JPH08200846A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH08200846A
JPH08200846A JP1073495A JP1073495A JPH08200846A JP H08200846 A JPH08200846 A JP H08200846A JP 1073495 A JP1073495 A JP 1073495A JP 1073495 A JP1073495 A JP 1073495A JP H08200846 A JPH08200846 A JP H08200846A
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evaporator
temperature
difference
compressor
temperature sensor
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JP1073495A
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Kazuhiro Hitomi
和弘 人見
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気調和機の蒸発器に流れる冷媒の循環量を
適切に制御する。 【構成】 制御装置に、カオス状態の時に弁開度を調節
してカオス状態に維持する補正手段を設けたので、カオ
スの揺らぎによる温度変化に対してはこのカオス状態に
維持するように弁開度の増減制御が行われるため、冷媒
の循環量が適切に制御され、ひいては、空気調和機のエ
ネルギー効率を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蒸発器の入口あるい
は中間の温度を検知する第1温度センサと、蒸発器出口
の温度を検知する第2温度センサとを備えた空気調和機
に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機の従来例としては、特公昭6
2ー44183号公報に記載されたものがあり、この公
報に記載されたものは、蒸発器の入口の温度を検知する
第1の温度センサと、蒸発器の出口の温度を検出する第
2の温度センサとを備え、これら両温度センサの検出値
に基づいて減圧装置の減圧量を制御している空気調和機
が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したような空気調
和機では、一般的に、蒸発器入口温度と出口温度との差
が所定温度差になるように減圧量を制御していた。この
ような空気調和機においては、弁開度を制御する必要が
ない場合、例えば前述の温度差が小さいときに、液状の
冷媒ミストが第2温度センサの配置された部分に運ばれ
るとこの部分の温度が急激に下がり、この希な一時的な
揺らぎの現象のために弁開度の制御が行われていた。こ
の現象は、一時的な揺らぎの現象であり、かつ冷媒が熱
交換器全体で蒸発していることを示している現象のた
め、弁開度の制御は行わなくてもよいものであるが、こ
の場合にも不必要な制御が行われていた。従って、減圧
装置の抵抗が不必要に制御されて、蒸発器での冷媒の循
環量が適切に制御されていなかった。
【0004】この発明は、蒸発器への冷媒の循環量を適
切に制御できる空気調和機を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、第1の発明は、圧縮機と凝縮器と減圧量を調節可能
な減圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを
構成し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を
検知する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を
検知する第2温度センサと、前記両温度センサの検知し
た温度の差に応じて前記減圧装置の減圧量を制御する制
御装置とを備えた空気調和機において、前記制御装置に
は、前記温度の差及びこの差の変化率が所定領域の範囲
内のときカオス解析を行い、この解析によりカオス状態
と判断された場合、このカオス状態を維持するように前
記減圧装置の減圧量を制御する補正手段を備えたもので
ある。
【0006】また、第2の発明は、空気調和機におい
て、制御装置には、温度の差及びこの差の変化率が所定
領域の範囲内のときカオス解析を行い、この解析により
カオス状態と判断された場合、減圧装置の減圧量を現時
点のまま維持する補正手段を備えたものである。
【0007】更に、第3の発明は、空気調和機におい
て、制御装置をマイクロコンピュータなどで構成すると
共に、この制御装置には、温度の差及びこの差の変化率
が所定領域の範囲内のときフラクタル性の有無の解析を
行い、この解析によりフラクタル性が有ると判断された
場合、減圧装置の減圧量を現時点のまま維持する補正手
段を備えたものである。
【0008】また、第4の発明は、回転速度を可変可能
な圧縮機と凝縮器と減圧装置と蒸発器とを環状に接続し
て冷凍サイクルを構成し、前記蒸発器の入口あるいは中
間の蒸発器温度を検知する第1温度センサと、蒸発器出
口の蒸発器温度を検知する第2温度センサと、前記両温
度センサの検知した温度の差に応じて前記圧縮機の回転
速度を調整する制御装置とを備えた空気調和機におい
て、前記制御装置には、前記温度の差及びこの差の変化
率が所定領域の範囲内のときカオス解析を行い、この解
析によりカオス状態と判断された場合、このカオス状態
を維持するように前記圧縮機の回転速度を制御する補正
手段を備えたものである。
【0009】また、第5の発明は、空気調和機におい
て、制御装置には、温度の差及びこの差の変化率が所定
領域の範囲内のときカオス解析を行い、この解析により
カオス状態と判断された場合、圧縮機の回転速度を現時
点のまま維持する補正手段を備えたものである。
【0010】更に、第6の発明は、空気調和機におい
て、制御装置をマイクロコンピュータなどで構成すると
共に、この制御装置には、温度の差及この差の変化率が
所定領域の範囲内のときフラクタル性の有無の解析を行
い、この解析によりフラクタル性が有ると判断された場
合、圧縮機の回転速度を現時点のまま維持する補正手段
を備えたものである。
【0011】
【作用】第1の発明による空気調和機では、カオス状態
と判断された場合には、このカオス状態を維持するよう
に減圧装置の減圧量が補正手段により制御される。
【0012】第2、第3の発明による空気調和機では、
カオス状態と判断された場合には、補正手段により減圧
装置の減圧量を現時点のまま維持するので、冷媒ミスト
が突発的に運ばれて、この冷媒ミストによって蒸発器の
出口温度が大きく低下するような、カオス状態時おける
揺らぎのような温度変化に対しては、補正手段により減
圧装置の減圧量は現時点のまま維持される。
【0013】また、第3の発明による空気調和機では、
特に、制御装置にマイクロコンピュータを使用し、温度
の差及びこの差の変化率が所定領域の範囲内のときフラ
クタル性の有無の解析を行い、この解析によりフラクタ
ル性が有ると判断された場合、前記減圧装置の減圧量を
現時点のまま維持する補正手段を備えたので、フラクタ
ル性の有無の演算をマイクロコンピュータで行うことが
でき、高速で高価な演算処理装置を必要とせず、減圧装
置の制御を行うことができる。
【0014】第4の発明による空気調和機では、カオス
状態と判断された場合には、このカオス状態を維持する
ように圧縮機の回転速度が補正手段により制御される。
【0015】また、第5、第6の発明における空気調和
機では、カオス状態と判断された場合に圧縮機の回転速
度を現時点のまま維持するので、冷媒ミストが突発的に
運ばれて、この冷媒ミストによって蒸発器の出口温度が
大きく低下するような、カオス状態における揺らぎのよ
うな温度変化に対しては、補正手段により圧縮機の回転
速度は現時点のまま維持される。
【0016】更に、第6の発明による空気調和機では、
特に、制御装置にマイクロコンピュータを使用し、温度
の差及びこの温度の差の変化量が所定領域の範囲内のと
きフラクタル性の有無の解析を行い、この解析によりフ
ラクタル性が有ると判断された場合、圧縮機の回転速度
を現時点のまま維持する補正手段を備えたので、フラク
タル性の有無の演算をマイクロコンピュータで行うこと
ができ、高速で高価な演算処理装置を必要とせず、圧縮
機の回転速度の制御を行うことができる。
【0017】
【実施例】この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は本願発明の実施例を示し、図において、1は分離
型空気調和機の室内機(本体)で、室内の壁面に据え付
けられるものである。この室内機は室外に配置された室
外機2と冷媒管や信号線(図示せず)でつながれて空気
調和機をなすものである。
【0018】3は定格(一定速)の圧縮機、4はマフ
ラ、5は四方弁、6はマフラ、7は接続バルブ、8は接
続部、9は室内熱交換器、10は接続部、11は接続バ
ルブ、12はストレーナ、13は弁開度の調節可能な電
動膨張弁(減圧装置)、14は室外熱交換器、15はア
キュムレータで、それぞれ冷媒管で配管接続して冷房及
び暖房運転可能な冷凍サイクルを構成している。16は
ホットガスバイパス管で、マフラ4の出口側の管30
と、室外熱交換器14及び膨張弁13をつなぐ管31と
を接続している。17は開閉弁で、除霜運転時に開かれ
るものである。18は暖房運転時に蒸発器として作用す
