JPH0640361B2 - 垂直磁気記録再生方法 - Google Patents

垂直磁気記録再生方法

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JPH0640361B2
JPH0640361B2 JP60045327A JP4532785A JPH0640361B2 JP H0640361 B2 JPH0640361 B2 JP H0640361B2 JP 60045327 A JP60045327 A JP 60045327A JP 4532785 A JP4532785 A JP 4532785A JP H0640361 B2 JPH0640361 B2 JP H0640361B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は垂直磁気記録再生方法に係り、特に磁気ヘツド
としてリングコアヘツドを用いる垂直磁気記録再生方法
に関する。
従来の技術 一般に、磁気ヘツドにより磁気記録媒体に記録,再生を
行なうには、磁気ヘツドにより磁気記録媒体の磁性層に
その媒体長手方向(面内方向)の磁化を行なわせて記録
し、これを再生するものが汎用されている。しかるに、
これによれば記録が高密度になるに従つて減磁界が大き
くなり減磁作用が高密度記録に悪影響を及ぼすことが知
られている。そこで近年上記悪影響を解消するものとし
て、磁気記録媒体の磁性層に垂直方向に磁化を行なう垂
直磁気記録方法が提案されている。これによれば記録密
度を向上させるに従い減磁界が小さくなり理論的には残
留磁化の減少がない良好な高密度記録を行なうことがで
きる。
従来この垂直磁気記録方法に用いる垂直磁気記録媒体と
しては、ベースフイルム上にCo−Cr膜をスパツタリ
ングにより被膜形成したものがあつた。周知の如く、C
o−Cr膜は比較的高い飽和磁化(Ms)を有し、かつ
膜面に対し垂直な磁化容易軸を持つ(すなわち膜面に対
し垂直方向の抗磁力Hc⊥が大である)ため垂直磁気記
録媒体としては極めて有望な材質であることが知られて
いる。ただし上記の如くスパツタリングによりCo−C
r膜を単層形成した構造の垂直磁気記録媒体の場合、垂
直磁気記録媒体上の所定磁気記録位置に磁束を集中させ
ることができず(特にリングコアヘツドを用いた場合顕
著である)、垂直磁気記録媒体に分布が鋭くかつ強い垂
直磁化ができないという問題点があつた。
また上記問題点を解決するため、Co−Cr膜とベース
フイルムとの間に、いわゆる裏打ち層である高透磁率層
(すなわち抗磁力Hcが小なる層。例えばNi−Fe)
を別個形成して二層構造とし高透磁率層内で広がつてい
る磁束を所定磁気記録位置にて磁気ヘツドの磁極に向け
集中させて吸い込まれることにより分布が鋭くかつ強い
垂直磁化を行ない得る構成の垂直磁気記録媒体があつ
た。
一方、垂直磁気記録再生方法に用いる磁気ヘツドとして
は、垂直磁気記録媒体を補助磁極と主磁極との間に挾ん
で垂直磁気記録再生を行なう補助磁極励磁型ヘツド,補
助磁極を必要とせず垂直磁気記録媒体の片側のみに磁気
ヘツドを配設した片側配置型磁気ヘツド及び従来の磁気
ヘツド(長手方向記録に用いていた磁気ヘツド)と略同
一構成のリングコアヘツドがあつた。
発明が解決しようとする問題点 しかるに上記従来の垂直磁気記録媒体,例えばCo−C
r単層媒体にリングコアヘツドで記録する場合、その磁
界分布は面内方向成分をかなり有しているので記録時に
磁化が傾きやすい。磁化を垂直に維持するために、垂直
磁気記録媒体は高い垂直異方性磁界(Hk)を有し、飽
和磁化(Ms)はある程度小さい値に抑える必要があつ
た。また高い再生出力を実現しようとすると垂直方向の
抗磁力(Hc⊥)を大きくし垂直磁気記録媒体の厚さ寸
法を大とする必要があつた。また厚さ寸法を大とした場
合には垂直磁気記録媒体と磁気ヘツドのいわゆる当たり
(垂直磁気記録媒体と磁気ヘツドの摺接部における摺接
条件)が悪くなり、垂直磁気記録媒体を損傷したり磁気
ヘツドに悪影響が生じ良好な垂直磁気記録再生ができな
いという問題点があつた。
またCo−Cr膜に加え高透磁率層を裏打ち層として形
成された二層構造の垂直磁気記録媒体の場合、Co−C
r膜の抗磁力Hc(700Oe以上)に対して高透磁率層
の抗磁力Hcは極めて小(10Oe以下)となつていたた
め、衝撃性のバルクハウゼンノイズが発生するという問
題点があつた。更に磁気ヘツドとしてリングコアヘツド
を用いた場合リングコアヘツドの磁界分布は面内方向に
多くその成分を有しているため、上記垂直磁気記録媒体
に磁化方向を垂直に記録するためには、垂直磁気記録媒
体の垂直異方性磁界Hkをある程度大きくし、リングコ
アヘツドの飽和磁束密度を大とすることが必要である。
また高い再生出力を得るためには垂直磁気記録媒体の垂
直方向の抗磁力Hc⊥を大きくし、垂直磁気記録媒体の
厚さ寸法を大とする必要がある。しかるに垂直磁気記録
媒体の厚さ寸法を大とすると磁気ヘツドへの当たりが悪
くなるばかりでなく、リングコアヘツドの面内方向に多
くその成分を有する磁束が、垂直磁化層を貫通しないで
面内方向に進み磁気ヘツドの磁極に吸込まれるため十分
な垂直磁気記録が行なわれないという問題があつた。
そこで本発明では磁性材をコーテイングした際、磁性層
が抗磁力の異なる二層に分かれて形成されることに注目
し、この抗磁力の異なる各層を垂直磁化に積極的に利用
すると共にリングコアヘツドにより垂直磁気記録再生を
行なうことにより上記問題点を解決した垂直磁気記録再
生方法を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段及び作用 上記問題点を解決するために本発明では、非磁性体支持
上に、コバルト及びクロムに、ニオブ及びタンタルのう
ちの少なくとも一方を添加してなる面内磁化層と垂直磁
化層を順に設けた垂直磁気記録媒体であって、面内磁化
層の抗磁力を180Oe以下とすると共に垂直磁化層の抗
磁力を200Oe以上とし、かつ、前記媒体の面内ヒステ
リシスループにおける面内方向の角型比が0.2以上0.5以
下であり、前記媒体の全磁性層の厚さ寸法が0.3μm以
下である垂直磁気記録媒体を用い、金属を用いたリング
コアヘツドにより信号の記録/再生を行なう構成とし
た。
上記各手段を講ずることにより、垂直磁気記録媒体はベ
ース上に連続形成された単一薄膜内に高透磁率層と垂直
磁化層が併存する構成となり、単一膜で二層構造の垂直
磁気記録媒体と同様の機能を実現することが可能になる
と共にリングコアヘツドにより鋭い垂直磁化を実現し得
る。
実施例 本発明になる垂直磁気記録媒体(以下単に記録媒体とい
う)は、ベースとなるポリイミド基板上に例えばコバル
ト(Co),クロム(Cr)にニオブ(Nb)及びタン
タル(Ta)のうち少なくとも一方を加えてなる磁性材
をターゲツトとしてスパツタリングすることによつて得
られる。
従来より金属等(例えばCo−Cr合金)をベース上に
スパツタリングした際、被膜形成された薄膜はその膜面
に垂直方向に対して同一結晶構造を形成するのではな
く、ベース近傍の極めて薄い部分にまず小粒径の第一の
結晶層を形成し、その上部に続いて大粒径の第二の結晶
層が形成されることが各種の実験(例えば走査型電子顕
微鏡による写真撮影)により明らかになつてきている
(Edward R.Wuori and Professor J.H.Judy:
“INITIAL LAYER EFFECT IN
CO−CR FILMS”,IEEE Trans.,VO
L.MAG−20,NO.5,SEPTEMBER 1984,
P774〜P775またはWilliam G.Haines:“VSMP
ROFILING OF CoCr FILMS:A
NEW ANALYTICALTECHNIQUE”I
EEE Trans.,VOL,MAG−20,NO.5,SE
PTEMBER 1984,P812〜P814)。本発明者は上
記観点に注目しCo−Cr合金を基とし、またこれに第
三元素を添加した金属を各種スパツタリングし、形成さ
れる小粒径の結晶層とその上部に形成された大粒径の結
晶層との物理的性質を測定した結果、特に第三元素とし
てNbまたはTaを添加した場合、小粒径結晶層の抗磁
力が大粒径結晶層よりも非常に小であることがわかつ
た。本発明ではこの低抗磁力を有する小粒径結晶層を高
透磁率層として用い高抗磁力を有する大粒径結晶層を垂
直磁化層として用いることを特徴とする。
以下本発明者が行なつたスパツタリングにより形成され
た小粒径結晶層と、大粒径結晶層の抗磁力を測定した実
験結果を詳述する。Co−Cr薄膜,Co−Cr−Nb
薄膜及びCo−Cr−Ta薄膜をスパツタリングするに
際し、スパツタリング条件は下記の如く設定した(Nb
またはTaを添加した各場合においてスパツタリング条
件は共に等しく設定した)。
*スパツタ装置 RFマグネトロンスパツタ装置 *スパツタリング方法 連続スパツタリング。予め予備排気圧1×10-6Torrまで
排気した後Arガスを導入し1×10-3Torrとした *ベース ポリイミド(厚さ20μm) *ターゲツト Co−Cr合金上にNbあるいはTaの小片を載置した
複合ターゲツト *ターゲツト基板間距離 110mm なお薄膜の磁気特性は振動試料型磁力計(理研電子製,
以下VSMと略称する)にて、薄膜の組成はエネルギー
分散型マイクロアナライザ(KEVEX社製,以下ED
Xと略称する)にて、また結晶配向性はX線回折装置
(理学電機製)にて夫々測定した。
Co−Crに第三元素としてNbを添加(2〜10at%
添加範囲において同一現象が生ずる)し、ポリイミドベ
ースに0.2μmの膜厚でスパツタリングした記録媒体に
15KOeの磁界を印加した場合の面内方向のヒステリ
シス曲線を第1図に示す。同図より面内方向の抗磁力
(記号Hcで示す)がゼロ近傍部分でヒステリシス曲
線は急激に変則的に立ち上がり(図中矢印Aで示す)、
いわゆる磁化ジヤンプが生じていることがわかる。スパ
ツタリングされたCo−Cr−Nb薄膜がスパツタリン
グ時に常に均一の結晶成長を行なつたと仮定した場合、
第1図に示された磁化ジヤンプは生ずるはずはなく、こ
れよりCo−Cr−Nb薄膜内に磁気的性質の異なる複
数の結晶層が存在することが推測される。
続いて第1図で示した実験条件と同一条件にてCo−C
r−Nbをポリイミドベースに0.05μmの膜厚でスパツ
タリングした記録媒体に15KOeの磁界を印加した場
合の面内方向のヒステリシス曲線を第2図に示す。同図
においては第1図に見られたようなヒステリシス曲線の
磁化ジヤンプは生じておらず0.05μm程度の膜厚におけ
るCo−Cr−Nb薄膜は略均一な結晶となつているこ
とが理解される。これに加えて同図より0.05μm程度の
膜厚における抗磁力Hcに注目するに、抗磁力Hc
は極めて小なる値となつており面内方向に対する透磁率
が大であることが理解される。上記結果よりスパツタリ
ングによりベース近傍位置にはじめに成長する初期層は
抗磁力Hcが小であり、この初期層は走査型電子顕微
鏡写真で確かめられている(前記資料参照)ベース近傍
位置に成長する小粒径の結晶層であると考えられる。ま
た初期層の上方に成長する層は、初期層の抗磁力Hc
より大なる抗磁力Hcを有し、この層は同じく走査型
電子顕微鏡写真で確かめられている大粒径の結晶層であ
ると考えられる。
小粒径結晶層と大粒径結晶層が併存するCo−Cr−N
b薄膜において磁化ジヤンプが生ずる理由を第3図から
第5図を用いて以下述べる。なお後述する如く、磁化ジ
ヤンプは組成率及びスパツタリング条件に関し全てのC
o−Cr−Nb薄膜に大して発生するものではない。所
定の条件下においてCo−Cr−Nb薄膜をスパツタリ
ングにより形成しこの薄膜のヒステリシス曲線を測定に
より描くと第3図に示す如く磁化ジヤンプが現われたヒ
ステリシス曲線となる。また小粒径結晶層のみからなる
ヒステリシス曲線は膜厚寸法を小としたスパツタリング
(約0.075μm以下、これについては後述する)を行な
い、これを測定することにより得ることができる(第4
図に示す)。また大粒径結晶層は均一結晶構造を有して
いると考えられ、かつ第3図に示すヒステリシス曲線は
小粒径結晶層のヒステリシス曲線と大粒径結晶層のヒス
テリシス曲線を合成したものと考えられるため第5図に
示す如く抗磁力Hcが小粒径結晶層よりも大であり、
磁化ジヤンプのない滑らかなヒステリシス曲線を形成す
ると考えられる。すなわち第3図において示されている
磁化ジヤンプの存在は、磁気特性の異なる二層が同一の
薄膜内に形成されていることを示しており、従つて第1
図に示されたCo−Cr−Nb薄膜にも磁気特性の異な
る二層が形成されていることが理解できる。なお大粒径
結晶層の抗磁力は、小粒径結晶層と大粒径結晶層が併存
するCo−Cr−Nb薄膜のヒステリシス曲線から小粒
径結晶層のみのCo−Cr−Nb薄膜のヒステリシス曲
線を差引いて得られるヒステリシス曲線より求めること
ができる。上記各実験結果によりCo−Cr−Nb薄膜
のヒステリシス曲線に磁化ジヤンプが生じている時、磁
気特性の異なる二層が形成されていることが証明された
ことになる。
続いてCo−Cr−Nb薄膜のベース上へのスパツタリ
ングの際形成される上記二層の夫々の磁気的性質をCo
−Cr−Nb薄膜の厚さ寸法に関連させつつ第6図を用
いて以下説明する。第6図はCo−Cr−Nb薄膜の膜
厚寸法をスパツタリング時間を変えることにより制御
し、各膜厚寸法における面内方向の抗磁力Hc,垂直
方向の抗磁力Hc⊥,磁化ジヤンプ量σjを夫々描いた
ものである。
まず面内方向の抗磁力Hcに注目するに、膜厚寸法が
0.08μm以下においては極めて小なる値(150Oe以
下)となつており、面内方向に対する透磁率は高いと考
えられる。また膜厚寸法が大となつても抗磁力Hcは
大きく変化するようにことはない。また磁化ジヤンプ量
σjに注目すると、磁化ジヤンプ量は膜厚寸法が0.075
μmにて急激に立ち上がり0.075μm以上の膜厚におい
ては滑らかな下に凸の放物線形状を描く。更に垂直方向
の抗磁力Hc⊥に注目すると、抗磁力Hc⊥は膜厚寸法
0.05μm〜0.1μmで急激に立ち上がり0.1μm以上の膜
厚寸法では900Oe以上の高い抗磁力を示す。これらの
結果より小粒径結晶層と大粒径結晶層の境は略0.075μ
mの膜厚寸法のところにあり、膜厚寸法が0.075μm以
下の小粒径結晶層は面内方向及び垂直方向に対する抗磁
力Hc,Hc⊥が低い、いわゆる低抗磁力層となつて
おり、また膜厚寸法が0.075μm以上の大粒径結晶層は
面内方向の抗磁力Hcは低いものの垂直方向に対する
抗磁力Hc⊥は非常に高い値を有する、いわゆる高抗磁
力層となつており垂直磁気記録に適した層となつてい
る。更に磁化ジヤンプが生じない膜厚寸法(0.075μm
以下)においては、面内方向及び垂直方向に対する抗磁
力Hc,Hc⊥は低く、これより大なる膜厚寸法(0.
