JP3353417B2 - 液晶性ポリエステルアミド - Google Patents

液晶性ポリエステルアミド

Info

Publication number
JP3353417B2
JP3353417B2 JP27375493A JP27375493A JP3353417B2 JP 3353417 B2 JP3353417 B2 JP 3353417B2 JP 27375493 A JP27375493 A JP 27375493A JP 27375493 A JP27375493 A JP 27375493A JP 3353417 B2 JP3353417 B2 JP 3353417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
mol
unit represented
liquid crystalline
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27375493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07126383A (ja
Inventor
修 木代
昌敏 木村
賢 本間
知彦 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP27375493A priority Critical patent/JP3353417B2/ja
Publication of JPH07126383A publication Critical patent/JPH07126383A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3353417B2 publication Critical patent/JP3353417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶性ポリマーに関す
るものであり、詳しくは新規で耐衝撃性の改良された液
晶性ポリエステルアミドに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶性ポリマーは、高流動性、高弾性
率、高強度、良好な寸法精度等の特徴を生かし、市場を
伸ばしつつある。しかしながら、液晶性ポリマーは、繊
維については高弾性率のものを与えるが、三次元成形
体、たとえば射出成形品においてはポリマーの流動方向
に分子鎖が高度に配向するため、流動方向の弾性率は高
くなるものの、流動方向に垂直な方向の弾性率は他の液
晶性を示さないポリマーと同程度の低い値になってしま
い、そのためにガラス繊維や炭素繊維等のフィラー類を
添加することにより補強しなければならなかった。
【0003】しかしながら、フィラー類を添加すると衝
撃強度が低下し、表面粗度が悪化する上、無機化合物の
ためリサイクル時の選別等の問題があった。又、液晶ポ
リマーの異方性を小さくすると、液晶性が失なわれて、
耐衝撃性が低下するという問題があった。そこで以前か
ら、液晶性ポリマー単独でポリマーの流動方向(MD方
向)および流動方向に垂直な方向(TD方向)のいずれ
にも高い弾性率を有するものを開発する試みが行われて
きた。
【0004】例えば、全芳香族ポリエステルを記載して
いるものとしては、特開昭59−124925号、特開
昭61−19627号、特開平1−261418号、特
開平2−64123号、特開平3−188124号公報
等が挙げられる。また、全芳香族ポリエステルに多官能
成分を共重合してMD・TD両方向の物性を高める試み
が、特開平2−227428号、特開平2−23805
2号、特開平3−152123号、特開平3−1521
24号、特開平3−168213号公報等に記載されて
いる。また、特開平2−53819号、特開平3−47
829号公報では光学活性基を導入することによって異
方性を緩和しようとすることが示されている。
【0005】しかしながらこれらは、MD・TD両方向
の強度が低い、衝撃強度が低い、流動性が低下する、融
点が非常に高いため相当な高温でなければ成形できな
い、従来のポリエステル製造用縦型重合装置を使用する
と固化したり、釜の底から抜け出せなくなる、等の大き
な問題点があった。一方、ポリエステルアミドを用いて
弾性率、強度を高める試みが特開平2−294329
号、特開昭57−177021号公報等に記載されてい
るが、この場合においても、TD方向の弾性率低下、流
動性低下、成形温度の高温度化、従来の縦型重合装置で
の固化等の問題があった。
【0006】また、全芳香族ポリエステルは耐熱性を有
するため、SMT対応の電子材料分野、IC等半導体分
野において使用されているが、リレー部品等で使用する
場合には多くのガスが発生し、電気系統に異常をおこし
たり、腐食をおこすという問題があり、封止分野で用い
る場合には、耐加水分解性の低下、金属との密着性の悪
化という問題があった。更にボビンとして使用する場合
には要求される高耐電圧性を十分得ることができなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、MD
方向のみならず、TD方向に対しても高弾性率を有し、
かつ、耐衝撃性に優れ、かつ、ガスの発生が少なく、耐
加水分解性に優れ、絶縁破壊電圧が高い液晶性ポリマー
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、 (イ)5〜22モル%の式(a1)で示されるp−アミ
ノフェノール単位及び0〜5モル%の式(a2)で示さ