る室外熱交換器14の冷媒入口の冷媒温度(蒸発器温
度)を検出する第1温度センサ、20は暖房運転時に蒸
発器として作用する室外熱交換器14の冷媒出口の冷媒
温度(蒸発器温度)を検知する第2温度センサ、21は
前記膨張弁13の開度を制御するためにマイクロコンピ
ュータなどで構成された制御装置である。22は冷房運
転時に蒸発器として作用する室内熱交換器9の冷媒入口
の冷媒温度(蒸発器温度)を検出する第1温度センサ、
23は冷房運転時に蒸発器として作用する室内熱交換器
9の冷媒出口の冷媒温度(蒸発器温度)を検知する第2
温度センサである。尚、各熱交換器9、14に空気を供
給するためのファンは備えているものの、図1には示し
ていない。また、第2温度センサの配置される位置は熱
交換器9、14の中間部分でも構わないが、この実施例
のように出口側に位置させる方が望ましい。また、前記
膨脹弁13は、例えば256ステップの制御段階に制御
されるものであり、ステップ数が増加される場合は開度
が今以上に開かれ、ステップが減少される場合は開度が
今以上に閉じられるものである。例えば、図9における
横軸の−3〜3はステップ数に相当する。
【0019】このように構成された空気調和機では、制
御装置21により図2に示すフローチャートに基づく制
御が行われる。まず、暖房運転が開始されると、30秒
タイマのカウントをリセットした後スタートさせる(ス
テップS1)。次に、T1(蒸発器入口温度、第1温度
センサ18で検知する温度)とT2(蒸発器出口温度、
第2温度センサ20で検知する温度)とを温度センサか
ら入力する(ステップS2)。そして、T=T2−T1
を演算し(ステップS3)、e=目標過熱度−T、及び
eの時間的変化率deを演算する(ステップS4)。そ
して、30秒経過したら、e及びdeが所定の領域(図
8の斜線で示す領域)であるか否か判断し(ステップS
6)、e及びdeが所定領域内でなければ、このe、d
eに基づき弁開度操作量(現在の開度から増減制御する
量)dpをファジィ推論(後述する)により演算する
(ステップS7)。そして、弁開度を現在の状態から、
dpだけ増減制御して調節する(ステップS8)。この
調節が終わると、タイマをリセットした後タイマを再ス
タートさせる(ステップS1)。
【0020】ステップ6において、前記eが所定領域内
であれば、カオス解析(後述する)を行う(ステップS
9)。このカオス解析により、カオス状態であると判断
されると(ステップS10)、現在の弁開度をそのまま
にしてこのカオス状態を維持する(ステップS11)よ
うに制御し、カオス状態を維持する。ステップS10に
おいて、カオス状態でないと判断されると、ステップS
7に進み、e、deに基づき弁開度の操作量dpを演算
する。この空気調和機の制御の大筋は以上のとおりであ
る。
【0021】次に、ステップS9におけるカオス解析の
具体的な例について説明する。eと時間tとの関係は図
3に示すような線図、例えばA、B、Cの何れかの線図
となる(このとき、例えば、3秒毎に検知したデータを
5分間にわたって記憶したデータを利用している。尚、
入力はステップS2で入力したものを兼用している)。
実線Aの上部A1では冷媒の温度が高いため冷媒がガス
状態であり、実線Aの下部A2では冷媒の温度が低いた
め冷媒が液状態(例えば、冷媒ミストが運ばれたとき
等)である。線図が一点鎖線Bのような線図であれば、
これは常にガス状態であり、液冷媒の供給が少なすぎる
状態であると思われる。また、線図が点線Cのような線
図であれば、これは常に液状態であり、液冷媒の供給が
多すぎる状態であると思われる。液冷媒が少なすぎる状
態も、多すぎる状態も蒸発器を適切に利用している状態
とは言えないので、熱交換器の効率もそれほど高くな
い。また、冷媒の循環量が多すぎる場合には圧縮機を破
損する恐れがある。従って、この図3の実線Aに示すよ
うに、上下に揺らいだ状態に弁開度操作量、あるいは圧
縮機の回転速度により冷媒循環量を制御することによっ
てeを制御したい。そして、線図が実線Aのように温度
が揺らいで変化しているときは、膨脹弁の開度が適切に
制御されていると考えて良く、この状態はカオス性のあ
る現象(カオス状態)と考えて良い。カオス性のある現
象はフラクタル性を有し、このフラクタル性を有する
か、否かを解析して、前記線図がカオス状態か、否かを
判断している。
【0022】前記eの時間的変化と、サンプリング個数
kを変更し、幾何学的距離L(k)を演算し、このlo
g<L(k)>とkとの関係が図4に示すように、直線
上に位置する場合(例えば線図D)は、フラクタル性を
有する状態であると判断し、この場合はカオス状態であ
ると判断して良い。また、前記直線に位置しない場合
(例えば、線図E)は、フラクタル性を有しない状態す
なわちカオス状態でないと判断する。
