JPH0820075A - プラスチックポリゴンミラーの冷却方法及び冷却用治具 - Google Patents

プラスチックポリゴンミラーの冷却方法及び冷却用治具

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JPH0820075A
JPH0820075A JP15452994A JP15452994A JPH0820075A JP H0820075 A JPH0820075 A JP H0820075A JP 15452994 A JP15452994 A JP 15452994A JP 15452994 A JP15452994 A JP 15452994A JP H0820075 A JPH0820075 A JP H0820075A
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JP
Japan
Prior art keywords
polygon mirror
plastic
optical surface
cooling
temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP15452994A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Kawamata
進一 川俣
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチックポリゴンミラー1に光学面2の
表面層近傍の内部応力を緩和して、内部応力による不均
一な収縮変形が発生することなく冷却する。 【構成】 プラスチックにて成形されたプラスチックポ
リゴンミラーの光学面に、このプラスチックポリゴンミ
ラーの構成材料の熱変形温度以上に昇温した光学鏡面を
有するコア面を一定時間接触させて圧縮力を与え、その
後冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザプリンタや複写
機の走査光学装置に用いられるプラスチックよりなるポ
リゴンミラーを成形する工程における冷却方法及び冷却
用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査光学装置に用いるプラスチックポリ
ゴンミラーの成形法は、成形金型の成形型面を反射鏡の
要求精度以上の鏡面に仕上げておき、この成形金型内に
流動状態のプラスチックを注入して固化させて、反射面
を形成すべき鏡面を有する成形体を得るものである。
【0003】この成形方法は、成形金型から成形体を取
り出した後、研磨加工を行なうことなく、所望の精度の
鏡面を得ようとするものである。
【0004】しかしながら、プラスチックポリゴンミラ
ーは成形体の厚さが4mm以上であることから、ヒケが
大きく発生し、所望の精度を得るのは困難である。この
欠点を改善するためのものとして、プラスチック材料を
金型キャビティに充填後、金型コアの一部を移動させて
キャビティ内樹脂を加圧する射出圧縮成形という方法に
よって精度を向上させようとする試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法ではキャビティ内樹脂を加圧するときに、成形体のコ
ーナー部等に応力が集中し、冷却時に変形が生じるとい
う欠点がある。
【0006】本発明は上記のことにかんがみなされたも
ので、冷却時にポリゴンミラーの内部応力による不均一
な収縮変形を抑えて光学面精度の悪化防止が可能となる
プラスチックポリゴンミラーの冷却方法及び冷却治具を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るプラスチックポリゴンミラーの冷却方
法は、プラスチックにて成形されたプラスチックポリゴ
ンミラーの光学面に、このプラスチックポリゴンミラー
の構成材料の熱変形温度以上に昇温した光学鏡面を有す
るコア面を一定時間接触させて圧縮力を与え、その後冷
却するようにしている。そして上記プラスチックポリゴ
ンミラーの光学面に対するコア面による圧縮力の付加及
び除去を多段階に行い、及びコア面の温度をコア面によ
る圧縮力の付加終了時に連続的に減少させる。また、本
発明に係るプラスチックポリゴンミラーの冷却治具は、
プラスチックポリゴンミラーの各光学面に均一な圧縮力
を与えるコア面を有する光学面押圧手段と、この光学面
押圧手段のコア面をプラスチックポリゴンミラーの構成
材料の熱変形温度以上に加熱する加熱手段とからなって
いる。
【0008】
【作 用】プラスチックポリゴンミラーは、全体の冷
却収縮によらず、光学面の表面層のみが加熱加圧成され
てこれのコーナー部の局所的な歪みが変形が修正され
る。
【0009】
【実 施 例】本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1(a),(b)は、射出圧縮成形法により6角
形状に成形されたプラスチックポリゴンミラー(以下こ
の説明では単にポリゴンミラーという)1の一例を示す
もので、図中Wは光学面2の走査方向の幅、Hは光学面
2の厚さ、3は圧縮工程時に圧縮コアにて押圧されてへ
こまされた圧縮部、Eは上面部の非圧縮部1aの長さ、
dはモータ取付け用の穴4の内径をそれぞれ示す。そし
て上記各部の寸法の一例を示すと、Wは23mm、Hは
6mm、Eは7mm、dは10mmである。
【0010】上記形状のポリゴンミラー1は、これを偏
光を利用した歪み観測をした結果、図2(a),(b)
に示すようになった。図2(a)はポリゴンミラー1の
光学面2のコーナ部に内部応力が集中した場合、図2
(b)はコーナー部への内部応力の集中が少ない場合を
それぞれ示す。このような形状の場合、この両図に示す
ように、コーナ部内部応力が集中することがわかった。
【0011】その結果、特に図2(a)で示すように、