れるm−アミノフェノール単位、
【0009】
【化12】
【0010】(ロ)5〜22モル%の式(b1)で示さ
れる芳香族ジオール単位
【0011】
【化13】−O−Ar1 −O− (b1) (式(b1)中、Ar1
【0012】
【化14】
【0013】を表わしRはC1 〜C6 のアルキル基、C
1 〜C6 のアルコキシ基、ハロゲン基又はC6 〜C10
芳香族基を示し、mは1、2又は4、nはm=1又は2
のとき0〜4の整数、m=4のとき0を表わす。)及び
0〜5モル%の式(b2)で示される芳香族ジオール単
位、
【0014】
【化15】−O−Ar2 −O− (b2) (式(b2)中、Ar2
【0015】
【化16】
【0016】を表わしAr2 中の各ベンゼン環及び縮合
環の水素はそれぞれアルキル基、芳香族基又はハロゲン
基のいずれかで置換されていても良い。) (ハ)16〜35モル%の式(c1)で示される2,6
−ナフタレンジカルボン酸単位
【0017】
【化17】
【0018】及び0〜5モル%の式(c2)で示される
芳香族ジカルボン酸単位、
【0019】
【化18】 (式(c2)中、Ar3
【0020】
【化19】
【0021】を表わし、Ar3 中の各ベンゼン環及び縮
合環の水素はそれぞれアルキル基、芳香族基又はハロゲ
ン基のいずれかで置換されていても良い。) (ニ)30〜65モル%の式(d1)で示されるp−オ
キシ安息香酸単位
【0022】
【化20】
【0023】及び0〜5モル%の式(d2)で示される
m−オキシ安息香酸及び/又はm−アミノ安息香酸単
位、
【0024】
【化21】
【0025】(式(d2)中、XはO又はNHを表わ
す。)からなり、式(a1)、式(b1)、式(c
1)、式(d1)、式(a2)、式(b2)、式(c
2)及び式(d2)で示される構成単位のそれぞれのモ
ル%を〔a1〕,〔b1〕,〔c1〕,〔d1〕,〔a
2〕,〔b2〕,〔c2〕及び〔d2〕で表わし、更に
〔A〕=〔a1〕+〔a2〕,〔B〕=〔b1〕+〔b
2〕,〔C〕=〔c1〕+〔c2〕,〔D〕=〔d1〕
+〔d2〕とするとき、〔A〕,〔B〕,〔C〕及び
〔D〕が下記式(1)〜(5)を満足し、
【0026】
【数4】5<〔A〕<22 (1) 5<〔B〕<22 (2) 16<〔C〕<35 (3) 30<〔D〕<65 (4) 〔a2〕,〔b2〕,〔c2〕及び〔d2〕が下記式
(6)を満足し、
【0027】
【数5】 0.01〔a2〕+〔b2〕+〔c2〕+〔d2〕5 (6) かつ、せん断速度1000/secにおける溶融粘度
が、280〜350℃のいずれかの温度において10〜
50,000ポイズの範囲内であることを特徴とする液
晶性ポリエステルアミドに存する。
【0028】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明の液晶ポリエステルアミドは前記式(a1)で示され
る構成単位、式(b1)で示される構成単位、式(c
1)で示される構成単位及び式(d1)で示される構成
単位並びに式(a2)、式(b2)、式(c2)及び式
(d2)のそれぞれで示される構成単位の内の少なくと
も1種以上の構成単位を主構成単位として含有する。
【0029】本発明の液晶ポリエステルアミドにおい
て、式(a1)及び式(a2)のいずれかで表わされる
アミノフェノール単位の比率[A]は5〜22モル%、
好ましくは7〜22モル%、更に好ましくは12〜18
モル%含まれる。この比率が5モル%未満の場合は、T
D方向の弾性率が向上せず、22モル%を越えると流動
性が悪化するため好ましくない。但し式(a2)で表わ
される構成単位の比率は0〜5モル%であり、5モル%
を越えると異方性が生じやすく好ましくない。
【0030】式(b1)及び式(b2)のいずれかで表
わされる芳香族ジオール単位の比率[B]は、5〜22
モル%、好ましくは7〜22モル%、特に好ましくは1
2〜18モル%である。この比率が5モル%未満のとき
は、TD方向の弾性率が低下し、釜から抜け出せなくな
り、22モル%を越えるとTD方向の弾性率低下、耐熱
性低下が起こるため好ましくない。但し式(b2)で表
わされる構成単位の比率は、0〜5モル%であり、5モ
ル%を越えると異方性が生じやすく好ましくない。
【0031】式(b1)で表わされる芳香族ジオール単
位を与えるモノマーの具体例としては、メチルハイドロ
キノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、クロロハイドロキ
ノン、フェニルハイドロキノン、3,3′−ジメチル−
4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−ジメチ
ル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′,
3,3′,5,5′−ビストリメチル−4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル、1,4−ナフタレンジオール、
1,2エチレンビス4−ヒドロキシベンゾエート等が挙
げられる。
【0032】MD・TD両方向の弾性率を向上させ、強
度バランスを改善させるためには、メチルハイドロキノ
ン、トリメチルハイドロキノンが好ましい。また、耐熱
性の向上、MD方向の強度向上のためには、メチルハイ
ドロキノン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロ
キシビフェニルが好ましく、末端−COOH基を多く導
入しやすいという点において、メチルハイドロキノンが
最も好ましい。
