JPH08206092A - Mri磁石用の渦電流のない磁極端およびその製造方法 - Google Patents
Mri磁石用の渦電流のない磁極端およびその製造方法Info
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Abstract
され、しかも渦電流の発生を除去できる廉価な静磁場磁
石の磁極端を提供することを目的とする。 【解決手段】 所望の磁極端部の直径Dよりも大きい直
径を有する強磁性材料の渦巻き状のコイル25が使用さ
れ、渦巻きの軸の中心23から外れている渦巻き上の位置
において静磁場磁石の磁極端32A,32Bが強磁性材料の
渦巻き状のスラッグから切取られて静磁場磁石の磁極端
が製造され、複数の電気的に分離されたアーク形の強磁
性材料の層27から構成されていることを特徴とする。
Description
グ領域において均一な磁場を発生するためにMRIシス
テムにおいて使用される磁気構造に関する。特に、本発
明は、磁気構造によって生じる渦電流の影響を減少する
ための特定の積層を有する静磁場磁石に関する。
システムおよびその動作の原理は、一般的に理解されて
いる。MRIシステムは、人間の体内の水素原子核等の
所定の原子核を磁場B0 の方向に整列する公称的に均一
である磁場B0 を生成するための静磁場磁石を含んでい
る。静磁場磁石は、2つの磁極端で構成されており、そ
れらは、MRIシステムのイメージング領域の向かい合
った各端部に1つずつ配置されている。磁極端は、超伝
導、抵抗性、または永久磁石駆動装置等の幾つかの異な
る種類の磁石駆動装置の1つによって駆動される。
静磁場磁石の磁極に近接して位置される傾斜磁場コイル
を含んでいる。静磁場磁石がイメージング領域において
均一の磁場B0 を生成し、その後、イメージング領域内
で3つの直交方向の1つに交互に傾斜磁場を誘起するこ
とによって磁場B0 を変化させることが理想的である。
これらの傾斜磁場によって、傾斜磁場における異なる場
所に位置された核は、イメージング領域内(従って、撮
像される物体内)におけるそれらの位置に依存して異な
る周波数で歳差運動される。従って、物体における核の
体積は、撮像される体内の所定の核の歳差運動における
差に基づいて視覚化されることができる。
し、特に、静磁場磁石の磁極端に関する。MRI装置に
おいて使用されることができる簡単な静磁場磁石の磁極
端は、強磁性材料の単層である。不都合なことに、強磁
性材料の単層等の、電気的に連続した強磁性材料の広い
領域は、傾斜磁場コイルを急速に切替えることによって
発生された磁場によって静磁場B0 が変化されたときに
比較的大きい渦電流を発生してしまう。特に、よく知ら
れているように、変化する磁場によって、導体材料の付
近に渦電流が誘起され、渦電流は、第1の場所において
渦電流を生成した変化する磁場とは反対方向の磁場を生
成する。MRIシステムの傾斜磁場コイルがオン状態に
切替えられたとき、傾斜磁場コイルを動作することによ
って生成されたイメージング領域中の磁場B0 における
変化は、静磁場磁石の磁極端等の導体材料において渦電
流を誘起する。
特に問題を生じ、その理由は、渦電流は、一度オン状態
に切替えられると、イメージング領域において適切な傾
斜磁場を生成するために傾斜磁場コイルによって必要と
される時間を遅らせるからである。傾斜磁場コイルに電
力を供給する電流源は、これらの渦電流を考慮してより
完全に近い傾斜磁場応答を与えるために、電力入力を過
駆動することによってMRIの設置期間中に調整される
ことができる。しかしながら、これは、MRIシステム
において設定するのに時間がかかる方法であり、得られ
る補償の程度に関して基本的な制限がある。MRIにお
