JPH08198590A - 自走式クレーンにおけるウィンチの制御装置 - Google Patents

自走式クレーンにおけるウィンチの制御装置

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JPH08198590A
JPH08198590A JP743995A JP743995A JPH08198590A JP H08198590 A JPH08198590 A JP H08198590A JP 743995 A JP743995 A JP 743995A JP 743995 A JP743995 A JP 743995A JP H08198590 A JPH08198590 A JP H08198590A
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JP
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winch
switching valve
valve
switch
telescopic boom
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JP743995A
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English (en)
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Masatake Akita
真壮 秋田
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Tadano Ltd
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Tadano Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自走式クレーンにおいてウィンチの遠隔操作
を可能とする。 【構成】 油圧ポンプに接続された電磁切換弁55のキ
ャリーオーバー油路65に、少なくとも上記ウィンチ1
5を駆動する油圧モータ16への圧油の給排を制御する
ウィンチ用手動切換弁44と上記起伏用シリンダ10へ
の圧油の給排を制御する起伏用手動切換弁45を接続す
るとともに、上記電磁切換弁55を上記油圧モータ16
に接続し、さらに上記ウィンチ15を巻上げ駆動すべく
上記電磁切換弁55に制御信号を出力するウィンチ巻上
スイッチ34と上記ウィンチ15を巻下げ駆動すべく上
記電磁切換弁55に制御信号を出力するウィンチ巻下ス
イッチ35とを設けた遠隔操作手段32を備え、上記ウ
ィンチ巻上スイッチ34あるいはウィンチ巻下スイッチ
35の操作によって上記電磁切換弁55をウィンチ巻き
上げ側あるいは巻下げ側に切り換え、該電磁切換弁55
を介して上記油圧モータ16に給排される圧油により上
記ウィンチ15を巻き上げあるいは巻下げ駆動させる如
く構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自走式クレーンにおけ
るウィンチの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自走式クレーンにおいては、ブームの旋
回・起伏・伸縮の各操作とウインチの巻上げ・巻下げ操
作の全てを車両側に固定配置した手動操作レバーをオペ
レータが手動操作して行うのが従来一般的であったが、
主としてクレーン操作の操作性の観点から、上記の各ク
レーン操作の全てを車体から離れた位置で遠隔操作し得
るようにしたものも既に実用化されている。
【0003】また一方、自走式クレーンにおいては、ウ
インチによりブームの先端からフックブロックを吊り下
げて所要の吊荷作業を行うようになっているが、自走に
よる移動時の如き非作業時にはフックブロックが揺動し
ないようにこれを固定格納するとともにドライバーの前
方視界をできるだけ妨げないようにする必要があり、ま
たその場合の作業性を良好ならしめることも必要であ
り、かかる各要請から、非作業時にはフックブロックを
ブームの下面側に沿わせた状態で格納してその不用意な
揺動の防止と前方視界の確保とを図り、また作業時には
フックブロックの格納を解除してこれをブーム先端から
吊下させるようにするとともに、これらのフックブロッ
クの格納・格納解除操作を自動的に行うことができるよ
うにしたフックブロック自動格納機構が提案されている
(例えば、特開平6−144788号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
にいくら操作性向上のためとはいえ、ブームの旋回・起
伏・伸縮の各操作とウインチの巻上げ・巻下げ操作の全
てを遠隔操作が可能となる如く構成すると、各操作毎に
位置制御が可能な制御弁を多数必要とすることから装置
全体が高価となり、操作性の向上に伴うリスクも大き
く、従って、自走式クレーンの実用性という点において
再考を要するところである。
【0005】ここで、上記の各クレーン操作における遠
隔操作の必要性を考察した場合、最もその必要性が高い
のはウインチ操作である。即ち、手動操作式のクレーン
を用いてオペレータが一人で作業を行う場合には、先ず
オペレータは車両側の手動操作レバーを操作してフック
ブロックを所定位置まで下げ、その後、吊荷の所まで移
動して吊荷をフックブロックに掛ける玉掛け作業を行
い、再び車両側に戻ってウインチの巻上げ操作を行う必
要がある。従って、作業が極めて煩雑であるとともに、
玉掛け後、吊荷から離れるために実際にウインチ巻上げ
操作が行われる時点において玉掛け状態が適正であるか
どうかを確認することが難しく作業上の安全性という点
においても問題がある。そして、かかる手動によるウイ
ンチ操作に伴う問題は、手動によるブームの起伏等の各
操作におけるそれよりも重大であり、かかる場合、この
ウインチ操作を吊荷の近くで遠隔操作できれば作業の繁
雑さの解消、安全性の確保という点において好都合であ
る。
【0006】一方、フックブロックの格納・格納解除操
作はウインチ操作を伴うものであるため、ウインチを遠
隔操作し得るようにする場合には、同時にフックブロッ
クの格納・格納解除をも遠隔操作し得るようにすれば操
作性、作業性という点において好都合である。
【0007】かかる各要請に鑑み、本願発明では各クレ
ーン操作のうちウインチ操作のみをしかも簡単な構成に
より遠隔操作可能とするとともにフックブロックの格納
・格納解除をも遠隔操作可能とすることで低コストと高
操作性との両立が図れるようにした自走式クレーンにお
けるウィンチの制御装置を提案せんとしてなされたもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0009】本願の第1の発明では、図1〜図4に例示
するように、起伏用シリンダ10によって起伏駆動され
る伸縮ブーム9と、該伸縮ブーム9の先端部に吊り下げ
られウィンチ15により巻上げ・巻下げ駆動されるフッ
クブロック12とを備えた自走式クレーンにおいて、油
圧ポンプに接続された電磁切換弁55のキャリーオーバ
ー油路65に、少なくとも上記ウィンチ15を駆動する
油圧モータ16への圧油の給排を制御するウィンチ用手
動切換弁44と上記起伏用シリンダ10への圧油の給排
を制御する起伏用手動切換弁45を接続するとともに、
上記電磁切換弁55を上記油圧モータ16に接続し、さ
らに上記ウィンチ15を巻上げ駆動すべく上記電磁切換
弁55に制御信号を出力するウィンチ巻上スイッチ34
と上記ウィンチ15を巻下げ駆動すべく上記電磁切換弁
55に制御信号を出力するウィンチ巻下スイッチ35と
を設けた遠隔操作手段32を備え、上記ウィンチ巻上ス
イッチ34あるいはウィンチ巻下スイッチ35の操作に
よって上記電磁切換弁55をウィンチ巻き上げ側あるい
は巻下げ側に切り換え、該電磁切換弁55を介して上記
油圧モータ16に給排される圧油により上記ウィンチ1
5を巻き上げあるいは巻下げ駆動させる如く構成したこ
とを特徴としている。
【0010】本願の第2の発明では、図1〜図3に例示
するように、上記第1の発明にかかる自走式クレーンに
おけるウィンチの制御装置において、上記フックブロッ
ク12を上記伸縮ブーム9の先端部に接近した巻上げ上
限位置からさらに巻上げることで該フックブロック12
が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接的に当接
して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸縮ブーム
9の下面に沿った格納位置に格納される如くする一方、
油圧回路の油圧を通常作業時よりも低圧側に設定する低
圧設定用弁機構50,52を備えるとともに、上記遠隔
操作手段32には上記低圧設定用弁機構50,52を低
圧設定側へ駆動させるべく制御信号を出力するフック操
作スイッチ36を設け、上記フック操作スイッチ36が
操作された状態で上記ウィンチ巻上スイッチ34が操作
された時には上記電磁切換弁55が巻上げ側に設定され
るとともに上記低圧設定用弁機構50,52が低圧側に
設定され、該電磁切換弁55を介して上記油圧モータ1
6に給排される低圧の圧油により上記ウィンチ15が巻
上げ駆動され上記フックブロック12が巻上げ上限位置
からさらに巻き上げられて上記格納位置に格納される如
く構成したことを特徴としている。
【0011】本願の第3の発明では、図1〜図3に例示
するように、上記第1の発明にかかる自走式クレーンに
おけるウィンチの制御装置において、上記フックブロッ
ク12を上記伸縮ブーム9の先端部に接近した巻上げ上
限位置からさらに巻上げることで該フックブロック12
が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接的に当接
して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸縮ブーム
9の下面に沿った格納位置に格納される如くする一方、
上記電磁切換弁55のウインチ巻下げ側油路71と上記
起伏用シリンダ10の起仰側油室10aとを連通用開閉
弁61を介装した連通油路73を介して接続し、さらに
上記遠隔操作手段32には上記連通用切換弁61を連通
側に駆動させるべく制御信号を出力するフック操作スイ
ッチ36を設け、上記フックブロック12が格納位置に
格納された状態で上記フック操作スイッチ36が操作さ
れるとともに上記ウィンチ巻下スイッチ35が操作され
た時には上記電磁切換弁55が巻下げ側に設定され該電
磁切換弁55を介して上記油圧モータ16に給排される
圧油により上記ウィンチ15が巻下げ駆動され上記フッ
クブロック12が格納位置から上記伸縮ブーム9の先端
側へ回動せしめられるとともに、上記電磁切換弁55か
ら上記連通用開閉弁61を介して上記起伏用シリンダ1
0の上記起仰側油室10aに供給される圧油により該起
伏用シリンダ10が伸長して上記伸縮ブーム9が起仰駆
動される如く構成したことを特徴としている。
【0012】本願の第4の発明では、図1,図2及び図
4に例示するように、上記第1の発明にかかる自走式ク