【0033】これらは単独で用いても、2種以上を使用
しても良い。また、式(b1)における置換基Rは、耐
熱性を向上させる点において、アルキル基、特にメチル
基又はフェニル基が好ましい。式(b2)で表わされる
芳香族ジオール単位を与えるモノマーの具体例として
は、レゾルシノール、1,2エチレンビス,3−ヒドロ
キシベンゾエート、3,3′ジヒドロキシビフェニル、
3,4′ジヒドロキシビフェニル、2,6ナフタレンジ
オール、2,7ナフタレンジオール等が挙げられる。
【0034】式(c1)で示される2,6−ナフタレン
ジカルボン酸単位及び式(c2)で示される芳香族ジカ
ルボン酸単位のいずれかで表わされる構成単位の比率
[C]は16〜35モル%、好ましくは20〜30モル
%、更に好ましくは25〜30モル%である。この比率
が16モル%未満のときはTD方向の弾性率が低くな
り、MD・TD両方向の強度の低下、耐加水分解性の低
下があり、また、35モル%を越えると、耐加水分解性
の低下、耐熱性の低下があるため好ましくない。但し、
式(c2)で示される芳香族ジカルボン酸単位の比率は
0〜5モル%であり、5モル%を越えると、異方性が生
じやすく好ましくない。
【0035】式(d1)で示されるp−オキシ安息香酸
単位並びに式(d2)で示されるm−オキシ安息香酸単
位及び/又はm−アミノ安息香酸単位のいずれかで表わ
される構成単位の比率[D]は30〜65モル%、好ま
しくは30〜55モル%、最も好ましくは40〜50モ
ル%である。30モル%未満のときは耐加水分解性の低
下、耐熱性の低下が起こり、65モル%を越えるとTD
方向の弾性率低下、MD・TD両方向の強度低下、流動
性低下がみられるため好ましくない。但し、式(d2)
で示される構成単位の比率は0〜5モル%であり、5モ
ル%を越えると異方性が生じやすく好ましくない。
【0036】本発明における液晶性ポリエステルアミド
において、式(a1)で示される構成単位のモル%を
〔a1〕、式(b1)で示される構成単位のモル%を
〔b1〕、式(c1)で示される構成単位のモル%を
〔c1〕、式(d1)で示される構成単位のモル%を
〔d1〕、式(a2)で示される構成単位のモル%を
〔a2〕、式(b2)で示される構成単位のモル%を
〔b2〕、式(c2)で示される構成単位のモル%を
〔c2〕及び式(d2)で示される構成単位のモル%を
〔d2〕で表わし、更に、〔a1〕と〔a2〕の合計の
モル%を〔A〕、〔b1〕と〔b2〕の合計のモル%を
〔B〕、〔c1〕と〔c2〕の合計のモル%を〔C〕及
び〔d1〕と〔d2〕の合計のモル%を〔D〕とすると
き、〔A〕,〔B〕,〔C〕及び〔D〕は下記式(1)
〜(5)を満足する。
【0037】
【数6】5<〔A〕<22 (1) 5<〔B〕<22 (2) 16<〔C〕<35 (3) 30<〔D〕<65 (4) (〔A〕+〔B〕+〔D〕)/(〔C〕+〔D〕)の値
は、好ましくは0.85〜1.15の範囲内、更に好ま
しくは0.85〜0.98の範囲内である。この値が
0.8未満、あるいは1.2を越える場合には、重合度
が向上せず、そのため強度と伸びが低下し、衝撃強度も
低下するため好ましくない。
【0038】また、〔a2〕、〔b2〕、〔c2〕及び
〔d2〕は下記式(6)を満足する。
【数7】 0.01〔a2〕+〔b2〕+〔c2〕+〔d2〕5 (6) (〔a2〕+〔b2〕+〔c2〕+〔d2〕)の値は、
好ましくは0.1〜3モル%の範囲である。この値が
0.01未満であると耐衝撃性の改良効果が現れず、5
を越えると耐衝撃性の改良効果はあるものの、異方性が
大きくなりやすく好ましくない。更に〔A〕,〔B〕,
〔C〕及び〔D〕が下記式(7)を満足していることは
より良好な物性を得るために好ましいことである。
【0039】
【数8】 (〔A〕+〔B〕)/(〔A〕+〔B〕+〔C〕+
〔D〕)の値は、好ましくは0.20〜0.35の範囲
内、最も好ましくは0.23〜0.34の範囲内であ
る。
【0040】尚、本発明の液晶性ポリエステルアミドに
は上記構成単位以外にハイドロキノン、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4′′′−ジヒドロキシ−p−クァテ
ルフェニルなどのジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、
1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニ
ルエーテル、2,2′−ジフェニルジカルボン酸、3,
3′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェニル
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸な
どのジカルボン酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸、3
−クロル−4−ヒドロキシ安息香酸などのオキシカルボ
ン酸やp−アミノ安息香酸、p−フェニレンジアミンお
よびこれらのアシル化合物などにより導入される構成単
位を本発明の効果を損なわない範囲で共重合成分として
少量含んでいてもよい。
【0041】本発明のポリエステルアミドの溶融粘度
は、せん断速度が1000/secであって、温度が2
80〜350℃のいずれかにおいて、10〜50,00
0ポイズである。従って、本発明の液晶性ポリエステル
アミドは280〜350℃に加熱溶融して成形すること
ができる。また、成形温度が350℃と低いことから従
来の成形装置を用いても充分成形が可能である。
