JPH08200191A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents
内燃機関の点火時期制御装置Info
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- JPH08200191A JPH08200191A JP593595A JP593595A JPH08200191A JP H08200191 A JPH08200191 A JP H08200191A JP 593595 A JP593595 A JP 593595A JP 593595 A JP593595 A JP 593595A JP H08200191 A JPH08200191 A JP H08200191A
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- Japan
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- ignition timing
- atmospheric pressure
- engine
- map
- basic ignition
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- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 吸気管圧力と機関回転速度とに基づいて予め
設定されたマップから基本点火時期を算出する点火時期
制御装置において、大気圧による影響を受けることな
く、最適な点火時期にて点火制御することができるよう
にすることにより、ノックの発生防止、燃費の向上、及
び出力性能の向上を図る。 【構成】 吸気管圧力PM<所定値PM1 のときには、
PMとエンジン回転速度NEとに基づき、共通基本点火
時期マップ(A)を参照して、基本点火時期を決定す
る。PM≧PM1 のときには、大気圧センサの出力に基
づき、現在の大気圧PAがどのような領域にあるかを判
定し、PA1 <PAのときには第1の個別基本点火時期
マップ(B)を、PA2 <PA≦PA1 のときには第2
の個別基本点火時期マップ(C)を、PA≦PA2 のと
きには第3の個別基本点火時期マップ(D)を、PMと
NEとに基づきそれぞれ参照して基本点火進角を決定す
る。
設定されたマップから基本点火時期を算出する点火時期
制御装置において、大気圧による影響を受けることな
く、最適な点火時期にて点火制御することができるよう
にすることにより、ノックの発生防止、燃費の向上、及
び出力性能の向上を図る。 【構成】 吸気管圧力PM<所定値PM1 のときには、
PMとエンジン回転速度NEとに基づき、共通基本点火
時期マップ(A)を参照して、基本点火時期を決定す
る。PM≧PM1 のときには、大気圧センサの出力に基
づき、現在の大気圧PAがどのような領域にあるかを判
定し、PA1 <PAのときには第1の個別基本点火時期
マップ(B)を、PA2 <PA≦PA1 のときには第2
の個別基本点火時期マップ(C)を、PA≦PA2 のと
きには第3の個別基本点火時期マップ(D)を、PMと
NEとに基づきそれぞれ参照して基本点火進角を決定す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関の運転状態に応じ
た最適なクランク位置で圧縮混合気に点火するための制
御を行う、内燃機関(エンジン)の点火時期制御装置に
関し、より詳細には、吸気管圧力と機関回転速度とに基
づいて予め設定されたマップから基本点火時期を算出す
る点火時期制御装置に関する。
た最適なクランク位置で圧縮混合気に点火するための制
御を行う、内燃機関(エンジン)の点火時期制御装置に
関し、より詳細には、吸気管圧力と機関回転速度とに基
づいて予め設定されたマップから基本点火時期を算出す
る点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジン回転速度と吸気管圧
力とから吸入空気量を推定するスピードデンシティ方式
のエンジンにおいては、通常、その基本点火時期も、エ
ンジン回転速度と吸気管圧力とに基づいて予め設定され
たマップを参照することにより算出される。この基本点
火時期マップにおいては、同一エンジン回転速度につい
て、エンジン負荷すなわち吸気管圧力が大きくなると、
より遅角側に点火時期が設定される。そして、その基本
点火時期に対して暖機進角補正や高温進角補正などの各
種補正が施されて、最終的な点火時期(点火進角)が決
定される。
力とから吸入空気量を推定するスピードデンシティ方式
のエンジンにおいては、通常、その基本点火時期も、エ
ンジン回転速度と吸気管圧力とに基づいて予め設定され
たマップを参照することにより算出される。この基本点
火時期マップにおいては、同一エンジン回転速度につい
て、エンジン負荷すなわち吸気管圧力が大きくなると、
より遅角側に点火時期が設定される。そして、その基本
点火時期に対して暖機進角補正や高温進角補正などの各
種補正が施されて、最終的な点火時期(点火進角)が決
定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術に係る点火時期制御装置は、大気圧が変化した条件下
においても常に最適な点火時期を算出する、というもの
ではない。その理由は、以下の通りである。通常、エン
ジンでは、吸入新気(空気又は混合気)の体積を吸気系
入口の温度・圧力で換算すると、一般に行程容積より小
さくなり、この比率は体積効率ηv と呼ばれる。すなわ
ち、体積効率ηv は、エンジンの吸い込み能力を表すも
のである。
術に係る点火時期制御装置は、大気圧が変化した条件下
においても常に最適な点火時期を算出する、というもの
ではない。その理由は、以下の通りである。通常、エン
ジンでは、吸入新気(空気又は混合気)の体積を吸気系
入口の温度・圧力で換算すると、一般に行程容積より小
さくなり、この比率は体積効率ηv と呼ばれる。すなわ
ち、体積効率ηv は、エンジンの吸い込み能力を表すも
のである。
【0004】図6(A)は、一般のエンジン(ここで
は、自然給気かつサージタンクとエアクリーナとが離れ
た吸気系を有するエンジンのことをいう)に関し、大気
圧PA=760mmHgの条件下でのエンジン回転速度NE
と体積効率ηv との関係を吸気管圧力PM=760mmHg
