JPH0820660A - 微多孔膜及びその製造方法並びに非水電解液電池用セパレータ - Google Patents

微多孔膜及びその製造方法並びに非水電解液電池用セパレータ

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JPH0820660A
JPH0820660A JP6180607A JP18060794A JPH0820660A JP H0820660 A JPH0820660 A JP H0820660A JP 6180607 A JP6180607 A JP 6180607A JP 18060794 A JP18060794 A JP 18060794A JP H0820660 A JPH0820660 A JP H0820660A
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JP
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microporous membrane
polymer
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base polymer
low molecular
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JP6180607A
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Masafumi Eguchi
雅史 江口
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Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度上昇に対する応答性が高く、高温での厚
み方向の収縮率が高く、微細で均一な多孔構造を有し、
リチウム電池用セパレータ等として有用な微多孔膜を得
る。 【構成】 ポリプロピレン等の結晶性オレフィン系ベー
スポリマー100重量部に対して、特定の(1)ポリマ
ー又は(2)低分子量物質0.001〜5重量部を含む
フィルムを、室温付近程度の低温で延伸し、次いで加熱
下で一軸延伸して、微多孔膜を得る。ポリマー(1)に
は、ベースポリマーと同じ立体規則性を有する芳香族系
ポリマー、例えば、アイソタクチック又はシンジオタク
チックポリスチレン等が含まれる。低分子量物質(2)
には、例えばハロゲン原子、アルキル基、多価アルコー
ル等により変性された芳香族低分子量物質、例えば、ジ
ベンジリデンソルビトール等が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、リチウム電池
等の非水電解液電池用セパレータなどとして有用な微多
孔膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム等の軽金属を負極とする非水電
解液電池は、従来の鉛電池、ニッケル−カドミウム電池
に比べ2〜3倍の高いエネルギー密度を有し、自己放電
が少ないという利点を有している。そのため、これらの
非水電解液電池は、大電流用の一次、二次電池として注
目されている。
【0003】しかし、反応性の高いリチウム等を負極と
した電池は、非水系の電解液を用いなければならないた
め、イオンの移動速度が遅く、大電流を一度に取り出す
ことが困難である。そこで、正極と負極との対向面積を
大きくするため、両極間に微多孔膜をセパレータとして
介在させ、これを渦巻状にしたスパイラルタイプの電極
が採用されている。
【0004】この渦巻状電極体を備えた非水電解液電池
は、高エネルギー密度を有し、大電流を取り出すことが
できる。しかし、このような電池では、外部短絡によ
り、大きな短絡電流が流れてジュール熱が発生し、電池
内の温度が上昇する。そのため、電解液が蒸発したり、
負極の活物質と反応してガスを発生し、このガスにより
電池内の圧力が急上昇する虞れがある。そして、電池内
からガスが噴出したり、反応性の高いリチウムにより可
燃性の電解液に着火し、火災を起こすなどの危険性を有
している。
【0005】そこで、上述の火災や爆発の危険を回避す
るため、次のようなシャットダウン機構が採用されてい
る。すなわち、外部短絡による温度の異常上昇に伴い、
膜面積を保持して膜形状を維持しつつ、セパレータ中の
細孔が閉塞して無孔性となる機構である。このような機
構により、電気抵抗が増大し、電極間の電流量が減少し
て温度上昇が抑制され、火災や爆発等の危険が回避され
る。
【0006】このようなセパレータとして用いられる微
多孔膜には、シャットダウン機構として、外部短絡によ
る温度上昇に伴って、膜形状を維持しつつ、迅速に細孔
を閉塞し、両電極間を隔離して短絡を防止する性質(以
下、このような特性を総称してシャットダウン性とい
う)が必要となり、例えば、(i)細孔の孔径が小さ
く、均一であること、(ii)比較的低温で溶融軟化し
