JPH08199370A - TiAlの耐酸化膜 - Google Patents
TiAlの耐酸化膜Info
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- JPH08199370A JPH08199370A JP1206895A JP1206895A JPH08199370A JP H08199370 A JPH08199370 A JP H08199370A JP 1206895 A JP1206895 A JP 1206895A JP 1206895 A JP1206895 A JP 1206895A JP H08199370 A JPH08199370 A JP H08199370A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 TiAlの耐酸化膜の高温条件下での耐酸化
性を高めることを目的とする。 【構成】 コーティング液を、シリコンアルコキシドお
よびコロイダルシリカからなる主剤,アルコールからな
る溶媒,水からなる加水分解水および酸触媒を配合して
準備し、これをTiAl表面に塗布した後、乾燥焼成さ
せてTiAl表面に、シリカガラス粒子が散在したSi
O2 膜を形成する。
性を高めることを目的とする。 【構成】 コーティング液を、シリコンアルコキシドお
よびコロイダルシリカからなる主剤,アルコールからな
る溶媒,水からなる加水分解水および酸触媒を配合して
準備し、これをTiAl表面に塗布した後、乾燥焼成さ
せてTiAl表面に、シリカガラス粒子が散在したSi
O2 膜を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TiAlの耐酸化膜に
関するものであり、例えばエンジン用ターボチャージャ
のタービンロータ材として用いられる。
関するものであり、例えばエンジン用ターボチャージャ
のタービンロータ材として用いられる。
【0002】
【従来の技術】この種のTiAlの耐酸化膜の従来技術
としては、日本金属学会誌 第57巻第6号(199
3)666−673に示されるようなものがある。この
従来技術を図9に基づいて説明すると、シリコンアルコ
キシドからなる主剤,アルコールからなる溶媒,水から
なる加水分解水およびHClからなる触媒を原料として
コーティング液を配合し、このコーティング液を金属間
化合物であるTiAlの素材表面に塗布した後に乾燥焼
成させて、TiAlの素材表面に耐酸化膜としてSiO
2 膜(ゲル状態)を形成している。この形成方法は一般
にゾル−ゲル法として知られている。
としては、日本金属学会誌 第57巻第6号(199
3)666−673に示されるようなものがある。この
従来技術を図9に基づいて説明すると、シリコンアルコ
キシドからなる主剤,アルコールからなる溶媒,水から
なる加水分解水およびHClからなる触媒を原料として
コーティング液を配合し、このコーティング液を金属間
化合物であるTiAlの素材表面に塗布した後に乾燥焼
成させて、TiAlの素材表面に耐酸化膜としてSiO
2 膜(ゲル状態)を形成している。この形成方法は一般
にゾル−ゲル法として知られている。
【0003】ところが、このシリコンアルコキシドをコ
ーティング液の主剤としたSiO2膜では、900℃程
度で高温放置されると、ゲル状態の膜がガラス質へ転移
するために膜収縮が起きてクラックが発生しやすい。こ
のクラックから空気中の酸素がTiAlに到達し、Ti
Alを酸化させてしまう。つまり、耐酸化膜に発生する
クラックにより、耐酸化性は十分に確保できない。90
0℃で高温連続酸化試験を行ったところ、図4に破線で
示すように時間の経過と共にTiAlの酸化が進行して
いることがよく分かる。このようなSiO2 膜をもつT
iAlは、エンジン用ターボチャージャのタービンロー
タのように900℃程度の高温排気ガスにさらされる条
件のもとでは使用に耐えられないことが分かる。
ーティング液の主剤としたSiO2膜では、900℃程
度で高温放置されると、ゲル状態の膜がガラス質へ転移
するために膜収縮が起きてクラックが発生しやすい。こ
のクラックから空気中の酸素がTiAlに到達し、Ti
Alを酸化させてしまう。つまり、耐酸化膜に発生する
クラックにより、耐酸化性は十分に確保できない。90
0℃で高温連続酸化試験を行ったところ、図4に破線で
示すように時間の経過と共にTiAlの酸化が進行して
いることがよく分かる。このようなSiO2 膜をもつT
iAlは、エンジン用ターボチャージャのタービンロー