【0042】次に、製造法について説明する。本発明の
液晶性ポリエステルアミドの製造法としては、従来のポ
リエステルの重縮合法に準じて製造できる。例えば、界
面重合法、溶液重合法、溶融重合法等があるが、重合度
が向上しやすく、最も安価で製造できる点において溶融
重合法が好ましい。
【0043】溶融重合法としては、 1)フェノール性化合物と酸化合物に無水酢酸を加えて
反応させた後、脱酢酸重縮合反応により製造する方法 2)フェノール性化合物を無水酢酸によりアセテート化
後、得られたアセテート化合物と酸化合物から脱酢酸重
縮合反応により製造する方法 3)フェノール性化合物と酸のフェニルエステル化合物
から脱フェノール重縮合反応により製造する方法 等が考えられるが、本発明においては特に1)及び2)
の方法で重合することが好ましい。
【0044】まず原料であるp−アミノフェノール(式
(a1)で示される単位に相当)、及び必要に応じm−
アミノフェノール(式(a2)で示される単位に相
当)、式(b1)で示される単位に相当する芳香族ジオ
ール及び必要に応じ式(b2)で示される単位に相当す
る芳香族ジオール、2,6−ナフタレンジカルボン酸
(式(c1)で示される単位に相当)及び必要に応じ式
(c2)で示される単位に相当する芳香族ジカルボン
酸、並びにp−オキシ安息香酸(式(d1)で示される
単位に相当)及び必要に応じm−オキシ安息香酸(式
(d2)で示される単位に相当)を仕込み無水酢酸によ
りアセチル化反応を行なう。ただしm−アミノフェノー
ル、式(b2)で示される単位に相当する芳香族ジオー
ル、式(c2)で示される単位に相当する芳香族ジカル
ボン酸及びm−オキシ安息香酸のうちの少なくとも1種
以上を用いる。
【0045】これらの原料は一括して仕込んだ後アセチ
ル化を行っても良いし、最初にジヒドロキシ化合物のみ
を仕込んでアセチル化を行っておいても良い。また、各
構成単位の比率が前記式(1)〜(6)あるいは(1)
〜(7)を満たすように調節するためには、 (I)あらかじめ各原料を前記式(1)〜(6)あるい
は(1)〜(7)を満たす所定の量に調整した後、仕込
む方法あるいは (II)適量の原料を仕込んだ後、アミノフェノール及び
/又は芳香族ジオール化合物等の一部を、昇温時及び/
又は重合時に意図的に留出させ、前記式(1)〜(6)
あるいは(1)〜(7)を満たすように調節する方法が
用いられる。
【0046】この場合、(I),(II)の両者を採用し
ても、どちらかのみを採用してもよいが、重合速度、コ
スト面においては(II)の方法が有利である。(II)の
方法において、アミノフェノール及び/又は芳香族ジオ
ール化合物等はアセチル化後の昇温工程の時間を短縮し
たり、昇温時に、窒素ガスを流通することによって積極
的に留出させることができる。又、減圧重合の初期減圧
速度を高めることも効果がある。
【0047】この場合、芳香族ジオール化合物は、一般
にジアセテート物となっているため、原料としてメチル
ハイドロキノンを用いると、沸点が低いため留出しやす
く、更には、昇華が起こらず融点が低いため、系外に液
体で留出させることができ、好適である。アセチル化反
応は、式(a1),(a2),(b1),(b2),
(c1),(c2),(d1)及び(d2)のそれぞれ
の構成単位のいずれかに相当する原料化合物に無水酢酸
を加え、100〜170℃で5分〜3時間、好ましくは
20分〜1.5時間行う。無水酢酸の量は、原料ヒドロ
キシ基量と同量ないし1.5倍量程度使用するのが好ま
しい。
【0048】昇温終了後、減圧開始前に270〜325
℃付近で10分ないし2時間常圧で熟成させることが、
仕込み比率をポリマー比率と合わせるために好ましい。
その後、昇温して重合を行なうが、重合は200〜32
5℃で重合させるのが好ましく、特に275〜325℃
で行うのが好ましく、最も好ましくは300〜320℃
である。また重合は減圧下で行うが、760mmHgか
ら1mmHgまで徐々に減圧し、減圧に要する時間は3
0分以上、好ましくは60分以上の時間であり、特に3
0mmHgから1mmHgまでの減圧を徐々に行うこと
が重要である。
【0049】反応は無触媒でも可能であるが、必要に応
じて触媒の存在下で実施しても良い。無触媒の場合は、
得られる重合体の電気特性等が良くなり好ましいが、一
方、触媒を使用すると重合速度を向上することができ
る。使用される触媒としてはエステル交換触媒、重縮合
触媒、アシル化触媒、脱カルボン酸触媒等が用いられる
が、これらを混合して使用しても構わない。好ましい触
媒としてはTi(OBu)4 ,BuSnOOH,Sn
(OAc)2 ,Sb2 3 ,Fe(acac)3 ,Zn
(OAc)2 ,Co(OAc)2 ,NaOAc,KOA
c,Mn(OAc) 2 等が挙げられる。その使用量はポ
リマーに対して5〜5000ppm、好ましくは50〜
500ppmである。重合時間は10時間以内が良く、
好ましくは7時間以内、更には4時間以内が最も好まし
い。
【0050】この重合は低温で行うことができるばかり
でなく、更に低温で行っても重合装置から簡単に抜き出
すことができ、抜き出し時にトラブルを起こすことがな
いという大きな利点を有する。そのため、従来の縦型重
合装置を使用することができ、また、溶融重合法のみで
最終ポリマーを製造することも可能である。ここで従来
のポリエステル製造用縦型重合装置とは、例えば、繊維
便覧(原料編)p808の図7,11に記載されている
ようなものが挙げられる。もちろん本発明においては横
型のニーダー型反応装置を用いてもよいし、溶融重合後