075μm以上)においては垂直方向に対する抗磁力Hc
⊥が急増する。これによつても磁化ジヤンプが生じてい
る場合、Co−Cr−Nb薄膜に磁気特性の異なる二層
が形成されていることが推測される。
次にCo−Crに第三元素としてTaを添加(1〜10
at%添加範囲において同一現象が生ずる)し、上記した
Nb添加した場合と同一の実験を行なつた結果を第7図
に示す。第7図はCo−Cr−Ta薄膜の膜厚寸法をス
パツタリング時間を変えることにより制御し、各膜厚寸
法における面内方向の抗磁力Hc,垂直方向の抗磁力
Hc⊥,磁化ジヤンプ量σjを夫々描いたものである。
同図よりCo−CrにTaを添加した場合も、Co−C
rにNbを添加した場合と略同様な結果が得られ、小粒
径結晶層と大粒径結晶層の境は略0.075μmの膜厚寸法
のところにあり、膜厚寸法が0.075μm以下の小粒径結
晶層は面内方向及び垂直方向に対する抗磁力Hc,H
c⊥が低い(Hc,Hc⊥共に170Oe以下)、いわ
ゆる低抗磁力層となつており、また膜厚寸法が0.075μ
m以上の大粒径結晶層は面内方向の抗磁力Hcは低い
ものの垂直方向に対する抗磁力Hc⊥は非常に高い値
(750Oe以上)となつている。
このように、本発明になる垂直磁気記録再生方法に用い
られる垂直磁気記録媒体によれば、磁化ジヤンプσjが
発生する境界から、膜厚0.075μm、Hc面内の値が180
Oe以下の面内配向層を有していることがわかる。そし
て、0.075μm以上の膜厚では、下層のHc面内の値が1
80Oe以下の面内配向層、上層が高抗磁力を有する垂直
配向層の2重構造をとる。このような2重構造をとった
場合、同じ膜厚で比べると面内ヒステリシスループは後
述する第1図(A),(D)、第13図(A)のような
ジャンプを生じ、比較例である第10図(B),
(C),(E)、第13図(B),(C)に比べ面内ヒ
ステリシスループにおける角型比Mr/Msが大きく
なる。
なお上記実験で注意すべきことは、スパツタリング条件
及びNb,Taの添加量を前記した値(Nb:2〜10
at%,Ta:1〜10at%)より変えた場合磁化ジヤンプ
は生じないが、しかるに磁化ジヤンプが生じないCo−
Cr−Nb薄膜,Co−Cr−Ta薄膜においても小粒
径結晶層及び大粒径結晶層が形成されていることである
(前記資料参照)。磁化ジヤンプが生じないCo−Cr
−Nb薄膜のヒステリシス曲線の一例を第8図に示す。
第8図(A)は小粒径結晶層及び大粒径結晶層を含む面
内方向のヒステリシス曲線であり、第8図(B)は小粒
径結晶層のみの面内方向のヒステリシス曲線,第8図
(C)は大粒径結晶層のみの面内方向のヒステリシス曲
線である。各図より小粒径結晶層の面内方向の残留磁化
Mrは大粒径結晶層の残留磁化Mrよりも大で
あるため、両結晶層を含む残留磁化Mrは大粒径結
晶層の残留磁化Mrのみの時よりも不利となり異方
性磁界Hkが小さくなる。また小粒径結晶層は配向が悪
いこと(Δθ50が大)が知られており、また面内方向の
抗磁力Hcも大で垂直磁気記録には適さない。
ここで上記の如く小粒径結晶層と大粒径結晶層を有する
Co−Cr−Nb薄膜及びCo−Cr−Ta薄膜を垂直
磁気記録媒体として考えた場合、Co−Cr−Nb薄膜
及びCo−Cr−Ta薄膜にその膜面に対し垂直方向に
膜厚の全てに亘つて垂直磁化を行なおうとすると、小粒
径結晶層の存在は垂直磁化に対し極めて不利な要因とな
る(磁化ジヤンプが生じている場合及び磁化ジヤンプが
生じていない場合の相方において不利な要因となる)。
すなわち磁化ジヤンプが生じている場合の小粒径結晶層
は、面内方向及び垂直方向に対する抗磁力Hc,Hc
⊥が共に極めて低く(170Oe以下)、この層において
は垂直磁化はほとんどされないと考えられる。また磁化
ジヤンプが生じていない場合の小粒径結晶層において
も、面内方向の抗磁力Hcは磁化ジヤンプの生じてい
る場合の抗磁力Hcよりは大であるが垂直方向の抗磁
力Hc⊥は垂直磁気記録を実現し得る程の抗磁力はなく
やはり良好な垂直磁化は行なわれないと考えられる。従
つて膜面に対して垂直方向に磁化を行なつても小粒径結
晶層における垂直磁化はほとんど行なわれず、磁性膜全
体としての垂直磁化効率が低下してしまう。この影響は
リングコアヘツドのように磁束の面内成分を多く含む磁
気ヘツドにおいては顕著である。また膜厚寸法に注目す
るに上記Co−Cr−Nb薄膜及びCo−Cr−Ta薄
膜を垂直磁気記録媒体として実用に足る膜厚寸法(約0.
