JPH08202022A - カラー印刷版及びその製版方法 - Google Patents

カラー印刷版及びその製版方法

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JPH08202022A
JPH08202022A JP809795A JP809795A JPH08202022A JP H08202022 A JPH08202022 A JP H08202022A JP 809795 A JP809795 A JP 809795A JP 809795 A JP809795 A JP 809795A JP H08202022 A JPH08202022 A JP H08202022A
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JP
Japan
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color
plate
photosensitive
light
original
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JP809795A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hattori
康弘 服部
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般家庭においても特殊な機器を使用するこ
となく、フルカラーの原稿をもとに、はがき等にフルカ
ラーの印刷を行うことができるカラー印刷版及び製版方
法を提供すること。 【構成】 レッド、ブルー及びグリーンの各カラーに対
応する感光性材料13が塗布された基材23からなる感
光原版20に対して、感光性材料13が塗布された側の
上側にカラーポジ原稿1を配置し、そのカラーポジ原稿
1に白熱電球2から発せられる光を照射させ、その光が
カラーポジ原稿1から反射し、あるいは透過することに
よって、感光性材料13が露光され、カラーポジ原稿1
のカラー配色に応じて感光性材料13を部分選択的に硬
化させ、その後、硬化していない部分の感光性材料13
を除去してカラー印刷版を製版する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】印刷物、写真、手書き原稿等をも
とに、普通紙、はがき等にカラー画像を形成するための
カラー印刷版及びその製版方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、はがき等に多色刷りの印刷を行う
方法として、孔版印刷を応用した方法が知られている。
この方法では、各色毎に、その各色が使用されている部
分をカーボンによって描いた原稿を用意し、その各原稿
を熱溶融性樹脂フィルムからなるスクリーンに密着さ
せ、フラッシュ等の強い光を与えていた。このことによ
って、カーボンで描かれた部分が蓄熱し、その蓄熱した
部分に密着しているスクリーンが溶融して孔版スクリー
ンが作成されていた。このようにして、作成された各色
専用の孔版スクリーンと、その孔版スクリーンに用いら
れるインクとにより、被印刷物に重ねて印刷を行なうこ
とでカラー印刷が実施されていた。
【0003】そこで、近年、写真プリント、もしくはグ
ラビア印刷物等のようなフルカラーの原稿を用いて、簡
易に印刷する方法が開発されている。この方法では、前
記フルカラーの原稿を色分解スキャナーによってデジタ
ルデータに変換し、シアン(C)色用、マゼンタ(M)
色用、イエロー(Y)色用の3種の色分解マスクを作成
し、それぞれのマスクを用いて各色専用の孔版、あるい
は凸版の印刷版を作成し、C色用、M色用、Y色用のイ
ンクで印刷するのであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような孔版印刷方法では、多色刷りという意味でのカ
ラー印刷は可能であるが、狭い面積での色分けや中間色
が必要となるフルカラー印刷を行うことは不可能であっ
た。また、各色毎に原稿を作成する必要があり、手間が
かかった。
【0005】一方、上述したような凸版印刷方法では、
色分解マスクを作成するために、特殊な装置が必要であ
るため、一般家庭では実現不可能であった。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、一般家庭においても特殊な機器
を使用することなく、フルカラーの原稿をもとに、はが
き等にフルカラーの印刷を行うことができるカラー印刷
版及びその製版方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のカラー印刷版は、少なくともイエロー、マゼ
ンタ、シアンの各カラー専用の版を使用して、前記各カ