いて、傾斜磁場コイルが活性化された後に有効な傾斜磁
場の生成を遅らせるような静磁場磁石の磁極端における
渦電流は特に不都合である。
いる電気的に連続した構造の関連する体積を減少するこ
とによって減少されることができる。例えば、静磁場磁
石の磁極を構成する電気的に連続した強磁性材料の単層
を有するMRIシステムは、傾斜磁場コイルの動作の期
間中に、比較的大きい渦電流を発生する可能性の高い電
気的に連続した体積の大きい材料を与える欠点がある。
体の使用が、電力変圧器およびMRI静磁場磁石の磁極
において渦電流を減少するために使用されてきた。これ
らの応用において、渦電流の流れを遮る方法で透磁性の
材料を多数の小さい絶縁された部分に分割することによ
って、これらの小さい部分において生成された渦電流
は、より大きい体積の電気的に連続した単一の材料から
生じる渦電流よりもかなり急速に消散することが認識さ
れる。電気的に分離された部分に分割される磁気材料の
例は、以下の文献において示されている。
米国特許第5,317,297号明細書(本願と同一人に譲渡さ
れる)において開示されており、この開示は、この明細
書で参照文献とされている。Kaufman によって、一連の
適切に絶縁された強磁性素子を直線状の形状に積重ね、
その後、積層されたシートを形成するようにその素子を
一緒に接着または接合することによって組立てられた静
磁場磁石の磁極端が開示されている。直線状に構成され
た素子を互いに直交しているそれぞれのシートに配置し
た後に2以上のそのようなシートが接着もしくは接合さ
れ、それによって強度および対称性が提供される。
によって製造される磁極もしくは磁気コアは、不都合な
ことに比較的大きい労力を必要とする。(60Hzの周
波数で使用するための)電力変圧器の設計の領域におい
て、電力変圧器のコアを製造するためのより費用効果的
な方法が開発されてきた。特に、透磁性の材料は、変圧
器のコアとして使用するために渦巻き形状に巻かれる。
これは、例えば、電気的に絶縁性の外部層を生成するた
めに強磁性材料のテープを酸に浸し、その後、テープを
渦巻き状に巻くことによって行われる。60Hzで動作
する電力変圧器のためにこれらの渦巻き形状のコアが効
果的に使用されてきたが、積層が渦電流通路を遮らない
場所においてそのような方法で使用されたときに、それ
らは渦電流の減少に関してあまり効果的ではない。
された積層から作られた静磁場磁石の磁極端は渦電流の
減少において効果的であるが、その製造コストは、渦巻
き形状と比較してかなり高い。反対に、渦巻き形状の強
磁性材料から作られた静磁場磁石の磁極端は、製造コス
トは安いが、MRIシステムにおいて実質的に渦電流を
排除することに関しては効果的でない。従って、誘起さ
れた渦電流を減少するために静磁場磁石の磁極端の能力
を維持または向上しつつ、積層された磁極端の製造コス
トと比較して静磁場磁石の磁極端の製造コストを減少す
ることが望ましい。
から製造され、従って、類似した直線状の積層静磁場磁
石の磁極端よりも製造コストが減少されているが、傾斜
磁場コイルによって生成された磁場における変化の期間
中に磁極端において発生される渦電流の効果を減少する
際に磁極端の効果を維持する静磁場磁石の磁極端を提供
することである。
によれば、所望された直径を有する静磁場磁石の磁極端
を切取るためのスラッグ(slug)として、所望された静
磁場磁石の磁極端部の直径よりも大きい直径を有する強
磁性材料の渦巻き状のコイルが使用される。渦巻きの軸
の中心から外れている渦巻き上の位置において、1以上
の静磁場磁石の磁極端が強磁性材料の渦巻き状のスラッ
グから切取られる。これによって、傾斜磁場コイルの切
替えによって生じた電流の流れを遮る少なくとも数個の
アーク形の電気的に絶縁された部分を有する静磁場磁石