コーナー部に内部応力の集中がある場合には、図2
(c)に示すように、冷却時にポリゴンミラー1は不均
一な収縮変形を起こし、光学面2が図中で点線で示すよ
うに凹形状に変形する。
【0012】そこで、この実施例では、射出圧縮成形さ
れてその成形金型から取り出したポリゴンミラーを、こ
れの成形材料であるポリカーボネートの熱変形温内であ
る128℃より10℃高い138℃まで加熱ヒータで加
熱した冷却治具内にセットして、ポリゴンミラー1の光
学面2に上記加熱状態で圧縮力を与えて光学面2の表面
層近傍の内部応力を緩和し、その後、その状態で加熱ヒ
ータの温度を調整して冷却治具の温度を下げてポリゴン
ミラー1の表面層近傍の樹脂が固化する温度まで冷却す
る。これにより、コーナー部での内部応力による不均一
な収縮変形の発生が抑えられた。
【0013】上記実施例において、光学面2の加熱時間
は約5分、加熱温度から固化温度まで冷却する間の所要
時間は約15分である。またこのときの圧縮力は、ポリ
ゴンミラー1の射出圧縮成形時における圧縮力の約1/
10程度が適当である。すなわち、成形時の圧縮力が3
0メガパスカル(MPa)である場合には冷却治具によ
る圧縮力は3メガパスカル(MPa)である。
【0014】図3(a),(b)及び図4は上記冷却治
具の一例を示すもので、図中5は取付け台であり、この
取付け台5は加熱ヒータ6上に載置してある。そしてこ
の取付け台5上に冷却用台7が位置決め突起8により所
定位置に位置決め載置されている。冷却用台7の中央部
にはポリゴンミラー1より少し小さくした試料台用穴9
が設けてあり、この穴9の中心部に取付け台5に突設し
たガイドロッド10が突出されている。そして上記ガイ
ドロッド10には試料台11がスライド自在に、かつ図
示しないキー等の手段にて回転方向に係合して嵌合され
ている。
【0015】試料台11は、ポリゴンミラー1の穴4よ
り小径の筒部11aと、ポリゴンミラー1の圧縮部3の
へこみ部に嵌合する嵌合部11bとを有しており、ポリ
ゴンミラー1がこの試料台11上に嵌合載置されるよう
になっている。
【0016】取付け台5の上面には、油圧シリンダ装置
12と、この油圧シリンダ装置12のピストンロッド1
3の先端に連続したスライドコア14とからなる光学面
押圧装置15が、ポリゴンミラー1の光学面2の数だ
け、各光学面2と直角方向に向けて設けてある。そして
各スライドコア14の端面の形状は各光学面2の表面形
状と同一になっていると共に、その表面が鏡面仕上げさ
れている。
【0017】次に上記構成の冷却治具の作用を説明す
る。まず加熱ヒータ6にて取付け台5及び、これの上に
載置した冷却用台7を加熱し、この冷却用台7の温度が
所望の温度、すなわち、この冷却用台7上のスライドコ
ア14の温度がポリカボネートの熱変形温度より10℃
高い、138℃となる温度に加熱する。このときの温度
は、冷却用台7に内蔵した温度センサ16にて検出し、
この検出値に基づいて加熱ヒータ6を制御することによ
り調節される。
【0018】スライドコア14が所望の温度になった状
態で冷却用台7にポリゴンミラー1をセットする。この
ポリゴンミラー1のセットは、ガイドロッド10に嵌合
している試料台11上にポリゴンミラー1を、これの圧
縮部3を嵌合して載せ、その状態で試料台11を降ろし
て行なう。これによりポリゴンミラー1はガイドロッド
10と同心状に、かつ各光学面2が光学面押圧装置15
のスライドコア14の端面に対向してセットされる。ま
たこのときポリゴンミラー1の穴4及び下面は試料台1
1とは非接触状態となる。
【0019】上記のようにしてポリゴンミラー1を冷却
用台7にセットした状態で、各光学面押圧装置15の油
圧シリンダ装置12を作動して各スライドコア14の端
面をポリゴンミラー1の光学面2に接触させる。これに
より各光学面2は熱変形温度より10℃高い温度に加熱
される。この状態で、ポリゴンミラー1は各スライドコ
ア14に押されて、その取付け位置が各光学面押圧装置
15に対して補正される。
【0020】ついで各光学面押圧装置15の各油圧シリ
ンダ装置12に均等量の圧油を供給して各光学面2に均
等の押圧力を作用させる。このときの圧縮力は図5
(a)に示すように、t1 ,t2 ,t3 の短かい時間内
にP1 ,P2 ,P3 と3段階に変化させて所定の圧縮力
3 の上昇保持させる。この状態で、各光学面2はそれ
ぞれ上記温度(138℃)にて加熱されながら3メガパ
スカル(MPa)の力にて圧縮され、この間に光学面2
の表面層近傍の内部応力が緩和される。このときの圧縮
時間は約5分である。そしてこの間にわたって図5
(b)に示すように、冷却用台7の温度を一定(138
℃)に保つ。
【0021】約5分経過してポリゴンミラー1の光学面
表面層近傍の内部応力が緩和し終えると思われる時点t
4 になったら、加熱ヒータ6の温度調節により、冷却用
台7の温度をt4 (138℃)からt6 (約50℃)に
なるまで徐々に、例えば15分かけて降下させる。
【0022】これと同時に、光学面押圧装置15による
圧縮力も、この間に、t4 ,t5 ,t6 の3段階に降下
し、t6 の時点でポリゴンミラー1を冷却治具より取り
出す。
【0023】上記のように圧縮力を3段階にわけて増加
する理由は、第1に、ポリゴンミラー1を冷却用治具に
取付け時に発生するわずかな位置ずれをスライドコア1
4の移動によって補正するためであり、第2に、冷却用
治具の熱が充分に伝わらないうちに高い圧縮力を与える
と塑性変形による歪みが発生することがあり、それよ予
防する。
【0024】また、同様に、P3 の所定の圧縮力から3
段階でこの圧縮力を減少する理由は、冷却治具の温度が
低下するに伴って、ポリゴンミラー1が固化しているの
にもかかわらず高い圧縮力を与えると、塑性変形による
歪みが発生することがあり、それを予防するためであ
る。