に固相重合を行い、より高重合度化することも可能であ
る。
【0051】本発明の液晶性ポリエステルは従来タイプ
の縦型の重合装置においても325℃以下でメルト重合
が可能でかつ釜の底からの抜き出し性も良好なことから
汎用的取扱い及び大量生産ができる。上述の製造法を採
用することにより、CH3 COO−基及び/または−C
OOH基末端を有するポリエステルアミド、特に、末端
カルボキシ基が多く、末端アセトキシ基が少ないポリエ
ステルアミドを製造できる。
【0052】具体的には、CH3 COO−基の濃度(当
量/ton)を〔CH3 COO−〕、−COOH基の濃
度(当量/ton)を〔−COOH〕と表わしたとき、
〔CH3 COO−〕と〔−COOH〕は下記式(8)及
び(9)を満足することが好ましい。
【0053】
【数9】 〔CH3 COO−〕 ≦ 30 (8) 〔−COOH〕 ≧ 120 (9) 更に好ましくは〔CH3 COO−〕≦20であり最も好
ましくは〔CH3 COO−〕≦10である。
【0054】尚、従来の公知の方法では、末端カルボキ
シル基と末端アセトキシ基は実質的に同量となるが、こ
の場合でも本発明の構成単位を有するポリエステルアミ
ドにおいては、MD・TD両方向の弾性率はともに向上
する。しかしながら、上述の製造法によれば式(8)及
び式(9)を同時に満たし、〔−COOH〕≫〔CH3
COO−〕とすることにより更に耐加水分解性を向上さ
せ、発生ガスを大幅に低減することができる。
【0055】本発明の液晶性ポリエステルアミドを28
0℃〜350℃に加熱溶融して成形することにより、得
られた成形品は、MD・TD両方向の弾性率及び強度が
大きく、衝撃強度が良好である。中でも成形方向(MD
方向)ばかりではなく、成形方向と垂直な方向(TD方
向)に対しても弾性率が高く、一般に構造用材料として
も適している。
【0056】本発明の液晶性ポリエステルアミドを、2
80〜350℃に加熱溶融して得られる、投影面が正方
形または円形の射出成形板のTD方向の曲げ弾性率は5
GPa以上であることが好ましく、より好ましくは5.
5GPa以上であり、また、MD方向の曲げ弾性率
[1]とTD方向の曲げ弾性率[2]の比([1]/
[2])は2以下であることが好ましく、より好ましく
は1.5以下である。
【0057】弾性率を測定するための成形片としては、
投影面が正方形または円形の平板を用いることが好まし
い。通常使用されるダンベル、短冊型等の成形片では、
MD方向とTD方向とでは流動長が大きく異なるため本
来の両方向の物性を正確に測定することができず、弾性
率の測定においても両方向間の異方性が大きく発現しや
すい。従って、本発明のポリエステルアミドのような本
来異方性の少ないポリマーの弾性率を測定する場合に
は、MD方向とTD方向との大きさが同じ成形板を使用
するのが良い。
【0058】また成形板の大きさ、厚さについては、特
に制限されるものではないが、正方形の一片の長さ(d
1 )、あるいは円の直径(d2 )は、1〜500cmが
好ましく、特には5〜100cmが良い。板の厚さ
(t)としては、0.1〜100mmが好ましく、特に
は0.5〜40mmが好適であるが、いずれの場合であ
っても、
【0059】
【数10】 であることが好ましい。
【0060】尚、特定方向に弾性率が高いものを製造す
る場合には、流動長の長い方向にポリマーが配向しやす
くなるため、測定用成形板の形状を特に制限する必要は
ない。本発明の液晶性ポリエステルアミドは溶融相にお
いて光学的異方性を示し、特に溶融を始めると溶融開始
温度から少し温度を高めるだけで固体部分がほとんどな
くなり、ほとんど全てが液晶状態を取りうるので、流動
性が従来のポリエステルよりもはるかに良い。そのた
め、成形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形等の
一般的な溶融成形を行うことが可能であり、成形品、フ
ィルム、繊維等に加工することができる。
【0061】又、自動車用外板、自動車部品等の自動車
用材料、次世代ハイビジョン用テープ等のフィルム材料
として好適である。特に、射出成形品の場合、耐加水分
解性に優れ、高温に保持したり最溶融させた場合にガス
の発生がほとんどなく、バリの発生が少なく、寸法精度
にも優れるので薄肉成形品、精密成形品にも適してい
る。
【0062】更には、接着性、塗装性にも優れており、
150〜300℃の耐熱性及び260℃以上のハンダ耐
熱性も満たすことが可能である。従って、塗装性の優れ
た自動車外板、自動車部品等の自動車用材料や表面実装
技術(SMT)対応の電子部品材料、特にリレー部品、
コネクター部品、コイルボビンに用いられたり、半導体
封止材料、ハイブリッドIC部品等に好適である。
【0063】また、成形時に本発明のポリエステルアミ
ドに対し、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維類、タルク、
マイカ、炭酸カルシウム等のフィラー類、核剤、顔料、
酸化防止剤、滑剤、その他安定剤、難燃剤等の充填剤や
添加剤、熱可塑性樹脂等を添加して成形品に所望の特性
を付与することも可能である。また、他のポリマーとの
ブレンドやアロイ化によって他のポリマーの特徴と本発
明のポリエステルアミドの両方の長所を合わせもつ組成
物を創出することも可能である。
【0064】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。なお、以下の諸例において
各測定は、次の方法によって行った。 (1)溶融粘度 島津製作所製フローテスターを用い、せん断速度100
