JPH08200637A - 溶融炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は排ガスのダスト濃度を可及的に低減
し得る溶融炉を提供することを目的とする。 【構成】 ゴミや産業廃棄物等の焼却灰１を溶融処理す
る溶融炉２であって、酸素と可燃性ガスとの混焼により
燃焼ガスを発生させて焼却灰１を溶融せしめるバーナー
８を溶融炉２に設け、該バーナー８により溶融した溶融
物を溜める溜め部４を溶融炉２の底に設け、燃焼ガスを
導入する燃焼ガス導入部５を溶融炉２に連設し、この燃
焼ガス導入部５内に適宜な充填物６を充填したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は都市ゴミ，下水汚泥，産
業廃棄物などを焼却して得られた焼却灰を溶融処理する
溶融炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術発明が解決しようとする課題】一般に都市
ゴミ，下水汚泥，産業廃棄物などの焼却灰は埋め立て廃
棄されている。しかし、近年埋め立て地の確保が困難な
ことから有用利用及び減容等が要請されており、最近可
燃性ガスを燃焼させ、それを熱源として焼却灰を溶融せ
しめる焼却灰の溶融固化手段が提案されている。

【０００３】しかしながら、この焼却灰の溶融固化手段
は、粒径の小さい粉末の焼却灰の場合、燃焼ガスの流速
により飛散し、効率的な処理ができず、また、可燃性ガ
スに空気を混合して燃焼ガスを得るとＮＯ_Xが発生する
などの欠点がある。

【０００４】本発明はこのような欠点を解決したもの
で、粒径の小さい粉末灰でも飛散することなく溶融し、
ＮＯ_Xの発生を可及的に抑えつつ効率的に焼却灰を無害
化処理する溶融炉を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【０００６】ゴミや産業廃棄物等の焼却灰１を溶融処理
する溶融炉２であって、酸素と可燃性ガスとの混焼によ
り燃焼ガスを発生させて焼却灰１を溶融せしめるバーナ
ー８を溶融炉２に設け、該バーナー８により溶融した溶
融物を溜める溜め部４を溶融炉２の底に設け、燃焼ガス
を導入する燃焼ガス導入部５を溶融炉２に連設し、この
燃焼ガス導入部５内に適宜な充填物６を充填したことを
特徴とする溶融炉に係るものである。

【０００７】請求項１記載の溶融炉において、燃焼ガス
導入部５内に導入される燃焼ガスを加熱する加熱手段を
設けたことを特徴とする溶融炉に係るものである。

【０００８】請求項１記載の溶融炉において、充填物６
として耐火物を採用したことを特徴とする溶融炉に係る
ものである。

【０００９】請求項１記載の溶融炉において、充填物６
として可燃物を採用したことを特徴とする溶融炉に係る
ものである。

【００１０】

【作用】焼却灰１をバーナー８の燃焼ガスにより直接溶
融せしめる為、熱効率が良く、効率的且つ迅速な溶融が
できる。未溶融の粉体状の焼却灰１や燃焼ガスで溶融さ
れて生ずる粉体状の残渣が溶融炉２内で浮遊していて
も、該焼却灰１及び残渣は溶融炉２から燃焼ガスととも
に燃焼ガス導入部５に導入され、該燃焼ガス導入５内の
高温に加熱された充填物６により捕獲され、再加熱され
て溶融して滴下し溶融炉２の溜め部４に貯まる。よっ
て、溶融炉２からの排ガスのダスト濃度は最小限度のも
のとなる。

【００１１】

【実施例】図面は本発明の一実施例を図示したもので、
以下に説明する。

【００１２】燃焼空間７を有する溶融炉２は耐火材によ
り耐火構造に構成され、底部に溜め部４が形成されてい
る。溶融炉２の頂部には焼却灰１を溶融炉２内に導入す
る導入管９が設けられ、この導入管９の外側にはバーナ
ー８が設けられている。具体的には導入管９の外側に可
燃性ガス（ＬＰＧ）の供給管８’が繞設され、更に供給
管８’の外側には酸素の供給管８”が繞設されている。
導入管９の上部には供給機10が連設され、この供給機10
には焼却灰１を貯めるホッパー13が連設されている。こ
のホッパー13に貯める焼却灰１は直ちに可燃ガスと酸素
との混焼により生ずる燃焼ガスで溶融される為、可及的
に粒径の小さい焼却灰１が望ましい（望ましくは径１ｍ
ｍ以下）。

【００１３】また、溶融炉２の側部には固形状の粗粒焼
却灰１を溶融炉２内に導入する導入管11が設けられ、こ
の導入管11により焼却灰１は溶融炉２の底の溜め部４に
導入される。この導入管11の上部には供給機12が連設さ
れ、この供給機12には焼却灰１を貯めるホッパー３が連
設されている。このホッパー３に貯められる焼却灰１は
溜め部４で溶融している溶融物の熱及びバーナー８から
の燃焼ガスの熱により溶融される。該焼却灰１は、可及
的に上昇に舞い上がらないようホッパー13に貯める焼却
灰１のように粉状ではなく、粒状の方が望ましい。