(波形)及び680mmHg(波形)の場合について示
す特性図である。ここで、大気圧PA=760mmHgであ
るから、PM=760mmHgの場合の波形は、スロット
ル全開(以下、WOT(wide open throttle)ともい
う。)時の特性を示すこととなる。この図に示されるよ
うに、上述のような吸気系を有するエンジンでは、スロ
ットル全開時、体積効率ηv のピークが低速側と高速側
との2山できるが(波形)、そのうち低速側のηv ピ
ークは、スロットル全開時のみ発生し、スロットル非全
開時には発生しない(波形)。この低速側ηv ピーク
は、エアクリーナからサージタンクを経てシリンダヘッ
ドに至る距離で決まるものである。大気圧PA=760
mmHgの条件下でのエンジン回転速度NEと点火時期との
関係を吸気管圧力PM=760mmHg及び680mmHgの場
合について示すと、以上のようなηv 特性の相違によ
り、それぞれ図6(B)の波形、のようになり、相
似形とはならない。なお、吸気管圧力PM=680mmHg
の方の点火時期がPM=760mmHgの場合よりも進角側
とする必要があるのは、吸入空気量が少ないため、混合
気の燃焼速度が遅くなるためである。
は、自然給気かつサージタンクとエアクリーナとが離れ
た吸気系を有するエンジンのことをいう)に関し、大気
圧PA=760mmHgの条件下でのエンジン回転速度NE
と体積効率ηv との関係を吸気管圧力PM=760mmHg
(波形)及び680mmHg(波形)の場合について示
す特性図である。ここで、大気圧PA=760mmHgであ
るから、PM=760mmHgの場合の波形は、スロット
ル全開(以下、WOT(wide open throttle)ともい
う。)時の特性を示すこととなる。この図に示されるよ
うに、上述のような吸気系を有するエンジンでは、スロ
ットル全開時、体積効率ηv のピークが低速側と高速側
との2山できるが(波形)、そのうち低速側のηv ピ
ークは、スロットル全開時のみ発生し、スロットル非全
開時には発生しない(波形)。この低速側ηv ピーク
は、エアクリーナからサージタンクを経てシリンダヘッ
ドに至る距離で決まるものである。大気圧PA=760
mmHgの条件下でのエンジン回転速度NEと点火時期との
関係を吸気管圧力PM=760mmHg及び680mmHgの場
合について示すと、以上のようなηv 特性の相違によ
り、それぞれ図6(B)の波形、のようになり、相
似形とはならない。なお、吸気管圧力PM=680mmHg
の方の点火時期がPM=760mmHgの場合よりも進角側
とする必要があるのは、吸入空気量が少ないため、混合
気の燃焼速度が遅くなるためである。
【0005】図6(A)のようなηv 特性の条件下です
なわち平地で点火時期を適合させて、図6(B)に示す
ような点火時期マップを設定し、それを大気圧PA=6
80mmHgとなる高地で適用した場合について考える。P
A=680mmHg、PM=680mmHgでのNE−ηv 特性
は、図6(C)の波形に示されるようになる。すなわ
ち、この場合、スロットル全開状態であるため、前述し
た低速側ηv ピークが発生し、図6(A)の波形(P
A=760mmHg、PM=680mmHg、スロットル非全
開)に比較し、低速側の一部において体積効率ηv が大
きくなる。このような図6(C)波形に示されるηv
特性により実際に要求される点火時期特性は、図6
(D)波形に示される通りである。従って、平地で適
合せしめられたPM=680mmHgの点火時期特性(図6
(B)波形)は、実際に要求される点火時期特性より
も、低速側ηv ピークが現れる一部の回転速度域にて進
角側に設定されていることとなる。それ故、ノックが発
生するという問題を誘発する。
なわち平地で点火時期を適合させて、図6(B)に示す
ような点火時期マップを設定し、それを大気圧PA=6
80mmHgとなる高地で適用した場合について考える。P
A=680mmHg、PM=680mmHgでのNE−ηv 特性
は、図6(C)の波形に示されるようになる。すなわ
ち、この場合、スロットル全開状態であるため、前述し
た低速側ηv ピークが発生し、図6(A)の波形(P
A=760mmHg、PM=680mmHg、スロットル非全
開)に比較し、低速側の一部において体積効率ηv が大
きくなる。このような図6(C)波形に示されるηv
特性により実際に要求される点火時期特性は、図6
(D)波形に示される通りである。従って、平地で適
合せしめられたPM=680mmHgの点火時期特性(図6
(B)波形)は、実際に要求される点火時期特性より
も、低速側ηv ピークが現れる一部の回転速度域にて進
角側に設定されていることとなる。それ故、ノックが発
生するという問題を誘発する。
【0006】なお、その問題は、ノック制御(点火時期
をエンジンのノック限界に入らせず、しかもそれに極め
て近い位置に制御することにより、エンジン効率の向
上、出力性能の向上、及び燃費の低減を図るもの)を有
するエンジンにおいては、遅角量の増大を引き起こす。
従って、燃料噴射制御においては、遅角量増大に伴う排
気温度上昇を防止するために燃料増量補正(遅角増量)
がなされることとなる。図7は、そのような状態を示す
ものである。この遅角増量は、本来、不必要なものであ
り、点火時期が適切に設定されていれば防止可能なもの
である。
をエンジンのノック限界に入らせず、しかもそれに極め
て近い位置に制御することにより、エンジン効率の向
上、出力性能の向上、及び燃費の低減を図るもの)を有
するエンジンにおいては、遅角量の増大を引き起こす。
従って、燃料噴射制御においては、遅角量増大に伴う排
気温度上昇を防止するために燃料増量補正(遅角増量)
がなされることとなる。図7は、そのような状態を示す
ものである。この遅角増量は、本来、不必要なものであ
り、点火時期が適切に設定されていれば防止可能なもの
である。
【0007】なお、特開平5-149187号公報は、大気圧補
正係数を導入して吸気管圧力PMを補正し、補正後の吸
気管圧力PM’に基づいて基本燃料噴射量及び基本点火
時期を算出する技術構成を開示している。しかしなが
ら、そのような大気圧による補正では、以下のような問
題が存在する。すなわち、平地(大気圧PA=760mm
Hg)で適合させた点火時期を、大気圧PA=680mmHg
かつスロットル全開(すなわち吸気管圧力PM=680
mmHg)の条件下で補正する場合について考えてみる。ま
ず、補正後吸気管圧力PM’≒760mmHgと補正したと
