JPH08199332A - 超非磁性鋼材、超非磁性鋼製品及びこれらの製造方法 - Google Patents

超非磁性鋼材、超非磁性鋼製品及びこれらの製造方法

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Publication number
JPH08199332A
JPH08199332A JP2723495A JP2723495A JPH08199332A JP H08199332 A JPH08199332 A JP H08199332A JP 2723495 A JP2723495 A JP 2723495A JP 2723495 A JP2723495 A JP 2723495A JP H08199332 A JPH08199332 A JP H08199332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic steel
super
magnetic
nonmagnetic steel
nitriding
Prior art date
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Pending
Application number
JP2723495A
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English (en)
Inventor
Kuniyasu Genma
国恭 源馬
Mamoru Kawakami
護 河上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai University
Original Assignee
Tokai University
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Publication date
Application filed by Tokai University filed Critical Tokai University
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Publication of JPH08199332A publication Critical patent/JPH08199332A/ja
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超非磁性鋼材、超非磁性鋼製品及びこれらの
製造方法を提供すること。 【構成】 非磁性鋼又は非磁性鋼製品の表面を窒化処理
すること。 【効果】 90%冷間加工した高Mn─Cr系非磁性鋼
の窒化処理をする前の透磁率(μ)は、1.00kOe の
磁場において1.071であったが、窒化処理をした後
の透磁率(μ)は1.07kOe の磁場において1.00
047になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性鋼及び非磁性鋼
製品の表面に窒化層を設けた超非磁性鋼材及び非磁性鋼
製品並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ、VTR、カラーコ
ピー機などの磁気メモリー機器及び強磁場を使用する技
術の周辺機器には、磁気シールドをするために非磁性鋼
が用いられていた。この非磁性鋼には、高Mn─Cr系
オーステナイト鋼、及びNi─Cr系鋼、いわゆるオー
ステナイト系ステンレス鋼が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の非
磁性鋼は、その透磁率が最も低いものでもμ=1.00
2〜1.003あり、コンピュータ、VTR、カラーコ
ピー機などの磁気メモリー機器の磁気シールドに使用す
ることができるが、医療機器、リニアモーターカーなど
の高い磁場を扱う技術分野の磁気シールドに使用するに
はまだ十分でなかった。また従来の非磁性鋼は、冷間加
工をすると透磁率が高くなるという欠点があった。本発
明は、冷間加工をした後でも透磁率が非常に低い非磁性
鋼材及び超非磁性鋼製品並びにこれらの製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の透磁率が非常に低い超非磁性鋼材及び超非
磁性鋼製品は、非磁性鋼、又は非磁性鋼を用いて製造し
た製品、すなわち非磁性鋼製品の表面に窒化層を設けた
ことである。また、本発明の超非磁性鋼材又は超非磁性
鋼製品の製造方法は、非磁性鋼又は超非磁性鋼製品の表
面を窒化処理することであり、さらに、窒化処理を冷間
加工した後に行い、その窒化処理の温度をCr2 NとC
rNの標準生成自由エネルギーが等しくなる温度以下の
温度で行うことである。
【0005】本発明に使用する非磁性鋼は、高Mn─C
r系オーステナイト鋼、Ni─Cr系オーステナイト系
ステンレス鋼などのCrを含有するオーステナイト系鋼
である。窒化処理方法は、ガス窒化、イオン窒化、液体
窒化などで、窒化処理温度は、何れの窒化処理方法にお
いてもCr2 NとCrNの標準生成自由エネルギーが等
しくなる温度以下の温度、具体的には約430℃以下で
ある。
【0006】
【作用】本発明において、非磁性鋼及び非磁性鋼製品の
表面を窒化処理すると、すなわち、六方晶のCr2 Nと
立方晶のCrNの標準生成自由エネルギーが等しくなる
温度、すなわち約430℃以下で窒化処理すると、窒素
を過飽和に含んだ極めて安定なオーステナイト相の窒化
層を形成する。この窒化層の透磁率は非常に低いので、
窒化処理した非磁性鋼又は非磁性鋼製品は透磁率がより
