JPH08191555A - 冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却ファンを備えていても電動機の軸方向寸
法を短くできる冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機
を提供する。 【構成】 ステータ１とその外周に回転自在に配置した
ロータ２とで直流電動機本体３を構成する。直流電動機
本体３を駆動・制御する電子部品４を実装した電子部品
実装基板５をステータ１と共に固定系に配置する。ロー
タ２の回転により回転して直流電動機本体３等を冷却す
る冷却ファン６を設ける。冷却ファン６は、ロータ２の
ヨーク１４の内周に設けられている環状のロータ駆動用
永久磁石１５の幅方向の両端に周方向に沿ってそれぞれ
複数の羽根６ａ，６ｂを突設することにより形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ステータの外周に回転
自在に配置されたロータの回転により回転して直流電動
機本体を等を冷却する冷却ファンを備えた冷却ファン付
き外転ロータ型直流電動機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の冷却ファン付き外転ロー
タ型直流電動機は、図６に示すように、ステータ１及び
その外周に回転自在に配置されたロータ２を有する直流
電動機本体３と、ステータ１と共に固定系に配置されて
いて直流電動機本体３を駆動・制御する電子部品４を実
装した電子部品実装基板５と、ロータ２の回転により回
転して直流電動機本体３や電子部品４等を冷却する冷却
ファン６とを備えた構造になっている。

【０００３】ステータ１は、ケース７にあけられた孔８
を包囲して立設されている筒状のボス９の外周に支持さ
れた突極付き鉄心１０と、該鉄心１０の突極に巻装され
たステータ巻線１１とを備えて構成されている。

【０００４】ロータ２は、筒状のボス９の中に通されて
軸受１２により回転自在に支持されている回転軸１３
と、該回転軸１３に底板部１４ａの中央が支持されてい
る椀状のヨーク１４と、該ヨーク１４の筒部１４ｂの内
周に接着等で支持されているロータ駆動用永久磁石１５
とを備えて構成されている。ヨーク１４の底板部１４ａ
には、通風用の孔１６が設けられている。

【０００５】電子部品実装基板５は、筒状のボス９の基
部外周に遊嵌されて鉄心１０にスペーサ１７を介して支
持されている。

【０００６】冷却ファン６は、ヨーク１４の底板部１４
ａを貫通した回転軸１３の先端に支持され、ロータ２の
回転につれて回転駆動されるようになっている。

【０００７】このような冷却ファン付き外転ロータ型直
流電動機においては、ロータ２の回転につれて冷却ファ
ン６が回転駆動され、この冷却ファン６の回転により発
生した冷却風が図示のようにヨーク１４の底板部１４ａ
にあけられた通風用の孔１６を経てヨーク１４内に入
り、直流電動機本体３を冷却した後、電子部品実装基板
５側に抜けて電子部品４を冷却する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機にお
いては、冷却ファン６が、ヨーク１４の底板部１４ａを
貫通した回転軸１３の先端に支持されているので、該冷
却ファン６の厚み分だけ電動機の軸方向寸法が長くなる
問題点があった。

【０００９】本発明の目的は、冷却ファンを備えていて
も電動機の軸方向寸法を短くできる冷却ファン付き外転
ロータ型直流電動機を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、ステータ及び
その外周に回転自在に配置されたロータを有する直流電
動機本体と、前記ステータと共に固定系に配置されてい
て前記直流電動機本体を駆動・制御する電子部品を実装
した電子部品実装基板と、前記ロータの回転により回転
して前記電子部品等を冷却する冷却ファンとを備えた冷
却ファン付き外転ロータ型直流電動機を改良の対象とし
ている。

【００１１】本発明に係る冷却ファン付き外転ロータ型
直流電動機においては、前記冷却ファンが前記ロータの
ヨークの内周に設けられているロータ駆動用永久磁石に
併設されていることを特徴とする。