きには、図8に示されるように、全回転速度域にて点火
時期が遅角せしめられるため、低速側ηvピーク近辺で
のノックは回避されることとなるが、他の回転速度域で
は、要求進角値よりも遅角側となり、燃費及び出力が悪
化する。また、680mmHg<PM’<760mmHgなるP
M’へと吸気管圧力を補正したときには、ノック、燃
費、及び出力についての妥協点を見い出すことは可能で
あるものの、全回転速度域にわたって最適な点火時期は
得ることができない。また、ノック制御を有するエンジ
ンでは、依然として、図9に示されるような点火遅角量
が発生し、燃料噴射制御において不必要な遅角増量が入
る可能性が残る。
正係数を導入して吸気管圧力PMを補正し、補正後の吸
気管圧力PM’に基づいて基本燃料噴射量及び基本点火
時期を算出する技術構成を開示している。しかしなが
ら、そのような大気圧による補正では、以下のような問
題が存在する。すなわち、平地(大気圧PA=760mm
Hg)で適合させた点火時期を、大気圧PA=680mmHg
かつスロットル全開(すなわち吸気管圧力PM=680
mmHg)の条件下で補正する場合について考えてみる。ま
ず、補正後吸気管圧力PM’≒760mmHgと補正したと
きには、図8に示されるように、全回転速度域にて点火
時期が遅角せしめられるため、低速側ηvピーク近辺で
のノックは回避されることとなるが、他の回転速度域で
は、要求進角値よりも遅角側となり、燃費及び出力が悪
化する。また、680mmHg<PM’<760mmHgなるP
M’へと吸気管圧力を補正したときには、ノック、燃
費、及び出力についての妥協点を見い出すことは可能で
あるものの、全回転速度域にわたって最適な点火時期は
得ることができない。また、ノック制御を有するエンジ
ンでは、依然として、図9に示されるような点火遅角量
が発生し、燃料噴射制御において不必要な遅角増量が入
る可能性が残る。
【0008】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、吸気
管圧力と機関回転速度とに基づいて予め設定されたマッ
プから基本点火時期を算出する点火時期制御装置におい
て、大気圧による影響を受けることなく、最適な点火時
期にて点火制御することができるようにすることによ
り、ノックの発生防止、燃費の向上、及び出力性能の向
上を図ることにある。
管圧力と機関回転速度とに基づいて予め設定されたマッ
プから基本点火時期を算出する点火時期制御装置におい
て、大気圧による影響を受けることなく、最適な点火時
期にて点火制御することができるようにすることによ
り、ノックの発生防止、燃費の向上、及び出力性能の向
上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、大気圧に応じ
た複数の基本点火時期マップを準備し、検出される大気
圧に応じて参照する基本点火時期マップを切り替える、
という基本的着想に基づき、以下に記載されるような技
術構成を採用することにより、上記目的を達成するもの
である。
た複数の基本点火時期マップを準備し、検出される大気
圧に応じて参照する基本点火時期マップを切り替える、
という基本的着想に基づき、以下に記載されるような技
術構成を採用することにより、上記目的を達成するもの
である。
【0010】すなわち、本願第1の発明に係る、内燃機
関の点火時期制御装置は、吸気管圧力と機関回転速度と
に基づき予め設定されたマップを参照することにより基
本点火時期を算出する内燃機関の点火時期制御装置にお
いて、参照されるべき複数の基本点火時期マップを格納
する記憶手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、
前記大気圧検出手段によって検出された大気圧に基づい
て、前記記憶手段に格納された各基本点火時期マップの
うち、参照されるべき基本点火時期マップを切り替える
マップ切替え手段と、を具備することを特徴とする。
関の点火時期制御装置は、吸気管圧力と機関回転速度と
に基づき予め設定されたマップを参照することにより基
本点火時期を算出する内燃機関の点火時期制御装置にお
いて、参照されるべき複数の基本点火時期マップを格納
する記憶手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、
前記大気圧検出手段によって検出された大気圧に基づい
て、前記記憶手段に格納された各基本点火時期マップの
うち、参照されるべき基本点火時期マップを切り替える
マップ切替え手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】また、第2の発明によれば、前記記憶手段
に格納される複数の基本点火時期マップは、標準大気圧
下で測定された点火時期定数からなる基本点火時期マッ
プと、機関負荷により体積効率特性が標準大気圧下から
変化する領域についてのみ該点火時期定数が遅角せしめ
られている1又は2以上の基本点火時期マップと、から
構成される。
に格納される複数の基本点火時期マップは、標準大気圧
下で測定された点火時期定数からなる基本点火時期マッ
プと、機関負荷により体積効率特性が標準大気圧下から
変化する領域についてのみ該点火時期定数が遅角せしめ
られている1又は2以上の基本点火時期マップと、から
構成される。
【0012】
【作用】上述の如く構成された、第1の発明に係る点火
時期制御装置においては、検出される大気圧に応じて最
適な基本点火時期マップが参照されることとなるので、
ある程度の高地やかなりの高地においても最適な点火時
期が得られ、ノックの発生防止、燃費の向上、及び出力
性能の向上が図られる。また、第2の発明によれば、低
大気圧下で参照されるべき基本点火時期マップは、標準
大気圧下で得られた点火時期マップについて、体積効率
特性が変わる領域についてのみ定数を遅角側へ変更する
ことにより、作成することができるので、マップ作成の
工数が低減される。
時期制御装置においては、検出される大気圧に応じて最
適な基本点火時期マップが参照されることとなるので、
ある程度の高地やかなりの高地においても最適な点火時
期が得られ、ノックの発生防止、燃費の向上、及び出力
性能の向上が図られる。また、第2の発明によれば、低
大気圧下で参照されるべき基本点火時期マップは、標準
大気圧下で得られた点火時期マップについて、体積効率
特性が変わる領域についてのみ定数を遅角側へ変更する
ことにより、作成することができるので、マップ作成の
