JPH08196251A - 液体用紙容器の無菌充填方法 - Google Patents

液体用紙容器の無菌充填方法

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JPH08196251A
JPH08196251A JP7009652A JP965295A JPH08196251A JP H08196251 A JPH08196251 A JP H08196251A JP 7009652 A JP7009652 A JP 7009652A JP 965295 A JP965295 A JP 965295A JP H08196251 A JPH08196251 A JP H08196251A
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亮 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填装置の小型化・簡略化を図ることができ
るとともに効率良く無菌充填を行なうことが可能であっ
て処理速度の向上を図ることのできる液体用紙容器の無
菌充填方法を提供する。 【構成】 液体用紙容器7の製造工程で予め容器の内部
に過酸化水素H2 2 水溶液を密封することにより容器
の内面殺菌処理を行ない、その後、この液体用紙容器7
の外面に過酸化水素H2 2 ミストmを噴霧して容器の
外面殺菌処理を行ない、次いで、この液体用紙容器7の
充填口8を開口して液体内容物を充填し、しかる後、開
口した充填口8を充填口シール材10で閉鎖する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体用紙容器の無菌充填
方法に関し、例えば金属缶代替紙容器に無菌状態で液体
内容物を充填するのに好適に適用することのできる液体
用紙容器の無菌充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より例えば果汁飲料、コーヒー飲料
等の容器には金属缶が広く用いられているが、近年、環
境保護の観点から上記の金属缶に代わる容器として金属
缶代替紙容器が注目されるに至り、既に実用化されてい
る。
【0003】この金属缶代替紙容器としては、筒状紙容
器とアルミニウム製蓋材とからなるものが知られてお
り、この紙容器の殺菌処理および紙容器への内容物の充
填は、例えば次のようにして行われている。
【0004】すなわち、内容物の種類に応じて例えば内
容物がpHの低い果汁飲料である場合には、熱間充填
(ホットパック)法が採用され、内容物の熱により容器
内面が充填と同時に殺菌される。また、内容物が中性飲
料である場合については、熱間充填法では殺菌が不十分
なものとなるため、いわゆる無菌充填法、つまり容器と
内容物とを別々に殺菌しておき、無菌環境下で充填・密
封するシステムが開発されている。
【0005】そして、この無菌充填システムによる金属
缶代替紙容器への無菌充填は次のようにして行われてい
る。すなわち、先ず、筒状紙容器およびアルミニウム製
蓋材のそれぞれについて過酸化水素(H2 2 )水溶液
を吹き付け、乾燥させ、その後、無菌雰囲気中で殺菌済
紙容器に液体内容物を充填し、その後、この充填済紙容
器に上記のアルミニウム製蓋材をシールすることにより
無菌充填を完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の無菌充填システムにおいては、筒状紙容器およ
びアルミニウム製蓋材のそれぞれを個別的に殺菌する必
要があるので、装置が大型化するという問題がある。ま
た、アルミニウム製蓋材は変形し易いため、搬送が難し
く、搬送装置の機構が複雑化する。さらに、無菌チャン
バー内でヒートシールを行なうため、チャンバーが大型
化するとともに、シールヘッドが複雑になるという問題
やシール時間が必要なためシステム全体の処理速度の向
上が困難であるという問題もある。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、充填装置の小型化・簡略化を
図ることができるとともに効率良く無菌充填を行なうこ
とが可能であって処理速度の向上を図ることのできる液