0sec-1、シリンダーノズルは長さ/直径=20のも
のを使用し測定した。
【0065】(2)試験片の作成 成形はポリマーを280〜350℃のいずれかの温度に
加熱溶融した後、日本製鋼社製0.1oz射出成形機及
び東京機械2.5oz射出成形機を用いて行い、成形片
を作成した。成形品としては次の2通りの試験片を成形
した。 (1)ポリマーの機械的物性の異方性を測定するため、
曲げ試験を行うための40mm(長さ)×6mm(幅)
×0.6mm(厚さ)の試験片を射出方向(MD)とそ
れに垂直な方向(TD)の両方向について成形した(成
形片1,2)。 (2)80mm×80mm×1mmの平板を成形した。
この射出成形品は一つは流動方向と平行(MD)に40
mm×6mm×1mmに切り出し、一つはこの流動方向
と垂直(TD)に40mm×6mm×1mmに切り出し
た(成形片3)。
【0066】(3)曲げ特性(曲げ弾性率(FM)、曲
げ剛性(FS)) 上記の成形機にて得られた成形片について、東洋ボール
ドウィン社TENSILON/UTM(III )Lを用い
て測定した。 (4)末端基定量法 まず本発明の液晶性ポリエステルアミドを粉砕し、その
粉砕試料に大過剰のn−プロピルアミンを加え、室温で
一昼夜処理する。主鎖からは、
【0067】
【化22】
【0068】等が生成し、アセテート末端からはn−プ
ロピルアセトアミドが、カルボン酸末端からは、
【0069】
【化23】
【0070】等が生成する。そこで、液晶性ポリエステ
ルアミドをn−プロピルアミンを用いて分解し、GC法
及びHPLC法により、末端から生じた分解生成物を主
鎖由来の分解生成物と分離し、そのピーク強度より末端
基を定量することが可能である。アセテート末端の定量
にはGC法を用いる。アセテート末端の分解生成物n−
プロピルアセトアミドはGCにより他の成分と分離して
検出される。標品のn−プロピルアセトアミドを用いて
検量線を作成し、絶対検量法により定量した。
【0071】カルボン酸末端の定量にはHPLC法を用
いる。カルボン酸末端の分解生成物p−ヒドロキシ安息
香酸、テレフタル酸モノn−プロピルアミド及び2,6
−ナフタレンジカルボン酸n−プロピルアミド等はHP
LCにより他の成分と分離して検出される。p−ヒドロ
キシ安息香酸、テレフタル酸モノn−プロピルアミド及
び2,6−ナフタレンジカルボン酸モノn−プロピルア
ミド等の標品を用いてそれぞれ検量線を作成し、絶対検
量法により定量した。
【0072】(5)曲げ強度保持率(耐加水分解性) 0.1ozで成形したサンプルをプレッシャークッカー
テスト装置に入れ121℃2気圧飽和水蒸気下100時
間テストを行った。 (6)発生ガス量(ガス分析) 洗浄したバイアル瓶に、チップ化したポリマーを入れ栓
をし、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行う。
このうち一部をGCに注入し、成分を定量した。
【0073】(7)組成比分析法 粉砕したポリマーにテトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイドのメタノール溶液を添加し熱分解GCを用い
てポリマーを熱分解し成分を定量した。 (8)液晶性(光学異方性) ホットステージ付偏光顕微鏡を用いて観察した。
【0074】実施例1 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えた27lオートクレ
ーブにおいて、
【表1】 メチルハイドロキノン 690g(5.56モル) p−アミノフェノール 606g(5.56モル) 2,6ナフタレンジカルボン酸 2402g(11.12モル) p−ヒドロキシ安息香酸 2264g(16.40モル) m−ヒドロキシ安息香酸 38g(0.28モル) を仕込み、窒素−減圧置換後、さらに無水酢酸を436
7g(42.82モル)仕込んだ。槽内を撹拌しなが
ら、140℃まで昇温し、1時間140℃に保ちアセチ
ル化反応を行なった。
【0075】その後3時間かけて320℃に昇温し、3
20℃に到達したところで減圧を開始した。重合は32
0℃で行なった。減圧開始後30分のところで充分トル
クが上がったので重合を終了した。最終減圧度は10m
mHgであった。その後、復圧し、静置して重合槽の底
からポリマーを抜出した、抜出し性は非常に良好であっ
た。昇華はほとんど見られなかった。このポリマーは溶
融粘度が320℃ r=103 sec-1で450ポイズ
であった。このポリマーのFMの異方性は0.6mmt
の板で1.0であり、かつIZODは17.4kgcm
/cmであった。
【0076】実施例2〜6 実施例1において原料の組成比及び重合時間を変えた以
外は実施例1と同様にして、ポリマーを製造した。原料
仕込量、重合時間を表−1に、各構成単位のモル数を表
−2に、ポリマーの溶融粘度及び各物性値を表−3及び
表−4に示した。
【0077】比較例1及び2 実施例1において原料の組成比及び重合時間を変えた以
外は実施例1と同様にして、ポリマーを製造した。原料
仕込量、重合時間を表−1に、各構成単位のモル数を表
−2に、ポリマーの溶融粘度及び各物性値を表−3及び
表−4に示した。尚実施例及び比較例で用いた各原料の
表−1、表−2における略号の示す内容を以下に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【発明の効果】本発明の液晶性ポリエステルアミドは、
樹脂の流動方向(MD)だけではなく流動方向に垂直な
方向(TD)に対しても高弾性率、高強度を示し、異方
