JPH08194931A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH08194931A JPH08194931A JP497195A JP497195A JPH08194931A JP H08194931 A JPH08194931 A JP H08194931A JP 497195 A JP497195 A JP 497195A JP 497195 A JP497195 A JP 497195A JP H08194931 A JPH08194931 A JP H08194931A
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- magnetic
- column
- magnetic film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電磁変換特性に優れた垂直記録用の磁気記録
媒体を提供することを目的とする。 【構成】 カラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁性膜
が支持体上にn層(2≦n)積層された磁気記録媒体で
あって、支持体から一番遠い位置にある最上層の磁性膜
のカラムの傾きをθ1 、最上層の磁性膜から下1番目に
ある磁性膜のカラムの傾きをθ2 、……、最上層の磁性
膜から下(k−1)番目にある磁性膜のカラムの傾きを
θk 、……、支持体に一番近い位置にある最下層の磁性
膜のカラムの傾きをθn (2≦k≦n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、0°<θk-1 <90°(あるいは90
°<θk-1 <180°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たすよう形成されてなる磁気記録媒体。
媒体を提供することを目的とする。 【構成】 カラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁性膜
が支持体上にn層(2≦n)積層された磁気記録媒体で
あって、支持体から一番遠い位置にある最上層の磁性膜
のカラムの傾きをθ1 、最上層の磁性膜から下1番目に
ある磁性膜のカラムの傾きをθ2 、……、最上層の磁性
膜から下(k−1)番目にある磁性膜のカラムの傾きを
θk 、……、支持体に一番近い位置にある最下層の磁性
膜のカラムの傾きをθn (2≦k≦n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、0°<θk-1 <90°(あるいは90
°<θk-1 <180°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たすよう形成されてなる磁気記録媒体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、垂直記録に適した磁気
記録媒体に関する。
記録媒体に関する。
【0002】
【発明の背景】高密度記録には垂直磁気記録方式が適し
ている。この垂直磁気記録方式に用いる磁気記録媒体の
磁性膜は、膜厚が大きくなると反磁界が強まることか
ら、薄い方が良い。しかし、磁性膜の厚さが薄いと、長
波長領域での電磁変換特性が期待出来ない。このことか
ら、磁性膜を複数の層で形成することが知られている。
ている。この垂直磁気記録方式に用いる磁気記録媒体の
磁性膜は、膜厚が大きくなると反磁界が強まることか
ら、薄い方が良い。しかし、磁性膜の厚さが薄いと、長
波長領域での電磁変換特性が期待出来ない。このことか
ら、磁性膜を複数の層で形成することが知られている。
【0003】
【発明の開示】ところで、磁性膜を積層した垂直記録用
磁気記録媒体において、磁性粒子のカラムの傾きに対す
る考察が全く行われていなかった。すなわち、カラムの
傾きの関係によって高密度記録が大きく影響されること
は誰も気付いていなかった。この点について、本発明者
による研究が鋭意押し進められて行った結果、積層した
磁性膜における隣接カラムが、例えば「く」の字型、あ
るいは逆「く」の字型のように形成されていると、電磁
変換特性が向上することに気付いた。すなわち、長波長
領域での電磁変換特性を確保する為には磁性膜の厚さを
薄くすることは出来ない。従って、複数の磁性膜を積層
することが考えられる。積層タイプにした場合、磁気カ
ラムを同一方向にあるよりも「く」の字型、あるいは逆
「く」の字型にさせていると、磁化反転に際しての静磁
エネルギが低く、エネルギ的に有利である。