体用紙容器の無菌充填方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明の液体用紙容器の無菌充填方法は、密封され
た液体用紙容器に無菌状態で液体を充填する液体用紙容
器の無菌充填方法であって、前記液体用紙容器の内部に
過酸化水素(H2 2 )水溶液を封入して該液体用紙容
器の内面殺菌を行なった後、過酸化水素(H2 2 )水
溶液を気化させてから凝縮して得られる過酸化水素(H
2 2 )ミストを該液体用紙容器の外面に付着させて該
液体用紙容器の外面殺菌を行ない、その後、無菌チャン
バー内で、該液体用紙容器に充填口を穿設して該充填口
から容器内部に液体内容物を充填し、充填終了後、前記
充填口を充填口シール材で閉鎖する構成とし、また、密
封された液体用紙容器に無菌状態で液体を充填する液体
用紙容器の無菌充填方法であって、紙積層材からなる筒
体の両端の開口のうち、一方の開口を飲み口が穿設され
且つこの飲み口がイージーピール性シール材で閉鎖され
た紙蓋材で閉鎖し、他方の開口を液体を充填する充填口
が穿設され且つこの充填口が易破壊性シール材で閉鎖さ
れた紙底材で閉鎖してなる液体用紙容器の内部に過酸化
水素(H2 2 )水溶液を封入して該液体用紙容器の内
面殺菌を行なった後、過酸化水素(H2 2 )水溶液を
気化させてから凝縮して得られる過酸化水素(H
2 2 )ミストを該液体用紙容器の外面に付着させて該
液体用紙容器の外面殺菌を行ない、その後、無菌チャン
バー内で、前記充填口を閉鎖している前記易破壊性シー
ル材を突き破ることにより前記充填口を開口し、しかる
後、この充填口から容器内部に液体内容物を充填し、充
填終了後、開口した前記充填口を充填口シール材で閉鎖
する構成とし、さらに必要に応じ、前記いずれかの方法
において前記液体用紙容器の内部に前記過酸化水素(H
2 2 )水溶液とともに不活性ガスを封入する構成とし
た。
【0009】
【作用】本発明の液体用紙容器の無菌充填方法において
は、密封された状態の液体用紙容器を無菌充填工程に供
給する。この密封された液体用紙容器の内部には予め過
酸化水素(H2 2 )水溶液が封入されている。すなわ
ち、この過酸化水素(H 2 2 )水溶液は、密封された
液体用紙容器内部で気化し、この液体用紙容器の内部に
充満する。これにより液体用紙容器の内面殺菌処理がな
される。したがって、本発明の方法においては、紙容器
の製造工程で内部に過酸化水素(H2 2)水溶液が封
入された密閉状態の液体用紙容器を無菌充填工程に搬送
する間に該容器の内面殺菌処理が行われる。次いで、こ
の液体用紙容器の外面に、過酸化水素(H2 2 )水溶
液を気化させてから凝縮して得られる過酸化水素(H2
2)ミストを該液体用紙容器の外面に付着させ、これ
により液体用紙容器の外面殺菌処理を行なう、この過酸
化水素(H2 2 )ミストを用いることにより外面殺菌
処理がムラなく安定的に行なわれる。しかも、この液体
用紙容器には、既に蓋材がシールされており、無菌チャ
ンバー内での密封工程は、充填口シール材で充填口を閉
鎖するのみであるので、前述の従来法におけるように容
器と蓋材とについてそれぞれ個別的に殺菌処理を行なう
必要がない。したがって、大型の殺菌装置は不要であ
る。また、容器とは別に蓋材を搬送する必要がないた
め、変形し易い蓋材を搬送するための複雑な機構も不要
である。さらに、無菌充填工程の前に予め容器への蓋材
のシールが完了するため、無菌チャンバー内でのシール
工程は充填口を塞ぐための充填口シール材のシールのみ
となり、ただ完全に密封できればよいのみの簡単なもの
でよく、大型の無菌チャンバーを必要としない。さらに
また、無菌充填工程においては蓋材を容器胴部の開口形
状に沿ってシールするといった複雑なシールを行なわ
ず、充填口を塞ぐ充填口シール材のベタシールでよく、
シール時間も短くてすみ、従来法に比較して無菌充填処
理速度が向上する。
【0010】本発明の液体用紙容器の無菌充填方法を金
属缶代替紙容器に適用する場合には、特に次のようにし
て行なうことができる。すなわち、本発明の方法におい
ては、紙積層材からなる筒体の両端の開口のうち、一方
の開口を飲み口が穿設され且つこの飲み口がイージーピ
ール性シール材で閉鎖された紙蓋材で閉鎖し、他方の開
口を液体を充填する充填口が穿設され且つこの充填口が