たり孔形状の変化によって細孔が閉塞すること、(ii
i)細孔の閉塞温度で、膜が融解せず、膜形状を維持し
つつ、隔膜としての機能を果たすこと等の種々の特性が
要求される。
【0007】しかし、従来からセパレータとして用いら
れているメルトブロー法で得られたポリオレフィンの不
織布では、十分小さい細孔を均一に持つ微多孔膜が得ら
れないため、未だ十分なシャットダウン性が得られず、
非水電解液電池用セパレータとしてに用いるには、安全
上好ましくない。
【0008】一方、特開平3−205433号公報に
は、ポリオレフィンなどのフィルムを、低温及び加熱下
で一軸方向に二段延伸する微多孔膜の製造法が開示され
ている。この方法では、結晶性無孔部とフィブリル状多
孔部とが延伸方向に繰返し並んでおり、微細で屈曲変形
性を有する微多孔膜が得られる。しかしこのような微多
孔膜は、個々の結晶性無孔部が大きいため、温度上昇に
伴う変形、例えば厚み方向への収縮が小さいだけでな
く、多孔部の孔の大きさも大きいため、微細孔を含む領
域の変形度が小さい。このため、温度上昇に対する応答
性、孔の閉塞性が小さく、細孔を迅速に閉塞できない。
【0009】また、特開昭60−242035号公報に
は、ポリエチレンに有機溶媒を加えてゲル状シートと
し、このシート中の溶媒を溶剤によって抽出除去する工
程と加熱延伸工程とを組み合わせた微多孔膜の製造方法
が開示されている。この方法で得られた膜は、膜を構成
する樹脂が、融点よりも比較的低い温度で軟化し、孔形
態が変化して孔が閉塞する。しかし、この方法では、ゲ
ル状シート中の有機溶媒を除去することにより、細孔を
形成しているので、均質な微細孔を得ることができな
い。更に、有機溶媒を除去、回収、再利用する工程が必
要となるので、操作が非常に繁雑であると共に、除去回
収等のための設備が必要となる。このため、コスト高に
なるとともに、大量生産に適用しにくい。
【0010】このように、従来の微多孔膜では、非水電
解液電池用セパレータとして必要なシャットダウン性が
未だ不十分であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、温度上昇に対する応答性が高く、細孔を円滑に閉塞
できる微多孔膜を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、微細な多孔質構造を
有し、厚み方向の収縮性が高く、細孔を円滑に閉塞でき
る微多孔膜を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、孔径が小さく、
しかも均一な細孔を有し、上記の様な特性がさらに改善
された微多孔膜を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、温度上昇に伴って生
じる短絡を迅速に防止する上で有用な非水電解液電池用
セパレータを提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、前記の様な優れた特
性を有する微多孔膜を簡便かつ効率よく製造できる方法
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微多孔膜
の組成に関して種々検討した結果、オレフィン系ベース
ポリマーに、特定のポリマー又は低分子量物質を添加す
ることにより、温度上昇に対する応答性が高く、また、
厚み方向の収縮性が高い微多孔膜が得られることを見い
だし、本発明に到達した。
【0017】すなわち、本発明は、結晶性オレフィン系
ベースポリマーと、(1)前記ベースポリマーと同じ立
体規則性を有する芳香族系ポリマー、又は(2)変性さ
れた芳香族系低分子量物質とを含み、延伸されている微
多孔膜を提供する。
【0018】前記微多孔膜は、例えば、非水電解液電池
用セパレータとして有用である。
【0019】このような微多孔膜は、例えば、結晶性オ
レフィン系ベースポリマーと、(1)特定の芳香族系ポ
リマー、又は(2)変性された芳香族系低分子量物質と
を含むフィルム又はシートを延伸することにより得られ
る。
【0020】本明細書において、「融点」とは、熱示差
走査熱量計(DSC)を用い、JIS K 7121に
規定する測定法に従って、10±1℃/分の昇温速度で
測定したときの融解ピーク温度(Tpm)を意味する。な
お、以下特に断らない限り、ベースポリマーの融点をT
mという。「フィルム」とは、当業者においてシートと
称されることのある実質的に平らな全ての構造物をも含
む意味に用いる。
【0021】ベースポリマーとしては、結晶性を有する
オレフィン系ポリマーを用いる。このようなオレフィン
系ポリマーとしては、オレフィンの単独重合体又はオレ
フィンを構成単位として含む共重合体が挙げられる。オ
レフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、4−メチルー1−ブテン、1−ペンテン、3
−メチルー1−ペンテン、4−メチルー1−ペンテン等