磁気記録媒体において、磁性粒子のカラムの傾きに対す
る考察が全く行われていなかった。すなわち、カラムの
傾きの関係によって高密度記録が大きく影響されること
は誰も気付いていなかった。この点について、本発明者
による研究が鋭意押し進められて行った結果、積層した
磁性膜における隣接カラムが、例えば「く」の字型、あ
るいは逆「く」の字型のように形成されていると、電磁
変換特性が向上することに気付いた。すなわち、長波長
領域での電磁変換特性を確保する為には磁性膜の厚さを
薄くすることは出来ない。従って、複数の磁性膜を積層
することが考えられる。積層タイプにした場合、磁気カ
ラムを同一方向にあるよりも「く」の字型、あるいは逆
「く」の字型にさせていると、磁化反転に際しての静磁
エネルギが低く、エネルギ的に有利である。
【0004】又、対極型のヘッドを用いて垂直記録を行
う場合、磁性膜の上層側の磁気カラムは垂直に立ってい
る方が有利である。このような知見を基にして本発明が
達成されたものであり、本発明は、電磁変換特性に優れ
た垂直記録用の磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。この本発明の目的は、カラムが斜めに成長した金属
薄膜型の磁性膜が支持体上にn層(2≦n)積層された
磁気記録媒体であって、支持体から一番遠い位置にある
最上層の磁性膜のカラムの傾きをθ1 、最上層の磁性膜
から下1番目にある磁性膜のカラムの傾きをθ2 、…
…、最上層の磁性膜から下(k−1)番目にある磁性膜
のカラムの傾きをθk 、……、支持体に一番近い位置に
ある最下層の磁性膜のカラムの傾きをθn (2≦k≦
n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、0°<θk-1 <90°(あるいは90
°<θk-1 <180°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たすよう形成されてなることを特徴とする磁気記録
媒体によって達成される。
う場合、磁性膜の上層側の磁気カラムは垂直に立ってい
る方が有利である。このような知見を基にして本発明が
達成されたものであり、本発明は、電磁変換特性に優れ
た垂直記録用の磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。この本発明の目的は、カラムが斜めに成長した金属
薄膜型の磁性膜が支持体上にn層(2≦n)積層された
磁気記録媒体であって、支持体から一番遠い位置にある
最上層の磁性膜のカラムの傾きをθ1 、最上層の磁性膜
から下1番目にある磁性膜のカラムの傾きをθ2 、…
…、最上層の磁性膜から下(k−1)番目にある磁性膜
のカラムの傾きをθk 、……、支持体に一番近い位置に
ある最下層の磁性膜のカラムの傾きをθn (2≦k≦
n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、0°<θk-1 <90°(あるいは90
°<θk-1 <180°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たすよう形成されてなることを特徴とする磁気記録
媒体によって達成される。
【0005】尚、カラムの傾きθが90°(実質上90
°の場合も含む)の磁性膜を更に最上層に設けていても
良い。すなわち、最上層の磁性膜から下1番目にある磁
性膜から本発明の構成としていても良い。但し、カラム
の傾きθが90°の磁性膜を成膜しようとすれば、スパ
ッタ手段を採用するのが通常である。これに対して、カ
ラムの傾きθが85°の磁性膜を成膜しようとすれば、
斜め蒸着手段を採用するのが通常である。従って、カラ
ムの傾きθが結果的に実質上90°になった場合を除け
ば、斜め蒸着手段とスパッタ手段とを併用して磁性膜を
積層するのは生産コストから適していない。
°の場合も含む)の磁性膜を更に最上層に設けていても
良い。すなわち、最上層の磁性膜から下1番目にある磁
性膜から本発明の構成としていても良い。但し、カラム
の傾きθが90°の磁性膜を成膜しようとすれば、スパ
ッタ手段を採用するのが通常である。これに対して、カ
ラムの傾きθが85°の磁性膜を成膜しようとすれば、
斜め蒸着手段を採用するのが通常である。従って、カラ
ムの傾きθが結果的に実質上90°になった場合を除け
ば、斜め蒸着手段とスパッタ手段とを併用して磁性膜を
積層するのは生産コストから適していない。
【0006】又、(θn の値と90°との差の絶対値)
≦40°を満たしていることが一層好ましい。尚、θ1
の値と90°との差の絶対値は、理論的には、零に無限