性が小さいにもかかわらず、高い衝撃強度を示し、かつ
MD方向、TD方向の線膨張係数が小さく、更に異方性
も小さいという特徴を有する。
【0084】又、流動性に優れ、耐熱性にも優れるとい
う特徴を有する。そのため、成形材料やフィルム等の製
品に非常に有用である。特に成形材料としては自動車用
材料(例えば外板)、電気、電子部品、薄物成形品、精
密成形品として好適である。繊維などの一軸配向品とし
ても適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 知彦 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平6−345863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)5〜22モル%の式(a1)で示
    されるp−アミノフェノール単位及び0〜5モル%の式
    (a2)で示されるm−アミノフェノール単位、 【化1】 (ロ)5〜22モル%の式(b1)で示される芳香族ジ
    オール単位 【化2】−O−Ar1 −O− (b1) (式(b1)中、Ar1 は 【化3】 を表わしRはC1 〜C6 のアルキル基、C1 〜C6 のア
    ルコキシ基、ハロゲン基又はC6 〜C10の芳香族基を示
    し、mは1、2又は4、nはm=1又は2のとき0〜4
    の整数、m=4のとき0を表わす。)及び0〜5モル%
    の式(b2)で示される芳香族ジオール単位、 【化4】−O−Ar2 −O− (b2) (式(b2)中、Ar2 は 【化5】 を表わしAr2 中の各ベンゼン環及び縮合環の水素はそ
    れぞれアルキル基、芳香族基又はハロゲン基のいずれか
    で置換されていても良い。) (ハ)16〜35モル%の式(c1)で示される2,6
    −ナフタレンジカルボン酸単位 【化6】 及び0〜5モル%の式(c2)で示される芳香族ジカル
    ボン酸単位、 【化7】 (式(c2)中、Ar3 は 【化8】 を表わし、Ar3 中の各ベンゼン環及び縮合環の水素は
    それぞれアルキル基、芳香族基又はハロゲン基のいずれ
    かで置換されていても良い。) (ニ)30〜65モル%の式(d1)で示されるp−オ
    キシ安息香酸単位 【化9】 及び0〜5モル%の式(d2)で示されるm−オキシ安
    息香酸及び/又はm−アミノ安息香酸単位、 【化10】 (式(d2)中、XはO又はNHを表わす。)からな
    り、式(a1)、式(b1)、式(c1)、式(d
    1)、式(a2)、式(b2)、式(c2)及び式(d
    2)で示される構成単位のそれぞれのモル%を〔a
    1〕,〔b1〕,〔c1〕,〔d1〕,〔a2〕,〔b
    2〕,〔c2〕及び〔d2〕で表わし、更に〔A〕=
    〔a1〕+〔a2〕,〔B〕=〔b1〕+〔b2〕,
    〔C〕=〔c1〕+〔c2〕,〔D〕=〔d1〕+〔d
    2〕とするとき、〔A〕,〔B〕,〔C〕及び〔D〕が
    下記式(1)〜(5)を満足し、 【数1】5<〔A〕<22 (1) 5<〔B〕<22 (2) 16<〔C〕<35 (3) 30<〔D〕<65 (4) 〔a2〕,〔b2〕,〔c2〕及び〔d2〕が下記式
    (6)を満足し、 【数2】 0.01〔a2〕+〔b2〕+〔c2〕+〔d2〕5 (6) かつ、せん断速度1000/secにおける溶融粘度
    が、280〜350℃のいずれかの温度において10〜
    50,000ポイズの範囲内であることを特徴とする液
    晶性ポリエステルアミド。
  2. 【請求項2】 前記式(b1)で示される芳香族ジオー
    ル単位が下記式(b3)で示されるメチルハイドロキノ
    ン単位 【化11】 であることを特徴とする請求項1記載の液晶性ポリエス
    テルアミド。
  3. 【請求項3】 末端基が主として、CH3 COO−基及
    び/又は−COOH基からなり、CH3 COO−基の濃
    度(当量/ton)を〔CH3 COO−〕,−COOH
    基の濃度(当量/ton)を〔−COOH〕と表わすと
    き、〔CH3COO−〕は下記式(8)を、〔−COO
    H〕は下記式(9)を満足することを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の液晶性ポリエステルアミド。 【数3】 〔CH3 COO−〕 ≦ 30 (8) 〔−COOH〕 ≧ 120 (9)
  4. 【請求項4】 280〜350℃に加熱溶融し成形して
    得られる、投影面が正方形または円形の成形板のTD方
    向の曲げ弾性率が5GPa以上であり、かつ、MD方向
    の曲げ弾性率[1]とTD方向の曲げ弾性率[2]の比
    ([1]/[2])が2以下であることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の液晶性ポリエステル
    アミド。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の液
    晶性ポリエステルアミドを射出成形して得られることを
    特徴とする射出成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の液
    晶性ポリエステルアミドを使用することを特徴とする電
    気・電子材料用部品。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の液
