JPH08199280A - 銅タングステン合金およびその製造方法 - Google Patents
銅タングステン合金およびその製造方法Info
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Abstract
折力に優れる銅タングステン合金およびその製造方法を
提供すること。 【構成】 銅粉末およびタングステン粉末に微量の燐を
混合して得られた混合粉末を所定の形状に加圧成形した
のち、得られた成形体を焼結して、銅タングステン合金
焼結体を得る方法。得られる銅タングステン合金中には
0.002〜0.040重量%の燐が含有される。上記
混合粉末にさらに0.1〜0.5重量%のコバルト、
鉄、ニッケルのうちの1種又は2種以上を添加しておく
のがより好ましい。
Description
料、半導体用パッケージ材料、ヒートシンク等に使用さ
れる銅タングステン合金およびその製造方法に関する。
度とタングステンの耐アークエロージョン性を備えた材
料で、古くから電極材料や電気接点として使用されてき
た。近年、エレクトロニクス分野において、半導体用の
パッケージ材料やヒートシンク部材として使用されるよ
うになってきた。
テンが相互に固溶しないため、粉末冶金法で製造され
る。この粉末冶金法による製造方法としては、大別して
溶浸法と混合粉末法の2種類の方法がある。溶浸法は、
タングステン粉末のみをプレス成形して焼結し、予め多
孔質なタングステンのスケルトンを作っておき、これに
溶融した銅を含浸させる方法である。また、粉末混合法
は、銅粉末とタングステン粉末とを所定の割合で混合し
た混合粉末をプレス成型し、焼結する方法である。
溶浸法および粉末混合法による製造方法は、いずれも次
のような問題点がある。まず溶浸法については、タング
ステン・スケルトンの多孔度の調整が困難で、銅の含有
率がばらつき易いこと、および工程数が多くなるのでコ
ストが高くなるという問題である。また、粉末混合法
は、銅粉末とW粉末とを混合する時に、W粉末とCu粉
末とが圧粉状態となっているため、焼結体時に圧粉体内
部に還元性ガスが充分侵入しないのでW粒子表面が充分
還元されず、W粉末に対する液相のCu粉末の濡れが悪
くなりボイドの原因となっていた。
ないため残存酸素により、熱伝導度が低下する原因とな
っていた。
uのW粒子表面への濡れ性の改善、およびCu粉末中の
酸素を脱酸することにより、均質かつ高密度であって、
熱伝導度および抗折力に優れる銅タングステン合金とそ
の製造方法を提供することを課題としている。
に、本発明は以下のような構成とした。すなわち、第1
の発明にかかる銅タングステン合金は、重量比で銅を5
〜30%、燐を0.002〜0.04%含有し、残部が
実質的にタングステンであることを特徴としている。第
2の発明にかかる銅タングステン合金は、重量比で銅を
5〜30%、燐を0.002〜0.04%、コバルト、
ニッケル、鉄のうちの1種又は2種以上を0.1〜0.
5%含有し、残部が実質的にタングステンであることを
特徴としている。
製造方法は、銅粉末およびタングステン粉末に、微量の
燐を混合して得られた混合粉末を、所定の形状に加圧成
形したのち、得られた成形体を焼結して、0.002〜
0.04重量%の燐を含有する銅タングステン合金焼結
体を得ることを特徴としている。また、第4の発明にか
かる銅タングステン合金は、銅粉末およびタングステン
粉末にコバルト,鉄,ニッケルのうちの1種又は2種以
上の粉末0.1〜0.5重量%と微量の燐を混合して得
られた混合粉末を所定の形状に加圧成形したのち、得ら
れた成形体を焼結して、0.002〜0.04重量%の
燐を含有する銅タングステン合金焼結体を得ることを特
徴としている。
金を製造するに際し、燐を微量に添加する点に特徴があ
り、得られる銅タングステン合金中には、0.002〜
0.04重量%の燐が含有される。以下、具体例を挙げ
つつ本発明を詳細に説明する。
ミクロン程度の比較的細かい粉末を用いるのが好まし
い。
末は、従来粉末冶金原料として使用されてきた、粒度数
ミクロンの金属粉末を使用するのが好ましい。
燐が添加される。また、燒結を促進するために、微量の
コバルト、鉄、ニッケルのうちの1種または2種以上を
0.1〜0.5重量%添加するのが好ましい。
量%含んだ銅との混合粉末(市販品)、Co2 P(燐化
コバルト)、燐化ニッケルなどの形で添加するのが好ま
しい。添加された燐は焼結工程などで消費されるため
か、得られる銅タングステン合金中に含有される(残存
する)燐の量は添加量の40〜20重量%になるのが普
通である。本発明の銅タングステン合金では、残存する
燐の量が0.002〜0.04重量%であることが好ま
しい。発明者の実験によると、燐を添加することによ
り、焼結温度を50〜80℃低くしても通常の燒結温度