に近いものであっても差し支えない。但し、現実的に
は、θ1 の値と90°との差の絶対値は5〜10°程度
である。各磁性膜の厚さは500〜1500Å、より好
ましくは700〜1200Åが好ましい。そして、全磁
性膜の厚さは1000〜5000Å、より好ましくは1
500〜3000Åが好ましい。これは、長波長領域か
ら短波長領域の全領域にわたって電磁変換特性を期待出
来るからである。尚、このことから考えると、磁性膜は
2〜3層の積層が妥当である。
≦40°を満たしていることが一層好ましい。尚、θ1
の値と90°との差の絶対値は、理論的には、零に無限
に近いものであっても差し支えない。但し、現実的に
は、θ1 の値と90°との差の絶対値は5〜10°程度
である。各磁性膜の厚さは500〜1500Å、より好
ましくは700〜1200Åが好ましい。そして、全磁
性膜の厚さは1000〜5000Å、より好ましくは1
500〜3000Åが好ましい。これは、長波長領域か
ら短波長領域の全領域にわたって電磁変換特性を期待出
来るからである。尚、このことから考えると、磁性膜は
2〜3層の積層が妥当である。
【0007】そして、二層積層型のものであれば、下層
磁性膜のカラムの傾きθ2 は70〜85°、上層磁性膜
のカラムの傾きθ1 は90〜100°が好適である。三
層積層型のものであれば、下層磁性膜のカラムの傾きθ
3 は60〜75°、中層磁性膜のカラムの傾きθ2 は9
5〜110°、上層磁性膜のカラムの傾きθ 1 は80〜
90°が好適である。
磁性膜のカラムの傾きθ2 は70〜85°、上層磁性膜
のカラムの傾きθ1 は90〜100°が好適である。三
層積層型のものであれば、下層磁性膜のカラムの傾きθ
3 は60〜75°、中層磁性膜のカラムの傾きθ2 は9
5〜110°、上層磁性膜のカラムの傾きθ 1 は80〜
90°が好適である。
【0008】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明の磁気記録媒体に用いられる支持体は、磁性あるいは
非磁性いずれのものでも良いが、一般的には非磁性のも
のである。このような支持体はPET等のポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカ
ーボネート、ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、
セルロース系の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった有機
材料、ガラス等のセラミックス、その他にもアルミニウ
ム合金などの金属材料が用いられる。尚、支持体の表面
には、磁性層(磁性薄膜)の密着性を向上させる為のア
ンダーコート層が適宜設けられる。
明の磁気記録媒体に用いられる支持体は、磁性あるいは
非磁性いずれのものでも良いが、一般的には非磁性のも
のである。このような支持体はPET等のポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカ
ーボネート、ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、
セルロース系の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった有機
材料、ガラス等のセラミックス、その他にもアルミニウ
ム合金などの金属材料が用いられる。尚、支持体の表面
には、磁性層(磁性薄膜)の密着性を向上させる為のア
ンダーコート層が適宜設けられる。
【0009】支持体の一面側に、例えば斜め蒸着手段に
よって磁性薄膜が設けられる。金属磁性薄膜を形成する
磁性粒子の材料としては、例えばFe,Co,Ni等の
金属の他に、Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−
Ni−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、F
e−Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni
−Fe−B合金、Co−Cr合金、あるいはこれらにA
l等の金属を含有させたもの等が用いられる。又、Fe
−N合金、Fe−N−O合金、Fe−C合金、Fe−C
−O合金なども用いられる。尚、金属磁性薄膜の成膜時
には酸化性ガスが供されていて、金属磁性薄膜の表面層
には酸化膜からなる保護層が形成されることが好まし
い。そして、更に、保護層として、ダイヤモンドライク
カーボン、炭化ホウ素、窒化珪素などが設けられると一