タのように900℃程度の高温排気ガスにさらされる条
件のもとでは使用に耐えられないことが分かる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、T
iAlの耐酸化膜の高温条件下での耐酸化性を高めるこ
とを課題とする。
iAlの耐酸化膜の高温条件下での耐酸化性を高めるこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明において講じた第1の手段は、コーティン
グ液をTiAl表面に塗布した後に乾燥焼成させて、該
TiAl表面に形成される耐酸化膜において、前記コー
ティング液を、シリコンアルコキシドおよびコロイダル
シリカからなる主剤,アルコールからなる溶媒,加水分
解水および酸触媒を配合したものとしたことである。
ために本発明において講じた第1の手段は、コーティン
グ液をTiAl表面に塗布した後に乾燥焼成させて、該
TiAl表面に形成される耐酸化膜において、前記コー
ティング液を、シリコンアルコキシドおよびコロイダル
シリカからなる主剤,アルコールからなる溶媒,加水分
解水および酸触媒を配合したものとしたことである。
【0006】上記した課題を解決するために本発明にお
いて講じた第2の手段は、コーティング液をTiAl表
面に塗布した後に乾燥焼成させて、該TiAl表面に形
成される耐酸化膜において、前記コーティング液を、シ
リコンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドか
らなる主剤,アルコールからなる溶媒,加水分解水およ
び酸触媒を配合したものとしたことである。
いて講じた第2の手段は、コーティング液をTiAl表
面に塗布した後に乾燥焼成させて、該TiAl表面に形
成される耐酸化膜において、前記コーティング液を、シ
リコンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドか
らなる主剤,アルコールからなる溶媒,加水分解水およ
び酸触媒を配合したものとしたことである。
【0007】
【作用】上記した第1の手段によれば、SiO2 ゲル中
にシリカガラス粒子が散在したSiO2 膜がTiAl表
面に耐酸化膜として形成される。
にシリカガラス粒子が散在したSiO2 膜がTiAl表
面に耐酸化膜として形成される。
【0008】上記した第2の手段によれば、SiO2 ゲ
ル中にAl2 O3 ゲル粒子が散在したSiO2 膜がTi
Al表面に耐酸化膜として形成される。
ル中にAl2 O3 ゲル粒子が散在したSiO2 膜がTi
Al表面に耐酸化膜として形成される。
【0009】
【実施例】本発明に係る実施例を図面に基づいて説明す
る。図1〜図4は第1実施例を示す。
る。図1〜図4は第1実施例を示す。
【0010】図1に示されるように、シリコンアルコキ
シド[Si(OR)4 ,R:C2 H5 ,CH3 ,C3 H
7 ]およびコロイダルシリカ[SiO2 ]からなる主
剤,アルコールからなる溶媒,水からなる加水分解水お
よびHClからなる酸触媒をコーティング液原料として
準備する。尚、アルコールとしてはエタノール,メタノ
ール,ブタノール,IPA(イソプロピルアルコール)
などが用いられ、加水分解反応を均一化させる働きを持
つ。この原料を配合してコーティング液とする。(STEP
1) このコーティング液を金属間化合物であるTiAlの素
材表面にディップコート法により塗布する。(STEP 2) これを、400℃で5分間乾燥焼成させる。(STEP 3) 以上のステップを経てTiAlの素材11の表面に耐酸
化膜としてのSiO2膜21がゲル状態で形成される。
図2を参照してSiO2 膜21を詳しく見ると、比較的
小径なSiO2 の多数のゲル粒子22の中に比較的大径
なシリカガラス粒子23が散在している。
シド[Si(OR)4 ,R:C2 H5 ,CH3 ,C3 H
7 ]およびコロイダルシリカ[SiO2 ]からなる主
剤,アルコールからなる溶媒,水からなる加水分解水お
よびHClからなる酸触媒をコーティング液原料として
準備する。尚、アルコールとしてはエタノール,メタノ
ール,ブタノール,IPA(イソプロピルアルコール)
などが用いられ、加水分解反応を均一化させる働きを持
つ。この原料を配合してコーティング液とする。(STEP
1) このコーティング液を金属間化合物であるTiAlの素
材表面にディップコート法により塗布する。(STEP 2) これを、400℃で5分間乾燥焼成させる。(STEP 3) 以上のステップを経てTiAlの素材11の表面に耐酸
化膜としてのSiO2膜21がゲル状態で形成される。
