JPH0819236B2 - 全芳香族共重合ポリイミドエステル及びその製法 - Google Patents

全芳香族共重合ポリイミドエステル及びその製法

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JPH0819236B2
JPH0819236B2 JP24447688A JP24447688A JPH0819236B2 JP H0819236 B2 JPH0819236 B2 JP H0819236B2 JP 24447688 A JP24447688 A JP 24447688A JP 24447688 A JP24447688 A JP 24447688A JP H0819236 B2 JPH0819236 B2 JP H0819236B2
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日出夫 林
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は寸法安定性に優れた熱可塑性の全芳香族共重
合ポリイミドエステルおよびその製法に関する。さらに
詳しくは、流動方向(MD)とそれに直角方向(TD)共に
優れた寸法安定性、寸法精度を要求される電気・電子部
品などに好適に用いられる新規なポリイミドエステルに
関する。
〔従来の技術〕
近年、MDで線膨張係数が極めて小さい熱可塑性樹脂が
知られるようになった。これらはサーモトロピック液晶
高分子と呼ばれる一群の樹脂で、例えば、特開昭54−77
691号公報などに記載されている全芳香族共重合ポリエ
ステルなどを挙げることができる。
これらのポリエステルはMDでの線膨張係数は小さい
が、TDでは線膨張係数は通常の熱可塑性樹脂と同程度で
あり、寸法安定性が十分であるとはいえなかった。
また、重合体分子中に、イミド結合とエステル結合を
含むポリイミドエステルはよく知られている。例えば、
米国特許第3542731号明細書には耐熱性の高いものが、
特開昭58−67725号公報には、耐熱性、機械的物性、加
工性の改良されたものが、特開昭55−84326号公報には
高弾性率のものが、特開昭58−11322号公報には強靭性
のものが、特開昭60−4531号公報には高剛性のものが記
載されているが、これらのポリイミドエステルも寸法安
定性が十分であるとはいえなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はMDとTD共に優れた寸法安定性、寸法精度を有
する新規な熱可塑性の全芳香族共重合ポリイミドエステ
ル及びその好適な製法を提供することを目的とするもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を
行い、芳香族ポリエステルに特定のイミド基を導入して
得られたポリイミドエステルにより前記目的が達成され
ることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記I、II A、III及びIVの式で
表される構造単位 (ここで、単位II Aの−O−基とイミド基、及び単位IV
の2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ位又はメ
タ位に存在する。また単位I、II A、III及びIVの両端
はエステル結合により連結される。)からなり、I:II A
+III+IVのモル比が20:80〜90:10であり、II A:IIIの
モル比が0.1:99.9〜99.9:0.1であり、II A+IIIとIVは
等モルであり、剪断応力0.025MPa(メガパスカル)、30
0〜400℃における溶融粘度が1.0〜1.0×105Pa・s(パ
スカル・秒)である熱可塑性の全芳香族共重合ポリイミ
ドエステル(ポリイミドエステルA)を提供するもので
ある。
本発明はまた、下記I、II B、III及びIVの式で表さ
れる構造単位 (ここで、単位II Bのカルボニル基とイミド基、及び単
位IVの2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ位又
はメタ位に存在する。また単位I、II B、III及びIVの
両端はエステル結合により連結される。)からなり、I
+II B:III+IVのモル比が20:80〜90:10であり、I:II B
のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1であり、IIIとIVは等モ
ルであり、剪断応力0.025MPa、300〜400℃における溶融
粘度が1.0〜1.0×105Pa・sである熱可塑性の全芳香族
共重合ポリイミトエステル(ポリイミドエステルB)を
提供するものである。
本発明のポリイミドエステル(ポリイミドエステルA
及びポリイミドエステルB)は、熱可塑性であり、MD、
TD共に優れた寸法安定性、寸法精度を有している。
本発明のポリイミドエステルにおいて、構造単位のモ
ル比が前記した範囲外になると目的とする寸法安定性、
寸法精度を十分満足できなくなる。また、イミド含有成
分II A又はII Bと他の成分I+III+IVとのモル比は通
常、0.1:99.9〜30:70、好ましくは0.5:99.5〜20:80であ
る。この場合II A又はII Bのモル比が0.1未満だと、線
膨張係数、収縮率などの方向性改良効果がなく、30モル
%を超えると強度が低下するなどの不都合が生じる。
また、本発明のポリイミドエステルは剪断応力0.025M
Pa、300〜400℃における溶融粘度が1.0〜1.0×105Pa・
sのものであり、熱可塑性であり、射出成形等成形が容
易である。
本発明のポリイミドエステルAは例えば下記I′、
V、III′及びIV′で表される化合物を、 (式中、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又は
R1CO、R2CO、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R2
R3、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭
化水素基を表す。また、化合物VのY2O基とイミド基、
及び化合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ互い
にパラ位又はメタ位に存在する。) I′:V+III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、V:II
I′のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、V+III′とIV′が
等モルとなるように反応させ、一般式YpOZq(pは1〜
5、qは1〜3の符号)で示される化合物を脱離させる
ことにより製造することができる。
また、下記I′、V′、III′及びIV′で表される化
合物を、 (式中、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又は
R1CO、R2CO、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R2
R3、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭
化水素基を表す。また、化合物V′のY2O基とアミド
基、及び化合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ
互いにパラ位又はメタ位に存在する。) I′:V+III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、V′:
III′のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、V′+III′とI
V′が等モルとなるように反応させ、化合物V′のイミ
ド環化と一般式YpOZq(pは1〜5、qは1〜3の符
号)で示される化合物の脱離を行うことによっても製造
することができる。さらに、本発明のポリイミドエステ
ルBは、I′、VI、III′及びIV′で表される化合物
を、 (式中、Y1、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又はR1C
O、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R3、R4及びR5
はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表し、Z1、Z2
Z3及びZ4はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭化水素基
を表す。また、化合物VIのZ4OOC基とアミド基、及び化
合物VIの2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ位
又はメタ位に存在する。) I′+VI:III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、
I′:VIのモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、III′とIV′が
等モルとなるように反応させ、一般式YpOZq(pは1、
3、4、5、qは1〜4の符号)で示される化合物を脱
離させることにより製造することができる。
さらにまた、下記I′、VI′、III′及びIV′で表さ
れる化合物を、 (式中、Y1、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又はR1C
O、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R3、R4及びR5
はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表し、Z1、Z2
Z3及びZ4はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭化水素基
を表す。また、化合物VIのZ4OOC基とアミド基、及び化
合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ
位又はメタ位に存在する。) I′+VI′:III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、
I′:VI′のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、III′とIV′
が等モルとなるように反応させ、化合物VI′のイミド環
化と一般式YpOZq(pは1、3、4、5、qは1〜4の
符号)で示される化合物の脱離を行うことにより製造す
るともできる。
原料I′としては、パラヒドロキシ安息香酸あるいは
これをR1COOH誘導体(R1は前記と同じ意味を有する。)
を用いてアシル化して得られた化合物、あるいはパラヒ
ドロキシ安息香酸をZ1OH(Z1は前記と同じ意味を有す
る。)を用いてエステル化して得られた化合物が挙げら
れる。これらの中でパラヒドロキシ安息香酸、パラアセ
トキシ安息香酸が好ましく用いられる。
原料〔V〕としては、種々の製造法により得られた前
記イミド化合物が用いられる。製造方法としては、例え
ば一般式 〔式中、Y3は前記と同じ意味を有する〕で示される、ヒ
ドロキシフタル酸無水物誘導体と、一般式 〔式中、Y2は前記と同じ意味を有する。)で表される芳
香族アミノ化合物誘導体との反応により一般式 〔式中、Y2およびY3は前記と同じ意味を有する。〕で示
されるアミド酸を生成させ、次いでこれを脱水、環化す
ることにより、式Vのイミド化合物が得られる。
原料〔VI〕としては、種々の製造法により得られた前
記イミド化合物が用いられる。製造方法としては、例え
ば一般式 〔式中、Y3は前記と同じ意味を有する〕で示される、ヒ
ドロキシフタル酸無水物誘導体と、一般式 〔式中、Z2は前記と同じ意味を有する。)で表される芳
香族アミノ化合物誘導体との反応により一般式 〔式中、Y3は前記と同じ意味を有する。〕で示されるア
ミド酸を生成させ、次いでこれを脱水、環化することに
より、式VIのイミド化合物が得られる。
上記のヒドロキシフタル酸無水物誘導体〔A〕と、芳
香族アミノ化合物誘導体〔B〕、〔C〕の反応は、両成
分を好ましくは溶液として接触させるだけで容易に進行
し、難溶性のアミド酸〔V〕、〔VI〕を生成し、通常は
沈澱として析出する。反応は室温で十分に進行するが好
ましい反応温度条件は−50℃〜100℃の範囲であり、多
くの場合0〜80℃の範囲で実施される。反応は短時間で
進行し、通常特別な触媒の存在を必要としない。
上記で示されるアミド酸の脱水環化には種々の方法が
用いられている。具体的な例としては、(1)カルボン
酸無水物の共存下に脱水環化する方法、(2)脱水作用
を有する無機酸およびその縮合物により脱水環化する方
法、(3)酸触媒存在下における共沸脱水環化する方
法、(4)特殊な脱水剤を使用する環化法、(5)加熱
による脱水環化法などが挙げられる。
式〔V〕〔VI〕においてY2、Y3及びZ4が水素以外の基
であるイミド化合物はそれぞれの対応する置換基を有す
る式〔A〕および式〔B〕の各出発原料を用い反応によ
っても得るこもでき、また式〔V〕〔VI〕のY2、Y3及び
Z4が水素であるイミド化合物から二次的に誘導すること
もできる。
原料〔III〕′としてはハイドロキノン、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニルあるいは各々をR4COOCOR4もしくはR