【００１２】この場合、前記冷却ファンは、前記ロータ
駆動用永久磁石に羽根を設けて形成することができる。

【００１３】また、前記ロータ駆動用永久磁石はプラス
チック磁石で形成し、前記冷却ファンは前記ロータ駆動
用永久磁石と一体成形で形成することができる。

【００１４】また、前記冷却ファンは、前記ロータ駆動
用永久磁石とは別の素材で形成することもできる。

【００１５】また、前記冷却ファンは、前記直流電動機
本体を冷却する羽根と前記電子部品を冷却する羽根とを
備えた構造にすることができる。

【００１６】

【作用】このように冷却ファンをロータ駆動用永久磁石
に併設すると、電動機の軸方向寸法を長くすることなく
冷却ファンを設けることができる。

【００１７】特に、冷却ファンを、ロータ駆動用永久磁
石に羽根を設けて形成すると、部品点数を増加させるこ
となく冷却ファンを設けることができる。また、ロータ
駆動用永久磁石と冷却ファンとの取付けを一緒に行うこ
とができる。このため冷却ファン付き外転ロータ型直流
電動機のコストダウンを図ることができる。

【００１８】また、ロータ駆動用永久磁石をプラスチッ
ク磁石で形成し、冷却ファンを該ロータ駆動用永久磁石
と一体成形で形成すると、ロータ駆動用永久磁石と冷却
ファンとの形成を一緒に行うことができ、このためコス
トダウンをより促進することができる。

【００１９】また、冷却ファンをロータ駆動用永久磁石
とは別の素材で形成すると、所要の材質と所要の形状を
選んで冷却ファンを形成することができる。

【００２０】また、冷却ファンが、直流電動機本体を冷
却する羽根と電子部品を冷却する羽根とを備えた構造に
なっていると、一方を冷却した風で他方を冷却する場合
に比べて、直流電動機本体と電子部品とを効率良く冷却
することができる。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して詳細に
説明する。なお、前述した図６と対応する部分には、同
一符号を付けて示している。

【００２２】図１及び図２（Ａ）（Ｂ）は、本発明の第
１実施例を示したものである。本実施例の冷却ファン付
き外転ロータ型直流電動機においては、冷却ファン６は
ロータ２のヨーク１４の内周に設けられているロータ駆
動用永久磁石１５に併設されている。特に、本実施例の
場合、該冷却ファン６は、環状のロータ駆動用永久磁石
１５の幅方向の両端に周方向に沿ってそれぞれ複数の羽
根６ａ，６ｂを突設することにより形成されている。各
羽根６ａは直流電動機本体３を冷却するために設けら
れ、各羽根６ｂは電子部品４を冷却するために設けられ
ている。このため各羽根６ｂは、その先端がヨーク１４
の筒部１４ｂより先に突出するように設けられている。
このようにしても、筒部１４ｂの長さを羽根６ｂの突出
長分だけ短くすることにより、電動機の軸方向寸法の増
大を防止できる。こような構造のロータ駆動用永久磁石
１５と冷却ファン６とは、本実施例では、ロータ駆動用
永久磁石１５がプラスチック磁石で形成され、冷却ファ
ン６が該ロータ駆動用永久磁石１５と一体成形で形成さ
れている。その他の構造は、図６と同様になっている。

【００２３】このように冷却ファン６をロータ駆動用永
久磁石１５に併設すると、ヨーク１４の底板部１４ａを
貫通した回転軸１３の先端に冷却ファン６を設ける必要
がなくなり、電動機の軸方向寸法を長くすることなく冷
却ファン６を設けることができる。

【００２４】特に、冷却ファン６を、ロータ駆動用永久
磁石１５に羽根６ａ，６ｂを設けて形成すると、部品点
数を増加させることなく冷却ファン６を設けることがで
きる。また、ロータ駆動用永久磁石１５と冷却ファン６
との取付けを一緒に行うことができる。このため冷却フ
ァン付き外転ロータ型直流電動機のコストダウンを図る
ことができる。

【００２５】また、ロータ駆動用永久磁石１５をプラス
チック磁石で形成し、冷却ファン６を該ロータ駆動用永
久磁石１５と一体成形で形成すると、ロータ駆動用永久
磁石１５と冷却ファン６との形成を一緒に行うことがで
き、このためコストダウンをより促進することができ
る。