図2を参照してSiO2 膜21を詳しく見ると、比較的
小径なSiO2 の多数のゲル粒子22の中に比較的大径
なシリカガラス粒子23が散在している。
【0011】この耐酸化膜について900℃で高温連続
酸化試験を行ったところ、図4に実線で示すようになっ
た。SiO2 膜21は900℃の環境下では、SiO2
ゲル膜がガラス質にゆるやかに転移していく。図3に示
すようにこの転移に伴って、ゲル粒子22の各々が徐々
に整列していき粒子間距離も近づいてくるため、膜21
全体としては収縮する挙動を示す。一方、シリカガラス
粒子23はすでにガラス状態であり、安定しているため
900℃の環境下でも変化は生じない。従って、シリカ
ガラス粒子23の容積分だけ膜21の収縮量は少なくな
るため、従来技術のようにSiO2 膜21にクラックが
生じない。
酸化試験を行ったところ、図4に実線で示すようになっ
た。SiO2 膜21は900℃の環境下では、SiO2
ゲル膜がガラス質にゆるやかに転移していく。図3に示
すようにこの転移に伴って、ゲル粒子22の各々が徐々
に整列していき粒子間距離も近づいてくるため、膜21
全体としては収縮する挙動を示す。一方、シリカガラス
粒子23はすでにガラス状態であり、安定しているため
900℃の環境下でも変化は生じない。従って、シリカ
ガラス粒子23の容積分だけ膜21の収縮量は少なくな
るため、従来技術のようにSiO2 膜21にクラックが
生じない。
【0012】ところで、SiO2 膜21は耐酸化膜とは
いえ、TiAlの素材表面に空気中の酸素を僅かながら
も到達させる。つまり、TiAlの素材表面に到達する
酸素分圧は低く、この環境ではTiよりもAlが優先的
に酸化される。この結果、TiAlの素材表面にはAl
2 O3 層が形成される。図4でAl2 O3 層の形成を示
すのが試験開始から24時間経過までの間であり、24
時間経過において酸化増量は1平方メートル当たり10
g程度となっている。Al2 O3 は耐酸化作用を持つた
め、本試験で24時間経過後以降ではSiO2 膜21の
耐酸化膜作用とともにTiAlを酸化から守る。従っ
て、24時間経過後以降の酸化増量はある一定量以上増
加しないようになり、耐酸化膜の性能が優れていること
が分かる。
いえ、TiAlの素材表面に空気中の酸素を僅かながら
も到達させる。つまり、TiAlの素材表面に到達する
酸素分圧は低く、この環境ではTiよりもAlが優先的
に酸化される。この結果、TiAlの素材表面にはAl
2 O3 層が形成される。図4でAl2 O3 層の形成を示
すのが試験開始から24時間経過までの間であり、24
時間経過において酸化増量は1平方メートル当たり10
g程度となっている。Al2 O3 は耐酸化作用を持つた
め、本試験で24時間経過後以降ではSiO2 膜21の
耐酸化膜作用とともにTiAlを酸化から守る。従っ
て、24時間経過後以降の酸化増量はある一定量以上増
加しないようになり、耐酸化膜の性能が優れていること
が分かる。
【0013】エンジン用ターボチャージャのタービンロ
ータは900℃程度の高温排気ガスにさらされるが、本
実施例の耐酸化膜をもつTiAlは上記のとおり耐酸化
膜の性能が高く、タービンロータの材料として適してい
ることが分かる。
ータは900℃程度の高温排気ガスにさらされるが、本
実施例の耐酸化膜をもつTiAlは上記のとおり耐酸化
膜の性能が高く、タービンロータの材料として適してい
ることが分かる。
【0014】図5〜図8は第2実施例を示す。
【0015】図5に示されるように、シリコンアルコキ
シド[Si(OR)4 ,R:C2 H5 ,CH3 ,C3 H
7 ]およびアルミニウムアルコキシド[Al(OR)3
,R=CH3 ,C2 H5 ,C3 H7 ,C4 H9 ]から
なる主剤,アルコールからなる溶媒,水からなる加水分
解水およびHClからなる酸触媒をコーティング液原料
として準備する。尚、アルコールとしてはエタノール,
メタノール,ブタノール,IPA(イソプロピルアルコ
ール)などが用いられ、加水分解反応を均一化させる働
きを持つ。この原料を配合してコーティング液とする。
(STEP 1) このコーティング液を金属間化合物であるTiAlの素
材表面にディップコート法により塗布する。(STEP 2) これを、400℃で5分間乾燥焼成させる。(STEP 3) 以上のステップを経てTiAlの素材111の表面に耐
酸化膜としてのSiO2 膜121がゲル状態で形成され
る。図6を参照してSiO2 膜121を詳しく見ると、
比較的小径なSiO2 の多数のゲル粒子122の中に比