ラーのインクを前記各版に塗布し、その塗布した各版を
順次使用してカラー印刷を行なうようにしたカラー印刷
版であって、前記各版の土台となる複数の基材と、前記
各カラー別に設けられ、それぞれのカラーとは補色関係
にある波長の光を含んだカラーの光に露光されることに
よって硬化する複数の感光性材料とを備え、それぞれの
前記基材毎に、互いに異なる前記感光性材料を塗布して
いる。
【0008】また、前記感光性材料は、重合することに
よって硬化する重合性物質と、光に反応して前記重合性
物質の重合を開始させる光重合開始剤と、その光重合開
始剤の感光波長を調整するための波長増感剤とで構成し
たものを用いてもよい。
【0009】一方、本発明のカラー印刷版の製版方法
は、ある特定の波長範囲の光に感光して硬化する感光性
材料が塗布された基材からなる感光原版と、カラー配色
原稿を用いて、そのカラー配色原稿に光源から発せられ
る光を照射させ、その光がカラー配色原稿から反射し、
あるいは透過することによって、前記感光性材料が露光
され、前記カラー配色原稿のカラー配色に応じて前記感
光性材料を部分選択的に硬化させ、その後、硬化してい
ない部分の前記感光性材料を除去する。
【0010】また、少なくともレッドと、グリーンと、
ブルーとに対応する感光原版を備え、R感光原版に用い
られる感光性材料は、レッドを含む波長域の光によって
露光されると硬化し、G感光原版に用いられる感光性材
料は、グリーンを含む波長域の光によって露光されると
硬化し、B感光原版に用いられる感光性材料は、ブルー
を含む波長域の光によって露光されると硬化するもので
ある。
【0011】また、前記基材として、網目構造を有した
材料を用いてもよい。
【0012】
【作用】上記の構成を有する本発明のカラー印刷版は、
少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの各カラー専用
の版を使用して、前記各カラーのインクを前記各版に塗
布し、その塗布した各版を順次使用してカラー印刷を行
なうようにしたカラー印刷版であって、前記各カラー別
に設けられた複数の基材に塗布されたそのカラー専用の
感光性材料に、そのカラーと補色関係にある波長の光で
露光することによって、その感光性材料が硬化する。従
って、その感光性材料の硬化していない部分を除去する
ことによって、硬化した部分と、前記基材とでそのカラ
ーの画線を得ることができる。
【0013】また、前記感光性材料は、波長増感剤によ
って、光重合開始剤の感光波長を調整し、カラー配色原
稿から反射、または透過する光の波長が、前記調整され
た波長と同一の場合に、光重合開始剤によって重合性物
質が重合して硬化する。
【0014】一方、本発明のカラー印刷版の製版方法
は、ある特定の波長範囲に対応する感光性材料が塗布さ
れた基材からなる感光原版に対して、前記感光性材料が
塗布された側にカラー配色原稿を配置し、そのカラー配
色原稿に光源から発せられる光を照射させ、その光がカ
ラー配色原稿から反射し、あるいは透過することによっ
て、前記感光性材料が露光され、前記カラー配色原稿の
カラー配色に応じて前記感光性材料を部分選択的に硬化
させ、その後、感光原版の前記感光性材料の内、硬化し
ていない部分を除去することによって、カラー印刷を行
なうためのカラー印刷版が家庭で作成することができ
る。
【0015】また、少なくともレッドと、グリーンと、
ブルーとに対応する感光原版を備え、R感光原版に用い
られる感光性材料は、レッドを含む波長域の光によって
露光されると硬化し、G感光原版に用いられる感光性材
料は、グリーンを含む波長域の光によって露光されると
硬化し、B感光原版に用いられる感光性材料は、ブルー
を含む波長域の光によって露光されると硬化し、各カラ
ー感光原版の感光性材料の内、硬化していない部分を除
去することによって、フルカラーの印刷に必要なシアン
色印刷版、マゼンタ色印刷版及びイエロー色印刷版を製
版する。
【0016】また、前記基材として、網目構造を有した
材料を用いることにより、前記感光性材料が硬化した箇
所が目詰まりすることによって、孔版用のカラー印刷版
を製版することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化したカラー印刷版及び
その製版方法の実施例を図面を用いて説明する。
【0018】本実施例によって製版されるカラー印刷版
の基礎となる感光原版20は、図1に示されるように、
100mm×150mmのアルミ製の矩形の基材23の
上面に、感光性材料13をバーコータによって厚さ約5
0μmになるように塗工し、乾燥させたものである。
【0019】前記感光原版20は、カラー印刷を行なう
には、図2に示されるように、少なくとも3種類の感光
原版20a、20b、20cが必要となる。第一の感光
原版としてのR感光原版20aは、レッド光によって露
光されると硬化するR感光性材料13aが前記基材23