易破壊性シール材で閉鎖された紙底材で閉鎖してなる液
体用紙容器を使用する。そして、この液体用紙容器の内
部には、予めその製造工程において過酸化水素(H2
2 )水溶液が封入されている。したがって、この液体用
紙容器を製造工程から無菌充填工程に搬送する間に、容
器内部の過酸化水素(H22 )は容器内部で気化して
容器内部に充満し、これにより内面殺菌処理がなされ
る。本発明の方法では、次いで、過酸化水素(H
2 2 )水溶液を気化させてから凝縮して得られる過酸
化水素(H2 2 )ミストを上記のようにして内面殺菌
処理のなされた金属缶代替紙容器の外面に付着させるこ
とにより該金属缶代替紙容器の外面殺菌処理を行なう。
過酸化水素(H2 2 )ミストは該金属缶代替紙容器の
外面に均一に付着するためムラなく安定的な外面殺菌が
達成される。この方法によれば、前述の従来法のように
容器と蓋材とについて個別的に殺菌処理を行なう必要が
なく、大型の殺菌装置は不要である。
【0011】本発明の方法では、次いで、過酸化水素
(H2 2 )水溶液を気化させてから凝縮して得られる
過酸化水素(H2 2 )ミストを上記のようにして内面
殺菌処理のなされた金属缶代替紙容器の外面に付着させ
ることにより該金属缶代替紙容器の外面殺菌処理を行な
う。過酸化水素(H2 2 )ミストは該金属缶代替紙容
器の外面に均一に付着するためムラなく安定的な外面殺
菌が達成される。
【0012】本発明の方法では、上記のようにして外面
殺菌処理を行なった後、金属缶代替紙容器に液体内容物
を充填するが、その充填は、無菌チャンバー内で、容器
の底面を形成している紙底材に穿設された充填口を閉鎖
している易破壊性シール材を突き破り開口した充填口か
ら行なう。すなわち、この方法によれば、液体内容物を
充填するために充填口を閉鎖している易破壊性シール材
を突き破って充填口を開口する直前まで容器の密封状態
が維持されるため、予め容器内に過酸化水素(H
2 2 )水溶液を封入しておくことにより容易に効率良
く容器の内面殺菌を行なうことが可能となる。
【0013】上記のようにして開口した充填口から液体
内容物を充填し充填が終了したら充填口を充填口シール
材で閉鎖するが、この充填口シール材は飲み口を閉鎖し
ているイージーピール性シール材と異なり開封の必要が
ないため確実なシールが容易である。
【0014】なお、本発明の方法においては、必要に応
じ、無菌充填工程に供給される密封状態の液体用紙容器
内に過酸化水素(H2 2 )水溶液とともに不活性ガス
を封入しておき、この不活性ガスを不活性ガス検知器で
検知するようにすれば、無菌充填工程に供給する前の段
階でピンホールが発生していて洩れを生じている不良容
器を検出することが可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の方法を金属缶代替紙容器
に適用する場合の工程を模式的に示す説明図である。
【0016】図1(a)に示すように本発明の方法にお
いては、先ず、紙製胴部1の一方の開口を紙蓋材2で封
緘してカップ状容器3とする。紙蓋材2には、予め飲み
口4が穿設されており、この飲み口4は予めイージーピ
ール性シール材5により閉鎖されている。ここで、イー
ジーピール性シール材5としては、例えばシリカ(Si
x )蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)とポ
リエチレン(PE)と紙との積層材料が挙げられる。こ
こで、シリカ(SiOx )蒸着PET(ポリエチレンテ
レフタレート)はバリアー層としての作用乃至機能を有
する。このようなイージーピール性シール材5を用いる
場合、紙蓋材2の表面にもポリエチレン(PE)層を設
け、このポリエチレン(PE)層とイージーピール性シ
ール材5を構成するポリエチレン(PE)層とで紙蓋材
2とイージーピール性シール材5との接着を行なうのが
好ましい。
【0017】次いで、図1(b)に示すように、カップ
状容器3内に過酸化水素(H2 2)水溶液を数滴、滴
下する。ここで、過酸化水素(H2 2 )水溶液の濃度
および滴下量は容器の容積に応じて適宜に決定すればよ
く、例えば容器の容積が250mlである場合、5%過
酸化水素(H2 2 )水溶液の滴下量は2〜30μl程