レーンにおけるウィンチの制御装置において、上記フッ
クブロック12を上記伸縮ブーム9の先端部に接近した
巻上げ上限位置からさらに巻上げることで該フックブロ
ック12が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接
的に当接して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸
縮ブーム9の下面に沿った格納位置に格納される如くす
る一方、油圧回路の油圧を通常作業時よりも低圧側に設
定する低圧設定用弁機構50,52を備えるとともに、
上記低圧設定用弁機構50,52を低圧設定側へ駆動さ
せるべく制御信号を出力するとともに上記電磁切換弁5
5をウィンチ巻上げ側に駆動させるべく制御信号を出力
するフック自動格納スイッチ37を設け、上記フック自
動格納スイッチ37が操作された時には上記電磁切換弁
55が巻上げ側に設定されるとともに上記低圧設定用弁
機構50,52が低圧側に設定され、該電磁切換弁55
を介して上記油圧モータ16に給排される低圧の圧油に
より上記ウィンチ15が巻上げ駆動され上記フックブロ
ック12が巻上げ上限位置からさらに巻き上げられて上
記格納位置に格納される如く構成したことを特徴として
いる。
【0013】本願の第5の発明では、図1,図2及び図
4に例示するように、上記第1の発明にかかる自走式ク
レーンにおけるウィンチの制御装置において、上記フッ
クブロック12を上記伸縮ブーム9の先端部に接近した
巻上げ上限位置からさらに巻上げることで該フックブロ
ック12が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接
的に当接して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸
縮ブーム9の下面に沿った格納位置に格納される如くす
る一方、上記電磁切換弁55のウインチ巻下げ側油路7
1と上記起伏用シリンダ10の起仰側油室10aとを連
通用開閉弁61を介装した連通油路73を介して接続
し、さらに上記連通用切換弁61を連通側に駆動させる
べく制御信号を出力するとともに上記電磁切換弁55を
ウィンチ巻下げ側に駆動すべく制御信号を出力するフッ
ク格納解除スイッチ38を設け、上記フックブロック1
2が格納位置に格納された状態で上記フック格納解除ス
イッチ38が操作されることで上記電磁切換弁55が巻
下げ側に設定され該電磁切換弁55を介して上記油圧モ
ータ16に給排される圧油により上記ウィンチ15が巻
下げ駆動され上記フックブロック12が格納位置から上
記伸縮ブーム9の先端側へ回動せしめられるとともに、
上記電磁切換弁55から上記連通用開閉弁61を介して
上記起伏用シリンダ10の上記起仰側油室10aに供給
される圧油により該起伏用シリンダ10が伸長して上記
伸縮ブーム9が起仰駆動される如く構成したことを特徴
としている。
【0014】
【発明の作用・効果】本願発明ではかかる構成とするこ
とにより次のような作用・効果が得られる。
【0015】 本願の第1の発明にかかる自走式クレ
ーンにおけるウィンチの制御装置によれば、油圧ポンプ
に接続された電磁切換弁55のキャリーオーバー油路6
5に少なくともウィンチ用手動切換弁44と起伏用手動
切換弁45とを接続するとともに、上記電磁切換弁55
をウィンチ駆動用の油圧モータ16に接続する一方、上
記ウィンチ15を巻上げ駆動すべく上記電磁切換弁55
に制御信号を出力するウィンチ巻上スイッチ34と上記
ウィンチ15を巻下げ駆動すべく上記電磁切換弁55に
制御信号を出力するウィンチ巻下スイッチ35とを設け
た遠隔操作手段32を備えているので、上記ウィンチ巻
上スイッチ34あるいはウィンチ巻下スイッチ35を操
作することで上記電磁切換弁55がウィンチ巻き上げ側
あるいは巻下げ側に切り換えられ、該電磁切換弁55を
介して上記油圧モータ16に給排される圧油により上記
ウィンチ15が巻き上げあるいは巻下げ駆動され、該ウ
ィンチ15の遠隔操作が実現される。従って、オペレー
タが一人でウィンチ作業を行う場合であっても、玉掛け
作業からウィンチ15の巻上げ・巻上げ作業の全てを吊
荷の近くで目視により確認しながら行うことができ、ウ
ィンチ作業における作業性・操作性が向上するととも
に、作業上の安全性も確保されるものである。
【0016】さらに、このウィンチ15の遠隔操作を、
手動操作用に設けられているウィンチ用切換弁44と起
伏用切換弁45に加えて上記電磁切換弁55を設け、該
電磁切換弁55のキャリーオーバー油路65に上記ウィ
ンチ用切換弁44と起伏用切換弁45を接続し、この電
磁切換弁55の作動を上記ウィンチ巻上スイッチ34と
ウィンチ巻下スイッチ35の操作によって制御するよう
にしているので、既存の手動式クレーンの油圧回路に上
記電磁切換弁55を組み込んでこれを遠隔操作式とする
ことも極めて容易である。従って、例えば従来の遠隔操
作式クレーンの如く位置制御可能な制御弁を多数設けて
ウィンチ操作のみならずブームの起伏等を含めた全操作
を遠隔操作可能とする場合に比して、最も遠隔操作が必
要な操作であるウィンチ操作を遠隔操作可能として操作
性の向上を図った自走式クレーンをより安価に提供し得
るものである。
【0017】 本願の第2の発明にかかる自走式クレ
ーンにおけるウィンチの制御装置によれば、上記に記
載の作用・効果が得られるのに加えて次のような特有の
効果も得られる。即ち、上記フックブロック12を巻上
げ上限位置からさらに巻上げることで該フックブロック
12が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接的に
当接して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸縮ブ
ーム9の下面に沿った格納位置に格納される如くする一
方、油圧を通常作業時よりも低圧側に設定する低圧設定
用弁機構50,52を備えるとともに、上記遠隔操作手
段32に上記低圧設定用弁機構50,52を低圧設定側
へ駆動させるべく制御信号を出力するフック操作スイッ
チ36を設けているので、上記フック操作スイッチ36
が操作された状態で上記ウィンチ巻上スイッチ34を操
作すると、上記電磁切換弁55が巻上げ側に設定される
とともに上記低圧設定用弁機構50,52により油圧が
低圧側に設定される。この結果、上記電磁切換弁55を
介して上記油圧モータ16に給排される低圧の圧油によ
り上記ウィンチ15が巻上げ駆動され、上記フックブロ
ック12が巻上げ上限位置からさらに巻き上げられて自
動的に上記格納位置に格納されることになる。また、こ
の場合、油圧が低圧に設定されているので、上記フック
ブロック12の格納時においてワイヤーロープ14に過
大な荷重がかかってこれが破断するというような事態の
発生が未然に且つ確実に防止されるものである。
【0018】このように、第2の発明にかかる自走式ク
レーンにおけるウィンチの制御装置によれば、遠隔操作
手段32に設けたフック操作スイッチ36とウィンチ巻
上スイッチ34とを操作することでフックブロック12
を遠隔操作によって自動的に格納させることができるの
で、遠隔操作によってウィンチ作業を行った後、一旦車
両側に戻って手動式のフック格納操作レバーを操作した
りしなくとも、そのウィンチ作業を行った場所でそのま
ま直ちにフックブロック12の格納操作を行うことがで
き、ウィンチ作業からフックブロック12の格納作業に
至る一連の作業における作業性が一段と向上するもので
ある。
【0019】 本願の第3の発明にかかる自走式クレ
ーンにおけるウィンチの制御装置によれば、上記に記
載の作用・効果が得られるのに加えて次のような特有の
効果も得られる。即ち、上記フックブロック12を巻上
げ上限位置からさらに巻上げることで該フックブロック
12が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接的に
当接して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸縮ブ
ーム9の下面に沿った格納位置に格納される如くする一
方、上記電磁切換弁55のウインチ巻下げ側油路71と
上記起伏用シリンダ10の起仰側油室10aとを連通用
開閉弁61を介装した連通油路73を介して接続し、さ
らに上記遠隔操作手段32には上記連通用切換弁61を
連通側に駆動させるべく制御信号を出力するフック操作
スイッチ36を設けているので、上記フックブロック1
2が格納位置に格納された状態で上記フック操作スイッ
チ36を操作するとともに上記ウィンチ巻下スイッチ3
5を操作することで、上記電磁切換弁55が巻下げ側に
設定され該電磁切換弁55を介して上記油圧モータ16
に給排される圧油により上記ウィンチ15が巻下げ駆動
され上記フックブロック12が格納位置から上記伸縮ブ
ーム9の先端側へ回動せしめられるとともに、上記電磁
切換弁55から上記連通用開閉弁61を介して上記起伏
用シリンダ10の上記起仰側油室10aに供給される圧
油により該起伏用シリンダ10が伸長して上記伸縮ブー
ム9が起仰駆動されることになる。
【0020】また、上記フックブロック12が格納位置
に格納された状態で上記フック操作スイッチ36を操作
することなく上記ウィンチ巻下スイッチ35のみを操作
した場合には、上記電磁切換弁55は巻下げ側に設定さ
れ該電磁切換弁55を介してウィンチ用油圧モータ16
に圧油が供給されウィンチ15が巻下げ駆動されるが、
連通用開閉弁61は閉弁保持されているので上記電磁切
換弁55からの圧油が連通用開閉弁61を介して起伏用
シリンダ10の起仰側油室10aに供給されるのが阻止
され、該起伏用シリンダ10は伸長せず停止状態のまま
保持される。
【0021】従って、上記二つの操作態様のうち、前者
の操作態様は、例えばフックブロック12の格納状態に
おいて該フックブロック12の直下方に障害物が存在
し、このままウィンチ15を巻下げ駆動してフックブロ
ック12を格納位置から下方側へ振り出したのでは該フ
ックブロック12が障害物に衝突するというような場合
に好適な操作態様である。即ち、ウィンチ15の巻下げ
により格納位置にあるフックブロック12が格納解除さ
れて下方へ振り出されるのに並行して起伏用シリンダ1
0が伸長してブーム9が起仰するため、上記ウィンチ1
5の巻下げに伴って上記フックブロック12が降下して
障害物に衝突するというような事態が阻止されるためで
ある。
【0022】これに対して、後者の操作態様は、ブーム
9の起仰を伴うことなくウィンチ15の巻下げのみが行
われて上記フックブロック12が格納位置から下方へ振
り出されるものであるため、該フックブロック12の下
方に障害物が存在しない場合に好適な操作態様といえ
る。
【0023】このように、第3の発明にかかる自走式ク
レーンにおけるウィンチの制御装置によれば、遠隔操作
手段32に設けたフック操作スイッチ36とウィンチ巻
下スイッチ35とを選択して操作することでフックブロ
ック12を遠隔操作によって自動的に格納解除させてウ
ィンチ作業可能状態とすることができるので、遠隔操作
によるウィンチ作業を行うにあたって、フックブロック
12の格納解除からウィンチ作業終了後のフックブロッ