【００２６】また、冷却ファン６が、直流電動機本体３
を冷却する羽根６ａと電子部品４を冷却する羽根６ｂと
を備えた構造になっていると、一方を冷却した風で他方
を冷却する場合に比べて、直流電動機本体３と電子部品
４とを効率良く冷却することができる。

【００２７】図３は、本発明の第２実施例を示したもの
である。本実施例の冷却ファン付き外転ロータ型直流電
動機においては、冷却ファン６の羽根６ｂが電子部品実
装基板５と平行に延ばしてＬ型に形成され、ヨーク１４
の筒部１４ｂの端部を越えて電子部品４に対向できる側
に突出されている。その他の構成は、図１に示す第１実
施例と同様になっている。

【００２８】このようにすると、羽根６ｂの面積が大き
くなり、風量を増加させることができ、電子部品４の冷
却をより効率良く行わせることができる。この実施例で
も、筒部１４ｂの長さを羽根６ｂの突出長分だけ短くす
ることにより、電動機の軸方向寸法の増大を防止でき
る。

【００２９】上記実施例では、冷却ファン６とロータ駆
動用永久磁石１５とを同じ素材で形成する例について説
明したが、冷却ファン６とロータ駆動用永久磁石１５と
を別の素材で形成することもできる。

【００３０】例えば、図４に示した第３実施例のよう
に、樹脂製の冷却ファン６の成形時にロータ駆動用永久
磁石１５を鋳込んで一体化した構造、或いは、図５に示
した第４実施例のように、樹脂製の冷却ファン６の成形
品の凹部６ｃにロータ駆動用永久磁石１５を嵌め付けて
一体化した構造にすることができる。その他の構成は、
図１に示す第１実施例と同様になっている。

【００３１】これら第３，第４実施例のように別の素材
で形成しても、一体化した構造になっていると、組み立
て時に１部品として扱うことができ、組み立てを容易に
行うことができる。これらの場合、冷却ファン６はヨー
ク１４の筒部１４ｂの内周に接着等で支持されている。

【００３２】また、これら冷却ファン６とロータ駆動用
永久磁石１５とを別の素材で形成して、一体化せずにヨ
ーク１４の筒部１４ｂ内周に接着等で併設することもで
きる。

【００３３】このような構造でも、電動機の軸方向寸法
を長くしないという基本的効果は得ることができる。

【００３４】また、冷却ファン６は、羽根６ｂを省略
し、羽根６ａの風を利用して電子部品４を冷却すること
もできる。

【００３５】以上説明した本発明の幾つかの態様を要約
して示すと、次の通りである。

【００３６】（１） ステータ及びその外周に回転自在
に配置されたロータを有する直流電動機本体と、前記ス
テータと共に固定系に配置されていて前記直流電動機本
体を駆動・制御する電子部品を実装した電子部品実装基
板と、前記ロータの回転により回転して前記直流電動機
本体を冷却する冷却ファンとを備えた冷却ファン付き外
転ロータ型直流電動機において、前記冷却ファンは前記
ロータのヨークの内周に設けられているロータ駆動用永
久磁石に併設されていることを特徴とする冷却ファン付
き外転ロータ型直流電動機。

【００３７】（２） 前記冷却ファンは前記ロータ駆動
用永久磁石に羽根を設けて形成されていることを特徴と
する第１項に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電
動機。 （３） 前記ロータ駆動用永久磁石はプラスチック磁石
で形成され、前記冷却ファンは前記ロータ駆動用永久磁
石と一体成形で形成されていることを特徴とする第２項
に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機。

【００３８】（４） 前記冷却ファンは前記ロータ駆動
用永久磁石とは別の素材で形成されていることを特徴と
する第１項に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電
動機。 （５） 前記ロータ駆動用永久磁石は前記冷却ファンの
成形品の中に鋳込まれて一体化されていることを特徴と
する第４項に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電
動機。

【００３９】（６） 前記ロータ駆動用永久磁石は前記
冷却ファンの成形品の凹部に嵌め込まれて一体化されて
いることを特徴とする第４項に記載の冷却ファン付き外
転ロータ型直流電動機。

【００４０】（７） 前記冷却ファンは前記直流電動機
本体を冷却する羽根と前記電子部品を冷却する羽根とを
備えていることを特徴とする第１項〜第６項のいずれか
１つに記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機。

