JPH08208530A - フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法 - Google Patents

フタルイミド化合物のフタロイル基の除去方法

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JPH08208530A
JPH08208530A JP3897895A JP3897895A JPH08208530A JP H08208530 A JPH08208530 A JP H08208530A JP 3897895 A JP3897895 A JP 3897895A JP 3897895 A JP3897895 A JP 3897895A JP H08208530 A JPH08208530 A JP H08208530A
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JP
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acid
compound
phthaloyl
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JP3897895A
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Toru Takado
透 高堂
Tatsu Nagata
龍 永田
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フタルイミド化合物のフタロイル基を効率よく
除去する。 【構成】フタロイル基で保護されたアミノ基を有する化
合物を、ヒドラジンと酸で処理することによりフタロイ
ル基を除去する方法。 【効果】フタロイル基を緩和な条件下で効率よく除去で
きるため、目的化合物を高収率でかつ安価に得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ基の保護基の除
去方法に関する。芳香族基から低級アルキレン基を介し
てアミノ基を有する化合物は、医薬品またはその中間体
として有用な化合物である。このような化合物の例はき
わめて多数存在するけれども、例えば、式[II]
【化4】 [式中、Xは単結合、−O−、または直鎖もしくは分岐
低級アルキレン基を表し、COORは保護されたカルボ
キシル基を表す。]で示される化合物は、特開平7−2
855号公報に記載されたN−メチル−D−アスパラギ
ン酸型グルタミン酸受容体グリシン部位拮抗薬の中間体
などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】アミノ基を有する化合物の合成に際して
は、アミノ基が保護された中間体を用いて反応を進行さ
せる場合が多い。特に第一級アミノ基の選択的な保護基
として、またガブリエル(Gabriel)法において
は1段階でフタロイル保護アミノ基が得られることか
ら、フタロイル基はこのような目的でよく用いられるア
ミノ基の保護基の一つである。フタロイル基の除去方法
として、従来、例えば、(1)酸と加熱する方法、
(2)アルカリ加水分解後、酸で加水分解する方法、
(3)ヒドラジンの水溶液またはアルコール溶液で処理
する方法(J.Org.Chem.1978,43,2
320)、(4)フェニルヒドラジンおよび第三級アミ
ンと加熱する方法(Helv.Chim.Acta.1
952,35,2235)、(5)硫化ナトリウムで部
分加水分解後、DCCでフタルイソイミドを生成させた
後ヒドラジンで処理する方法(J.Am.Chem.S
oc.1975,97,5582)、(6)水素化ホウ
素ナトリウムで処理した後酢酸と加熱する方法(Tet
rahedron Lett.1984,25,209
3)、(7)メタノール中メチルアミンと加熱する方法
(Synthesis,1989,384)等が知られ
ている。しかしながら、酸に不安定なt−ブチルエステ
ル(例えば、後記式[Ia]においてR= tBtの化合
物)や還元条件に不安定なニトロ基等の不安定な構造を
有する化合物からフタロイル基を除去する場合、従来法
では、目的物が分解したりあるいはフタロイル基の除去
が不完全であったりするため収率が低く、また操作が煩
雑である等の難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アミノ基の
保護基の新規な除去方法を提供するものである。さらに
詳しくは、フタロイル基で保護されたアミノ基を有する
化合物が、例えば、t−ブチルエステルやニトロ基等の
不安定な構造を有する化合物である場合でも、目的物の
分解を伴うことなく、保護基の除去を効率よく行うこと
ができる新規な方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、フタロ
イル基で保護されたアミノ基を有する化合物から保護基
を除去して対応するアミノ化合物を得るには、ヒドラジ
ンと触媒量の酸で処理することにより実施することがで
きる。本発明で用いる酸としては、強酸性または弱酸性
の有機酸または無機酸をいずれも使用することができ、
このような酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
酪酸等の低級アルカン酸、クエン酸等のヒドロキシ置換
低級アルカン酸、クロロ酢酸等のハロゲノ置換低級アル
カン酸、トリフルオロ酢酸等のトリハロゲノ低級アルカ
ン酸、安息香酸、サリチル酸等の無置換または置換安息