の磁極端が生成され、従って、実質的に渦電流の大きさ
を減少させることができる。
渦巻き状のスラッグは、望ましい磁極端の直径のほぼ2
倍であり、2つの磁極端は、渦巻き状のスラッグから切
取られる。強度および対称性のために、2以上の磁極端
が積重ねられて一緒に接着され、単一の静磁場磁石の磁
極端を形成することもできる。別の実施例において、渦
巻き状のスラッグからの無駄な材料は、渦巻き状のスラ
ッグの直径を増加し、それから3以上の磁極端を切断す
ることによって減少されることができる。本発明によっ
て得られる目的および利点は、特に添付された図面に関
して以下の本発明の好ましい実施例の詳細な説明を注意
深く検討することによって理解される。
よって隔てられた上部支持体2 と下部支持体3 とを含ん
でいるMRIシステム1 を示している。上部支持体2
は、上部静磁場磁石装置10および上部傾斜磁場コイル装
置12を支持している。同様に、下部支持体3 は、下部静
磁場磁石装置11および下部傾斜磁場コイル装置13を支持
している。最後に、MRI装置は、送信コイル14のよう
な適切なRF送信コイルと、適切なRF受信コイルとを
含んでいる。
置されるイメージング領域15は、上部傾斜磁場コイル装
置12、下部傾斜磁場コイル装置13、および4つのポスト
4 乃至7 によって境界を定められた領域内にある。MR
I処理の期間中、被検体は、上部静磁場磁石装置10およ
び下部静磁場磁石装置11によって生成された静磁場内に
あるイメージング領域15に位置している。静磁場磁石装
置によって発生された磁場は、イメージング領域15内で
ほぼ均一であることが理想的である。その後、X,Y,
Z方向のそれぞれに傾斜磁場を発生するコイルを有する
傾斜磁場コイル装置12および13は、イメージング領域内
15において磁場を変化させる。磁場におけるこれらの変
化によって、上部静磁場磁石装置10および下部静磁場磁
石装置11の磁極端において渦電流が誘起され、第1の場
所において渦電流を生成した傾斜磁場と対向する磁場を
それら自体で生成する。
生された磁場H0 は、特に図2において示されている。
図2において、上部静磁場磁石装置10および下部静磁場
磁石装置11は、それぞれ上部傾斜磁場コイル装置12およ
び下部傾斜磁場コイル装置13に近接して配置されてい
る。静磁場磁石装置10および11は、イメージング領域15
においてほぼ均一である磁場H0 を理想的に生成する磁
極端を含んでいる。その後、傾斜磁場コイル装置12およ
び13は、迅速に連続的に活性化され、イメージング領域
15内で3つの直交方向に磁場を変化させる。
って、静磁場磁石装置10および11の磁極端において渦電
流を誘起することができる。渦電流の大きさ、および渦
電流によって発生された対向する磁力は、その時に動作
している傾斜磁場コイルによって誘起された磁場を一時
的に弱める。このように一時的に弱めることによって、
イメージング領域において適切な傾斜磁場を生成するた
めに必要な時間を遅延させ、撮像の期間中に(多数回
の)各傾斜磁場コイルのオン状態への切替えが生じる。
誘起された渦電流の問題は、(渦電流が誘起される)上
部および下部静磁場磁石装置10,11 が(渦電流を誘起す
る磁場が始まる)上部および下部傾斜磁場コイル装置1
2,13 に近接していることによって悪化する。
ージング領域15における磁場の生成は、図3に示されて
いる。図3(および後述の図6,9,10,および1
4)において、傾斜磁場コイルIG を通る電流に比例す
る電圧信号と、イメージング領域15における傾斜磁場コ
イルBG によって誘起された磁場に比例する電圧信号と
の間の関係が示されている。図3は、自由空間の空気
中、すなわち、傾斜磁場コイルの近傍に静磁場磁石装置