較的大径なAl2 O3 ゲル粒子123が散在している。
シド[Si(OR)4 ,R:C2 H5 ,CH3 ,C3 H
7 ]およびアルミニウムアルコキシド[Al(OR)3
,R=CH3 ,C2 H5 ,C3 H7 ,C4 H9 ]から
なる主剤,アルコールからなる溶媒,水からなる加水分
解水およびHClからなる酸触媒をコーティング液原料
として準備する。尚、アルコールとしてはエタノール,
メタノール,ブタノール,IPA(イソプロピルアルコ
ール)などが用いられ、加水分解反応を均一化させる働
きを持つ。この原料を配合してコーティング液とする。
(STEP 1) このコーティング液を金属間化合物であるTiAlの素
材表面にディップコート法により塗布する。(STEP 2) これを、400℃で5分間乾燥焼成させる。(STEP 3) 以上のステップを経てTiAlの素材111の表面に耐
酸化膜としてのSiO2 膜121がゲル状態で形成され
る。図6を参照してSiO2 膜121を詳しく見ると、
比較的小径なSiO2 の多数のゲル粒子122の中に比
較的大径なAl2 O3 ゲル粒子123が散在している。
【0016】この耐酸化膜について900℃で高温連続
酸化試験を行ったところ、図8に実線で示すようになっ
た。SiO2 膜121は900℃の環境下では、SiO
2 ゲル膜がガラス質にゆるやかに転移していく。図7に
示すようにこの転移に伴って、ゲル粒子122の各々が
徐々に整列していき粒子間距離も近づいてくるため、膜
121全体としては収縮する挙動を示す。しかし、90
0℃の環境下ではSiO2 ゲルのガラス質の転移より
も、Al2 O3 ゲル粒子の結晶化が先に進み、すなわち
SiO2 ゲルがガラス質に転移していくときには、すで
にAl2 O3 結晶がゲル中に散在した形となる。Al2
O3 結晶はすでに結晶状態であり、安定しているため9
00℃の環境下でも変化は生じない。従って、Al2 O
3 結晶の容積分だけ膜121の収縮量は少なくなるた
め、従来技術のようにSiO2 膜121にクラックが生
じない。
酸化試験を行ったところ、図8に実線で示すようになっ
た。SiO2 膜121は900℃の環境下では、SiO
2 ゲル膜がガラス質にゆるやかに転移していく。図7に
示すようにこの転移に伴って、ゲル粒子122の各々が
徐々に整列していき粒子間距離も近づいてくるため、膜
121全体としては収縮する挙動を示す。しかし、90
0℃の環境下ではSiO2 ゲルのガラス質の転移より
も、Al2 O3 ゲル粒子の結晶化が先に進み、すなわち
SiO2 ゲルがガラス質に転移していくときには、すで
にAl2 O3 結晶がゲル中に散在した形となる。Al2
O3 結晶はすでに結晶状態であり、安定しているため9
00℃の環境下でも変化は生じない。従って、Al2 O
3 結晶の容積分だけ膜121の収縮量は少なくなるた
め、従来技術のようにSiO2 膜121にクラックが生
じない。
【0017】ところで、SiO2 膜121は耐酸化膜と
はいえ、TiAlの素材表面に空気中の酸素を僅かなが
らも到達させる。つまり、TiAlの素材表面に到達す
る酸素分圧は低く、この環境ではTiよりもAlが優先
的に酸化される。この結果、TiAlの素材表面にはA
l2 O3 層が形成される。図8でAl2 O3 層の形成を
示すのが試験開始から24時間経過までの間であり、2
4時間経過において酸化増量は1平方メートル当たり1
0g程度となっている。Al2 O3 は耐酸化作用を持つ
ため、本試験で24時間経過後以降ではSiO2 膜12
1の耐酸化膜作用とともにTiAlを酸化から守る。従
って、24時間経過後以降の酸化増量はある一定量以上
増加しないようになり、耐酸化膜の性能が優れているこ
とが分かる。
はいえ、TiAlの素材表面に空気中の酸素を僅かなが
らも到達させる。つまり、TiAlの素材表面に到達す
る酸素分圧は低く、この環境ではTiよりもAlが優先
的に酸化される。この結果、TiAlの素材表面にはA
l2 O3 層が形成される。図8でAl2 O3 層の形成を
示すのが試験開始から24時間経過までの間であり、2
4時間経過において酸化増量は1平方メートル当たり1
0g程度となっている。Al2 O3 は耐酸化作用を持つ
ため、本試験で24時間経過後以降ではSiO2 膜12
1の耐酸化膜作用とともにTiAlを酸化から守る。従
って、24時間経過後以降の酸化増量はある一定量以上
増加しないようになり、耐酸化膜の性能が優れているこ
とが分かる。
【0018】エンジン用ターボチャージャのタービンロ
ータは900℃程度の高温排気ガスにさらされるが、本