低い超非磁性鋼材又は超非磁性鋼製品になる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 C:0.081%、Si:0.74%、Mn:14.3
6%、P:0.032%、S:0.002%、Ni:
4.38%、Cr:16.88%、Mo:0.06%、
Cu:0.05%、V:0.34%、N:0.309
%、残部鉄 からなる高Mn−Cr非磁性鋼の縦300mm、横25
mm、厚さ5mmの板を90%冷間圧延したものから、
縦30mm、横25mm、厚さ約0.5mmの試験片を
得た。この試験片をアンモニアガス中で400℃、9時
間窒化処理した。
【0008】この窒化処理をした試験片の磁化曲線は図
1に示したとおりであった。窒化処理する前の試験片の
磁化曲線である図2と比較して、透磁率が非常に低くな
っていることが判る。また、この試験片の断面を硫酸銅
塩酸水溶液により腐食した光学顕微鏡組織を図3の写真
で示す。地金は腐食されているにもかかわらず、窒化層
(白い層)は腐食されていないことが判る。さらに、窒
化処理をした試験片と窒化処理をしてない試験片の透磁
率を各磁場において測定した結果を表1に示す。窒化処
理をした試験片は、透磁率が窒化処理をしない試験片の
透磁率より非常に低いこと、及び磁場が強くなっても透
磁率が高くならないことが判る。
【0009】
【表1】
【0010】上記実施例では、非磁性鋼として高Mn─
Cr系オーステナイト鋼を用いているが、Ni─Cr系
オーステナイト系ステンレス鋼においても同様に実施す
ることができる。また、上記実施例では、非磁性鋼を冷
間加工したものを用いているが、冷間加工をしていない
非磁性鋼及び非磁性鋼製品を用いても同様に実施するこ
とができる。さらに、本発明は、上記以外の点において
も実施例に限定されることなく、要旨を変更しない範囲
において種々の変更をすることが出来ることはもちろん
である。
【0011】
【本発明の効果】本発明は、上記のように非磁性鋼又は
非磁性鋼製品の表面を窒化処理することにより次のよう
な優れた効果を奏する。 (1)非磁性鋼又は非磁性鋼製品を超非磁性鋼材又は超
非磁性鋼部品とすることができる。 (2)表面が硬化して耐摩耗性が向上する。 (3)表面の耐食性が向上する。 (4)透磁率が低下するので、従来から使用していたコ
ンピュータ、VTR、カラーコピー機などの磁気メモリ
ー機器の他、厳重な磁気シールドが必要な医療機器、リ
ニアモーターカーなどの高い磁場を扱う技術分野の用途
に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化処理をした非磁性鋼、すなわち超
非磁性鋼材の試験片の磁化曲線を示す図である。
【図2】本発明の窒化処理をする前の非磁性鋼の試験片
の磁化曲線を示す図である。
【図3】本発明の窒化処理をした後の非磁性鋼、すなわ
ち超非磁性鋼材の金属組織を示す顕微鏡写真である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性鋼の表面に窒化層を設けたことを
    特徴とする超非磁性鋼材。
  2. 【請求項2】 非磁性鋼製品の表面に窒化層を設けたこ
    とを特徴とする超非磁性鋼製品。
  3. 【請求項3】 非磁性鋼の表面を窒化処理することを特
    徴とする超非磁性鋼材の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒化処理が冷間加工をした後の非磁性鋼
    であることを特徴とする請求項3記載の超非磁性鋼材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 窒化処理の温度がCr2 N及びCrNの
    標準生成自由エネルギーが等しくなる温度以下であるこ
    とを特徴とする請求項3又は請求項4記載の超非磁性鋼
    材の製造方法。
  6. 【請求項6】 非磁性鋼製品の表面を窒化処理すること
    を特徴とする超非磁性鋼製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 窒化処理の温度がCr2 N及びCrNの
    標準生成自由エネルギーが等しくなる温度以下であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の超非磁性鋼製品の製造方
    法。
JP2723495A 1995-01-24 1995-01-24 超非磁性鋼材、超非磁性鋼製品及びこれらの製造方法 Pending JPH08199332A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174651A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Nippon Soken Inc 電磁弁およびその製造方法
EP2402471A4 (en) * 2009-02-27 2017-04-26 Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. HIGH-Mn AUSTENITE STAINLESS STEEL AND METAL PART FOR CLOTHING

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174651A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Nippon Soken Inc 電磁弁およびその製造方法
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