度であり、好ましくは3〜10μl程度である。
【0018】また、過酸化水素(H2 2 )水溶液の濃
度および滴下量については、一つの目安として過酸化水
素負荷指数(単位容積当たりの滴下過酸化水素絶対量)
を利用することができる。この過酸化水素負荷指数は、
過酸化水素濃度(%)×滴下量/容器容積(リットル)
で表されるものであり、40〜400の範囲が適当であ
る。
【0019】本発明の方法においては、その後、図1
(c)に示すように、カップ状容器3の他方の開口を紙
底材6で封緘してカップ状容器3を密閉することにより
液体用紙容器7とする。これにより液体用紙容器7には
過酸化水素(H2 2 )水溶液が封入されることになる
が、この過酸化水素(H2 2 )水溶液は液体用紙容器
7内で気化し、液体用紙容器7の内部に充満して容器の
内面殺菌処理がなされる。したがって、図1(a)〜図
1(c)に示す工程を容器メーカーで行ない、図1
(c)に示す状態の液体用紙容器7をユーザーに出荷す
るようにすれば、容器メーカーでの保存中または液体用
紙容器7の輸送中に容器の内面殺菌処理が終了すること
になるので、ユーザーにおいては内面殺菌処理工程の作
業を行なう必要がなく、無菌充填装置の小型化・簡略化
が可能である。なお、図1(c)に示すように、紙底材
6には予め充填口8が穿設されており、この充填口8は
予め易破壊性シール材9により閉鎖されている。ここ
で、易破壊性シール材9としては、例えばポリエチレン
フィルムが挙げられる。
【0020】なお、液体用紙容器7の内部には、過酸化
水素(H2 2 )水溶液とともに例えばヘリウム(H
e)ガスなどの不活性ガスを封入しておいてもよい。例
えばこのヘリウム(He)ガスをHeガス検知器で検知
するようにすれば、無菌充填工程に供給する前の段階で
ピンホールが発生していて洩れを生じている不良容器を
検出することができる。
【0021】本発明の方法においては、上記のようにし
て容器の内面殺菌処理を行なった後、液体用紙容器7の
外面殺菌処理を行なう。図1(d)に示すように、この
外面殺菌処理は、密封状態の液体用紙容器7の外面に、
過酸化水素(H2 2 )水溶液を気化させてから凝縮し
て得られる過酸化水素(H2 2 )ミストmを吹き付け
ることにより行なう。具体的には、無菌チャンバー内に
設置されたベルトコンベア等の搬送手段上に載置された
密封状態の液体用紙容器7の外面に過酸化水素(H2
2 )ミスト噴出ノズル20から液体用紙容器7の外面に
向けて過酸化水素(H2 2 )ミストmを噴霧する。こ
の過酸化水素(H2 2 )ミストmは、液体用紙容器7
の外面にムラなく均一に付着して液体用紙容器7の外面
殺菌処理が安定的に行われる。
【0022】ここで、過酸化水素(H2 2 )ミスト噴
出ノズル20は、例えば図2に示すような過酸化水素
(H2 2 )ミスト噴霧手段200の先端に設けられて
いるものであり、この過酸化水素(H2 2 )ミスト噴
霧手段200は、過酸化水素(H2 2 )水溶液を供給
する過酸化水素(H2 2 )水溶液供給部21と、この
過酸化水素(H2 2 )水溶液供給部21から供給され
た過酸化水素(H2 2)水溶液を加熱手段22により
沸点以上の温度に加熱して気化させる気化部23とを備
える。
【0023】過酸化水素(H2 2 )水溶液供給部21
を構成する供給部本体21aには、二流体スプレーが用
いられている。この供給部本体21aにはエクステンシ
ョンパイプ24を介してノズル21bが接続されてい
る。これは、気化部23を形成する気化管23aからの
熱が、該気化管23aの上部を閉塞しているアルミ製プ
ラグ25およびノズル21bを介して供給部本体21a
に伝達され、供給部本体21aが加熱されるのを防止す
るためである。気化管23aは、たとえばアスベストリ
ボンからなる外筒26と、気化管23aの内壁を形成す
るサニタリパイプからなる内筒27と、外筒26および
内筒27との間に設けられた加熱手段22とからなる。
気化管23aの下端には過酸化水素(H2 2 )ミスト
噴出ノズル20が接続されている。なお、図2中、71
は過酸化水素(H2 2 )水溶液入口、72は圧縮空気
を供給する噴霧用空気入口であり、それぞれ図示しない
過酸化水素(H2 2 )供給源、噴霧用圧縮空気供給源