5COOCOR5を用いてアシル化を行った化合物が用いられ
る。好ましくは、ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキ
シビフィニル、1,4−ジアセトキシベンゼン、4,4′−ジ
アセトキシビフェニルなどが用いられる。
原料IV′としては、テレフタル酸誘導体、イソフタル
酸誘導体、あるいは各々をZ2OH、Z3OH(Z2、Z3は前記と
同じ意味を有する。)を用いてエステル化を行った化合
物が用いられる。好ましくは、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルな
どが用いられる。
化合物I′、III′、IV′においてY1、Y4、Y5及び
Z1、Z2、Z3が水素以外の基である化合物は、それぞれ個
別に合成してもよいし、同時に合成してもよい。
化合物I′、V又はVI(V′又はVI′)、III′及びI
V′の反応は、通常200〜400℃、好ましくは230〜370℃
の温度で、通常大気圧以下で行われ、重縮合の後半段階
では好ましくは300〜0.01Torrで行われる。反応時間
は、目的とするポリマーの溶融粘度に応じて、通常数分
〜数10時間行われる。反応温度でのポリマーの劣化を回
避するためには数分〜数時間とすることが好ましい。
上記反応には触媒は特に必要としないが、適当な重縮
合触媒、例えば、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムな
どが使用できる。
反応原料の添加時期については、最初の段階で全ての
反応原料を混合して反応を行ってもよいし添加時期を変
えて反応を行ってもよい。この結果、ポリイミドエステ
ル組成分布を制御することができ、ランダムコポリエス
テル、ブロックコポリエステルまで任意に制御すること
が可能である。
上記のように反応を行って、式YpOZq(p、qは1〜
5の符号)で表される化合物を脱離させて反応を完結さ
せる。Yp中のRpおよびZqの具体的な例としては、メチ
ル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、n−アミル、ne
o−ペンチル、n−ヘキシル、iso−オクチル、ノニル、
デシル、フェニル、トリル、ナフチル、アリル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシルなどの基を挙げることができ
る。
本発明により得られたポリイミドエステルは、通常の
成形温度(400℃以下)で射出成形することができ、ま
た、押出成形、圧縮成形、紡糸など一般的に熱可塑性樹
脂に用いられる成形法がいずれも可能である。さらに、
成形品は適当な温度と時間、熱処理することもできる。
従って、本発明のポリイミドエステルは寸法精度、寸
法安定性を要求される精密射出成形部品、フィラメン
ト、フイルム、シートなどの材料として有用である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
合成例1 無水ヒドロキシフタル酸29.54g(0.18モル)とp−ア
ミノフェノール19.64g(0.18モル)を200mlのDMFに溶解
する。DMF還流開始後ただちに黄色粉末結晶を析出し
た。2時間還流した後、冷却した。濾過してDMFで洗浄
した後、アセトンで洗浄して乾燥した。元素分析値は以
下の通りであった。理論値(実測値)C:65.9(65.8)、
H:3.6(3.6)、N:5.5(5.5) 実施例1 無水ヒドロキシフタル酸 4.10g(0.025モル) p−アミノフェノール 2.73g(0.025モル) メチルエチルケトン 100ml をタブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物V′(Y2、Y3:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 207.18g(1.5モル) ジヒドロキシビフェニル 79.14g(0.475モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、20分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.6 3.5 0.1実測値(%) 72.5 3.2 0.1 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
高化式フローテスター(島津フローテスター、CFT−5
00)を用いて直径1.0mm、L/D=10のダイを使って10kgf/
cm2の押出圧力にて、370℃における溶融粘度を測定した
ところ54Pa・sであった。
このポリマーをリンカム社製ホットステージ付のニコ
ン製偏光顕微鏡を用いて観察したところ、溶融状態で光
学異方性が示された。
実施例2 無水ヒドロキシフタル酸 12.31g(0.075モル) p−アミノフェノール 8.18g(0.075モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物V′(Y2、Y3:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 207.18g(1.5モル) ジヒドロキシビフェニル 79.14g(0.475モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その数系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、13分間重合を進行させた。得られたポリマ
ー溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.2 3.5 0.3実測値(%) 72.0 3.4 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、191Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
得られたポリマーのIRスペクトルを第1図に示す。