の炭素数2〜10程度のα−オレフィン;イソブテン等
の他のオレフィンが例示される。好ましいオレフィンに
は、炭素数2〜6程度のα−オレフィンが含まれる。こ
れらのオレフィンは一種又は二種以上用いることができ
る。
【0022】オレフィン系ポリマーは、結晶性が損なわ
れない範囲で、環状オレフィン、エチレン性不飽和カル
ボン酸又はその酸無水物若しくはそのエステルなどの共
重合性ビニルモノマーとの共重合体であってもよい。
【0023】オレフィン系ベースポリマーの重合度は、
通常、100〜100000、好ましくは3000〜5
0000程度である。
【0024】オレフィン系ポリマーのメルトインデック
スは、フィルム成形時の溶融押出温度において、通常
0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜50g
/10分程度である。
【0025】好ましいオレフィン系ポリマーには、炭素
数2〜4程度のα−オレフィンの単独又は共重合体が含
まれる。特に好ましいオレフィン系ポリマーには、エチ
レン、プロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体
等のエチレン又はプロピレンを構成単位として含む単独
又は共重合体、特にポリエチレン及びポリプロピレン、
中でもポリプロピレンが含まれる。
【0026】ポリプロピレンには、アイソタクチックポ
リプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等が
含まれる。好ましいポリプロピレンには、結晶性の良好
なアイソタクチックポリプロピレンが含まれる。
【0027】オレフィン系ベースポリマーを用いた微多
孔膜は、孔径が均一で、微細な孔を均質に形成できると
共に、有機溶媒、例えば、リチウム二次電池の電解液に
対する耐溶剤性に優れる。
【0028】オレフィン系ベースポリマーの融点(T
m)は、特に制限されないが、通常、70〜250℃、
好ましくは80〜200℃、より好ましくは、100〜
180℃程度である。ベースポリマーの融点が低すぎる
と、隔膜としての機能が低下し、前記融点が高すぎる
と、微多孔膜が軟化して細孔の閉塞温度が高くなり、細
孔を迅速に閉塞できなくなる。
【0029】本発明の微多孔膜は、前記結晶性オレフィ
ン系ベースポリマーと、特定のポリマー(1)又は低分
子量物質(2)とを組み合わせて用いる点に主たる特徴
を有する。前記ポリマー(1)又は低分子量物質(2)
によって、ベースポリマーの結晶化の際の過冷却度が減
少し、結晶の数が増大し、結晶が微細化する。従って、
このようなポリマー(1)又は低分子量物質(2)と、
オレフィン系ベースポリマーとを含む微多孔膜は、微細
な結晶構造に起因して、結晶質の無孔部を微細化でき
る。そのため、温度の上昇に対する応答性が高く、厚み
方向に収縮して、微細孔が大きく変形する。さらに、前
記微多孔膜は、細孔密度が高く、孔径が小さく均一な微
細孔を有しており、細孔を含む領域の変形が大きいの
で、温度上昇に伴い、ベースポリマーの融点未満の温度
で孔が迅速に閉塞する。このように、本発明の微多孔膜
は、温度の異常上昇に対する自己閉塞性が高い。従っ
て、本発明の微多孔膜を用いたセパレータは、外部短絡
時の温度上昇に伴い、迅速に細孔が閉塞し、膜構造を保
持しつつ、正負両極間を隔離することができ、シャット
ダウン性に優れる。
【0030】なお、前記芳香族系ポリマー(1)や芳香
族系低分子量物質(2)は、通常、オレフィン系ポリマ
ーの透明性を改善する有機系改質剤(透明性改質剤)で
ある場合が多い。
【0031】前記ポリマー(1)は、前記ベースポリマ
ーと同じ立体規則性を有する芳香族系ポリマーであれ
ば、特に限定されず、ベースポリマーの種類に応じて、
適宜選択できる。例えば、ベースポリマーの立体規則性
がアイソタクチック、シンジオタクチックの場合、ポリ
マー(1)としては、各々アイソタクチック、シンジオ
タクチックな立体規則性を有するものを用いればよい。
【0032】好ましい芳香族系ポリマー(1)には、ス
チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチ
レン系モノマーの重合体であるスチレン系ポリマー、例
えば、アイソタクチックポリスチレン、シンジオタクチ
ックポリスチレンなどが含まれる。スチレン系ポリマー
は、共重合可能なビニルモノマー(例えば、アクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸等のα,β−
モノオレフィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物或いは
そのエステル等)などとの共重合により変性されていて
もよい。これらの芳香族系ポリマー(1)は、一種又は
二種以上組み合わせて用いることができる。
【0033】このような芳香族系ポリマー(1)をベー
スポリマーに添加すると、両者の立体規則性に起因する
ためか、ベースポリマーが結晶化する際、結晶が微細化