ク12の格納までの一連の作業を所定の遠隔操作位置に
おいて全て行うことができ、例えばウィンチ作業にあた
って一旦車両側においてフック格納解除の手動操作を行
った後、所定の遠隔操作位置まで移動してウィンチ作業
を行わなければならない場合に比して、作業性が一段と
向上するものである。
【0024】 本願の第4の発明にかかる自走式クレ
ーンにおけるウィンチの制御装置によれば、上記に記
載の作用・効果が得られるのに加えて次のような特有の
効果も得られる。即ち、上記フックブロック12を巻上
げ上限位置からさらに巻上げることで該フックブロック
12が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接的に
当接して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸縮ブ
ーム9の下面に沿った格納位置に格納される如くする一
方、低圧設定用弁機構50,52を備えるとともに、該
低圧設定用弁機構50,52を低圧設定側へ駆動させる
べく制御信号を出力するとともに上記電磁切換弁55を
ウィンチ巻上げ側に駆動させるべく制御信号を出力する
フック自動格納スイッチ37を設けているので、上記フ
ック自動格納スイッチ37を操作することで上記電磁切
換弁55が巻上げ側に設定されるとともに上記低圧設定
用弁機構50,52が低圧側に設定され、該電磁切換弁
55を介して上記油圧モータ16に給排される低圧の圧
油により上記ウィンチ15が巻上げ駆動され上記フック
ブロック12が巻上げ上限位置からさらに巻き上げられ
て上記格納位置に格納されるものである。
【0025】従って、第4の発明にかかる自走式クレー
ンにおけるウィンチの制御装置によれば、フック自動格
納スイッチ37の操作のみによって直ちにフックブロッ
ク12を格納位置に格納することができるものであるた
め、例えば上記第2の発明にかかる自走式クレーンにお
けるウィンチの制御装置の如くフックブロック12の格
納に際してフック操作スイッチ36とウィンチ巻上スイ
ッチ34とを操作しなければならない場合に比して、フ
ックブロック12の格納作業における作業性・操作性が
さらに良好ならしめられるものである。
【0026】さらに、上記フック自動格納スイッチ37
を遠隔操作手段32側に設けた場合には、ウィンチ15
の遠隔操作時にフックブロック12の格納操作をウィン
チ操作と同じ位置において、しかもワンタッチ操作で行
うことができることから、さらに作業性等の向上が期待
できるものである。
【0027】 本願の第5の発明にかかる自走式クレ
ーンにおけるウィンチの制御装置によれば、上記に記
載の作用・効果が得られるのに加えて次のような特有の
効果も得られる。即ち、上記フックブロック12を巻上
げ上限位置からさらに巻上げることで該フックブロック
12が該伸縮ブーム9の先端部に直接あるいは間接的に
当接して上記伸縮ブーム9の基端方向に回動し該伸縮ブ
ーム9の下面に沿った格納位置に格納される如くする一
方、上記電磁切換弁55のウインチ巻下げ側油路71と
上記起伏用シリンダ10の起仰側油室10aとを連通用
開閉弁61を介装した連通油路73を介して接続し、さ
らに上記連通用切換弁61を連通側に駆動させるべく制
御信号を出力するとともに上記電磁切換弁55をウィン
チ巻下げ側に駆動すべく制御信号を出力するフック格納
解除スイッチ38を設けているので、上記フックブロッ
ク12が格納位置に格納された状態で上記フック格納解
除スイッチ38を操作することで上記電磁切換弁55が
巻下げ側に設定され該電磁切換弁55を介して上記油圧
モータ16に給排される圧油により上記ウィンチ15が
巻下げ駆動され上記フックブロック12が格納位置から
上記伸縮ブーム9の先端側へ回動せしめられるととも
に、上記電磁切換弁55から上記連通用開閉弁61を介
して上記起伏用シリンダ10の上記起仰側油室10aに
供給される圧油により該起伏用シリンダ10が伸長して
上記伸縮ブーム9が起仰駆動されることになる。
【0028】従って、例えばフックブロック12の格納
状態において該フックブロック12の直下方に障害物が
存在しているような場合であっても、ウィンチ15の巻
下げにより格納位置にあるフックブロック12が格納解
除されて下方へ振り出されるのに並行して起伏用シリン
ダ10が伸長してブーム9が起仰するため、上記ウィン
チ15の巻下げに伴って上記フックブロック12が降下
して障害物に衝突するというような事態が阻止されるも
である。
【0029】このように、第5の発明にかかる自走式ク
レーンにおけるウィンチの制御装置によれば、フック格
納解除スイッチ38の操作のみによって直ちにフックブ
ロック12を格納位置から格納解除してブーム9の先端
部から吊り下げてウィンチ作業可能状態とすることがで
きるため、例えば上記第3の発明にかかる自走式クレー
ンにおけるウィンチの制御装置の如くフックブロック1
2の格納解除に際してフック操作スイッチ36とウィン
チ巻下スイッチ35とを操作しなければならない場合に
比して、フックブロック12の格納解除作業における作
業性・操作性がさらに良好ならしめられるものである。
【0030】さらに、上記フック格納解除スイッチ38
を遠隔操作手段32側に設けた場合には、ウィンチ15
の遠隔操作時にフックブロック12の格納解除操作をウ
ィンチ操作と同じ位置において、しかもワンタッチ操作
で行うことができることから、さらに作業性等の向上が
期待できるものである。
【0031】
【実施例】以下、本願発明の自走式クレーンにおけるウ
ィンチの制御装置を添付図面に基づいて具体的に説明す
る。
【0032】第1実施例 図1には、本願の請求項1〜3に記載した各発明が適用
された第1実施例にかかるウィンチの制御装置を備えた
自走式クレーンZを示している。この自走式クレーンZ
は、車両1の運転室2と荷台3の間のシャーシ4上に搭
載されたクレーン基台6に旋回台7を介して取り付けら
れ旋回用油圧モータ18により旋回駆動される旋回ポス
ト8と、該旋回ポスト8の上端にその基端部が上下方向
に起伏可能に連結され上記旋回ポスト8との間に配置し
た起伏用シリンダ10によって起伏駆動されるとともに
内装した伸縮用シリンダ17によって伸縮駆動される伸
縮ブーム9と、上記旋回ポスト8に内装配置されたウィ
ンチ15により巻き取り・繰り出し駆動されるワイヤー
ロープ14によって上記伸縮ブーム9の先端に位置する
ブームヘッド11に設けた先端滑車13から吊り下げら
れたフックブロック12とを備えて構成される。尚、上
記ウィンチ15は、ウィンチ用油圧モータ16によって
巻上げ・巻下げ駆動される。
【0033】また、この自走式クレーンZには、次述す
る過巻防止機構20とフックブロック自動格納機構25
とが備えられている。
【0034】過巻防止機構20は、上記ウィンチ15の
巻上げ駆動により上記フックブロック12が上記ブーム
ヘッド11に所定位置まで近接した時点(即ち、巻上げ
上限位置)からそれ以上にフックブロック12が巻き上
げられるのを阻止して該フックブロック12がブームヘ
ッド11に衝突して上記ワイヤーロープ14に過大な張
力が作用しこれが切断されるのを未然に防止するための
機構であって、かかる機能を実現するために上記フック
ブロック12には過巻検出スイッチ23と該過巻検出ス
イッチ23から検出用ワイヤーロープ22を介して吊り
下げられた重錘21とを備えている。そして、上記フッ
クブロック12が巻上げ上限位置以下にある場合には上
記重錘21の自重により上記検出用ワイヤーロープ22
に所定の張力が作用することで上記過巻検出スイッチ2
3はOFF保持されるが、上記フックブロック12が巻
上げ上限位置に達して該フックブロック12が重錘21
に当接すると該重錘21が該フックブロック12によっ
て押し上げられ上記検出用ワイヤーロープ22にかかっ
ていた張力が消滅し上記過巻検出スイッチ23がON設
定される。この過巻検出スイッチ23のON設定によ
り、過巻状態(巻上げ上限位置からの更なる巻上げ)が
検出され、この検出信号を受けて後述する油圧回路のア
ンロード弁49(図2参照)が開弁し油圧系がアンロー
ド状態とされ、上記フックブロック12がさらにブーム
ヘッド11に近づく方向の操作、即ち、上記ウィンチ1
5の巻上げ駆動、伸縮ブーム9の起仰駆動及び伸長駆動
のいわゆる危険側操作が強制的に停止されるものであ
る。
【0035】一方、上記フックブロック自動格納機構2
5は、上記フックブロック12を上記伸縮ブーム9の先
端部の下面側に自動的に格納固定して走行移動時におけ
る該フックブロック12の揺動を防止するためのもので
あって、上記ブームヘッド11の上記先端滑車13より
も先端寄りに設けた枢支軸27によって起伏軌跡面に沿
って揺動自在に枢支されたフックブロック格納リンク2
6を設けるとともに、後述するようにセレクトスイッチ
31あるいはフック操作スイッチ36(図3参照)を操
作することで上記過巻防止機構20の作動を規制し、ウ
ィンチ15の巻上げ上限位置からの更なる巻上げ駆動を
許容し得るようにして構成される。従って、ウィンチ1
5を巻上げ上限位置からさらに巻上げ駆動することで上
記フックブロック12の上面が上記フックブロック格納
リンク26の下端部に係合し、更なる巻上げ駆動により
上記フックブロック12が上記枢支軸27を中心として
上記伸縮ブーム9の基端方向へ回動し、該伸縮ブーム9
の下面に沿った格納位置に格納固定される(図1の実線
図示状態)。
【0036】一方、この自走式クレーンZは、上述のウ
ィンチ操作等の各クレーン作業に伴う操作とジャッキ用
シリンダ19の張り出し・格納操作とを車両1側におい
て行うために複数の方向切換弁(図2の符号43〜48
参照)で構成される手動操作部30とフックブロック1
2の自動格納を車両1側で行う際に操作される後述のセ
レクトスイッチ31とを車両1側に固定配置するととも
に、さらにウィンチ操作を車両1から離れて遠隔操作す
るために非常停止スイッチ33とウィンチ巻上スイッチ
34とウィンチ巻下スイッチ35とフック操作スイッチ
36とを設けたリモートスイッチ32(特許請求の範囲
中の遠隔操作手段に該当する)とを備えている。
【0037】続いて、上述の各クレーン作業を手動操作
あるいは遠隔操作で行うための油圧回路及び電気回路に
ついてその構成等をそれぞれ説明する。
【0038】(油圧回路)図2には、上記自走式クレー
ンZの油圧回路を示している。同図において符号41は
メイン操作バルブユニット、42はサブ操作バルブユニ
ットである。このメイン操作バルブユニット41とサブ
操作バルブユニット42のうち、メイン操作バルブユニ
ット41は手動操作式クレーンに従来より設けられてい
るものであり、サブ操作バルブユニット42はウィンチ
操作のみを遠隔操作により行う本願発明の趣旨に基づい
てこの実施例において新たに上記メイン操作バルブユニ
ット41の前段に直列的に設けたものである。
【0039】上記メイン操作バルブユニット41は、6
ポート三位置手動操作式の6個の切換弁、即ち、伸縮用
切換弁43とウィンチ用切換弁44と起伏用切換弁45
と旋回用切換弁46と左右のジャッキ用切換弁47,4
8とを備える一方、この切換弁群の前段には大流量対応
の二つのリリーフ弁51とリリーフ弁53とが並列に配