実施例3 無水ヒドロキシフタル酸 20.52g(0.125モル) m−アミノフェノール 13.64g(0.125モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物V′(Y2、Y3:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 207.18g(1.5モル) ジヒドロキシビフェニル 46.55g(0.25モル) ハイドロキノン 13.76g(0.125モル) テレフタル酸 41.53g(0.25モル) イソフタル酸 41.53g(0.25モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、5分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 71.2 3.4 0.5実測値(%) 71.2 3.3 0.5 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、310Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例4 無水ヒドロキシフタル酸 41.03g(0.25モル) p−アミノフェノール 27.28g(0.25モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物V′(Y2、Y3:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 207.18g(1.5モル) ジヒドロキシビフェニル 46.55g(0.25モル) テレフタル酸 41.53g(0.25モル) イソフタル酸 41.53g(0.25モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、5分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 70.9 3.3 1.0実測値(%) 70.7 3.1 0.9 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、462Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例5 無水ヒドロキシフタル酸 12.31g(0.075モル) p−アミノフェノール 8.18g(0.075モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物V′(Y2、Y3:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 172.65g(1.25モル) ジヒドロキシビフェニル 102.42g(0.55モル) テレフタル酸 74.76g(0.45モル) イソフタル酸 29.07g(0.175モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、11分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.8 3.5 0.3実測値(%) 72.8 3.4 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、381Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例6 無水ヒドロキシフタル酸 12.31g(0.075モル) p−アミノフェノール 8.18g(0.075モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物V′(Y2、Y3:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 241.71g(1.75モル) ジヒドロキシビフェニル 55.86g(0.3モル) テレフタル酸 33.23g(0.2モル) イソフタル酸 29.07g(0.175モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、7分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 71.6 3.4 0.3実測値(%) 71.6 3.3 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、115Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例7 p−ヒドロキシ安息香酸 207.18g(1.5モル) ジヒドロキシビフェニル 79.14g(0.425モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 化合物〔V:4−ヒドロキシ−N−(p−ヒドロキシフェ
ニル)フタルイミド〕 19.14g(0.075モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温し
1時間無水酢酸の還流を行った。続いて90分間で350℃
まで昇温し、酢酸を留去させ、重合を進行させた。その
後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2Torrに減圧
し、5分間重合を進行させた。得られたポリマーを溶融
状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.2 3.5 0.3実測値(%) 72.0 3.2 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、196Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例8 p−アセトキシ安息香酸 270.24g(1.5モル) 4,4′−ジアセトキシビフェニル 114.87g(0.425モ
ル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 化合物〔V:4−アセトキシ−N−(p−アセトキシフェ
ニル)フタルイミド〕 25.45g(0.075モル) をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、窒素気流下で、撹拌しながら90分間で350℃ま
で昇温し酢酸を留去させ、重合を進行させた。その後系
内を100Torrに減圧し30分間、さらに2Torrに減圧し、9
分間重合を進行させた。得られたポリマーを溶融状態で
取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.2 3.5 0.3実測値(%) 72.1 3.5 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、221Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
合成例2 無水ヒドロキシフタル酸29.54g(0.18モル)とp−ア
ミノ安息香酸24.69g(0.18モル)を200mlのDMFに溶解す
る。DMF還流開始後ただちに黄色粉末結晶を析出した。
2時間還流した後、冷却した。濾過してDMFで洗浄した
後、アセトンで洗浄して乾燥した。元素分析値は以下の
通りであった。理論値(実測値)C:63.6(63.6)、H:3.
