JPH0759631B2 - 全芳香族共重合ポリエステル及びその製法 - Google Patents

全芳香族共重合ポリエステル及びその製法

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JPH0759631B2 JP9185189A JP9185189A JPH0759631B2 JP H0759631 B2 JPH0759631 B2 JP H0759631B2 JP 9185189 A JP9185189 A JP 9185189A JP 9185189 A JP9185189 A JP 9185189A JP H0759631 B2 JPH0759631 B2 JP H0759631B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は寸法安定性に優れた熱可塑性の溶融異方性全芳
香族共重合ポリエステル及びその製法に関する。さらに
詳しくは、流動方向(MD)とそれに直角方向(TD)共に
優れた寸法安定性、寸法精度を要求される電気・電子部
品などに好適に用いられる新規なポリエステルに関す
る。
〔従来の技術〕
近年、MDで線膨張係数が極めて小さい熱可塑性樹脂が知
られるようになった。これらはサーモトロピック液晶高
分子と呼ばれる一群の樹脂で、これらの樹脂はMDでの線
膨張係数は小さいが、TDでは線膨張係数は通常の熱可塑
性樹脂と同程度であり、寸法安定性が十分であるとはい
えなかった。
例えば、特公昭47−47870号公報には、 で示される構造単位を有するポリエステルが記載されて
いるが、これらは熱変形温度は高いが、強度、剛性が十
分でなく、また、線膨張係数のMD、TD方向の差が大きい
上、射出成形時の収縮率の差が大きく、寸法精度の高い
製品が得られないという問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は強度、剛性、耐熱性に優れ、MD/TD方向の線膨
張率、収縮率の差が小さく、優れた寸法安定性、寸法精
度を有する熱可塑性で、溶融異方性を有する新規な全芳
香族共重合ポリエステルを提供することを目的とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を行
い、特定のジヒドロキシアントラキノン又はその反応性
誘導体を特定な割合に共重合させて得られた全芳香族ポ
リエステルにより前記目的が達成されることを見出し本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式で表される構造単位I、I
I、III及びIV (式中2つのカルボニル基は互いにパラ位又はメタ位に
存在する) をランダムに含み、〔I〕が20〜80モル%、〔II〕+
〔IV〕が10〜40モル%、〔III〕が10〜40モル%で、か
つ〔IV〕が0.2〜20モル%、好ましくは、0.5〜16モル%
の割合で存在し、温度300〜400℃、剪断速度0.025MPaに
おける溶融粘度が1〜1×104Pa・sである全芳香族共
重合ポリエステルを提供するものである。
本発明のポリエステルは、熱可塑性であり、MD/TD方向
の線膨張率、収縮率の差がなく、優れた寸法安定性、寸
法精度を有している。
また、本発明の全芳香族共重合ポリエステルは、熱可塑
性であり、射出成形等成形が容易である。
前記単位〔II〕は、具体的には、 なお、本発明における熱可塑性の全芳香族ポリエステル
は、これらのうちのいずれか一方を有していてもよく、
あるいは両方を任意の比率で有していてもよい。なかで
も、後者又は後者を主成分とするものが好ましい。
前記単位〔III〕は、具体的には、 なお、本発明におけるポリエステルはこれらのうちいず
れか一方を有していてもよく、あるいは両方を任意の比
率で有していてもよい。
なお、本発明の目的に支障のないかぎり、前記式
〔I〕、式〔II〕、式〔III〕及び式〔IV〕で表される
構造単位は、その芳香環がアルキル基、ハロゲン原子又
は他の置換基から選ばれたもので置換されていてもよ
い。
ここで、前記アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル基、デ
シル基などを挙げることができる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子及びヨウ素原子を挙げることができる。
また、他の置換基としては、例えば、フェニル基、トリ
ル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基などの不活性炭化
水素基、アルコキシ基、シアノ基等のヘテロ原子含有不
活性基などを挙げることができる。
本発明に係るポリエステルを構成するところの前記単位
〔I〕、〔II〕、〔III〕及び〔IV〕の割合は、前記モ
ル比の範囲内とする。
前記単位の割合が、前記モル比の範囲外にあると、所望
の寸法安定性、寸法精度を十分に満足できないことがあ
る。
また、溶融粘度が、前記範囲外であると、熱可塑性が不
十分となり、射出成形等による成形が十分に容易なもの
とならなかったり、あるいは機械的性質が不十分となっ
たり、所望の耐熱性が十分に満足できないことがある。
本発明のポリエステルは例えば下記式I′、II′、II