がない状態で傾斜磁場コイル電流に応答する磁場を示し
ている。図3において、曲線IG は、傾斜磁場コイルが
t=0でオン状態に切替えられた時間から傾斜磁場コイ
ルがt=約4ミリ秒でオフ状態に切替えられた時間まで
の傾斜磁場コイルにおける電流を示している。傾斜磁場
コイルによってイメージング領域15において誘起された
磁場BG もまた図3において示されている。図3におい
てグラフで説明されている装置中の傾斜磁場コイル装置
の近くの静磁場磁石は存在しないので、渦電流は発生さ
れず、また、イメージング領域15における磁場は、一般
的に傾斜磁場コイルにわたって電圧に追従している。
されるとき、静磁場磁石装置において誘起された渦電流
によって生じたイメージング領域15における磁場への影
響は、使用される静磁場磁石の種類に依存する。例え
ば、図4において、静磁場磁石10は、一方が他方の上部
に積層された2つの十分に近接した強磁性材料の磁極で
ある。図4に示されているような静磁場磁石、もしく
は、図4に示された2つの磁石とは異なる単層の強磁性
材料は、磁場を変化させると非常に大きい渦電流を発生
する。これは、図4の実施例における強磁性材料の層
が、渦電流が形成されるような大きく連続した強磁性材
料の地域を供給するために生じる。
強磁性構造を電気的に絶縁された素子に分割することに
よって減少されることができる。MRIシステムにおけ
る静磁場磁石装置10においてそれを行う1つの方法は、
図5に示されているように、一連の電気的に絶縁された
積層体20から静磁場磁石の磁極端30を構成することであ
る。図5において、強磁性材料の2つの層は積層されて
静磁場磁石装置10に組合わせられ、各層は幾つかの直線
状に配置された積層体で構成されている。MRIシステ
ムにおける使用に十分に耐える積層された棒状部材から
なる静磁場磁石装置は、米国特許出願第08/141,701号に
記載されている。
を使用すると、図6において示されているように傾斜磁
場コイル電圧に対する磁場応答は良好である。図6にお
いて、傾斜磁場コイルによってイメージング領域15にお
いて発生された磁場BG は、傾斜磁場コイルにわたって
電流IG に緊密に追従している。図5の積層された棒状
部材からなる構造を使用して、イメージング領域15にお
ける磁場BG の大きさは、それがパルス周期の残りの期
間中に傾斜磁場コイル電流に追従する前には0.5ミリ
秒以下の適度な遅れしか示さない。磁場BG の大きさは
また、MRI用として所望された0.5ミリ秒以内でそ
のピーク値の90%に到達する。しかしながら、残念な
ことに、積層された棒状部材からなる静磁場磁石の磁極
端30の製造は、比較的労働集約的であり、コストが高く
なる。
れているような、渦巻き状に巻かれた強磁性材料から作
られている。図7において、磁気コア31は、渦巻き形状
の多数の層16に巻かれたテープ14から作られている。実
施例において、テープ14は、酸に浸され、その後、渦巻
き状のそれぞれの巻線の間に電気絶縁性の層を生成する
ように渦巻き状に巻かれた強磁性材料の層を含む。その
代りに、電気絶縁性の接着剤がテープ14に関連して使用
され、それによって、渦巻きを一緒に固め、渦巻きの隣
接した巻線を電気的に絶縁する。
31の形態の静磁場磁石の磁極端は、磁極端31において発
生された渦電流が実質的に減少されるように、静磁場磁
石の磁極端10の全体積以内に電気絶縁境界を発生する。
しかしながら、実際にMRIシステムにおいて配置され
るとき、図7の磁気コア31の形態の静磁場磁石の磁極端
は、渦電流の抑制が不十分であることが認められる。
うな磁極端31が示されている。図8は、(渦巻き状の磁
極端31を組合わせた)上部静磁場磁石装置10および隣接
した上部傾斜磁場コイル装置12の装置を示している。図