し、結晶部及び多孔部が微細な微多孔膜を得ることがで
きる。
【0034】低分子量物質(2)は、ベースポリマーよ
りも低分子量の芳香族系物質であり、変性されている。
【0035】前記芳香族系低分子量物質(2)には、例
えば、芳香族炭化水素、芳香族カルボン酸又はその塩、
芳香族エーテル等が含まれる。
【0036】芳香族炭化水素には、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プ
ロピルベンゼン、クメン、スチレンオキサイド等のベン
ゼン環1個を有する炭化水素;ビフェニル、p−テルフ
ェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、スチ
ルベン等の、2個以上の独立したベンゼン環を有する炭
化水素;インデン、ナフタレン、ビフェニレン、インダ
セン、アセナフチレン、フルオレン、フェナントレン、
テトラリン、アントラセン、フルオランテン、トリフェ
ニレン、ピレン、クリセン等の縮合環を有する芳香族系
炭化水素、フェノール、レゾルシノール等のフェノール
性水酸基を有する芳香族系アルコールなどが含まれる。
【0037】芳香族カルボン酸には、例えば、安息香
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフトエ
酸、トルイル酸等が含まれる。前記芳香族カルボン酸の
塩には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カ
ルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、銅、
亜鉛、アルミニウム等の金属塩等が含まれる。
【0038】前記芳香族エーテル類としては、例えば、
アニソール、フェネトール、フェニルエーテル(ジフェ
ニルエーテル)、ベンジルエーテル、フェニルベンジル
エーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテ
ル等、特にフェニルエーテルが挙げられる。
【0039】芳香族系低分子量物質(2)は、変性され
ている。このように、変性された芳香族系低分子量物質
をオレフィン系ベースポリマーと組み合わせて用いるこ
とにより、ベースポリマーの結晶が微細化し、微細な結
晶性無孔部とフィブリル状多孔部とを有する微多孔膜を
得ることができる。
【0040】前記低分子量物質を変性させる成分(以
下、変性成分という)としては、特に限定されず、ベー
スポリマーの種類に応じて、適宜選択できる。好ましい
変性成分は、オレフィン系ベースポリマーと親和性を有
する成分である。
【0041】変性成分としては、例えば、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子を導入するためのハロ
ゲン化剤;アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t
−ブチル等の炭素数1〜4程度のアルキル基)を導入す
るためのアルキル化剤;ニトロ化試薬;アルコール類
(例えば、モノアルコール又は多価アルコール)等が挙
げられる。
【0042】前記モノアルコールによる変性は、炭素数
1〜10程度のモノアルコール(例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、i−プロパノール、n−ブ
タノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペン
タノール、i−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−
ヘプタノール、1−オクタノール等)を用い、芳香族カ
ルボン酸をエステル化することにより行うことができ
る。
【0043】前記多価アルコールには、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のアルキレング
リコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール;トレオース、エリ
トルロース、オリトロース、アラビノース、リブロー
ス、リボース、キシロース、キシルロース、リキソー
ス、グルコース、フルクトース、マンノース、イドー
ス、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガ
ラクトース、アロース、プシコース、アルトロース等の
単糖類や麦芽糖、ショ糖、ラクトースの糖類;グリセリ
ン、ポリグリセリン、ペンタエリトリトール等のポリア
ルコール;エリトリトール、トレイット、エリトリッ
ト、アラビット、アドニット、キシリトール、ソルビト
ール、マンニット、イジット、タリット、ガラクチッ
ト、アリット等の糖アルコール及びその誘導体;1,4
−ソルビタン、3,6−ソルビタン、1,5−ソルビタ
ン等のソルビトールの分子内脱水物等が含まれる。好ま
しい多価アルコールには、ポリアルキレングリコール
