JPH08203723A - 永久電流スイッチの安定化方法 - Google Patents

永久電流スイッチの安定化方法

Info

Publication number
JPH08203723A
JPH08203723A JP791495A JP791495A JPH08203723A JP H08203723 A JPH08203723 A JP H08203723A JP 791495 A JP791495 A JP 791495A JP 791495 A JP791495 A JP 791495A JP H08203723 A JPH08203723 A JP H08203723A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
pcs
temperature
time
superconducting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP791495A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiji Tominaka
利治 冨中
Yasuo Suzuki
保夫 鈴木
Shigeru Kadokawa
角川  滋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP791495A priority Critical patent/JPH08203723A/ja
Publication of JPH08203723A publication Critical patent/JPH08203723A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】永久電流モードで使用する超電導マグネット
で、PCSの励磁時に温度上昇,磁場印加などの方法に
よりPCSの複合超電導線内の超電導フィラメントを流
れる電流の密度を実動作時の臨界電流密度よりも小さい
値で均一化することによりPCSの高安定化及びそれに
伴う永久電流モード超電導マグネット・システムの高安
定化が達成される。 【効果】外部擾乱がある場合でも超電導マグネットを永
久電流モードで安定に運転できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置(以下MRI装置と略称)などの永久電流モードで
使用する超電導マグネットに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、MRI装置などで使用される永
久電流モード超電導マグネットでは、永久電流モード超
電導マグネットの励磁速度をある程度速くするために永
久電流スイッチ(以下、PCSと略称)のオフ時の抵抗を
大きくする必要があり、PCSの超電導導体の安定化母
材としてCuNiなどの高抵抗合金を用いている。その
結果、CuNiなどの高抵抗合金は熱伝導度が小さいた
めに、安定化母材としてCuなどの低抵抗金属を用いた
超電導導体に比べ著しく不安定になった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術はPCS
の超電導導体内の電流分布の不均一性の影響について十
分な考慮がされておらず、PCS外部又は内部の擾乱に
よるPCSの超電導導体の微小な温度上昇によってもフ
ラックス・ジャンプが誘起されてPCSがクエンチし、
永久電流モード超電導マグネット全体がクエンチすると
いう問題があった。
【0004】この超電導導体内の電流分布の不均一性の
影響を低減することは、大きい機械的な振動,磁場変
動、などの擾乱が永久電流モード超電導マグネット全体
に印加される場合などには永久電流モードでの安定性を
格段に向上させる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、永久電流モードで使用する超電導マグネットで、永
久電流モード設定時又は設定直後などの実使用の前にP
CSの超電導導体の温度を上げて臨界電流値を下げて、
PCSの超電導導体内の電流分布を均一化することは有
効である。また、永久電流モード設定時又は設定直後な
どの実使用の前に、永久電流モード超電導マグネットを
構成するPCS及び超電導コイル全体の温度をクライオ
スタット内の圧力上昇などによって上昇させることも有
効な手段になる。
【0006】
【作用】種々の文献、例えば、文献Martin N. Wilson著
“Superconducting Magnets”Oxford University Press
(1983))又は山村 昌ほか著“超電導工学”電気
学会(1988)などによれば、PCSも含め超電導コ
イルに通常用いられる多数のフィラメント状の超電導体
を常電導金属の母材に埋め込んだ構造の導体、いわゆる
複合多芯超電導導体(以下、複合超電導線と略称)に電
流を通電した場合、まず、外層の超電導フィラメントか
ら臨界電流密度で電流が流れ、通電電流が大きくなるに
つれて外層側から内層側の超電導フィラメントに順々に
電流が流れるようになる。従って、図2に示したよう
に、複合超電導線の電流は外層側の超電導フィラメント
に偏って流れている。この電流の偏りは拡散のプロセス
により徐々に均一になる傾向にあるが、その特性時間は
PCS又は超電導コイルに用いられる複合超電導線が長
いために非常に長くなり導体内の電流は偏ったままにな
る。長さL,安定化母材の抵抗率ρの複合超電導線で
は、導体内の電流分布が均一になる特性時間τはτ=
02)/(π2ρ)のオーダになる。例えば、長さL=
1km,安定化母材の抵抗率ρ=3.7×10-7 の複合超
電導線では、特性時間τ=3.4×105s で約100
時間と長くなる。
【0007】また、PCSに用いられる複合超電導線は
オフ時の抵抗を大きくするために安定化母材としてCu
Niなどの高抵抗合金を用いている。その結果、CuN
iなどの高抵抗合金は熱伝導度が小さいために、通常超
電導コイルに用いられる安定化母材としてCuなどの低
抵抗金属を用いた複合超電導線に比べ著しく不安定にな
っている。結局、複合超電導線の安定化母材の違いによ
ってPCSは超電導コイルに比べ不安定になっている。
PCSのクエンチは機械的又は電磁気的な擾乱による微
小な温度上昇、その温度上昇によって超電導フィラメン
トの臨界電流密度が低下して複合超電導線内の電流及び
磁場分布の変化が引き起こされ、それに伴う発熱による
複合効果で起こると考えられる。従って、複合超電導線
内の電流及び磁場分布の変化に伴う発熱を抑えることに
よってかなりPCSを安定化できる。そのために、複合
超電導線内の電流分布を均一化して擾乱による微小な温
度上昇によって臨界電流密度が低下しても、ほとんど全
ての超電導フィラメントの電流密度をその低下した臨界
電流密度以下にしておけば複合超電導線内の電流及び磁
場分布の変化が起きず擾乱による微小な温度上昇のみに
抑えることができる。
【0008】従って、図3に示すような電気回路によっ
て超電導コイルを永久電流モードで使用する場合、PC
Sに超電導コイルと同じ通電電流が流れ永久電流モード
になった直後にPCSの複合超電導線内の電流分布を均
一化すれば永久電流モード時の機械的又は電磁気的な擾
乱に対して安定化できる。
【0009】複合超電導線内の電流分布を均一化する方
法は、温度を上昇させ又は強磁場磁場を印加して臨界電
流密度を強制的に下げる方法が有効である。
【0010】永久電流モード超電導マグネットの擾乱と
しては種々のものがあるが、例えば、MRI装置の場合