2(3.2)、N:4.9(4.8) 実施例9 無水ヒドロキシフタル酸 4.10g(0.025モル) p−アミノ安息香酸 3.43g(0.025モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物VI′(Y6、Z4:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 203.73g(1.475モル) ジヒドロキシビフェニル 93.11g(0.5モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、18分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.7 3.6 0.1実測値(%) 72.5 3.5 0.1 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、381Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例10 無水ヒドロキシフタル酸 12.31g(0.075モル) p−アミノ安息香酸 10.29g(0.075モル)メチルエチ
ルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物VI′(Y6、Z4:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 196.82g(1.425モル) ジヒドロキシビフェニル 93.11g(0.5モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、14分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.6 3.5 0.3実測値(%) 72.4 3.5 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、201Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
得られたポリマーのIRスペクトルを第2図に示す。
実施例11 無水ヒドロキシフタル酸 20.52g(0.125モル) p−アミノ安息香酸 17.14g(0.125モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物VI′(Y6、Z4:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 189.92g(1.375モル) ジヒドロキシビフェニル 69.83g(0.375モル) ハイドロキノン 13.76(0.125モル) テレフタル酸 41.55g(0.25モル) イソフタル酸 41.55g(0.25モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、6分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 71.8 3.5 0.5実測値(%) 71.4 3.4 0.4 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、360Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例12 無水ヒドロキシフタル酸 41.03g(0.25モル) p−アミノ安息香酸 34.29g(0.25モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物VI′(Y6、Z4:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 172.65g(1.25モル) ジヒドロキシビフェニル 93.11g(0.5モル) テレフタル酸 41.53g(0.25モル) イソフタル酸 41.53g(0.25モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、3分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.1 3.4 0.9実測値(%) 72.2 3.4 0.9 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、415Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例13 無水ヒドロキシフタル酸 12.31g(0.075モル) p−アミノ安息香酸 10.29g(0.075モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物VI′(Y6、Z4:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 162.29g(1.175モル) ジヒドロキシビフェニル 116.38g(0.625モル) テレフタル酸 74.76g(0.45モル) イソフタル酸 29.07g(0.175モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、13分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 73.2 3.6 0.3実測値(%) 73.0 3.7 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、416Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例14 無水ヒドロキシフタル酸 12.31g(0.075モル) p−アミノ安息香酸 10.29g(0.075モル) メチルエチルケトン 100ml をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、室温で1時間撹拌し、化合物VI′(Y6、Z4:H)
の沈澱を生成させた。
次いで p−ヒドロキシ安息香酸 231.35g(1.675モル) ジヒドロキシビフェニル 69.83g(0.375モル) テレフタル酸 33.23g(0.2モル) イソフタル酸 29.07g(0.175モル) 無水酢酸 255.23g(2.5モル) を投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
しメチルエチルケトンを留出させた。1時間無水酢酸の
還流を行った後、90分間で、350℃まで昇温し、水及び
酢酸を留去させ、アミド酸の脱水環化及び重合を進行さ
せた。その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2To
rrに減圧し、10分間重合を進行させた。得られたポリマ
ーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.0 3.5 0.3実測値(%) 71.9 3.5 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、195Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例15 p−ヒドロキシ安息香酸 196.82g(1.425モル) ジヒドロキシビフェニル 93.11g(0.5モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 4−ヒドロキシ−N−(p−カルボキシフェニル)フタ
ルイミド 21.24g(0.075g) 無水酢酸 255.23(2.5モル) をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、窒素気流下で、撹拌しながら150℃まで昇温
し、1時間無水酢酸の還流を行った。続いて90分間で35
0℃まで昇温し、酢酸を留去させ、重合を進行させた。
その後系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2Torrに減
圧し、8分間重合を進行させた。得られたポリマーを溶
融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.6 3.5 0.3実測値(%) 72.3 3.4 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、182Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
実施例16 p−アセトキシ安息香酸 256.73g(1.425モル) 4,4′−ジアケトキシビフェニル 135.14g(0.5モル) テレフタル酸 62.30g(0.375モル) イソフタル酸 20.77g(0.125モル) 4−アセトキシ−N−(p−カルボキシフェニル)フタ
ルイミド 24.40g(0.075g) をダブルヘリカル翼のついた1.4のオートクレーブに
投入し、窒素気流下で、撹拌しながら90分間で350℃ま
で昇温し、酢酸を留去させ、重合を進行させた。その後
系内を100Torrに減圧し30分間、さらに2Torrに減圧し、
12分間重合を進行させた。得られたポリマーを溶融状態
で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであっ
た。 C H N 計算値(%) 72.6 3.5 0.3実測値(%) 72.6 3.4 0.3 これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を
有するポリイミドエステルが得られていることがわか
る。
このポリマーの溶融粘度は実施例1と同様の試験法を
用いて測定した結果、241Pa・sで、溶融状態で光学異
方性を示した。
比較例1 市販のポリブチレンテレフタレート(セラニーズ社製
ジュラネックス2000)を用いた。
比較例2 市販のポリカーボネート(出光石油化学(株)製A220
0)を用いた。
比較例3 市販のポリエーテルイミド(ジェネラルエレクトリッ
ク社製ウルテム1000)を用いた。
比較例4 市販のサーモトロピック液晶性共重合ポリエステル
(住友化学工業(株)製エコノールE6000)を用いた。
比較例5 市販のサーモトロピック液晶性共重合ポリエステル
(セラニーズ社製ベクトラA950)を用いた。
実施例1〜16及び比較例1〜5のポリマーの線膨張係
数、成形収縮率、曲げ特性、熱変形温度を表に示す。
なお、これらの特性の測定は次のようにして行った。
テストピースの成形 射出成形機(東芝IS45P)を用いて、成形温度250〜35
0℃、金型温度120℃で、成形した。
測定方法 1. 線膨張係数 セイコー熱分析装置SSC−300およびTMA−100を用い、
63.5×63.5×1.6mmの平板の中心部から約10(測定方
向)×5×1.6mmに切り出したテストピースを圧縮モー
ドにて荷重5g、昇温速度10℃/minで測定した。
2. 成形収縮率 上記平板のMD及びTDについて、次式により算出した。
3. 曲げ特性 東洋精機(株)製HTM250を用いて、127×12.7×3.2mm
の試験片について23℃で測定した。
その他の試験条件はASTM D790に準じた。
4. 熱変形温度 東洋精機(株)製の装置を用い、127×12.7×3.2mmの
試験片を用いて、荷重18.6kg/cm2で測定した。
その他試験条件はASTM D648に準じた。
本発明のポリイミドエステルは線膨張係数、成形収縮
率共に小さく、寸法安定性、寸法精度に優れていること
がわかる。また従来の液晶性ポリマー(比較例4)と比
較して、MD、TDの異方性が小さく、さらに、寸法安定
性、寸法精度に優れている。しかも、強度、弾性率の点
でも大巾に優れていることが明らかである。このとこ
は、特に金属材料、ガラス、セラミックなど無機材料と
の張り合わせでの使用において、あるいは射出成形によ
るインサート成形などでの使用において、温度変化によ
る寸法変化に伴い、剥離、曲がり、ねじれ、内部歪みの
増大、内部応力の増大など、従来の液晶性ポリマーで解
決できなかった問題点を回避することができる。また、
ポリマー単体での使用においてもMDとTDの線膨張係数が
共に0に近く、異方性が小さいため、温度変化に伴う寸
法変化の異方性が小さく、そりや変形などの問題が生じ
にくいという極めて優れた特性を有している。また、本
発明のポリイミドエステルは強度、耐熱性においても優
れている。
〔発明の効果〕
本発明により得られた熱可塑性の全芳香族ポリイミド
エステルは、射出成形が可能で、流動方向及びこれに直
角の方向共に優れた寸法安定性、寸法精度を有し、また
強度、弾性率(剛性)、耐熱性においても優れており、
電気・電子部品用等の素材としてその工業的価値は極め
て大である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ実施例2及び実施例10で得
られたポリマーのIRスペクトルを示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記I、II A、III及びIVの式で表される
    構造単位 (ここで、単位II Aの−O−基とイミド基、及び単位IV
    の2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ位又はメ
    タ位に存在する。また単位I、II A、III及びIVの両端
    はエステル結合により連結される。)からなり、I:II A
    +III+IVのモル比が20:80〜90:10であり、II A:IIIの
    モル比が0.1:99.9〜99.9:0.1であり、II A+IIIとIVは
    等モルであり、剪断応力0.025MPa、300〜400℃における
    溶融粘度が1.0〜1.0×105Pa・sである熱可塑性の全芳