【0023】ここで、kとL(k)とについて説明す
る。例えば、サンプリング個数k=3、N=100の時
は、
【0024】
【数1】
【0025】のように3個の時系列のセットXm(3)
(m=1,2,3)ができる。
【0026】この構成された一つ一つのXm(k)に対
して長さを求める。それを、Lm(k)(k=1,2,
…,k)と表す。
【0027】
【数2】
【0028】上記数式2のA項は、データが有限なため
に、同じkでもセットX(k)内のデータ数に違いがあ
り、その違いをLm(k)の計算時に補正するためであ
る。例えば、k=3,N=100の時には、X1(3)
にはデータは34個含まれるが、X2(3)とX3
(k)には33個で一つ少ない。このデータの違いが、
|・|の和をとる個数差になり、補正を要するわけであ
る。
【0029】最後にkで粗視化された時の自系列の長さ
を、上で求めたk個のLm(k)の算術平均で定義す
る。それを、
【0030】
【数3】
【0031】で表している。
【0032】また、本願発明では、カオス状態か否かを
判断する材料として、フラクタル性を用いて判断してい
るものの、より厳密に判断するため、アトラクタの動的
広がりを示す指数であるリアプノフ指数、あるいはリア
プノフ指数を次元に変換したリアプノフ次元、アトラク
タの幾何学的広がりを示す相関次元を演算して、カオス
状態か否かを判断しても構わない。しかし、この場合に
は、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)な
ど、数値計算の高速な機器、即ち高価な機器を利用しな
ければならないため制御装置等が高価になるため、使用
し辛い。従って、本願発明のように、フラクタル性の有
無のみを判断材料に用いると、通常使用されているマイ
コンなど安価な部品を利用できるので制御装置の価格、
ひいては空気調和機を低価格にすることができる。
【0033】カオス状態と判断された場合は、eが不規
則に揺らいでいる状態であり、この状態では、蒸発器
(室外熱交換器)14の出口側がガスの状態になった
り、冷媒のミストが運ばれて液の状態になったりしてお
り、蒸発器が充分有効に利用されている状態である。こ
のため、このカオス状態を維持するために膨脹弁13の
減圧量は現在のままで維持される。このように、減圧量
を変化させる必要のないカオス状態では、減圧量をこの
まま維持して変化させていない。従って、蒸発器の熱交
換効率を常に高い状態に維持することができる。
【0034】このように、カオス状態時における揺らぎ
のような温度変化に対しては、膨脹弁(減圧装置)の減
圧量(後述する異なる実施例では圧縮機の回転速度)を
現時点のまま維持されるので、冷媒の循環量が適切に制
御され、熱交換器の熱交換効率、ひいては空気調和機の
エネルギー効率(例えば、COP)を向上させることが
できる。しかも、蒸発器の状態を温度センサで検知して
いるので、圧縮機に液冷媒が戻らないように制御し、圧
縮機の損傷も防止することができる。
【0035】また、ステップS10でカオス状態でない
と判断された場合や、eあるいはdeが所定領域外にあ
ると判断された場合は、次のファジィ推論により弁開度
の操作量が求められる(ステップS7参照)。
【0036】以下、補正手段を備えた制御装置20の動
作について説明する。制御装置20は、eとdeとを用
いてファジィ推論を行うものである。第5図はメンバー
シップ関数の1例(二等辺三角形)であり、このメンバ
ーシップ関数は横軸上のA,Cの値と横軸上の最大成立
度合いBとが与えられると関数として設定することがで
きる。すなわち、(1)e<Aではメンバーシップ関数
の成立度合いは0、(2)A≦e<(A+C)/2では
メンバーシップ関数の成立度合いは(2B×(e−
A))/(C−A)、(3)(A+C)/2≦e<Cで
はメンバーシップ関数の成立度合いは−(2B×(e−
C))/(C−A)、(4)C≦eではメンバーシップ
関数の成立度合いは0である。このように、図5に示す
A,B,Cの定数が設定されればこのメンバーシップ関
数を具体的に表すことができる。従って、eの値が与え
られればメンバーシップ関数の成立度合いを求めること
ができる。尚、メンバーシップ関数は二等辺三角形に限
るものではなく、正三角形、台形、釣り鐘形、指数関数
など制御対象物と利用者の五感に基づいて任意に設定す
ればよいが、関数化しやすい形が好ましい。
【0037】図6は差eに対する前件部のメンバーシッ
プ関数である。夫々のメンバーシップ関数NB、NS、
ZR、PS、PBは、図5のA、B、Cに相当する定数
が設定されている。尚、メンバーシップ関数ZRは差e
がないと感じる集合を表し、メンバーシップ関数PSは
差eがプラス側に小さくあると感じる集合を表し、メン
バーシップ関数NBは差eがマイナス側に大きくあると