(例えば、トリエチレングリコール等)や糖アルコール
(例えば、ソルビトール等)などが含まれる。
【0044】好ましい変性成分には、ハロゲン化剤、ア
ルキル化剤、アルコール類(特に多価アルコール)等が
含まれる。これらの変性成分は、一種又は二種以上組み
合わせて用いることができる。
【0045】前記芳香族成分は、これらの変性成分によ
って、任意の位置で変性されていればよい。また、前記
構成成分と変性成分とで、例えば、環状トリエチレング
リコールテレフタレート等のように、環状エステル、環
状アセタールや環状ケタール等の環状化合物を形成して
いてもよい。
【0046】好ましい低分子量物質(2)には、ハロゲ
ン原子又はアルキル基で変性された芳香族エーテル(例
えば、ブロム化ビフェニールエーテル等)、ハロゲン原
子又はアルキル基で変性された芳香族カルボン酸の塩、
ポリアルキレングリコールで変性された芳香族カルボン
酸、糖アルコールで変性された芳香族炭化水素等が含ま
れる。特に好ましい低分子量物質(2)には、多価アル
コールで変性された芳香族炭化水素が含まれ、これらの
炭化水素は、さらにハロゲン原子又はアルキル基で変性
されていてもよい。前記変性芳香族炭化水素には、例え
ば、ハロゲン原子又はアルキル基で更に変性されていて
もよいジベンジリデンソルビトール、例えば、ジベンジ
リデンソルビトール;パラメチルジベンジリデンソルビ
トール、ジメチルジベンジリデンソルビトール、パラエ
チルジベンジリデンソルビトール、ジエチルジベンジリ
デンソルビトール、パラプロピルジベンジリデンソルビ
トール、ジプロピルジベンジリデンソルビトールなどの
アルキル変性ジベンジリデンソルビトール、パラクロロ
ジベンジリデンソルビトール、ジクロロジベンジリデン
ソルビトール、パラブロモジベンジリデンソルビトー
ル、ジブロモジベンジリデンソルビトールなどのハロゲ
ン変性ジベンジリデンソルビトール等が含まれる。
【0047】このような低分子量物質(2)をオレフィ
ン系ポリマーと組み合わせると、オレフィン系ポリマー
の結晶化の際、結晶が微細化し、結晶性無孔部及び多孔
部が微細な微多孔膜が得られる。
【0048】なお、本発明の微多孔膜において、前記ポ
リマー(1)と低分子量物質(2)とを組み合わせて、
ベースポリマーに添加してもよい。
【0049】好ましい微多孔膜には、オレフィン系ポリ
マーと、多価アルコールで変性された芳香族炭化水素と
を含有する微多孔膜が含まれる。このような微多孔膜
は、温度上昇に対する応答性が高く、厚み方向に収縮し
て、微細な孔が大きく変形する。また微細な結晶性無孔
部と多孔部とを有し、温度上昇に伴う自己閉塞性が高
く、細孔が円滑に閉塞し、優れたシャットダウン性を有
している。
【0050】前記ポリマー(1)及び低分子量物質
(2)の融点は、特に制限されない。ポリマー(1)及
び低分子量物質(2)は、通常、室温で固体である場合
が多い。
【0051】ポリマー(1)又は低分子量物質(2)の
添加量は、オレフィン系ベースポリマーや、ポリマー
(1)又は低分子量物質(2)の種類に応じて適宜選択
できるが、例えば、ベースポリマー100重量部に対し
て、通常、0.001〜5重量部、好ましくは0.00
5〜2重量部、より好ましくは0.01〜1重量部、特
に好ましくは0.05〜0.5重量部程度である。前記
添加量が少なすぎると、結晶がさほど微細化せず、前記
添加量が多すぎると、細孔の形成が阻害され易くなる。
【0052】本発明の微多孔膜は、その特性を損なわな
い範囲で、慣用の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、熱安定剤等の安定剤;充填剤;アンチブ
ロッキング剤;滑剤;帯電防止剤;着色剤;難燃剤など
を含有していてもよい。
【0053】本発明の微多孔膜の厚みは特に制限され
ず、用途等に応じて適宜選択できるが、通常、1〜50
μm、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜
30μm程度である。
【0054】本発明の微多孔膜は、均一に分布する微細
孔を有している。その微細孔は、成膜、延伸した際の、
延伸方向における平均細孔幅が、通常、0.01〜1.
0μm、好ましくは0.02〜0.7μm程度である。
前記平均細孔幅は、例えば、0.01〜0.2μm、好
ましくは0.01〜0.1μm、より好ましくは0.0
2〜0.06μm程度である場合が多い。延伸方向に対
して直交する方向における平均細孔径が、通常、0.0
05〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.1μm程
度であり、例えば、0.005〜0.05μm、好まし
くは0.01〜0.03μm程度である場合が多い。ま
た、本発明の微多孔膜は、微細な結晶構造を有してお
り、結晶性の微細な無孔部の平均径は、通常、0.00
5〜0.4μm、好ましくは0.01〜0.3μm程
度、例えば0.01〜0.2μm、より好ましくは0.