層好ましい。又、保護層の上層にフッ素系や炭素系の潤
滑剤を設けておくことが好ましい。
よって磁性薄膜が設けられる。金属磁性薄膜を形成する
磁性粒子の材料としては、例えばFe,Co,Ni等の
金属の他に、Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−
Ni−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、F
e−Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni
−Fe−B合金、Co−Cr合金、あるいはこれらにA
l等の金属を含有させたもの等が用いられる。又、Fe
−N合金、Fe−N−O合金、Fe−C合金、Fe−C
−O合金なども用いられる。尚、金属磁性薄膜の成膜時
には酸化性ガスが供されていて、金属磁性薄膜の表面層
には酸化膜からなる保護層が形成されることが好まし
い。そして、更に、保護層として、ダイヤモンドライク
カーボン、炭化ホウ素、窒化珪素などが設けられると一
層好ましい。又、保護層の上層にフッ素系や炭素系の潤
滑剤を設けておくことが好ましい。
【0010】金属磁性薄膜を斜め蒸着手段によって成膜
する装置としては、図1に示す斜め蒸着装置を採用する
ことが出来る。図1中、1aは支持体2の供給側ロー
ル、1bは支持体2の巻取側ロール、3a,3bは冷却
用ガイド、4は支持体2の走行経路に設けられたガイド
ローラ、5a,5bはルツボ、6a,6bは電子銃、7
a,7bは酸化性(酸素)ガス供給ノズル、8は磁性金
属である。尚、冷却用ガイド3a,3bは、ルツボ5a
から蒸発した金属磁性粒子が冷却用ガイド3aに沿って
案内される支持体2上に堆積して形成される下層磁性膜
のカラムの傾きをθ2 が、例えば70°、ルツボ5bか
ら蒸発した金属磁性粒子が冷却用ガイド3bに沿って案
内される下層磁性膜上に堆積して形成される上層磁性膜
のカラムの傾きをθ1 が、例えば95°となるよう、セ
ッティングされている。尚、三層以上の積層型を形成し
ようとすれば、図1の装置を更に発展させれば良い。例
えば、冷却用ガイド3bを中心にして冷却用ガイド3a
と略対称な位置にもう一つ冷却用ガイドをセットし、冷
却用ガイド3bの後、支持体をこれに沿って走行させ、
同様にセットしたルツボから斜め蒸着させれば、三層積
層型のものが得られる。
する装置としては、図1に示す斜め蒸着装置を採用する
ことが出来る。図1中、1aは支持体2の供給側ロー
ル、1bは支持体2の巻取側ロール、3a,3bは冷却
用ガイド、4は支持体2の走行経路に設けられたガイド
ローラ、5a,5bはルツボ、6a,6bは電子銃、7
a,7bは酸化性(酸素)ガス供給ノズル、8は磁性金
属である。尚、冷却用ガイド3a,3bは、ルツボ5a
から蒸発した金属磁性粒子が冷却用ガイド3aに沿って
案内される支持体2上に堆積して形成される下層磁性膜
のカラムの傾きをθ2 が、例えば70°、ルツボ5bか
ら蒸発した金属磁性粒子が冷却用ガイド3bに沿って案
内される下層磁性膜上に堆積して形成される上層磁性膜
のカラムの傾きをθ1 が、例えば95°となるよう、セ
ッティングされている。尚、三層以上の積層型を形成し
ようとすれば、図1の装置を更に発展させれば良い。例
えば、冷却用ガイド3bを中心にして冷却用ガイド3a
と略対称な位置にもう一つ冷却用ガイドをセットし、冷
却用ガイド3bの後、支持体をこれに沿って走行させ、
同様にセットしたルツボから斜め蒸着させれば、三層積
層型のものが得られる。
【0011】このようにして、支持体から一番遠い位置
にある最上層の磁性膜のカラムの傾きをθ1 、最上層の
磁性膜から下1番目にある磁性膜のカラムの傾きを
θ2 、……、最上層の磁性膜から下(k−1)番目にあ
る磁性膜のカラムの傾きをθk 、……、支持体に一番近
い位置にある最下層の磁性膜のカラムの傾きをθn (2
≦k≦n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、0°<θk-1 <90°(あるいは90
°<θk-1 <180°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たす積層金属薄膜型の磁気記録媒体が得られる。
にある最上層の磁性膜のカラムの傾きをθ1 、最上層の
磁性膜から下1番目にある磁性膜のカラムの傾きを
θ2 、……、最上層の磁性膜から下(k−1)番目にあ
る磁性膜のカラムの傾きをθk 、……、支持体に一番近
い位置にある最下層の磁性膜のカラムの傾きをθn (2