に塗工されている。第二の感光原版としてのG感光原版
13bは、グリーン光によって露光されると硬化するG
感光性材料13bが前記基材23に塗工されている。第
三の感光原版としてのB感光原版20cは、ブルー光に
よって露光されると硬化するB感光性材料13cが前記
基材23に塗工されている。
【0020】前記各感光性材料13a、13b、13c
は、重合することによって硬化する重合性物質と、光に
反応し前記重合性物質の重合を開始させる光重合開始剤
と、その光重合開始剤の感光波長を調整するための波長
増感剤とで構成されたものが用いられている。
【0021】前記重合性物質は、エチレン系不飽和基を
有する化合物であり、詳しくはアクリル酸及びその塩、
アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル
酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルア
ミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタ
コン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビ
ニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル
類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体等が挙げら
れる。特に望ましくは、アクリル酸エステル類、あるい
はメタクリル酸エステル類である。
【0022】アクリル酸エステル類の具体例としては、
ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エ
チルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フ
ルフリルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、
トリシクロデカニルオキシアクリレート、ノニルフェニ
ルオキシエチルアクリレート、ヘキサンジオールアクリ
レート、1,3ージオキソランアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメ
チロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ
アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールの
カプロラクトン付加物のヘキサアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パンのプロピレンオキサイド付加物のトリアクリレー
ト、ポリオキシエチレン化ビスフェノールAのジアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアク
リレート等が挙げられる。
【0023】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、フルフリルメタクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、トリシクロデカニルオキシメタクリレ
ート、ノニフェニルオキシエチルメタクリレート、ヘキ
サンジオールメタクリレート、1,3ージオキソランメ
タクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ブ
タンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレ
ート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ビ
スフェノールAジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラク
トン付加物のヘキサメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンの
プロピレンオキサイド付加物のトリメタクリレート、ポ
リオキシエチレン化ビスフェノールAのジメタクリレー
ト、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンメタク
リレート等が挙げられる。
【0024】また、これらの重合性物質は単独であって
もよいし、あるいは2種以上を混合したものでもよい。
【0025】前記光重合開始剤は、直接解裂型、水素引
き抜き型、2分子系等の開始剤が使用可能である。これ
らの開始剤の具体例としては、芳香族カルボニル化合
物、アセトフェノン類、有機過酸化物、ジフェニルハロ
ニウム塩、有機ハロゲン化物、2、4、6−置換−S−