8は、渦巻き状の静磁場磁石の磁極端31上に積重ねられ
たシム18を含んでおり、それぞれの傾斜磁場コイルはシ
ム18内に積重ねられている。それぞれの傾斜磁場コイル
は、1)X方向に直線状に増加する磁場を誘起する巻線
を有するX傾斜磁場コイル19と、2)Z方向に直線状に
増加する磁場を誘起する巻線を有するZ傾斜磁場コイル
20と、3)Y方向に直線状に増加する磁場を誘起する巻
線を有するY傾斜磁場コイル21とを含んでいる。
されているような静磁場磁石に使用された際に、傾斜磁
場コイルの動作の期間中にイメージング領域19において
生成された磁場が図9においてグラフで示されている。
ここにおいて、図3に示された曲線と対照的に、イメー
ジング領域15内の磁場は、単層の渦巻き状の強磁性静磁
場磁石の磁極端の存在によって著しく変化される。図9
に示されているように、傾斜磁場コイルの電流がそのピ
ーク値に到達したとき、イメージング領域15における磁
場は著しく弱まる。そのピーク値の90%を達成するた
めの応答時間は、MRIに対して0.5ミリ秒以下であ
ることが理想的である。図9に示されているように、渦
巻き状のコイルではこの目的を達成することはない。
れは、傾斜磁場コイルがそのパルス周期にあるときに単
層の静磁場磁石の磁極端31(図8参照)において誘起さ
れた渦電流によって生じる。磁極端において誘起された
渦電流は、傾斜磁場コイルによって生成された磁場に対
向し、従って、イメージング領域15における磁場を弱
め、傾斜磁場コイルのパルス周期の開始における磁場強
度の下降の原因となる。
する渦巻き状の静磁場磁石が使用されたとき、図9にお
いて示されているように磁場の応答時間はわずかに増大
する。2層の渦巻き状の静磁場磁石構造の特性は、図1
0においてグラフで示されている。しかしながら、ここ
において再び、イメージング領域15における磁場B
Gは、静磁場磁石における渦電流によって発生された対
向する磁場の結果として傾斜磁場コイルの電流IG を遅
らせる。
Iシステムにおける渦電流効果の減少(図9および10
において示されているように)に有効でない理由は、個
々の層16の環状の通路(図7参照)は一般的にMRI傾
斜磁場コイルによって誘起された渦電流通路に追従する
からであると考えられる。これは、図1および8に関連
して特に認められる。図1に示されているように、上部
静磁場磁石装置10および上部傾斜磁場コイル装置12は、
イメージング空間15上で互いに近接している。上部静磁
場磁石装置10は、適切な静磁場磁石の磁極端を含んでお
り、図8の場合、渦巻き状の磁極端31を含んでいる。そ
れぞれの傾斜磁場コイル、すなわち、X、Y、Z傾斜磁
場コイルのいずれかが付勢されたとき、傾斜磁場コイル
の付近の磁場における変化によって、傾斜磁場コイル19
乃至21に非常に近接している静磁場磁石の磁極端10にお
いて渦電流が誘起される。傾斜磁場コイルによって誘起
された電流の流れは、一般的に渦巻き状の巻線の環状の
通路に追従する。それぞれの巻線は電気的に連続してい
るので、渦電流は、渦電流を適切に抑制する程十分に、
電気的に絶縁された境界と交差していない。従って、図
8の静磁場磁石の磁極端10の渦巻きの中心23が、シム18
および傾斜磁場コイル19乃至21の装置の軸24と同一直線
上にあるときに、渦巻き状に巻かれた静磁場磁石の磁極
端31において誘起された渦電流を実質的に減少する効果
は貧弱である。
巻き状の静磁場磁石31(図8参照)の渦巻きの中心23を
移動させることによって、渦電流を消去する静磁場磁石
の磁極端31の能力が向上することが本発明の発明者によ
って認識された。これは、渦電流のインパルスに応答す
るために、装置の軸24に関する層16の幾何学的形状は渦
巻き状の磁石磁極端31には重要であるということを示し