I′およびIV′で表される化合物を、 (式中、Y1、Y2及びY3は、それぞれ、水素又はR1CO、R2
CO若しくはR3COであり、R1、R2及びR3はそれぞれ炭素数
1〜18の炭化水素基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ水素又
は炭素数1〜18の炭化水素基を表す。また、化合物〔II
I′〕の二つのカルボニル基は互いにパラ位またはメタ
位に存在する。
前記本発明の芳香族共重合ポリエステル構造単位の
[I]が20〜80モル%、〔II〕+〔IV〕が10〜40モル
%、〔III〕が10〜40モル%で、かつ〔IV〕が0.2〜20モ
ル%となるように反応させ、一般式YpOZq(pは1〜
3、qは1又は2の符号)で示される化合物を脱離させ
ることにより製造することができる。
前記R1、R2及びR3は、各々炭素数1〜18の炭化水素基で
あるが、該炭化水素基の具体例としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、イ
ソオクチル基、ノニル基、デシル基、ペンタデシル基、
ヘプタデシル基などのアルキル基、シルロペンチル基、
シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル
基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基などのアリール
基又はアルアルキル基などを挙げることができる。これ
らの中でも特にメチル基が好ましい。
なお、R1、R2及びR3はこれらのすべてが同じであっても
よく、又はこれらのうちの任意のいくつかが同じで、他
が相違していてもよく、又は、全てが互いに異なってい
てもよい。
前記Z1及びZ2は、各々水素原子又は炭素数1〜18の炭化
水素基であるが、該炭化水素基の具体例としては、上記
例示の各種の炭化水素基などを挙げることができる。Z1
及びZ2として特に好ましいものは、水素原子、メチル基
などである。なお、Z1及びZ2は、全てが同じであっても
よく、又は、一部のみが互いに同じであってもよく、又
はすべてが異なっていてもよい。
前記化合物〔I′〕としては、4−ヒドロキシ安息香酸
又はこれをR1COOH(R1は前記と同じ意味を有する。)若
しくはその誘導体を用いてアシル化して得られる4−ア
シルオキシ安息香酸、又は4−ヒドロキシ安息香酸若し
くは該4−アシルオキシ安息香酸をZ1OH(Z1は前記と同
じ意味を有する。)でエステル化してなる4−ヒドロキ
シ安息香酸エステル若しくは4−アシルオキシ安息香酸
エステルを挙げることができる。
前記化合物〔I′〕の具体例としては、例えば4−ヒド
ロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−
ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プ
ロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸ベンジルなどの4−ヒドロキシ安息香酸エス
テル、4−アセトキシ安息香酸、4−ベンゾイルオキシ
安息香酸などの4−アシルオキシ安息香酸、4−アセト
キシ安息香酸メチル、4−アセトキシ安息香酸ブチル、
4−アセトキシ安息香酸ベンジルなどの4−アシルオキ
シ安息香酸エステルを挙げることができる。
これらの中で4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ
安息香酸メチル、4−アセトキシ安息香酸、4−アセト
キシ安息香酸メチルなどが好ましく、特に4−ヒドロキ
シ安息香酸、4−アセトキシ安息香酸などが好ましい。
なお、これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、又
は2種以上を併用してもよい。
前記化合物〔II′〕としては、ハイドロキノン、4,4′
−ジヒドロキシビフェニル、又は各々をR2COOH若しくは
その誘導体を用いてアシル化してなる化合物が用いられ
ている。
前記化合物〔II′〕の具体例としては、例えば、ハイド
ロキノン、1,4−ジアセトシベンゼン、1,4−ジプロピオ
ニルオキシベンゼン、1,4−ジブチリルオキシベンゼン
などの1,4−ジアシルオキシベンゼン、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4′−ジプロピオニルオキシビフェ
ニル、4,4′−ジブチルオキシビフェニル、4,4′−ジア
セトキシビフェニルなどの4,4′−ジアシルオキシビフ
ェニルなどを挙げることができる。
これらの中でも、特に、ハイドロキノン、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル,4,4′−ジアセトキシビフェニルな
どが好ましい。
なお、これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、又
は2種以上を併用してもよい。
前記化合物〔III′〕としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸又は各々をZ2OHを用いてエステル化してなる化合
物を挙げることができる。
前記化合物〔III′〕の具体例としては、例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフ
タル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸
ジフェニルなどのテレフタル酸ジエステル、イソフタル
酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジブ
チル、イソフタル酸ジフェニルなどのイソフタル酸ジエ
ステルなどを挙げることができる。これらの中でも、特
に、テレフタル酸、イソフタル酸などが好ましい。
なお、これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、又
は2種以上を併用してもよい。
前記化合物〔IV′〕の具体例としては、例えば2,6−ジ
ヒドロキシアントラキノン、2,6−ジアセトキシアント
ラキノン、2,6−ジプロピオニルオキシアントラキノ
ン、2,6−ジブチリルオキシアントラキノンなどを挙げ
ることができる。特に2,6−ジヒドロキシアントラキノ
ン、2,6−ジアセトキシアントラキノンが好ましい。
なお、これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、又
は2種以上を併用してもよい。
また、化合物〔I′〕、〔II′〕、〔III′〕及び〔I
V′〕においてY1、Y2、Y3、Z1及びZ2がいずれも水素原
子以外の基である場合には、これらの化合物は、それぞ
れ個別に合成してもよいし、同時に合成してもよい。
前記化合物〔I′〕、〔II′〕、〔III′〕及び〔I
V′〕の反応は、通常200〜400℃、好ましくは230〜370
℃の温度で通常大気圧以下で行われ、重縮合の後半段階
では好ましくは300〜0.01Torrで行われる。反応時間
は、目的とするポリマーの溶融粘度に応じて、通常数分
〜数10時間行われる。反応温度でのポリマーの劣化を回
避するためには数分〜数時間とすることが好ましい。
上記反応には触媒は特に必要としないが、適当な重縮合
触媒、例えば、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムなど
が使用できる。
反応原料の添加時期については、最初の段階で全ての反
応原料を混合して反応を行ってもよいし、例えば
〔I′〕と、〔II′〕と〔III′〕と〔IV′〕の添加時
期を変えて反応を行ってもよい。この結果、ポリエステ
ルの組成分布を制御することができ、ランダムコポリエ
ステル、ブロックコポリエステルまで任意に制御するこ
とが可能である。
上記のように反応を行って、式YpOZq(p、は1、2又
は3、qは1又は2の符号)で表される化合物を脱離さ
せて反応を完結させる。
なお、上記反応は、通常特別の溶媒を用いることなく行
われるが、所望により適当な溶媒を用いて行うこともで
きる。
以上のようにして本発明に係るポリエステルを合成する
ことができる。この合成されたポリマーは、所望により
公知の精製操作などの後処理をして所望の純度のものと
して回収することができる。
本発明のポリエステルは、通常の成形温度(400℃以
下)で射出成形することができ、また、押出成形、圧縮
成形、紡糸など一般的に熱可塑性樹脂に用いられる成形
法がいずれも可能である。本発明のポリエスルには、他
の熱可塑性樹脂、無機充填剤、有機充填剤、あるいは酸
化防止剤、滑剤、着色剤などの各種添加剤を加えること
もできる。さらに、成形品は適当な温度と時間、熱処理
することもできる。従って、本発明のポリエステルはMD
とTD共に極めて優れた寸法安定性、寸法精度を有し、し
かも耐熱性、機械的性質等にも優れた新規な熱可塑性の
ポリマーであり、例えば耐熱性と寸法精度が要求される
電気、電子部品などの精密射出成形部品、フィラメン
ト、フイルム、シートなどの材料として有用である。
〔実施例〕 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 p−ヒドロキシ安息香酸 249.6g(1.80モル) 4,4′−ジヒドロキシビフェニル 55.9g(0.300モル) ハイドロキノン 23.1g(0.210モル) テレフタル酸 74.8g(0.450モル) イソフタル酸 24.9g(0.150モル) 2,6−ジヒドロキシアントラキノン 21.6g(0.0900モ
ル) 無水酢酸 306.0g(3.00モル) をダブルヘリカル翼についた1.4オートクレーブに投
入し、窒素気流下で撹拌しながら150℃まで昇温し、1
時間還流を行った。続いて90分間で350℃まで昇温し、
酢酸を留去させた。その後系内を徐々に減圧にし、100T
orrで30分間、さらに2Torrで30分間重合を進行させた。
得られたポリマーを溶融状態で取り出した。
得られたポリマーの元素分析結果は次の通りであった。
これらの結果から下記式で示される構造単位と組成を有
するポリエステルであることが確認された。
高化式フローテスター(島津フローテスター、CFT−50
0)を用いて直径1.0mm、L/D=10のダイを使って10kgf/c
m2の押出圧力にて5℃/分の昇温速度でこのポリマーの
溶融粘度を測定した結果、約380℃における溶融粘度は2
80.0Pa・sであった。共重合組成と溶融粘度を第1表に
示す。
このポリマーは溶融状態でも光学異方性を示した。光学
異方性はリンカム社製ホットステージ付のニコン製偏光