トリアジン類、2,4,5−トリアリールイミダゾール
2量体、アゾ化合物、染料ボレート錯体、鉄アレーン錯
体、チタノセン化合物等が挙げられる。
【0026】望ましくは、ベンゾフェノン、ベンジル、
キサントン、チオキサントン、アントラキノン、アセト
フェノン、2,2−ジメチル−2−モルフォリノ−4´
−メチルチオアセトフェノン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、ジフェニルヨードニ
ウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロライド、
四塩化炭素、四臭化炭素、2,4,6−トリストリクロ
ロメチル−S−トリアジン、(η5 −2,4−シクロペ
ンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−
η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(1+) ヘ
キサフルオロホスフェート(1−)等が上げられる。ま
た、これらの光重合開始剤は、単独でも、2種以上を混
合したものでもよい。
【0027】また、前記重合性物質と前記光重合開始剤
は、感光性材料13a、13b、13cいずれも共通に
用いてもよいし、それぞれ独自に最適なものを選択して
もよい。
【0028】一方、前記波長増感剤は、光重合開始剤の
感光波長を調整するために用いられるものであるから1
3a、13b、13cの感光性材料について互いに異な
るものが用いられる。具体的には、キサンテン系染料、
クマリン系染料、メロシアニン系染料、チアジン系染
料、アジン系染料、メチン系染料、オキサジン系染料、
フェニルメタン系染料、シアニン系染料、アゾ系染料、
アントラキノン系染料、ピラゾリン系染料、スチルベン
系染料、キノリン系染料等が使用できる。更に、具体的
には、R感光性材料13aに用いられるものとしては、
スクアリリウム系染料、チアジン系染料、シアニン系染
料、メロシアニン系染料が望ましく、G感光性染料13
bに用いられるものとしては、スチリル系染料、キサン
テン系染料、アジン系染料、アゾ系染料、スチルベン系
染料、シアニン系染料、メロシアニン系染料が望まし
く、B感光性材料13cに用いられるものとしては、ク
マリン系染料、スチリル系染料、アゾ系染料、ピラロア
ゾン系染料、スチルベン系染料、キノリン系染料、シア
ニン系染料、メロシアニン系染料が望ましい。
【0029】次に、各感光性材料13a、13b、13
cの生成方法について説明する。
【0030】重合性物質であるウレタンアクリレート2
0gを約50℃に加熱し、そのウレタンアクリレートと
ポリエチレングリコールジアクリレート80gとを混合
し、更に、波長増感剤であるスクアリリウム色素2gと
光重合開始剤である(η5 −2,4−シクロペンタジエ
ン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−
(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(1+) ヘキサフ
ルオロホスフェート(1−)6gとを加えて溶解させ、
R感光性材料13aを得る。
【0031】これとは別に、ウレタンアクリレート20
gとポリエチレングリコールジアクリレート80gとを
混合し、更に、波長増感剤であるメロシアニン染料3g
及び光重合開始剤5gを加えて溶解させ、G感光性材料
13bを得る。ここで、光重合開始剤は、R感光性材料
13aの場合と同一の物質である。
【0032】これとは別に、ウレタンアクリレート20
gとポリエチレングリコールジアクリレート80gとを
混合し、更に、波長増感剤であるクマリン系染料3gと
光重合開始剤である3,3′,4,4′−テトラキス
(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン1g
とを加えて溶解させ、B感光性材料13cを得る。
【0033】次に、前記各感光原版20a、20b、2
0cからカラー印刷版を製版する方法について図2乃至
図4を用いて説明する。本実施例のカラー印刷版は、カ
ラー配色原稿としての透過性のカラーポジ原稿1を用い
て、凹版を製版するものである。そのカラーポジ原稿1
は、図2に示すように、透明フィルム上に印刷、あるい
はサインペン等で手書きされたもので、a、b、c、
d、e、f、g、hの部分は順にブラック、ブルー、レ
ッド、マゼンタ、グリーン、シアン、イエロー、ホワイ
ト(透明)の8色に色分けされている。このカラーポジ
原稿1を用いて、R感光原版20aからなるシアン印刷
版14a、G感光原版20bからなるマゼンタ印刷版1
4b、B感光原版20cからなるイエロー印刷版14c
をそれぞれ製版する。
【0034】まず始めに、可視光光源としての白熱電球
2の下方に配置されたR感光原版20aに対して、感光
性材料13aが塗布された側の上部に、カラーポジ原稿
1を密着させ、原稿面での照度が5000luxになる
ように前記白熱電球2の位置を調整し、10秒間露光す
る。
【0035】この結果、R感光性材料13aにおいて
は、レッド光を含む光によって露光された部分、すなわ
ちc、d、g、hが選択的に硬化して、それ以外のa、
b、e、fは硬化しない。その後、直ちにR感光原版2
0aを水洗して、未硬化部分のR感光性材料13aを除
去すると図4(a)に示されるように、レッドとは補色
関係にあるシアンのインクをR感光材料13aが除去さ
れた箇所に充填して印刷を行なうシアン色印刷用の凹版
14aを得る。
【0036】同様に、G感光原版20bについても実施
すると、G感光性材料13aにおいては、グリーン光を
含む光によって露光された部分、すなわちe、f、g、
hが選択的に硬化して、それ以外のa、b、c、dは硬
化しない。従って、露光後のG感光原版20bを水洗し
て、未硬化部分のG感光性材料13bが除去され、図4
(b)に示されるように、グリーンとは補色関係にある
マゼンタのインクをG感光材料13bが除去された箇所
に充填して印刷を行なうマゼンタ色印刷用の凹版14b
を得る。
【0037】更に、B感光原版20cについても実施す
ると、B感光性材料13cにおいては、ブルー光を含む
光によって露光された部分、すなわちb、d、f、hが
選択的に硬化して、それ以外のa、c、e、gは硬化し
ない。従って、露光後のB感光原版20cを水洗して、
未硬化部分のB感光性材料が除去され、図4(c)に示
されるように、ブルーとは補色関係にあるイエローのイ
ンクをB感光材料が除去された箇所に充填して印刷を行
なうイエロー色印刷用の凹版14cを得る。このように
して、カラー印刷を行なうためのカラー印刷版である凹
版14a、14b、14cを作成することができる。
【0038】次に、各凹版14a、14b、14cを用
いてカラー印刷を行なう方法について、図5を用いて説
明する。
【0039】シアン色印刷用の凹版14aに、印刷イン
ク、例えば、エマルジョンインクのシアン6を全面に塗
工し、凹版14aの凸部表面に塗られたインクをドクタ
ーブレードによって拭い、図5(a)に示されるように
凹部のみにインクが残るようにした後、凹版14aと受
像紙とを重ね合わせ、上から押圧することによって受像
紙にインクを転写する。
【0040】同様に、マゼンタ色印刷用の凹版14b
に、印刷インク、例えば、エマルジョンインクのグリー
ン7を全面に塗工し、凹版14bの凸部表面に塗られた
インクをドクターブレードによって拭い、図5(b)に
示されるように凹部のみにインクが残るようにした後、
凹版14bと前記受像紙10とを重ね合わせ、上から押
圧することによって受像紙10に印刷される。
【0041】更に、イエロー色印刷用の凹版14cに、
印刷インク、例えば、エマルジョンインクのイエロー8
を全面に塗工し、凹版14cの凸部表面に塗られたイン
クをドクターブレードによって拭い、図5(c)に示さ
れるように凹部のみにインクが残るようにした後、凹版
14cと前記受像紙10とを重ね合わせ、上から押圧す
ることによって受像紙10に印刷される。その結果、図
6に示されるように、原稿とほぼ同一のカラー印刷され
た印刷物ができる。
【0042】以上説明したことから明かなように本実施
例のカラー印刷版は、少なくともイエロー、マゼンタ、
シアンの各カラー専用の版を使用して、前記各カラーの
インクを前記各版に塗布し、その塗布した各版を順次使
用してカラー印刷を行なうようにしたカラー印刷版であ
って、前記各カラー別に設けられた複数の基材23に塗
布されたそのカラー専用の感光性材料13に、そのカラ
ーと補色関係にある波長の光で露光することによって、
その感光性材料13が硬化する。従って、その感光性材
料13の硬化していない部分を除去することによって、
硬化した部分と、前記基材23とでそのカラーの画線を
得ることができるため、カラー配色原稿1に使用されて
いる各カラー専用の製版用の原稿を用意する手間を省く
ことができる。
【0043】以上説明したことから明かなように、本実
施例のカラー印刷版は、複数種類の各カラー専用の版を
使用して、前記各カラーのインクを前記各版に塗布し、
その塗布した各版を順次使用してカラー印刷を行なうよ
うにしたカラー印刷版であって、前記各カラー別に設け
られた複数の基材23に塗布されたそのカラー専用の感
光性材料13に、そのカラーに対応する光で露光するこ
とによって、その感光性材料13が硬化する。その感光
性材料13の硬化していない部分を除去することによっ
て、硬化した部分と、前記基材23とでそのカラーの画
線を得ることができる。
【0044】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々の変更を加えることができる。例えば、本実施例で