香酸、メタンスルホン酸等の低級アルカンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の低級
アルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい
ベンゼンスルホン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硫
酸、塩酸等の鉱酸等があげられる。
【0005】酸は無水物の形であっても水和物の形であ
ってもよく、水溶液の形であってもよい。また、酸は、
例えば、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩のような塩
の形であってもよい。一方ヒドラジンについてもその無
水物の形であっても水和物の形であってもよく、水溶液
の形であってもよい。また、ヒドラジンと酸は、いかな
る形態でも使用できる。例えば、ヒドラジンと酸を混合
物として使用してもよく、あるいは、塩、複塩、錯体、
付加物等を含むこれら両成分で構成される化合物の形態
で用いてもよい。このような化合物の形態の例として
は、例えば、ヒドラジンとヒドラジン塩酸塩との混合
物、ヒドラジンとパラトルエンスルホン酸ピリジン塩と
の混合物などがあげられる。また、いかなる形態で使用
する場合であっても、ヒドラジンはフタロイル基を除去
しうるに足る量を使用すれば良く、通常原料化合物に対
し1.5〜10当量、とりわけ2〜6当量であるのが好
ましい。一方、酸の使用量は、使用する酸の酸性度にも
よるが、一般的にフタロイル基をヒドラジンが攻撃して
できる中間体をプロトン化できうる量を使用すれば良
く、通常原料化合物に対し0.01〜1当量、とりわけ
0.01〜0.5当量であるのが好ましい。
【0006】本発明の反応は、特に限定されないが溶媒
の存在下、0℃〜100℃、通常は20℃〜80℃の範
囲が適当である。溶媒としては、反応に不活性な溶媒で
あればいずれも使用することができ、とりわけ、極性溶
媒が好ましい。極性溶媒としては、例えば、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン等の有機溶媒か、またはこ
れらと水との混合溶媒があげられる。
【0007】本発明方法により、例えば、無置換または
場合により置換されていてもよいN−アルキルフタルイ
ミド、N−アラルキルフタルイミド、N−アリールフタ
ルイミド等のフタルイミド化合物から、各々対応するア
ミノ化合物を得ることができる。例えば、一般式[I]
【0008】
【化5】 [式中、Aは場合により置換されていてもよい芳香族基
を表し、Alkは単結合または直鎖もしくは分岐低級ア
ルキレン基を表す。]で示される化合物をヒドラジンと
酸で処理することにより、一般式H2 N−Alk−A
[式中、AおよびAlkは前記と同じ意味を表す。]で
示されるアミノ化合物を得ることができる。
【0009】芳香族基はアリール基またはヘテロアリー
ル基であってよく、単環式、二環式または三環式の例が
あげられる。そのような芳香族基は、場合により例えば
1、2、3または4個の置換基を有していてもよい。ア
リール基としては(C6 〜C20)アリール基、例えばフ
ェニル、ナフチル、ビフェニルおよびビナフチル等があ
げられる。ヘテロアリール基としては(C1〜C9 )ヘ
テロアリール基、具体的にはフェニルまたはナフチル等
のアリール基の1個以上のCH基が窒素原子で置換され
ており、そして/またはその中の少なくとも2個の隣接
CH基が硫黄原子、酸素原子またはNH基で置換されて
5員の芳香族環を形成しているような(C1 〜C9 )ヘ
テロアリール基があげられる。好ましいヘテロアリール
基は下記のとおりである。
【0010】フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾ
リル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキ
サゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾ
リル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノ
リル、フタラジニル、キノキサニル、キナゾリニル、シ
ンノリニル、ベンゾチエニル、ピリダゾピリジル、ピリ
ダゾピリミジニル、ピリジノチエニルおよびイミダゾピ
リジル。特に好ましいAの例としては置換されていても
よいフェニル、ナフチルがあげられる。
【0011】適当な置換基は基本的には、それ自体ヒド
ラジンに感受性でない慣用の置換基全てである。このよ
うな置換基としては例えば、水酸基、低級アルキル基、
アミノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、メルカプト基、低級アルキルチ
オ基、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、チ
オカルバモイル基、スルファモイル基、カルバモイルオ
キシ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、アラルキルオキシカルボニル基、オキソ基、チオキ
ソ基、ハロゲノ基、ニトロ基、シクロアルキル基、アリ
ール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、置換ア
リール基(例えばハロゲンでモノ−またはジ−置換され
たフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、ピロリ