工数が低減される。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。
説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例に係る点火時期
制御装置を備えた電子制御式内燃機関(スピードデンシ
ティ方式)の全体構成図である。エンジン20の燃焼に
必要な空気は、エアクリーナ2でろ過され、スロットル
ボデー4を通ってサージタンク(インテークマニホル
ド)6で各気筒の吸気管7に分配される。なお、その吸
入空気流量は、スロットルボデー4に設けられたスロッ
トル弁5により調節される。また、吸入空気温度は、吸
気温センサ43により検出される。さらに、吸気管圧力
は、バキュームセンサ41によって検出される。
制御装置を備えた電子制御式内燃機関(スピードデンシ
ティ方式)の全体構成図である。エンジン20の燃焼に
必要な空気は、エアクリーナ2でろ過され、スロットル
ボデー4を通ってサージタンク(インテークマニホル
ド)6で各気筒の吸気管7に分配される。なお、その吸
入空気流量は、スロットルボデー4に設けられたスロッ
トル弁5により調節される。また、吸入空気温度は、吸
気温センサ43により検出される。さらに、吸気管圧力
は、バキュームセンサ41によって検出される。
【0015】また、スロットル弁5の開度は、スロット
ル開度センサ42により検出される。また、スロットル
弁5が全閉状態のときには、アイドルスイッチ52がオ
ンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアクテ
ィブとなる。また、スロットル弁5をバイパスするアイ
ドルアジャスト通路8には、アイドル時の空気流量を調
節するためのアイドルスピードコントロールバルブ(I
SCV)66が設けられている。
ル開度センサ42により検出される。また、スロットル
弁5が全閉状態のときには、アイドルスイッチ52がオ
ンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアクテ
ィブとなる。また、スロットル弁5をバイパスするアイ
ドルアジャスト通路8には、アイドル時の空気流量を調
節するためのアイドルスピードコントロールバルブ(I
SCV)66が設けられている。
【0016】一方、燃料タンク10に貯蔵された燃料
は、燃料ポンプ11によりくみ上げられ、燃料配管12
を経て燃料噴射弁60により吸気管7に噴射される。吸
気管7ではそのような空気と燃料とが混合され、その混
合気は、吸気弁24を介してエンジン本体すなわち気筒
(シリンダ)20に吸入される。気筒20において、混
合気は、ピストンにより圧縮された後、点火されて爆発
・燃焼し、動力を発生する。そのような点火は、点火信
号を受けたイグナイタ62が、点火コイル63の1次電
流の通電及び遮断を制御し、その2次電流が、点火ディ
ストリビュータ64を介してスパークプラグ65に供給
されることによりなされる。
は、燃料ポンプ11によりくみ上げられ、燃料配管12
を経て燃料噴射弁60により吸気管7に噴射される。吸
気管7ではそのような空気と燃料とが混合され、その混
合気は、吸気弁24を介してエンジン本体すなわち気筒
(シリンダ)20に吸入される。気筒20において、混
合気は、ピストンにより圧縮された後、点火されて爆発
・燃焼し、動力を発生する。そのような点火は、点火信
号を受けたイグナイタ62が、点火コイル63の1次電
流の通電及び遮断を制御し、その2次電流が、点火ディ
ストリビュータ64を介してスパークプラグ65に供給
されることによりなされる。
【0017】なお、点火ディストリビュータ64には、
その軸が例えばクランク角(CA)に換算して720°
CAごとに基準位置検出用パルスを発生する基準位置検
出センサ50、及び30°CAごとに位置検出用パルス
を発生するクランク角センサ51が設けられている。ま
た、エンジン20は、冷却水通路22に導かれた冷却水
により冷却され、その冷却水温度は、水温センサ44に
よって検出される。
その軸が例えばクランク角(CA)に換算して720°
CAごとに基準位置検出用パルスを発生する基準位置検
出センサ50、及び30°CAごとに位置検出用パルス
を発生するクランク角センサ51が設けられている。ま
た、エンジン20は、冷却水通路22に導かれた冷却水
により冷却され、その冷却水温度は、水温センサ44に
よって検出される。
【0018】燃焼した混合気は、排気ガスとして排気弁
26を介して排気マニホルド30に放出され、次いで排
気管34に導かれる。なお、排気管34には、排気ガス
中の酸素濃度を検出するO2 センサ45が設けられてい
る。さらにそれより下流の排気系には、触媒コンバータ
38が設けられており、その触媒コンバータ38には、
排気ガス中の未燃成分(HC,CO)の酸化と窒素酸化
物(NOx )の還元とを同時に促進する三元触媒が収容
されている。こうして触媒コンバータ38において浄化
された排気ガスが大気中に排出される。
26を介して排気マニホルド30に放出され、次いで排
気管34に導かれる。なお、排気管34には、排気ガス
中の酸素濃度を検出するO2 センサ45が設けられてい
る。さらにそれより下流の排気系には、触媒コンバータ
38が設けられており、その触媒コンバータ38には、
排気ガス中の未燃成分(HC,CO)の酸化と窒素酸化
物(NOx )の還元とを同時に促進する三元触媒が収容
されている。こうして触媒コンバータ38において浄化
された排気ガスが大気中に排出される。
【0019】また、大気圧センサ46は、車両の走行風
圧の影響を受けない場所に設置され、大気圧を検出する
センサである。なお、大気圧を検出するためには、本実
施例のように大気圧センサを設置する他に、バキューム
センサ(吸気管圧力センサ)41を用い、イグニション
オン(パワーオン)時の吸気管圧力や、低回転かつスロ
ットル全開時の吸気管圧力を、大気圧として検出するこ
とも可能である。また、車速センサ53は、車速を検出
するセンサである。また、スタータスイッチ54は、ス
タータモータ(図示せず)を駆動する際に閉成されるス
イッチである。
圧の影響を受けない場所に設置され、大気圧を検出する
センサである。なお、大気圧を検出するためには、本実
施例のように大気圧センサを設置する他に、バキューム
センサ(吸気管圧力センサ)41を用い、イグニション
オン(パワーオン)時の吸気管圧力や、低回転かつスロ