3μm以下)にすると、小粒径結晶層の厚さ寸法は0.1μ
m以下で略一定であるため(実験においては小粒径及び
大粒径結晶層を含む膜厚寸法を小とする小粒径結晶層の
厚さ寸法は若干大となる傾向を示す)、薄膜の膜厚寸法
に対する小粒径結晶層の相対的厚さ寸法が大となり更に
垂直磁化特性が劣化してしまう。
しかるに小粒径結晶層の磁気特性は、面内方向に対する
抗磁力Hcが小であり比較的高い透磁率を有してお
り、これは従来Co−Cr薄膜とベース間に配設した裏
打ち層(例えばFe−Ni薄膜)と似た特性を有してい
る。つまりCo−Cr−Nb薄膜及びCo−Cr−Ta
薄膜の単一膜において、低抗磁力Hcを有する小粒径
結晶層をいわゆる裏打ち層である高透磁率層として用
い、垂直方向に高抗磁力Hc⊥を有する大粒径結晶層を
垂直磁化層として用いることにより単一膜構造において
二層膜構造の垂直磁気記録媒体と等しい機能を実現する
ことが可能であると考えられる。
この点に鑑み、Co−Cr−Nb薄膜及びCo−Cr−
Ta薄膜の組成率を変化させた場合、各薄膜の厚さ寸法
を変化させた場合における磁気特性の変化及び再生出力
の相異を第9図から第16図を用いて以下説明する。第
9図はCo−Cr−Nb薄膜の組成率及び膜厚寸法を変
化させた場合における各種磁気特性を示す図で、第10
図(A)〜(E)は第9図に示した各薄膜のヒステリシ
ス曲線を描いたものである。両図よりCo−Crに第三
元素としてNbを添加した場合でも、磁化ジヤンプ(第
10図(A),(D)に矢印B,Cで示す)が生じてい
る時は垂直磁化に寄与する垂直方向の抗磁力Hc⊥は高
い値となるが磁化ジヤンプが生じていない時は抗磁力H
c⊥は低い値となつている。またCo−Cr−Nb薄膜
の膜厚寸法が小(データでは約1/2)の方が抗磁力Hc
⊥が高い値となつている。これに加えて磁化ジヤンプが
生じている時は垂直異方性磁界Hkが小さく、Mr/
MsはCo−Cr薄膜に比べて大でありかつ膜厚寸法δ
が薄くなるに従つて大なる値となる。これは面内方向に
磁束分布が大であるリングコアヘツドを用いる際不利な
条件と考えられていた。しかるに上記各Co−Cr−N
b薄膜を垂直磁気記録媒体として用いた際の記録波長−
再生出力特性(第11図に示す)を見ると、磁化ジヤン
プが生じているCo−Cr−Nb薄膜の再生出力の方が
磁化ジヤンプの生じていないCo−Cr−Nb薄膜及び
Co−Cr薄膜の再生出力よりも良好となつており、特
に記録波長が短波長領域において顕著である。短波長領
域(記録波長が0.2μm〜1.0μm程度の領域)において
はCo−Cr薄膜及び磁化ジヤンプの生じていないCo
−Cr−Nb薄膜においても再生出力は増加している。
しかるに磁化ジヤンプの生じているCo−Cr−Nb薄
膜は、上記各薄膜の再生出力増加率に対して、それより
も高い再生出力増加率を示しており、磁化ジヤンプの生
じているCo−Cr−Nb薄膜は特に短い記録波長の垂
直磁化に適しているということができる。上記短波長領
域においては再生出力曲線は上に凸の放物線形状をとる
が、その全域において磁化ジヤンプの生じているCo−
Cr−Nb薄膜はCo−Cr薄膜及び磁化ジヤンプの生
じていないCo−Cr−Nb薄膜より大なる再生出力を
得ることができた。なおCo−Cr−Ta薄膜において
もCo−Cr−Nb薄膜と略同様な結果を得られた。第
12図に膜厚寸法の異なるCo−Cr薄膜に対するCo
−Cr−Ta薄膜の磁気特性を示し、第13図(A)〜
(C)に各薄膜の形成する面内方向ヒステリシス曲線
を、また第14図に記録波長−再生出力特性を示す。
上記現象は以下に示す理由に起因して生ずると考えられ
る。Co−Cr−Nb薄膜及びCo−Cr−Ta薄膜
(以下Co−Cr−Nb薄膜とCo−Cr−Ta薄膜を
総称してCo−Cr−Nb(Ta)薄膜という)はスパ
ツタリングによる薄膜形成時に第15図に示す如くベー
ス1近傍に低抗磁力を有する小粒径結晶層2とその上方
に特に垂直方向に高い抗磁力を有する大粒径結晶層3と
二層構造を形成する。磁気ヘツド4から放たれた磁束線
は大粒径結晶層3を貫通して小粒径結晶層2に到り、低
抗磁力でかつ高透磁率を有する小粒径結晶層2内で磁束
は面内方向に進行し、磁気ヘツド4の磁極部分で急激に
磁束が吸い込まれることにより大粒径結晶層3に垂直磁
化がされると考えられる。よつて磁束が形成する磁気ル
ープ第15図に矢印で示す如く、馬蹄形状となり所定垂
直磁気記録位置において大粒径結晶層3に磁束が鋭く貫