置されるとともに、該リリーフ弁51のパイロット油路
76には、少流量対応のリリーフ弁52が接続されると
ともに該リリーフ弁52の後段にはさらにソレノイドコ
イル(SOL-1)を備えた常閉の低圧設定用開閉弁50が設
けられている。また、上記パイロット油路76の上記リ
リーフ弁52と並列にソレノイドコイル(SOL-2)を備え
た常閉の電磁開閉弁で構成されるアンロード弁49が接
続されている。
【0040】また、上記伸縮用切換弁43は伸縮用シリ
ンダ17(図1参照)に、ウィンチ用切換弁44は巻上
側油路66と巻下側油路67を介してウィンチ用油圧モ
ータ16に、起伏用切換弁45は起仰側油路68と倒伏
側油路69を介して起伏用シリンダ10に、旋回用切換
弁46は旋回用油圧モータ18(図1参照)に、ジャッ
キ用切換弁47,48はジャッキ用シリンダ19,19
(図1参照)に、それぞれ接続されている。
【0041】一方、上記サブ操作バルブユニット42
は、ソレノイドコイル(SOL-3),(SOL-4)とパイロット圧
とによって切換駆動される6ポート三位置式の電磁切換
弁55を備えており、該電磁切換弁55のキャリーオー
バー油路65に上記メイン操作バルブユニット41が接
続されている。また、この電磁切換弁55の前段には、
背圧弁56と減圧弁57とリリーフ弁59とが設けられ
ている。この背圧弁56は、そのパイロット油路78に
ソレノイドコイル(SOL-5)を備えた常開の開閉弁58を
設けており、該開閉弁58が閉弁されることでその前段
側の油圧経路に所定の油圧を発生させる。さらに、この
背圧弁56の前段には、減圧弁57とリリーフ弁59と
が並列に接続されている。この減圧弁57は、上記背圧
弁56の作動によって発生した油圧を減圧してこれを上
記電磁切換弁55にパッロット圧として負荷するもので
ある。また、上記リリーフ弁59は、大流量対応のリリ
ーフ弁であってそのパイロット油路77には少流量対応
のリリーフ弁60が介設されるとともに、該パイロット
油路77と上記メイン操作バルブユニット41における
リリーフ弁51のパイロット油路76とはパイロット連
通油路75を介して接続されている。
【0042】さらに、上記電磁切換弁55からの巻上側
油路70と巻下側油路71は、上記ウィンチ用切換弁4
4からの巻上側油路66と巻下側油路67の途中にそれ
ぞれ接続されるとともに、該巻下側油路67の上記巻下
側油路71との接続位置よりもウィンチ用油圧モータ1
6寄り位置にはソレノイドコイル(SOL-7)を備えた流量
制御弁62が介装されている。また、上記ウィンチ用切
換弁44からの巻上側油路66と巻下側油路67と、上
記起伏用切換弁45からの起仰側油路68と倒伏側油路
69とは、その途中にソレノイドコイル(SOL-6)を有す
る常閉の連通用開閉弁61を備えた倒伏側連通油路72
と起仰側連通油路73を介して連通可能とされており、
該連通用開閉弁61の開弁状態においては上記電磁切換
弁55からの巻下側油路71が起伏用シリンダ10の起
仰側油室10aに、巻上側連通油路70が倒伏側油室1
0bに、それぞれ接続される。
【0043】かかる油圧回路構成によれば、上記電磁切
換弁55が中立位置に設定されている状態では、油圧ポ
ンプPからの圧油がキャリーオーバー油路65を介して
メイン操作バルブユニット41側に供給され、該メイン
操作バルブユニット41の各切換弁43〜48を適宜に
手動操作することでウィンチ15の巻上げ・巻下げ、伸
縮ブーム9の起伏等の各操作が可能となる。これに対し
て、上記電磁切換弁55が巻上げ側(ソレノイドコイル
(SOL-3)が励磁)あるいは巻下げ側(ソレノイドコイル
(SOL-4)が励磁)した時には、キャリーオーバー油路6
5が閉塞されるためメイン操作バルブユニット41側で
の手動操作が不能とされ、電磁切換弁55の駆動制御に
よる上記ウィンチ15の巻上げ・巻下げ操作と上記フッ
クブロック12の自動格納操作と格納解除操作(この格
納解除操作には伸縮ブーム9の起仰を伴うものと起仰を
伴わないものとを含む)のみが可能となる。
【0044】ここで、上記各リリーフ弁による油圧設定
及びアンロード弁49によるアンロード状態の形成につ
いて説明する。先ず、油圧の設定であるが、この油圧設
定は上記電磁切換弁55の作動状態によって異なった設
定の仕方となる。即ち、電磁切換弁55が巻下げ側ある
いは巻上げ側に駆動され、キャリーオーバー油路65が
閉じている場合には、サブ操作バルブユニット42側の
リリーフ弁59とそのパイロット油路77に設けられた
リリーフ弁60の設定圧によって油圧が高圧に設定され
る一方、低圧設定用開閉弁50が開弁されてリリーフ弁
52が開放されることで該リリーフ弁52とパイロット
連通油路75及びパイロット油路77を介して接続され
たリリーフ弁59のパイロット圧が低下し、これに伴っ
て該リリーフ弁59の設定圧が低下することで油圧が低
圧に設定される。
【0045】一方、上記電磁切換弁55が中立位置にあ
る場合には、メイン操作バルブユニット41側のリリー
フ弁53の設定圧によって油圧が高圧に設定される一
方、低圧設定用開閉弁50が開弁されてリリーフ弁52
が開放されることでリリーフ弁51のパイロット圧が低
下し、これに伴って該リリーフ弁51の設定圧が低下す
ることで油圧が低圧に設定される。
【0046】また、アンロード状態は、上記アンロード
弁49が開弁して上記リリーフ弁51及びリリーフ弁5
9のパイロット圧が消滅し、リリーフ弁51,リリーフ
弁59を介して圧油がそのままタンク側へリターンされ
ることで達成される。
【0047】尚、ここで「高圧」とは通常のクレーン作
業に必要な油圧をいい、「低圧」とは上記フックブロッ
ク12の自動格納操作時において上記ワイヤーロープ1
4に過大な張力を与えることのないような油圧をいう。
【0048】(電気回路)図3には、上記自走式クレー
ンZにおける電気回路を示している。同図において、符
号33は非常停止スイッチ、34はウィンチ巻上スイッ
チ、35はウィンチ巻下スイッチ、36はフック操作ス
イッチであって、これら各スイッチ33〜36は電源に
対して並列に接続されると共にこれら全てが上記リモー
トスイッチ32に設けられている。そして、これら各ス
イッチ33〜36のうち、非常停止スイッチ33は上記
アンロード弁4のソレノイドコイル(SOL-2)に接続され
ている。ウィンチ巻上スイッチ34は、常開の接点84
bを介して電磁切換弁55のソレノイドコイル(SOL-3)
に接続されるとともに、常閉の接点83bを介して上記
接点84bを迂回した状態で上記電磁切換弁55のソレ
ノイドコイル(SOL-3)と上記開閉弁58のソレノイドコ
イル(SOL-5)とにそれぞれ接続されている。上記ウィン
チ巻下スイッチ35は、上記電磁切換弁55のソレノイ
ドコイル(SOL-4)と上記開閉弁58のソレノイドコイル
(SOL-5)とにそれぞれ接続されている。上記フック操作
スイッチ36は、フックブロック12の自動格納及び格
納解除を行う場合にのみ操作されるスイッチであって、
リレー84aに接続されるとともに、連通用開閉弁61
のソレノイドコイル(SOL-6)と流量制御弁62のソレノ
イドコイル(SOL-7)とにそれぞれ接続されている。
【0049】符号31は、オペレータにより手動操作さ
れるセレクトスイッチ(図1参照)であって、常開の接
点81bを介して電源に接続されるとともに、二つの接
点31a,31bを備えている。このセレクトスイッチ
31は、手動操作により通常のクレーン作業を行う場合
及び遠隔操作でウィンチ15を操作する場合には接点3
1a側に設定され、手動操作によりフックブロック12
の自動格納及び格納解除を行う場合には接点31b側に
設定される。
【0050】上記二つの接点31a,31bのうち、接
点31aは次述の巻上検出スイッチ87に接続されてい
る。また、接点31bは、低圧設定用開閉弁50のソレ
ノイドコイル(SOL-1)に接続されるとともに、リレー8
4aと連通用開閉弁61のソレノイドコイル(SOL-6)
と流量制御弁62のソレノイドコイル(SOL-7)とに接
続されている。
【0051】符号23は、上記過巻検出スイッチ(図1
参照)であって、リレー81aを介して電源に接続され
ている。このリレー81aの励磁によってその接点81
bが閉じると、電源が上記セレクトスイッチ31と次述
の起仰操作検出スイッチ85と伸長操作検出スイッチ8
6及びリレー83aに接続される。そして、このリレー
83aの励磁によってその常閉の接点83bが開くと、
上記ウィンチ巻上スイッチ34を介しての電磁切換弁5
5のソレノイドコイル(SOL-3)と開閉弁58のソレノイ
ドコイル(SOL-5)への通電が阻止されるようになってい
る。
【0052】上記起仰操作検出スイッチ85と伸長操作
検出スイッチ86と巻上検出スイッチ87は、それぞれ
上記起伏用切換弁45と伸縮用切換弁43とウィンチ用
切換弁44のスプールに設けられている。そして、これ
ら各スイッチ85〜87のうち、起仰操作検出スイッチ
85と伸長操作検出スイッチ86は、上記過巻検出スイ
ッチ23がON設定された状態において起伏用切換弁4
5が起仰側に、伸縮用切換弁43が伸長側にそれぞれ操
作された場合にON設定されてリレー82aを励磁さ
せ、その接点82bを閉じて上記アンロード弁49のソ
レノイドコイル(SOL-2)に通電し該アンロード弁49を
開弁させる。これに対して、巻上検出スイッチ87は、
過巻検出スイッチ23がON設定された状態で且つセレ
クトスイッチ31が通常作業状態である接点31a側に
設定された状態下において上記ウィンチ用切換弁44が
巻上げ側に操作された場合に初めて閉じて上記リレー8
2aを励磁し、その接点82bを介して上記アンロード
弁49のソレノイドコイル(SOL-2)に通電して該アンロ
ード弁49を開弁させるようになっている。
【0053】(作動の説明)続いて、上述の如き油圧回
路及び電気回路を備えた上記自走式クレーンZの作動を
説明する。
【0054】A:手動操作 クレーン作業及びフックブロック12の自動格納と格納
解除とを全て車両1側に設けた手動操作部30において
行う場合について、その作業手順に従って説明する。
【0055】A−a:フックブロック12の格納解除作
業 走行移動させた自走式クレーンZを使用してクレーン作
業を開始する場合、この時点においては自走式クレーン
Zは、図1に示す如く、伸縮ブーム9が縮小し且つ倒伏
した状態においてフックブロック12を図1に実線図示
するように伸縮ブーム9の下面側に格納した状態となつ
ている。従って、クレーン作業に先立って上記ウィンチ
15を巻下げ駆動してフックブロック12を同図に鎖線
図示するように枢支軸27を中心としてブーム先端側に
振り出してこれを下方へ吊下させる格納解除作業が必要
となる。しかし、このフックブロック12の格納解除作
業に際しての作業条件として、荷台3に積載した荷物W
が格納状態にあるフックブロック12の直下方に位置し
ていないかあるいは下方には位置しているが荷物Wの上
面とフックブロック12との間にフックブロック12の
下方への振り出しを許容し得る隙間があり該荷物Wの存
在にかかわらず該フックブロック12をそのまま下方へ
振り出させてこれを格納解除させることが可能な場合