ットル全開時の吸気管圧力を、大気圧として検出するこ
とも可能である。また、車速センサ53は、車速を検出
するセンサである。また、スタータスイッチ54は、ス
タータモータ(図示せず)を駆動する際に閉成されるス
イッチである。
【0020】エンジン電子制御ユニット(エンジンEC
U)70は、本発明に係る点火時期制御の他、燃料噴射
制御やアイドル回転速度制御などを実行するマイクロコ
ンピュータシステムであり、そのハードウェア構成は、
図2のブロック図に示される。ROM73に格納された
プログラム及び各種のマップに従って、中央処理装置
(CPU)71は、各種センサ及びスイッチからの信号
をA/D変換回路75又は入力インタフェース回路76
を介して入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実
行し、その演算結果に基づき各種制御回路77,78,
79等を介して燃料噴射弁60,イグナイタ62,IS
CV66等の各種アクチュエータ用制御信号を出力す
る。RAM74は、そのような演算・制御処理過程にお
ける一時的なデータ記憶場所として使用される。また、
これらのECU内の各構成要素は、システムバス(アド
レスバス、データバス及びコントロールバスからな
る。)72によって接続される。
U)70は、本発明に係る点火時期制御の他、燃料噴射
制御やアイドル回転速度制御などを実行するマイクロコ
ンピュータシステムであり、そのハードウェア構成は、
図2のブロック図に示される。ROM73に格納された
プログラム及び各種のマップに従って、中央処理装置
(CPU)71は、各種センサ及びスイッチからの信号
をA/D変換回路75又は入力インタフェース回路76
を介して入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実
行し、その演算結果に基づき各種制御回路77,78,
79等を介して燃料噴射弁60,イグナイタ62,IS
CV66等の各種アクチュエータ用制御信号を出力す
る。RAM74は、そのような演算・制御処理過程にお
ける一時的なデータ記憶場所として使用される。また、
これらのECU内の各構成要素は、システムバス(アド
レスバス、データバス及びコントロールバスからな
る。)72によって接続される。
【0021】なお、点火制御回路78は、CPU71に
よって算出された点火コイル63への通電開始時期に関
する出力データ、及び通電終了時期すなわち点火時期に
関する出力データから、点火信号を形成する回路であ
る。
よって算出された点火コイル63への通電開始時期に関
する出力データ、及び通電終了時期すなわち点火時期に
関する出力データから、点火信号を形成する回路であ
る。
【0022】以上のようなハードウェア構成を有する内
燃機関(エンジン)において実行されるECU70のエ
ンジン制御処理について、以下、説明する。ECU70
の中枢となるCPU71は、ベースルーチンに従ってル
ープ動作するが、そのようなベースルーチンの処理中
に、入力信号の変化、エンジン回転、又は時間に同期し
た処理を割り込み処理として実行する。すなわち、図3
に示すように、CPU71は、パワーオンされると、ま
ず、所定のイニシャライズ処理(ステップ102)を実
行した後、センサ信号及びスイッチ信号の入力(ステッ
プ104)、クランク角センサ51からの信号に基づく
エンジン回転速度の計算(ステップ106)、燃料噴射
量の計算(ステップ108)、点火時期の計算(ステッ
プ110)、アイドル回転速度の計算(ステップ11
2)、並びに自己故障診断(ステップ114)を常時繰
り返して実行する。また、A/D変換回路(ADC)7
5並びに一部のセンサ及びスイッチからの出力信号の取
り込みは、割り込み処理として実行される(ステップ1
22)。さらに、燃料噴射量又は点火時期の計算結果の
制御回路77又は78へのセットは、回転に同期した最
適なタイミングで対応アクチュエータへ出力する必要が
あるため、クランク角センサ51からの信号による割り
込み処理として実行される(ステップ132,13
4)。その他、一定時間周期ごとに実行されるべき処理
は、タイマ割り込みルーチンとして実行される。
燃機関(エンジン)において実行されるECU70のエ
ンジン制御処理について、以下、説明する。ECU70
の中枢となるCPU71は、ベースルーチンに従ってル
ープ動作するが、そのようなベースルーチンの処理中
に、入力信号の変化、エンジン回転、又は時間に同期し
た処理を割り込み処理として実行する。すなわち、図3
に示すように、CPU71は、パワーオンされると、ま
ず、所定のイニシャライズ処理(ステップ102)を実
行した後、センサ信号及びスイッチ信号の入力(ステッ
プ104)、クランク角センサ51からの信号に基づく
エンジン回転速度の計算(ステップ106)、燃料噴射
量の計算(ステップ108)、点火時期の計算(ステッ
プ110)、アイドル回転速度の計算(ステップ11
2)、並びに自己故障診断(ステップ114)を常時繰
り返して実行する。また、A/D変換回路(ADC)7
5並びに一部のセンサ及びスイッチからの出力信号の取
り込みは、割り込み処理として実行される(ステップ1
22)。さらに、燃料噴射量又は点火時期の計算結果の
制御回路77又は78へのセットは、回転に同期した最
適なタイミングで対応アクチュエータへ出力する必要が
あるため、クランク角センサ51からの信号による割り
込み処理として実行される(ステップ132,13
4)。その他、一定時間周期ごとに実行されるべき処理
は、タイマ割り込みルーチンとして実行される。
【0023】燃料噴射制御(スピードデンシティ方式)
は、基本的には、バキュームセンサ41から得られる吸
気管圧力とクランク角センサ51から得られるエンジン
回転速度とから推定されるエンジン1回転当たりの吸入
空気量に基づいて、所定の空燃比を達成すべく燃料噴射
量すなわち燃料噴射弁60による噴射時間を演算し、所
定のクランク角に達した時点で燃料を噴射すべく、噴射
制御回路77を介して燃料噴射弁60を制御するもので
ある。そして、かかる演算の際、スロットル開度センサ
42、吸気温センサ43、水温センサ44等の各センサ
からの信号に基づく基本的な補正、O2 センサ45から
の信号に基づく空燃比フィードバック補正、そのフィー
ドバック補正値の中央値が理論空燃比となるようにする
空燃比学習補正、及びキャニスタ(図示せず)パージに
基づく補正を加える。また、アイドル回転速度制御は、