通するため、大粒径結晶層3には残留磁化の大なる垂直
磁化が行なわれる。ここで磁化ジヤンプが生じている場
合と生じていない場合における小粒径結晶層2の面内方
向の抗磁力Hcに注目すると、第9図及び第12図に
示される如く磁化ジヤンプが生じている場合の面内方向
の抗磁力Hcは磁化ジヤンプが生じていない場合の抗
磁力Hcより小なる値となつている。周知の如く小粒
径結晶層2がいわゆる裏打ち層として機能するためには
低抗磁力,高透磁率を有することが望ましく、よつて磁
化ジヤンプの生じているCo−Cr−Nb(Ta)薄膜
の方が再生出力が良好であると推測される。またCo−
Cr−Nb(Ta)薄膜の膜厚寸法に注目すると、膜厚
寸法を大とすることは大粒径結晶層3の厚さ寸法を大と
することであり(小粒径結晶層2の厚さ寸法は略一定で
ある)、これを大とすることにより磁気ヘツド4と小粒
径結晶層2の距離が大となり、小粒径結晶層2による磁
束の吸込み効果はわずかで第16図に矢印で示す如く磁
気ヘツド4から放たれた磁力線は小粒径結晶層2に到る
ことなく大粒径結晶層3を横切つて磁気ヘツド4の磁極
に吸い込まれる。従つて垂直方向に対する磁化は分散さ
れた弱いものとなり良好な垂直磁化は行なわれない。し
かるにCo−Cr−Nb(Ta)薄膜の膜厚寸法を小と
すると、磁気ヘツド4と小粒径結晶層2の距離が小とな
り、小粒径結晶層2による磁束の吸込み効果が大となり
磁気ヘツド4から放たれた磁束は小粒径結晶層2に確実
に進行し上記馬蹄形の磁気ループを形成する。即ち、垂
直磁化に寄与する磁束は馬蹄形の極めて鋭い磁界である
ので残留磁化は大となり良好な垂直磁化が行なわれると
考えられる。すなわちCo−Cr−Nb(Ta)薄膜の
膜厚寸法を小とした方が(記録媒体の厚さを薄くした方
が)良好な垂直磁化を行なうことができ、これにより磁
気ヘツド4とのいわゆる当たりの良好な薄い記録媒体を
実現することができる(本発明者の実験によると膜厚寸
法が0.1μm〜0.3μm程度の寸法まで高出力を保持でき
た)。これに加えて上記の如く高抗磁力を有する層と低
抗磁力を有する層を形成するCo−Cr−Nb(Ta)
薄膜は連続スパツタリングにより形成されるため、二層
構造を形成させるためにわざわざスパツタリング条件を
変えたりターゲツトを取換える作業等は不用でCo−C
r−Nb(Ta)薄膜の形成工程を容易にし得ると共に
スパツタリング時間を短くし得、低コストでかつ量産性
をもつて垂直磁気記録媒体を製造することができる。更
に小粒径結晶層2の面内方向の抗磁力Hcは第6図,
第7図より10OE〜50Oe程度であり大粒径結晶層3の
抗磁力Hc⊥に対して極端に小なる値ではないため衝撃
性のバルクハウゼンノイズが発生することもなく良好な
垂直磁気記録再生を行ない得る。
このように、本発明になる垂直磁気記録再生方法に用い
られる垂直磁気記録媒体によれば、第9図,第12図よ
り明らかな如く、実施例1〜3の場合、面内配向の膜厚
寸法は、ほぼ一定の0.075μmであるので、全体の膜厚
が0.105μmから0.19μmに厚くなった場合は、面内配
向層が面内ヒステリシスループに及ぼす磁化の割合は小
さくなり、面内ヒステリシスループににおける角型比M
r/Msが0.46から0.24まで大きく変化する。
一方、比較例1〜5の場合、低い抗磁力の面内配向層を
有していないので、膜厚寸法が0.10μmから0.20μmに
厚くなった場合でも面内ヒステリシスループにおける角
型比Mr/Msは0.24から0.19まで変化するにすぎな
い。すなわち、角型比が大きく変化することはない。
ここで磁気ヘツド4に注目するに第11図及び第14図
に示す実験においては軟磁性材であるセンダスト(登録
商標)よりなるリングコアヘツドを用いた。リングコア
ヘツドは構造が簡単であり比較的安価に製造し得る磁気
ヘツドであり、かつ垂直磁気記録媒体に対し片面のみに
摺接するよう配設されるため、高密度記録化が望まれる
多くの機器(例えばビデオテープレコーダ等)に用いる
ことができる。また、センダストは周知の如く高飽和磁
束密度(8000G以上)を有し、従つて鋭い垂直磁化が期
待できる。磁化ジヤンプの生じているCo−Cr−Nb
薄膜及びCo−Cr薄膜にセンダストリングコアヘツド
4にて記録再生を行なつた場合の記録波長と再生出力の
関係を第17図,第19図に(第17図にCo−Cr−
Nb薄膜を第19図にCo−Cr−Ta薄膜を示す)、