    晶性ポリエステルアミドを使用することを特徴とする自
    動車用材料。
JP27375493A 1993-11-01 1993-11-01 液晶性ポリエステルアミド Expired - Fee Related JP3353417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27375493A JP3353417B2 (ja) 1993-11-01 1993-11-01 液晶性ポリエステルアミド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27375493A JP3353417B2 (ja) 1993-11-01 1993-11-01 液晶性ポリエステルアミド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126383A JPH07126383A (ja) 1995-05-16
JP3353417B2 true JP3353417B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=17532115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27375493A Expired - Fee Related JP3353417B2 (ja) 1993-11-01 1993-11-01 液晶性ポリエステルアミド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3353417B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007880A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Canon Electronics Inc フィルムおよびこれを用いた遮光羽根
EP3348597B1 (en) * 2015-09-09 2023-07-05 Sumitomo Chemical Company, Limited Aromatic polyester, liquid aromatic-polyester composition, process for producing aromatic-polyester film, and aromatic-polyester film
CN110291153A (zh) 2016-12-15 2019-09-27 住友化学株式会社 外板用液晶聚合物树脂组合物及外板
TWI750105B (zh) 2016-12-15 2021-12-11 日商住友化學股份有限公司 板狀成形體之製造方法、模具
JP2018158447A (ja) 2017-03-22 2018-10-11 住友化学株式会社 樹脂成形体の製造方法および樹脂成形体
JP6819517B2 (ja) * 2017-09-05 2021-01-27 トヨタ自動車株式会社 車体構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07126383A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101590594B1 (ko) 액정성 고분자 및 성형체
JPH0395260A (ja) 流動性の改良された液晶ポリエステル樹脂組成物
JP3353417B2 (ja) 液晶性ポリエステルアミド
EP0212944B1 (en) Melt-processable aromatic copolyester
JP5643072B2 (ja) 液晶ポリエステル
JP2525370B2 (ja) 流動性の改良された芳香族ポリエステル
JP2699465B2 (ja) 成形品
JP3365448B2 (ja) 液晶性ポリエステル(アミド)及びそれを用いた電気・電子部品並びに自動車用電装部品
KR960002954B1 (ko) 용융 이방성을 나타내는 폴리에스테르
JP3309459B2 (ja) 液晶性ポリエステル
JP2638805B2 (ja) 流動性および耐熱性の優れた芳香族ポリエステル
JPH0798859B2 (ja) 全芳香族ポリエステル射出成形品
JPH0694504B2 (ja) 共重合ポリエステルアミド
JPH06345863A (ja) 液晶性ポリエステルアミド
JP3355782B2 (ja) 液晶性ポリエステルアミド及びその製造方法
JP3079543B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JPH073013A (ja) 液晶性ポリエステルアミド
JP3284617B2 (ja) 液晶性ポリエステルの製造方法
JP3453255B2 (ja) 液晶性ポリエステルアミドの製造法
JP3146659B2 (ja) 液晶性ポリエステル及びその製造方法
JP2570708B2 (ja) 流動性の良好な耐熱性芳香族ポリエステル
JP2530654B2 (ja) 耐熱性の良好な芳香族ポリエステル
JP3089685B2 (ja) 共重合ポリエステルの製造方法
JPH0681783B2 (ja) 流動性の改善された芳香族ポリエステル
JPH06157733A (ja) 液晶性ポリエステル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070927

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees