JPH0820492A - クレーンブーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クレーンフロントとしてのジブや補助ジブを
装着した場合でも、それらのフロントを損傷することな
くクレーンブームを接地できると共に、フック過巻防止
装置と干渉することのないブームレストを備えたクレー
ンブームを提供することを目的とする。 【構成】 クレーンブーム１の先端部にはガイド３が固
定されており、ガイド３にはブームレスト２を取付ける
ピン穴３ａが設けられている。該ガイド３に沿って上下
に摺動自在になるようにブームレスト２が取付けられ
る。該ブームレスト２にはガイド穴２ａと、該ガイド穴
２ａの長手方向に平行に複数の位置決めピン穴２ｂとが
設けられ、ピン穴３ａとピン穴２ｂとを合わせてピン４
を挿入することにより、ガイド３にブームレスト２がセ
ット位置と格納位置とに選択的に支持されるようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、クレーンブームの先
端部を接地させてブームの分解やブーム先端部の整備、
調整を行うためのブームレストを備えたクレーンブーム
に係り、特に補助ジブ等のクレーンフロントを装着した
時のブームレストに関する。

【０００２】

【従来の技術】クレーンブームを分解する際、またはブ
ーム先端部の各部を整備、調整する際には、通常、クレ
ーンブームを倒しその先端部を接地させて行っている。
その際ブーム先端部に設けられているポイントシーブの
ロープガイド部が接地するが、地面の状態によってはこ
のロープガイドを破損する恐れがある。これを防止する
手段として、従来はブームの下側に当て木をしたり、前
記ロープガイドより先に接地するブームレストを固定的
に設けていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】クレーンブームの先端
部にクレーンフロントとしてのジブや補助ジブを装着し
た場合、クレーンブームを倒してゆくと、前記したロー
プガイドまたはブームレストより先にジブや補助ジブが
接地し、それらを損傷する恐れがあった。また、前記ブ
ームレストが先に接地するようにブームレストの長さを
ジブや補助ジブの大きさより長く設定すると、フック過
巻防止装置に干渉してしまうという問題があった。

【０００４】この発明は、クレーンフロントとしてのジ
ブや補助ジブを装着した場合でも、それらのフロントを
損傷することなくクレーンブームを接地できると共に、
フック過巻防止装置と干渉することのないブームレスト
を備えたクレーンブームを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明のブームレスト
の可動手段として、ブーム先端部にガイドを設け、前記
ブームレストを該ガイドに沿って摺動するように構成す
る。ブームレストには長さ調整手段としての複数個の位
置決め用穴が設けられ、ピン等によってガイドに支持さ
れる構造とし、クレーンフロントの組合せ状態に応じて
ブームレストの長さを調節できるようになっている。ま
たブームレストの別の可動手段として、ブームレストを
クレーンブームの先端部に回動するように構成し、セッ
ト位置とブーム側への格納位置とにピン等によって支持
するようにしても良い。

【０００６】

【作用】この発明のブームレストは、クレーンブームの
先端部に設けられたガイドに沿って摺動するように構成
し、長さ調整手段を有しているので、通常のクレーン作
業時には、ガイドに沿ってブームレストを収縮させ格納
位置にピン等によって支持する。また、クレーンフロン
トを装着したクレーンブームを接地させるときには、ガ
イドに沿ってブームレストを伸長させクレーンフロント
の組合せ状態に応じてブームレストの長さを調節する。

【０００７】また、ブームレストをクレーンフロントの
組合せ状態に応じた長さに設定し、そのブームレストを
クレーンブームの先端部に回動するように構成し、通常
のクレーン作業時には、ブームレストをブーム側への格
納位置に回動させピン等によって支持する。また、クレ
ーンフロントを装着したクレーンブームを接地させると
きには、ブームレストをセット位置に回動させピン等に
よって支持する。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１乃至図４に
より説明する。図１はブームレスとを備えたクレーンブ
ーム先端部の側面図、図２は図１のＡ−Ａ矢視拡大断面
図、図３はクレーンフロントを装着したときのクレーン
ブーム接地時を示す全体側面図、図４はクレーンフロン
トを装着したときのクレーン作業姿勢を示す全体側面図
である。

【０００９】図４において、クレーンブーム１の先端部
のポイントシーブには主巻上ロープ１２を介して主フッ
ク１１が吊り下げられている。また主巻上ロープ１２に
はクレーンブーム１に取付けられている主フック過巻防
止装置１０が通っている。一方クレーンフロントである
補助ジブ５のシーブには補巻上ロープ９を介して補フッ
ク８が吊り下げられている。また補巻上ロープ９には補
助ジブ５に取付けられている補フック過巻防止装置７が
通っている。

【００１０】クレーン本体６とクレーンブーム１と前記
補助ジブ５とにより構成されるクレーンにおいて、図２
に示すようにクレーンブーム１の先端部側板には、２枚
のガイド板からなるガイド３が溶接により固定されてお
り、ガイド３にはブームレスト２を取付けるピン穴３ａ
が設けられている。該ガイド３に沿って上下に摺動自在
になるようにブームレスト２が取付けられる。該ブーム
レスト２にはガイド穴としての長穴２ａと、長穴２ａの
長手方向に平行に複数の位置決めピン穴２ｂとが設けら
れ、ピン穴３ａとピン穴２ｂとを合わせてピン４を挿入
することにより、ガイド３にブームレスト２がセット位
置と格納位置とに選択的に支持されるようになってい
る。このように構成したブームレストが、図示しないが
クレーンブーム１の先端部両側に一対設けられている。
図２は、ガイド３に対してブームレスト２を伸長させピ
ン４によりセット位置に支持させた状態を示している。