に接続されている。なお、気化管23aにおいては、気
化を平均化するために温度の低い場所、温度の下がり易
い場所を生じないことが重要であり、そのために気化管
23aの全長にわたって加熱手段22、例えばリボンヒ
ータが設けられている。また、供給部本体21aにエク
ステンションパイプ24を介して接続されているノズル
21bから過酸化水素(H2 2 )水溶液が噴霧される
ときに管内に圧力が加わらないよう気化管23の径は充
分に大きく設定され、しかも管内で気化した過酸化水素
(H2 2 )が抜け易いように気化管23の内面は平滑
に形成されている。
【0024】本発明の方法においては、以上のようにし
て液体用紙容器7の外面殺菌処理を行なった後、この液
体用紙容器7を、熱風が吹き出している乾燥ゾーンを通
過させることにより乾燥を行なう。
【0025】次いで、図1(e)に示すように、紙底材
6に穿設されている充填口8を閉鎖している易破壊性シ
ール材9を適当な治具30で突き破り、充填口8を開口
する。
【0026】その後、図1(f)に示すように、上記の
ようにして開口した充填口8に充填機の充填ノズル40
の先端を入れ、この充填ノズル40から液体用紙容器7
の内部に液体内容物を充填する。なお、易破壊性シール
材9は適当な治具30で突き破るのに代えて充填ノズル
40の先端で突き破ってもよい。
【0027】ここで、容器の天面を形成している紙蓋材
2から容器内部に液体内容物を充填しないのは、紙蓋材
2に穿設されている飲み口4を閉鎖しているイージーピ
ール性シール材5は、あくまでもイージーピール性を維
持していなければならず、なおかつ内容物が洩れないよ
うに確実に飲み口4を閉鎖しなければならないのである
が、充填後に紙蓋材2の飲み口4をイージーピール性シ
ール材5でシールするよりも、容器を形成する前の段階
で紙蓋材2の飲み口4をイージーピール性シール材5で
シールする方がシールを確実に行なうことができるから
である。すなわち、充填後に容器の天面を形成している
紙蓋材2にイージーピール性シール材5を接着する場合
には、この紙蓋材2はその周端部が容器を形成している
胴部1の上端部に接着されて胴部1で支持されているの
で、強度的にイージーピール性シール材5のシール時に
はあまり圧力をかけられないのに対し、容器を形成する
前の段階で紙蓋材2にイージーピール性シール材5を接
着する場合には、この紙蓋材2を適当な受け台上に載置
することにより充分に加圧しながらシールを行なうこと
ができるからである。
【0028】本発明の方法においては、液体用紙容器7
の内部に例えば果汁飲料、コーヒー飲料、ウーロン茶等
の液体内容物を所定量充填した後、充填ノズル40を引
き上げ、上記のようにして開口した充填口8を再度閉鎖
する。
【0029】具体的には、図1(g)に示すように、紙
底材2に滅菌処理を施した充填口シール材10を接着す
ることにより紙底材2に形成された開口を閉鎖する。充
填口シール材10としては、例えばシリカ(SiOx
蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)とポリエチ
レン(PE)との積層体が挙げられる。ここで、シリカ
(SiOx )蒸着PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)はバリアー層としての作用乃至機能を有する。この
ような充填口シール材10を用いる場合、紙底材6の表
面にもポリエチレン(PE)層を設け、このポリエチレ
ン(PE)層と充填口シール材10を構成するポリエチ
レン(PE)層とで紙底材6と充填口シール材10との
接着を行なうのが好ましい。
【0030】本発明の方法においては、以上のようにし
て液体用紙容器への液体内容物の無菌充填を完了する
が、図1(d)〜図1(g)に示す各工程はいずれも無
菌チャンバー内で行なう。
【0031】なお、本実施例では、金属缶代替紙容器に
ついて本発明の方法を適用する場合について説明した
が、紙容器の形状はこれに限られるものではなく予め過
酸化水素(H2 2 )水溶液が封入された密封状態の紙
容器であれば、どのような形状の液体用紙容器について
も本発明の方法を適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明によれば、