実施例の耐酸化膜をもつTiAlは上記のとおり耐酸化
膜の性能が高く、タービンロータの材料として適してい
ることが分かる。
ータは900℃程度の高温排気ガスにさらされるが、本
実施例の耐酸化膜をもつTiAlは上記のとおり耐酸化
膜の性能が高く、タービンロータの材料として適してい
ることが分かる。
【0019】また、コーティング液の原料においてシリ
コンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドのモ
ル比を3[Al/Si]とすれば、耐酸化膜を900℃
以上で長時間放置するとSiO2 ゲルおよびAl2 O3
ゲルの結晶化が進み、耐酸化膜は3Al2 O3 ・2Si
O2 の組成からなるムライト膜となり、高温安定性が高
い耐酸化膜となる。ゲル状態の耐酸化膜をもつTiAl
タービンロータの材料として使用すれば、エンジン運転
の際、つまり使用中に900℃程度の高温排気ガスにさ
らされてムライト膜化が進行する。
コンアルコキシドおよびアルミニウムアルコキシドのモ
ル比を3[Al/Si]とすれば、耐酸化膜を900℃
以上で長時間放置するとSiO2 ゲルおよびAl2 O3
ゲルの結晶化が進み、耐酸化膜は3Al2 O3 ・2Si
O2 の組成からなるムライト膜となり、高温安定性が高
い耐酸化膜となる。ゲル状態の耐酸化膜をもつTiAl
タービンロータの材料として使用すれば、エンジン運転
の際、つまり使用中に900℃程度の高温排気ガスにさ
らされてムライト膜化が進行する。
【0020】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、TiAl表
面に形成される耐酸化膜は多数のSiO2 ゲル粒子中に
シリカガラス粒子が散在した形となる。シリカガラス粒
子はその名のとおりガラス状態であるため高温環境下に
おいても変化が起きず、従って耐酸化膜内ではシリカガ
ラス粒子の分だけSiO2 ゲル粒子の収縮量が少なくな
り、つまり耐酸化膜全体としての収縮量が少なく抑えら
れるので膜にクラックが生じない。
面に形成される耐酸化膜は多数のSiO2 ゲル粒子中に
シリカガラス粒子が散在した形となる。シリカガラス粒
子はその名のとおりガラス状態であるため高温環境下に
おいても変化が起きず、従って耐酸化膜内ではシリカガ
ラス粒子の分だけSiO2 ゲル粒子の収縮量が少なくな
り、つまり耐酸化膜全体としての収縮量が少なく抑えら
れるので膜にクラックが生じない。
【0021】本発明の請求項2によれば、TiAl表面
に形成される耐酸化膜は多数のSiO2 ゲル粒子中にA
l2 O3 ゲルが散在した形となる。Al2 O3 ゲルは高
温環境下でSiO2 ゲル粒子のガラス質への転移に先立
って結晶化する。従って、耐酸化膜内ではAl2 O3 結
晶の分だけSiO2 ゲル粒子の収縮量が少なくなり、つ
まり耐酸化膜全体としての収縮量が少なく抑えられるの
で膜にクラックが生じない。
に形成される耐酸化膜は多数のSiO2 ゲル粒子中にA
l2 O3 ゲルが散在した形となる。Al2 O3 ゲルは高
温環境下でSiO2 ゲル粒子のガラス質への転移に先立
って結晶化する。従って、耐酸化膜内ではAl2 O3 結
晶の分だけSiO2 ゲル粒子の収縮量が少なくなり、つ
まり耐酸化膜全体としての収縮量が少なく抑えられるの
で膜にクラックが生じない。
【0022】本発明の請求項3によれば、高温環境下で
SiO2 ゲルおよびAl2 O3 ゲルの結晶化が進み、耐
酸化膜は高温安定性が高いムライト膜[3Al2 O3 ・
2SiO2 ]となるため、耐酸化膜の耐久性が一層向上
する。
SiO2 ゲルおよびAl2 O3 ゲルの結晶化が進み、耐
酸化膜は高温安定性が高いムライト膜[3Al2 O3 ・
2SiO2 ]となるため、耐酸化膜の耐久性が一層向上
する。
【図1】本発明に係る第1実施例の耐酸化膜形成ステッ
プである。
プである。
【図2】図1の耐酸化膜の部分断面図である。
【図3】ゲルからガラス状態への転移を示す模式図であ
る。
る。
【図4】第1実施例の900℃における高温連続酸化試
験の実験結果である。
験の実験結果である。
【図5】本発明に係る第2実施例の耐酸化膜形成ステッ
プである。
プである。
【図2】図5の耐酸化膜の部分断面図である。
【図7】ゲルから結晶状態への転移を示す模式図であ
る。
る。
【図8】第2実施例の900℃における高温連続酸化試
験の実験結果である。
験の実験結果である。
【図9】従来技術の耐酸化膜形成ステップである。
11,111・・・TiAl、 21,121・・・SiO2 膜(耐酸化膜)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の耐酸化膜形成ステツ
プである。
プである。
【図2】図1の耐酸化膜の部分断面図である。
【図3】ゲルからガラス状態への転移を示す模式図であ
る。
る。
【図4】第1実施例の900℃における高温連続酸化試
験の実験結果である。
験の実験結果である。
【図5】本発明に係る第2実施例の耐酸化膜形成ステツ
プである。
プである。
【図6】図5の耐酸化膜の部分断面図である。
【図7】ゲルから結晶状態への転移を示す模式図であ
る。
る。
【図8】第2実施例の900℃における高温連続酸化試
験の実験結果である。
験の実験結果である。
【図9】従来技術の耐酸化膜形成ステツプである。
【符号の説明】 11,111・・・TiAl、 21,121・・・SiO2 膜( 耐酸化膜)。
Claims (3)
- 【請求項1】 コーティング液をTiAl表面に塗布し
た後に乾燥焼成させて、該TiAl表面に形成される耐
酸化膜において、 前記コーティング液を、シリコンアルコキシドおよびコ
ロイダルシリカからなる主剤,アルコールからなる溶
媒,加水分解水および酸触媒を配合したものとすること
を特徴とするTiAlの耐酸化膜。 - 【請求項2】 コーティング液をTiAl表面に塗布し
た後に乾燥焼成させて、該TiAl表面に形成される耐
酸化膜において、 前記コーティング液を、シリコンアルコキシドおよびア
ルミニウムアルコキシドからなる主剤,アルコールから
なる溶媒,加水分解水および酸触媒を配合したものとす
ることを特徴とするTiAlの耐酸化膜。 - 【請求項3】 前記両アルコキシドのモル比を、3[ア
ルミニウムアルコキシド/シリコンアルコキシド]とし
たことを特徴とする請求項2記載のTiAlの耐酸化
膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1206895A JPH08199370A (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | TiAlの耐酸化膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1206895A JPH08199370A (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | TiAlの耐酸化膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08199370A true JPH08199370A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11795295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1206895A Pending JPH08199370A (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | TiAlの耐酸化膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08199370A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009504369A (ja) * | 2005-08-11 | 2009-02-05 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 発電の領域において使用するためのコーティング |
-
1995
- 1995-01-27 JP JP1206895A patent/JPH08199370A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009504369A (ja) * | 2005-08-11 | 2009-02-05 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 発電の領域において使用するためのコーティング |
JP4940237B2 (ja) * | 2005-08-11 | 2012-05-30 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 発電の領域において使用するためのコーティング |
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