は、凹版について詳述しているが、孔版にも利用でき
る。本実施例において、基材23としてアルミ製の矩形
の板材を用いたが、その代わりにポリエステルの網目構
造に形成したメッシュシート(網目間隔が23μm程
度)を150mm×100mmの大きさに切断した矩形
のものを使用する。この場合、原稿を設置するときに不
安定となるため、前記メッシュシートをガラス等の安定
した台上に貼り付け、前記メッシュシートに前述した各
感光性材料をバーコータによって塗工して、その後、凹
版と同様に露光させる。露光後、メッシュシートのみ水
洗することによって、各感光性材料が硬化した箇所が目
詰まりの状態となり、受像紙の上に、各色印刷用孔版を
置き、更にその上から、各色のインクを浸透させたスポ
ンジを置き、加圧したところ、メッシュシートの目詰ま
りしていない箇所からインクが通過して受像紙に各色の
印刷が行なわれる。
【0045】また、本実施例では、透過性のカラーポジ
原稿について説明したが、カラーポジ原稿の代わりに、
カラーネガフィルムを用いて凸版印刷によってポジ画像
を印刷するようにしてもよい。この場合、基材23の上
の各感光性材料の厚さが0.5mm程度になるように、
塗工と乾燥を数回繰り返して、R感光原版、G感光原
版、B感光原版を得る。更に、原稿としては、一般の3
5mmカメラで撮影したフィルムを現像して得られるカ
ラーネガフィルムを用い、本実施例と同様な方法で各感
光原版に密着露光を行う。その後、水洗して未硬化部を
除去すると、本実施例と同様の各色印刷用凸版が得られ
る。本実施例と異なるのは、感光性材料が硬化した箇所
と、硬化していない箇所の段差が大きいことである。こ
れは、受像紙に印刷するときに、各感光性材料が硬化し
た箇所のみインクが塗布されるようにするためである。
このようにして、ネガの原稿から、ポジの印刷を行なう
ことができる。
【0046】また、本実施例では透過性の原稿を用いて
いるが、一般の雑誌等のカラー印刷物、写真プリントを
用いることもできる。この場合、原稿からの反射光を集
光し、各感光原版の表面に結像するための光学部品が必
要となる。また、露光時間(光源を点灯させる時間)を
透過性の原稿の場合の2倍程度長くするとよい。
【0047】更に、写真等の連続階調の原稿を用いる場
合には、一般に印刷製版に用いられるようなコンタクト
スクリーンを、原稿と感光原版の間に挿入して露光すれ
ば感光原版にいわゆる網点が形成され、その結果受像紙
に、より忠実なカラー画像を印刷することができる。
【0048】また、本実施例ではシアン、マゼンタ、イ
エローの3色のカラー製版を用いてカラー印刷を行なっ
ているが、この他にブラックを加えた4色によってカラ
ー印刷を行ってもよい。この場合は、可視光域の全体に
わたって感光感度を有するような感光性材料を備えた感
光原版を使用して、ブラック印刷版を作製する。このよ
うな感光性材料は、波長増感剤として用いる染料を複数
選択して混合して使用すれば得られる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のカラー印刷版は、少なくともイエロー、マゼンタ、
シアンの各カラー専用の版を使用して、前記各カラーの
インクを前記各版に塗布し、その塗布した各版を順次使
用してカラー印刷を行なうようにしたカラー印刷版であ
って、前記各カラー別に設けられた複数の基材に塗布さ
れたそのカラー専用の感光性材料に、そのカラーと補色
関係にある波長の光で露光することによって、その感光
性材料が硬化する。従って、その感光性材料の硬化して
いない部分を除去することによって、硬化した部分と、
前記基材とでそのカラーの画線を得ることができるた
め、カラー配色原稿に使用されている各カラー専用の製
版用の原稿を用意する手間を省くことができる。
【0050】また、前記感光性材料は、波長増感剤によ
って、光重合開始剤の感光波長を調整し、カラー配色原
稿から反射、または透過する光の波長が、前記調整され
た波長と同一の場合に、光重合開始剤によって重合性物
質が重合して硬化するため、各カラー毎に確実に硬化さ
せることができ、更に、重合が開始される波長を可視光
領域に調整することができ、前記光源として白熱電球が
利用できるため、安価にカラー印刷版を製版することが
できる。
【0051】一方、本発明のカラー印刷版の製版方法に
よれば、ある特定の波長範囲の光に感光して硬化する感
光性材料が塗布された基材からなる感光原版に対して、
前記感光性材料が塗布された側にカラー配色原稿を配置
し、その原稿に光源から発せられる光を照射させ、その
光が原稿から反射し、あるいは透過することによって、
前記感光性材料が露光され、前記カラー配色原稿のカラ
ー配色に応じて前記感光性材料を部分選択的に硬化さ
せ、その後硬化していない部分の感光性材料を除去して
カラー印刷版が製版できるため、光源さえあれば、家庭
でも製版することができる。