と、該フックブロック12の直下方に荷物Wが位置して
おり該フックブロック12をそのまま下方へ振り出した
のでは該フックブロック12が荷物Wと干渉するおそれ
がある場合とがある。
【0056】前者の作業条件下でのフックブロック12
の格納解除に際しては、過巻検出スイッチ23が閉じた
過巻状態ではあるがこの過巻検出スイッチ23の作動に
よってはウィンチ用切換弁44の巻下げ側の操作は何ら
規制されないため、そのままウィンチ用切換弁44を巻
下げ側へ手動操作してウィンチ15を巻下げ駆動し、ワ
イヤーロープ14を繰り出してフックブロック12を下
方へ振り出してブームヘッド11から吊下させれば良
い。尚、この場合、上記セレクトスイッチ31は、接点
31aと接点31bのいずれに設定されていても良い。
【0057】後者の作業条件下でのフックブロック12
の格納解除に際しては、先ずセレクトスイッチ31を接
点31bに設定し、この状態でウィンチ用切換弁44を
巻下げ側に操作する。すると、過巻検出スイッチ23が
閉じているため接点81bが閉じ、電源がセレクトスイ
ッチ31の接点31bを介して低圧設定用開閉弁50の
ソレノイドコイル(SOL-1)とリレー84aと連通用開
閉弁61の(SOL-6)と流量制御弁62の(SOL-7)とに
接続され、油圧系が低圧に設定されるとともに、連通用
開閉弁61が開弁し且つ流量制御弁62が絞り側に設定
される。
【0058】この状態で、ウィンチ用切換弁44を停止
規制の働かない巻下げ側に操作すると、該ウィンチ用切
換弁44から巻下側油路67を介してウィンチ用油圧モ
ータ16に低圧の圧油が供給されて該ウィンチ用油圧モ
ータ16によりウィンチ15が巻下げ側に駆動しフック
ブロック12がその格納位置から下方へ振り出される。
これと同時に、上記ウィンチ用切換弁44から巻下側油
路67を介してウィンチ用油圧モータ16に供給される
圧油の一部が起仰側連通油路73を介して起伏用シリン
ダ10の起仰側油室10aに供給され、該起伏用シリン
ダ10が伸長することで伸縮ブーム9が起仰側へ駆動さ
れる。従って、フックブロック12の格納状態において
該フックブロック12の直下方に荷物Wが存在していた
としても、ウィンチ15の巻下げ駆動によりフックブロ
ック12が下方へ振り出されるのと連動して伸縮ブーム
9が起仰することから、該フックブロック12の振り出
しにかかわらず該フックブロック12と荷物Wとの間隔
がほぼ一定状態に維持され、該フックブロック12と荷
物Wとの干渉が未然に回避されつつフックブロック12
の格納解除が行われる。
【0059】尚、この場合、ウィンチ用油圧モータ16
に接続される巻下側油路67が流量制御弁62によって
絞られているため、この絞り度合いを適度に設定するこ
とで、負荷の大きい起伏用シリンダ10と負荷の小さい
ウィンチ用油圧モータ16とに共に巻下側油路67から
圧油が供給されても、この両者が適度の相対関係をもっ
て連動し、上記フックブロック12を一定高さに保持す
ることが可能となるものである。
【0060】A−b:クレーン作業 フックブロック12の格納解除後において通常のクレー
ン作業を行う場合には、上記セレクトスイッチ31を接
点31aに設定し、この状態で各手動切換弁43〜48
を適宜に選択操作することでウィンチ15の巻上げ・巻
下げ、伸縮ブーム9の起伏等が可能となる。この場合、
連通用開閉弁61のソレノイドコイル(SOL-6)と流量
制御弁62のソレノイドコイル(SOL-7)は励磁されな
いので、該連通用開閉弁61が閉弁され、ウィンチ15
と起伏用シリンダ10の操作はそれぞれ独立して行われ
ることになる。
【0061】ここで、ウィンチ15の巻上げ駆動に伴っ
てフックブロック12が巻上げ上限位置に達すると、上
記過巻検出スイッチ23が閉じられる。従って、上記起
仰操作検出スイッチ85と伸長操作検出スイッチ86は
接点81bを介して、また上記巻上検出スイッチ87は
接点81bとセレクトスイッチ31の接点31aを介し
て、共に電源に接続される。このため、さらにフックブ
ロック12が伸縮ブーム9に近づく方向の操作、即ち、
伸縮ブーム9の起仰駆動と伸長駆動とウィンチ15の巻
上げ駆動の危険側操作のいずれかが行われると上記起仰
操作検出スイッチ85と伸長操作検出スイッチ86と巻
上検出スイッチ87のいずれかが閉じてリレー82aが
励磁され、その接点82bが閉じることでアンロード弁
49のソレノイドコイル(SOL-2)に通電され、該アンロ
ード弁49が開弁して油圧系がアンロード状態とされ、
伸縮用切換弁43、ウィンチ用切換弁44あるいは起伏
用切換弁45の操作にもかかわらず自動的に伸縮ブーム
9の起仰・伸長とウィンチ15の巻上げの各危険側駆動
が停止される(即ち、いわゆる過巻停止の実現)。
【0062】尚、このこのように過巻により危険側駆動
が停止された状態においても、安全側駆動、即ち、伸縮
ブーム9の倒伏・縮小及びウィンチ15の巻下げ駆動は
自由に行うことができる。
【0063】A−c:フックブロック12の格納作業 フックブロック12の格納に際しては、上記セレクトス
イッチ31を接点31b側に切り換える。すると、巻上
検出スイッチ87への給電が阻止されることから例え過
巻によって上記過巻検出スイッチ23がON設定されて
いてもウィンチ用切換弁44を操作してのウィンチ15
の巻上げ駆動が許容される状態となる。また、セレクト
スイッチ31の接点31bへの設定により、低圧設定用
開閉弁50のソレノイドコイル(SOL-1)と連通用開閉
弁61のソレノイドコイル(SOL-6)と流量制御弁62
のソレノイドコイル(SOL-7)が共に励磁され、該連通
用開閉弁61が開弁するとともに流量制御弁62が絞り
側に設定される。
【0064】従って、この状態でウィンチ用切換弁44
を巻上げ側に操作することでウィンチ15が巻上げ上限
位置を越えてさらに巻上げられ、フックブロック12の
上面が上記フックブロック格納リンク26に当接するこ
とで該フックブロック12は枢支軸27を中心として伸
縮ブーム9の基端側に回動し該伸縮ブーム9の下面側の
格納位置に自動的に格納される。このフックブロック1
2は、これが格納位置に達するとそれ以上は回動せずそ
のまま位置保持されるが、この場合、油圧系が低圧に設
定されているためワイヤーロープ14の破断というよう
な事態は起こらない。従って、オペレータはフックブロ
ック12が格納位置で停止したことを確認した時点でウ
ィンチ用切換弁44の操作を解除すれば良い。
【0065】また、この実施例のものにおいては、上記
セレクトスイッチ31が接点31bに設定されることで
連通用開閉弁61のソレノイドコイル(SOL-6)と流量制
御弁62のソレノイドコイル(SOL-7)も励磁され、連通
用開閉弁61が開弁し、ウィンチ用切換弁44からの巻
上側油路66と巻下側油路67とが倒伏側連通油路72
と起仰側連通油路73を介して起伏用シリンダ10側に
接続される。しかし、この場合、ウィンチ用切換弁44
からの圧油は、巻上側油路66から倒伏側連通油路72
を通って起伏用シリンダ10の倒伏側油室10bに供給
されるものであるため、元々フックブロック12の格納
作業は該起伏用シリンダ10を最縮小させた状態で行わ
れることから考えて、何ら支障は生じない。
【0066】B:遠隔操作 ウィンチ15の巻上げ・巻下げ駆動とフックブロック1
2の自動格納及び格納解除はリモートスイッチ32の各
スイッチを操作することで車両1から離れた位置におい
て遠隔操作することができる。以下、この遠隔操作を、
作業手順に従って説明する。尚、このリモートスイッチ
32を使用しての遠隔操作を行うにあたっては、予め車
両1側にある上記セレクトスイッチ31を接点31aに
設定しておく。
【0067】B−a:フックブロック12の格納解除作
業 フックブロック12の格納解除を行う場合には、上記手
動操作時と同様に格納状態にあるフックブロック12の
直下方位置に荷物W等の障害物がなく格納解除時におい
てフックブロック12と荷物Wとが干渉するおそれがな
い場合と、フックブロック12の直下方位置に荷物Wが
あって格納解除時にフックブロック12と荷物Wとが干
渉するおそれがある場合とが考えられる。
【0068】先ず、前者の作業条件下での格納解除であ
るが、この場合には、単にウィンチ巻下スイッチ35を
ON操作すれば良い。即ち、ウィンチ巻下スイッチ35
をON操作すると、電磁切換弁55のソレノイドコイル
(SOL-4)と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)とが共
に励磁され、ソレノイドコイル(SOL-4)の磁気駆動力と
背圧弁56と減圧弁57とによって発生したパイロット
圧とによって電磁切換弁55が巻下げ側に設定され、該
電磁切換弁55から巻下側油路71を通ってウィンチ用
油圧モータ16に供給される圧油によってウィンチ15
が巻下げ駆動され、これによりフックブロック12の格
納位置からの下方への振り出し、即ち、格納解除が行わ
れる。尚、この場合、過巻検出スイッチ23が閉じてい
るが、ウィンチ15の巻下げ側への操作はフックブロッ
ク12とブームヘッド11との干渉という点において安
全側操作であるため、何ら規制作用は働かず自由に操作
可能である。
【0069】これに対して、後者の作業条件下での格納
解除であるが、この場合にはウィンチ15の巻下げ駆動
と連動させて伸縮ブーム9を起仰駆動させる必要があ
り、このため、先ずフック操作スイッチ36をON設定
し、続いてウィンチ巻下スイッチ35をON設定する。
即ち、先ずフック操作スイッチ36がON設定される
と、リレー84aが励磁されその接点84bが閉じる
(尚、このリレー84aの作動は格納解除操作には何ら
関与はしない)とともに、連通用開閉弁61のソレノイ
ドコイル(SOL-6)と流量制御弁62のソレノイドコイル
(SOL-7)が共に励磁され、該連通用開閉弁61は開弁
し、流量制御弁62は絞り側にそれぞれ設定される。ま
た、この実施例の場合には、フック操作スイッチ36の
ON設定により低圧設定用開閉弁50のソレノイドコイ
ル(SOL-1)が励磁され該低圧設定用開閉弁50が開弁す
ることで油圧系が低圧設定される。
【0070】従って、この状態で上記ウィンチ巻下スイ
ッチ35がON設定されると、電磁切換弁55のソレノ
イドコイル(SOL-4)と開閉弁58のソレノイドコイル(SO
L-5)とが共に励磁され、該電磁切換弁55が巻下げ側に
設定され、該電磁切換弁55から巻下側油路71を通っ
てウィンチ用油圧モータ16に供給される圧油によって
ウィンチ15が巻下げ駆動され、これによりフックブロ
ック12の格納位置からの下方への振り出しが行われ
る。また、このウィンチ15の巻下げ駆動と同時に、電
磁切換弁55から巻下側油路71を通ってウィンチ用油
圧モータ16側へ供給される圧油の一部が連通用開閉弁
61の開弁により開通した起仰側連通油路73を通って
起伏用シリンダ10の起仰側油室10aに供給され、該
起伏用シリンダ10が伸長することで伸縮ブーム9が起
仰駆動される。このウィンチ15の巻下げ駆動に連動し
て自動的に伸縮ブーム9の起仰駆動が行われることで、
フックブロック12と荷物Wとの干渉を招くことなく該
フックブロック12の格納解除が行われるものである。