で燒結したものと同等性能の銅タングステン合金が得ら
れるというメリットがある。また、同等量の硼素も脱酸
素剤として使用可能である。
ば、まず銅粉末とタングステン粉末と燐成分と、場合に
より例えばコバルト粉末を所定の割合で配合し、混合す
る。この混合は、例えばボールミル等のミリング装置を
用いて行うのが好ましい。混合時間は、均一な混合状態
が得られる時間であり、例えばボ−ルミルを用いる場合
は、通常80〜100時間である。なお、この場合はア
ルコール等を加えた湿式混合で行うのが好ましい。
後加圧成形し、焼結することにより、銅とタングステン
とが均一に分散した合金が得られる。
た。使用した原料粉末は、平均粒度1.8ミクロンの市
販のタングステン粉末180g、平均粒度23ミクロン
の市販のCu粉末20g、平均粒度1.5ミクロンの市
販のコバルト粉末を0.45g(0.2重量%)および
燐が8重量%含まれた銅と燐の混合粉末(以下、8PC
uと呼ぶ)である。8PCuの量は、以上の全原料中、
0、0.17、0.35、0.90、1.70、3.0
各重量%の6水準とした。該6水準の内、0.17、
0.35、0.90、1.70重量%の4水準が表1に
示すように、燐含有量において本発明品に該当する。こ
れら原料粉末にエチルアルコール60ccを加えてボー
ルミル(超硬合金ボール使用)で96時間湿式混合し
た。
として、PVPをエチルアルコールに溶解して添加し
た。PVPの添加量は、1.0重量%であった。この粉
末を公知の方法で造粒し、粉末プレス機としてメカニカ
ルプレスを用いて加圧成形した。成形体の寸法は、10
×30×5(mm)であり、成形圧力は1.5トン/c
m2 であった。
た。焼結条件は、1250℃×1時間であった。この焼
結により、寸法8×24×4(mm)の銅タングステン
焼結合金が得られた。この銅タングステン焼結合金の特
性値は表1に示す通りであった。
て使用するW−20%Cu合金を試作した。使用した原
料粉末は、平均粒度1.8ミクロンのタングステン粉末
480g、平均粒度23ミクロンのCu粉末120g、
平均粒度1.5ミクロンのコバルト粉末を1.20gお
よび8PCuである。8PCuの量は、以上の全原料
中、0、0.20、0.40、0.90、1.70、
2.80各重量%の6水準とした。該6水準の内、0.
20、0.40、0.90、1.70重量%の4水準が
表2に示すように、燐含有量において本発明品に該当す
る。これら原料粉末にエチルアルコール60ccを加え
てボールミルで96時間湿式混合した。
として、PVPをエチルアルコールに溶解して添加し
た。PVPの添加量は、1.5重量%であった。この粉
末を公知の方法で造粒し、粉末プレス機としてメカニカ
ルプレスを用いて加圧成形した。成形体の寸法は、45
×45×50(mm)であり、成形圧力は1.5トン/
cm2 であった。
た。焼結条件は、1200℃×1時間であった。この焼
結により、寸法34×34×38(mm)の銅タングス
テン焼結合金が得られた。この銅タングステン焼結合金
の特性値は表2に示す通りであった。
タングステン合金において燐を含有させたことにより、
焼結密度、抗折力および熱伝導率において明らかに性能
向上が認められる。しかも純度の高い銅タングステン合
金を、燒結法(粉末混合法)によって安全にしかも効率
よく製造することができる。
の含有量と焼結密度との関係を示すグラフである。
の含有量と抗折力との関係を示すグラフである。
の含有量と熱伝導率との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比で銅を5〜30%、燐を0.00
2〜0.04%含有し、残部が実質的にタングステンで
ある銅タングステン合金。 - 【請求項2】 重量比で銅を5〜30%、燐を0.00
2〜0.04%、コバルト、ニッケル、鉄のうちの1種
又は2種以上を0.1〜0.5%含有し、残部が実質的
にタングステンである銅タングステン合金。 - 【請求項3】 銅粉末およびタングステン粉末に微量の
燐を混合して得られた混合粉末を所定の形状に加圧成形
したのち、得られた成形体を焼結して、0.002〜
0.04重量%の燐を含有する銅タングステン合金焼結
体を得ることを特徴とする銅タングステン合金の製造方
法。 - 【請求項4】 銅粉末およびタングステン粉末にコバル
ト,鉄,ニッケルのうちの1種又は2種以上の粉末0.
1〜0.5重量%と微量の燐を混合して得られた混合粉
末を所定の形状に加圧成形したのち、得られた成形体を
焼結して、0.002〜0.04重量%の燐を含有する
銅タングステン合金焼結体を得ることを特徴とする銅タ
ングステン合金の製造方法。
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