ている。
れている。本発明のこの実施例は、渦巻き状に巻かれた
強磁性スラッグ25で始まる。スラッグ25は、図7に関し
て図示および説明された磁極31と類似している。上述の
ように、渦巻き状に巻かれたスラッグ25は、接合されて
積層された棒状部材から作られる類似した強磁性材料よ
りも簡単かつ廉価に製造することができる。静磁場磁石
の磁極端に必要な直径D以上にスラッグ25の渦巻き状の
巻線16の直径を増加させることによって、直径Dの静磁
場磁石の磁極32を磁極端32の中心が元のスラッグ25の渦
巻きの中心23から外された状態でスラッグ25から切断さ
れることができる。
つかの層16に巻かれた方位性のあるもしくは方位性のな
いシリコン鋼テープ14のスラッグ25が、静磁場磁石の磁
極装置に望ましい直径Dよりも大きい直径に形成され
る。一実施例において、テープの厚さは30ミルである
が、別の実施例において、テープは結果的な磁極端にお
ける層16の数が適切に渦電流を抑制するような任意の別
の厚さでもよい。渦巻き状のスラッグ25は渦巻きの中心
23を有しており、その周囲で層16が外側に向けて渦巻き
状になっている。その後、直径がDである静磁場磁石の
磁極端32は、元のスラッグ25から切断されるが、静磁場
磁石の磁極端32の中心はスラッグ25の渦巻きの中心23と
は一致しないように切断される。MRI装置において使
用される際に、図11のスラッグ25から切断された静磁
場磁石の磁極端32は、図7の静磁場磁石の磁極端31より
も低い渦電流生成を示す。
されている磁極端31と比較して改良されているが、図1
1の静磁場磁石の磁極端32は依然として静磁場磁石の磁
極端32の(図11に関して)左側の付近に幾つかの半密
閉ループを含んでいる。これらの半密閉ループは、元の
渦巻きの中心23の周囲で完全に回転するために磁極端32
において層16が電気的に連続している領域である。元の
スラッグ25の渦巻きの中心23の周囲の層16によって形成
された各ループがそれ自身で閉じられそうになる(しか
し、実際には閉じられない)ので、ループには“半密
閉”という言葉が使用される。これらの半密閉ループ
は、渦電流の発生を促進し続ける。従って、スラッグ25
から静磁場磁石の磁極端32を切断する好ましい方法は図
12に示されている。この実施例において、スラッグ25
は直径2Dを有し、それによって、2つの磁極端32A, 3
2Bは単一のスラッグ25から切断される。図11の静磁場
磁石の磁極端10のように、図12の静磁場磁石の磁極端
32A, 32Bは、スラッグ25の渦巻きの中心23とは一致しな
い中心を有している。実際に、図12の実施例におい
て、スラッグ25の渦巻きの中心23は静磁場磁石の磁極端
32A と32B との間の交差部分に位置しているので、静磁
場磁石の磁極端32A および32B のいずれも強磁性材料の
半密閉ループを含まない。図12に示されているよう
に、静磁場磁石の磁極端32A および32B のそれぞれは、
一般的に磁極端の一方の側から遠い位置の側に延在して
いる幾つかのアーク27を含んでいる。
て示されている。この装置において、上部(または下
部)静磁場磁石の磁極端10(図1参照)は、図12の静
磁場磁石の磁極端32A を含んでいる。図13に示されて
いるように、静磁場磁石の磁極端32A は、傾斜磁場コイ
ル装置12の装置の軸24と交差する磁極端の中心28を有し
ている。図10の装置のように、図13の傾斜磁場コイ
ル装置12は、静磁場磁石の磁極端32A に隣接したシム
18に配置されたX、Y、Z傾斜磁場コイル19乃至21を含
んでいる。しかしながら、図15において、静磁場磁石
の磁極端32A のアーク27は、装置の軸24の周囲、または