【００４１】

【発明の効果】本発明に係る冷却ファン付き外転ロータ
型直流電動機においては、冷却ファンをロータ駆動用永
久磁石に併設したので、電動機の軸方向寸法を長くする
ことなく冷却ファンを設けることができる。

【００４２】特に、請求項２に記載の発明のように、冷
却ファンを、ロータ駆動用永久磁石に羽根を設けて形成
すると、部品点数を増加させることなく冷却ファンを設
けることができる。また、ロータ駆動用永久磁石と冷却
ファンとの取付けを一緒に行うことができる。このため
冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機のコストダウン
を図ることができる。

【００４３】また、請求項３に記載の発明のように、ロ
ータ駆動用永久磁石をプラスチック磁石で形成し、冷却
ファンを該ロータ駆動用永久磁石と一体成形で形成する
と、ロータ駆動用永久磁石と冷却ファンとの形成を一緒
に行うことができ、このためコストダウンをより促進す
ることができる。

【００４４】また、請求項４に記載の発明のように、冷
却ファンをロータ駆動用永久磁石とは別の素材で形成す
ると、所要の材質と所要の形状を選んで冷却ファンを形
成することができる。

【００４５】また、請求項５に記載の発明のように、冷
却ファンが、直流電動機本体を冷却する羽根と電子部品
を冷却する羽根とを備えた構造になっていると、一方を
冷却した風で他方を冷却する場合に比べて、直流電動機
本体と電子部品とを効率良く冷却することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る冷却ファン付き外転ロータ型直流
電動機の第１実施例の縦断面図である。

【図２】（Ａ）（Ｂ）は第１実施例で用いているロータ
駆動用永久磁石とこれに一体の冷却ファンの関係を示す
平面図及び側面図である。

【図３】本発明に係る冷却ファン付き外転ロータ型直流
電動機の第２実施例の要部縦断面図である。

【図４】本発明に係る冷却ファン付き外転ロータ型直流
電動機の第３実施例の要部縦断面図である。

【図５】本発明に係る冷却ファン付き外転ロータ型直流
電動機の第４実施例の要部縦断面図である。

【図６】従来の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機
の縦断面図である。

【符号の説明】

１ ステータ ２ ロータ ３ 直流電動機本体 ４ 電子部品 ５ 電子部品実装基板 ６ 冷却ファン ６ａ，６ｂ 羽根 ６ｃ 凹部 ７ ケース ８ 孔 ９ ボス １０ 突極付き鉄心 １１ ステータ巻線 １２ 軸受 １３ 回転軸 １４ ヨーク １４ａ 底板部 １４ｂ 筒部 １５ ロータ駆動用永久磁石 １６ 通風用の孔 １７ スペーサ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステータ及びその外周に回転自在に配置
   されたロータを有する直流電動機本体と、前記ステータ
   と共に固定系に配置されていて前記直流電動機本体を駆
   動・制御する電子部品を実装した電子部品実装基板と、
   前記ロータの回転により回転して前記直流電動機本体を
   冷却する冷却ファンとを備えた冷却ファン付き外転ロー
   タ型直流電動機において、 前記冷却ファンは前記ロータのヨークの内周に設けられ
   ているロータ駆動用永久磁石に併設されていることを特
   徴とする冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機。
2. 【請求項２】 前記冷却ファンは前記ロータ駆動用永久
   磁石に羽根を設けて形成されていることを特徴とする請
   求項１に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動
   機。
3. 【請求項３】 前記ロータ駆動用永久磁石はプラスチッ
   ク磁石で形成され、前記冷却ファンは前記ロータ駆動用
   永久磁石と一体成形で形成されていることを特徴とする
   請求項２に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動
   機。
4. 【請求項４】 前記冷却ファンは前記ロータ駆動用永久
   磁石とは別の素材で形成されていることを特徴とする請
   求項１に記載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動
   機。
5. 【請求項５】 前記冷却ファンは前記直流電動機本体を
   冷却する羽根と前記電子部品を冷却する羽根とを備えて
   いることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記
   載の冷却ファン付き外転ロータ型直流電動機。