【0025】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の小設
計変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施例
において、対象とするプラスチックポリゴンミラーを6
面体のかわりに4面体もしくは多面体を採用すること
や、プラスチックポリゴンミラー光学面が平面ではなく
球面もしくは非球面の場合もスライドコアの光学鏡面の
形状をポリゴンミラーの光学面の形状に合わせて使うこ
とや、スライドコアを押す駆動源に油圧シリンダのかわ
りに空気圧シリンダやモータを使った駆動装置にした
り、図6に示すように、駆動装置を使わずにくさび型構
造を採用することや、プラスチックポリゴンミラーの材
料をポリカーボネートから非晶質ポリオレフィンに替え
て使うことや、冷却用治具と別の構成の加熱ヒータを冷
却治具に加熱ヒータを内蔵させた一体化して使うこと
や、冷却治具の圧縮力の圧力変化を3段階ではなく成形
体の形状によって多数段化や2段階や1段階化にするこ
とも可能である。
【0026】図6にて示すくさび型構造のものは、ポリ
ゴンミラー1の光学面2に対向するスライドコア14′
を上板17に対して上動する底板18のくさび片19に
て押動するようになっている。
【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、射出圧縮成形され
たプラスチックポリゴンミラー1の光学面2の表面層近
傍の内部応力が緩和されて、内部応力による不均一な収
縮変形が発生することなく冷却され、成形後の光学面2
の平面度が従来の2μmに対して0.32μm以下に向
上することができた。
【0028】また上記方法を実施する冷却治具によれ
ば、多面体状のプラスチックポリゴンミラー1の各光学
面2を均等の圧縮力にて押圧することができ、各光学面
を均質にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は6角形状をしたプラスチックポリゴ
ンミラーを示す平面図、(b)はその断面図である。
【図2】 (a)はコーナー部に内部応力の集中がある
場合、(b)はコーナー部への内部応力の集中が少ない
場合、(c)は光学面の変形例を示すそれぞれプラスチ
ックポリゴンミラーの平面図である。
【図3】 (a)は本発明に係る冷却治具を示す平面
図、(b)はその断面図であり、それぞれ右半分はスラ
イドコアを閉じた状態を、左半分はスライドコアを開け
た状態で示す。
【図4】 ポリゴンミラーを試料台上に載せた状態を示
す一部破断面図である。
【図5】 (a)は冷却用治具の圧縮力変化を示す線
図、(b)は冷却用治具の温度変化を示す線図である。
【図6】 本発明装置の他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…プラスチックポリゴンミラー、1a…非圧縮部、2
…光学面、3…圧縮部、4…穴、5…取付け台、6…加
熱ヒータ、7…冷却用台、8…位置決め突起、9…試料
台用穴、10…ガイドロッド、11…試料台、11a…
筒部、12…油圧シリンダ装置、13…ピストンロッ
ド、14,14′…スライドコア、15…光学面押圧装
置、16…温度センサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックにて成形されたプラスチッ
    クポリゴンミラーの光学面に、このプラスチックポリゴ
    ンミラーの構成材料の熱変形温度以上に昇温した光学鏡
    面を有するコア面を一定時間接触させて圧縮力を与え、
    その後冷却することを特徴とするプラスチックポリゴン
    ミラーの冷却方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックポリゴンミラーの光学面に
    対するコア面による圧縮力が、付加開始時に多段的に増
    加し、付加終了時に多段的に減少し、及びコア面の温度
    がコア面による圧縮力の付加終了時に連続的に減少する
    ことを特徴とする請求項1記載のプラスチックポリゴン
    ミラーの冷却方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックポリゴンミラーの各光学面
    に均一な圧縮力を与えるコア面を有する光学面押圧手段
    と、この光学面押圧手段のコア面をプラスチックポリゴ
    ンミラーの構成材料の熱変形温度以上に加熱する加熱手
    段とからなることを特徴とするプラスチックポリゴンミ
    ラーの冷却治具。
JP15452994A 1994-07-06 1994-07-06 プラスチックポリゴンミラーの冷却方法及び冷却用治具 Pending JPH0820075A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7236282B2 (en) 2004-04-16 2007-06-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Polygon mirror and optical scanning apparatus employing the same

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US7236282B2 (en) 2004-04-16 2007-06-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Polygon mirror and optical scanning apparatus employing the same

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