ジニル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリニル基、
ピリジル基等)、COOR1 で置換された直鎖または分
岐低級アルキル基、COOR1 で置換された直鎖または
分岐低級アルケニル基、COOR1 で置換された直鎖ま
たは分岐低級アルキルオキシ基およびCOOR1 で置換
された直鎖または分岐低級アルケニルオキシ基等があ
る。ここでR1 は水素原子またはカルボキシル基の保護
基を表す。
【0012】また、−COOR1 が保護されたカルボキ
シル基である場合、当該カルボキシル基の保護基として
は、例えば、医薬品のプロドラッグに使用しうる基かま
たは合成工程で除去しうる基等があげられる。プロドラ
ッグに使用しうる基としては、例えば生体内で代謝を受
け加水分解されるエステル残基等があげられ、このよう
な基としては、例えば、式−Z−OCOR2 、−Z−O
CO2 2 または−Z−O−R2 (式中、Zは低級アル
キレン基を、R2 は低級アルキル基、シクロアルキル
基、低級アルケノイル基、低級アルコキシ低級アルキル
基または低級アルカノイルオキシ低級アルキル基を表
す。)で示される基があげられる。かかる基の具体例と
しては、例えば、低級アルカノイルオキシ低級アルキル
基、シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級アルケノイルオキシ低級アルキル基、低級アルコキ
シ低級アルカノイルオキシ低級アルキル基、低級アルカ
ノイルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低級アル
コキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ
低級アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級
アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル
オキシ低級アルキル基があげられる。一方、合成工程で
除去しうる基としては、例えば、低級アルキル基、低級
アルケニル基、ハロゲノ低級アルキル基、ニトロベンジ
ル基、低級アルコキシベンズヒドリル基があげられる。
【0013】本発明の方法がきわめて有用であると認め
られる原料化合物としては例えば、式[Ia]
【化6】 [式中、XおよびCOORは前記と同じ意味を表す。]
で示される化合物があげられる。当該カルボキシル基の
保護基としては、前記−COOR1 の場合と同様に、例
えば、医薬品のプロドラッグに使用しうる基かまたは合
成工程で除去しうる基等があげられる。上記式[Ia]
のフタロイル化合物からは、前記式[II]のアミノ化
合物を得ることができる。
【0014】本発明において、低級アルキル基、低級ア
ルキレン基および低級アルコキシ基としては、炭素数1
〜6、とりわけ炭素数1〜4のものがあげられ、低級ア
ルカノイル基および低級アルケニル基としては、炭素数
2〜7、とりわけ炭素数2〜5のものがあげられ、低級
アルケノイル基およびシクロアルキル基としては、炭素
数3〜8、とりわけ炭素数3〜6のものがあげられ、低
級アルカン酸としては、炭素数1〜8、とりわけ炭素数
2〜5のものがあげられ、低級アルカンスルホン酸とし
ては、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4のものがあ
げられる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、フタロイル基で保護さ
れたアミノ基を有する化合物が、例えば、ニトロ基、t
−ブチルエステル等の不安定な構造を有する化合物であ
る場合でも、フタロイル基を緩和な条件下で効率よく除
去できるため、当該化合物を分解することなく目的物を
高収率でかつ容易に得ることができる。従って、本発明
方法は、アミノ基の保護基の除去方法として、工業的に
有利な方法である。
【0016】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 3−アミノメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチ
ルエステルの合成
【化7】 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した2000ml
四つ口フラスコに、3−フタルイミドメチル−6−ニト
ロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル32.5g(7
8.8mmole)、パラトルエンスルホン酸一水和物
1.49g(7.83mmole)、60%ヒドラジン
水溶液26.28g(315mmole)およびテトラ
ヒドロフラン976gを加え、窒素雰囲気下、60℃で
5時間加熱撹拌して反応を行った。反応の初期にヒドラ
ジン付加物の生成が、また反応が進行するにつれてフタ
ル酸ヒドラジドの生成が確認された。室温まで冷却後、
トルエン486gおよび5%炭酸カリウム水溶液486
gを加えて撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を
水486gで洗浄した後、減圧濃縮して3−アミノメチ
ル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル2
2.2g(99.7%)を得た。