感じる集合を表している。
【0038】また、差eの時間的変化率deについても
同様に操作部のメンバーシップ関数を設定することがで
きる(図7参照)。このdeに関するメンバーシップ関
数も、eに関するメンバーシップ関数と同様にNB〜P
Bまでの5種類のメンバーシップ関数を関数として設定
している。
【0039】図8は後件部のメンバーシップ関数に重み
づけを行う際の関連図(ファジィ推論に用いるルール)
であり、eに対するメンバーシップ関数とdeに対する
メンバーシップ関数の成立度合いとから後件部のメンバ
ーシップ関数の重み付けを行うものである。後件部のメ
ンバーシップ関数NB、NM、NS、ZR、PS、P
M、PBの7個を設定している。メンバーシップ関数Z
Rは図1に示す空気調和機の膨張弁13の弁開度を変更
させない集合を表し、メンバーシップ関数NBは膨張弁
13の開度を大きく減少させる(ステップ数を3減少さ
せる)集合を表し、メンバーシップ関数NMは膨張弁の
開度を中位減少させる(ステップ数を2減少させる)集
合を表し、メンバーシップ関数NSは膨張弁の開度を小
さく減少させる(ステップ数を1減少させる)集合を表
し、メンバーシップ関数PSは膨張弁の開度を少し増加
させる(ステップ数を1増加させる)集合を表し、メン
バーシップ関数PMは膨脹弁の開度を中位増加させる
(ステップ数を2増加させる)集合を表し、メンバーシ
ップ関数PBは膨脹弁の開度を大きく増加させる(ステ
ップ数を3増加させる)集合を表している(図9参
照)。尚、これらのメンバーシップ関数の横軸は弁開度
の操作量dpを設定する。ファジィ推論のルールとして
は以下の25個のルールを設定している。
【0040】(1)eに関するメンバーシップ関数がN
Bが成立しかつdeに関するメンバーシップ関数NBが
成立すれば後件部のメンバーシップ関数NBが成立す
る。
【0041】(2)eに関するメンバーシップ関数がN
Sが成立しかつdeに関するメンバーシップ関数NSが
成立すれば後件部のメンバーシップ関数NMが成立す
る。
【0042】 : : (25)eに関するメンバーシップ関数がPBが成立し
かつdeに関するメンバーシップ関数PBが成立すれば
後件部のメンバーシップ関数PBが成立する。
【0043】図9は後件部のメンバーシップ関数を示す
図である。この図において、横軸は弁開度の操作量d
p、すなわち冷媒循環量の増減量である。この後件部の
メンバーシップ関数NB〜PBを表す関数も前件部のメ
ンバーシップ関数と同様に決定されるが、三角形を用い
ず、実数とした。
【0044】次に、ファジィ推論(例として、MIN−
MAX−実数法について)の主な動作を図10に示すフ
ローチャートを用いて説明する。まず、ステップS31
からファジィ推論を開始する。このファジィ推論は、空
気調和機の空調制御の一環として、所定時間毎(30秒
毎に一回、但し図2のステップS6からステップS9、
S10、S11と進んだ場合にはこの推論は行われな
い)に行われるものである。従って、空気調和機の膨脹
弁13の制御(冷媒の循環量の変更)は所定周期毎に行
われるものである。そして、ステップS32において、
ステップS4で演算されたeとdeの値に対する前件部
のメンバーシップ関数NB〜PBの成立度合を演算によ
り算出する。次に、ステップS33において、上記ルー
ル(1)〜(25)に基づいて後件部のメンバーシップ
関数NB〜PBの重み付け値を算出する。そして、ステ
ップS34で、重み付け値の加重平均を演算し、次にス
テップS35で弁開度操作量dpを算出する。このよう
にして、弁開度操作量dpをファジィ推論により算出す
る。
【0045】以上説明したように、暖房運転時の例で説
明したが、冷房運転時は、室内熱交換器9が蒸発器とし
て作用し、第1温度センサ22で検知した温度がT1
(入口温度)となり、第2温度センサ23で検知した温
度がT2(出口温度)となる。
【0046】尚、この空気調和機では、圧縮機を定格の
もの(一定速のもの)3を使用し、冷媒の流量を膨脹弁
13の開度で調整するものについて、説明したが、供給
される周波数により能力が調整される圧縮機3A及び減
圧量が一定の減圧装置13A(例えば、キャピラリーチ
ューブ)を備えたものにおいて(図11参照)本願発明
を適用しても良い。この場合、カオス状態と判断された
ときには、制御装置21Aにより圧縮機3Aの回転速度
を現状のままにしてカオス状態を維持する(図12のフ
ローチャート参照、尚、図2と異るステップはS10
7、S108、S111である)と良い。図11、図1
2には最初の実施例と同じ構成やステップには同一の符
号を付している。
【0047】また、他の実施例として、制御装置を前述
したDSPなどで構成しても構わない。この場合、前述
したリアプノフ指数、リアプノフ次元、相関次元を演算
することによって、カオス状態か否かを判断する。この