【００１４】また、溶融炉２の溜め部４には溶融物排出
口14が形成され、上側がスラグ出湯口14ａ、下側がメタ
ル出湯口14ｂである。

【００１５】また、溶融炉２の一側上部には耐火材で形
成した筒状の燃焼ガス導入部５が連設され、この燃焼ガ
ス導入部５には充填物６として例えばセラミック等の耐
火物やコークス等の可燃物が詰入され、この燃焼ガス導
入部５の上部には排ガスを排出する排気口15が形成され
ている。この燃焼ガス導入部５の底５ａは溶融物が滴下
し得るように傾斜状態に形成されている。

【００１６】また、溶融炉２と燃焼ガス導入部５との連
設部には補助バーナー16が設けられている。

【００１７】本実施例は上述のように構成したから次の
作用効果を有する。

【００１８】供給管８’から噴出する可燃ガスは供給管
８”から噴出する酸素と混焼し、燃焼ガス（約2500℃程
度）となって溶融炉２内に噴出する。導入管９から供給
機10により定量づつ溶融炉２内に導入された焼却灰１は
この高温に燃焼している燃焼ガスの火焔の中へ供給さ
れ、急激な熱伝導により融点まで加熱され、溶融して溜
め部４に溜まる。

【００１９】この燃焼の際、空気を用いず、酸素を用い
る為、ＮＯ_Xの生成を可及的に抑制し得るとともに必要
十分な高温の燃焼ガスが得られることになる。

【００２０】また、導入管11から溶融炉２内に導入され
た焼却灰１は溜め部４に貯められている溶融物の熱及び
燃焼ガスの熱により溶融される。

【００２１】燃焼ガスは燃焼ガス導入部５を通過し、排
気口15から排出される訳であるが、燃焼ガスは燃焼ガス
導入部５中の加熱されている充填物６と衝突する為、燃
焼ガス中の未溶融の粉状の焼却灰１や燃焼ガスで溶融さ
れて生ずる粉体状の残渣は該充填物６に付着し、捕獲さ
れて溶融し、溜め部４に滴下する。

【００２２】従って、排気口15から排出される排ガスの
ダスト濃度は可及的に低減し、よって、無害化状態の排
ガスが排出口15から排出される為、該排気口15に連設さ
れた公知の排ガス処理装置への負担が軽減される。

【００２３】溶融炉２の底部に溜まった溶融物は該溶融
炉２内が所定温度に保持されている為、常に溶融状態で
あり、よって、スラグ出湯口14ａ，メタル出湯口14ｂか
ら夫々出湯され、処理設備（図示省略）により処理さ
れ、再利用に供される。

【００２４】高融点の焼却灰１の場合は補助バーナー16
により燃焼ガスを所定温度にまで上昇させることが望ま
しい。

【００２５】充填物６が可燃物例えばコークスの場合に
は、該コークスは上記粉状の焼却灰１や残渣が付着した
まま焼却溶融し、溜め部４に滴下する。このように充填
物６として可燃物を採用した場合には補助バーナー16か
ら燃焼ガスを噴出する代わりに酸素を供給するだけで良
い。

【００２６】尚、焼却灰１には必要によって、スラグの
塩基度（ＣａＯ/Ｏ₂）を調整するために副資材（例えば
ＣａＣＯ³又はＣａＯ）を混合することもできる。

【００２７】また、図２に図示したように酸素を焼却灰
１とともに導入管９から噴出すると、供給機10が不要と
なり（エゼクター原理）、それだけ良好に焼却灰１の溶
融炉２への導入が行われる。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、排
ガスのダスト濃度を低減し得るとともに高温溶融が可能
となり、金属等の高融点の焼却灰の処理も良好に行い得
る秀れた溶融炉となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の説明断面図である。

【図２】別例の要部の証明断面図である。

【符号の説明】

１ 焼却灰 ２ 溶融炉 ４ 溜め部 ５ 燃焼ガス導入部 ６ 充填物 ８ バーナー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴミや産業廃棄物等の焼却灰を溶融処理
   する溶融炉であって、酸素と可燃性ガスとの混焼により
   燃焼ガスを発生させて焼却灰を溶融せしめるバーナーを
   溶融炉に設け、該バーナーにより溶融した溶融物を溜め
   る溜め部を溶融炉の底に設け、燃焼ガスを導入する燃焼
   ガス導入部を溶融炉に連設し、この燃焼ガス導入部内に
   適宜な充填物を充填したことを特徴とする溶融炉。
2. 【請求項２】 請求項１記載の溶融炉において、燃焼ガ
   ス導入部内に導入される燃焼ガスを加熱する加熱手段を
   設けたことを特徴とする溶融炉。
3. 【請求項３】 請求項１記載の溶融炉において、充填物
   として耐火物を採用したことを特徴とする溶融炉。
4. 【請求項４】 請求項１記載の溶融炉において、充填物
   として可燃物を採用したことを特徴とする溶融炉。