02〜0.1μm程度である。
【0055】また、本発明の微多孔膜は、ガーレー値
が、通常、10〜60秒/10cm3、好ましくは15
〜50秒/10cm3 、特に好ましくは25〜40秒/
10cm3 程度であり、空孔率が、通常20〜70%、
好ましくは30〜60%程度である。前記空孔率は、例
えば、20〜60%、好ましくは25〜50%、より好
ましくは30〜45%、特に好ましくは35〜40%程
度である場合が多い。また、本発明の微多孔膜は、細孔
を含む領域の変形性、屈曲性が高く、温度の上昇時に
は、孔の変形による閉塞がおきやすく、温度の異常上昇
にたいする自己閉塞性が高い。
【0056】なお、ガーレー値とは、膜を介して31c
m(12.2インチ)水柱の差圧を加えたときに、膜面
積6.45cm2 (1平方インチ)当たり10cm3
空気を、膜の一方の面から他方の面に通過させるのに要
する時間をいう。
【0057】本発明の微多孔膜は、高温での厚み方向へ
の収縮率が高いためか、温度上昇に対する応答性が高
い。本発明の微多孔膜において、膜面積を一定に保っ
て、高温、例えば、(Tm−30)℃〜(Tm−5)
℃、好ましくは(Tm−15)〜(Tm−5)℃の温度
に加熱したとき、厚み方向の収縮率が、通常1〜25
%、好ましくは3〜15%、より好ましくは5〜10%
程度である。
【0058】上記のように、本発明の微多孔膜は、微細
な構造を有しており、細孔の平均径が均一で小さいだけ
でなく、結晶性無孔部が微細である。このため、本発明
の微多孔膜は、加熱時の厚み方向の収縮率が高いため
か、温度上昇に対する応答性が高く、温度の上昇に伴
い、孔が大きく変形する。また、孔が微細であるので、
前記変形により迅速、円滑に閉塞する。このため、本発
明の微多孔膜は、シャットダウン性に優れ、例えば、電
池用セパレータ、特にリチウム二次電池等の非水電解液
電池用セパレータとして有用である。
【0059】本発明の微多孔膜は、結晶性オレフィン系
ベースポリマーと、前記ポリマー(1)又は低分子量物
質(2)とを含むフィルム又はシート(以下単にフィル
ムということがある。)を、延伸することにより得られ
る。
【0060】前記フィルムは、慣用の成膜方法、例え
ば、溶融押出成形法などにより得ることができる。
【0061】ベースポリマーとポリマー(1)又は低分
子量物質(2)とは、混合して押出機に供給し、押出機
内で溶融混練してもよく、ベースポリマーとポリマー
(1)又は低分子量物質(2)とを含む組成物を予め溶
融混練して得られるペレット等を、押出機に供給しても
よい。
【0062】溶融混練は、ベースポリマーの融点をTm
としたとき、例えば、(Tm+10)℃〜(Tm+10
0)℃程度の温度で行うことができる。
【0063】溶融押出成形による成膜は、Tダイ法、イ
ンフレーション法などのいずれの方法であってもよい。
溶融押出温度は、通常、(Tm+10)℃〜(Tm+7
0)℃、好ましくは(Tm+25)℃〜(Tm+50)
℃程度である。ダイから押出されたフィルム状溶融物
は、通常、巻き取り時のドラフト比[ダイリップから溶
融した樹脂が吐出される速度V1 に対する、フィルムの
巻き取り速度V2 の比(V2 /V1 )]10〜200、
好ましくは25〜180、より好ましくは50〜150
程度で引き取りつつ巻き取られ、均一なフィルムが得ら
れる。
【0064】前記フィルムは、慣用の延伸方法で延伸処
理することにより、微多孔膜とすることができる。な
お、延伸処理は、フィルムの引き取り方向と同じ方向に
一軸延伸するのが好ましい。また、延伸処理は、前記フ
ィルムを低温で延伸(以下、この工程を低温延伸とい
う)し、次いで加熱下で延伸(以下、この工程を高温延
伸という)するのが好ましい。このような延伸方法で
は、細孔密度が高く、細孔径が小さく均一な微多孔膜を
得ることができる。
【0065】低温延伸の温度は、通常、(Tm−50)
℃以下、好ましくは(Tm−200)℃〜(Tm−5
0)℃、より好ましくは(Tm−170)℃〜(Tm−
90)℃程度である。この低温延伸は、通常、−20℃
〜50℃、好ましくは0〜30℃程度の室温付近の温度
で行う場合が多い。 延伸倍率は、通常、1.2〜3.