場合、前述した実施例のフラクタル性の有無を判断基準
としていたものに比べて、より厳密にカオス状態か否か
を判断することができる。しかも、これらリアプノフ指
数、リアプノフ次元、相関次元を演算することによっ
て、蒸発器における冷媒循環量を、カオス状態を維持す
るように、制御することができるので、膨脹弁(減圧装
置)の減圧量や圧縮機の回転速度などを制御(増加、減
少、現状維持)することができ、マイクロコンピュータ
を用いた制御装置に比べて、カオス状態を維持するため
のより厳密な制御を行うことができる。
【0048】
【発明の効果】第1〜第6の発明によれば、カオス状態
時における揺らぎのような温度変化に対しては、減圧装
置の減圧量あるいは圧縮機の回転速度が、このカオス状
態を維持するように調節されたり、あるいは現時点のま
ま維持されるので、冷媒の循環量が適切に制御され、熱
交換器の熱交換効率、ひいては空気調和機のエネルギー
効率を向上させることができる。
【0049】また、第3及び第6の発明によれば、フラ
クタル性の有無の解析をマイクロコンピュータで行うこ
とができ、高速で高価な演算処理装置を必要とせず、蒸
発器に流れる冷媒の循環量の制御を行うことができるた
め、エネルギー効率の向上した空気調和機を安価に提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和機を示す冷媒回路図であ
る。
【図2】同空気調和機の制御装置の主な制御フローを示
すフローチャートである。
【図3】同空気調和機の蒸発器におけるeの時間的変化
を示す線図である。
【図4】図3におけるlog<L(k)>とkとの関係
を示す線図である。
【図5】メンバーシップ関数の一例(二等辺三角形)を
示す特性図である。
【図6】同空気調和機のeにおける前件部のメンバーシ
ップ関数の特性図である。
【図7】同空気調和機のdeにおける前件部のメンバー
シップ関数の特性図である。
【図8】同空気調和機の後件部のメンバーシップ関数に
重み付けを行う際の関連図である。
【図9】同空気調和機のdpにおける後件部のメンバー
シップ関数の特性図である。
【図10】同空気調和機の操作量dpを演算する制御フ
ローを示すフローチャートである。
【図11】この発明の空気調和機の異なる実施例を示す
冷媒回路図である。
【図12】同空気調和機の制御器の主な制御フローを示
すフローチャートである。
【符号の説明】
3 圧縮機 3A 圧縮機 9 室内熱交換器(冷房運転時に蒸発器) 14 室外熱交換器(暖房運転時に蒸発器) 13 膨脹弁(減圧装置) 13A キャピラリーチューブ(減圧装置) 18 第1温度センサ 20 第2温度センサ 21 制御装置 21A 制御装置 22 第1温度センサ 23 第2温度センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と凝縮器と減圧量を調節可能な減
    圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを構成
    し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を検知
    する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を検知
    する第2温度センサと、前記両温度センサの検知した温
    度の差に応じて前記減圧装置の減圧量を制御する制御装
    置とを備えた空気調和機において、前記制御装置には、
    前記温度の差及びこの差の変化率が所定領域の範囲内の
    ときカオス解析を行い、この解析によりカオス状態と判
    断された場合、このカオス状態を維持するように前記減
    圧装置の減圧量を制御する補正手段を備えたことを特徴
    とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 圧縮機と凝縮器と減圧量を調節可能な減
    圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを構成
    し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を検知
    する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を検知
    する第2温度センサと、前記両温度センサの検知した温
    度の差に応じて前記減圧装置の減圧量を制御する制御装
    置とを備えた空気調和機において、前記制御装置には、
    前記温度の差及びこの差の変化率が所定領域の範囲内の
    ときカオス解析を行い、この解析によりカオス状態と判
    断された場合、前記減圧装置の減圧量を現時点のまま維