また磁化ジヤンプの生じているCo−Cr−Nb(T
a)薄膜にセンダストリングコアヘツド及びフエライト
リングコアヘツドにて記録再生を行なつた場合の記録波
長と再生出力の関係を第18図,第20図に示す(第1
8図にCo−Cr−Nb薄膜を第20図にCo−Cr−
Ta薄膜を示す)。第17図,第18図,第19図及び
第20図より磁化ジヤンプの生じているCo−Cr−N
b(Ta)薄膜とセンダストリングコアヘツドの組合せ
で記録再生を行なつた再生出力の方が他の組合せの場合
よりも全記録波長域において高い値となつている。特に
記録波長が1μm〜0.2μmの短波長領域において上記
現象は顕著である。第9図,第12図に示す如くCo−
Cr薄膜とCo−Cr−Nb(Ta)薄膜は、その磁気
特性(飽和磁化Ms,垂直方向の抗磁力Hc⊥)がさほ
ど変わらないにも係わらず、再生出力に大なる差が生ず
るのは磁化ジヤンプの生じているCO−Cr−Nb(T
a)薄膜が前述の如く、低抗磁力を有する小粒径結晶層
と高抗磁力を有する大粒径結晶層の二層構造をとり、低
抗磁力を有する小粒径結晶層がセンダストリングコアヘ
ツドの垂直方向磁束成分を強め、かつ高抗磁力を有する
大粒径結晶層の内部の減磁界を減少させるためと考えら
れる。またリングコアヘツドの材質に注目すると第18
図及び第20図より、フエライトリングコアヘツドを用
いた場合は記録波長の短波長領域においても再生出力の
向上は見られずセンダストリングコアヘツドに比較し短
波長領域の出力劣化が目立つ。これはフエライトがセン
ダストに比較し飽和磁束密度が低いため小粒径結晶層の
磁束の吸込み効果が不十分で磁束が小粒径結晶層に到つ
ていないことに起因すると推測される。
すなわち磁化ジヤンプの生じているCo−Cr−Nb
(Ta)薄膜と高飽和磁束密度を有するセンダストリン
グコアヘツドが効果を発揮するのは、小粒径結晶層が面
内方向の抗磁力Hcが小さい層として有効に機能する
時、すなわちセンダストリングコアヘツドの磁界が十分
に小粒径結晶層に届く時であると考えられる。従つてセ
ンダストリングコアヘツドのギヤツプ幅に対してCo−
Cr−Nb(Ta)薄膜の膜厚寸法が薄い時、またリン
グコアヘツドの飽和磁束密度がBsが十分に大である場
合に再生出力は大となる。上記理由により記録媒体とし
て磁化ジヤンプの生じているCO−Cr−Nb(Ta)
薄膜を用い、かつ磁気ヘツドとして高飽和磁束密度を有
するセンダストリングコアヘツドを用いることは垂直磁
気記録再生に極めて有効であるばかりでなく、記録媒体
の厚さを薄くすることが再生出力を向上させるための要
件となり、磁気ヘツドとの当たりの面からも再生出力向
上の面からも有利となる。
発明の効果 上述の如く、本発明になる垂直磁気記録再生方法によれ
ば、非磁性支持体上に、コバルト及びクロムに、ニオブ
及びタンタルのうちの少なくとも一方を添加してなる面
内磁化層と垂直磁化層を順に設けた垂直磁気記録媒体で
あって、面内磁化層の抗磁力を180Oe以下とすると共
に垂直磁化層の抗磁力を200Oe以上とし、かつ、前記
媒体の面内ヒステリシスループにおける面内方向の角型
比が0.2以上0.5以下であり、前記媒体の全磁性層の厚さ
寸法が0.3μm以下である垂直磁気記録媒体に金属を用
いたリングコアヘツドにより信号の記録/再生を行なう
ことにより、垂直磁気記録媒体の厚さを薄くした場合高
抗磁力を有する層における磁気抵抗は小となり磁気ヘツ
ドより放たれた磁束は容易に低抗磁力を有する層に進入
し水平方向へ進行した後磁気ヘツドの磁極に急激にかつ
鋭く高抗磁力を有する層を貫通して磁気ヘツドの磁極に
吸い込まれるため、高抗磁力を有する層には強い残留磁
化が生じ高い再生出力を実現し得る垂直磁気記録再生を
行なうことができ、これに加え記録波長が短い時に特に
すぐれた垂直磁化が行なわれ良好な再生出力を得ること
ができ、また低い抗磁力を有する層は磁化ジヤンプが生
じている、すなわち面内方向に対する抗磁力が小で、か
つ高い透磁率を有する層であるため、いわゆる裏打ち層
として確実に機能すると共にその抗磁力は高抗磁力を有
する層の抗磁力に対して極端に小なる値ではないため衝
撃性のバルクハウゼンノイズが発生することもなく良好
な垂直磁気記録再生が行なわれ、更に上記磁気特性の異
なる二層構造を有する垂直磁気記録媒体の特に低い抗磁
力を有する層は面内方向の抗磁力の小さい層として有効
に機能するためリングコアヘツドの垂直方向磁束成分は