【0071】B−b:ウインチ作業 フックブロック12を格納解除した後における通常のウ
インチ作業にあたっては、フック操作スイッチ36をO
FF設定した状態で、単にウィンチ巻上スイッチ34あ
るいはウィンチ巻下スイッチ35を作業に対応して選択
的に操作すれば良い。即ち、ウィンチ15を巻上げ駆動
する場合には、ウィンチ巻上スイッチ34を操作する
が、このウィンチ巻上スイッチ34が操作されると常閉
の接点83bを通って電磁切換弁55のソレノイドコイ
ル(SOL-3)と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)にそ
れぞれ通電され、該電磁切換弁55が巻上げ側に設定さ
れることで該電磁切換弁55から巻上側油路70を通っ
てウィンチ用油圧モータ16に供給される圧油によって
ウィンチ15が巻上げ駆動される。また逆に、ウィンチ
15を巻下げ駆動させる場合には、ウィンチ巻下スイッ
チ35を操作するが、このウィンチ巻下スイッチ35の
操作により電磁切換弁55のソレノイドコイル(SOL-4)
と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)がそれぞれ励
磁され、該電磁切換弁55が巻下げ側に設定されること
で該電磁切換弁55から巻下側油路71を通ってウィン
チ用油圧モータ16に供給される圧油によってウィンチ
15が巻下げ駆動される。尚、これらの場合、上記連通
用開閉弁61はそのソレノイドコイル(SOL-6)が非励磁
とされるため閉弁状態にあり、従って起伏用シリンダ1
0は作動せずウィンチ15のみが単独操作される。
【0072】一方、このリモートスイッチ32を使用し
てのウインチ作業においてもフックブロック12が巻上
げ上限位置に達すると、それ以上フックブロック12が
ブームヘッド11に近づく方向の操作(危険側操作であ
ってこの使用態様の場合にはウィンチ15の巻上げ駆動
のみである)が自動的に停止されワイヤーロープ14の
破断等の事態の発生が未然に防止される。即ち、フック
ブロック12が巻上げ上限位置に達すると過巻検出スイ
ッチ23が閉じてリレー81aが励磁されその接点81
bが閉じる。従って、リレー83aが励磁されその接点
83bが開き、例えウィンチ巻上スイッチ34のON操
作が継続されていても、電磁切換弁55のソレノイドコ
イル(SOL-3)及び開閉弁58の(SOL-5)への通電が阻止さ
れ、該電磁切換弁55が中立位置に設定され、油圧ポン
プPからの圧油はキャリーオーバー油路65を通ってそ
のままタンク側へ還流され、上記ウィンチ15は自動的
に停止されるものである。
【0073】B−c:フックブロック12の格納作業 フックブロック12の格納にあたっては、上記ウインチ
作業の状態で上記過巻検出スイッチ23の作動によりウ
ィンチ15の巻上げ駆動が停止されるまで該ウィンチ1
5を巻上げる。ウィンチ15の巻上げが自動停止した時
点で、フック操作スイッチ36をON設定する。する
と、低圧設定用開閉弁50のソレノイドコイル(SOL-1)
が励磁され、該低圧設定用開閉弁50が開弁することで
油圧系が低圧設定されるとともに、リレー84aが励磁
されその接点84bが閉じる。
【0074】従って、過巻検出スイッチ23のON設定
によりリレー83aが励磁されてその接点83bが開い
ていても、接点84bが閉じていることで、ウィンチ巻
上スイッチ34をON操作することで電磁切換弁55の
ソレノイドコイル(SOL-3)と開閉弁58の(SOL-5)が共に
励磁され、該電磁切換弁55が巻上げ側に設定され、該
電磁切換弁55から巻上側油路70を通ってウィンチ用
油圧モータ16に供給される低圧の圧油によってウィン
チ15が巻上げ上限位置からさらに巻上げられて自動的
に格納位置に格納されるものである。
【0075】また、上記したいずれの作業時にあって
も、非常停止スイッチ33がON操作されると、アンロ
ード弁49のソレノイドコイル(SOL-2)が励磁され該ア
ンロード弁49が開弁することで油圧系がアンロード状
態とされ、直ちにウィンチ15の作動が停止される。
【0076】尚、この場合、油圧系か低圧に設定されて
いるのでフックブロック12の格納に伴ってワイヤーロ
ープ14が破断するというような事態が確実に回避でき
るものである。
【0077】また、この実施例のものにおいては、上記
フック操作スイッチ36のON設定により連通用開閉弁
61のソレノイドコイル(SOL-6)と流量制御弁62のソ
レノイドコイル(SOL-7)も励磁され、連通用開閉弁61
が開弁し、電磁切換弁55からの巻上側油路70と巻下
側油路71とが倒伏側連通油路72と起仰側連通油路7
3を介して起伏用シリンダ10側に接続される。しか
し、この場合、電磁切換弁55からの圧油は、巻上側油
路70から倒伏側連通油路72を通って起伏用シリンダ
10の倒伏側油室10bに供給されるものであるため、
元々フックブロック12の格納作業は起伏用シリンダ1
0を最縮小させた状態で行われることから考えて、何ら
支障は生じない。
【0078】第2実施例 図4には、本願発明の第2実施例にかかるウィンチの制
御装置における電気回路を示している。この実施例にお
いては、この電気回路の構成が上記第1実施例のものと
若干異なるのみで、自走式クレーンZの機械的構成及び
油圧回路構成は第1実施例のものと同様である。従っ
て、電気回路についてはこの図4を参照して説明し、油
圧回路構成等については第1実施例における該当説明を
援用するものとする。また、作動説明にあたっては、図
4の他に、図1及び図2を参酌するものとする。
【0079】(電気回路)先ず、図4の電気回路につい
て説明するが、この実施例における電気回路と上記第1
実施例における電気回路(図3)との間での相異点は二
つあり、その一つは、第1実施例においてはフックブロ
ック12の自動格納と格納解除を行う際に使用されるス
イッチとしてフック操作スイッチ36のみを設けていた
が、この実施例においてはフック自動格納スイッチ37
とフック格納解除スイッチ38の二つのスイッチを設
け、フックブロック12の自動格納に際してはフック自
動格納スイッチ37を使用し、格納解除に際してはフッ
ク格納解除スイッチ38を使用するようにこの二つのス
イッチ37,38を作業態様に対応して選択使用するよ
うにした点である。
【0080】二つめは、操作上の相異点であって、上記
第1実施例においてはフックブロック12の自動格納及
び格納解除の各操作に際してそれぞれフック操作スイッ
チ36とウィンチ巻上スイッチ34、フック操作スイッ
チ36とウィンチ巻下スイッチ35の二つのスイッチを
操作する必要があったのを、この実施例においてはフッ
クブロック12の自動格納に際してはフック自動格納ス
イッチ37のみを、格納解除に際してはフック格納解除
スイッチ38のみを操作することでこれを達成すること
ができるようにした点である。
【0081】以下、かかる第1実施例との相異を踏まえ
た上で、図4の電気回路について説明する。
【0082】図4において、符号33は非常停止スイッ
チ、34はウィンチ巻上スイッチ、35はウィンチ巻下
スイッチ、37はフック自動格納スイッチ37、38は
フック格納解除スイッチ38であって、これら各スイッ
チ33〜35、及び同37,38は電源に対して並列に
接続されると共にこれら全てが上記リモートスイッチ3
2に設けられている。そして、これら各スイッチ33〜
35,37,38のうち、非常停止スイッチ33は上記
アンロード弁4のソレノイドコイル(SOL-2)に接続され
ている。ウィンチ巻上スイッチ34は、リレー83aの
接点83bを介して電磁切換弁55のソレノイドコイル
(SOL-3)と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)とにそ
れぞれ接続されている。ウィンチ巻下スイッチ35は、
上記電磁切換弁55のソレノイドコイル(SOL-4)と上記
開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)とにそれぞれ接
続されている。フック自動格納スイッチ37は、低圧設
定用開閉弁50のソレノイドコイル(SOL-1)に接続され
るとともに、電磁切換弁55のソレノイドコイル(SOL-
3)と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)、及び連通
用開閉弁61のソレノイドコイル(SOL-6)と流量制御
弁62のソレノイドコイル(SOL-7)とにそれぞれ接続
されている。フック格納解除スイッチ38は、低圧設定
用開閉弁50のソレノイドコイル(SOL-1)と電磁切換
弁55のソレノイドコイル(SOL-4)と開閉弁58のソレ
ノイドコイル(SOL-5)、及び連通用開閉弁61のソレノ
イドコイル(SOL-6)と流量制御弁62のソレノイドコイ
ル(SOL-7)とにそれぞれ接続されている。
【0083】尚、セレクトスイッチ31と過巻検出スイ
ッチ23と起仰操作検出スイッチ85と伸長操作検出ス
イッチ86と巻上検出スイッチ87とリレー81aとリ
レー82aの回路構成は上記第1実施例の場合と同じで
あるため、ここでは第1実施例における該当説明を援用
することとしその説明を省略する。
【0084】(作動の説明)続いて、上述の如き電気回
路を備えた自走式クレーンZの作動を説明する。
【0085】C:手動操作 C−a:フックブロック12の格納解除作業 先ず、フックブロック12の格納解除に伴って該フック
ブロック12と荷物Wとの干渉のおそれがない場合にお
ける格納解除作業であるが、この場合には上記第1実施
例の場合と同様に、過巻検出スイッチ23が閉じた過巻
状態ではあるがこの過巻検出スイッチ23の作動により
ウィンチ用切換弁44の巻下げ側の操作は何ら規制され
ないため、そのままウィンチ用切換弁44を巻下げ側へ
手動操作してウィンチ15を巻下げ駆動し、ワイヤーロ
ープ14を繰り出してフックブロック12を下方へ振り
出してブームヘッド11から吊下させれば良い。
【0086】これに対して、フックブロック12の格納
解除に伴って該フックブロック12と荷物Wとが干渉す
るおそれがある場合であるが、この場合には、先ずセレ
クトスイッチ31を接点31bに設定する。すると、低
圧設定用開閉弁50のソレノイドコイル(SOL-1)が開
弁して油圧系が低圧に設定されるとともに、連通用開閉
弁61のソレノイドコイル(SOL-6)と流量制御弁62
のソレノイドコイル(SOL-7)が共に励磁され、該連通
用開閉弁61が開弁し且つ流量制御弁62が絞り側に設
定される。
【0087】この状態でウィンチ用切換弁44を巻上検
出スイッチ87による停止制御が働かない巻下げ側に操
作すると、該ウィンチ用切換弁44から巻下側油路67
を通ってウィンチ用油圧モータ16に圧油が供給されウ
ィンチ15が巻下げ側に駆動されると同時に、巻下側油
路67から連通用開閉弁61を介して起伏用シリンダ1
0の起仰側油室10aに圧油が供給され起伏用シリンダ
10が伸長して伸縮ブーム9が起仰される。従って、フ
ックブロック12の格納状態において該フックブロック
12の直下方に荷物Wが存在していたとしても、ウィン
チ15の巻下げ駆動によりフックブロック12が下方へ
振り出されるのと連動して伸縮ブーム9が起仰すること