    持する補正手段を備えたことを特徴とする空気調和機。
  3. 【請求項3】 圧縮機と凝縮器と減圧量を調節可能な減
    圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを構成
    し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を検知
    する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を検知
    する第2温度センサと、前記両温度センサの検知した温
    度の差に応じて前記減圧装置の減圧量を制御する制御装
    置とを備えた空気調和機において、前記制御装置をマイ
    クロコンピュータなどで構成すると共に、この制御装置
    には、前記温度の差及びこの差の変化率が所定領域の範
    囲内のときフラクタル性の有無の解析を行い、この解析
    によりフラクタル性が有ると判断された場合、前記減圧
    装置の減圧量を現時点のまま維持する補正手段を備えた
    ことを特徴とする空気調和機。
  4. 【請求項4】 回転速度を調節可能な圧縮機と凝縮器と
    減圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを構
    成し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を検
    知する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を検
    知する第2温度センサと、前記両温度センサの検知した
    温度の差に応じて前記圧縮機の回転速度を調整する制御
    装置とを備えた空気調和機において、前記制御装置に
    は、前記温度の差及びこの差の変化率が所定領域の範囲
    内のときカオス解析を行い、この解析によりカオス状態
    と判断された場合、このカオス状態を維持するように前
    記圧縮機の回転速度を制御する補正手段を備えたことを
    特徴とする空気調和機。
  5. 【請求項5】 回転速度を可変可能な圧縮機と凝縮器と
    減圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを構
    成し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を検
    知する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を検
    知する第2温度センサと、前記両温度センサの検知した
    温度の差に応じて前記圧縮機の回転速度を調整する制御
    装置とを備えた空気調和機において、前記制御装置に
    は、前記温度の差及びこの差の変化率が所定領域の範囲
    内のときカオス解析を行い、この解析によりカオス状態
    と判断された場合、前記圧縮機の回転速度を維持する補
    正手段を備えたことを特徴とする空気調和機。
  6. 【請求項6】 回転速度を可変可能な圧縮機と凝縮器と
    減圧装置と蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクルを構
    成し、前記蒸発器の入口あるいは中間の蒸発器温度を検
    知する第1温度センサと、蒸発器出口の蒸発器温度を検
    知する第2温度センサと、前記両温度センサの検知した
    温度の差に応じて前記圧縮機の回転速度を調整する制御
    装置とを備えた空気調和機において、前記制御装置をマ
    イクロコンピュータなどで構成すると共に、この制御装
    置には、前記温度の差及びこの変化率が所定領域の範囲
    内のときフラクタル性の有無の解析を行い、この解析に
    よりフラクタル性が有ると判断された場合、前記圧縮機
    の回転速度を現時点のまま維持する補正手段を備えたこ
    とを特徴とする空気調和機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6763271B2 (en) * 2001-04-12 2004-07-13 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Tracking sustained chaos
WO2021014943A1 (ja) * 2019-07-22 2021-01-28 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置

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