≦k≦n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、0°<θk-1 <90°(あるいは90
°<θk-1 <180°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たす積層金属薄膜型の磁気記録媒体が得られる。
【0012】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を説
明する。
明する。
【0013】
〔実施例1〕図2は、本発明になる磁気記録媒体の第1
実施例の概略図である。本実施例の磁気記録媒体は、図
1に示した斜め蒸着装置により得られる。すなわち、非
磁性の支持体(7μm厚さのPETフィルム)2を供給
側ロール1aと巻取側ロール1bとの間に掛け渡し、そ
して冷却用ガイド3a,3bに沿って走行させる。真空
容器内を10-4〜10-6Torr程度の真空度に排気し
た後、電子銃6a,6bからの電子ビーム加熱によりル
ツボ5a,5b内の磁性金属(Co)8を溶融、蒸発さ
せ、支持体上に厚さが800Åでカラムの傾きθ2 が7
0°の下層Co金属磁性膜を形成し、その上に厚さが1
000Åでカラムの傾きθ 1 が95°の上層Co金属磁
性膜を積層形成し、図2に示す積層金属薄膜型の磁気記
録媒体Mを得た。尚、この磁気記録媒体Mの水平方向の
Hcは1400Oe、垂直方向のHcは2300Oe、
Bsは6200Gであった。又、図示はしていないが、
この後通常の工程を経てカーボンブラック含有バインダ
樹脂からなるバックコート層が0.5μm厚さ設けられ
ている。
実施例の概略図である。本実施例の磁気記録媒体は、図
1に示した斜め蒸着装置により得られる。すなわち、非
磁性の支持体(7μm厚さのPETフィルム)2を供給
側ロール1aと巻取側ロール1bとの間に掛け渡し、そ
して冷却用ガイド3a,3bに沿って走行させる。真空
容器内を10-4〜10-6Torr程度の真空度に排気し
た後、電子銃6a,6bからの電子ビーム加熱によりル
ツボ5a,5b内の磁性金属(Co)8を溶融、蒸発さ
せ、支持体上に厚さが800Åでカラムの傾きθ2 が7
0°の下層Co金属磁性膜を形成し、その上に厚さが1
000Åでカラムの傾きθ 1 が95°の上層Co金属磁
性膜を積層形成し、図2に示す積層金属薄膜型の磁気記
録媒体Mを得た。尚、この磁気記録媒体Mの水平方向の
Hcは1400Oe、垂直方向のHcは2300Oe、
Bsは6200Gであった。又、図示はしていないが、
この後通常の工程を経てカーボンブラック含有バインダ
樹脂からなるバックコート層が0.5μm厚さ設けられ
ている。
【0014】〔実施例2〕図3は、本発明になる磁気記
録媒体の第2実施例の概略図である。本実施例の磁気記
録媒体Mは、図1に示した斜め蒸着装置を発展させた装
置を用いて得られたものであり、支持体上に厚さが60
0Åでカラムの傾きθ3 が70°の下層Co−Cr(9
5−5)合金磁性膜を形成し、その上に厚さが600Å
でカラムの傾きθ2 が100°の中層Co−Cr(95
−5)合金磁性膜を形成し、その上に厚さが600Åで
カラムの傾きθ1 が88°の上層Co−Cr(95−
5)合金磁性膜を形成したものである。この磁気記録媒
体Mの水平方向のHcは1680Oe、垂直方向のHc
は2480Oe、Bsは5400Gであった。
録媒体の第2実施例の概略図である。本実施例の磁気記
録媒体Mは、図1に示した斜め蒸着装置を発展させた装
置を用いて得られたものであり、支持体上に厚さが60
0Åでカラムの傾きθ3 が70°の下層Co−Cr(9
5−5)合金磁性膜を形成し、その上に厚さが600Å
でカラムの傾きθ2 が100°の中層Co−Cr(95
−5)合金磁性膜を形成し、その上に厚さが600Åで
カラムの傾きθ1 が88°の上層Co−Cr(95−
5)合金磁性膜を形成したものである。この磁気記録媒
体Mの水平方向のHcは1680Oe、垂直方向のHc
は2480Oe、Bsは5400Gであった。
【0015】〔比較例1〕支持体上に厚さが800Åで
カラムの傾きθ2 が85°の下層Co金属磁性膜を形成
し、その上に厚さが1000Åでカラムの傾きθ1 が1
10°の上層Co金属磁性膜を積層形成し、図4に示す
積層金属薄膜型の磁気記録媒体Mを得た。 〔比較例2〕スパッタ手段により、支持体上に厚さが8
00Åの下層Co金属磁性膜を形成し、その上に厚さが
1000Åの上層Co金属磁性膜を積層形成し、図5に
示す積層金属薄膜型の磁気記録媒体Mを得た。
カラムの傾きθ2 が85°の下層Co金属磁性膜を形成
し、その上に厚さが1000Åでカラムの傾きθ1 が1
10°の上層Co金属磁性膜を積層形成し、図4に示す