から該フックブロック12と荷物Wとの干渉が未然に回
避されつつフックブロック12の格納解除が行われるこ
とになる。
【0088】尚、この場合、ウィンチ用油圧モータ16
に接続される巻下側油路67に流量制御弁62を設ける
ことで該ウィンチ用油圧モータ16と起伏用シリンダ1
0との負荷の相異にかかわらずこの両者を適正な相対速
度で連動させることができることは第1実施例の場合と
同様である。
【0089】C−b:クレーン作業 フックブロック12の格納解除後において通常のクレー
ン作業を行う場合には、上記セレクトスイッチ31を接
点31aに設定し、この状態で各手動切換弁43〜48
を適宜に選択操作することでウィンチ15の巻上げ・巻
下げ、伸縮ブーム9の起伏等が可能となる。この場合、
セレクトスイッチ31を接点31aに設定していること
で連通用開閉弁61が閉弁保持されているで、ウィンチ
15と起伏用シリンダ10の操作は独立して行われる。
【0090】尚、ウィンチ15の巻上げ駆動に伴ってフ
ックブロック12が巻上げ上限位置に達した場合におけ
る危険側操作の自動停止は上記第1実施例の場合と同様
であるのでその説明を省略する。
【0091】C−c:フックブロック12の格納作業 フックブロック12の格納作業における作動は上記第1
実施例の場合と同様であるので、第1実施例の該当説明
を援用し、ここでの説明は省略する。
【0092】D:遠隔操作 ウィンチ15の巻上げ・巻下げ駆動とフックブロック1
2の自動格納及び格納解除はリモートスイッチ32の各
スイッチを操作することで車両1から離れた位置におい
て遠隔操作することができる。以下、この遠隔操作を、
作業手順に従って説明する。尚、このリモートスイッチ
32を使用しての遠隔操作を行うにあたっては、あらか
じめ車両1側にある上記セレクトスイッチ31を接点3
1aに設定しておく。
【0093】D−a:フックブロック12の格納解除作
業 フックブロック12の格納解除を行う場合には、上記手
動操作時と同様に、格納状態にあるフックブロック12
の直下方位置に荷物W等の障害物がなく格納解除時にフ
ックブロック12と荷物Wとの干渉のおそれがない場合
と、フックブロック12の直下方に荷物Wがあって該フ
ックブロック12の格納解除時に該フックブロック12
と荷物Wとが干渉するおそれがある場合とが考えられ
る。
【0094】前者の作業条件下での格納解除であるが、
この場合には、フックブロック12の巻下げに連動させ
て伸縮ブーム9を起仰させる必要がないので、単にウィ
ンチ巻下スイッチ35をON操作すればよい。即ち、こ
のウィンチ巻下スイッチ35のON操作により、電磁切
換弁55のソレノイドコイル(SOL-4)と開閉弁58のソ
レノイドコイル(SOL-5)とが共に励磁され該電磁切換弁
55が巻下げ側に設定され、該電磁切換弁55から巻下
側油路71を通ってウィンチ用油圧モータ16に供給さ
れる圧油によってウィンチ15が巻下げ駆動され、これ
によりフックブロック12の格納位置からの下方への振
り出し、即ち、格納解除が行われる。尚、この場合、過
巻検出スイッチ23が閉じているが、ウィンチ15の巻
下げ側への操作はフックブロック12とブームヘッド1
1との干渉という点において安全側操作であるため何ら
規制作用は働かず自由に操作可能である。
【0095】これに対して、後者の作業条件下での格納
解除であるが、この場合にはウィンチ15の巻下げ駆動
と連動させて伸縮ブーム9を起仰駆動させる必要があ
り、このため、この場合にはウィンチ巻下スイッチ35
は操作せずに、フック格納解除スイッチ38のみをON
設定する。すると、連通用開閉弁61のソレノイドコイ
ル(SOL-6)と流量制御弁62のソレノイドコイル(SOL-
7)が共に励磁され連通用開閉弁61が開弁するととも
に流量制御弁62が絞り側に設定される。また、これと
同時に、電磁切換弁55のソレノイドコイル(SOL-4)と
開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)とが共に励磁さ
れ該電磁切換弁55が巻下げ側に設定される。従って、
電磁切換弁55から巻下側油路71を通ってウィンチ用
油圧モータ16に供給される圧油によってウィンチ15
が巻下げ駆動されると同時に、上記電磁切換弁55から
の圧油の一部が起仰側連通油路73を通って起伏用シリ
ンダ10の起仰側油室10aに供給され該起伏用シリン
ダ10が伸長することで伸縮ブーム9が起仰駆動され
る。このようにウィンチ15の巻下げ駆動に連動して自
動的に伸縮ブーム9の起仰駆動が行われることで、フッ
クブロック12と荷物Wとの干渉を招くことなく該フッ
クブロック12の格納解除が行われるものである。即
ち、この実施例においては、フック格納解除スイッチ3
8のみの操作によってフックブロック12の格納解除を
行うことができるものであり、フック操作スイッチ36
とウィンチ巻下スイッチ35の二つのスイッチを操作す
る必要のある上記第1実施例の場合に比して操作が簡便
である。
【0096】D−b:ウインチ作業 フックブロック12を格納解除した後における通常のウ
インチ作業にあたっては、フック格納解除スイッチ38
をOFF設定した状態で、単にウィンチ巻上スイッチ3
4あるいはウィンチ巻下スイッチ35を作業に対応して
選択的に操作すれば良い。即ち、ウィンチ15を巻上げ
駆動する場合には、ウィンチ巻上スイッチ34を操作す
るが、このウィンチ巻上スイッチ34が操作されると常
閉の接点接点83bを通って電磁切換弁55のソレノイ
ドコイル(SOL-3)と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-
5)にそれぞれ通電され、該電磁切換弁55が巻上げ側に
設定されることで該電磁切換弁55から巻上側油路70
を通ってウィンチ用油圧モータ16に供給される圧油に
よってウィンチ15が巻上げ駆動される。
【0097】また逆に、ウィンチ15を巻下げ駆動させ
る場合には、ウィンチ巻下スイッチ35を操作するが、
このウィンチ巻下スイッチ35の操作により電磁切換弁
55のソレノイドコイル(SOL-4)と開閉弁58のソレノ
イドコイル(SOL-5)がそれぞれ励磁され、該電磁切換弁
55が巻下げ側に設定されることで該電磁切換弁55か
ら巻下側油路71を通ってウィンチ用油圧モータ16に
供給される圧油によってウィンチ15が巻下げ駆動され
る。尚、これらの場合、上記連通用開閉弁61はそのソ
レノイドコイル(SOL-6)が非励磁とされるため閉弁状態
にあり、従って起伏用シリンダ10は作動せずウィンチ
15のみが単独操作される。
【0098】一方、このリモートスイッチ32を使用し
てのウインチ作業においてフックブロック12が巻上げ
上限位置に達することによるウィンチ15の巻上げ駆動
の自動停止は、上記第1実施例の場合と同様であるた
め、ここでの説明は省略する。
【0099】D−c:フックブロック12の格納作業 フックブロック12の格納にあたっては、フック自動格
納スイッチ37をON設定する。すると、低圧設定用開
閉弁50のソレノイドコイル(SOL-1)が励磁され低圧設
定用開閉弁50が開弁することで油圧系が低圧設定され
るとともに、電磁切換弁55のソレノイドコイル(SOL-
3)と開閉弁58のソレノイドコイル(SOL-5)とが共に励
磁され、該電磁切換弁55が巻上げ側に設定され、該電
磁切換弁55からの圧油が巻上側油路70を介してウィ
ンチ用油圧モータ16に供給されることでウィンチ15
が巻上げ駆動され、フックブロック12が巻上げ上限位
置からさらに巻上げられて所定の格納位置に格納され
る。
【0100】尚、この場合、連通用開閉弁61のソレノ
イドコイル(SOL-6)と流量制御弁62のソレノイドコ
イル(SOL-7)も励磁され、巻上側油路70を通ってウ
ィンチ用油圧モータ16に供給される圧油の一部が倒伏
側連通油路72を通って起伏用シリンダ10の倒伏側油
室10bに供給されるが、かかるフックブロック12の
格納操作時には起伏用シリンダ10は最縮小状態にある
ためなんら支障のないことは第1実施例の場合と同様で
ある。
【0101】このように、この実施例においてはフック
ブロック12の自動格納に際してもフック自動格納スイ
ッチ37のみの操作でこれを行うことができるので、上
記第1実施例の如くフック操作スイッチ36とウィンチ
巻上スイッチ34の二つのスイッチを操作する必要があ
る場合に比して、操作が簡便である。
【0102】尚、このフックブロック12の自動格納に
際しては、過巻検出スイッチ23がON設定されること
で接点81bが閉じているが、手動切換弁を操作しない
のでフックブロック12の巻上げ上限位置からの更なる
巻上げ駆動が許容されるものである。
【0103】その他 上記各実施例においては、伸縮ブーム9の先端部に揺動
自在に枢支したフックブロック格納リンク26を用いて
間接的にフックブロック12を伸縮ブーム9の下面に沿
った格納位置に格納固定するようにしているが、本願発
明はこれに限定されるものではなく、例えば伸縮ブーム
9の先端部に円弧状の案内部材を設け、該案内部材にフ
ックブロック12の上面が直接当接して該案内部材に設
けられた案内面に沿ってフックブロック12が基端方向
に回動し伸縮ブーム9の下面の格納位置に格納固定され
るように構成してもよいことは勿論である。
【0104】また、上記各実施例においては、車両1の
運転室2と荷台3の間のシャーシ4上にクレーン装置を
架装した自走式クレーンを例にとって説明したが、本願
発明はこれに限定されるものでなく、例えばホイールク
レーン等の自走式クレーンにも適用できることは勿論で
ある。
【0105】さらに、上記各実施例においてはフックブ
ロック12の格納解除時におけるウィンチ15の巻下げ
駆動と伸縮ブーム9の起仰駆動とを所定の相対速度で連
動させるためにウィンチ用油圧モータ16の巻下側油路
67の途中に絞りを備えた流量制御弁62を介装してい
るが、本願発明はかかる構成に限定されるものではな
く、例えば連通用開閉弁61に絞りを付けることで上記
流量制御弁62を不要とすることもできるものである。
【0106】また、上記各実施例においては、フックブ
ロック12の自動格納時と格納解除時の双方共に、低圧
設定用開閉弁50が開弁して油圧系が低圧に設定される
とともに連通用開閉弁61が開弁し、電磁切換弁55か
らの巻上側油路70と巻下側油路71と、ウィンチ用切
換弁44からの巻上側油路66と巻下側油路67とが起
伏用シリンダ10の倒伏側連通油路72と起仰側連通油
路73とに接続されるように構成しているが、本願発明
の他の実施例においては、フックブロック12の自動格
納時には低圧設定用開閉弁50のみが開弁して油圧系が
低圧に設定され、格納解除時には連通用開閉弁61のみ
が開弁し、電磁切換弁55からの巻上側油路70と巻下
側油路71と、ウィンチ用切換弁44からの巻上側油路
66と巻下側油路67とが起伏用シリンダ10の倒伏側
連通油路72と起仰側連通油路73とに接続されるよう
に構成することもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施例にかかるウィンチの制御
装置を備えた自走式クレーンの側面図である。
【図2】本願発明の第1実施例にかかるウィンチの制御