【0017】実施例2 3−アミノメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエス
テルの合成
【化8】 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−フタルイミドメチル−6−ニト
ロフェニル酢酸メチルエステル6.36g(18.0m
mole)、パラトルエンスルホン酸一水和物380m
g(2mmole)、ヒドラジン一水和物2.25g
(4.50mmole)およびテトラヒドロフラン35
0mlを加え、窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱撹拌
して反応を行った。反応の初期にヒドラジン付加物の生
成が、また反応が進行するにつれてフタル酸ヒドラジド
の生成が確認された。室温まで冷却後、酢酸エチル35
0ml、5%硫酸水素カリウム水溶液350mlを加え
分液した。さらに有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液
100mlで2回抽出した。水層を1つにまとめ炭酸カ
リウム27.5gを加え塩基性にした後、酢酸エチル−
テトラヒドロフラン(1:1)の混合液500mlで抽
出した。さらに酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1:
1)の混合液200mlで8回抽出を繰り返した。有機
層を一つにまとめ飽和食塩水486gで洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過を行い、減圧濃縮して
3−アミノメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエス
テル3.31g(82.4%)を得た。
【0018】参考例1および2
【化9】
【0019】参考例1 3−ヒドロキシメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−
ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−ヒドロキシ−4−ニトロベンジ
ルアルコール16.9g(100mmole)、炭酸カ
リウム20.73g(150mmole)、ブロモ酢酸
t−ブチルエステル19.5g(98mmole)、酢
酸エチル150mlおよびアセトン210mlを加え、
窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱撹拌して反応を行っ
た。放冷後酢酸エチル130mlと水170mlを加え
て撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を飽和食塩
水170gで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過を行い、減圧濃縮して3−ヒドロキシメチル−
6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル27.0
3g(95.2%純度96.0%)を得た。このものは
特に精製せずに次の反応に用いた。
【0020】参考例2 (1)3−フタルイミドメチル−6−ニトロフェノキシ
酢酸t−ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した1000ml
四つ口フラスコに、3−ヒドロキシ−6−ニトロフェノ
キシ酢酸t−ブチルエステル30.72g(108mm
ole)、トリエチルアミン13.18g(130mm
ole)およびトルエン307gを加え、撹拌しながら
窒素雰囲気下、5〜10℃で塩化メタンスルホニル1
3.65g(119mmole)をゆっくりと滴下し
た。滴下終了後さらに30分間5〜10℃で撹拌を続け
た。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液460gを加
え撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を水460
gついで飽和食塩水460gで洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濾過を行い、トルエンを減圧留去し
て3−メタンスルホニルオキシメチル−6−ニトロフェ
ノキシ酢酸t−ブチルエステルの濃トルエン溶液61g
を得た。
【0021】(2)撹拌機、温度計および還流冷却管を
付した2000ml四つ口フラスコに、この3−メタン
スルホニルオキシメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t
−ブチルエステルの濃トルエン溶液61g、フタルイミ
ドカリウム19.84gおよびN,N−ジメチルホルム
アミド650gを加え、窒素雰囲気下35〜40℃にて
2時間撹拌した。その後トルエン650gおよび水65
0gを加え撹拌した。水層と有機層を分液し、有機層を
5%硫酸水素カリウム水溶液650gついで飽和食塩水
650gで洗浄した後、内温60℃以下でトルエンを約
480ml減圧留去した。撹拌しながらこの濃縮液にノ
ルマルヘキサン165gをゆっくりと加えるとスラリー
状の溶液が得られた。この溶液を撹拌しながら内温が5
0〜60℃になるまで加熱し、再結晶を行った。5℃ま
で冷却して30分撹拌した後に結晶を濾取し、50%ト
ルエン−ノルマルヘキサン溶液100gで洗浄した後、
減圧乾燥を行い3−フタルイミドメチル−6−ニトロフ
ェノキシ酢酸t−ブチルエステル37.72g(84.