アイドルスイッチ52からのスロットル全閉信号及び車
速センサ53からの車速信号によってアイドル状態を検
出するとともに、水温センサ44からのエンジン冷却水
温度等によって決められる目標回転速度と実際のエンジ
ン回転速度とを比較し、その差に応じて目標回転速度と
なるように制御量を決定し、ISCV制御回路79を介
してISCV66を制御して空気量を調節することによ
り、最適なアイドル回転速度を維持するものである。
は、基本的には、バキュームセンサ41から得られる吸
気管圧力とクランク角センサ51から得られるエンジン
回転速度とから推定されるエンジン1回転当たりの吸入
空気量に基づいて、所定の空燃比を達成すべく燃料噴射
量すなわち燃料噴射弁60による噴射時間を演算し、所
定のクランク角に達した時点で燃料を噴射すべく、噴射
制御回路77を介して燃料噴射弁60を制御するもので
ある。そして、かかる演算の際、スロットル開度センサ
42、吸気温センサ43、水温センサ44等の各センサ
からの信号に基づく基本的な補正、O2 センサ45から
の信号に基づく空燃比フィードバック補正、そのフィー
ドバック補正値の中央値が理論空燃比となるようにする
空燃比学習補正、及びキャニスタ(図示せず)パージに
基づく補正を加える。また、アイドル回転速度制御は、
アイドルスイッチ52からのスロットル全閉信号及び車
速センサ53からの車速信号によってアイドル状態を検
出するとともに、水温センサ44からのエンジン冷却水
温度等によって決められる目標回転速度と実際のエンジ
ン回転速度とを比較し、その差に応じて目標回転速度と
なるように制御量を決定し、ISCV制御回路79を介
してISCV66を制御して空気量を調節することによ
り、最適なアイドル回転速度を維持するものである。
【0024】以下、本発明に係る点火時期制御について
詳述する。点火時期制御は、クランク角センサ51から
得られるエンジン回転速度及びその他のセンサからの信
号により、エンジンの状態を総合的に判定し、最適な点
火時期を決定し、点火制御回路78を介してイグナイタ
62に点火信号を送るものである。そして、本発明は、
前述のように、大気圧に応じた複数の基本点火時期マッ
プを準備し、検出される大気圧に応じて参照する基本点
火時期マップを切り替えることにより、ある程度の高地
やかなりの高地においても最適な点火時期を得て、ノッ
クの発生防止、燃費の向上、及び出力性能の向上を図ろ
うとするものである。
詳述する。点火時期制御は、クランク角センサ51から
得られるエンジン回転速度及びその他のセンサからの信
号により、エンジンの状態を総合的に判定し、最適な点
火時期を決定し、点火制御回路78を介してイグナイタ
62に点火信号を送るものである。そして、本発明は、
前述のように、大気圧に応じた複数の基本点火時期マッ
プを準備し、検出される大気圧に応じて参照する基本点
火時期マップを切り替えることにより、ある程度の高地
やかなりの高地においても最適な点火時期を得て、ノッ
クの発生防止、燃費の向上、及び出力性能の向上を図ろ
うとするものである。
【0025】具体的には、予め図4に示すような複数の
基本点火時期マップを準備し、ROM73に格納してお
く。まず、図4(A)に示される共通基本点火時期マッ
プは、吸気管圧力PMが所定値PM1 未満のときに、大
気圧PAの値にかかわらず、共通して参照されるべきも
のである。ここで、PM1 は、スロットル全開時におい
て想定されうる最小の吸気管圧力値、すなわち、走行環
境として想定されうる最も高い高地での大気圧に等しい
値である。そのような値PM1 未満の吸気管圧力PMに
対しては、スロットルが全開時にあることはあり得ず、
従って、前記した低速側ηv ピークの発生はない。すな
わち、PM<PM1 の領域では、大気圧PAにかかわら
ず、ηv 特性が同一となるため、点火時期を大気圧に関
係なく設定することができ、基本点火時期マップを共通
化してもよいのである。かかるPM1 の値としては、約
500mmHgが適当であろう。
基本点火時期マップを準備し、ROM73に格納してお
く。まず、図4(A)に示される共通基本点火時期マッ
プは、吸気管圧力PMが所定値PM1 未満のときに、大
気圧PAの値にかかわらず、共通して参照されるべきも
のである。ここで、PM1 は、スロットル全開時におい
て想定されうる最小の吸気管圧力値、すなわち、走行環
境として想定されうる最も高い高地での大気圧に等しい
値である。そのような値PM1 未満の吸気管圧力PMに
対しては、スロットルが全開時にあることはあり得ず、
従って、前記した低速側ηv ピークの発生はない。すな
わち、PM<PM1 の領域では、大気圧PAにかかわら
ず、ηv 特性が同一となるため、点火時期を大気圧に関
係なく設定することができ、基本点火時期マップを共通
化してもよいのである。かかるPM1 の値としては、約
500mmHgが適当であろう。
【0026】そして、PM≧PM1 の領域では、低速側
ηv ピークの発生有無が問題となるため、大気圧PAに
応じて基本点火時期マップを切り替える。本実施例で
は、3つの基本点火時期マップが準備されている。すな
わち、所定値PA1 及びPA2(PA2 <PA1 )が設
定され、PA1 <PAの領域にあるとき、すなわちほぼ
平地を走行中であると判定されるときのために、第1の
個別基本点火時期マップ(B)が準備され、PA2 <P
A≦PA1 の領域にあるとき、すなわちある程度の高地
を走行中であると判定されるときのために、第2の個別
基本点火時期マップ(C)が準備され、PA≦PA2 の
領域にあるとき、すなわちかなりの高地を走行中である
と判定されるときのために、第3の個別基本点火時期マ
ップ(D)が準備される。なお、これらの個別基本点火
時期マップは、(B)→(C)→(D)となるにつれ
て、共通基本点火時期マップ(A)からの遅角度は大き
くなる。このようなしきい値としては、例えば、PA1
=700mmHg,PA2 =650mmHgを採用することがで
きる。
ηv ピークの発生有無が問題となるため、大気圧PAに
応じて基本点火時期マップを切り替える。本実施例で
は、3つの基本点火時期マップが準備されている。すな
わち、所定値PA1 及びPA2(PA2 <PA1 )が設
定され、PA1 <PAの領域にあるとき、すなわちほぼ
平地を走行中であると判定されるときのために、第1の
個別基本点火時期マップ(B)が準備され、PA2 <P
A≦PA1 の領域にあるとき、すなわちある程度の高地