液体用紙容器の製造工程で予め容器の内部に過酸化水素
(H2 2 )水溶液を封入することにより容器の内面殺
菌処理を行ない、その後、この液体用紙容器の外面に過
酸化水素(H2 2 )ミストを噴霧して容器の外面殺菌
処理を行ない、次いで、この液体用紙容器に充填口を穿
設して液体内容物を充填し、しかる後、開口した充填口
をシールする構成としたので、密封状態の液体用紙容
器を無菌充填工程に搬送する間に容器の内面殺菌処理が
終了し、外面殺菌処理がムラなく安定的に行なわれ、
容器と蓋材とについてそれぞれ個別的に殺菌処理を行
なう必要がないため、大型の殺菌装置が不要であり、
容器とは別に蓋材を搬送する必要がないため、変形し易
い蓋材を搬送するための複雑な機構も不要であり、ま
た、無菌充填工程の前に予め容器への蓋材のシールが完
了するため、無菌チャンバー内でのシール工程が不要で
あり、大型の無菌チャンバーを必要とせず、さらに、
無菌充填工程においては容器への蓋材のシールを行なわ
ないことから、そのシール時間を考慮する必要はなく、
従来法に比較して無菌充填処理速度が向上する等の種々
の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を金属缶代替紙容器に適用する場
合の工程を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の方法において好適に使用可能な過酸化
水素(H2 2 )ミスト噴霧手段の一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1…胴部 2…紙蓋材 3…カップ状容器 4…飲み口 5…イージーピール性シール材 6…紙底材 7…液体用紙容器 8…充填口 9…易破壊性シール材 10…充填口シール材 m…過酸化水素(H2 2 )ミスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密封された液体用紙容器に無菌状態で液
    体を充填する液体用紙容器の無菌充填方法であって、前
    記液体用紙容器の内部に過酸化水素(H2 2 )水溶液
    を封入して該液体用紙容器の内面殺菌を行なった後、過
    酸化水素(H 2 2 )水溶液を気化させてから凝縮して
    得られる過酸化水素(H2 2 )ミストを該液体用紙容
    器の外面に付着させて該液体用紙容器の外面殺菌を行な
    い、その後、無菌チャンバー内で、該液体用紙容器に充
    填口を穿設して該充填口から容器内部に液体内容物を充
    填し、充填終了後、前記充填口を充填口シール材で閉鎖
    することを特徴とする液体用紙容器の無菌充填方法。
  2. 【請求項2】 密封された液体用紙容器に無菌状態で液
    体を充填する液体用紙容器の無菌充填方法であって、紙
    積層材からなる筒体の両端の開口のうち、一方の開口を
    飲み口が穿設され且つこの飲み口がイージーピール性シ
    ール材で閉鎖された紙蓋材で閉鎖し、他方の開口を液体
    を充填する充填口が穿設され且つこの充填口が易破壊性
    シール材で閉鎖された紙底材で閉鎖してなる液体用紙容
    器の内部に過酸化水素(H2 2 )水溶液を封入して該
    液体用紙容器の内面殺菌を行なった後、過酸化水素(H
    2 2 )水溶液を気化させてから凝縮して得られる過酸
    化水素(H2 2 )ミストを該液体用紙容器の外面に付
    着させて該液体用紙容器の外面殺菌を行ない、その後、
    無菌チャンバー内で、前記充填口を閉鎖している前記易
    破壊性シール材を突き破ることにより前記充填口を開口
    し、しかる後、この充填口から容器内部に液体内容物を
    充填し、充填終了後、開口した前記充填口を充填口シー
    ル材で閉鎖することを特徴とする液体用紙容器の無菌充
    填方法。
  3. 【請求項3】前記液体用紙容器の内部に前記過酸化水素
    (H2 2 )水溶液とともに不活性ガスを封入する請求
    項1および請求項2のいずれかに記載の液体用紙容器の
    無菌充填方法。
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