7%純分97.2%)を得た。
【0022】参考例3
【化10】 (1)3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニト
ロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した500ml四
つ口フラスコに、実施例1で得た3−アミノメチル−6
−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル22.2g
(78.6mmole)のトルエン溶液200gを加
え、窒素雰囲気下、撹拌しながら40℃以下でジ−t−
ブチルジカーボネート18.86g(86.4mmol
e)のトルエン溶液40gをゆっくりと滴下した。滴下
終了後更に30分間撹拌を続けた後、トルエン約160
gを内温60℃以下で減圧留去した。撹拌しながらこの
濃縮液にノルマルヘキサン135gをゆっくりと加える
とスラリー状の溶液が得られた。この溶液を撹拌しなが
ら内温が50〜60℃になるまで加熱し、再結晶を行っ
た。5℃まで冷却して30分撹拌した後に濾過を行い、
30%トルエン−ノルマルヘキサン溶液40gで洗浄し
た後、減圧乾燥を行い3−t−ブトキシカルバモイルメ
チル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−ブチルエステル2
4.51g(81.5%)を得た。
【0023】(2)3−t−ブトキシカルバモイルメチ
ル−6−アミノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル 窒素雰囲気下、酢酸エチル290gに、3−t−ブトキ
シカルバモイルメチル−6−ニトロフェノキシ酢酸t−
ブチルエステル29g(75.8mmol)、10%パラジ
ウム炭素(吸湿品)2.9gを加え、反応容器内を水素
ガス置換した。20℃にて2時間撹拌後、反応容器内を
窒素ガス置換し触媒をセライト濾去した。触媒を酢酸エ
チル87gで洗浄後あわせた溶液を減圧下濃縮し、約1
16gの目的物を含む酢酸エチル溶液とした。この濃縮
液にヘキサン435gを加え、5℃まで冷却し、30分
間撹拌した後に濾過を行った。結晶を16%酢酸エチル
−ヘキサン溶液87gで洗浄した後、減圧乾燥を行うこ
とにより3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ア
ミノフェノキシ酢酸t−ブチルエステル25.1gを得
た(収率94.0%)。
【0024】参考例4
【化11】 (1)3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニト
ロフェニル酢酸メチルエステル 撹拌機、温度計および還流冷却管を付した100ml四
つ口フラスコに、実施例2で得た3−アミノメチル−6
−ニトロフェニル酢酸メチルエステル2.75g(1
2.3mmole)のジクロロメタン溶液30mlを加
え、室温窒素雰囲気下、撹拌しながらジ−t−ブチルジ
カーボネート2.42g(11.1mmole)をゆっ
くりと加えた。30分間撹拌を続けた後、5%硫酸水素
カリウム水溶液35mlを加え分液した。有機層を水、
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、濾過を行い、減圧濃縮して粗3−t−ブトキシカル
バモイルメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエステ
ル3.85gを得た。これをフラッシュシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(移動層ノルマルヘキサン:酢酸
エチル=4:1〜1:1)で精製して3−t−ブトキシ
カルバモイルメチル−6−ニトロフェニル酢酸メチルエ
ステル3.11g(78.0%)を得た。
【0025】(2)3−t−ブトキシカルバモイルメチ
ル−6−アミノフェノキシ酢酸メチルエステル 3−t−ブトキシカルバモイルメチル−6−ニトロフェ
ニル酢酸メチルエステルを参考例3(2)と同様に処理
することにより、3−t−ブトキシカルバモイルメチル
−6−アミノフェノキシ酢酸メチルエステルを得ること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/34 9450−4H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタロイル基で保護されたアミノ基を有
    する化合物をヒドラジンと酸で処理することにより、ア
    ミノ化合物を得ることを特徴とする、フタロイル基の除
    去方法。
  2. 【請求項2】 一般式[I] 【化1】 [式中、Aは場合により置換されていてもよい芳香族基
    を表し、Alkは単結合または直鎖もしくは分岐低級ア
    ルキレン基を表す。]で示されるフタロイル化合物をヒ
    ドラジンと酸で処理することにより、一般式H2 N−A
    lk−A[式中、AおよびAlkは前記と同じ意味を表
    す。]で示されるアミノ化合物を得ることを特徴とす
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Aが場合により1、2、3または4個の
    置換基で置換されていてもよい単環式、二環式もしくは
    三環式アリールまたはヘテロアリール基である請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 Aが場合により1、2、3または4個の
    置換基で置換されていてもよいフェニル基である請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 Aが場合により1、2、3または4個の
    置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、Al
    kがメチレン基である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 一般式[Ia] 【化2】 [式中、Xは単結合、−O−、または直鎖もしくは分岐
    低級アルキレン基を表し、COORは保護されたカルボ
    キシル基を表す。]で示されるフタロイル化合物をヒド
    ラジンと酸で処理することにより、一般式[II] 【化3】 [式中、XおよびCOORは前記と同じ意味を表す。]
    で示されるアミノ化合物を得ることを特徴とする、請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 酸が鉱酸、カルボン酸またはスルホン酸
    である請求項1、2、3、4、5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 フタロイル基で保護されたアミノ基を有
    する化合物を、有機溶媒中、ヒドラジンと触媒量のパラ
    トルエンスルホン酸で処理することによりアミノ化合物
    を得ることを特徴とするフタロイル基の除去方法。
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