には実使用時に断層画像を取るために傾斜磁場コイルを
パルス運転するなどのために、永久電流モード設定時と
比べ実使用時に大きな擾乱が加わり永久電流モード超電
導マグネットが不安定になると考えられる。その他の永
久電流モード超電導マグネット・システムの場合も同様
に実使用時にシステム特有の外部擾乱が加わることがあ
るために、実使用時にPCSの安定性が高くなるように
することは有効である。
【0011】ここでは特に、CuNiなどの高抵抗合金
母材の複合超電導線で構成されたPCSの安定化につい
て述べたが、Cuなどの低抵抗金属母材の複合超電導線
で構成されたPCSにも、複合超電導線内の電流分布の
均一化による安定化は有効である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の動作原理を図により説明す
る。図1に本発明の永久電流モードで使用する超電導マ
グネットの熱式PCSのヒータ電流及び電源電流の駆動
パターン、更にその場合の超電導コイル及びPCSの電
流変化のパターンを示す。永久電流モード超電導マグネ
ットの回路図を図3に示した。図1により熱式PCSの
ヒータ電流及び電源電流の駆動パターンを説明する。時
刻t1にPCSのヒータに所定の電流の通電を開始す
る。その後、PCSの温度が複合超電導線の臨界温度以
上に上がってPCSはオフの状態になる。時刻t2に電
源電流の上昇を開始し超電導コイルの励磁を開始する。
時刻t3に電源電流を所定の値まで上昇し超電導コイル
の励磁を終了する。時刻t4にPCSのヒータ電流を所
定の値まで下げて、PCSの温度をPCSに超電導コイ
ル電流と同じ電流を流すことができる臨界温度よりも低
くする。PCSの温度が臨界温度よりも低くほぼ一定に
なったところで、時刻t5に電源電流の下降を開始しP
CSの通電を開始する。時刻t6に電源電流の下降を終
了しPCSの通電を完了する。その後、時刻t7にPC
Sのヒータ電流を完全にゼロにしてPCSの温度を実使
用状態の動作温度まで下げる。図1に示した本発明が従
来例と異なる点は、熱式PCSのヒータ電流の駆動パタ
ーンがPCS通電時にPCSのヒータに微小な電流を流
してPCSの温度を上げていることである。ただし、P
CS通電時にPCSのヒータにオフ時並みの電流を流す
と当然クエンチするのであらかじめPCS通電時にPC
Sのヒータに流すことができる電流値を調べておく必要
がある。
【0013】PCS通電時又はPCS通電終了後にPC
Sの温度を上げることによるPCS安定化の効果を図2
を用いて説明する。PCSの温度を実際の動作温度T0
から少し高い温度T1まで上げることはPCSの超電導
導体内の臨界電流密度をjc(T0)からjc(T1)まで
下げることになるので、図2に示すように温度T1での
PCSの複合超電導線内の電流分布は動作温度T0電流
分布に比べ、より内層側の超電導フィラメントまで電流
が流れるようになり全体的に均一化される。その後、P
CSのヒータをオフにしてヘリウムなどの冷媒の冷却に
よって動作温度T0まで下げる。複合超電導線内の電流
密度が臨界電流密度jc(T1)で均一化されていると永
久電流モード超電導マグネットの実際の使用状態で擾乱
が発生してもそれによる温度上昇がT1以下であれば複
合超電導線内の電流及び磁場分布の変化が起こらず、擾
乱に伴うジュール発熱が発生しないために温度上昇を抑
えられることができPCSを安定化できる。実際に、P
CSの通電後にPCSのヒータにパルス電流を流して、P
CSのクエンチする最小のエネルギ、いわゆる最小エン
チ・エネルギを測定したところPCSの温度を高くして
通電した方が最小エンチ・エネルギが大きくなり、PC
Sの安定性が高くなることを確認できた。
【0014】このようにPCS通電時ではなくPCS通
電終了後にPCSの温度を上げて、複合超電導線内の電
流密度を均一化してPCSの安定性を高くすることも有
効であるが、温度上昇による複合超電導線内の電流及び
磁場分布の変化により発熱して永久電流が微小に減衰す
る。通常の場合、その減衰量は微小なので無視できる
が、場合によってはその減衰量を見込んで少し過大に通
電する必要がでてくる。更に、PCSのヒータに微小な
電流を流してPCSの温度を上げる場合にPCSの複合超
電導線全体の温度が一様になるような構造にすることが
重要であることがわかった。そのため、ヒータ線と超電
導導体の巻線層が交互になるようにし、更にヒータ線の
巻線層と超電導導体の巻線層の間に銅,アルミニウムな
どの熱伝導度の高い金属シートをはさむ構造にした。
【0015】また、PCSの温度を上げる他の方法とし
ては冷媒の圧力を上げて冷媒の温度を微小に上げるなど
の方法も有効であることがわかった。
【0016】更に、上述のようにPCSの温度を上げる
ことによって臨界電流密度を下げることが、磁場を印加
しても可能なので、PCS通電時又はPCS通電終了後
にPCSに磁場を印加することによるPCS安定性向上
の効果も同様に確認できた。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、実使用時で外部の擾乱
がある場合でも超電導マグネットを永久電流モードで安
定に運転できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す永久電流スイッチのヒ
ータ電流の特性図。
【図2】本発明の動作原理を説明する複合超電導線内の
電流密度分布図。
【図3】本発明の動作原理を説明する永久電流モード超
電導マグネットの回路図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導コイル及び永久電流スイッチから構
    成された永久電流モードで使用する超電導マグネット装
    置において、前記永久電流モードの設定時又は設定直後
    に前記永久電流スイッチの超電導導体の臨界電流を低下
    させる操作をすることを特徴とする永久電流スイッチの
    安定化方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記永久電流モード設
    定時又は設定直後に前記永久電流スイッチの温度を上昇
    する永久電流スイッチの安定化方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記永久電流モード設
    定時の前記熱式永久電流スイッチへの電流励磁時又は永
    久電流モード設定直後に前記熱式永久電流スイッチのヒ
    ータに微小電流を通電して前記熱式永久電流スイッチの
    温度を上昇する永久電流スイッチの安定化方法。
JP791495A 1995-01-23 1995-01-23 永久電流スイッチの安定化方法 Pending JPH08203723A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP791495A JPH08203723A (ja) 1995-01-23 1995-01-23 永久電流スイッチの安定化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP791495A JPH08203723A (ja) 1995-01-23 1995-01-23 永久電流スイッチの安定化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08203723A true JPH08203723A (ja) 1996-08-09