付近に半密閉ループを形成せず、その代りに、傾斜磁場
コイル19乃至21によって誘起された電流の流れを実質的
に阻止し、それによって、静磁場磁石の磁極端32A にお
ける渦電流の発生は、著しく抑制される。
を有する傾斜磁場コイルの特性は、図14においてグラ
フで示されている。図14において、傾斜磁場コイルに
よって生成された磁場BG は、実質的に傾斜磁場コイル
の電流IG に追従し、所望された0.5ミリ秒以内でそ
のピーク値の90%以上に到達する。
断するために、別の幾何学的形状が使用される。そのよ
うな例の1つは図15において示されており、そこにお
いて、3つの静磁場磁石の磁極端32C, 32D, 32E が設け
られており、そのそれぞれの直径Dの磁極端がスラッグ
25から切断されている。また、図12と同様に、図15
のスラッグ32C 乃至32E は半密閉ループを含まずアーク
27を含んでいる。図15の実施例は、磁極端32C 乃至32
E が取除かれたときに残されたスラッグ25からの余分な
材料を減少するという点で図12の実施例よりも有効で
ある。スラッグ25はまた、楕円形もしくは幾つかの別の
適切な幾何学的形状であってもよい。例えば、図17に
示すように、スラッグ25は、強磁性の棒状部材35の周囲
で強磁性テープの層16を巻き、その後、非円形スラッグ
25から2つの静磁場磁石の磁極端32A および32B を切断
することによって生成される。同様に、磁極端は、図1
1、12、15、17に示されているような円形もしく
は楕円形である必要はなく、特定の適用対象に必要とさ
れる任意の幾何学的形状にすることができる。
されているように、1つの静磁場磁石装置10における多
重層の静磁場磁石の磁極端32C, 32Dが提供される。強度
および対称性のために、層32C および32D は、2つの磁
極端32C および32D が一緒に接着または接合された際
に、元のスラッグ25の渦巻きの中心23に最も近い点30お
よび31(図15参照)が互いに関してθ=90°の角度
になるように互いに関して位置される。2つより多くの
付加的な層が静磁場磁石装置10に設けられる場合、それ
らは、図16に示されている層に加えて磁極端32C およ
び32D に関して90°で付加される。
えられている実施例に関連して説明されてきたが、本発
明は、開示された実施例に制限されないことが理解され
るべきであり、反対に、添付された請求の範囲の意図お
よび技術的範囲内に含まれた種々の変更および相当する
構成を含むことが意図される。
図。
磁場コイル装置の斜視図。
た磁場のグラフ図。
の磁極端の斜視図。
端の付近で傾斜磁場コイルによって誘起された磁場のグ
ラフ図。
の平面図。
石の磁極端および傾斜磁場コイル装置の斜視図。
傾斜磁場コイルによって誘起された磁場のグラフ図。
場コイルによって誘起された磁場のグラフ図。
および静磁場磁石の磁極端の平面図。
グおよび2つの静磁場磁石の磁極端の平面図。
用する傾斜磁場コイル装置の斜視図。
の付近の傾斜磁場コイルによって誘起された磁場のグラ
フ図。
グおよび3つの静磁場磁石の磁極端の平面図。
の磁極端の斜視図。
グおよび2つの静磁場磁石の磁極端の平面図。
体、4 …ポスト、5 …ポスト、6 …ポスト、7 …ポス
ト、10…上部静磁場磁石装置、11…下部静磁場磁石装
置、12…上部傾斜磁場コイル装置、13…下部傾斜磁場コ
イル装置、14…送信コイル、15…イメージング領域、
Claims (17)
- 【請求項1】 複数の電気的に分離されたアーク形の強
磁性材料の層を有する静磁場磁石の磁極端を具備してい
るMRIシステム。 - 【請求項2】 各分離された層は、ほぼ均一な曲率半径
を有している請求項1記載のMRIシステム。 - 【請求項3】 曲率半径は、一般的に静磁場磁石の磁極