0倍、好ましくは1.3〜2.5倍、より好ましくは
1.4〜2.0倍程度であり、延伸速度は、延伸前のフ
ィルムの長さを100%としたとき、通常10〜600
%/分、好ましくは20〜500%/分、より好ましく
は30〜400%/分程度である。
【0066】高温延伸では、延伸状態を保ったまま、フ
ィルムを、(Tm−50)℃〜(Tm−5)℃、好まし
くは(Tm−40)℃〜(Tm−5)℃、より好ましく
は(Tm−30)℃〜(Tm−5)℃程度の温度で、前
記延伸方向と同じ方向に一軸延伸する。延伸倍率は、通
常1.1〜3.0倍、好ましくは1.2〜2.5倍、よ
り好ましくは1.4〜2.0倍程度である。
【0067】前記低温延伸と高温延伸とを合わせた合計
の延伸倍率は、通常、1.4〜6.0倍、好ましくは
1.6〜3.0倍、より好ましくは2.0〜2.5倍程
度である。なお、低温延伸及び/又は高温延伸は、一段
で行っても、多段で行ってもよい。
【0068】前記高温延伸処理後に、熱固定処理によ
り、膜に形成された多孔構造を固定することが好まし
い。熱固定処理は、通常、(Tm−60)℃〜(Tm−
5)℃、好ましくは(Tm−50)℃〜(Tm−5)
℃、より好ましくは(Tm−30)℃〜(Tm−5)℃
程度の温度で行う。熱固定時間は、例えば、1分〜24
時間、好ましくは、5分〜2時間程度である。
【0069】上記のように、オレフィン系ベースポリマ
ーとポリマー(1)又は低分子量物質(2)とを含むフ
ィルムを延伸することによって、温度上昇に対する応答
性が高く、また、厚み方向の収縮が大きな微多孔膜を製
造できる。また、このような微多孔膜は、より微細な多
孔構造を有しており、温度上昇により細孔が迅速、円滑
に閉塞する。従って、本発明の製造方法によれば、成
膜、延伸という簡便な工程で、上記の様な優れた特性を
有する微多孔膜を、簡便かつ効率よく製造できる。
【0070】本発明の微多孔膜は、孔径が均一で小さい
微細な細孔を有し、浸透性に優れるので、例えば、各種
フィルタ、電解コンデンサ用隔膜、各種電池用セパレー
タ、透湿性衣料などの種々の用途に用いることができ
る。更に、本発明の微多孔膜は、温度上昇に対する応答
性が高く、また、高温での厚み方向の収縮率が高いため
か、温度上昇時に孔が大きく変形して迅速に閉塞するの
で、シャットダウン性に優れ、電池用セパレータ、特に
リチウム二次電池等の非水電解液電池用セパレータとし
て、好適に用いることができる。リチウム二次電池は、
例えば、正極活物質で構成された正極、炭素材等の負
極、リチウム塩を溶解した非水系溶媒からなる電解液、
本発明の微多孔膜からなるセパレータ等の電池構成要素
を用いて構成できる。
【0071】
【発明の効果】本発明の微多孔膜は、結晶性オレフィン
系ベースポリマーと、特定のポリマー又は低分子量物質
とを組み合わせているので、温度上昇に対する応答性が
高く、高温での厚み方向の収縮率が高く、また、孔径が
小さく、しかも均質な多孔構造を有している。このた
め、温度上昇時には、細孔が円滑に閉塞される。前記の
ような特性を有する本発明の微多孔膜を用いた非水電解
液電池用セパレータセパレータは、シャットダウン性に
優れ、温度上昇に伴って生じる短絡を迅速に防止するこ
とができる。
【0072】本発明の製造方法によれば、前記の様な優
れた特性を有する微多孔膜を、成膜、延伸という簡便な
工程で効率よく製造できる。
【0073】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0074】実施例 アイソタクチックポリプロピレン(メルトインデックス
値:1.2/10分、密度0.905g/cm3 ;T
m:約170℃)100重量部に対して、ジベンジリデ
ンソルビトール(ゲルオールMD、新日本理化(株)
製)0.2重量部を添加し、200℃で混練押出した。
混練した樹脂組成物を、押出温度200℃、Tダイ法に
より押出し、ドラフト比100で引き取り、フィルムを
得た。この未延伸フィルムを、押出方向と同一方向に、
延伸温度25℃、延伸倍率1.5倍で延伸して低温延伸
を行った。次いで延伸温度135℃、延伸倍率1.75