を走行中であると判定されるときのために、第2の個別
基本点火時期マップ(C)が準備され、PA≦PA2 の
領域にあるとき、すなわちかなりの高地を走行中である
と判定されるときのために、第3の個別基本点火時期マ
ップ(D)が準備される。なお、これらの個別基本点火
時期マップは、(B)→(C)→(D)となるにつれ
て、共通基本点火時期マップ(A)からの遅角度は大き
くなる。このようなしきい値としては、例えば、PA1
=700mmHg,PA2 =650mmHgを採用することがで
きる。
【0027】図5は、そのような各基本点火時期マップ
を利用した点火時期計算ルーチン(図3のステップ11
0)の処理手順を示すフローチャートである。まず、エ
ンジン回転速度及びスタータスイッチ54からの信号に
基づいてエンジン始動中か否かを判別する(ステップ2
02)。エンジン始動中のときには、始動性向上の観点
から、最終点火進角として所定の固定点火進角を採用し
て(ステップ204)処理を終了する。非始動中すなわ
ち始動後であれば、現在の吸気管圧力PMが前記した所
定値PM1 未満か否かを判定する(ステップ206)。
PM<PM1 のときには、現在の吸気管圧力PMとエン
ジン回転速度NEとに基づき、共通基本点火時期マップ
(図4(A))を参照して、基本点火進角を決定する
(ステップ208)。
を利用した点火時期計算ルーチン(図3のステップ11
0)の処理手順を示すフローチャートである。まず、エ
ンジン回転速度及びスタータスイッチ54からの信号に
基づいてエンジン始動中か否かを判別する(ステップ2
02)。エンジン始動中のときには、始動性向上の観点
から、最終点火進角として所定の固定点火進角を採用し
て(ステップ204)処理を終了する。非始動中すなわ
ち始動後であれば、現在の吸気管圧力PMが前記した所
定値PM1 未満か否かを判定する(ステップ206)。
PM<PM1 のときには、現在の吸気管圧力PMとエン
ジン回転速度NEとに基づき、共通基本点火時期マップ
(図4(A))を参照して、基本点火進角を決定する
(ステップ208)。
【0028】PM≧PM1 のときには、大気圧センサ4
6の出力に基づき、現在の大気圧PAがどのような領域
にあるかを判定する(ステップ210,212)。そし
て、PA1 <PAのときには第1の個別基本点火時期マ
ップ(図4(B))を、PA 2 <PA≦PA1 のときに
は第2の個別基本点火時期マップ(図4(C))を、P
A≦PA2 のときには第3の個別基本点火時期マップ
(図4(D))を、現在の吸気管圧力PMとエンジン回
転速度NEとに基づき、それぞれ参照して、基本点火進
角を決定する(ステップ214,216,218)。
6の出力に基づき、現在の大気圧PAがどのような領域
にあるかを判定する(ステップ210,212)。そし
て、PA1 <PAのときには第1の個別基本点火時期マ
ップ(図4(B))を、PA 2 <PA≦PA1 のときに
は第2の個別基本点火時期マップ(図4(C))を、P
A≦PA2 のときには第3の個別基本点火時期マップ
(図4(D))を、現在の吸気管圧力PMとエンジン回
転速度NEとに基づき、それぞれ参照して、基本点火進
角を決定する(ステップ214,216,218)。
【0029】基本点火進角が決定された後には、水温セ
ンサ44の出力に基づく暖機補正や高温補正などの各種
進角補正を基本点火進角に施すことにより、最終点火進
角が決定される(ステップ220)。こうして求められ
た点火進角(点火時期)は、周知の方法で時間データに
換算され、図3のステップ134で説明したように、ク
ランク角に同期して点火制御回路78にセットされるこ
ととなる。
ンサ44の出力に基づく暖機補正や高温補正などの各種
進角補正を基本点火進角に施すことにより、最終点火進
角が決定される(ステップ220)。こうして求められ
た点火進角(点火時期)は、周知の方法で時間データに
換算され、図3のステップ134で説明したように、ク
ランク角に同期して点火制御回路78にセットされるこ
ととなる。
【0030】以上、本発明の一実施例について述べてき
たが、もちろん本発明はこれに限定されるものではな
く、様々な実施例を案出することは当業者にとって容易
なことであろう。
たが、もちろん本発明はこれに限定されるものではな
く、様々な実施例を案出することは当業者にとって容易
なことであろう。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸気管圧力と機関回転速度とに基づいて予め設定された
マップから基本点火時期を算出する点火時期制御装置に
おいて、大気圧による影響を受けることなく、最適な点
火時期にて点火制御することができるようになり、ノッ
クの発生が防止され、燃費及び出力性能が向上せしめら
れる、という効果がある。すなわち、第1の発明によれ
ば、検出される大気圧に応じて最適な基本点火時期マッ
プが参照されることとなるので、ある程度の高地やかな
りの高地においても最適な点火時期が得られる。また、
第2の発明によれば、低大気圧下で参照されるべき基本
点火時期マップは、標準大気圧下で得られた点火時期マ
ップについて、体積効率特性が変わる領域についてのみ
定数を遅角側へ変更することにより、作成することがで
きるので、マップ作成の工数が低減される。
吸気管圧力と機関回転速度とに基づいて予め設定された
マップから基本点火時期を算出する点火時期制御装置に
おいて、大気圧による影響を受けることなく、最適な点
火時期にて点火制御することができるようになり、ノッ
クの発生が防止され、燃費及び出力性能が向上せしめら
れる、という効果がある。すなわち、第1の発明によれ
ば、検出される大気圧に応じて最適な基本点火時期マッ
プが参照されることとなるので、ある程度の高地やかな
りの高地においても最適な点火時期が得られる。また、
第2の発明によれば、低大気圧下で参照されるべき基本
点火時期マップは、標準大気圧下で得られた点火時期マ
ップについて、体積効率特性が変わる領域についてのみ
定数を遅角側へ変更することにより、作成することがで
きるので、マップ作成の工数が低減される。
【図1】本発明の一実施例に係る点火時期制御装置を備
えた電子制御式内燃機関(スピードデンシティ方式)の
全体構成図である。
えた電子制御式内燃機関(スピードデンシティ方式)の
全体構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係るエンジンECUのハー