Family

ID=11678815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP791495A Pending JPH08203723A (ja) 1995-01-23 1995-01-23 永久電流スイッチの安定化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08203723A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111344790A (zh) * 2020-01-17 2020-06-26 长江存储科技有限责任公司 先进的存储结构和设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111344790A (zh) * 2020-01-17 2020-06-26 长江存储科技有限责任公司 先进的存储结构和设备
CN111344790B (zh) * 2020-01-17 2021-01-29 长江存储科技有限责任公司 先进的存储结构和设备
US11462264B2 (en) 2020-01-17 2022-10-04 Yangtze Memory Technologies Co., Ltd. Advanced memory structure and device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI401712B (zh) 用於磁鐵保護之封阻系統
JP4933034B2 (ja) 超伝導コイルの保護装置、nmr装置及びmri装置
JP6590573B2 (ja) 超電導マグネット装置の運転方法
JPH0687447B2 (ja) 超電導マグネツト装置
JP6983629B2 (ja) 超電導磁石装置の運転方法および超電導磁石装置
JP4201286B2 (ja) 超電導マグネットの励磁方法及び超電導マグネット装置
JPH08203723A (ja) 永久電流スイッチの安定化方法
JP4028917B2 (ja) 超電導磁石装置のクエンチ保護方法およびクエンチ保護回路
JP2019160818A (ja) 高温超電導磁石装置、その運転制御装置及び方法
JP7422780B2 (ja) 輸送電流飽和hts磁石
JP2005150245A (ja) 永久電流スイッチ、超電導磁石及び磁気共鳴イメージング装置
JP2006324411A (ja) 磁気共鳴イメージング装置の超電導電磁石調整方法
JPH07183582A (ja) 並列型永久電流スイッチ
JP3734630B2 (ja) 伝導冷却型超電導磁石装置
JP4978186B2 (ja) 超電導線材の接続構造
CN118248401B (zh) 超导线材、超导线圈、超导磁体及磁通跳跃抑制方法
JPH0738333B2 (ja) 磁界発生装置
JPH10107330A (ja) 永久電流スイッチ装置およびその運転方法
JPH07115016A (ja) 超電導装置
JP2006329925A (ja) 超電導導体の評価方法および装置
JP4081911B2 (ja) 限流器
JPH08279411A (ja) 筒型超電導マグネット及びその着磁方法
WO2023094611A1 (en) Hts magnet ramping to reduce screening currents
Miyazoe et al. Temporal Stabilization of Magnetic Flux Focused by Superconducting Magnetic Lens
JPS58110014A (ja) 超電導磁石装置