倍で前記低温延伸と同一方向に延伸して高温延伸を行っ
た。次いで、フィルムの延伸状態を保持しつつ145℃
で5分間熱固定を行い、厚み20μmの微多孔膜を得
た。得られた微多孔膜は、延伸方向における平均細孔幅
0.5μm、延伸方向に対して直交する方向における平
均細孔幅0.05μm、延伸方向における結晶性無孔部
の平均径0.25μm、ガーレー値43秒/10c
3 、空孔率58%であった。
【0075】比較例 ジベンジリデンソルビトールを添加することなく、実施
例と同様にして、微多孔膜を得た。
【0076】上記実施例及び比較例で得られた微多孔膜
について、高温での厚み方向での収縮率を測定した。測
定は、膜の四方を固定して、膜面積を一定にした状態
で、膜を145℃で5分間加熱し、加熱前後の膜の厚み
を測定することのより行った。結果を表に示す。なお、
収縮率=〔[(加熱前の膜厚)−(加熱後の膜厚)]/
(加熱前の膜厚)〕×100(%)である。
【0077】
【表1】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性オレフィン系ベースポリマーと、
    下記のポリマー(1)又は低分子量物質(2)とを含
    み、延伸されている微多孔膜。 (1)前記ベースポリマーと同じ立体規則性を有する芳
    香族系ポリマー、又は(2)変性された芳香族系低分子
    量物質
  2. 【請求項2】 前記低分子量物質(2)が、多価アルコ
    ールで変性された芳香族炭化水素である請求項1記載の
    微多孔膜。
  3. 【請求項3】 前記低分子量物質(2)が、さらにハロ
    ゲン原子又はアルキル基で変性されていてもよいジベン
    ジリデンソルビトールである請求項1記載の微多孔膜。
  4. 【請求項4】 ベースポリマー100重量部に対して、
    前記ポリマー(1)又は低分子量物質(2)0.001
    〜5重量部を含む請求項1記載の微多孔膜。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン100重量部に対して、
    アルキル基又はハロゲン原子を有していてもよいジベン
    ジリデンソルビトール0.005〜2重量部を含有する
    微多孔膜。
  6. 【請求項6】 延伸方向における平均細孔幅が0.01
    〜1.0μm、延伸方向に対して直交する方向における
    平均細孔幅が0.005〜0.5μm、延伸方向におけ
    る結晶性無孔部の平均径が0.005〜0.4μm、ガ
    ーレー値が10〜60秒/10cm3 、空孔率が20〜
    70%である請求項1記載の微多孔膜。
  7. 【請求項7】 ベースポリマーの融点をTmとしたとき
    に、(Tm−30)℃〜(Tm−5)℃における厚み方
    向の収縮率が1〜25%である請求項1記載の微多孔
    膜。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の微多孔膜からなる非水電
    解液電池用セパレータ。
  9. 【請求項9】 結晶性オレフィン系ベースポリマーと、
    下記のポリマー(1)又は低分子量物質(2)とを含む
    シート又はフィルムを、延伸する微多孔膜の製造方法。 (1)前記ベースポリマーと同じ立体規則性を有する芳
    香族系ポリマー、又は(2)変性された芳香族系低分子
    量物質
  10. 【請求項10】 前記ベースポリマーと、ポリマー
    (1)又は低分子量物質(2)とを含む組成物を組成物
    を溶融押出成形し、−20℃〜50℃の温度で、延伸倍
    率1.2〜3.0倍で一軸延伸し、次いで、ベースポリ
    マーの融点をTmとしたときに、(Tm−50)℃〜
    (Tm−5)℃の温度で、前記延伸方向と同一の方向に
    延伸倍率1.1〜3.0倍で延伸し、熱固定する請求項
    10記載の微多孔膜の製造方法。
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