後あわせた溶液を減圧下濃縮し、約1
16gの目的物を含む酢酸エチル溶液とした。この濃縮
液にヘキサン435gを加え、5℃まで冷却し、30分
間撹拌した後に濾過を行った。結晶を16%酢酸エチル
−ヘキサン溶液87gで洗浄した後、減圧乾燥を行うこ
とにより3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ア
ミノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル25.1gを得
た(収率94.0%)。
【0024】参考例4
【化11】 (1)3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニト
ロフェニル酢酸メチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した100ml四
つ口フラスコに、実施例2で得た3−アミノメチル−6
−ニトロフェニル酢酸メチルエステル2.75g(1
2.3mmole)のジクロロメタン溶液30mlを加
え、室温窒素雰囲気下、撹拌しながらジ−t−ブチルジ
カーボネート2.42g(11.1mmole)をゆっ
くりと加えた。30分間撹拌を続けた後、5%硫酸水素
カリウム水溶液35mlを加え分液した。有機層を水、
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過を行い、減圧濃縮して粗3−t−ブトキシカル
バモイルメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエステ
ル3.85gを得た。これをフラッシュシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(移動層ノルマルヘキサン:酢酸
エチル=4:1〜1:1)で精製して3−t−ブトキシ
カルバモイルメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエ
ステル3.11g(78.0%)を得た。
ロフェニル酢酸メチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した100ml四
つ口フラスコに、実施例2で得た3−アミノメチル−6
−ニトロフェニル酢酸メチルエステル2.75g(1
2.3mmole)のジクロロメタン溶液30mlを加
え、室温窒素雰囲気下、撹拌しながらジ−t−ブチルジ
カーボネート2.42g(11.1mmole)をゆっ
くりと加えた。30分間撹拌を続けた後、5%硫酸水素
カリウム水溶液35mlを加え分液した。有機層を水、
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過を行い、減圧濃縮して粗3−t−ブトキシカル
バモイルメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエステ
ル3.85gを得た。これをフラッシュシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(移動層ノルマルヘキサン:酢酸
エチル=4:1〜1:1)で精製して3−t−ブトキシ
カルバモイルメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエ
ステル3.11g(78.0%)を得た。
【0025】(2)3−t−ブトキシカルバモイルメチ
ル−6−アミノフェノキシ酢酸メチルエステル 3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニトロフェ
ニル酢酸メチルエステルを参考例3(2)と同様に処理
することにより、3−t−ブトキシカルバモイルメチル
−6−アミノフェノキシ酢酸メチルエステルを得ること
ができる。
ル−6−アミノフェノキシ酢酸メチルエステル 3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニトロフェ
ニル酢酸メチルエステルを参考例3(2)と同様に処理
することにより、3−t−ブトキシカルバモイルメチル
−6−アミノフェノキシ酢酸メチルエステルを得ること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/34 9450−4H
Claims (8)
- 【請求項1】 フタロイル基で保護されたアミノ基を有
する化合物をヒドラジンと酸で処理することにより、ア
ミノ化合物を得ることを特徴とする、フタロイル基の除
去方法。 - 【請求項2】 一般式[I] 【化1】 [式中、Aは場合により置換されていてもよい芳香族基
を表し、Alkは単結合または直鎖もしくは分岐低級ア
ルキレン基を表す。]で示されるフタロイル化合物をヒ
ドラジンと酸で処理することにより、一般式H2 N−A
lk−A[式中、AおよびAlkは前記と同じ意味を表
す。]で示されるアミノ化合物を得ることを特徴とす
る、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 Aが場合により1、2、3または4個の
置換基で置換されていてもよい単環式、二環式もしくは
三環式アリールまたはヘテロアリール基である請求項1
記載の方法。 - 【請求項4】 Aが場合により1、2、3または4個の
置換基で置換されていてもよいフェニル基である請求項
1記載の方法。 - 【請求項5】 Aが場合により1、2、3または4個の
置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、Al
kがメチレン基である請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 一般式[Ia] 【化2】 [式中、Xは単結合、−O−、または直鎖もしくは分岐
低級アルキレン基を表し、COORは保護されたカルボ
キシル基を表す。]で示されるフタロイル化合物をヒド
ラジンと酸で処理することにより、一般式[II] 【化3】 [式中、XおよびCOORは前記と同じ意味を表す。]
で示されるアミノ化合物を得ることを特徴とする、請求
項1記載の方法。 - 【請求項7】 酸が鉱酸、カルボン酸またはスルホン酸
である請求項1、2、3、4、5または6記載の方法。 - 【請求項8】 フタロイル基で保護されたアミノ基を有
する化合物を、有機溶媒中、ヒドラジンと触媒量のパラ
トルエンスルホン酸で処理することによりアミノ化合物
を得ることを特徴とするフタロイル基の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3897895A JPH08208530A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3897895A JPH08208530A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08208530A true JPH08208530A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=12540249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3897895A Pending JPH08208530A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08208530A (ja) |
-
1995
- 1995-02-03 JP JP3897895A patent/JPH08208530A/ja active Pending
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