強められ小粒径結晶層に容易に到り、この密度の高い磁
束はリングコアヘツドの磁極にて急激に吸い込まれるた
め高抗磁力を有する層に強い残留磁化が生じ高い再生出
力を実現できる垂直磁化を行ない得、これに加えてリン
グコアヘツドから放たれる磁束を有効に低い抗磁力を有
する層に確実に進入させるには高抗磁力を有する層を垂
直磁化層として機能する範囲において極力薄くする必要
があり、従つて高抗磁力を有する層を薄くした方が再生
出力が向上するため垂直磁気記録媒体の厚さ寸法を小と
することができリングコアヘツドとの当たりを良好なも
のとすることができる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明になる垂直磁気記録再生方法に用いられ
る垂直磁気記録媒体の一実施例の磁性膜であるCo−C
r−Nb薄膜のヒステリシス曲線を示す図、第2図は小
粒径結晶層のヒステリシス曲線を示す図、第3図から第
5図は磁化ジヤンプが生ずる理由を説明するための図、
第6図はCo−Cr−Nb薄膜が二層構造となつている
こと及び各層の磁気特性を示す図、第7図はCo−Cr
−Ta薄膜が二層構造となつていること及び各層の磁気
特性を示す図、第8図は磁化ジヤンプが生じていないC
o−Cr−Nb薄膜のヒステリシス曲線の一例を示す
図、第9図はCo−Cr薄膜及びCo−Cr−Nb薄膜
の組成率及び膜厚寸法を変化させた場合における各種磁
気特性を示す図、第10図は第9図に示した各薄膜のヒ
ステリシス曲線を示す図、第11図はCo−Cr−Nb
薄膜及びCo−Cr薄膜に垂直磁気記録再生を行なつた
時の記録波長と再生出力の関係を示す図、第12図はC
o−Cr薄膜及びCo−Cr−Ta薄膜の所定膜厚寸法
における磁気特性を示す図、第13図は第12図に示し
た各薄膜のヒステリシス曲線を示す図、第14図は第1
2図におけるCo84.8 Cr13.4 Ta1.8薄膜及びC
o81 Cr19薄膜(δ=0.10μm)に垂直磁気記録再生
を行なつた時の記録波長と再生出力の関係を示す図、第
15図は本発明になる垂直磁気記録再生方法に用いられ
る垂直磁気記録媒体の厚さ寸法を小とした場合に磁束が
形成する磁気ループを示す図、第16図は本発明になる
垂直磁気記録再生方法に用いられる垂直磁気記録媒体の
厚さ寸法を大とした場合に磁束が形成する磁気ループを
示す図、第17図はCo−Cr−Nb薄膜及びCO−C
r薄膜にセンダストリングコアヘツドにて垂直磁気記録
再生を行なつた際の記録波長と再生出力の関係を示す
図、第18図はCo−Cr−Nb薄膜にセンダストリン
グコアヘツド及びフエライトリングコアヘツドにて垂直
磁気記録再生を行なつた際の記録波長と再生出力の関係
を示す図、第19図はCo−Cr−Ta薄膜及びCO−
Cr薄膜にセンダストリングコアヘツドにて垂直磁気記
録再生を行なつた際の記録波長と再生出力の関係を示す
図、第20図はCo−Cr−Ta薄膜にセンダストリン
グコアヘツド及びフエライトリングコアヘツドにて垂直
磁気記録再生を行なつた際の記録波長と再生出力の関係
を示す図である。 1……ベース、2……小粒径結晶層、3……大粒径結晶
層、4……磁気ヘツド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今岡 英一郎 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、コバルト及びクロム
    に、ニオブ及びタンタルのうちの少なくとも一方を添加
    してなる面内磁化層と垂直磁化層を順に設けた垂直磁気
    記録媒体であって、面内磁化層の抗磁力を180Oe以下
    とすると共に垂直磁化層の抗磁力を200Oe以上とし、
    かつ、前記媒体の面内ヒステリシスループにおける面内
    方向の角型比が0.2以上0.5以下であり、前記媒体の全磁
    性層の厚さ寸法が0.3μm以下である垂直磁気記録媒体
    に、金属を用いたリングコアヘッドにより信号を記録/
    再生することを特徴とする垂直磁気記録再生方法。
  2. 【請求項2】該リングコアヘッドは、センダスト(登録
    商標)よりなることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の垂直磁気記録再生方法。
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