ドウェア構成を示すブロック図である。
ドウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るエンジン制御処理の基
本的手順を説明するための概略フローチャートである。
本的手順を説明するための概略フローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に係る基本点火時期マップを
模式的に示す説明図である。
模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例に係る点火時期計算ルーチン
の処理手順を示すフローチャートである。
の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】従来技術に関し、エンジン回転速度と体積効率
との関係を示す特性図、及びエンジン回転速度と点火時
期との関係を示す特性図である。
との関係を示す特性図、及びエンジン回転速度と点火時
期との関係を示す特性図である。
【図7】従来技術に関し、エンジン回転速度とノック制
御による点火遅角量との関係を示す特性図である。
御による点火遅角量との関係を示す特性図である。
【図8】従来技術に係る大気圧に基づく点火時期の補正
を説明するための特性図である。
を説明するための特性図である。
【図9】従来技術に係る大気圧に基づく点火時期の補正
により、ノック制御における点火遅角量がどのようにな
るか、を説明するための特性図である。
により、ノック制御における点火遅角量がどのようにな
るか、を説明するための特性図である。
2…エアクリーナ 4…スロットルボデー 5…スロットル弁 6…サージタンク(インテークマニホルド) 7…吸気管 8…アイドルアジャスト通路 10…燃料タンク 11…燃料ポンプ 12…燃料配管 20…エンジン本体(気筒) 22…冷却水通路 24…吸気弁 26…排気弁 30…排気マニホルド 34…排気管 38…触媒コンバータ 41…バキュームセンサ 42…スロットル開度センサ 43…吸気温センサ 44…水温センサ 45…O2 センサ 46…大気圧センサ 50…基準位置検出センサ 51…クランク角センサ 52…アイドルスイッチ 53…車速センサ 54…スタータスイッチ 60…燃料噴射弁 62…イグナイタ 63…点火コイル 64…点火ディストリビュータ 65…スパークプラグ 66…アイドルスピードコントロールバルブ(ISC
V) 70…エンジンECU 71…CPU 72…システムバス 73…ROM 74…RAM 75…A/D変換回路 76…入力インタフェース回路 77…噴射制御回路 78…点火制御回路 79…ISCV制御回路
V) 70…エンジンECU 71…CPU 72…システムバス 73…ROM 74…RAM 75…A/D変換回路 76…入力インタフェース回路 77…噴射制御回路 78…点火制御回路 79…ISCV制御回路
Claims (2)
- 【請求項1】 吸気管圧力と機関回転速度とに基づき予
め設定されたマップを参照することにより基本点火時期
を算出する内燃機関の点火時期制御装置において、 参照されるべき複数の基本点火時期マップを格納する記
憶手段と、 大気圧を検出する大気圧検出手段と、 前記大気圧検出手段によって検出された大気圧に基づい
て、前記記憶手段に格納された各基本点火時期マップの
うち、参照されるべき基本点火時期マップを切り替える
マップ切替え手段と、 を具備することを特徴とする、内燃機関の点火時期制御
装置。 - 【請求項2】 前記記憶手段に格納される複数の基本点
火時期マップは、標準大気圧下で測定された点火時期定
数からなる基本点火時期マップと、機関負荷により体積
効率特性が標準大気圧下から変化する領域についてのみ
該点火時期定数が遅角せしめられている1又は2以上の
基本点火時期マップと、から構成されていることを特徴
とする、請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593595A JPH08200191A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593595A JPH08200191A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08200191A true JPH08200191A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11624765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP593595A Pending JPH08200191A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08200191A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5957110A (en) * | 1996-10-25 | 1999-09-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Ignition timing control device of an engine |
JP2008144655A (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-26 | Keihin Corp | 内燃機関の制御装置及び方法 |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP593595A patent/JPH08200191A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5957110A (en) * | 1996-10-25 | 1999-09-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Ignition timing control device of an engine |
JP2008144655A (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-26 | Keihin Corp | 内燃機関の制御装置及び方法 |
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