    香族共重合ポリイミドエステル。
  2. 【請求項2】下記I′、V、III′、及びIV′で表され
    る化合物を、 (式中、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又は
    R1CO、R2CO、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R2
    R3、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表
    し、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭
    化水素基を表す。また、化合物VのY2O基とイミド基、
    及び化合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ互い
    にパラ位又はメタ位に存在する。) I′:V+III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、V:III′
    のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、V+III′とIV′が等
    モルとなるように反応させ、一般式YpOZq(pは1〜
    5、qは1〜3の符号)で示される化合物を脱離させる
    ことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性の全芳香族共
    重合ポリイミドエステルの製造法。
  3. 【請求項3】下記I′、V′、III′及びIV′で表され
    る化合物を、 (式中、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又は
    R1CO、R2CO、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R2
    R3、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表
    し、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭
    化水素基を表す。また、化合物V′のY2O基とアミド
    基、及び化合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ
    互いにパラ位又はメタ位に存在する。) I′:V′+III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、V′:
    III′のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、V′+III′とI
    V′が等モルとなるように反応させ、化合物V′のイミ
    ド環化と一般式YpOZq(pは1〜5、qは1〜3の符
    号)で示される化合物の脱離を行うことを特徴とする請
    求項1記載の熱可塑性の全芳香族共重合ポリイミドエス
    テルの製造法。
  4. 【請求項4】下記I、II B、III及びIVの式で表される
    構造単位 (ここで、単位II Bのカルボニル基とイミド基、及び単
    位IVの2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ位又
    はメタ位に存在する。また単位I、II B、III及びIVの
    両端はエステル結合により連結される。)からなり、I
    +II B:III+IVのモル比が20:80〜90:10であり、I:II B
    のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1であり、IIIとIVは等モ
    ルであり、剪断応力0.025MPa、300〜400℃における溶融
    粘度が1.0〜1.0×105Pa・sである熱可塑性の全芳香族
    共重合ポリイミトエステル。
  5. 【請求項5】下記I′、VI、III′及びIV′で表される
    化合物を、 (式中、Y1、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又はR1C
    O、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R3、R4及びR5
    はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表し、Z1、Z2
    Z3及びZ4はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭化水素基
    を表す。また、化合物VIのZ4OOC基とイミド基、及び化
    合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパラ
    位又はメタ位に存在する。) I′+VI:III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、I′:V
    Iのモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、III′とIV′が等モル
    となるように反応させ、一般式YpOZq(pは1、3、
    4、5、qは1〜4の符号)で示される化合物を脱離さ
    せることを特徴とする請求項4記載の熱可塑性の全芳香
    族共重合ポリイミドエステルの製造法。
  6. 【請求項6】下記I′、VI′、III′及びIV′で表され
    る化合物を、 (式中、Y1、Y3、Y4及びY5は、それぞれ、水素又はR1C
    O、R3CO、R4CO若しくはR5COであり、R1、R3、R4及びR5
    はそれぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表し、Z1、Z2
    Z3及びZ4はそれぞれ水素又は炭素数1〜18の炭化水素基
    を表す。また、化合物VI′のZ4OOC基とアミド基、及び
    化合物IV′の2つのカルボニル基は、それぞれ互いにパ
    ラ位又はメタ位に存在する。) I′+VI′:III′+IV′のモル比が20:80〜90:10、
    I′:VI′のモル比が0.1:99.9〜99.9:0.1、III′とIV′
    が等モルとなるように反応させ、化合物VI′のイミド環
    化と一般式YpOZq(pは1、3、4、5、qは1〜4の
    符号)で示される化合物を脱離を行うことを特徴とする
    請求項4記載の熱可塑性の全芳香族共重合ポリイミドエ
    ステルの製造法。
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