【0052】また、少なくともレッドと、グリーンと、
ブルーとに対応する感光原版を備え、R感光原版に用い
られる感光性材料は、レッドを含む波長域の光によって
露光されると硬化し、G感光原版に用いられる感光性材
料は、グリーンを含む波長域の光によって露光されると
硬化し、B感光原版に用いられる感光性材料は、ブルー
を含む波長域の光によって露光されると硬化し、各色感
光原版の感光性材料の内、硬化していない部分を除去す
ることによって、フルカラーの印刷に必要なシアン色印
刷版、マゼンタ色印刷版及びイエロー色印刷版を製版で
きるため、使用者は、3種類の感光原版について製版す
ることによって、フルカラーの印刷をすることができ
る。
【0053】また、前記基材として、網目構造を有した
材料を用いたため、前記感光性材料が硬化した箇所が目
詰まりすることによって、容易に孔版用のカラー製版を
作成することができ、フルカラー印刷を実施するとき
に、カラー製版に付着したインクを拭う必要がなくなる
等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー製版の基礎となる感光原版の斜視図であ
る。
【図2】カラー印刷を行なう原稿の例を示す図である。
【図3】カラー製版を作成するときの説明図であり、
(a)は、R感光原版を用いたものを示し、(b)はG
感光原版を用いたものを示し、(c)は、B感光原版を
用いたものを示している。
【図4】本実施例の方法によって作成されたカラー製版
を示す図であり、(a)は、シアン色印刷用の凹版を示
し、(b)は、マゼンタ色印刷用の凹版を示し、(c)
は、イエロー色印刷用の凹版を示している。
【図5】カラー製版にインクを塗布した図であり、
(a)は、シアンのインクを、(b)は、マゼンタのイ
ンクを、(c)は、イエローのインクをそれぞれ使用し
た場合を示している。
【図6】図5に示される各カラー製版を重ねて受像紙に
印刷した図である。
【符号の説明】
1 カラーポジ原稿 2 白熱電球 6 シアンインク 7 マゼンタインク 8 イエローインク 10 受像紙 13a R感光材料 13b G感光材料 13c B感光材料 14a シアン色印刷用凹版 14b マゼンタ色印刷用凹版 14c イエロー色印刷用凹版 20a R感光原版 20b G感光原版 20c B感光原版 23 基材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともイエロー、マゼンタ、シアン
    の各カラー専用の版を使用して、前記各カラーのインク
    を前記各版に塗布し、その塗布した各版を順次使用して
    カラー印刷を行なうようにしたカラー印刷版において、 前記各版の土台となる複数の基材と、 前記各カラー別に設けられ、それぞれのカラーとは補色
    関係にある波長の光を含んだカラーの光に露光されるこ
    とによって硬化する複数の感光性材料とを備え、 それぞれの前記基材毎に、互いに異なる前記感光性材料
    を塗布したことを特徴とするカラー印刷版。
  2. 【請求項2】 前記感光性材料は、重合することによっ
    て硬化する重合性物質と、光に反応して前記重合性物質
    の重合を開始させる光重合開始剤と、その光重合開始剤
    の感光波長を調整するための波長増感剤とで構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のカラー印刷版。
  3. 【請求項3】 ある特定の波長範囲の光に感光して硬化
    する感光性材料が塗布された基材からなる感光原版と、
    カラー配色原稿を用いて、そのカラー配色原稿に光源か
    ら発せられる光を照射させ、その光がカラー配色原稿か
    ら反射し、あるいは透過することによって、前記感光性
    材料が露光され、前記カラー配色原稿のカラー配色に応
    じて前記感光性材料を部分選択的に硬化させ、その後、
    硬化していない部分の前記感光性材料を除去することを
    特徴とするカラー印刷版の製版方法。
  4. 【請求項4】 少なくともレッド(R)と、グリーン
    (G)と、ブルー(B)とに対応する感光原版を備え、
    R感光原版に用いられる感光性材料は、レッドを含む波
    長域の光によって露光されると硬化し、G感光原版に用
    いられる感光性材料は、グリーンを含む波長域の光によ
    って露光されると硬化し、B感光原版に用いられる感光
    性材料は、ブルーを含む波長域の光によって露光される
    と硬化することを特徴とする請求項3に記載のカラー印
    刷版の製版方法。
  5. 【請求項5】 前記基材として、網目構造を有した材料
    を用いたことを特徴とする請求項3に記載のカラー印刷
    版の製版方法。
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