積層金属薄膜型の磁気記録媒体Mを得た。 〔比較例2〕スパッタ手段により、支持体上に厚さが8
00Åの下層Co金属磁性膜を形成し、その上に厚さが
1000Åの上層Co金属磁性膜を積層形成し、図5に
示す積層金属薄膜型の磁気記録媒体Mを得た。
【0016】〔特性〕センダスト合金を用いて形成した
対極垂直磁気ヘッドを用い、上記各例の磁気テープに5
MHz,10MHz,20MHzのパルス波を記録し、
これを再生して出力を調べたので、結果を表−1に示
す。 表−1 5MHz(dB) 10MHz(dB) 20MHz(dB) 実施例1 +0.2 +0.7 +1.4 実施例2 +0.3 +0.9 +1.7 比較例1 −0.2 −0.9 −2.3 比較例2 0 0 0 これから判る通り、本発明のものは、高密度記録に適し
たものであり、かつ、再生出力も高い。
対極垂直磁気ヘッドを用い、上記各例の磁気テープに5
MHz,10MHz,20MHzのパルス波を記録し、
これを再生して出力を調べたので、結果を表−1に示
す。 表−1 5MHz(dB) 10MHz(dB) 20MHz(dB) 実施例1 +0.2 +0.7 +1.4 実施例2 +0.3 +0.9 +1.7 比較例1 −0.2 −0.9 −2.3 比較例2 0 0 0 これから判る通り、本発明のものは、高密度記録に適し
たものであり、かつ、再生出力も高い。
【0017】
【効果】再生出力が高く、高密度記録に適したものであ
る。
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を製造する為の斜め蒸着
装置の概略図
装置の概略図
【図2】本発明の磁気記録媒体の概略図
【図3】本発明の磁気記録媒体の概略図
【図4】比較例の磁気記録媒体の概略図
【図5】比較例の磁気記録媒体の概略図
フロントページの続き (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 カラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁
性膜が支持体上にn層(2≦n)積層された磁気記録媒
体であって、 支持体から一番遠い位置にある最上層の磁性膜のカラム
の傾きをθ1 、最上層の磁性膜から下1番目にある磁性
膜のカラムの傾きをθ2 、……、最上層の磁性膜から下
(k−1)番目にある磁性膜のカラムの傾きをθk 、…
…、支持体に一番近い位置にある最下層の磁性膜のカラ
ムの傾きをθn (2≦k≦n)とした場合、 (θ1 の値と90°との差の絶対値)≦(θ2 の値と9
0°との差の絶対値)≦……≦(θk の値と90°との
差の絶対値)≦……≦(θn の値と90°との差の絶対
値) を満たすと共に、 0°<θk-1 <90°(あるいは90°<θk-1 <18
0°)とした場合、 90°<θk <180°(あるいは0°<θk <90
°) を満たすよう形成されてなることを特徴とする磁気記録
媒体。 - 【請求項2】 (θn の値と90°との差の絶対値)≦
40° を満たすよう形成されてなることを特徴とする請求項1
の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 各磁性膜の厚さは500〜1500Å、
全磁性膜の厚さが1000〜5000Åであることを特
徴とする請求項1の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP497195A JPH08194931A (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP497195A JPH08194931A (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08194931A true JPH08194931A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=11598489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP497195A Pending JPH08194931A (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08194931A (ja) |
-
1995
- 1995-01-17 JP JP497195A patent/JPH08194931A/ja active Pending
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