端の一方の側の層から静磁場磁石の磁極端の遠い位置の
側の層へ増加している請求項2記載のMRIシステム。 - 【請求項4】 静磁場磁石の磁極端は、ほぼ円形である
請求項1記載のMRIシステム。 - 【請求項5】 MRIシステムは、周期的に動作して傾
斜磁場を生成する少なくとも1つの傾斜磁場コイルを含
み、 電気的に分離されたアーク形の強磁性材料の層は、傾斜
磁場コイルの動作の期間中に静磁場磁石の磁極端におい
て誘起された渦電流を抑制し、それによって、傾斜磁場
コイルの動作の後に0.5ミリ秒以内で90%の傾斜磁
場応答を可能にしている請求項1記載のMRIシステ
ム。 - 【請求項6】 静磁場磁石の磁極端は、半密閉ループを
含まない請求項1記載のMRI装置。 - 【請求項7】 静磁場磁石の磁極端は第1の複数の電気
的に分離されたアーク形の強磁性材料の層を具備してい
る第1の磁極端を含み、この第1の磁極端は第2の複数
の電気的に分離されたアーク形の強磁性材料の層を具備
している第2の磁極端に積重ねられて接着されている請
求項1記載のMRIシステム。 - 【請求項8】 電気的に分離された層は、約30ミルの
厚さのシリコン鋼の部分である請求項1記載のMRIシ
ステム。 - 【請求項9】 さらに、静磁場磁石の磁極端を含んでい
る静磁場磁石装置と、 静磁場磁石装置に接続され、静磁場磁石の磁極端に近接
した傾斜磁場コイルを含む傾斜磁場コイル装置とを具備
している請求項1記載のMRIシステム。 - 【請求項10】 傾斜磁場コイル装置は装置の軸に沿っ
て静磁場磁石装置に接続され、静磁場磁石の磁極端は装
置の軸の周囲に半密閉ループを有していない請求項9記
載のMRI装置。 - 【請求項11】 静磁場磁石の磁極端は装置の軸の付近
に半密閉ループを有しておらず、それによって、傾斜磁
場コイル装置における傾斜磁場コイルの動作は0.5ミ
リ秒以内に90%の傾斜磁場応答を達成する請求項10
記載のMRI装置。 - 【請求項12】 MRIシステムのための予め定められ
た寸法の静磁場磁石の磁極端を製造する方法において、 1)静磁場磁石の磁極端の予め定められた寸法よりも大
きいスラッグ寸法を有している渦巻き状のスラッグの電
気的に絶縁された層に強磁性テープを巻回し、 2)渦巻き状のスラッグから静磁場磁石の磁極端を切取
り、それによって、静磁場磁石の磁極端のほぼ中心を渦
巻き状のスラッグのほぼ中心から離す工程を具備してい
る製造方法。 - 【請求項13】 渦巻き状のスラッグおよび静磁場磁石
の磁極端は、ほぼ円形の形状であり、 渦巻き状のスラッグは直径Ds を有しており、静磁場磁
石の磁極端は直径Dpを有しており、そこにおいて、 Ds >Dp である請求項12記載の製造方法。 - 【請求項14】 前記工程2において、静磁場磁石の磁
極端を渦巻き状のスラッグから切取り、それによって、
静磁場磁石の磁極端は渦巻き状のスラッグの中心を含ま
なくする請求項12記載の製造方法。 - 【請求項15】 Ds >2Dp であり、 工程2において、2つの静磁場磁石の磁極端を渦巻き状
のスラッグから切取る工程を含んでいる請求項13記載
の製造方法。 - 【請求項16】 静磁場磁石の磁極端は、工程2の期間
中に渦巻き状のスラッグのほぼ中心に最も近い方位点を
それぞれ含んでおり、さらに、 3)静磁場磁石の磁極端上のそれぞれの方位点が互いに
関して約90°離れるように2つの静磁場磁石の磁極端
を共に方位を定めて積重ね、 4)2つの静磁場磁石の磁極端を接着することを含んで
いる請求項15記載の製造方法。 - 【請求項17】 前記工程1は、強磁性テープを渦巻き
状の楕円形のスラッグに巻く工程を含んでいる請求項1
2記載の製造方法。
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