【００１１】通常のクレーン作業時には、前記ブームレ
スト２の位置決めピン穴２ｂの一番下側のピン穴にガイ
ド３のピン穴３ａを合わせてピン４を挿入し、ブームレ
スト２をガイド３に支持させる。このブームレスト２の
格納状態を図４に示す。このようにすれば、ブームレス
ト２はクレーンブーム１に対する突出部が最小となり、
前記補フック過巻防止装置７や主巻上ロープ１２に干渉
することもなく、安全に作業を行うことができる。

【００１２】クレーンフロントである補助ジブ５を接地
させる際には、補助ジブ５の下面が地面から若干浮いた
状態にクレーンブーム１を倒し、前記位置決めピン穴２
ｂ側のピン４を抜く。するとブームレスト２はガイド穴
２ａ側のピン４が挿入されているため、ガイド３から外
れることなくガイド３に沿って上下に摺動自在な状態と
なる。そこで前記補助ジブ５よりも先に接地する長さま
でブームレスト２を下げ、一番上側の位置決め用ピン穴
２ｂをガイド３のピン穴３ａに合わせてピン４を挿入
し、ブームレスト２をガイド３に支持させる。このブー
ムレスト２のセット状態を図２及び図３に示す。このよ
うにすれば、クレーン作業時よりもブームレスト２のク
レーンブーム１に対する突出部が長くなり、補助ジブ５
より先に接地することができ、補助ジブ５を損傷させる
こともない。

【００１３】上記した実施例において、２枚のガイド板
からなるガイド３を角形または丸形ボックス構造にすれ
ば、それに摺動するブームレストの倒れをガイドの内周
面でとることができ、ガイド穴２ａを不要にすることが
できる。また、ピン穴２ｂは補助ジブ５の大きさに応じ
たセット位置と格納位置との２カ所に設ければよいが、
クレーンフロントの組合せ状態に応じて複数箇所設けて
も良い。さらに、補助ジブ５を装着しないクレーン作業
時に対応させた中間位置を設定しても良いことは言うま
でもない。

【００１４】この発明の他の実施例を図５により説明す
る。図５は図１相当のクレーンブーム先端部の側面図
で、ブームレスト２０は補助ジブ５の大きさに応じた長
さに設定されている。該ブームレスト２０の上端部に設
けたピン穴２０ａとクレーンブーム１の先端部側板上部
に設けたピン穴１ａとにピン４０を挿入することによ
り、ブームレスト２０はクレーンブーム１に回動自在に
取付けられる。ブームレスト２０をセットする場合に
は、ブームレスト２０の中間部に設けたピン穴２０ｂと
クレーンブーム１の先端部側板下部に設けたピン穴１ｂ
とにピン４１を挿入することにより、ブームレスト２０
はピン４０、４１によりセット位置に支持される。ブー
ムレスト２０を格納する場合には、ピン４１を抜き、ブ
ームレスト２０を２点鎖線で示すように時計方向に回動
させ、クレーンブーム１の内側部（クレーンブーム１の
一番軸線側に近いところ）に設けたピン穴１ｃにブーム
レスト２０のピン穴２０ｂを合わせてピン４１を挿入す
ることにより、ブームレスト２０は格納位置に支持され
る。このようにブームレストを構成することにより、前
述した実施例と同様の作用効果を奏することができる。

【００１５】なお、この発明の実施例として、ブームレ
スト２、２０の支持にピン４、４０、４１を用いて説明
したが、別の支持手段（ボルト、ナット等）を用いても
良い。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
クレーンフロントの組合せ状態に応じた長さに設定した
ブームレストをクレーンブームの先端部に可動するよう
に構成したので、クレーンフロントを装備した通常のク
レーン作業中には、フック過巻防止装置が干渉しない格
納位置にブームレストを保持し、クレーンフロントを接
地するときにはブームレストの位置を調節することによ
り、クレーンブームやジブ、補助ジブ等のクレーンフロ
ントを損傷させることのないクレーンブームを得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のブームレストを備えたクレーンブー
ム先端部の側面図、

【図２】図１のＡーＡ矢視拡大断面図、

【図３】この発明の補助ジブを装着したときのクレーン
ブーム接地時を示す全体側面図、

【図４】補助ジブを装着したときのクレーン作業姿勢を
示す全体側面図、

【図５】この発明の他の実施例を示す図１相当のクレー
ンブーム先端部の側面図である。

【符号の説明】

１ クレーンブーム １ａ ピン穴 １ｂ ピン穴 １ｃ ピン穴 ２ ブームレスト ２ａ ガイド穴 ２ｂ ピン穴 ２０ ブームレスト ２０ａ ピン穴 ２０ｂ ピン穴 ３ ガイド ３ａ ピン穴 ４ ピン ４０ ピン ４１ ピン ５ 補助ジブ ７ 補フック過巻防止装置 １２ 主巻上ロープ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブーム先端部にブームレストを備えたク
   レーンブームにおいて、前記ブームレストを補助ジブ等
   のクレーンフロントの組合せ状態に応じた長さに設定し
   たセット位置と、クレーン作業中にフック過巻防止装置
   に干渉しない格納位置とに可動するように構成したこと
   を特徴とするクレーンブーム。
2. 【請求項２】 ブーム先端部にガイドを設け、前記ブー
   ムレストを該ガイドに沿って摺動するように構成したこ
   とを特徴とする請求項１記載のクレーンブーム。
3. 【請求項３】 前記ブームレストをブーム先端部に回動
   するように構成したことを特徴とする請求項１記載のク
   レーンブーム。