顕微鏡を用いて観察を行った。
得られたポリマーの線膨張係数、成形収縮率、曲げ特
性、熱変形温度(HDT)を第2表に示す。
なお、これらの特性の測定は次のようにして行った。
テストピースの成形 射出成形機(東芝IS45P)を用いて、成形温度250〜350
℃、金型温度120℃で、成形した。
測定方法 1.線膨張係数 セイコー熱分析装置SSC−300およびTMA−100を用い、6
3.5×63.5×1.6mmの平板の中心部から約10(測定方向)
×5×1.6mmに切り出したテストピースを圧縮モードに
て荷重5g、昇温速度10℃/minで測定した。
2.成形収縮率 上記平板のMD及びTDについて、次式により算出した。
3.曲げ特性 東洋精機(株)製HTM250を用いて、127×12.7×3.2mmの
試験片について23℃で測定した。
その他の試験条件はASTM D790に準じた。
4.熱変形温度 東洋精機(株)製の装置を用い、127×12.7×3.2mmの試
験片を用いて、荷重18.6kg/cm2で測定した。
その他試験条件はASTM D648に準じた。
実施例2〜7、比較例1〜4 共重合組成を変えて、第1表に示す共重合ポリエステル
を得た以外は実施例1に準じてポリマーを得た。
得られたポリマーはいずれも溶融状態で光学異方性を示
した。ポリマーの元素分析結果からの共重合組成、融
点、各種測定結果を第1表、第2表に示す。
なお、実施例2で得られたポリマーのIRスペクトルを第
1図に示す。
次に市販品の物性測定結果を比較例として第2表に示
す。
比較例5 市販のポリエーテルイミド(ジェネラルエレクトリック
社製ウルテム1000)を用いた。
比較例6 市販のサーモトロピック液晶性共重合ポリエステル(住
友化学工業(株)製エコノールE6000)を用いた。
比較例7 市販のサーモトロピック液晶性共重合ポリエステル(セ
ラニーズ社製ベクトラA950)を用いた。
本発明のポリエステルは線膨張係数、成形収縮率共に小
さく、寸法安定性、寸法精度に優れていることがわか
る。また従来の液晶性ポリマーと比較して、MD、TDの異
方性が小さく、さらに、寸法安定性、寸法精度に優れて
いる。しかも強度、弾性率の点でも大幅に優れているこ
とが明らかである。このことは、特に金属材料、ガラ
ス、セラミックなど無機材料との張り合わせでの使用に
おいて、あるいは射出成形によるインサート成形などの
使用において、温度変化による寸法変化に伴い、剥離、
曲がり、ねじれ、内部歪みの増大、内部応力の増大な
ど、従来の液晶性ポリマーで解決できなかった問題点を
回避することができる。また、ポリマー単体での使用に
おいてもMDとTDの線膨張係数が共に0に近く、異方性が
小さいため、温度変化に伴う寸法変化の異方性が小さ
く、そりや変形などの問題が生じにくいという極めて優
れた特性を有している。また、本発明のポリエステルは
強度、耐熱性においても優れている。
〔発明の効果〕
本発明により得られた熱可塑性の全芳香族ポリエステル
は、射出成形が可能で、流動方向とこれに直角方向に優
れた寸法安定性、寸法精度を有し、また強度、耐熱性に
おいても優れており、電気・電子部品用等の素材として
その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例2で得られたポリエステルのIRスペクト
ルを示すチャートである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−41328(JP,A) 特開 昭58−1720(JP,A) 特開 昭55−135134(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式で表される構造単位I、II、III及
    びIV (式中2つのカルボニル基は互いにパラ位又はメタ位に
    存在する) をランダムに含み、[I]が20〜80モル%、[II]+
    [IV]が10〜40モル%、[III]が10〜40モル%で、か
    つ[IV]が0.2〜20モル%割合で存在し、温度300〜400
    ℃、剪断速度0.025MPaにおける溶融粘度が1〜1×104P
    a・sである全芳香族共重合ポリエステル。
  2. 【請求項2】下記式I′、II′、III′及びIV′で表さ
    れる化合物を、 (式中、Y1、Y2及びY3は、それぞれ、水素又はR1CO、R2
    CO若しくはR3COであり、R1、R2及びR3はそれぞれ炭素数
    1〜18の炭化水素基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ水素又
    は炭素数1〜18の炭化水素基を表す。また、化合物[II
    I′]の二つのカルボニル基は互いにパラ位又はメタ位
    に存在する。) 請求項1記載の構造単位の[I]が20〜80モル%、[I
    I]+[IV]が10〜40モル%、[III]が10〜40モル%
    で、かつ[IV]が0.2〜20モル%となるように反応さ
    せ、一般式YpOZq(pは1、2又は3、qは1又は2の
    符号)で示される化合物を脱離させることを特徴とする
    請求項1記載の全芳香族共重合ポリエステルの製法。
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