装置における油圧回路図である。
【図3】本願発明の第1実施例にかかるウィンチの制御
装置における電気回路図である。
【図4】本願発明の第2実施例にかかるウィンチの制御
装置における電気回路図である。
【符号の説明】
1は車両、2は運転室、3は荷台、4はシャーシ、5は
クレーン装置、6は架台、7は旋回台、8は旋回ポス
ト、9は伸縮ブーム9、10は起伏用シリンダ、11は
ブームヘッド、12はフックブロック、13は先端滑
車、14はワイヤーロープ、15はウィンチ、16はウ
ィンチ用油圧モータ、17は伸縮用シリンダ、18は旋
回用油圧モータ、19はジャッキ用シリンダ、20は過
巻防止機構、21は重錘、22は検出用ワイヤーロー
プ、23は過巻検出スイッチ、25はフックブロック自
動格納機構、26はフックブロック格納リンク、27は
枢支軸、30は手動操作部、31はセレクトスイッチ、
32はリモートスイッチ、33は非常停止スイッチ、3
4はウィンチ巻上スイッチ、35はウィンチ巻下スイッ
チ、36はフック操作スイッチ、37はフック自動格納
スイッチ、38はフック格納解除スイッチ、41はメイ
ン操作バルブユニット、42はサブ操作バルブユニッ
ト、43は伸縮用切換弁、44はウィンチ用切換弁、4
5は起伏用切換弁、46は旋回用切換弁、47はジャッ
キ用切換弁、48はジャッキ用切換弁、49はアンロー
ド弁、50は低圧設定用開閉弁、51〜53はリリーフ
弁、55は電磁切換弁、56は背圧弁、57は減圧弁、
58は開閉弁、59及び60はリリーフ弁、61は連通
用開閉弁、62は流量制御弁、65はキャリーオーバー
油路、66は巻上側油路、67は巻下側油路、68は起
仰側油路、69は倒伏側油路、70は巻上側油路、71
は巻下側油路、72は倒伏側連通油路72、73は起仰
側連通油路73、75はパイロット連通油路、76〜7
8はパイロット油路、81aはリレー、81bは接点、
82aはリレー、82bは接点、83aはリレー、83
bは接点、84aはリレー、84bは接点、85は起仰
操作検出スイッチ、86は伸長操作検出スイッチ、87
は巻上検出スイッチ、(SOL-1)〜(SOL-7)はソレノイドコ
イルである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起伏用シリンダ(10)によって起伏駆
    動される伸縮ブーム(9)と、該伸縮ブーム(9)の先
    端部に吊り下げられウィンチ(15)により巻上げ・巻
    下げ駆動されるフックブロック(12)とを備えた自走
    式クレーンにおいて、 油圧ポンプに接続された電磁切換弁(55)のキャリー
    オーバー油路(65)に、少なくとも上記ウィンチ(1
    5)を駆動する油圧モータ(16)への圧油の給排を制
    御するウィンチ用手動切換弁(44)と上記起伏用シリ
    ンダ(10)への圧油の給排を制御する起伏用手動切換
    弁(45)を接続するとともに、上記電磁切換弁(5
    5)を上記油圧モータ(16)に接続し、 さらに上記ウィンチ(15)を巻上げ駆動すべく上記電
    磁切換弁(55)に制御信号を出力するウィンチ巻上ス
    イッチ(34)と上記ウィンチ(15)を巻下げ駆動す
    べく上記電磁切換弁(55)に制御信号を出力するウィ
    ンチ巻下スイッチ(35)とを設けた遠隔操作手段(3
    2)を備え、 上記ウィンチ巻上スイッチ(34)あるいはウィンチ巻
    下スイッチ(35)の操作によって上記電磁切換弁(5
    5)をウィンチ巻き上げ側あるいは巻下げ側に切り換
    え、該電磁切換弁(55)を介して上記油圧モータ(1
    6)に給排される圧油により上記ウィンチ(15)を巻
    き上げあるいは巻下げ駆動させる如く構成したことを特
    徴とする自走式クレーンにおけるウィンチの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記フックブロック(12)を上記伸縮ブーム(9)の
    先端部に接近した巻上げ上限位置からさらに巻上げるこ
    とで該フックブロック(12)が該伸縮ブーム(9)の
    先端部に直接あるいは間接的に当接して上記伸縮ブーム
    (9)の基端方向に回動し該伸縮ブーム(9)の下面に
    沿った格納位置に格納される如くする一方、 油圧回路の油圧を通常作業時よりも低圧側に設定する低
    圧設定用弁機構(50,52)を備えるとともに、 上記遠隔操作手段(32)には上記低圧設定用弁機構
    (50,52)を低圧設定側へ駆動させるべく制御信号
    を出力するフック操作スイッチ(36)を設け、 上記フック操作スイッチ(36)が操作された状態で上
    記ウィンチ巻上スイッチ(34)が操作された時には上
    記電磁切換弁(55)が巻上げ側に設定されるとともに
    上記低圧設定用弁機構(50,52)が低圧側に設定さ
    れ、該電磁切換弁(55)を介して上記油圧モータ(1
    6)に給排される低圧の圧油により上記ウィンチ(1
    5)が巻上げ駆動され上記フックブロック(12)が巻
    上げ上限位置からさらに巻き上げられて上記格納位置に
    格納される如く構成したことを特徴とする自走式クレー
    ンにおけるウィンチの遠隔制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記フックブロック(12)を上記伸縮ブーム(9)の
    先端部に接近した巻上げ上限位置からさらに巻上げるこ
    とで該フックブロック(12)が該伸縮ブーム(9)の
    先端部に直接あるいは間接的に当接して上記伸縮ブーム
    (9)の基端方向に回動し該伸縮ブーム(9)の下面に
    沿った格納位置に格納される如くする一方、 上記電磁切換弁(55)のウインチ巻下げ側油路(7
    1)と上記起伏用シリンダ(10)の起仰側油室(10
    a)とを連通用開閉弁(61)を介装した連通油路(7
    3)を介して接続し、 さらに上記遠隔操作手段(32)には上記連通用切換弁
    (61)を連通側に駆動させるべく制御信号を出力する
    フック操作スイッチ(36)を設け、 上記フックブロック(12)が格納位置に格納された状
    態で上記フック操作スイッチ(36)が操作されるとと
    もに上記ウィンチ巻下スイッチ(35)が操作された時
    には上記電磁切換弁(55)が巻下げ側に設定され該電
    磁切換弁(55)を介して上記油圧モータ(16)に給
    排される圧油により上記ウィンチ(15)が巻下げ駆動
    され上記フックブロック(12)が格納位置から上記伸
    縮ブーム(9)の先端側へ回動せしめられるとともに、
    上記電磁切換弁(55)から上記連通用開閉弁(61)
    を介して上記起伏用シリンダ(10)の上記起仰側油室
    (10a)に供給される圧油により該起伏用シリンダ
    (10)が伸長して上記伸縮ブーム(9)が起仰駆動さ
    れる如く構成したことを特徴とする自走式クレーンにお
    けるウィンチの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記フックブロック(12)を上記伸縮ブーム(9)の
    先端部に接近した巻上げ上限位置からさらに巻上げるこ
    とで該フックブロック(12)が該伸縮ブーム(9)の
    先端部に直接あるいは間接的に当接して上記伸縮ブーム
    (9)の基端方向に回動し該伸縮ブーム(9)の下面に
    沿った格納位置に格納される如くする一方、 油圧回路の油圧を通常作業時よりも低圧側に設定する低
    圧設定用弁機構(50,52)を備えるとともに、 上記低圧設定用弁機構(50,52)を低圧設定側へ駆
    動させるべく制御信号を出力するとともに上記電磁切換
    弁(55)をウィンチ巻上げ側に駆動させるべく制御信
    号を出力するフック自動格納スイッチ(37)を設け、 上記フック自動格納スイッチ(37)が操作された時に
    は上記電磁切換弁(55)が巻上げ側に設定されるとと
    もに上記低圧設定用弁機構(50,52)が低圧側に設
    定され、該電磁切換弁(55)を介して上記油圧モータ
    (16)に給排される低圧の圧油により上記ウィンチ
    (15)が巻上げ駆動され上記フックブロック(12)
    が巻上げ上限位置からさらに巻き上げられて上記格納位
    置に格納される如く構成したことを特徴とする自走式ク
    レーンにおけるウィンチの遠隔制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記フックブロック(12)を上記伸縮ブーム(9)の
    先端部に接近した巻上げ上限位置からさらに巻上げるこ
    とで該フックブロック(12)が該伸縮ブーム(9)の
    先端部に直接あるいは間接的に当接して上記伸縮ブーム
    (9)の基端方向に回動し該伸縮ブーム(9)の下面に
    沿った格納位置に格納される如くする一方、 上記電磁切換弁(55)のウインチ巻下げ側油路(7
    1)と上記起伏用シリンダ(10)の起仰側油室(10
    a)とを連通用開閉弁(61)を介装した連通油路(7
    3)を介して接続し、 さらに上記連通用切換弁(61)を連通側に駆動させる
    べく制御信号を出力するとともに上記電磁切換弁(5
    5)をウィンチ巻下げ側に駆動すべく制御信号を出力す
    るフック格納解除スイッチ(38)を設け、 上記フックブロック(12)が格納位置に格納された状
    態で上記フック格納解除スイッチ(38)が操作される
    ことで上記電磁切換弁(55)が巻下げ側に設定され該
    電磁切換弁(55)を介して上記油圧モータ(16)に
    給排される圧油により上記ウィンチ(15)が巻下げ駆
    動され上記フックブロック(12)が格納位置から上記
    伸縮ブーム(9)の先端側へ回動せしめられるととも
    に、上記電磁切換弁(55)から上記連通用開閉弁(6
    1)を介して上記起伏用シリンダ(10)の上記起仰側
    油室(10a)に供給される圧油により該起伏用シリン
    ダ(10)が伸長して上記伸縮ブーム(9)が起仰駆動
    される如く構成したことを特徴とする自走式クレーンに
    おけるウィンチの制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348189A (ja) * 2000-06-07 2001-12-18 Furukawa Co Ltd クレーンのフック吊下長さ保持装置
JP4556152B2 (ja) * 2000-03-24 2010-10-06 株式会社タダノ 車載式クレーンのブーム自動格納装置

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JP4619488B2 (ja) * 2000-06-07 2011-01-26 古河機械金属株式会社 クレーンのフック吊下長さ保持装置

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